特許第6031960号(P6031960)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031960
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20161114BHJP
   B62D 6/00 20060101ALI20161114BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20161114BHJP
   B62D 101/00 20060101ALN20161114BHJP
   B62D 119/00 20060101ALN20161114BHJP
【FI】
   G01L3/10 305
   B62D6/00
   B62D5/04
   B62D101:00
   B62D119:00
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-254078(P2012-254078)
(22)【出願日】2012年11月20日
(65)【公開番号】特開2014-102145(P2014-102145A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】中村 匡秀
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 正史
(72)【発明者】
【氏名】武 子金
(72)【発明者】
【氏名】姜 建超
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−216129(JP,A)
【文献】 特開2011−017647(JP,A)
【文献】 特開昭58−204310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/10
G01B 7/30
B62D 5/04
B62D 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵部品の操作により回転するステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを回転させる力を前記ステアリングシャフトに付与することにより前記操舵部品の操作をアシストする電動モータと、
前記ステアリングシャフトと一体に回転する永久磁石、前記永久磁石が形成する磁界内に配置されて前記永久磁石との相対的な位置が変化するヨーク、および前記永久磁石および前記ヨークにより形成される磁気回路の磁束を検出信号として生成する磁気検出部を有する磁気検出装置と、
車両の向きを示す車両方向信号が入力され、前記車両の向きと地磁気との関係を示す補正値テーブルを有し、前記補正値テーブルを用いて前記検出信号から地磁気の影響を低減した出力信号を生成する制御装置と、
前記出力信号に基づいて前記電動モータを駆動するモータ駆動部と
を備えるステアリング装置。
【請求項2】
前記磁気検出装置は、前記ステアリングシャフトに付与される操舵トルクを検出するトルク検出装置、または前記ステアリングシャフトの回転角度となる操舵角を検出する舵角検出装置である
請求項に記載のステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気検出装置を有するステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のステアリング装置は、磁気検出装置としてステアリングホイールに加えられた操舵トルクを検出するトルク検出装置を有する。従来のトルク検出装置は、ステアリングシャフトが挿入される構成を有する。従来のトルク検出装置は、磁気を検出する磁気検出部としてのコイルと、磁気検出部を外囲することにより地磁気が磁気検出部に影響を与えることを抑制する磁気シールドとを有する。なお、このようなステアリング装置の一例として例えば特許文献1に記載のステアリング装置が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−122943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のステアリング装置においては、ステアリングシャフトが挿入されるため、磁気シールドが磁気検出部をステアリングシャフトの軸方向において覆うことができない。これにより、地磁気がステアリングシャフトを介して磁気検出部に影響を与える場合がある。このため、トルク検出装置は、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクが同じであっても操舵トルクが異なるものとして検出する場合がある。なお、例えばステアリングホイールの操舵角を検出する舵角検出装置等のトルク検出装置以外の磁気検出装置についても同様の課題が生じる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、地磁気の影響がより抑制された状態で動作することが可能なステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
)第の手段は「操舵部品の操作により回転するステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを回転させる力を前記ステアリングシャフトに付与することにより前記操舵部品の操作をアシストする電動モータと、前記ステアリングシャフトと一体に回転する永久磁石、前記永久磁石が形成する磁界内に配置されて前記永久磁石との相対的な位置が変化するヨーク、および前記永久磁石および前記ヨークにより形成される磁気回路の磁束を検出信号として生成する磁気検出部を有する磁気検出装置と、車両の向きを示す車両方向信号が入力され、前記車両の向きと地磁気との関係を示す補正値テーブルを有し、前記補正値テーブルを用いて前記検出信号から地磁気の影響を低減した出力信号を生成する制御装置と、前記出力信号に基づいて前記電動モータを駆動するモータ駆動部とを備えるステアリング装置」を有する。
【0009】
上記ステアリング装置は、制御装置が磁気検出装置により検出された磁束から地磁気の影響を低減するように補正する。これにより、モータ駆動部に出力される出力信号は、地磁気の影響が低減されたものとなる。したがって、ステアリング装置は、外部磁界の影響がより抑制された状態で動作することができる。
【0010】
第2の手段は「前記磁気検出装置は、前記ステアリングシャフトに付与される操舵トルクを検出するトルク検出装置または前記ステアリングシャフトの回転角度となる操舵角を検出する舵角検出装置であるステアリング装置」を有する。
【発明の効果】
【0011】
本ステアリング装置は、地磁気の影響がより抑制された状態で動作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態のステアリング装置の構成を示す構成図。
図2】第1実施形態の制御装置の構成を示すブロック図。
図3】第1実施形態のトルク検出装置およびその周辺の断面構造を示す断面図。
図4】第1実施形態のトルク検出装置および補償センサの一部分の分解斜視構造を示す斜視図。
図5】第1実施形態のトルク検出装置における永久磁石と、各ヨークおよび各集磁リングとの位置関係を示す展開図。
図6】第1実施形態のトルク検出装置の第1検出信号の推移を示すグラフ。
図7】第2実施形態のステアリング装置の制御装置の構成を示すブロック図。
図8】第2実施形態の制御装置に記憶された地域毎の車両進行方向と地磁気との関係を示すマップ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
図1を参照して、ステアリング装置1の構成について説明する。
ステアリング装置1は、ステアリング本体10、アシスト装置20、磁気検出装置としてのトルク検出装置30、補償センサ80、および制御装置90を有する。ステアリング装置1は、アシスト装置20により操舵部品2としてのステアリングホイールの操作をアシストするコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置の構成を有する。
【0014】
ステアリング本体10は、ステアリングシャフト11、ラックシャフト15、ラックアンドピニオン機構16、2個のタイロッド17、およびコラムハウジング18を有する。ステアリング本体10は、ラックアンドピニオン機構16を介してステアリングシャフト11およびラックシャフト15が接続される構成を有する。
【0015】
ステアリングシャフト11は、コラムシャフト12、インターミディエイトシャフト13、およびピニオンシャフト14を有する。ステアリングシャフト11は、ボールジョイント11Aによりコラムシャフト12およびインターミディエイトシャフト13が連結される構成を有する。ステアリングシャフト11は、ボールジョイント11Bによりインターミディエイトシャフト13およびピニオンシャフト14が連結される構成を有する。
【0016】
コラムシャフト12は、第1シャフト12A、第2シャフト12B、およびトーションバー12Cを有する。コラムシャフト12は、トーションバー12Cにより第1シャフト12Aおよび第2シャフト12Bが互いに連結された構成を有する。コラムシャフト12は、第1シャフト12Aの端部において操舵部品2に接続され、第2シャフト12Bの端部においてボールジョイント11Aを介してインターミディエイトシャフト13に接続される。
【0017】
ピニオンシャフト14は、ピニオンギヤ14Aを有する。ピニオンシャフト14は、ピニオンギヤ14Aにおいてラックシャフト15のラックギヤ15Aと噛み合う。
ラックシャフト15は、ラックギヤ15Aを有する。ラックギヤ15Aは、ラックシャフト15の長手方向の所定範囲にわたり形成された複数のラック歯を有する。
【0018】
ラックアンドピニオン機構16は、ピニオンシャフト14のピニオンギヤ14Aおよびラックシャフト15のラックギヤ15Aを有する。ラックアンドピニオン機構16は、ピニオンシャフト14の回転をラックシャフト15の往復動に変換する。
【0019】
コラムハウジング18は、金属材料により形成される。コラムハウジング18は、コラムシャフト12を外囲する。コラムハウジング18は、トルク検出装置30、補償センサ80、アシスト装置20のウォームシャフト22、およびウォームホイール23を収容する。
【0020】
アシスト装置20は、電動モータ21、ウォームシャフト22、およびウォームホイール23を有する。アシスト装置20は、電動モータ21の出力軸にウォームシャフト22が連結されることにより出力軸とウォームシャフト22とが一体に回転する構成を有する。アシスト装置20は、ウォームホイール23がウォームシャフト22と噛み合う構成を有する。アシスト装置20は、ウォームホイール23がコラムシャフト12に固定される構成を有する。アシスト装置20は、電動モータ21の回転をウォームシャフト22およびウォームホイール23により減速させた状態でコラムシャフト12に伝達することによりコラムシャフト12を回転させる力(以下、「アシスト力」)をコラムシャフト12に付与する。
【0021】
トルク検出装置30は、コラムシャフト12の周囲に位置する。トルク検出装置30は、コラムシャフト12の軸方向においてアシスト装置20のウォームホイール23よりも操舵部品2側に位置する。トルク検出装置30は、操舵部品2の操作によりコラムシャフト12に付与されたトルク(以下、「操舵トルクτ」)を検出する。トルク検出装置30は、第1検出信号S1を制御装置90に出力する。
【0022】
補償センサ80は、コラムシャフト12の周囲に位置する。補償センサ80は、コラムシャフト12の軸方向においてトルク検出装置30よりも操舵部品2側に位置する。補償センサ80は、補償センサ80を通過する磁束を検出する。補償センサ80が検出する磁束として、例えば地磁気が挙げられる。補償センサ80は、第2検出信号S2を制御装置90に出力する。
【0023】
制御装置90は、アシスト制御を実行する。具体的には、制御装置90は、トルク検出装置30の第1検出信号S1、補償センサ80の第2検出信号S2、および車速センサ4の車速信号SVに基づいて、電動モータ21によるアシスト力を算出する。そして、制御装置90は、アシスト力に基づいて操舵部品2の操舵をアシストする。
【0024】
ステアリング装置1の動作について説明する。
ステアリング本体10は、操舵部品2の操作にともないコラムシャフト12、インターミディエイトシャフト13、およびピニオンシャフト14を一体に回転させる。ステアリング本体10は、ラックアンドピニオン機構16によりピニオンシャフト14の回転をラックシャフト15の長手方向の往復動に変換する。ステアリング本体10は、ラックシャフト15の往復動により2個のタイロッド17を介して車輪3の転舵角を変化させる。
【0025】
図2を参照して、制御装置90の詳細な構成について説明する。
制御装置90は出力信号生成部91、演算部92、モータ駆動部93、および記憶部94を有する。
【0026】
出力信号生成部91においては、トルク検出装置30の第1検出信号S1および補償センサ80の第2検出信号S2が入力される。出力信号生成部91は、各検出信号S1,S2に基づいて出力信号SAを生成する。出力信号生成部91は、演算部92に出力信号SAを出力する。
【0027】
記憶部94は、出力信号生成部91が各検出信号S1,S2に基づいて出力信号SAを生成するための信号補正演算式を記憶している。
演算部92は、出力信号SAに基づいて操舵トルクτを演算する。演算部92においては、車速センサ4の車速信号SVが入力される。演算部92は、車速信号SVに基づいて車両の走行速度(以下、「車速V」)を演算する。演算部92は、操舵トルクτおよび車速Vをモータ駆動部93に出力する。
【0028】
モータ駆動部93は、操舵トルクτおよび車速Vに基づいて電動モータ21に供給する電流値(以下、「目標電流値IG」)を算出する。モータ駆動部93は、目標電流値IGに基づいてモータ駆動信号SMを生成する。モータ駆動部93は、電動モータ21のモータ駆動回路(図示略)にモータ駆動信号SMを出力する。
【0029】
図3および図4を参照して、トルク検出装置30および補償センサ80の詳細な構成について説明する。
ここで、ステアリング装置1に関する各方向として、「軸方向ZA」、「上方向ZA1」、「下方向ZA2」、「径方向ZB」、「内方向ZB1」、「外方向ZB2」、および「周方向ZC」を定義する。
【0030】
周方向ZCは、コラムシャフト12の回転中心軸回りの方向を示す。
軸方向ZAは、コラムシャフト12の回転中心軸に沿う方向を示す。軸方向ZAは、互いに反対の方向を示す上方向ZA1および下方向ZA2により規定される。上方向ZA1は、第2シャフト12Bから第1シャフト12Aの順に通過する方向を示す。下方向ZA2は、第1シャフト12Aから第2シャフト12Bの順に通過する方向を示す。
【0031】
径方向ZBは、軸方向ZAの法線方向を示す。径方向ZBは、互いに反対の方向を示す内方向ZB1および外方向ZB2により規定される。内方向ZB1は、コラムシャフト12の回転中心軸に接近する方向を示す。外方向ZB2は、コラムシャフト12の回転中心軸から離間する方向を示す。
【0032】
図3に示されるように、トルク検出装置30は、磁気検出部としての2個の磁気検出素子31、磁石ユニット40、ヨークユニット50、集磁ユニット60、および回路ユニット70を有する。トルク検出装置30は、磁気検出素子31としてホールICが用いられる。
【0033】
磁石ユニット40は、永久磁石41およびコア42を有する。磁石ユニット40は、第1シャフト12Aに固定される。永久磁石41は、周方向ZCにおいてN極とS極とが交互に着磁される(図4参照)。永久磁石41は、その周囲に磁界を形成する。コア42は、磁性体の金属材料により形成される。コア42は、円筒形状を有する。コア42は、永久磁石41の内面に固定される。コア42は、第1シャフト12Aに圧入される。
【0034】
ヨークユニット50は、磁石ユニット40を外囲する。ヨークユニット50は、永久磁石41が形成する磁界内に配置される。ヨークユニット50は、第1ヨーク51、第2ヨーク52、ヨークホルダ53、およびカラー54を有する。ヨークユニット50は、第2シャフト12Bに固定される。
【0035】
図4に示されるように、第1ヨーク51は、磁性体の金属材料により形成される。第1ヨーク51は、円環形状を有する。第1ヨーク51は、周方向ZCにおいて互いに離間する複数個のヨーク歯51Aと、周方向ZCにおいて隣り合うヨーク歯51Aを互いに接続する接続部分51Bとを有する。第1ヨーク51は、ヨーク歯51Aが接続部分51Bよりも下方向ZA2に延びる構成を有する。ヨーク歯51Aは、下方向ZA2に向かうにつれて周方向ZCの寸法が小さくなるテーパ形状を有する。
【0036】
第2ヨーク52は、磁性体の金属材料により形成される。第2ヨーク52は、円環形状を有する。第2ヨーク52は、周方向ZCにおいて互いに離間する複数個のヨーク歯52Aと、周方向ZCにおいて隣り合うヨーク歯52Aを互いに接続する接続部分52Bとを有する。第2ヨーク52は、ヨーク歯52Aが接続部分52Bよりも上方向ZA1に延びる構成を有する。ヨーク歯52Aは、上方向ZA1に向かうにつれて周方向ZCの寸法が小さくなるテーパ形状を有する。ヨーク歯52Aは、周方向ZCにおいてヨーク歯51Aの間に位置する。
【0037】
ヨークホルダ53は、樹脂材料により形成される。ヨークホルダ53は、各ヨーク51,52と一体に成形される。ヨークホルダ53は、各ヨーク51,52を保持する。
カラー54は、ヨークホルダ53の下方向ZA2の端部に固定される。カラー54は、第2シャフト12Bの上方向ZA1の端部に固定される(図3参照)。
【0038】
図3に示されるように、集磁ユニット60は、ヨークユニット50を外囲する。集磁ユニット60は、コラムハウジング18に固定される。集磁ユニット60は、第1集磁リング61、第2集磁リング62、集磁ホルダ63、磁気シールド64を有する。集磁ユニット60は、各ヨーク51,52の磁束を集める。
【0039】
図4に示されるように、第1集磁リング61は、磁性体の金属材料により形成される。第1集磁リング61は、リング本体61Aおよび2個の集磁突起61Bを有する。リング本体61Aは、円環形状を有する。集磁突起61Bは、リング本体61Aの下端部から外方向ZB2に延びる。集磁突起61Bは、周方向ZCに隙間を介して隣り合う。
【0040】
第2集磁リング62は、磁性体の金属材料により形成される。第2集磁リング62は、リング本体62Aおよび2個の集磁突起62Bを有する。リング本体62Aは、リング本体61Aと同一形状を有する。集磁突起62Bは、リング本体62Aの上端部から外方向ZB2に延びる。集磁突起62Bは、軸方向ZAにおいて集磁突起61Bと対向する。
【0041】
図3に示されるように、集磁ホルダ63は、樹脂材料により形成される。集磁ホルダ63は、円環形状を有する。集磁ホルダ63は、各集磁リング61,62と一体に成形される。集磁ホルダ63は、各集磁リング61,62を保持する。
【0042】
磁気シールド64は、磁性体の金属材料により形成される。磁気シールド64は、軸方向ZAの平面視において円弧形状を有する。磁気シールド64は、集磁ホルダ63の外周面に固定される。磁気シールド64は、各集磁リング61,62を径方向ZBから覆う。磁気シールド64は、磁気検出素子31を径方向ZBから覆わない。
【0043】
2個の磁気検出素子31は、周方向ZCにおいて隣り合う(図4参照)。磁気検出素子31は、永久磁石41、各ヨーク51,52、各集磁リング61,62により形成された磁気回路の磁束を検出する。磁気検出素子31は、各集磁突起61B,62Bの軸方向ZAの間に位置する。
【0044】
回路ユニット70は、回路基板71、ケーブル72、ブッシュ73、基板保持部品74、および基板カバー部品75を有する。回路ユニット70は、磁気検出素子31の第1検出信号S1および補償センサ80の磁気検出素子84の第2検出信号S2を制御装置90(図1参照)に通信する。
【0045】
回路基板71は、磁気検出素子31,84が電気的に接続される。回路基板71は、径方向ZBにおいて集磁ユニット60および補償センサ80と隙間を介して対向する。
ケーブル72は、回路基板71と制御装置90とを電気的に接続する。ケーブル72は、回路基板71の上端部においてブッシュ73を介して接続される。
【0046】
ブッシュ73は、ゴム材料により形成される。ブッシュ73は、ケーブル72が挿入される。ブッシュ73は、コラムハウジング18の基板収容部分18Aの上端部分と基板カバー部品75とにより挟み込まれる。
【0047】
基板保持部品74は、基板カバー部品75と回路基板71とを締結することにより回路基板71を保持する。
基板カバー部品75は、外方向ZB2から回路基板71およびコラムハウジング18の基板収容部分18Aを覆う。基板カバー部品75は、基板収容部分18Aの外方向ZB2の端部に固定される。
【0048】
補償センサ80は、第1集磁リング81、第2集磁リング82、集磁ホルダ83、および2個の磁気検出素子84を有する。補償センサ80は、磁気検出素子84として磁気検出素子31と同様にホールICが用いられる。
【0049】
図4に示されるように、第1集磁リング81は、リング本体81Aおよび2個の集磁突起81Bを有する。第1集磁リング81は、トルク検出装置30の第1集磁リング61と同一部品が用いられる。第2集磁リング82は、リング本体82Aおよび2個の集磁突起82Bを有する。トルク検出装置30の第2集磁リング62と同一部品が用いられる。集磁ホルダ83は、トルク検出装置30の集磁ホルダ63と同一部品が用いられる。磁気検出素子84は、磁気検出素子31と同様に各集磁突起81B,82Bの軸方向ZAの間に位置する。
【0050】
図5を参照して、トルク検出装置30の磁束の検出について説明する。
図5(a)は、第1シャフト12Aおよび第2シャフト12B(ともに図1参照)の間にトルクが付与されていない状態(以下、「中立状態」)を示す。図5(b)は、第1シャフト12Aおよび第2シャフト12Bの間に右回り方向のトルクが付与された状態を示す(以下、「右回転状態」)。図5(c)は、第1シャフト12Aおよび第2シャフト12Bの間に左回り方向のトルクが付与された状態を示す(以下、「左回転状態」)。
【0051】
各ヨーク51,52と永久磁石41との関係として、「第1N極対向面積」、「第1S極対向面積」、「第2N極対向面積」、および「第2S極対向面積」を定義する。
(A)第1N極対向面積は、第1ヨーク51と永久磁石41のN極との対向面積を示す。
(B)第1S極対向面積は、第1ヨーク51と永久磁石41のS極との対向面積を示す。
(C)第2N極対向面積は、第2ヨーク52と永久磁石41のN極との対向面積を示す。
(D)第2S極対向面積は、第2ヨーク52と永久磁石41のS極との対向面積を示す。
【0052】
図5(a)に示されるように、中立状態においては、第1ヨーク51のヨーク歯51Aの先端部分および第2ヨーク52のヨーク歯52Aの先端部分が永久磁石41のN極とS極との境界部分に位置する。このとき、第1N極対向面積と第1S極対向面積とが互いに等しい。また、第2N極対向面積と第2S極対向面積とが互いに等しい。これにより、第1集磁リング61の集磁突起61Bと第2集磁リング62の集磁突起62Bとの間に磁束が生じない。このため、磁気検出素子31の出力電圧が「0」を示す。
【0053】
図5(b)に示されるように、右回転状態においては、中立状態からトーションバー12C(図1参照)にねじれが生じるため、各ヨーク51,52と永久磁石41との相対的な位置が変化する。これにより、第1N極対向面積が第1S極対向面積よりも大きくなる。また、第2N極対向面積が第2S極対向面積よりも小さくなる。このため、永久磁石41のN極から第1ヨーク51に入る磁束量が第1ヨーク51から永久磁石41のS極に向けて出る磁束量よりも多い。また、永久磁石41のN極から第2ヨーク52に入る磁束量が第2ヨーク52から永久磁石41のS極に向けて出る磁束量よりも少ない。このため、第1集磁リング61の集磁突起61Bから第2集磁リング62の集磁突起62Bに磁束が流れる。磁気検出素子31は、この磁束に応じた出力電圧を第1検出信号S1として出力する。
【0054】
図5(c)に示されるように、左回転状態においては、右回転状態とは逆方向のトーションバー12Cのねじれが生じるため、各ヨーク51,52と永久磁石41との相対的な位置が右回転状態のときとは逆方向に変化する。これにより、第1N極対向面積が第1S極対向面積よりも小さくなる。また、第2N極対向面積が第2S極対向面積よりも大きくなる。このため、永久磁石41のN極から第1ヨーク51に入る磁束量が第1ヨーク51から永久磁石41のS極に向けて出る磁束量よりも少ない。また、永久磁石41のN極から第2ヨーク52に入る磁束量が第2ヨーク52から永久磁石41のS極に入る磁束量よりも多い。このため、第2集磁リング62の集磁突起62Bから第1集磁リング61の集磁突起61Bに磁束が流れる。磁気検出素子31は、この磁束に応じた出力電圧を第1検出信号S1として出力する。
【0055】
図4を参照して、補償センサ80の磁束の検出について説明する。
第1集磁リング81および第2集磁リング82においては、コラムシャフト12を介して地磁気および電動モータ21(図1参照)等の補償センサ80とは別の機器の磁束が通過する。磁気検出素子84は、第1集磁リング81の磁束量と第2集磁リング82の磁束量との差に基づいて、第1集磁リング81の集磁突起81Bおよび第2集磁リング82の集磁突起82Bの間に磁束が流れる。磁気検出素子84は、この磁束に応じた出力電圧を第2検出信号S2として出力する。
【0056】
図6を参照して、ステアリング装置1の作用について説明する。なお、図6を参照する以下の説明において、符号が付されたステアリング装置1に関する各構成要素は、図1または図2に記載された各構成要素を示す。
【0057】
また、第1検出信号S1および車速Vに基づいて電動モータ21に供給する電流量を算出する構成を「比較ステアリング装置CS」として示す。また、ステアリング装置1が搭載された車両が進行する方向を「車両進行方向」として示す。
【0058】
図6において実線により示されるグラフG1は、車両進行方向が「北」の場合において、予め設定された操舵トルク(以下、「設定操舵トルク」)がコラムシャフト12に付与されたときのトルク検出装置30の第1検出信号S1を示す。図6において二点鎖線により示されるグラフG2は、車両進行方向が「南」の場合において、設定操舵トルクがコラムシャフト12に付与されたときのトルク検出装置30の第1検出信号S1を示す。
【0059】
地磁気の強さは、車両進行方向によって変化する。これにより、グラフG1,G2により示されるように、車両進行方向によってトルク検出装置30の第1検出信号S1の大きさが異なる。また、地磁気の強さは、所定の緯度および所定の経度により囲まれた範囲で規定される地域が異なることによって変化する。
【0060】
比較ステアリング装置CSは、第1検出信号S1に基づいて比較ステアリング装置CSの電動モータに供給する電流量を算出するため、車両進行方向および地域によって電動モータに供給する電流量が異なる。したがって、比較ステアリング装置CSは、車両進行方向および地域によってアシスト力が異なる。このため、比較ステアリング装置CSは、車両進行方向および地域によって操舵感が異なる場合がある。
【0061】
加えて、電動モータ21等のトルク検出装置30とは異なる機器が発生する磁束(以下、「外部磁束」)がトルク検出装置30に影響を与える場合がある。このとき、トルク検出装置30は、外部磁束の有無により第1検出信号S1の大きさが異なる。このため、比較ステアリング装置CSは、地磁気と同様に外部磁束の有無によって操舵感が異なる場合がある。なお、地磁気による磁界および外部磁束による磁界を含めて「外部磁界」とする。
【0062】
これに対して、本実施形態のステアリング装置1は、補償センサ80により外部磁界の磁束を検出する。そして、ステアリング装置1は、制御装置90の出力信号生成部91により外部磁界の影響を低減した出力信号SAを次のように生成する。
【0063】
すなわち、出力信号生成部91は、記憶部94に記憶された信号補正演算式を用いて、第1検出信号S1および第2検出信号S2から出力信号SAを生成する。また、信号補正演算式は、以下の数式1となる。なお、kはゲインを示す。kの値は、試験等により予め設定される。
【0064】

SA=S1−k×S2 …(1)

出力信号SAは、上記信号補正演算式により第1検出信号S1から第2検出信号S2に基づく外部磁界の影響を低減した信号となる。なお、トルク検出装置30および補償センサ80が互いに異なる位置となるため、第2検出信号S2により検出した外部磁界の磁束量がトルク検出装置30の第1検出信号S1に含まれる外部磁界の磁束量と異なる。このため、第2検出信号S2の外部磁界の磁束量とトルク検出装置30の第1検出信号S1に含まれる外部磁界の磁束量との相関情報を試験等により予め把握する。そして、この相関情報に基づいてkの値、すなわちゲインの大きさを設定する。
【0065】
そして、ステアリング装置1は、出力信号SAおよび車速Vに基づいて電動モータ21に供給する電流量を算出する。このため、車両進行方向および外部磁束の有無によって電動モータ21に供給する電流量が異なることが抑制される。したがって、車両進行方向および外部磁束の有無によって操舵感が異なることが抑制される。
【0066】
本実施形態のステアリング装置1は以下の効果を奏する。
(1)ステアリング装置1は、補償センサ80を有する。ステアリング装置1は、トルク検出装置30の第1検出信号S1および補償センサ80の第2検出信号S2に基づいて、外部磁界の影響を低減した出力信号SAを生成する。ステアリング装置1は、出力信号SAに基づいてアシスト装置20の電動モータ21を駆動する。この構成によれば、ステアリング装置1は、外部磁界の影響がより低減された状態で動作することができる。したがって、外部磁界の影響により操舵感が異なることが抑制される。
【0067】
(2)トルク検出装置30の回路基板71においては、磁気検出素子31および補償センサ80の磁気検出素子84が電気的に接続される。この構成によれば、各磁気検出素子31,84が共通の回路基板71に電気的に接続される。したがって、各磁気検出素子31,84が個別の回路基板に電気的に接続されると仮定した構成を比較して、ステアリング装置1の部品点数が少なくなる。
【0068】
(3)補償センサ80は、トルク検出装置30の集磁ユニット60と共通の部品により構成される。この構成によれば、補償センサ80とトルク検出装置30の集磁ユニット60とが異なる部品と仮定した構成と比較して、ステアリング装置1の部品種類が少なくなる。
【0069】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態のステアリング装置1の構成を示す。本実施形態のステアリング装置1は、図1および図2に示される第1実施形態のステアリング装置1との主要な相違点として、次の相違点を有する。すなわち、第2実施形態のステアリング装置1は、補償センサ80を有していない。以下では、第1実施形態のステアリング装置1と異なる点の詳細を説明し、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその説明の一部または全部を省略する。
【0070】
制御装置90は、車両に備えられたGPS測定部(図示略)の車両方向信号SDおよび車両位置信号SPが入力される。GPS測定部は、GPS衛星から送信されたGPS信号を所定の周期毎に受信する。GPS測定部は、GPS信号に基づいて車両の緯度および経度を示す車両位置信号SPを生成する。GPS測定部は、前回周期において受信したGPS信号と今回周期において受信したGPS信号とに基づいて車両がどの方向に進行したのかを示す信号として車両方向信号SDを生成する。
【0071】
記憶部94は、補正値テーブルとして、地域毎に車両進行方向と地磁気との関係を示すマップMP(図8参照)を記憶している。マップMPは、地域として都道府県毎に区分されている。図8に示されるように、マップMPは、車両進行方向として「北」、「北東」、「東」「南東」、「南」、「南西」、「西」、および「北西」の8方向に対応する地磁気の値を示す。なお、マップMPにおける地磁気の値は、トルク検出装置30の第1検出信号S1(図7参照)に含まれる地磁気に相当する。この地磁気の値は、地磁気の向きに基づいて正の値または負の値となる。この地磁気の値は試験等により予め設定されている。
【0072】
図7に示されるように、出力信号生成部91においては、トルク検出装置30の第1検出信号S1、車両方向信号SD、および車両位置信号SPが入力される。出力信号生成部91は、第1検出信号S1およびマップMPに基づいて出力信号SAを生成する。出力信号生成部91は、演算部92に出力信号SAを出力する。なお、第1検出信号S1は「検出信号」に相当する。
【0073】
出力信号生成部91の出力信号SAの生成方法について説明する。
出力信号生成部91は、車両位置信号SPに基づいて、マップMPにおける地域を選択する。そして、出力信号生成部91は、車両方向信号SDに基づいて、選択されたマップMPにおける車両進行方向に対応する地磁気の値を選択する。出力信号生成部91は、第1検出信号S1の値から地磁気の値を減算することにより出力信号SAを生成する。演算部92およびモータ駆動部93は、第1実施形態と同様である。
【0074】
本実施形態のステアリング装置1は第1実施形態のステアリング装置1の(1)の効果に準じた効果に加え、以下の効果を奏する。
(4)ステアリング装置1は、マップMPおよび第1検出信号S1に基づいて出力信号SAを生成する。そして、ステアリング装置1は、出力信号SAに基づいて電動モータ21を駆動する。この構成によれば、ステアリング装置1は、第1実施形態の補償センサ80を有していない。このため、ステアリング装置1の部品点数が低減される。
【0075】
(その他の実施形態)
本ステアリング装置は、上記各実施形態とは別の実施形態を含む。以下、本ステアリング装置のその他の実施形態としての上記各実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は互いに組み合わせることもできる。
【0076】
・第1実施形態の補償センサ80は、軸方向ZAにおいてトルク検出装置30と上方向ZA1側に隣り合う。ただし、補償センサ80の位置は第1実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の補償センサ80は、軸方向ZAにおいてトルク検出装置30と下方向ZA2側に隣り合う。また、別の変形例の補償センサ80は、コラムハウジング18の外部に位置する。
【0077】
・第1実施形態の補償センサ80は、2個の磁気検出素子84を有する。ただし、補償センサ80の構成は第1実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の補償センサ80は、1個の磁気検出素子84を有する。
【0078】
・第1実施形態の補償センサ80は、磁気検出素子84としてホールICが用いられる。ただし、磁気検出素子84の構成は第1実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の磁気検出素子84は、ホールICに代えてホール素子またはMR素子が用いられる。
【0079】
・第1実施形態の補償センサ80は、各集磁リング81,82および集磁ホルダ83が集磁ユニット60と共通部品として構成される。ただし、補償センサ80の構成は第1実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の補償センサ80は、各集磁リング81,82および集磁ホルダ83が集磁ユニット60の各集磁リング61,62および集磁ホルダ63と異なる部品として構成される。
【0080】
・第1実施形態の補償センサ80において、集磁ホルダ83の外周面に磁気シールド(図示略)を取り付けることもできる。磁気シールドは、磁性体の金属材料により形成される。
【0081】
・第1実施形態の制御装置90において、出力信号生成部91を省略することもできる。この場合、出力信号生成部91は、トルク検出装置30の回路ユニット70の回路基板71に実装されたマイクロコンピュータとして形成される。なお、第2実施形態の制御装置90についても同様に変更することができる。
【0082】
・第1実施形態の制御装置90は、出力信号生成部91において信号補正演算式に基づいて各検出信号S1,S2から出力信号SAを生成する。ただし、制御装置90による出力信号SAの生成方法は第1実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置90は、信号補正演算式に代えて、第1検出信号S1の外部磁界の磁束量と第2検出信号S2の外部磁界の磁束量との関係を示すマップに基づいて第1検出信号S1の外部磁界の磁束量を算出する。そして、変形例の制御装置90は、算出された第1検出信号S1の外部磁界の磁束量を第1検出信号S1から除外することにより出力信号SAを生成する。
【0083】
・第2実施形態のマップMPは、車両進行方向として8方向を有する。ただし、車両進行方向の数は第2実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例のマップMPは、車両進行方向として9方向以上の方向または7方向以下の複数の方向を有する。
【0084】
・第2実施形態のマップMPは、都道府県毎により地域を区分している。ただし、地域の区分は第2実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例のマップMPは、都道府県における市町村の範囲により地域を区分する。また、別の変形例のマップMPは、所定の緯度範囲および所定の経度範囲により区画した領域により地域を区分する。
【0085】
・第2実施形態の制御装置90においては、車両のGPS測定部により生成された車両方向信号SDおよび車両位置信号SPが入力される。制御装置90に入力される車両方向信号SDおよび車両位置信号SPは第2実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置90においては、ナビゲーション装置により生成された車両方向信号SDおよび車両位置信号SPが入力される。
【0086】
・第2実施形態の制御装置90においては、車両のGPS測定部の車両方向信号SDおよび車両位置信号SPが入力される。ただし、制御装置90の構成は第2実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の制御装置90は、GPS信号を受信する受信部を有する。変形例の制御装置90は、受信部により受信したGPS信号に基づいて車両方向信号SDおよび車両位置信号SPを生成する。そして、変形例の制御装置90は、車両方向信号SDおよび車両位置信号SPを出力信号生成部91に出力する。
【0087】
・第2実施形態の制御装置90において、車両位置信号SPが入力されない構成とすることもできる。この場合、マップMPは、地域毎に区分されない。マップMPは、車両進行方向と地磁気との関係を示す。すなわち制御装置90は、どの地域においても共通のマップMPが用いられる。
【0088】
・第1および第2実施形態のトルク検出装置30は、2個の磁気検出素子31を有する。ただし、トルク検出装置30の構成は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例のトルク検出装置30は、1個の磁気検出素子31を有する。
【0089】
・第1および第2実施形態のトルク検出装置30は、磁気検出素子31としてホールICが用いられる。ただし、磁気検出素子31の構成は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の磁気検出素子31は、ホールICに代えてホール素子またはMR素子が用いられる。
【0090】
・第1および第2実施形態のトルク検出装置30において、磁気シールド64を省略することもできる。
・第1および第2実施形態のステアリング装置1は、磁気検出装置としてトルク検出装置30を有する。ただし、磁気検出装置の構成は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例のステアリング装置1は、磁気検出装置としてトルク検出装置30に加えて舵角検出装置を有する。舵角検出装置は、ステアリングシャフト11の回転角度となる操舵角を第1検出信号(検出信号)として制御装置90に出力する。また、別の変形例のステアリング装置1は、磁気検出装置としてトルク検出装置30に代えて舵角検出装置を有する。
【0091】
・第1および第2実施形態のステアリング装置1は、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置としての構成を有する。ただし、ステアリング装置1の構成は各実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例のステアリング装置1は、ピニオンアシスト型、デュアルピニオンアシスト型、ラックパラレル型、またはラック同軸型の電動パワーステアリング装置としての構成を有する。
【0092】
次に、上記実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記トルク検出装置および前記制御装置を電気的に接続する回路ユニットを有し、前記回路ユニットは、回路基板を有し、前記トルク検出装置および前記補償センサは、前記回路基板に電気的に接続される請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置。
【0093】
この構成によれば、トルク検出装置および補償センサが共通の回路基板に電気的に接続される。したがって、トルク検出装置および補償センサが個別の回路基板に電気的に接続されたと仮定した構成と比較して、ステアリング装置の部品点数が少なくなる。
【0094】
(ロ)前記トルク検出装置は、前記ヨークを外囲する集磁リングと、前記集磁リングを保持する集磁ホルダとを有し、前記補償センサは、前記集磁リングと共通の部品となる集磁リングと、前記集磁ホルダと共通の部品となる集磁ホルダとを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置。
【0095】
この構成によれば、トルク検出装置の集磁リングおよび集磁ホルダと、補償センサの集磁リングおよび集磁ホルダとが共通部品となるため、トルク検出装置の集磁リングおよび集磁ホルダと、補償センサの集磁リングおよび集磁ホルダとが異なる部品と仮定した構成と比較して、ステアリング装置の部品種類が少なくなる。
【符号の説明】
【0096】
S1…第1検出信号、S2…第2検出信号、SA…出力信号、τ…操舵トルク、SD…車両方向信号、MP…マップ(補正値テーブル)、1…ステアリング装置、2…操舵部品、11…ステアリングシャフト、21…電動モータ、30…トルク検出装置(磁気検出装置)、31…磁気検出素子(磁気検出部)、41…永久磁石、51…第1ヨーク、52…第2ヨーク、80…補償センサ、90…制御装置、91…出力信号生成部、93…モータ駆動部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8