特許第6031862号(P6031862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031862
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】連続帳票処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 39/10 20060101AFI20161114BHJP
   B65H 33/10 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   B65H39/10
   B65H33/10
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-160042(P2012-160042)
(22)【出願日】2012年7月18日
(65)【公開番号】特開2014-19542(P2014-19542A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100164987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】青木 大
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−039609(JP,A)
【文献】 特開昭52−035386(JP,A)
【文献】 特開平09−315663(JP,A)
【文献】 特開2007−008653(JP,A)
【文献】 特開平08−091678(JP,A)
【文献】 特開2006−334883(JP,A)
【文献】 特開2000−281261(JP,A)
【文献】 特開昭61−150961(JP,A)
【文献】 特公昭47−031962(JP,B1)
【文献】 特開2006−205131(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0132177(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 39/10
B65H 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの封筒に封入する複数の帳票が連続した連続帳票を処理する装置であって、前記連続帳票には、序列検査に用いる通数連番と名寄せに用いる名寄せデータを含む管理コードが設けられ、前記管理コードを前記連続帳票から読み取り序列検査を行う序列検査部と、前記連続帳票を帳票の単位で切り離すバースター部と、前記バースター部から排出された帳票を装置の外へ排出するコンベア部と、前記コンベア部上にある帳票を横方向にキックするキッカー部を備え、
前記名寄せデータは、顧客を識別するデータ、または、名寄せ連番(名寄せ分子/名寄せ分母)であり、
前記序列検査部は、序列検査を行っている際、名寄せの対象となる顧客が切り替わることが、前記連続帳票から読み取った管理コードの名寄せデータにより示されると、前記キッカー部にキック指示を出し、
前記名寄せの対象となる顧客が切り替わることは、前記名寄せデータが顧客を識別するデータの場合には、前記顧客を識別するデータが変わることにより示され、前記名寄せデータが名寄せ連番(名寄せ分子/名寄せ分母)の場合には、名寄せ分子が初期値であることにより示され、
前記キッカー部は、前記序列検査部からキック指示を受けると、管理コードを読み取る位置から前記キッカー部の位置まで帳票が搬送される時間をあけてから、帳票を横方向にキックする動作を行い、名寄せの対象となる顧客が切り替わった時の帳票を、横方向の位置がずれた状態で搬送コンベアに積載させることを特徴とする連続帳票処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に郵送する各帳票を連続して印字した連続帳票を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客に郵送するダイレクトメールを製造する際、ダイレクトメールに封入する帳票の内容を印字した連続帳票をバリアブルプリンタにて製造した後、特許文献1で開示されているようなバースター装置により、この連続帳票を帳票単位に切断して顧客毎に帳票を名寄せし、名寄せした帳票を一つの封筒に封入する作業が行われている。
【0003】
このような作業を自動的に行うシステムとして、例えば、特許文献2において、配列する複数の丁合ポケットを欠搬送する搬送手段と、連続帳票を各ページに断裁して丁合ポケットに供給する連続帳票供給手段と、各ページの帳票コードを読取る帳票コードリーダと、封入封緘された封筒を丁合ポケットの1つに供給する封筒供給手段と、各封筒の封筒コードを読取る封筒コードリーダと、読取った各コードに基づいて、同一群に属するページと封筒とが同一丁合ポケットに供給されるように制御する名寄せ制御手段と、名寄せされたすべてのページと封筒とを1つの主封筒に封入封緘する封入封緘手段とを具備するようにした封入封緘システムが開示されている。
【0004】
封筒に封入する封入物全てが、名寄せに用いる名寄せコードが付加された帳票であれば、特許文献2で開示されているようなシステムを利用できるが、名寄せコードが付加された帳票以外に、顧客の利用状況に応じた金券やクーポン券など、名寄せコードを付加できない付録が封入物に含まれる場合、特許文献2で開示されているようなシステムを利用できず、連続帳票を帳票単位で切断する工程と、顧客毎に帳票を名寄せした後、名寄せした帳票に加え、顧客に対応した金券やクーポン券などの付録を封筒に封入する工程を別々に実施していた。
【0005】
しかし、このように、連続帳票を帳票単位で切断する工程と、顧客毎に帳票を名寄せした後、名寄せした帳票に加え、顧客に対応した金券やクーポン券などの付録を封筒に封入する工程を別々に行うと、作業人員や作業時間が増えるため、封筒に封入する封入物に、金券やクーポン券などの付録が含まれる場合であっても、連続帳票を帳票単位で切断する工程と、帳票を名寄せして封入する工程をインラインで行えるようにすることが望まれている。
【0006】
封筒に封入する封入物に、金券やクーポン券などの付録が含まれる場合であっても、連続帳票を帳票単位で切断する工程と、帳票を名寄せして封入する工程をインラインで行うことを検討すると、顧客毎に帳票を名寄せする作業がボトルネックになるため、連続帳票を帳票毎に切断する工程において、名寄せし易い形態で帳票を排出することが必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−293800号公報
【特許文献2】特開2007−8653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、連続帳票を帳票毎に切断して排出する装置において、名寄せし易い形態で帳票を排出できる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決する本発明は、一つの封筒に封入する複数の帳票が連続した連続帳票を処理する連続帳票装置であって、前記連続帳票には、序列検査に用いる通数連番と名寄せに用いる名寄せデータを含む管理コードが設けられ、前記管理コードを前記連続帳票から読み取り序列検査を行う序列検査部と、前記連続帳票を帳票の単位で切り離すバースター部と、前記バースター部から排出された帳票を装置の外へ排出するコンベア部と、前記コンベア部上にある帳票を横方向にキックするキッカー部を備える。
【0010】
名寄せの対象となる顧客が切り替わった時の最初の帳票を、横方向の位置をずらした状態で連続帳票装置から排出できるように、本発明にかかる連続帳票処理装置の前記序列検査部は、序列検査を行っている際、名寄せの対象となる顧客が切り替わることが、前記連続帳票から読み取った管理コードの名寄せデータにより示されると、前記キッカー部にキック指示を出し、前記名寄せの対象となる顧客が切り替わることは、前記名寄せデータが顧客を識別するデータの場合には、前記顧客を識別するデータが変わることにより示され、前記名寄せデータが名寄せ連番(名寄せ分子/名寄せ分母)の場合には、名寄せ分子が初期値であることにより示され、前記キッカー部は、前記序列検査部からキック指示を受けると、管理コードを読み取る位置から前記キッカー部の位置まで帳票が搬送される時間をあけてから、帳票を横方向にキックする動作を行い、名寄せの対象となる顧客が切り替わった時の帳票を、横方向の位置がずれた状態で搬送コンベアに積載させる
【発明の効果】
【0011】
このように、本発明の連続帳票処理装置によれば、名寄せの対象となる顧客が切り替わった時の最初の帳票は、横方向の位置がずれた状態で連続帳票処理装置から排出されるため、一つの封筒に封入する帳票を顧客毎に容易に区分できるようになり、顧客毎に帳票を名寄せし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態にかかる連続帳票処理装置を説明する図。
図2】連続帳票処理装置が処理する連続帳票を説明する図。
図3】連続帳票処理装置のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここから、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態にかかる連続帳票処理装置1を説明する図である。本実施形態にかかる連続帳票処理装置1は、一つの封筒に封入する複数の帳票2aを連続して印字した連続帳票2からダイレクトメールなどの郵送物を製造する際、連続帳票2を帳票2a毎に切断する工程と、帳票2aを封筒に封入する工程をインラインで実行できるように開発された装置で、図1では、連続帳票2を処理する連続帳票処理装置1に加え、連続帳票処理装置1から排出される帳票2aを刺身状で搬送する搬送コンベア3を図示している。
【0015】
図2は、連続帳票処理装置1が処理する連続帳票2を説明する図である。連続帳票処理装置1が処理する連続帳票2の両側には、連続帳票2のフィードに用いられる送り穴23が一定間隔で加工され、更に、連続帳票2の送り穴23をスリットするための天地ミシン目21が連続的に加工されている。
【0016】
また、連続帳票処理装置1が処理する連続帳票2には、連続帳票2を帳票2a毎に切断する際に用いられる左右ミシン目22が帳票2aのサイズをあけて加工され、連続帳票処理装置1によって左右ミシン目22がバーストされることで、連続帳票2は帳票2a毎に切断される。
【0017】
また、連続帳票処理装置1が処理する連続帳票2には、バリアブルプリンタを用いて、一つの封筒に封入する複数の帳票2aの内容が連続して印字される。例えば、図2では、顧客X宛ての封筒に封入する帳票X1からX5が連続して印字され、その後に、顧客Y宛ての封筒に封入する帳票2aが印字されている。一人の顧客宛に郵送される帳票2aの数は同じでなくともよく、例えば、顧客Y宛ての封筒に封入する帳票2aは帳票Y1からY4の4通でもよい。
【0018】
また、帳票2aには序列検査等に用いる管理コード20が印字される。管理コード20は、OCR文字を用いて帳票2aに印字してもよいが、図2では、管理コード20をエンコードした光学マーク(例えば、バーコード)を帳票2aに印字している。
【0019】
連続帳票2に印字する管理コード20のフォーマットは任意であるが、この管理コード20には、帳票2aの品目を意味する品目コード、帳票2aの通数連番に加え、名寄せに用いる名寄せデータが含まれる。名寄せの対象となる顧客が切り替わることが判定できれば、名寄せに用いる名寄せデータの形式は任意でよく、顧客を識別するデータを名寄せデータとして用いることもできるし、名寄せ連番(名寄せ分子/名寄せ分母)を名寄せデータとして用いることもできる。
【0020】
顧客を識別するデータを名寄せデータとして用いる場合、顧客を識別するデータが変われば、名寄せの対象となる顧客が切り替わると判定できる。名寄せ連番を名寄せデータとして用いる場合、名寄せ連番の名寄せ分子が初期値(1通目)であれば、名寄せの対象となる顧客が切り替わると判定できる。
【0021】
図3は、連続帳票処理装置1のブロック図である。図3に図示したように、連続帳票処理装置1は、連続帳票2に印字された帳票2aの序列検査を行う序列検査部10、連続帳票2を帳票2a毎に切断するバースター部11、バースター部11から排出された帳票2aを排出するコンベア部12と、コンベア部12上にある帳票2aを横方向にキックするキッカー部13を備える。
【0022】
連続帳票処理装置1の序列検査部10は、連続帳票2に印字された帳票2aの序列検査を行い、キッカー部13にキック指示を出すために連続帳票処理装置1に備えられ、連続帳票2に印字された管理コード20を読み取るリーダ100を有している。
【0023】
連続帳票2に印字された管理コード20を読み取るリーダ100の具体的な形態は、管理コード20の印字形態に依存し、図2で図示したように、管理コード20をエンコードした光学コードを帳票2aに印字する場合、序列検査部10が有するリーダ100はバーコードリーダになる。また、管理コード20をOCR文字で印字する場合、序列検査部10が有するリーダ100はカメラになる。
【0024】
連続帳票処理装置1の序列検査部10は、リーダ100を用いて、連続帳票処理装置1にフィードされた連続帳票2から管理コード20を読み取り、読み取った管理コード20が記憶している序列通りであるか確認することで、帳票2aの序列検査を行う。
【0025】
更に、連続帳票処理装置1の序列検査部10は、帳票2aの序列検査を行っている際、名寄せの対象となる顧客が切り替わることが、帳票2aから読み取った管理コード20の名寄せデータにより示されると、キック指示をキッカー部13に出す処理を行う。
【0026】
例えば、顧客を識別するデータを名寄せデータとして用いる場合、連続帳票処理装置1の序列検査部10は、顧客を識別するデータが変わると、キック指示をキッカー部13に出す処理を行う。また、名寄せ連番を名寄せデータとして用いる場合、連続帳票処理装置1の序列検査部10は、名寄せ連番の名寄せ分子が初期値(1通目)であれば、キック指示をキッカー部13に出す処理を行う。
【0027】
本実施形態において、連続帳票処理装置1のバースター部11は、連続帳票2の両側に設けられた送り穴23に引っ掛ける複数のピンを用いて連続帳票2をフィードするピントラクタ110と、連続帳票2の送り穴23を天地ミシン目21に沿って切り離すスリッタ111と、一対の前側駆動ローラ112と、バーストさせる際に左右ミシン目22と押圧するブレード113と、一対の後側駆動ローラ114と、バーストした帳票2aを送り出す送りローラ115を有している。
【0028】
連続帳票処理装置1のバースター部11は、帳票2aの天地方向の長さがフィードされるタイミングに合わせて、連続帳票2が引っ張られるように前側駆動ローラ112と後側駆動ローラ114を駆動させ、ブレード113を連続帳票2の左右ミシン目22に押圧させることで、左右ミシン目22をバーストさせて連続帳票2を帳票毎に切断し、連続帳票2を切断することで得られた帳票2aをバースター部11の送りローラ115によってコンベア部12上へ排出する。
【0029】
本実施形態において、連続帳票処理装置1のコンベア部12は、バースター部11から排出された帳票2aを搬送コンベア3まで搬送するために連続帳票処理装置1に備えられ、コンベア部12の速度は、バースター部11から排出される帳票2aが一定間隔をあけて並ぶように調整されている。
【0030】
本実施形態において、連続帳票処理装置1のキッカー部13は、コンベア部12の搬送経路の中央付近に設置され、キッカー部13は、序列検査部10からキック指示を受けると、管理コード20を読み取る位置からキッカー部13の位置まで帳票2aが搬送される時間をあけてから、帳票2aを横方向にキックする動作を行う。
【0031】
序列検査部10のリーダ100の読み取り位置からキッカー部13の位置まで帳票2aが搬送される時間は、例えば、ピントラクタ110と接続させたエンコーダの信号を用いて計測することができる。また、帳票2aを横方向にキックする機構としては様々考えられるが、特開2005−186038号公報には、キック棒を用いた機構が開示されている。
【0032】
図3に図示しているように、連続帳票処理装置1のキッカー部13が、コンベア部12上にある帳票2aを横方向にキックすることで、名寄せの対象となる顧客が切り替わった時の帳票2aは横方向の位置がずれ、横方向の位置がずれた状態で搬送コンベア4に積載されることになる。
【0033】
このように、本実施形態の連続帳票処理装置1によれば、名寄せの対象となる顧客が切り替わった時の帳票2aは、横方向の位置がずれた状態で搬送コンベア4に積載されるため、一つの封筒に封入する帳票2aを顧客毎に容易に区分できるようになり、顧客毎に帳票2aを名寄せし易くなる。
【符号の説明】
【0034】
1 連続帳票処理装置
10 序列検査部
11 バースター部
12 コンベア部
13 キッカー部
2 連続帳票
2a 帳票
図1
図2
図3