(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
携帯通信端末(2)と、前記携帯通信端末(2)にて再生中の楽曲データが属するプレイリストに関する情報を前記携帯通信端末(2)から取得不可能な場合がある楽曲データ出力装置(3)とを備えた楽曲データ出力システムであって、
前記楽曲データ出力装置(3)は、前記携帯通信端末(2)から楽曲データを受信する楽曲データ受信手段(17)と、前記携帯通信端末(2)から前記楽曲データ受信手段(17)に受信された楽曲データを出力する楽曲データ出力手段(22)と、前記携帯通信端末(2)に対して楽曲データを再生するように再生要求を再生要求送信手段(17)から所定のプロトコルを用いて前記携帯通信端末(2)に送信させる装置側制御手段(16)と、を備え、前記装置側制御手段(16)は、前記携帯通信端末(2)にて再生されている楽曲データが属するプレイリストの楽曲データを繰り返し再生するようにプレイリストリピート再生要求を前記再生要求送信手段(17)から前記所定のプロトコルを用いて前記携帯通信端末(2)に送信させるように構成され、
前記携帯通信端末(2)は、楽曲データの再生順序を示すリストをプレイリストとして記憶する楽曲データ記憶手段(9)と、前記楽曲データ記憶手段(9)に記憶されている楽曲データを再生し、その再生した楽曲データを楽曲データ送信手段(8)から前記楽曲データ出力装置(3)に送信させる端末側制御手段(6)と、前記楽曲データ出力装置(3)から所定のプロトコルを用いて再生要求及びプレイリストリピート再生要求を受信する再生要求受信手段(8)と、次に再生する楽曲データの選択に関する再生設定情報を記憶する再生設定情報記憶手段(10)と、前記再生設定情報記憶手段(10)に記憶されている再生設定情報を退避する再生設定情報退避手段(11)と、を備え、前記端末側制御手段(6)は、前記楽曲データ出力装置(3)からプレイリストリピート再生要求が前記再生要求受信手段(8)に受信された場合に、前記再生設定情報としてプレイリストリピート再生を前記再生設定情報記憶手段(10)に設定し、再生している楽曲データが属するプレイリストの最後の楽曲データの再生を完了した場合に、その楽曲データが属するプレイリストの楽曲データを繰り返し再生し、前記楽曲データ出力装置(3)からプレイリストリピート再生要求が前記再生要求受信手段(8)に受信された場合であって、前記携帯通信端末(2)にて設定された前記再生設定情報が前記再生設定情報記憶手段(10)に記憶されている場合には、その前記再生設定情報を前記再生設定情報退避手段(11)に退避させ、前記携帯通信端末(2)と前記楽曲データ出力装置(3)との間で接続されている前記所定のプロトコルが切断された後に、前記再生設定情報退避手段(11)に退避させた前記再生設定情報を前記再生設定情報記憶手段(10)に戻して記憶させることを特徴とする楽曲データ出力システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の楽曲データ出力装置を、ユーザが携帯可能な携帯通信端末とBluetooth(登録商標、以下、単にBTと称する)通信可能であり、車両に搭載されている車両用機器に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、車両用通信システム1(楽曲データ出力システムに相当)は、ユーザが携帯可能な携帯通信端末2と、車両に搭載されている車両用機器3とを有して構成される。本実施形態では、携帯通信端末2として、近年、高性能化が進む所謂スマートフォン(Smart Phone)を想定している。携帯通信端末2は、例えばコンテンツプロバイダが管理するサーバ4や中間サーバ5と通信網(図示せず)を通じて接続することで、サーバ4から配信されるコンテンツを直接取得したり中間サーバ5を通じて取得したりする。通信網は、携帯電話基地局や基地局制御装置等の周知の公衆回線網を使用する携帯電話通信サービスを提供する設備を含む。
【0010】
サーバ4は、POI(Point Of Interface)検索サービス、ニュース配信サービス、SNS(Social Networking Service)サービス、音楽ストリーミング配信サービス、インターネットラジオ配信サービス等を実現する各種のコンテンツを保持している。サーバ4は、携帯通信端末2から配信要求を受付けると、その受付けた配信要求により特定されるコンテンツを、通信網を通じて携帯通信端末2に配信する。中間サーバ5は、サーバ4から配信されるコンテンツのデータ形式を、車両用機器3が当該コンテンツを利用可能なデータ形式に変換する機能を有する。即ち、例えば音楽ストリーミングデータ等のデータ形式を変換する必要がないコンテンツは、サーバ4から携帯通信端末2に直接配信される。一方、例えばPOIデータやニュースデータ等のデータ形式を変換する必要があるコンテンツは、サーバ4から中間サーバ5を通じて携帯通信端末2に配信される。
【0011】
携帯通信端末2は、制御部6(端末側制御手段に相当)と、電話通信部7と、BT通信部8(楽曲データ送信手段、再生要求受信手段に相当)と、記憶部9(楽曲データ記憶手段に相当)と、再生設定情報記憶部10(再生設定情報記憶手段に相当)と、再生設定情報退避部11(再生設定情報退避手段に相当)と、表示部12と、操作部13と、音声入力部14と、音声出力部15とを有する。制御部6は、CPU、RAM、ROM及びI/Oバス等を有する周知のマイクロコンピュータから構成されている。制御部6は、ROM等に記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、データ通信処理やデータ管理処理等の携帯通信端末2の動作全般を制御する。
【0012】
電話通信部7は、サーバ4や中間サーバ5等との間で通信網を通じて電話通信(音声通信やデータ通信を含む)を行う。BT通信部8は、後述する車両用機器3のBT通信部17との間で近距離無線通信回線としてのBT通信回線を接続可能であり、BT通信回線の接続状態でBT通信を行う。BT通信部8は、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルを同時接続(所謂マルチプロファイル接続)可能に構成されている。これら複数のプロファイルは、機能毎に定義されたプロトコルを意味している。この場合、プロファイルとしては、楽曲データの転送を規定するA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)、楽曲データの制御(再生、一時停止、停止等)に係る制御データの転送を規定するAVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)、仮想シリアルポート化したデータ通信を規定するSPP(Serial Port Profile)、ハンズフリー通話を規定するHFP(Hands Free Profile)等が規定されている。
【0013】
記憶部9は、各種データや楽曲データを記憶可能に構成されている。この場合、記憶部9は、複数の楽曲データを纏めてプレイリストとして記憶している。プレイリストは、楽曲データの再生順序を示すリストであり、例えばアルバムに登録されている楽曲データの再生順序と同等である。尚、記憶部9は、例えばメモリカード等の携帯通信端末3から取外し可能な記憶媒体から構成されていても良い。
【0014】
再生設定情報記憶部10は、次に再生する楽曲データの選択に関する再生設定情報を記憶可能に構成されている。この場合、ユーザは、次に再生する楽曲データの選択として「1曲リピート再生」や「シャッフル再生」を設定可能である。制御部6は、ユーザが「1曲リピート再生」の設定を操作部13にて行うと、再生設定情報として「1曲リピート再生」を再生設定情報記憶部10に記憶させる。又、制御部6は、ユーザが「シャッフル再生」の設定を操作部13にて行うと、再生設定情報として「シャッフル再生」を再生設定情報記憶部10に記憶させる。再生設定情報退避部11は、再生設定情報記憶部10に記憶されている再生設定情報を退避する。
【0015】
表示部12は、例えば液晶表示器や有機EL表示器等から構成され、制御部6から入力する表示指令信号に基づいて各種情報を表示する。操作部13は、表示部12の表示画面上に形成されるタッチスイッチである所謂タッチパネルや、表示部12の周囲や近傍に機械的に設けられているスイッチ等を含む各種の操作キーから構成される。操作部13は、ユーザが操作キーを操作したことに応じて操作検出信号を制御部6に出力する。制御部6は、操作部13から入力する操作検出信号を解析してユーザによる操作内容を特定する。又、制御部6は、BT通信部8と後述する車両用機器3のBT通信部17との間でBT通信可能な状態では、その特定した操作内容をBT通信により車両用機器3に通知する。
【0016】
音声入力部14は、携帯通信端末2が単体の電話機として動作しているとき、即ち、単体の通話状態にある(後述するハンズフリー通話状態でない)ときには、ユーザが発した音声を送話音声として入力する。送話音声は、電話通信部7から通信網を通じて通話相手に送信される。音声出力部15は、携帯通信端末2が単体の電話機として動作しているとき、即ち、単体の通話状態にあるときには、通話相手から通信網を通じて電話通信部7に受信された音声を受話音声として出力する。
【0017】
制御部6は、各種のアプリケーションを実行可能であり、アプリケーションの一つとして、記憶部9に記憶されている楽曲データを再生して出力するアプリケーション(楽曲再生アプリケーション)を実行可能である。即ち、制御部6は、楽曲再生アプリケーションを起動すると、記憶部9に記憶されている楽曲データを読出し、その読出した楽曲データを再生する。この場合、制御部6は、BT通信部8とBT通信部17とが両者の間でBT通信回線を接続しておらず、携帯通信端末2が単体で動作する状態であれば、再生した楽曲データの出力先を自機の音声出力部15に設定することで、楽曲データを音声出力部15から出力させる。又、制御部6は、楽曲データを再生中の期間では、再生中の楽曲データのアーティスト名やアルバム名や楽曲名を含む楽曲情報を表示部12に表示させると共に、楽曲データの再生時間の経過を示す再生位置情報や楽曲データの再生を完了するまでに要する時間を示す再生時間情報を含む再生曲情報を表示部12に表示させる。
【0018】
一方、制御部6は、BT通信部8とBT通信部17とが両者の間でBT通信回線を接続しており、A2DP、AVRCP及びSPPを接続しており、携帯通信端末2が車両用機器3と連携して動作する状態であれば、再生した楽曲データの出力先を車両用機器3の音声出力部22に設定することで、楽曲データをA2DPにより車両用機器3に転送して当該車両用機器3の音声出力部22から出力させる。又、制御部6は、楽曲データを再生中の期間では、上記した楽曲情報や再生曲情報をSPPにより車両用機器3に転送して当該車両用機器3の表示部19に表示させる。
【0019】
車両用機器3は、制御部16(装置側制御手段、再生完了判定手段に相当)と、BT通信部17(楽曲データ受信手段、再生要求送信手段に相当)と、記憶部18と、表示部19と、操作部20と、音声入力部21と、音声出力部22(楽曲データ出力手段に相当)と、信号入力部23と、車両LAN通信部24とを有する。制御部16は、CPU、RAM、ROM及びI/Oバス等を有する周知のマイクロコンピュータから構成されている。制御部16は、ROM等に記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、データ通信処理やデータ管理処理等の車両用機器3の動作全般を制御する。
【0020】
BT通信部17は、携帯通信端末2のBT通信部8との間で近距離無線通信回線としてのBT通信回線を接続可能であり、BT通信回線の接続状態でBT通信を行う。BT通信部17も、携帯通信端末2のBT通信部8と同様に、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルを同時接続可能に構成されている。
【0021】
記憶部18は、携帯通信端末2の記憶部9と同様に、各種データや楽曲データを記憶可能に構成されており、複数の楽曲データを纏めてプレイリストとして記憶している。
表示部19は、例えば液晶表示器や有機EL表示器等から構成され、制御部16から入力する表示指令信号に基づいて各種情報を表示する。操作部20は、表示部19の表示画面上に形成されるタッチスイッチである所謂タッチパネルや、表示部19の周囲や近傍に機械的に設けられているスイッチ等を含む各種の操作キーから構成される。操作部20は、ユーザが操作キーを操作したことに応じて操作検出信号を制御部16に出力する。制御部16は、操作部20から入力する操作検出信号を解析してユーザによる操作内容を特定する。又、制御部16は、BT通信部17と上記した携帯通信端末2のBT通信部8との間でBT通信可能な状態では、その特定した操作内容をBT通信により携帯通信端末2に通知する。
【0022】
音声入力部21は、携帯通信端末2及び車両用機器3がハンズフリー通話状態にあるときには、ユーザが発した音声を送話音声として入力する。送話音声は、BT通信部17から携帯通信端末2のBT通信部8に転送され、電話通信部7から通信網を通じて通話相手に送信される。音声出力部22は、携帯通信端末2及び車両用機器3がハンズフリー通話状態にあるときには、通話相手から通信網を通じて電話通信部7に受信され、携帯通信端末2のBT通信部8からBT通信部17に転送された音声を受話音声として出力する。
【0023】
信号入力部23は、車両に搭載されているACC(アクセサリ)スイッチ(図示せず)に接続しており、ACCスイッチからACC信号を入力すると、ACC信号を制御部16に出力する。制御部16は、信号入力部23から入力するACC信号のオンオフに基づいて電源回路(図示せず)のオンオフを制御する。即ち、制御部16は、ACC信号がオフからオンに変化したタイミングで電源回路をオンし、車両用機器3を起動し、ACC信号がオンからオフに変化したタイミングで電源回路をオフし、車両用機器3を停止する。
【0024】
車両LAN通信部24は、車両に搭載されている車両LAN25に接続されており、車両に搭載されている各種ECU(Electronic Control Unit)26や各種センサ27との間で車両LAN25を通じたデータ通信を行う。
【0025】
制御部16も、上記した携帯通信端末2の制御部6と同様に、各種のアプリケーションを実行可能であり、アプリケーションの一つとして、記憶部18に記憶されている楽曲データを再生して出力するアプリケーション(楽曲再生アプリケーション)を実行可能である。即ち、制御部16は、楽曲再生アプリケーションを起動すると、記憶部18に記憶されている楽曲データを読出し、その読出した楽曲データを再生して音声出力部22から出力させる。
【0026】
次に、上記した構成の作用について、
図2乃至
図7も参照して説明する。
車両用機器3において、制御部16は、BT通信部8とBT通信部17とが両者の間でBT通信回線を接続しており、A2DP、AVRCP及びSPPを接続している状態で、ユーザがミュージックプレイヤーを起動する操作を操作部20にて行ったと判定すると(ステップS1:YES)、再生要求をBT通信部17からSPP(所定のプロトコルに相当)によりBT通信部8に送信させる。具体的には、制御部16は、
図4に示すように、複数のアプリケーションを任意に選択可能な複数のタッチボタン(アイコン、
図4ではサービスA〜Hに対応するタッチボタン31a〜31h)を含むホーム画面31を表示部19に表示させている状態で、ユーザがミュージックプレイヤーのタッチボタンを押下したと判定すると、再生要求をBT通信部17からSPPによりBT通信部8に送信させる。
【0027】
携帯通信端末2において、制御部6は、再生要求がBT通信部8に受信されたと判定すると、ミュージックライブラリを検索し(ステップT1)、前回のBT通信回線を切断する直前まで再生していた楽曲データを特定する。そして、制御部6は、その特定した楽曲データを記憶部9から読出し、その読出した楽曲データの再生(ストリーミング再生)を開始し(ステップT2)、その再生した楽曲データをBT通信部8からA2DPによりBT通信部17に送信させる。尚、制御部6は、その時点で楽曲データを既に再生しており、即ち、楽曲データを音声出力部15から出力させている場合には、楽曲データの出力先を音声出力部15から車両用機器3の音声出力部22に切換え、その楽曲データをBT通信部8からA2DPによりBT通信部17に送信させる。
【0028】
制御部6は、このようして楽曲データの再生を開始すると、再生中の楽曲データの楽曲情報(アーティスト名、アルバム名、楽曲名)をBT通信部8からSPPによりBT通信部17に送信させ、再生曲情報(楽曲データの再生時間の経過を示す再生位置情報、楽曲データの再生を完了するまでに要する時間を示す再生時間情報)をBT通信部8からSPPによりBT通信部17に送信させる。この場合、制御部6は、楽曲データを再生中の期間では、その楽曲データの再生を完了するまで再生位置情報を継続的に送信させる。
【0029】
車両用機器3において、制御部16は、楽曲データがBT通信部17に受信されたと判定すると、その受信された楽曲データを音声出力部22から出力させる(ステップS2)。即ち、ユーザは、携帯通信端末2に登録されている楽曲データの音声を車両用機器3の音声出力部22から聴くことが可能となる。又、制御部16は、楽曲情報及び再生曲情報がBT通信部17に受信されたと判定すると、その受信された楽曲情報及び再生曲情報を表示部19に表示させる(ステップS3)。具体的には、制御部16は、
図5に示すように、楽曲データを再生中であることを示す再生中画面32を表示部19に表示させ、再生中の楽曲データが属するアルバムのジャケット写真(
図5では「Image」)32a、アーティスト名(
図5では「アーティストA」)32b、アルバム名(
図5では「アルバムA」)32c、楽曲名(
図5では「楽曲A」)32dを表示させると共に、再生時間の経過を示すシークバー32e及びシークバーハンドル32f、現在再生時間32g、残り再生時間32hを表示させる。
【0030】
尚、制御部16は、ユーザが再生中画面32にてプレイリストタブ32iを押下したと判定すると、
図6に示すように、プレイリスト楽曲一覧画面33を表示部19に表示させる。更に、制御部16は、ユーザが再生中画面32にて全楽曲一覧タブ32jを押下したと判定すると、
図7に示すように、全楽曲一覧画面34を表示部19に表示させる。
【0031】
制御部16は、楽曲データがBT通信部17に受信されている期間では、シークバーハンドル32fの位置、現在再生時間32g、残り再生時間32hを更新しつつ、携帯通信端末2にて楽曲データの再生が完了されたか否かを監視する(ステップS4)。即ち、制御部16は、携帯通信端末2から再生曲情報として通知される再生位置情報(現在再生時間及び残り再生時間)と再生時間情報とを比較し、例えば現在再生時間が再生時間情報に達したか否か、又は残り再生時間が零に達したか否かを判定することで、携帯通信端末2にて楽曲データの再生が完了されたか否かを判定する。ここで、制御部16は、携帯通信端末2にて楽曲データの再生が完了されたと判定すると(ステップS4:YES)、プレイリストリピート再生要求をBT通信部17からSPPによりBT通信部8に送信させる。
【0032】
携帯通信端末2において、制御部6は、プレイリストリピート再生要求がBT通信部8に受信されたと判定すると、今回のプレイリストリピート再生要求の受信がSPPを接続した以降の最初の受信であるか否かを判定する(ステップT3)。制御部6は、今回のプレイリストリピート再生要求の受信がSPPを接続した以降の最初の受信であると判定すると(ステップT3:YES)、その時点で「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」が再生設定情報記憶部10に記憶されているか否かを判定する(ステップT4)。制御部6は、その時点で「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」が記憶されていると判定すると(ステップT4:YES)、その「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」を再生設定情報退避部11に退避させ(ステップT5)、プレイリストリピート再生要求が受信されたことに応じて「プレイリストリピート再生」を再生設定情報記憶部10に記憶させる(ステップT6)。尚、今回のプレイリストリピート再生要求の受信がSPPを接続した以降の最初の受信である場合に限って「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」を退避させるのは、プレイリストリピート再生要求を受信する毎に「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」を退避させてしまうと、同じ内容を何度も上書き(オーバーライト)することになり、無意味な動作を繰り返し行うことを回避するためである。
【0033】
又、制御部6は、「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」が記憶されていないと判定すると(ステップT4:NO)、プレイリストリピート再生要求が受信されたことに応じて「プレイリストリピート再生」を再生設定情報記憶部10に記憶させる(ステップT6)。更に、制御部6は、今回のプレイリストリピート再生要求の受信がSPPを接続した以降の最初の受信でない(2回目以降の受信である)と判定すると(ステップT3:NO)、その時点で「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」が記憶されているか否かを判定することなく、プレイリストリピート再生要求が受信されたことに応じて「プレイリストリピート再生」を再生設定情報記憶部10に記憶させる(ステップT6)。
【0034】
これ以降、制御部6は、プレイリストの最後でない楽曲データの再生を完了すると、ステップT2に戻り、そのプレイリストの再生順序にしたがって次の楽曲データの再生を開始し、上記したステップT2以降の処理を繰り返して行う。一方、制御部6は、プレイリストの最後の楽曲データの再生を完了すると、上記したように「プレイリストリピート再生」を再生設定情報記憶部10に記憶させたことで、ステップT2に戻り、その直前まで再生していた楽曲データが属するプレイリストの例えば最初の楽曲データの再生を開始し、上記したステップT2以降の処理を繰り返して行う。この場合、制御部6は、その直前まで再生していた楽曲データが属するプレイリストの最初の楽曲データの再生を開始することに限らず、ユーザが予め指定した任意の楽曲データの再生を開始しても良い。即ち、携帯通信端末2において、プレイリストの最後の楽曲データの再生を完了した以降でも、その直前まで再生していた楽曲データが属するプレイリストの楽曲データの再生を開始することで、楽曲データの音声出力部22からの出力が継続されることになる。
【0035】
又、制御部6は、これ以降にBT通信部8とBT通信部17とが両者の間で接続していたBT通信回線を切断すると、BT通信回線を接続している期間にて「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」を再生設定情報退避部11に退避させたか否かを判定する(ステップT7)。制御部6は、「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」を退避させたと判定すると(ステップT7:YES)、その退避させた「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」を復帰させ(ステップT8)、その「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」を再生設定情報記憶部10に記憶させる(ステップT9)。即ち、携帯通信端末2において、車両用機器3からプレイリストリピート再生要求を受信したことで一旦退避させた「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」を復帰させることで、これ以降に楽曲データを転送しない場合でも(単体で動作する場合でも)、車両用機器3からプレイリストリピート再生要求を受信する以前に設定された「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」にしたがって楽曲データを再生して出力することになる。
【0036】
以上に説明したように本実施形態によれば、車両用機器3において、携帯通信端末2が楽曲データの再生を完了したと判定する毎に、プレイリストリピート再生要求を携帯通信端末3に送信するようにした。これを受けて、携帯通信端末3は、プレイリストリピート再生要求が受信されると、その直前まで再生して車両用機器3に送信していた楽曲データがプレイリストの最後の楽曲データであると、その直前まで再生して車両用機器3に送信していた楽曲データが属するプレイリストの例えば最初の楽曲データを再生して車両用機器3に送信する。
【0037】
これにより、車両用機器3において、プレイリストリピート再生要求を携帯通信端末3に送信することで、携帯通信端末にてプレイリストの最後の楽曲データの再生が完了された以降でも、その直前まで携帯通信端末2にて再生されていた楽曲データが属するプレイリストの楽曲データを再生させて送信させることができる。そして、車両用機器3において、携帯通信端末2から送信された楽曲データを受信することで、次の楽曲データを出力することができ、無音状態が発生することを回避することができる。
【0038】
又、携帯通信端末2において、プレイリストリピート再生要求が受信された際に、1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」が設定されていると、その「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」の設定を退避させ、BT通信回線を切断した後に、その退避させた「1曲リピート再生」又は「シャッフル再生」を復帰させるようにした。これにより、携帯通信端末2がBT通信回線を切断した後に単体で楽曲データを再生して出力する際には、車両用機器3からプレイリストリピート再生要求が受信される前の状態で楽曲データを再生して出力することができる。
【0039】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
携帯通信端末2から楽曲データを受信して出力する楽曲データ出力装置は、車両に搭載されている車両用機器3に限らず、例えば宅内に設置されるような機器であっても良く、即ち、車両に搭載されない機器であっても良い。
【0040】
車両用機器3において、楽曲データの再生を完了したと判定した時点でプレイリストリピート再生要求を携帯通信端末2に送信することに限らず、再生中の任意の時点(例えば再生を開始してから所定時間が経過した時点等)でプレイリストリピート再生要求を携帯通信端末2に送信するようにしても良い。再生中にプレイリストリピート再生要求を携帯通信端末2に送信する場合には、プレイリストリピート再生要求を定期的に複数回で送信するようにしても良い。