(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031876
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】長尺丸断面材の仕分け設備
(51)【国際特許分類】
G06M 7/00 20060101AFI20161114BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
G06M7/00 351
B65G47/46 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-169778(P2012-169778)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-29607(P2014-29607A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】丸川 邦彦
【審査官】
吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭50−46385(JP,A)
【文献】
特開昭51−51873(JP,A)
【文献】
特開2002−19964(JP,A)
【文献】
特開昭55−126029(JP,A)
【文献】
特開2005−157960(JP,A)
【文献】
特開2001−331778(JP,A)
【文献】
特開平7−251923(JP,A)
【文献】
特開平3−158362(JP,A)
【文献】
特開昭64−75323(JP,A)
【文献】
特開昭56−101283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06M 7/00−15/00
B65G 47/00−47/96、
57/00−57/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する爪同士の間をピッチとし各ピッチ間に上流側搬送装置から搬送された長尺丸断面材を区分しつつ下流側搬送装置に搬送する爪付きのチェーンコンベアを備え、該チェーンコンベアの駆動および停止を制御することにより下流側搬送装置に対して長尺丸断面材を指定本数に仕分けする仕分け設備であって、
1つのピッチ間に存在する長尺丸断面材の本数を検出可能にそれぞれが配置された複数の検数センサと、該複数の検数センサにより検出された長尺丸断面材の本数を検数情報としその検数情報に基づいて前記チェーンコンベアの駆動および停止を制御するコンベア制御部とを備え、
前記複数の検数センサは、前記下流側搬送装置に対する長尺丸断面材を仕分けする仕分け位置に対応したピッチ間に存在する長尺丸断面材の本数を検出する第一検数センサと、該第一検数センサよりも1ピッチ以上上流側に設けられた第二検数センサとを有し、
前記コンベア制御部は、前記第一検数センサからの検数情報を累積し、その累積本数が前記指定本数未満の所定本数に達したときに、前記第二検数センサからの検数情報に基づいて検数した前記第一検数センサから前記第二検数センサに渡るピッチ間に存在する長尺丸断面材の本数を前記累積本数に足したときに、その値が前記指定本数を超えるとの判定がなされたときには、前記チェーンコンベアを停止することを特徴とする長尺丸断面材の仕分け設備。
【請求項2】
前記第二検数センサは、前記第一検数センサが監視する仕分け位置の直前1ピッチ上流に配置されており、前記コンベア制御部は、前記第一検数センサによる検数の累積本数が、前記指定本数未満の所定本数として設定された「指定本数−1本」と計数されたときに、前記第二検数センサが1本超あると検数したときは、前記チェーンコンベアの搬送を停止することを特徴とする請求項1に記載の長尺丸断面材の仕分け設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺丸断面材を搬送しつつ所定本数に仕分けする長尺丸断面材の仕分け設備に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の仕分け設備は、長尺丸断面材を搬送する搬送装置と、その搬送装置で搬送された長尺丸断面材を検数する検数装置と、その検数装置で検数した長尺丸断面材を所定本数に仕分けする仕分け装置とを備えて構成されている。
例えば搬送装置としては、チェーンを用いた搬送装置や、スキッド転動搬送装置などが知られている。スキッド転動搬送装置は、移動ビームの昇降および移動動作によって材料を固定スキッド上に移動(回転)させて搬送するようになっている。
【0003】
また、検数装置としては、レーザー距離計や、撮像画像に基づく画像処理など(例えば特許文献1〜7等参照)が知られている。
また、仕分け装置としては、上記搬送装置により、斜めに交差することで重なりあった長尺丸断面材を一本ずつ取り出すための、荷散らし装置や、整列装置、取り出し装置等を適宜有した専用装置が種々用いられている(例えば特許文献8〜11等参照)。
【0004】
ところで、例えばこの種の仕分け設備として、
図3に一例を示す仕分け設備100のように、搬送装置として爪(ドック)付きチェーンコンベア3を備える設備がある。この例では、チェーンコンベア3の下流端に検数装置として検数センサ110が設けられている。検数センサ110により検出された長尺丸断面材K(以下、単に、丸断面材Kともいう)の本数が検数情報とされ、その検数情報は、コンベア制御部130に入力される。チェーンコンベア3よりも低い位置には次工程に丸断面材Kを送るための下流側搬送装置6が設置されている。この仕分け設備100では、上流側搬送装置5から搬送された丸断面材Kは、チェーンコンベア3の隣接する爪4同士の間(ピッチP間)に基本的には一本ずつ載置され、その丸断面材Kが順次に下流側搬送装置6に搬送される。コンベア制御部130は、検数装置110の検数情報に基づき下流側搬送装置6に搬送された丸断面材Kの本数を累積し、その値が指定本数に達したらチェーンコンベア3を停止する。これにより、下流側搬送装置6において指定本数の仕分けを実現可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−3255号公報
【特許文献2】特開2005−78105号公報
【特許文献3】特開2003−216922号公報
【特許文献4】特開2003−99755号公報
【特許文献5】特開2003−6609号公報
【特許文献6】特開平03−2993号公報
【特許文献7】特開平01−187687号公報
【特許文献8】特開2009−190834号公報
【特許文献9】特開2000−247432号公報
【特許文献10】特開平07−144743号公報
【特許文献11】実開平07−38038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この種の丸断面材の仕分け設備では、種々の径(例えばφ16〜φ90mm)の丸断面材が搬送される。そのため、
図3に示すチェーンコンベア3においては、隣接する爪4同士のピッチPが必ずしも丸断面材Kを一本ずつ搬送するのに適しない場合もある。そのため、1つのピッチP間に複数本の丸断面材Kが入り込み、検数装置110で複数本数の丸断面材Kが1つのピッチP間に計数された場合に、チェーンコンベア3をその時点で停止しても、下流側搬送装置6に指定本数を超えた本数が仕分けられてしまうという問題があった。ここで、仕分け後の丸断面材のハンドリングなどを効率的に行う上で、指定本数は、例えばクレーンなどの後工程の設備が搬送可能な上限重量またはそれ未満にすることが望ましく、指定本数未満であれば後工程の搬送に影響がない。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、隣接する爪同士の間をピッチとし各ピッチ間に上流側搬送装置から搬送された丸断面材を区分しつつ下流側搬送装置に搬送するチェーンコンベアを備える仕分け設備であって、該チェーンコンベアの駆動および停止を制御することにより下流側搬送装置に対して丸断面材を仕分けする丸断面材の仕分け設備において、1つのピッチ間に複数本の丸断面材が入り込むような場合であっても、搬送を遅滞させることなく、指定本数を超えた本数に仕分けてしまうことを防止し得る丸断面材の仕分け設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る長尺丸断面材の仕分け設備は、隣接する爪同士の間をピッチとし各ピッチ間に上流側搬送装置から搬送された長尺丸断面材を区分しつつ下流側搬送装置に搬送する爪付きのチェーンコンベアを備え、該チェーンコンベアの駆動および停止を制御することにより下流側搬送装置に対して長尺丸断面材を指定本数に仕分けする仕分け設備であって、1つのピッチ間に存在する長尺丸断面材の本数を検出可能にそれぞれが配置された複数の検数センサと、該複数の検数センサにより検出された長尺丸断面材の本数を検数情報としその検数情報に基づいて前記チェーンコンベアの駆動および停止を制御するコンベア制御部とを備え、前記複数の検数センサは、前記下流側搬送装置に対する長尺丸断面材を仕分けする仕分け位置に対応したピッチ間に存在する長尺丸断面材の本数を検出する第一検数センサと、該第一検数センサよりも1ピッチ以上上流側に設けられた第二検数センサとを有し、前記コンベア制御部は、前記第一検数センサからの検数情報を累積し、その累積本数が前記指定本数未満の所定本数に達したときに、前記第二検数センサからの検数情報に基づいて検数した前記第一検数センサから前記第二検数センサに渡るピッチ間に存在する長尺丸断面材の本数を前記累積本数に足したときにその値が前記指定本数を超えるとの判定がなされたときには、前記チェーンコンベアを停止することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る長尺丸断面材の仕分け設備によれば、各ピッチ間に存在する長尺丸断面材を、仕分け位置に設けた第一検数センサで検数する以前に第二検数センサで検数することができる。そして、コンベア制御部は、第一検数センサからの検数情報を累積し、その累積本数が指定本数以下の所定本数に達したときに、第二検数センサからの検数情報に基づいて検数した第一検数センサから第二検数センサに渡るピッチ間に存在する長尺丸断面材の本数を累積本数に足したときにその値が指定本数を超えるとの判定がなされたときには、チェーンコンベアを停止するので、仕分け位置よりも手前の第二検数センサによって事前に検数した値との比較をすることで、爪付きのチェーンコンベアの各ピッチ間に、長尺丸断面材が複数本存在した場合であっても、仕分け位置よりも手前で爪付きチェーンコンベアを停止することができる。そのため、搬送を遅滞させることなく、仕分けする本数を指定本数もしくは指定本数未満にすることができる。なお、仕分け本数を指定本数または指定本数未満とすることで、仕分け後の長尺丸断面材のハンドリングなどを効率的に行うことができる。つまり、指定本数を設備が搬送可能な上限重量またはそれ未満にすることにより、指定本数未満であれば後工程に影響がない。
【発明の効果】
【0010】
上述のように、本発明によれば、爪付きチェーンコンベアの1つのピッチ間に複数本の長尺丸断面材が入り込むような場合であっても、搬送を遅滞させることなく、指定本数を超えた本数に仕分けてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一態様に係る長尺丸断面材の仕分け設備の一実施形態を説明する模式図(側面図)である。
【
図2】本発明の一態様に係る長尺丸断面材の仕分け設備のコンベア制御部が実行する仕分け本数管理処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図3】従来の長尺丸断面材の仕分け設備の一例を説明する模式図(側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、上述した従来の長尺丸断面材の仕分け設備と同様の構成については同一の符号を付す。
図1に示すように、この仕分け設備1は、長尺丸断面材として棒鋼Kを径方向に送ることが可能な搬送装置として、爪(ドック)4付きの搬送用チェーン7で棒鋼Kを搬送するチェーンコンベア3を備えている。上流側搬送装置5から搬送された棒鋼Kは、チェーンコンベア3の隣接する爪4同士の間(ピッチP間)に基本的には一本ずつ載置され、その棒鋼Kが、チェーンコンベア3よりも低い位置に設けられた下流側搬送装置6に順次に搬送されるようになっている。
【0013】
なお、長尺丸断面材は中実の棒鋼に限らず、チェーンコンベアで搬送可能であれば、中空の管体であってもよい。チェーンコンベア3は、棒鋼Kの搬送方向に沿って且つ搬送方向に対し上り勾配に傾斜して配置される。また、チェーンコンベア3は、搬送方向に沿って複数(例えば3本)の搬送用チェーン7が不図示の架台上に配置されている。
【0014】
搬送用チェーン7は、複数のリンク相互が回動自在に環状に連結されたものであり、爪(ドック)4が所定間隔でリンクに全周に亘って付設されている。そして、搬送用チェーン7は、搬送方向の両端が駆動スプロケット2および不図示の従動スプロケットにそれぞれ巻回され、駆動スプロケット2の駆動により、駆動スプロケット2と従動スプロケットの間を周回可能となっている。駆動スプロケット2は、従動スプロケットよりも高い側に設けられ、各爪4は、棒鋼Kを勾配下方から支持し、駆動スプロケット2が正転方向に駆動されることにより、搬送用チェーン7が正搬送方向に走行されて、搬送用チェーン7上の棒鋼Kを搬送するようになっている。これにより、チェーンコンベア3は、隣接する爪4同士の間をピッチPとし各ピッチP間に上流側搬送装置5から搬送された棒鋼Kを区分しつつ下流側搬送装置6に搬送可能とされている。
【0015】
ここで、本実施形態の仕分け設備1は、上記チェーンコンベア3の下流であって下流側搬送装置6の手前の位置に、複数(この例では二つ)の検数センサ10,20が検数装置として配置されている。各検数センサ10,20は、1つのピッチP間に存在する棒鋼Kの本数を検出可能にそれぞれ配置されている。第一検数センサ(仕分け検数センサ)10は、仕分け位置に対応したピッチP間に存在する棒鋼Kの本数を検出可能に設けられている。ここで、「仕分け位置」とは、次工程の下流側搬送装置6に向けて当該ピッチP間に存在する棒鋼Kを確実に移動させることができる位置である。
【0016】
一方、第二検数センサ(事前検出センサ)20は、第一検数センサ10の設置された「仕分け位置」よりも1ピッチP以上上流側であって、確実に次工程の下流側搬送装置6に当該ピッチP間に存在する棒鋼Kが移動する前にチェーンコンベア3を停止させられる位置に設けられている。本実施形態では、第二検数センサ20は、
図1に示すように、第一検数センサ10が監視する仕分け位置の直前1ピッチ上流に配置されている。なお、本実施形態の第二検数センサは、正確な検数でなく、棒鋼Kが1本以下であるときと2本以上であるときとを判別可能な程度でも採用することができる。
【0017】
各検数センサ10,20により検出された棒鋼Kの本数は検数情報とされ、それぞれの検数情報は、随時にコンベア制御部30に入力されてコンベア制御部30の記憶部に記憶される。コンベア制御部30は、各検数センサ10,20からの検数情報に基づいて、「下流側搬送装置6に移動された仕分け後の製品本数」<「指定本数」とするようにチェーンコンベア3の駆動および停止を制御する仕分け本数管理処理を実行している。
詳しくは、本実施形態のコンベア制御部30は、マイクロコンピュータを含む装置で構成され、
図2に示す仕分け本数管理処理のプログラムが実行されると処理がステップS1に移行する。
【0018】
ステップS1では、第一検数センサ10による検数情報を読み込みステップS2に移行し、ステップS2では、第一検数センサ10からの検数情報を累積して累積本数を算出する。続くステップS3では、算出された累積本数が指定本数(例えば50本)に達したか否かを判定し、指定本数であれば(Yes)ステップS4に移行し、そうでなければ(No)ステップS5に移行する。ステップS4では、チェーンコンベア3を停止して処理を戻す。
【0019】
ステップS5では、算出された累積本数が所定本数に達したか否かを判定し、所定本数であれば(Yes)ステップS6に移行し、そうでなければ(No)ステップS1に処理を戻す。ここで、所定本数は、指定本数未満の本数である「指定本数−n本」に設定されている。本実施形態では、n=1として「指定本数−1本」が所定本数(つまり、この例では49本)とされている。なお、このように設定した理由は、本実施形態のチェーンコンベア3において1つのピッチP間に存在しうる棒鋼Kの本数は、実績として0〜2本のいずれかであり、3本以上の考慮が不要であることに基づいている。
【0020】
ステップS6では、第二検数センサ20からの検数情報を読み込みステップS7に移行する。ここで、第一検数センサ10から第二検数センサ20に渡るピッチPが複数のときには、それら複数のピッチPの検数情報の累積値を読み込む。本実施形態では第二検数センサ20の監視する1ピッチのみなので、当該1ピッチのみについての検出情報が読み込まれる。そして、ステップS7では、第一検数センサ10から第二検数センサ20に渡るピッチP間(本実施形態では第二検数センサ20の監視する1ピッチのみ)に存在する棒鋼Kの本数を累積本数に足したときにその値が指定本数を超えているか否かを判定する。
【0021】
本実施形態では、読み込んだ第二検数センサ20の検数情報が、(n本=指定本数−所定本数(本実施形態では1本))を超えているか否かを判定する。つまり、本実施形態では、(n本=指定本数−所定本数)が「1本」なので、検数情報が「1本超」すなわち「2本」以上か否かを判定し、「2本」以上と判定されたときには(Yes)ステップS4に移行し、そうでないとき(No)には処理をステップS1に戻す。
【0022】
これにより、本実施形態のコンベア制御部30は、第一検数センサ10による検数の累積本数が、指定本数未満の所定本数として設定された「指定本数−1本」と計数されたときに、第二検数センサ20が2本以上あると検数したときは、第一検数センサ10による検数の累積本数が指定本数に満たなくとも、チェーンコンベア3の搬送を停止するようになっている。
【0023】
次に、この仕分け設備1の作用・効果について説明する。
この仕分け設備1は、上述のように、各ピッチP間に存在する棒鋼Kを、仕分け位置に設けた第一検数センサ10で検数するとともに、仕分け位置以前に設けた第二検数センサ20でも検数することができる。そして、コンベア制御部30は、第一検数センサ10からの検数情報を累積し、第一検数センサ10による検数の累積本数が、指定本数未満の所定本数として設定された「指定本数−1本」と計数されたときに、第二検数センサ20が2本以上あると検数したときは、第一検数センサ10による検数の累積本数が指定本数に満たなくとも、チェーンコンベア3の搬送を停止するので、仕分け位置よりも手前の第二検数センサ20によって事前に検数した値との比較をすることで、爪付きのチェーンコンベア3の各ピッチP間に、棒鋼Kが複数本存在した場合であっても、仕分け位置よりも手前でチェーンコンベア3を停止することができる。そのため、搬送を遅滞させることなく、仕分けする本数を指定本数もしくは指定本数未満にすることができる。なお、仕分け本数を指定本数または指定本数未満とすることで、仕分け後の棒鋼Kのハンドリングなどを効率的に行うことができる。つまり、指定本数を設備が搬送可能な上限重量またはそれ未満にすることにより、指定本数未満であれば後工程に影響がない。
【0024】
ここで、正確に指定本数通りの仕分けを常に行うためには、爪付きのチェーンコンベア3の爪4同士の間に、棒鋼Kが複数存在することがないように、棒鋼Kの整列装置を設けたり、棒鋼Kの重なりを取り除く装置を設けたりするなど、機械的に大がかりな仕分け設備が必要となる。これに対し、本発明によれば、仕分け本数を指定本数または指定本数未満とするため、従来の設備の機械構造に大幅な改造を行うことなく、第二検数センサ20の追加およびコンベア制御部30のプログラムを修正するのみで、搬送を遅滞させることなく、指定本数以下に管理する仕分けを安価に実現可能である。
【0025】
以上説明したように、この仕分け設備1によれば、1つのピッチ間に複数本の棒鋼Kが入り込むような場合であっても、搬送を遅滞させることなく、指定本数を超えた本数に仕分けてしまうことを防止することができる。なお、本発明に係る長尺丸断面材の仕分け設備は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
【0026】
例えば、上記コンベア制御部30は、仕分け本数管理処理として、第一検数センサ10による検数の累積本数が、指定本数未満の所定本数として設定された「指定本数−1本」と計数されたときに、第二検数センサ20が2本以上あると検数したときは、第一検数センサ10による検数の累積本数が指定本数に満たなくとも、チェーンコンベア3の搬送を停止する例で説明したが、これに限らず、コンベア制御部30の仕分け本数管理処理は、第一検数センサ10からの検数情報を累積し、その累積本数が指定本数未満の所定本数に達したときに、第二検数センサ20からの検数情報に基づいて検数した第一検数センサ10から第二検数センサ20に渡るピッチ間に存在する長尺丸断面材Kの本数を累積本数に足したときに、その値が指定本数を超えるとの判定がなされたときには、チェーンコンベア30の搬送を停止するような処理であれば種々変形可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 仕分け設備
2 駆動スプロケット
3 チェーンコンベア
4 爪(ドック)
5、6 搬送装置
7 搬送用チェーン
10 第一検数センサ
20 第二検数センサ
30 コンベア制御部
K 棒鋼(長尺丸断面材)
P ピッチ