(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動方向上流側における前記閉鎖部材の端面は、前記閉鎖部材が前記規制位置に配置されているときに、前記移動方向上流側における前記位置決め部の端面と面一になるように配置されることを特徴とする、請求項2に記載のカートリッジ。
前記閉鎖部材は、前記移動方向上流側から前記移動方向下流側へ投影したときに前記被押圧部に重なるように、前記被押圧部に連続して前記移動方向下流側へ延びる補強部を備えることを特徴とする、請求項4に記載のカートリッジ。
前記閉鎖部材は、その前記規制位置から前記規制解除位置への移動方向下流側における第2端部において、前記補強部の前記移動方向下流側に連続するように、前記開口を閉鎖する閉鎖部を備え、
前記移動方向と直交する直交方向における前記補強部の長さは、前記直交方向における前記第1端部および前記第2端部の長さよりも短く形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のカートリッジ。
現像剤を収容するように構成される現像剤収容部と、前記現像剤収容部内に現像剤を充填するための開口とを有する筐体と、外部からの駆動力を受けて駆動するように構成される駆動部と、前記駆動部を介して駆動力を受けることによって駆動するように構成され、駆動力が伝達される駆動位置と、駆動力の伝達が解除される非駆動位置とに移動可能な移動部材と、前記移動部材を前記非駆動位置に規制可能に構成される規制部を有し、前記開口を閉鎖する閉鎖部材とを備えるカートリッジを準備する準備工程と、
前記規制部によって前記移動部材を前記非駆動位置に規制した状態で前記駆動部に駆動力を入力し、前記駆動部の駆動状態を検査する検査工程と、
前記検査工程の後に前記移動部材を前記非駆動位置から前記駆動位置へ移動させる移動工程と
を含み、
前記準備工程において、前記カートリッジを、前記移動部材を前記駆動位置へ付勢する付勢部材をさらに備え、前記閉鎖部材が、前記規制部を前記移動部材に係合させて、前記移動部材の前記非駆動位置から前記駆動位置への移動を規制する規制位置と、前記規制部の前記移動部材に対する係合を解除して、前記移動部材の前記非駆動位置から前記駆動位置への移動を許容する規制解除位置とに移動するように構成し、前記移動部材を、前記付勢部材の付勢力に抗して前記非駆動位置に配置させるとともに、前記閉鎖部材を、前記規制位置に配置させ、
前記移動工程において、前記閉鎖部材を、前記規制位置から前記規制解除位置へ移動させて、前記移動部材を、前記付勢部材の付勢力により前記非駆動位置から前記駆動位置へ移動させることを特徴とする、カートリッジの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のレーザプリンタにおいて、現像カートリッジの製造途中に現像カートリッジの駆動検査を実施する場合には、検出ギアと、検出ギアに駆動力を伝達するアジテータ駆動ギアとの噛合を解除する必要がある。
【0007】
例えば、現像カートリッジの駆動検査を実施する前に、予め、現像カートリッジに、検出ギアとアジテータ駆動ギアとの噛合を解除する冶具を組み付け、その後、駆動検査を実施することが検討される。
【0008】
しかし、この方法では、駆動検査の前に、現像カートリッジに冶具を組み付ける工程が増えるとともに、駆動検査の後に、組み付けられた冶具を取り外す工程が増える。
【0009】
そのため、現像カートリッジの製造工程が煩雑になる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、カートリッジの製造工程の煩雑化を抑制しながら、カートリッジの駆動検査を実施することができるカートリッジ、および、そのカートリッジの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記した目的を達成するために、本発明のカートリッジは、現像剤を収容するように構成される現像剤収容部と、現像剤収容部内に現像剤を充填するための開口とを有する筐体と、外部からの駆動力を受けて駆動するように構成される駆動部と、駆動部を介して駆動力を受けることによって駆動するように構成される移動部材と、開口を閉鎖する閉鎖部材とを備える。
【0012】
移動部材は、駆動力が伝達される駆動位置と、駆動力の伝達が解除される非駆動位置とに移動可能に構成される。
【0013】
閉鎖部材は、移動部材を非駆動位置に規制可能に構成される規制部を有する。
【0014】
このような構成によれば、移動部材を、閉鎖部材の規制部によって非駆動位置に規制することができる。
【0015】
そのため、カートリッジの駆動検査を実施するときに、移動部材を非駆動位置に規制する冶具などの部材を別途設けることなく、移動部材を非駆動位置に規制することができる。
【0016】
そして、移動部材を非駆動位置に規制した状態で、移動部材を駆動させることなく駆動部を駆動させることができる。
【0017】
その結果、移動部材を非駆動位置に規制する冶具の組み付ける工程、および、組み付けられた冶具を取り外す工程などの工程を設けることなく、カートリッジの製造工程の煩雑化を抑制しながら、カートリッジの駆動検査を実施することができる。
(2)また、移動部材を駆動位置へ付勢する付勢部材をさらに備えてもよい。この場合、閉鎖部材は、規制部を移動部材に係合させて、付勢部材の付勢力に抗して、移動部材の非駆動位置から駆動位置への移動を規制する規制位置と、規制部の移動部材に対する係合を解除して、付勢部材の付勢力により、移動部材の非駆動位置から駆動位置への移動を許容する規制解除位置とに移動可能に構成されていてもよい。
【0018】
このような構成によれば、閉鎖部材を規制位置から規制解除位置へ移動させることにより、移動部材を、付勢部材の付勢力によって、非駆動位置から駆動位置へ移動させることができる。
【0019】
そのため、カートリッジの駆動検査を実施した後に、閉鎖部材を規制解除位置へ移動させれば、移動部材を、自動的に駆動位置へ移動させることができる。
【0020】
その結果、カートリッジの製造工程の煩雑化を、より抑制することができる。
(3)また、閉鎖部材は、その規制位置から規制解除位置への移動方向上流側における第1端部において、筐体に対して位置決めされる被位置決め部を備えてもよい。また、筐体は、被位置決め部に係合するように構成される位置決め部を備えてもよい。この場合、規制部は、移動方向と直交する直交方向において、閉鎖部材の外周縁から外側へ突出するように形成されてもよい。また、被位置決め部は、第1端部において規制部と異なる位置に設けられ、直交方向において、閉鎖部材の外周縁から内側へ凹むように形成されていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、規制部が、閉鎖部材の外周縁から外側へ突出するように形成されている一方、被位置決め部が、閉鎖部材の外周縁から内側へ凹むように形成されていている。
【0022】
そのため、規制部と被位置決め部とを、それらの形状に基づいて確実に判別することができる。これにより、被位置決め部を位置決め部に、確実に係合させることができる。
【0023】
その結果、閉鎖部材を、筐体に対して確実に位置決めできるとともに、移動部材を、閉鎖部材の規制部によって、確実に非駆動位置に規制することができる。
(4)また、移動方向上流側における閉鎖部材の端面は、閉鎖部材が規制位置に配置されているときに、移動方向上流側における位置決め部の端面と面一になるように配置されてもよい。
【0024】
このような構成によれば、閉鎖部材の端面が位置決め部の端面と面一になるように筺体に組み付けることにより、閉鎖部材を確実に規制位置に配置させることができる。
【0025】
そのため、閉鎖部材と移動部材との相対配置を容易に確保することができる。
【0026】
その結果、移動部材を、閉鎖部材の規制部によって、確実に非駆動位置に規制することができる。
(5)また、移動部材の少なくとも一部と閉鎖部材とを被覆する被覆部材をさらに備えてもよい。この場合、閉鎖部材は、その規制位置から規制解除位置への移動方向上流側における第1端部において、外部から押圧されるように構成される被押圧部と、被押圧部の周縁部から移動方向上流側へ延びる延出部とを備えてもよい。また、被覆部材は、移動方向上流側から移動方向下流側へ投影したときに延出部と略同じ大きさの露出開口を有してもよい。
【0027】
このような構成によれば、閉鎖部材は、被押圧部の周縁部に設けられる延出部を有し、被覆部材は、延出部と略同じ大きさの露出開口を有している。
【0028】
そのため、被覆部材の外から被押圧部を押圧するときには、被押圧部を押圧するための部材を、露出開口を介して、露出開口の内周縁と延出部とで被押圧部に対して案内することができる。
【0029】
その結果、閉鎖部材を、被覆部材の外から確実に押圧することができる。
(6)また、閉鎖部材は、移動方向上流側から移動方向下流側へ投影したときに被押圧部に重なるように、被押圧部に連続して移動方向下流側へ延びる補強部を備える。
【0030】
このような構成によれば、閉鎖部材を規制位置(移動方向上流側)から規制解除位置(移動方向下流側)へ移動させるときに、被押圧部が移動方向下流側へ撓むことを、補強部で抑制することができる。
【0031】
そのため、被押圧部を、規制位置から規制解除位置へ安定に押圧することができる。
(7)また、閉鎖部材は、その規制位置から規制解除位置への移動方向下流側における第2端部において、補強部の移動方向下流側に連続するように、開口を閉鎖する閉鎖部を備えてもよい。この場合、移動方向と直交する直交方向における補強部の長さは、直交方向における第1端部および第2端部の長さよりも短く形成されていてもよい。
【0032】
このような構成によれば、補強部は、閉鎖部材の移動方向と直交する直交方向において、第1端部および第2端部の長さよりも短く形成されている。
【0033】
これにより、補強部は、直交方向において、第1端部および第2端部よりも容易に撓むように形成されている。
【0034】
そのため、閉鎖部材が規制位置に配置されている状態で、被押圧部を有する第1端部に直交方向への力が加わった場合に、補強部を撓ませて、第2端部の閉鎖部が開口を閉鎖している状態を維持することができる。
【0035】
その結果、閉鎖部材によって、確実に開口を閉鎖することができる。
(8)また、閉鎖部材は、閉鎖部の移動方向下流側に連続するように、筐体に係合される係合部を備えてもよい。
【0036】
このような構成によれば、係合部の筐体に対する係合により、閉鎖部材が筐体から離脱されることを抑制できる。
【0037】
その結果、閉鎖部材によって、より確実に開口を閉鎖することができる。
(9)また、筐体は、現像剤収容部を挟んで所定方向に間隔を隔てて対向配置される第1側壁および第2側壁を備えてもよい。また、駆動部は、第1側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置され、外部からの駆動力を受けるためのカップリング部材と、所定方向に延びる回転軸線を回転中心として回転するように構成され、第1側壁と第2側壁との間に配置される回転部材と、回転軸線を回転中心として回転部材とともに回転するように構成され、第1側壁に対してカップリング部材が配置された側に配置され、カップリング部材に入力された駆動力を回転部材に伝達するように構成された第1駆動伝達部材と、回転軸線を回転中心として回転部材とともに回転するように構成され、第2側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置される第2駆動伝達部材とを備えてもよい。
【0038】
この場合、移動部材は、第2側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置され、駆動位置に配置されているときに、第2駆動伝達部材に対して駆動伝達可能に連結されてもよい。
【0039】
このような構成によれば、カップリング部材を、第1側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置するとともに、移動部材を、第2側壁に対して現像剤収容部の反対側に配置して、カップリング部材に入力された駆動力を、第1側壁と第2側壁との間に配置される回転部材を介して、移動部材に伝達することができる。
【0040】
そのため、カップリング部材と移動部材とを、互いに別の側壁(第1側壁と第2側壁)に配置することができ、その分、第1側壁および第2側壁の面積を小さくすることができる。
【0041】
その結果、カートリッジの小型化を図ることができる。
(10)また、回転部材は、現像剤収容部内の現像剤を攪拌するように構成された攪拌部材であってもよい。
【0042】
このような構成によれば、攪拌部材を利用してカップリング部材から移動部材へ駆動力を伝達することができ、部品点数の低減を図ることができる。
(11)また、移動部材は、ギア歯を有し、駆動力を受けるように構成されるギア部と、規制部が係合されるように構成される被規制部とを備えてもよい。
【0043】
このような構成によれば、移動部材において、駆動部からの駆動力を受けるギア部と、閉鎖部材の規制部が係合される被規制部とが、別々に設けられている。
【0044】
その結果、ギア部と被規制部とを兼用する場合と比べて、ギア部を保護しながら、移動部材を規制することができる。
(12)本発明のカートリッジの製造方法は、準備工程と、検査工程と、移動工程とを含む。
【0045】
準備工程では、現像剤を収容するように構成される現像剤収容部と、現像剤収容部内に現像剤を充填するための開口とを有する筐体と、外部からの駆動力を受けて駆動するように構成される駆動部と、駆動部を介して駆動力を受けることによって駆動するように構成され、駆動力が伝達される駆動位置と、駆動力の伝達が解除される非駆動位置とに移動可能な移動部材と、移動部材を非駆動位置に規制可能に構成される規制部を有し、開口を閉鎖する閉鎖部材とを備えるカートリッジを準備する。
【0046】
検査工程では、規制部によって移動部材を非駆動位置に規制した状態で駆動部に駆動力を入力し、駆動部の駆動状態を検査する。
【0047】
移動工程では、検査工程の後に移動部材を非駆動位置から駆動位置へ移動させる。
【0048】
このような方法によれば、検査工程において、閉鎖部材の規制部によって移動部材を非駆動位置に規制した状態で、移動部材を駆動させることなく駆動部を駆動させることができる。
【0049】
そのため、検査工程において、移動部材を非駆動位置に規制する冶具などの部材を組み付ける工程、および、組み付けられた冶具を取り外す工程などの工程を別途設けることなく、カートリッジの駆動検査を実施することができる。
【0050】
その結果、カートリッジの製造工程の煩雑化を抑制しながら、カートリッジの駆動検査を実施することができる。
(13)また、準備工程において、カートリッジを、移動部材を駆動位置へ付勢する付勢部材をさらに備え、閉鎖部材が、規制部を移動部材に係合させて、移動部材の非駆動位置から駆動位置への移動を規制する規制位置と、規制部の移動部材に対する係合を解除して、移動部材の非駆動位置から駆動位置への移動を許容する規制解除位置とに移動するように構成し、移動部材を、付勢部材の付勢力に抗して非駆動位置に配置させるとともに、閉鎖部材を、規制位置に配置させてもよい。
【0051】
また、移動工程において、閉鎖部材を、規制位置から規制解除位置へ移動させて、移動部材を、付勢部材の付勢力により非駆動位置から駆動位置へ移動させてもよい。
【0052】
このような方法によれば、移動工程において、閉鎖部材を規制位置から規制解除位置へ移動させることにより、移動部材を、付勢部材の付勢力によって、非駆動位置から駆動位置へ移動させることができる。
【0053】
そのため、カートリッジの検査工程の後に、閉鎖部材を規制解除位置へ移動させれば、移動部材を、自動的に駆動位置へ移動させることができる。
【0054】
その結果、カートリッジの製造工程の煩雑化を、より抑制することができる。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、カートリッジの製造工程の煩雑化を抑制しながら、カートリッジの駆動検査を実施することができる。
【発明を実施するための形態】
【0057】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、プリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。
【0058】
なお、以下の説明において、プリンタ1の方向に言及するときには、プリンタ1を水平に載置した状態を上下の基準とする。すなわち、
図1の紙面上側が上側(上下方向(第1方向)一方側)であり、紙面下側が下側(上下方向他方側)である。また、
図1の紙面左側が前側(前後方向(第2方向)一方側)であり、
図1の紙面右側が後側(前後方向他方側)である。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、
図1の紙面手前側が右側(左右方向(第3方向)一方側)であり、紙面奥側が左側(左右方向他方側)である。
【0059】
プリンタ1は、略ボックス形状の本体ケーシング2(外部の一例)を備えている。本体ケーシング2の上端部には、本体開口部3を開閉するトップカバー4が、その後端部を支点として揺動可能に設けられている。プリンタ1は、複数(4つ)のプロセスカートリッジ5を備えている。
【0060】
すべてのプロセスカートリッジ5は、本体ケーシング2内に着脱可能に設けられ、互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、複数(4つ)のプロセスカートリッジ5は、それぞれ、複数(4つ)の色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のうちの1つに対応している。
【0061】
プロセスカートリッジ5は、ドラムカートリッジ6と、ドラムカートリッジ6に着脱可能に装着されるカートリッジの一例としての現像カートリッジ7とを備えている。
【0062】
ドラムカートリッジ6は、感光ドラム8とスコロトロン型帯電器9とを備えている。
【0063】
感光ドラム8は、左右方向に長手の略円筒形状に形成されており、ドラムカートリッジ6に回転可能に設けられている。
【0064】
スコロトロン型帯電器9は、感光ドラム8の後上側に対向配置されている。
【0065】
現像カートリッジ7は、現像ローラ11と、現像ローラ11にトナーを供給する供給ローラ12とを備えている。
【0066】
現像ローラ11は、感光ドラム8に対して前上側から接触されるように、現像カートリッジ7の後端部において後側から露出されるように設けられている。現像ローラ11は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。現像ローラ11は、その中心軸線に沿って左右方向に延びる金属製の回転軸(以下、現像ローラ軸30と記載する。)を備えている。現像ローラ軸30の左右方向両端部のそれぞれは、カートリッジフレーム31(後述)の両側壁34(後述)のそれぞれに回転可能に支持されている。
【0067】
供給ローラ12は、現像ローラ11に接触するように、現像ローラ11の前上側に設けられている。供給ローラ12は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。供給ローラ12は、その中心軸線に沿って左右方向に延びる金属製の回転軸(以下、供給ローラ軸29と記載する。)を備えている。供給ローラ軸29の左右方向両端部のそれぞれは、カートリッジフレーム31(後述)の両側壁34(後述)のそれぞれに回転可能に支持されている。
【0068】
また、現像カートリッジ7は、現像ローラ11に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード13を備えている。また、現像カートリッジ7には、現像ローラ11および供給ローラ12の上側において、現像剤の一例としてのトナーを収容する現像剤収容部の一例としてのトナー収容部14が設けられている。
【0069】
トナー収容部14内には、トナーを攪拌するための攪拌部材の一例としてのアジテータ15が設けられている。
【0070】
アジテータ15は、左右方向(所定方向)に延びるアジテータ軸16と、アジテータ軸16からトナー収容部14の内周面に向かって延びる攪拌羽根17とを備え、アジテータ軸16の中心軸線A(回転軸線の一例、
図3参照)を回転中心として回転される。すなわち、アジテータ15は、回転部材の一例である。
【0071】
そして、トナー収容部14内のトナーは、供給ローラ12と現像ローラ11との間で正極性に摩擦帯電され、層厚規制ブレード13により、一定厚さの薄層として現像ローラ11の表面に担持される。
【0072】
一方、感光ドラム8の表面は、スコロトロン型帯電器9によって一様に帯電された後、感光ドラム8の上側に対向配置されるLEDユニット10によって所定の画像データに基づいて露光される。これにより、感光ドラム8の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ11に担持されるトナーが感光ドラム8の表面上の静電潜像に供給されることにより、感光ドラム8の表面上にトナー像(現像剤像)が担持される。
【0073】
用紙Pは、本体ケーシング2の底部に設けられる給紙トレイ18内に収容されており、各種ローラによって、後上側へUターンするように搬送されて、所定のタイミングで1枚ずつ、感光ドラム8と搬送ベルト19との間に給紙される。そして、搬送ベルト19によって、すべての感光ドラム8とすべての転写ローラ20との間を前側から後側に向かって搬送される。このとき、用紙Pにトナー像が転写される。
【0074】
そして、用紙Pは、加熱ローラ21と加圧ローラ22との間を通過するときに加熱および加圧される。このとき、用紙Pには、トナー像が熱定着される。
【0075】
その後、用紙Pは、前上側へUターンするように搬送されて、トップカバー4に設けられる排紙トレイ23に排紙される。
2.現像カートリッジの構成
現像カートリッジ7は、
図2に示すように、筐体の一例としてのカートリッジフレーム31と、カートリッジフレーム31の左側に配置される駆動ユニット32と、カートリッジフレーム31の右側に配置される給電ユニット33とを備えている。
【0076】
なお、現像カートリッジ7の説明において、方向について言及するときには、現像ローラ11が配置されている側を現像カートリッジ7の後側とし、層厚規制ブレード13が配置されている側を上側とする。すなわち、現像カートリッジ7に関する上下前後方向は、プリンタ1に関する上下前後方向と相異なり、現像カートリッジ7は、その前側がプリンタ1の前上側(前上側と後下側とを結ぶ方向(第4方向)における一方側)、その後側がプリンタ1の後下側(前上側と後下側とを結ぶ方向における他方側)、その上側がプリンタ1の後上側(後上側と前下側とを結ぶ方向(第5方向)における一方側)、その下側がプリンタ1の前下側(後上側と前下側とを結ぶ方向における他方側)となるように、プリンタ1に装着されている。
(1)カートリッジフレーム
カートリッジフレーム31は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されている。カートリッジフレーム31は、
図3および
図4に示すように、左右1対の側壁34と、前壁35と、下壁36と、上壁37とを一体的に備えている。なお、以下の説明において、第1側壁の一例としての左側の側壁34を左壁34Lとし、第2側壁の一例としての右側の側壁34を右壁34Rとする。
【0077】
1対の側壁34は、上下前後に延びる側面視略矩形状に形成され、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。また、側壁34には、供給ローラ軸露出穴38と、現像ローラ軸露出穴39と、アジテータ軸支持部40とが形成されている。
【0078】
供給ローラ軸露出穴38は、側壁34の下側後端部において、側面視略矩形状に貫通形成されている。供給ローラ軸露出穴38の各辺の長さは、供給ローラ軸29の左右方向端部の直径よりも長く形成されている。そして、供給ローラ軸29の左右方向端部は、供給ローラ軸露出穴38を介して、側壁34から左右方向外側へ露出されている。
【0079】
現像ローラ軸露出穴39は、側壁34の上側後端部において、後上側に開放される側面視略U字形状に貫通形成されている。現像ローラ軸露出穴39の上下方向長さは、現像ローラ軸30の左右方向端部の直径よりも広く形成されている。そして、現像ローラ軸30の左右方向端部は、現像ローラ軸露出穴39を介して、側壁34から左右方向外側へ露出されている。
【0080】
アジテータ軸支持部40は、側壁34の前端部において、側壁34を貫通するように左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。アジテータ軸支持部40の内径は、アジテータ軸16の左右方向端部の直径よりも大径に形成されている。そして、アジテータ軸16の左右方向端部は、アジテータ軸支持部40を介して、側壁34から左右方向外側へ露出されている。アジテータ軸支持部40内には、シール部材41(
図4参照)が嵌合されている。
【0081】
シール部材41は、スポンジなどの弾性を有する材料から、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。シール部材41の外径は、アジテータ軸支持部40の内径よりも大径である。また、シール部材41の径方向中央には、アジテータ軸挿通穴42が貫通形成されている。シール部材41は、アジテータ軸16の左端部に外嵌されるとともに、アジテータ軸支持部40内に圧入される。
【0082】
アジテータ軸挿通穴42は、アジテータ軸16の外径よりも小径な側面視略円形状に形成されている。
【0083】
また、右壁34Rには、トナー充填部101が形成されている。
【0084】
トナー充填部101は、右壁34Rの下端部の前後方向略中央において、アジテータ軸支持部40の後下側に配置されている。トナー充填部101は、右壁34Rを貫通するように左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。トナー充填部101は、その左端部において、トナー収容部14内に臨んでいる。トナー充填部101の内部空間は、開口の一例である。また、トナー充填部101は、位置決め部の一例としての係合凸部109を備えている。
【0085】
係合凸部109は、トナー充填部101の右端部において、その前端部と後下側端部とに1つずつ配置されている。係合凸部109は、トナー充填部101の右端部から右側へ突出する略杆形状に形成されている。係合凸部109の右面は、上下方向に投影したときに新品検知ギア82(後述)の鍔部93(後述)の右面と略重なるように、左右方向において、鍔部93(後述)と同じ位置に配置されている(
図8(b)および
図9(b)参照)。2つの係合凸部109は、トナー充填部101の周方向に互いに約120°の間隔を隔てて配置されている。
【0086】
そして、トナー充填部101内には、閉鎖部材の一例としてのトナーキャップ102が嵌合されている。
【0087】
トナーキャップ102は、
図5に示すように、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。トナーキャップ102は、新品検知ギア82を規制する第1端部103と、トナー充填部101を閉鎖する第2端部104とを備えている。
【0088】
第1端部103は、トナーキャップ102の右側半分を構成し、作用部105と、補強部の一例としての柱部106と、鍔部107と、複数(3つ)の補強リブ108とを備えている。
【0089】
作用部105は、第1端部の103の右端部に配置され、側面視略D字形状に形成されている。作用部105には、嵌合凹部111と、複数(2つ)の被位置決め部の一例としての係合凹部110と、規制部の一例としての規制凸部112とを備えている。
【0090】
嵌合凹部111は、作用部105の径方向中央部に配置され、作用部105の右面から左側へ向かって凹むように、側面視略円形状に形成されている。嵌合凹部111の底壁(左壁)が、被押圧部の一例であり、嵌合凹部111の内側周壁が、底壁(左壁)から右側へ延びる延出部の一例である。
【0091】
複数の係合凹部110のそれぞれは、作用部105の円弧部分の径方向外側端部において、作用部105の周方向に互いに約120°の間隔を隔てて配置されている。係合凹部110は、作用部105の径方向外周縁から径方向内側へ向かって凹むように、径方向外側へ向かって開放される側面視略U字形状に形成されている。
【0092】
規制凸部112は、作用部105の弦部分の中央部において、作用部105の径方向外周縁から径方向外側へ向かって突出する側面視略楔形状に形成されている。
【0093】
柱部106は、嵌合凹部111の底壁(左壁)から左側へ向かって延びる略円筒形状に形成されている。柱部106の外径は、嵌合凹部111の内径よりも大径である。柱部106の内径は、嵌合凹部111の内径よりも小径である。また、柱部106には、脆弱部116が形成されている(
図9(b)参照)。
【0094】
脆弱部116は、柱部106の左端部に設けられている。脆弱部116は、柱部106の径方向外面から径方向内側へ向かって凹む凹溝として形成されている(
図9(b)参照)。
【0095】
鍔部107は、脆弱部116の左端縁の右側において、作用部105の左側に間隔を隔てて配置されている。鍔部107は、柱部106の径方向外面から径方向外側へ突出し、柱部106の周方向に延びる突条として形成されている。
【0096】
複数の補強リブ108は、左右方向に投影したときに係合凹部110に重ならないように、作用部105の周方向に互いに約90°の間隔を隔てて配置されている。補強リブ108は、柱部106の径方向外面から径方向外側へ突出し、作用部105と鍔部107とを連結するように、左右方向に延びる突条として形成されている。
【0097】
第2端部104は、トナーキャップ102の左側半分を構成し、閉鎖部113と、係合部114とを備えている。
【0098】
閉鎖部113は、鍔部107の左側に間隔を隔てて、柱部106の左端部の左側に連続されている。閉鎖部113は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。閉鎖部113は、複数(2つ)の接触部115を備えている。
【0099】
複数の接触部115のそれぞれは、閉鎖部113の左端部と右端部とに1つずつ設けられている。接触部115は、閉鎖部113の径方向外面から径方向外側へわずかに突出し、閉鎖部113の周方向に延びる突条として形成されている。
【0100】
係合部114は、閉鎖部113の左面から左側へ延びる略円筒形状に形成されている。係合部114の外径は、接触部115の外径よりも小径である。また、係合部114の左端部は、その径方向外面が左側から右側へ向かうに従って径方向外側へ傾斜されるように、径方向外側へ拡径されている。なお、係合部114の左端部の外径は、接触部115の外径よりもわずかに小径である。
【0101】
前壁35は、
図3および
図4に示すように、両側壁34の前端部間に架設されている。前壁35は、上下左右に延びる略平板形状に形成されている。
【0102】
下壁36は、前壁35の下端部に連続するように、両側壁34の下端部間に架設されている。下壁36は、前後左右に延びる略平板形状に形成されている。
【0103】
上壁37は、両側壁34および前壁35の上側に対向配置されている。上壁37は、前後左右に延びる略平板形状に形成されている。上壁37は、その周端縁において、両側壁34および前壁35の上端部に溶着されている。
(2)駆動ユニット
駆動ユニット32は、
図3に示すように、軸受部材51と、駆動部の一例としてのギア列52と、駆動側カバー53とを備えている。
(2−1)軸受部材
軸受部材51は、側面視略矩形の平板形状に形成されている。軸受部材51は、現像ローラ軸30を支持するための現像ローラ軸支持穴54、供給ローラ軸29を支持するための供給ローラ軸支持穴55、カップリング支持軸56およびアイドルギア支持軸57を有している。
【0104】
現像ローラ軸支持穴54は、軸受部材51の上側後端部において、側面視略円形状に貫通形成されている。現像ローラ軸支持穴54の内径は、現像ローラ軸30の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0105】
供給ローラ軸支持穴55は、現像ローラ軸支持穴54の前下側において、側面視略円形状に貫通形成されている。供給ローラ軸支持穴55の内径は、供給ローラ軸29の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0106】
カップリング支持軸56は、現像ローラ軸支持穴54の前側、かつ、供給ローラ軸支持穴55の上側において、軸受部材51の左面から左側へ突出する略円柱形状に形成されている。
【0107】
アイドルギア支持軸57は、軸受部材51の前端部において、軸受部材51の左面から左側へ突出する略円柱形状に形成されている。
(2−2)ギア列
ギア列52は、カップリング部材の一例としての現像カップリング61、現像ギア62、供給ギア63、アイドルギア64、第1駆動伝達部材の一例としての第1アジテータギア65、および、第2駆動伝達部材の一例としての第2アジテータギア66(
図4参照)を含んでいる。
【0108】
現像カップリング61は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。なお、現像カップリング61の径方向中央には、カップリング支持軸56の外径よりも大径(ほぼ同径)な嵌合穴(図示せず)が形成されている。現像カップリング61は、大径ギア部67と、小径ギア部68と、カップリング部69とを一体的に有している。
【0109】
大径ギア部67は、現像カップリング61の右端部に設けられている。大径ギア部67は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。大径ギア部67の周面には、その全周にわたって、ギア歯が形成されている。
【0110】
小径ギア部68は、大径ギア部67の左面から左側へ突出する略円柱形状に形成されている。小径ギア部68の外径は、大径ギア部67の外径よりも小径である。小径ギア部68の中心軸線は、大径ギア部67の中心軸線と一致している。小径ギア部68の周面には、その全周にわたって、ギア歯が形成されている。
【0111】
カップリング部69は、小径ギア部68の左面から左側へ突出する略円柱形状に形成されている。カップリング部69の外径は、小径ギア部68の外径よりも小径である。カップリング部69の中心軸線は、小径ギア部68の中心軸線と一致している。カップリング部69の左面には、結合凹部70が形成されている。
【0112】
結合凹部70は、カップリング部69の左面から右側へ凹むように、現像カップリング61の径方向に延びる側面視略長穴形状に形成されている。
【0113】
現像ギア62は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。現像ギア62の径方向中央には、現像ローラ軸30の左端部を受け入れ可能な現像ローラ軸嵌合穴73が形成されている。現像ギア62の周面には、その全周にわたってギア歯が形成されている。
【0114】
供給ギア63は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。供給ギア63の径方向中央には、供給ローラ軸29の左端部を受け入れ可能な供給ローラ軸嵌合穴74が形成されている。供給ギア63の周面には、その全周にわたってギア歯が形成されている。
【0115】
アイドルギア64は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。アイドルギア64は、大径部71と、小径部72とを一体的に有している。
【0116】
大径部71は、アイドルギア64の左端部に設けられ、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。大径部71の外径は、カップリング部69の小径ギア部68の外径よりも小径である。大径部71の周面には、その全周にわたって、ギア歯が形成されている。
【0117】
小径部72は、大径部71の右面から右側へ突出するように、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。小径部72の外径は、大径部71の外径よりも小径である。小径部72は、大径部71と中心軸線を共有している。小径部72の径方向中央には、アイドルギア支持軸57を受け入れ可能な嵌合穴(図示せず)が貫通形成されている。小径部72の周面には、その全周にわたって、ギア歯が形成されている。
【0118】
第1アジテータギア65は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。第1アジテータギア65は、ギア部75と、嵌合部76とを備えている。
【0119】
ギア部75は、第1アジテータギア65の左端部において、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。ギア部75の周面には、その全周にわたって、ギア歯が形成されている。ギア部75の径方向中央には、アジテータ軸16の左端部を受け入れ可能なアジテータ軸嵌合穴77が貫通形成されている。
【0120】
嵌合部76は、ギア部75の右面から右側へ突出するように、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。嵌合部76は、ギア部75と中心軸線を共有している。嵌合部76の内径は、アジテータ軸支持部40の外径と略同径(わずかに大径)である。
【0121】
第2アジテータギア66は、
図4に示すように、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。第2アジテータギア66は、ギア部78と、嵌合部79と、カラー部80とを備えている。
【0122】
ギア部78は、第1アジテータギア65の左右方向略中央において、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。ギア部78の周面には、その全周にわたって、ギア歯が形成されている。ギア部78の径方向中央には、アジテータ軸16の右端部を受け入れ可能な嵌合穴(図示せず)が貫通形成されている。
【0123】
嵌合部79は、ギア部78の左面から左側へ突出するように、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。嵌合部79は、ギア部78と中心軸線を共有している。嵌合部79の外径は、アジテータ軸支持部40の内径と略同径(わずかに小径)である。
【0124】
カラー部80は、ギア部78の右面から右側へ突出するように、左右方向に延び、右端部が閉鎖された略円筒形状に形成されている。
(2−3)駆動側カバー
駆動側カバー53は、
図3に示すように、左右方向に延び、左端部が閉鎖された略筒形状に形成されている。駆動側カバー53は、現像カップリング61、供給ギア63、アイドルギア64、第1アジテータギア65を一括して被覆可能なサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。また、駆動側カバー53には、カップリング露出開口60が形成されている。
【0125】
カップリング露出開口60は、駆動側カバー53の前後方向略中央の左壁において、現像カップリング61のカップリング部69の左面を露出させるように、側面視略円形状に貫通形成されている。
(2−4)駆動ユニットの組み付け状態
軸受部材51は、現像ローラ軸支持穴54に、現像ローラ軸30の左端部が挿通されるとともに、供給ローラ軸支持穴55に、供給ローラ軸29の左端部が挿通されるように、左壁34Lの左側に組み付けられる。
【0126】
現像カップリング61は、軸受部材51のカップリング支持軸56に相対回転可能に支持される。
【0127】
現像ギア62は、現像ローラ軸30の左端部に相対回転不能に支持される。現像ギア62は、現像カップリング61の大径ギア部67に後側から噛合される。
【0128】
供給ギア63は、供給ローラ軸29の左端部に相対回転不能に支持される。供給ギア63は、現像カップリング61の小径ギア部68に後下側から噛合される。
【0129】
アイドルギア64は、軸受部材51のアイドルギア支持軸57に相対回転可能に支持される。アイドルギア64の大径部71は、現像カップリング61の小径ギア部68に前下側から噛合される。また、アイドルギア64の小径部72は、現像カップリング61の大径ギア部67の前下側に間隔を隔てて対向される。
【0130】
第1アジテータギア65は、その嵌合部76がアジテータ軸支持部40に回転可能に外嵌されるとともに、アジテータ軸16の左端部に相対回転不能に取り付けられる。すなわち、第1アジテータギア65は、アジテータ軸16の中心軸線Aを回転中心として回転可能である。第1アジテータギア65のギア部75は、アイドルギア64の小径部72に前側から噛合される。
【0131】
そして、駆動側カバー53は、カップリング露出開口60を介して現像カップリング61のカップリング部69の左面を露出させるとともに、現像カップリング61(カップリング部69の左面を除く)、供給ギア63、アイドルギア64、第1アジテータギア65を一括して被覆するように左壁34Lにねじ止めされる。
【0132】
また、第2アジテータギア66は、その嵌合部76がアジテータ軸支持部40に回転可能に内嵌されるとともに、アジテータ軸16の右端部に相対回転不能に取り付けられる(
図3参照)。すなわち、第2アジテータギア66は、アジテータ軸16の中心軸線Aを回転中心として回転可能である。
(3)給電ユニット
給電ユニット33は、
図4および
図7に示すように、電極部材81、移動部材の一例としての新品検知ギア82、および、被覆部材の一例としての給電側カバー83とを備えている。
(3−1)電極部材
電極部材81は、導電性の樹脂材料(例えば、導電性ポリアセタール樹脂)などから側面視略矩形の平板形状に形成されている。電極部材81は、現像ローラ軸支持部84と、供給ローラ軸支持部85と、受電部86とを備えている。
【0133】
現像ローラ軸支持部84は、電極部材81の上側後端部において、電極部材81を貫通するように、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。現像ローラ軸支持部84の内径は、現像ローラ軸30の右端部と略同径(わずかに大径)に形成されている。そして、現像ローラ軸30は、その右端部において、現像ローラ軸支持部84内に回転可能に支持されている。
【0134】
供給ローラ軸支持部85は、現像ローラ軸支持部84の前下側において、電極部材81を貫通する側面視略円形状に形成されている。供給ローラ軸支持部85の内径は、供給ローラ軸29の外径と略同径(わずかに大径)に形成されている。そして、供給ローラ軸29は、その右端部において、供給ローラ軸支持部85内に回転可能に支持されている。
【0135】
受電部86は、供給ローラ軸支持部85の前上側において、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
(3−2)新品検知ギア
新品検知ギア82は、
図4および
図6に示すように、絶縁性の樹脂材料(例えば、ポリアセタール樹脂)から左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
【0136】
また、新品検知ギア82は、欠け歯ギア87と、筒部88と、被検知端部89とを一体的に備えている。
【0137】
欠け歯ギア87は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。欠け歯ギア87の周面には、中心角が約205°をなす部分にギア歯が形成されている。すなわち、欠け歯ギア87の周面には、ギア歯が形成されているギア部の一例としての歯部90と、ギア歯が形成されていない欠け歯部91とが形成されている。
【0138】
また、欠け歯ギア87の径方向中央には、受電部挿通穴92が形成されている。
【0139】
受電部挿通穴92は、欠け歯ギア87と中心軸線を共有する側面視略円形状に形成されている。受電部挿通穴92の直径は、電極部材81の受電部86の外径よりも大径である。
【0140】
筒部88は、欠け歯ギア87の受電部挿通穴92の周縁部から右側に突出し、欠け歯ギア87と中心軸線を共有する略円筒形状に形成されている。筒部88の内径は、受電部挿通穴92の直径と同径である。筒部88は、鍔部93と被付勢部96(
図4参照)とを備えている。
【0141】
鍔部93は、筒部88の左端部において、筒部88の径方向外面から径方向外側へ突出し、筒部88の周方向に延びる突条として形成されている。鍔部93には、被規制部94が形成されている。
【0142】
被規制部94は、鍔部93の径方向外周縁から径方向内側へ向かって、側面視略楔形状に切り欠き形成されている。また、被規制部94は、左右方向に投影したときに、欠け歯ギア87の歯部90の回転方向下流側端部に重なっており、互いに隣接する2つのギア歯の間に配置されている。
【0143】
被付勢部96は、筒部88の中心軸線に対して被規制部94の反対側に配置されている(
図7参照)。被付勢部96は、鍔部93の右側において、筒部88の径方向外面から径方向外側へ突出する側面視略楔形状に突出形成されている(
図7参照)。
【0144】
被検知端部89は、筒部88の右端部から連続して右側へ延び、中心角約120°の部分円筒形状に形成されている。
(3−3)給電側カバー
給電側カバー83は、
図4および
図9(a)に示すように、左右方向に延び、右端部が閉鎖された略筒形状に形成されている。給電側カバー83は、新品検知ギア82と第2アジテータギア66とを一括して被覆可能なサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。また、給電側カバー83は、受電部露出開口121と、露出開口の一例としてのトナーキャップ露出開口122とを有している。
【0145】
受電部露出開口121は、給電側カバー83の前後方向略中央の右壁において、新品検知ギア82の被検知端部89を露出させるように、側面視略円形状に貫通形成されている。
【0146】
トナーキャップ露出開口122は、給電側カバー83の下端部の前後方向略中央において、受電部露出開口121の下側に配置されている。トナーキャップ露出開口122は、トナーキャップ102の嵌合凹部111と略同径(わずかに大径)な側面視略円形状に貫通形成されている。
(3−4)給電ユニットの組み付け状態
電極部材81は、
図4および
図7に示すように、現像ローラ軸支持部84に現像ローラ軸30の右端部が挿通され、供給ローラ軸支持部85に供給ローラ軸29の右端部が挿通されるように、右壁34Rの右側に組み付けられる。
【0147】
新品検知ギア82は、電極部材81の受電部86に回転可能に外嵌される。これにより、受電部86の右端部の下側半分は、被検知端部89によって下側から被覆される。また、受電部86の右端部の上側半分は、被検知端部89から露出される。
【0148】
また、新品検知ギア82は、付勢部材の一例としてのねじりコイルばね97により、右側面視時計回りに付勢される。
【0149】
詳しくは、ねじりコイルばね97は、金属から形成され、コイル部98と、固定端部99と、付勢端部100とを備えている。
【0150】
コイル部98は、左側から右側へ向かうに従って右側面視反時計回りに巻かれる螺旋形状に形成されている。
【0151】
固定端部99は、コイル部98の左端部から連続して前側へ延びる略直線形状に形成されている。
【0152】
付勢端部100は、コイル部98の右端部から連続して後側へ延び、その後端部において下側へ屈曲される略L字形状に形成されている。
【0153】
そして、ねじりコイルばね97は、コイル部98において、給電側カバー83内に支持されるとともに、固定端部99において、右壁34Rの前上側端部に固定される。また、付勢端部100は、新品検知ギア82の被付勢部96に前上側から当接される。
【0154】
これにより、新品検知ギア82は、右側面視時計回りに付勢され、欠け歯ギア87の歯部90の右側面視時計回り方向下流側端部は、第2アジテータギア66に対して前側から噛合される。
【0155】
そして、給電側カバー83は、受電部露出開口121を介して受電部86を露出させるとともに、新品検知ギア82および第2アジテータギア66を一括して被覆するように、右壁34Rにねじ止めされる。
【0156】
給電側カバー83が右壁34Rにねじ止めされた状態において、右側面視において、トナーキャップ102の嵌合凹部111は、給電側カバー83のトナーキャップ露出開口122の内側に露出される。
3.現像カートリッジの製造
(1)準備工程
上記した現像カートリッジ7を製造するには、まず、現像カートリッジ7を、駆動検査が実施できるように組み立てる(準備工程)。
【0157】
具体的には、まず、カートリッジフレーム31に、各種ローラ(現像ローラ11および供給ローラ12)、層厚規制ブレード13、アジテータ15および駆動ユニット32を、組み付けた後、トナー充填部101を介して、トナー収容部14内にトナーを充填する。
【0158】
その後、
図8(a)に示すように、トナーキャップ102をトナー充填部101内に嵌合させる。
【0159】
トナーキャップ102をトナー充填部101内に嵌合させるには、作用部105の係合凹部110をトナー充填部101の係合凸部109に嵌合させるように、トナーキャップ102の第2端部104をトナー充填部101内に挿入し、作用部105の右面が係合凸部109の右面と略面一になるように、トナーキャップ102をトナー充填部101内に押し込む。
【0160】
すると、トナー充填部101が、トナーキャップ102の閉鎖部113によって閉鎖されるとともに、作用部105の右面が、係合凸部109の右面と略面一になる。これにより、トナーキャップ102は、規制位置に配置される。
【0161】
次いで、現像カートリッジ7を製造するには、
図8(b)に示すように、新品検知ギア82の被規制部94をトナーキャップ102の規制凸部112に嵌合させるように、新品検知ギア82を受電部86に外嵌させる。
【0162】
すると、新品検知ギア82の歯部90の右側面視時計回り方向下流側端部が、アイドルギア64のギア部78の前側に、わずかに間隔を隔てて対向される。これにより、新品検知ギア82は、トナーキャップ102によって、ねじりコイルばね97の付勢力に抗して非駆動位置に規制される。
【0163】
その後、現像カートリッジ7を製造するには、上記したように、ねじりコイルばね97を組み付けるとともに、給電側カバー83を右壁34Rにねじ止めする。
【0164】
これにより、現像カートリッジ7が、駆動検査が実施できるように組み立てられる。
(2)検査工程
次いで、上記した現像カートリッジ7を製造するには、現像カートリッジ7の駆動検査を実施する(検査工程)。
【0165】
現像カートリッジ7の駆動検査を実施するには、現像カップリング61に駆動力を入力する。
【0166】
すると、新品検知ギア82が回転しない状態で、ギア列52を介して、現像ローラ11、供給ローラ12およびアジテータ15に駆動力が伝達される。
【0167】
詳しくは、現像カップリング61に入力された駆動力は、現像カップリング61の大径ギア部67に噛合する現像ギア62を介して、現像ローラ軸30に入力される。これにより、現像ローラ11が回転される。
【0168】
また、現像カップリング61に入力された駆動力は、現像カップリング61の小径ギア部68に噛合する供給ギア63、および、アイドルギア64の大径部71を介して、供給ローラ軸29およびアイドルギア64に入力される。これにより、供給ローラ12およびアイドルギア64が回転される。
【0169】
そして、アイドルギア64に入力された駆動力は、アイドルギア64の小径部72に噛合する第1アジテータギア65を介して、アジテータ軸16に入力される。これにより、アジテータ15が回転される。
【0170】
このとき、駆動検査中の現像カートリッジ7において、現像ローラ11、供給ローラ12またはアジテータ15が正常に駆動されないなどの不具合が発見された場合には、その現像カートリッジ7を、出荷することなく、修理または廃棄する。
(3)移動工程
そして、不具合が発見されることなく、現像カートリッジ7の駆動検査が終了した場合には、トナーキャップ102を、規制位置から左側へ押し込む。
【0171】
詳しくは、トナーキャップ102を左側へ押し込むには、
図9に示すように、まず、給電側カバー83のトナーキャップ露出開口122に棒状の冶具Zを挿入し(
図9(a)参照)、冶具Zの先端を、トナーキャップ102の嵌合凹部111内に嵌合させる(
図9(b)参照)。
【0172】
このとき、冶具Zの先端は、トナーキャップ露出開口122にガイドされながら、トナーキャップ102の嵌合凹部111内に挿入され、その後、嵌合凹部111の内側周壁にガイドされながら、嵌合凹部111の底壁(左壁)に当接される。
【0173】
その後、冶具Zを左側へ押し込むと、
図10(b)に示すように、トナーキャップ102が、作用部105の左面がトナー充填部101の右端縁(係合凸部109が形成されている部分以外の右端縁)に当接されるように、トナー充填部101内により深く嵌合される。
【0174】
すると、作用部105が新品検知ギア82に対して左側へずれて、新品検知ギア82と規制凸部112との噛合が解除される。
【0175】
すると、
図10(a)に示すように、新品検知ギア82が、ねじりコイルばね97の付勢力により、右側面視時計回りに回転され、
図11に示すように、新品検知ギア82の歯部90の右側面視時計回り方向下流側端部が、第2アジテータギア66に前側から噛合される。
【0176】
これにより、現像カートリッジ7の製造が完了する。
4.本体ケーシングの構成
本体ケーシング2内には、
図2に示すように、現像カートリッジ7に現像バイアスを供給するための電極ユニット126が設けられている。
【0177】
電極ユニット126は、金属からなる本体電極127を備えている。電極ユニット126は、本体電極127が現像カートリッジ7の受電部86に上側から接触される接触位置(
図2中の太い仮想線参照)と、本体電極127が現像カートリッジ7の受電部86から上側へ退避される接触解除位置(
図2中の細い仮想線参照)とに揺動可能に構成されている。
【0178】
そして、電極ユニット126は、図示しない付勢部材により、常には、接触位置へ向かって下側へ付勢されている。
5.新品検知動作
図2および
図7を参照して、現像カートリッジ7の新品検知動作を説明する。
【0179】
現像カートリッジ7が本体ケーシング2に装着されると、本体ケーシング2内の本体カップリング(図示せず)の先端が現像カップリング61の結合凹部70に相対回転不能に挿入される。そして、本体カップリング(図示せず)を介して、現像カップリング61に本体ケーシング2から駆動力が入力され、ウォーミングアップ動作が開始される。
【0180】
このとき、本体ケーシング2において、現像カートリッジ7が未使用(新品)であるか否か判別される(新品検知動作)。
【0181】
詳しくは、現像カートリッジ7が装着されたプロセスカートリッジ5を本体ケーシング2に装着すると、
図2に示すように、現像カートリッジ7の受電部86が、電極ユニット126の本体電極127に当接される。
【0182】
これにより、本体ケーシング2の電源(図示せず)から現像カートリッジ7の受電部86へ、現像バイアスが供給される。
【0183】
現像カートリッジ7の受電部86に給電された現像バイアスは、電極部材81を介して現像ローラ軸30に印加される。
【0184】
すると、本体ケーシング2内のCPU(図示せず)は、現像カートリッジ7に現像バイアスが供給されていると判断する。
【0185】
そして、ウォーミングアップ動作が開始されると、現像カップリング61からギア列(図示せず)を介してアジテータ軸16に駆動力が伝達され、アジテータ15が回転される。
【0186】
アジテータ15が回転されると、
図7に示すように、アジテータ軸16および第2アジテータギア66を介して新品検知ギア82の欠け歯ギア87の歯部90に駆動力が伝達され、新品検知ギア82が右側面視時計回りに回転される。
【0187】
すると、新品検知ギア82の被検知端部89が、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して電極ユニット126を押圧し、電極ユニット126を接触解除位置に配置させるとともに、受電部86と本体電極127との間に介在される。
【0188】
これにより、受電部86と本体電極127との導通が被検知端部89によって絶縁され、本体ケーシング2の電源(図示せず)から、現像カートリッジ7の受電部86への現像バイアスの供給が、解除される。
【0189】
すると、本体ケーシング2内のCPU(図示せず)は、現像カートリッジ7に現像バイアスが供給されていないと判断する。
【0190】
そして、さらに新品検知ギア82が右側面視時計回りに回転されると、新品検知ギア82の被検知端部89が、受電部86と本体電極127との間を通過する。
【0191】
すると、電極ユニット126は、付勢部材(図示せず)の付勢力によって、再び接触位置に配置される。
【0192】
これにより、再び、本体ケーシング2の電源(図示せず)から、現像カートリッジ7の受電部86へ、現像バイアスが供給される。
【0193】
すると、本体ケーシング2内のCPU(図示せず)は、現像カートリッジ7に現像バイアスが供給されていると判断する。
【0194】
その後、さらに新品検知ギア82が回転されると、新品検知ギア82の欠け歯部91が第2アジテータギア66に対向されて、新品検知ギア82の歯部90と第2アジテータギア66との噛合が解除され、新品検知ギア82の回転駆動が停止される。その後、ウォーミングアップ動作が終了する。
【0195】
そして、CPU(図示せず)は、ウォーミングアップ動作が開始された後に、現像カートリッジ7に現像バイアスが供給されている、現像カートリッジ7に現像バイアスが供給されていない、現像カートリッジ7に現像バイアスが供給されている、と順次判断したときに、現像カートリッジ7が新品(未使用)であると判断する。
【0196】
一方、新品の現像カートリッジ7を装着した後に、たとえば、用紙Pの詰まり(ジャム)などによって、一旦、その現像カートリッジ7を本体ケーシング2から離脱させ、再び本体ケーシング2に装着したときには、新品検知ギア82は、欠け歯ギア87の欠け歯部91が第2アジテータギア66と対向する位置で停止されている。
【0197】
そのため、再装着において、ウォーミングアップ動作が実行されても、新品検知ギア82は回転駆動されず、新品検知動作が実施されない。このとき、CPU(図示せず)は、電極ユニット126が接触位置に配置されているため、常に、現像カートリッジ7に現像バイアスが供給されていると判断する。
【0198】
これにより、CPU(図示せず)では、その再装着された現像カートリッジ7(旧品の現像カートリッジ7)を、使用途中(旧品)であると判断する。
5.作用効果
(1)この現像カートリッジ7によれば、
図8(b)に示すように、検査工程において、新品検知ギア82を、トナーキャップ102の規制凸部112によって非駆動位置に規制することができる。
【0199】
そのため、現像カートリッジ7の駆動検査を実施するときに、新品検知ギア82を非駆動位置に規制する冶具Zなどの部材を別途設けることなく、新品検知ギア82を非駆動位置に規制することができる。
【0200】
そして、新品検知ギア82を非駆動位置に規制した状態で、新品検知ギア82を駆動させることなくギア列52を駆動させることができる。
【0201】
その結果、新品検知ギア82を非駆動位置に規制する冶具Zを組み付ける工程、および、組み付けられた冶具Zを取り外す工程などの工程を設けることなく、現像カートリッジ7の製造工程の煩雑化を抑制しながら、現像カートリッジ7の駆動検査を実施することができる。
(2)また、この現像カートリッジ7によれば、
図10(a)に示すように、移動工程において、トナーキャップ102を規制位置(
図8(b)参照)から規制解除位置(
図11参照)へ移動させることにより、新品検知ギア82を、ねじりコイルばね97の付勢力によって、非駆動位置(
図8(b)参照)から駆動位置(
図11参照)へ移動させることができる。
【0202】
そのため、現像カートリッジ7の駆動検査を実施した後に、トナーキャップ102を規制解除位置へ移動させれば、新品検知ギア82を、自動的に駆動位置へ移動させることができる。
【0203】
その結果、現像カートリッジ7の製造工程の煩雑化を、より抑制することができる。
(3)また、この現像カートリッジ7によれば、
図5に示すように、規制凸部112が、トナーキャップ102の外周縁から外側へ突出するように形成されている一方、係合凹部110が、トナーキャップ102の外周縁から内側へ凹むように形成されていている。
【0204】
そのため、規制凸部112と係合凹部110とを、それらの形状に基づいて確実に判別することができる。これにより、トナーキャップ102の係合凹部110を、カートリッジフレーム31の係合凸部109に、確実に係合させることができる。
【0205】
その結果、トナーキャップ102を、カートリッジフレーム31に対して確実に位置決めできるとともに、新品検知ギア82を、トナーキャップ102の規制凸部112によって、確実に非駆動位置に規制することができる。
(4)また、この現像カートリッジ7によれば、
図8(b)に示すように、トナーキャップ102の左面が係合凸部109の左面と面一になるようにカートリッジフレーム31に組み付けることにより、トナーキャップ102を確実に規制位置に配置させることができる。
【0206】
そのため、トナーキャップ102と新品検知ギア82との相対配置を容易に確保することができる。
【0207】
その結果、新品検知ギア82を、トナーキャップ102の規制凸部112によって、確実に非駆動位置に規制することができる。
(5)また、この現像カートリッジ7によれば、
図9(b)に示すように、トナーキャップ102の嵌合凹部111は、底壁(左壁)と、底壁(左壁)の周縁部に設けられる内側周壁とを有し、給電側カバー83には、嵌合凹部111の内側周壁と略同径のトナーキャップ露出開口122が形成されている。
【0208】
そのため、給電側カバー83の外から嵌合凹部111の底壁(左壁)を押圧するときには、嵌合凹部111の底壁(左壁)を押圧する冶具Zを、トナーキャップ露出開口122を介して、トナーキャップ露出開口122の内側周縁と、嵌合凹部111の内側周壁とで嵌合凹部111の底壁(左壁)に対して案内することができる。
【0209】
その結果、トナーキャップ102を、給電側カバー83の外から確実に押圧することができる。
(6)また、この現像カートリッジ7によれば、
図5および
図9(b)に示すように、トナーキャップ102を規制位置(
図9(b)参照)から規制解除位置(
図10(b)参照)へ移動させるときに、嵌合凹部111の底壁(左壁)が左側(移動方向下流側)へ撓むことを、柱部106で抑制することができる。
【0210】
そのため、嵌合凹部111の底壁(左壁)を、規制位置から規制解除位置へ安定に押圧することができる。
(7)また、この現像カートリッジ7によれば、
図5に示すように、柱部106の左端部(脆弱部116)は、トナーキャップ102の径方向(移動方向(右側から左側へ向かう方向)と直交する直交方向)において、第1端部103および第2端部104の長さよりも短く形成されている。
【0211】
これにより、柱部106の左端部(脆弱部116)を、その径方向において、第1端部103および第2端部104よりも容易に撓ませることができる。
【0212】
そのため、トナーキャップ102が規制位置に配置されている状態で、嵌合凹部111を有する第1端部103に径方向への力が加わった場合に、柱部106を撓ませて、第2端部104の閉鎖部113を、トナー充填部101を閉鎖している状態に維持することができる。
【0213】
その結果、トナーキャップ102によって、確実にトナー充填部101を閉鎖することができる。
(8)また、この現像カートリッジ7によれば、
図5に示すように、トナーキャップ102は、閉鎖部113の左側(移動方向下流側)に連続するように、カートリッジフレーム31に係合される係合部114を備えている。
【0214】
そのため、トナー充填部101の左側周縁部に対する係合部114の係合により、トナーキャップ102がカートリッジフレーム31から離脱されることを抑制できる。
【0215】
その結果、トナーキャップ102によって、より確実にトナー充填部101を閉鎖することができる。
(9)また、この現像カートリッジ7によれば、
図3および
図4に示すように、現像カップリング61を、左壁34Lの左側に配置するとともに、新品検知ギア82を、右壁34Rの右側に配置して、現像カップリング61に入力された駆動力を、左壁34Lと右壁34Rとの間に配置されるアジテータ15を介して、新品検知ギア82に伝達することができる。
【0216】
そのため、現像カップリング61と新品検知ギア82とを、互いに別の側壁34(左壁34Lと右壁34Rと)に配置することができ、その分、左壁34Lおよび右壁34Rの面積を小さくすることができる。
【0217】
その結果、現像カートリッジ7の小型化を図ることができる。
(10)また、この現像カートリッジ7によれば、
図3および
図4に示すように、アジテータ15を利用して現像カップリング61から新品検知ギア82へ駆動力を伝達することができ、部品点数の低減を図ることができる。
(11)また、この現像カートリッジ7によれば、
図6に示すように、新品検知ギア82は、ギア歯を有し、駆動力を受けるように構成される歯部90と、規制凸部112が係合されるように構成される被規制部94とを備えてもよい。
【0218】
そのため、新品検知ギア82において、ギア列52からの駆動力を受ける歯部90と、トナーキャップ102の規制凸部112が係合される被規制部94とが、別々に設けられている。
【0219】
その結果、歯部90と被規制部94とを兼用する場合と比べて、歯部90を保護しながら、新品検知ギア82を規制することができる。
6.第2実施形態
(1)第2実施形態の概要
図12〜
図15を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0220】
上記した第1実施形態によれば、アジテータ軸16の右端部を右壁34Rのアジテータ軸支持部40から露出させて、露出されたアジテータ軸16の右端部に第2アジテータギア66を設け、第2アジテータギア66を介して、新品検知ギア82に駆動力を伝達している。
【0221】
対して、第2実施形態では、
図15に示すように、アジテータ軸16の右端部を右壁34Rから露出させないで、本体ケーシング2に設けられる駆動ギア131により、新品検知ギア132に駆動力を伝達する。
(2)現像カートリッジの構成
第2実施形態の現像カートリッジ130では、
図14および
図15に示すように、第1実施形態の現像カートリッジ7と異なり、右側のアジテータ軸支持部40の右端部が閉鎖されている。なお、右側のアジテータ軸支持部40内には、アジテータ軸16の右端部が嵌合されている。
【0222】
また、第2実施形態では、
図13に示すように、新品検知ギア132には、第1実施形態の新品検知ギア82と異なり、鍔部107が設けられていない。
【0223】
また、新品検知ギア132の歯部90の右側面視時計回り方向最下流側のギア歯133は、その右面が面取りされている。
【0224】
詳しくは、ギア歯133の右面は、その右側面視時計回り方向下流側半分が、右側面視時計回り方向下流側へ向かうに従って左側へ傾斜されており、その右側面視時計回り方向上流側半分が、右側面視時計回り方向上流側へ向かうに従って左側へ傾斜されている。
【0225】
また、第2実施形態では、
図12および
図14に示すように、現像カートリッジ130の給電側カバー134には、駆動ギア受入開口135が形成されている。
【0226】
駆動ギア受入開口135は、アジテータ軸支持部40を露出させるように、受電部露出開口121の前側に配置されている。駆動ギア受入開口135は、上端部が円弧形状の側面視略D字形状に貫通形成されている。
【0227】
また、第2実施形態では、
図12および
図15に示すように、本体ケーシング2には、駆動ギア131が設けられている。
【0228】
駆動ギア131は、本体ケーシング2の右側において、駆動ギア受入開口135内に挿入される進出位置(
図12(b)参照)と、駆動ギア受入開口135から左側へ退避される退避位置(
図12(a)参照)とに左右方向に沿って進退可能に構成されている。駆動ギア131は、進退部材136と、ギア部137とを備えている。
【0229】
進退部材136は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
【0230】
ギア部137は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成され、進退部材136の左端部に相対回転不能に支持されている。ギア部137の周面には、その全周にわたってギア歯が形成されている。
(3)現像カートリッジの製造
(3−1)準備工程
第2実施形態において現像カートリッジ130を製造するには、上記した第1実施形態の現像カートリッジ7と同様に、まず、現像カートリッジ130を、駆動検査が実施できるように組み立てる(準備工程)。
【0231】
このとき、
図15(a)に示すように、新品検知ギア132を、受電部86に外嵌(径方向外側から嵌合)させるとともに、歯部90の右側面視時計回り方向下流側端部を、駆動ギア受入開口135内に露出されないように(
図14(a)参照)、トナーキャップ102の規制凸部112に嵌合させる。すなわち、歯部90は、被規制部の一例としても機能する。
【0232】
これにより、新品検知ギア132は、トナーキャップ102によって非駆動位置に規制される。
(3−2)検査工程
次いで、上記した第1実施形態の現像カートリッジ7と同様に、現像カートリッジ130の駆動検査を実施する(検査工程)。
【0233】
現像カートリッジ130の駆動検査を実施するには、現像カップリング61に駆動力を入力する。
【0234】
すると、新品検知ギア132が回転しない状態で、ギア列52を介して、現像ローラ11、供給ローラ12およびアジテータ15に駆動力が伝達される。
【0235】
このとき、駆動検査中の現像カートリッジ130において、現像ローラ11、供給ローラ12またはアジテータ15が正常に駆動されないなどの不具合が発見された場合には、その現像カートリッジ130を、出荷することなく、修理または廃棄する。
(3−3)移動工程
そして、不具合が発見されることなく、現像カートリッジ130の駆動検査が終了した場合には、上記した第1実施形態の現像カートリッジ7と同様に、トナーキャップ102を、規制位置から左側へ押し込む。
【0236】
すると、
図15(b)に示すように、作用部105が新品検知ギア132に対して左側へずれて、新品検知ギア132と規制凸部112との噛合が解除され、新品検知ギア132が右側面視時計回りに回転される。
【0237】
これにより、
図14(b)に示すように、新品検知ギア132の歯部90の右側面視時計回り方向下流側端部のギア歯133が駆動ギア受入開口135内に露出され、現像カートリッジ130の製造が完了する。
(4)新品検知動作
図15(b)を参照して、現像カートリッジ130の新品検知動作を説明する。
【0238】
現像カートリッジ130が本体ケーシング2に装着されると、本体ケーシング2内の本体カップリング(図示せず)の先端が現像カップリング61の結合凹部70に相対回転不能に挿入される。
【0239】
また、駆動ギア131が、駆動ギア受入開口135内に挿入される。すると、駆動ギア131のギア部137は、新品検知ギア132の歯部90の右側面視時計回り方向下流側端部のギア歯133に噛合される。このとき、駆動ギア131のギア部137は、ギア歯133の面取り面(右面)に案内されるように、円滑にギア歯133に噛合される。
【0240】
そして、本体カップリング(図示せず)を介して、現像カップリング61に本体ケーシング2から駆動力が入力されると、ウォーミングアップ動作が開始される。
【0241】
このとき、駆動ギア131を介して、新品検知ギア132に本体ケーシング2から駆動力が入力され、第1実施形態の現像カートリッジ7と同様に、現像カートリッジ130が未使用(新品)であるか否か判別される(新品検知動作)。
(5)第2実施形態の作用効果
第2実施形態の現像カートリッジ130においても、上記した第1実施形態の現像カートリッジ7と同様の作用効果を得ることができる。
7.第3実施形態
(1)第3実施形態の概要
図16〜
図18を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態および第2実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0242】
上記した第1実施形態によれば、検査工程において、トナーキャップ102の規制凸部112により、新品検知ギア82を、第2アジテータギア66から離間する非駆動位置に規制している。
【0243】
対して、第3実施形態では、
図17(a)に示すように、検査工程において、トナーキャップ141により、第2アジテータギア66を、新品検知ギア132に対して右側へずれる非駆動位置に規制する。なお、第3実施形態では、第2アジテータギア66が、移動部材の一例である。
(2)現像カートリッジの構成
第3実施形態の現像カートリッジ140では、
図16に示すように、上記した第2実施形態の現像カートリッジ130と同様の新品検知ギア132が設けられている。
【0244】
また、第3実施形態では、トナーキャップ141には、上記した第1実施形態におけるトナーキャップ102と異なり、規制凸部112が設けられておらず、代わりに、規制部の一例としての規制板143が設けられている。
【0245】
規制板143は、作用部105の前上側端部から前上側へ向かって延びる側面視略矩形の平板形状に形成されている。規制板143の前上側端部は、第2アジテータギア66のギア部78の左側に対向配置されている。
【0246】
また、第3実施形態では、現像カートリッジ140の給電側カバー144には、圧縮ばね支持部145が形成されている。
【0247】
圧縮ばね支持部145は、受電部露出開口121の前側において、給電側カバー144の右面から右側へ向かって延びるように、その右端部が閉鎖された略角筒形状に形成されている。圧縮ばね支持部145内には、付勢部材の一例としての圧縮ばね146が収容されている。
【0248】
圧縮ばね146は、左右方向に延びる螺旋形状に形成されている。また、圧縮ばね146は、その右端部が圧縮ばね支持部145の右側内面に接触されるとともに、その左端部が第2アジテータギア66のカラー部80の右面に接触されている(
図18(b)参照)。
(3)現像カートリッジの製造
(3−1)準備工程
第3実施形態において現像カートリッジ140を製造するには、上記した第1実施形態の現像カートリッジ7と同様に、まず、現像カートリッジ140を、駆動検査が実施できるように組み立てる(準備工程)。
【0249】
このとき、トナーキャップ102をトナー充填部101に嵌合させるときに、第2アジテータギア66を、アジテータ軸支持部40から外れないように右側へ移動させて、そのギア部78の左側に、トナーキャップ102の規制板143を対向させる。
【0250】
これにより、第2アジテータギア66は、トナーキャップ102によって、新品検知ギア132に対して右側へずれる非駆動位置に規制される。
(2)検査工程
次いで、上記した第1実施形態の現像カートリッジ7と同様に、現像カートリッジ140の駆動検査を実施する(検査工程)。
【0251】
現像カートリッジ140の駆動検査を実施するには、現像カップリング61に駆動力を入力する。
【0252】
すると、新品検知ギア82が回転しない状態で、ギア列52を介して、現像ローラ11、供給ローラ12およびアジテータ15に駆動力が伝達される。
【0253】
このとき、駆動検査中の現像カートリッジ140において、現像ローラ11、供給ローラ12またはアジテータ15が正常に駆動されないなどの不具合が発見された場合には、その現像カートリッジ140を、出荷することなく、修理または廃棄する。
(3)移動工程
そして、不具合が発見されることなく、現像カートリッジ140の駆動検査が終了した場合には、上記した第1実施形態の現像カートリッジ7と同様に、トナーキャップ102を、規制位置から左側へ押し込む。
【0254】
すると、
図17(b)および
図18(b)に示すように、作用部105が第2アジテータギア66に対して左側へ移動するとともに、圧縮ばね146の付勢力により、第2アジテータギア66が左側へ移動する。
【0255】
すると、第2アジテータギア66のギア部78は、新品検知ギア132の歯部90の右側面視時計回り方向下流側端部のギア歯133に噛合される。このとき、第2アジテータギア66のギア部78は、ギア歯133の面取り面(右面)に案内されるように、円滑にギア歯133に噛合される。
【0256】
これにより、現像カートリッジ7の製造が完了する。
(4)新品検知動作
図17(b)を参照して、現像カートリッジ140の新品検知動作を説明する。
【0257】
現像カートリッジ140が本体ケーシング2に装着されると、本体ケーシング2内の本体カップリング(図示せず)の先端が現像カップリング61の結合凹部70に相対回転不能に挿入される。
【0258】
そして、本体カップリング(図示せず)を介して、現像カップリング61に本体ケーシング2から駆動力が入力されると、ウォーミングアップ動作が開始される。
【0259】
このとき、第2アジテータギア66を介して、新品検知ギア132に本体ケーシング2から駆動力が入力され、第1実施形態の現像カートリッジ7と同様に、現像カートリッジ130が未使用(新品)であるか否か判別される(新品検知動作)。
(5)第3実施形態の作用効果
第3実施形態の現像カートリッジ140においても、上記した第1実施形態の現像カートリッジ7と同様の作用効果を得ることができる。