(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の樹脂製パネル、樹脂製パネル用内装材(発泡構造材)、及びこれらの製造方法の一実施形態について説明する。
【0013】
(1)樹脂製パネル、及び樹脂製パネル用内装材(発泡構造材)
図1に示すように、実施形態に係る樹脂製パネル1の外形は、おもて面1aと裏面1b、及びおもて面1aと裏面1bの間に介在する側壁面1cからなる。おもて面1a、裏面1b、及び側壁面1cは熱可塑性樹脂の樹脂シートSA,SBによって構成されており、その内部には内装材10(発泡構造材)が内装されている。つまり、樹脂製パネル1は、熱可塑性樹脂の樹脂シートSA,SBによって、内装材10を挟み込むようにしたサンドイッチ構造となっている。
【0014】
実施形態の樹脂製パネル1において、表皮材シートとなる樹脂シートSA,SBは、その樹脂材料を限定しないが、樹脂製パネル1の剛性を確保するために非発泡樹脂から形成されることが好ましい。例えば、成形性を考慮して、樹脂シートSA,SBは、主材料であるポリプロピレン(PP)にポリスチレン(PS)とスチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体樹脂(SEBS)を混合させてもよい。
【0015】
図2に示すように、内装材10は、樹脂発泡体である芯材21,22がそれぞれ補強材30の一方の側、及び他方の側に嵌合して、芯材21,22と補強材30が一体となった複合構造体である。補強材30は芯材21,22の端と同程度の長さの長尺状の部材である。本実施形態の補強材30はその断面形状がH形の部材(いわゆるH形押出リンフォース)であるが、補強材30の形状はこれに限られない。補強材30の断面形状は、例えばC形、コ字形、角形パイプ状あるいは円形パイプ状等であってもよく、芯材21,22に嵌合一体化可能な形状であれば適宜のものでよい。補強材30は、好ましくはアルミニウムなどの金属製あるいは硬質のプラスチック製である。
芯材21,22の厚さは、樹脂製パネル1としての目標厚さ、さらには、樹脂製パネル1の目標の剛性を確保するための樹脂シートの厚さに応じて適宜決定され、特に限定されるものではない。
【0016】
実施形態の樹脂製パネル1において、芯材21,22は例えば熱可塑性樹脂を用いて成形される。その樹脂材料は限定しないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のアクリル誘導体のいずれか、又は2種類以上の混合物を含む。芯材21,22は樹脂製パネル1の体積に占める割合が大きく、軽量化のために発泡剤を用いて発泡させた発泡樹脂であることが好ましいが、発泡倍率は特に限定するものではない。
【0017】
実施形態の樹脂製パネル1において、芯材21,22に使用されうる発泡剤としては、公知の物理発泡剤、化学発泡剤及びその混合物が挙げられる。例えば、物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス等の無機系物理発泡剤、及びブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤を適用できる。また、化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン又はアゾビスイソブチロニトリルなどの有機発泡剤、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、ショウノウ酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ酸などのポリカルボン酸と、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムアルミニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの無機炭酸化合物の混合物や、クエン酸ニ水素ナトリウム、シュウ酸カリウムなどのポリカルボン酸の塩が無機発泡剤として挙げられる。
【0018】
樹脂シートSA,SB及び芯材21,22は、剛性及び強度を増加させる目的で、ガラスフィラーを混入した樹脂材料を用いて成形するようにしてもよい。
ガラスフィラーとしては、ガラス繊維、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスパウダー、ミルドガラスなどが挙げられる。ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが挙げられる。
なお、ガラスフィラーに限らず、剛性を上げるためのタルク、炭酸カルシウム、珪灰石(Wollastonite)、マグネシウム系材料等の無機フィラー、カーボンファイバー等を混入させてもよい。
【0019】
(2)内装材10(発泡構造材)及びその製造方法
次に、
図3〜
図10を参照して、本実施形態の内装材10及びその製造方法について説明する。
図3は、実施形態の内装材10の芯材21,22となる発泡体20の斜視図である。
図4A及び
図4Bは、
図3に示す発泡体20を成形する工程を順に説明するための図である。
図5は、実施形態の内装材10の芯材21,22となる発泡体20の平面図である。
図6(a)〜(d)はそれぞれ、
図5に示すA−A,B−B,C−C,D−Dの断面図である。
図7は、
図5に示すE部の拡大斜視図である。
図8は、実施形態の内装材10を組み立てる工程を示す図である。
図10は、実施形態の内装材10の、
図5のB−Bに相当する位置における断面図である。
【0020】
(2−1)芯材の元となる発泡体
本実施形態の芯材21,22は、一体物として成形される発泡体20を割断することによって作製される。
図3に示すように、発泡体20の外形は、おもて面20aと裏面20b、及びおもて面20aと裏面20bの間に介在する側壁面20cからなる。
図3に示すように、発泡体20のおもて面20aには一端から他端に亘って直線状の溝部230が形成されている。なお、発泡体20の裏面20bにもおもて面20aと同様に、溝部230形成されている。溝部230は、発泡体20を割断し、かつ割断後に補強材30を嵌合するために設けられている。溝部230については後で詳述する。
【0021】
(2−2)芯材の元となる発泡体の成形
発泡体20は、
図4A及び
図4Bに示す成形装置50を使用してビーズ法型内発泡成形法によって成形される。
図4A(a)に示すように、成形装置50には対向して配置される型51,52が設けられる。型51,52はそれぞれ、空室53,54の一部を構成している。空室53,54には、冷却管41,42が配設されている。
図4A(a)に示す状態から型51,52を閉じると、
図4A(b)に示すように型51,52による密閉空間であるキャビティ50aが形成される。型51,52が閉じられた状態で、フィーダ43,44を通して発泡ビーズを充填する。充填される発泡ビーズの量は、例えばキャビティ50aの容積の105〜110%である。次に、
図4B(c)に示すように、蒸気注入口55,56より、空室53,54に蒸気(例えば蒸気圧3.0〜3.5kgf/cm
2 )を、例えば10〜30秒間注入する。蒸気は型に形成された細孔から発泡ビーズ内の気泡、個々間の空隙に入り込み、ビーズ相互を融着させる。その後、
図4B(d)に示すように、冷却水注入口57,58から冷却水を冷却管41,42に注入し、型51,52に噴霧して型51,52および発泡体20を冷して発泡体20を固化させる。次いで、
図4B(e)に示すように型を開けて発泡体20を取り出す。発泡体20はその後、例えば50〜70°Cの部屋に12〜24時間置いて養生させることで硬化を促進させ、ヒケ、変形を防止する。
【0022】
(2−3)芯材の元となる発泡体の詳細形状の一例
次に、発泡体20の溝部230の詳細形状について、
図5〜7を参照して説明する。以下では、おもて面20a側の溝部230についてのみ説明するが、裏面20b側の溝部230も同様の形状である。なお、本実施形態では、溝部230の中央にあるおもて面20aに直交する面を想定したときに、その面を挟んで溝部230は対称構な構造になっている。
【0023】
溝部230では、発泡体20のおもて面20aを基準に所定の段差量をもって係合面211,221が形成されている。
図5に示すように、係合面211,221は、発泡体20のおもて面20aの一端から他端に亘って溝部230の全域で形成されている。係合面211,221は、断面形状がH形の補強材30(H形押出リンフォース)が係合し、それによって、芯材21,22が補強材30に一体嵌合するために設けられている。おもて面20aと係合面211,221の間の段差量は、芯材21,22が補強材30に一体嵌合した状態においておもて面20aと補強材30の上面とが概ね同一平面上となる限り、適宜設定されてよい。また、係合面211,221の幅は、少なくとも補強材30が係合可能な長さが確保されていればよい。
【0024】
図5に示すように、係合面211,221が延びる方向に沿って突起211a,221aがそれぞれ6箇所形成されているが、突起211a,221aの個数は一例に過ぎず、図示された個数に限られない。突起211a,221aは、断面形状がH形の補強材30(H形押出リンフォース)が係合したときに、補強材30と係合面211,221の間に生ずる面圧を高め、それによって芯材21,22の補強材30に対する嵌合力を大きくすることを目的として設けられている。つまり、突起211a,221aを設けることで、芯材21,22を補強材30に嵌合した後に、係合面211,221が延びる方向と直交する方向に芯材21,22が補強材30から離脱しにくくすることができる。
【0025】
なお、
図5及び
図6では、突起211a,221aがすべての箇所で対向する位置に設けている場合が示されているが、この場合に限られない。突起211a及び突起221aはそれぞれ係合面211及び係合面221上で互いに独立した位置に設けてもよい。
突起211a,221aの高さ、係合面211,221が延びる方向に沿った長さ、及び各突起の個数は、芯材21,22と補強材30を組み立てるときの作業性(つまり、嵌合するときの力)と、芯材21,22を補強材30に嵌合した後の離脱力とを勘案して、適宜に設定される。
【0026】
図5及び
図6に示した例では、突起211a,221aはそれぞれ、係合面211,221の端に形成されているが、この例に限られない。補強材30が係合面211,221に係合している範囲であれば、補強材30と係合面211,221の間に生ずる面圧を高めることができるため、突起211a,221aは係合面211,221の端に形成されていなくても構わない。
【0027】
図6で明瞭に見られるように、好ましくは、係合面211,221の間には、発泡体20を割断するための溝として、溝の深さが比較的浅い浅溝230aと、溝の深さが比較的深い深溝230bとが形成される。
図5及び
図6に示した例では、11箇所の浅溝230aと10箇所の深溝230bが設けられている。発泡体20を割断するための溝として浅溝230aと深溝230bを設ける理由は、以下のとおりである。すなわち、仮に深溝のみを設けた場合には、後の工程において発泡体20を割断する力が少なくて済み、作業性が向上するが、発泡体20を成形する工程において深溝に相当する位置での型のキャビティの通路が狭いために発泡ビーズをフィーダからキャビティの全域に充填し難くなる。一方、仮に浅溝のみを設けた場合には、発泡体20を成形する工程において発泡ビーズをフィーダから充填しやすくなるが、後の工程において発泡体20を割断する力が大きくなってしまい、作業性が悪化する。そこで、成形性と作業性を両立する観点から、浅溝230aと深溝230bを設けている。
なお、
図5に示したように、浅溝230aと深溝230bはそれぞれ複数個を交互に設けることが好ましい。これは、成形性と作業性を両立しつつ、係合面211,221が延びる方向に沿って複数の浅溝の位置が分散されるため、発泡体20の割断位置の精度が良好となるためである。
【0028】
図7に示すように、
図5のE部、つまり溝部230の一端には、内装材10を組み立てた後に補強材30の脱落を防止するためのストッパ212,222が形成されていることが好ましい。
なお、
図7に示す例では、ストッパ212,222はおもて面20aと同一の平面を構成しているが、これに限られない。ストッパ212,222は、補強材30がその長手方向に沿って移動して脱落することを防止できればよいので、必ずしもおもて面20aと同一平面である必要はなく、補強材30が係合する係合面211,221よりもおもて面20a側に突出していればよい。
【0029】
(2−4)発泡体の割断、及び内装材の組み立て
次に、発泡体20が成形された後の工程について説明する。
発泡体20が成形されると、発泡体20を溝部230の浅溝230a及び深溝230bにおいて割断して、第1の芯材及び第2の芯材としての芯材21,22に分割する。次いで、
図8に示すように、芯材21,22をそれぞれ補強材30の一方及び他方から嵌合して、芯材21,22と補強材30が一体となった内装材10を組み立てる。
図9に示すように、内装材10において突起211a,221aが形成された箇所では芯材21,22の補強材30に対する面圧が高くなり、かつ仮に芯材21,22がそれぞれ図中の右方向又は左方向に移動した場合でも補強材30の突起30aが芯材21,22の突起211a,221aと当接して芯材21,22が補強材30から離脱しない。なお、
図10に示すように、突起30aがない補強材30を使用してもよい。この場合でも、芯材21,22の突起211a,221aが設けられた位置で補強材30との間の面圧が高くなるため、芯材21,22がそれぞれ図中の右方向又は左方向に離脱し難くなる。
【0030】
本実施形態では、芯材21,22の元となる発泡体20は同一の成形装置を用いて一体的に成形されるため、成形装置の動作状態や、成形装置内及び周囲の環境条件等に起因して成形時の発泡体20の体積変化が生じたとしても、その発泡体20を元に割断して得られる芯材21,22について、補強材30と嵌合する部位の形状の差は無いに等しい。そのため、芯材21,22を補強材30に嵌合させたときに、一方の芯材にのみ補強材30との間隙が相対的に大きくなる等といった、芯材の形状の不一致に起因する問題が生じ難い。そのため、後述する樹脂製パネルの成形工程によって樹脂製パネル1を作製したときに、例えば、樹脂製パネルの面が全域で平坦ではなく部分的にも隆起している等といった、見栄えの悪化が生じ難い。
【0031】
(3)樹脂製パネルの成形方法
次に、
図11〜17を参照して、実施形態の樹脂製パネル1を、金型を用いて成形する装置および方法について説明する。
【0032】
先ず、実施形態の樹脂製パネル1の成形装置について説明する。
図11に示すように、実施形態の成形装置90は、押出装置60と、押出装置60の下方に配置された型締装置70とを有する。押出装置60から押出された溶融状態の樹脂シートPは、型締装置70に送られ、型締装置70において溶融状態の樹脂シートPが成形される。なお、
図11では、型締装置70及び溶融状態の樹脂シートPのみを断面図で示してある。
【0033】
押出装置60は、Tダイ61A,61B、アキュムレータ81A,81B、プランジャー82A,82B、押出機83A,83B、及び樹脂供給ホッパー84A,84Bを備える。押出装置60では、樹脂原料が押出機を用いて可塑化溶融させられ、この溶融樹脂がTダイ61A,61Bでダイ外へ押し出される。押出装置60において、押出機83A,83Bの押出能力は、樹脂製パネル1の大きさにより適宜選択することができるが、樹脂製パネル1の成形サイクルを短縮させる観点から、50kg/時以上であることが好ましい。
【0034】
押出装置60では、樹脂シートの押出速度は、Tダイ61A,61B及びアキュムレータ81A,81Bにより設定される。また、ドローダウンを防止する観点から、Tダイ61A,61Bにおける樹脂シートの押し出しは、40秒以内に完了することが好ましく、30秒以内に完了するのがさらに好ましい。このため、アキュムレータ81A,81Bに貯留された溶融樹脂材料は、Tダイ61A,61Bから1cm
2当たり50kg/時以上、好ましくは60kg/時以上で押し出されることになる。このとき、Tダイ61A,61Bのダイ先端のスリットを樹脂シートの押出速度に応じて変化させることでドローダウンの影響をさらに抑制することができる。すなわち、Tダイ61A,61Bのスリットの間隔を押出開始から徐々に広げ、押出終了時に最大とすることで、樹脂シートの自重による肉厚変化を抑制し、上下方向の広い範囲に亘り樹脂シートを均一な厚さとすることができる。これにより、後述する一対の分割金型を開位置から閉位置へ移動させる時点において、樹脂シートの厚みを均一にすることができる。
【0035】
図11を再度参照すると、型締装置70は、溶融状態の樹脂シートPの供給方向に対して略直交する方向に、開位置と閉位置との間で移動させられる一対の分割金型71A,71Bを有する。一対の分割金型71A,71Bは、各々に対応する形成面72A,72Bを対向させた状態で配置される。形成面72A,72Bの表面には、樹脂製パネル1の略外形に応じて凹凸部が設けられてもよい。
【0036】
一対の分割金型71A,71Bの各々において、各々に対応する形成面72A,72Bの上下端近傍には、ピンチオフ部74A,74Bが形成されている。このピンチオフ部74A,74Bはそれぞれ、形成面72A,72Bのまわりに環状に形成され、対向する分割金型71B,71Aに向かって突出する。これにより、一対の分割金型71A,71Bを型締する際、それぞれのピンチオフ部74A,74Bの先端部が当接し、溶融状態の樹脂シートPの周縁にパーティングラインPLが形成されるようになっている。
【0037】
一対の分割金型71A,71Bには、形成面72A,72Bの周囲において、形成面72A,72Bから突出可能に摺動部75A,75Bが設けられている。摺動部75A,75Bは、形成面72A,72Bから突出した状態において、その端面が樹脂シートPに接触し、それにより、樹脂シートPと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間に密閉空間(キャビティ)が形成されるようにして、設けられている。
【0038】
一対の分割金型71A,71Bには、真空チャンバ73A,73Bが内蔵されている。真空チャンバ73A,73Bは、真空ポンプおよび真空タンク(いずれも図示せず)と接続されている。真空チャンバ73A,73Bと形成面72A,72Bの間には、キャビティの真空吸引のために連通する連通路(図示せず)が設けられている。
【0039】
一対の分割金型71A,71Bは、金型駆動装置(図示せず)によって、開位置と閉位置の間を移動可能となるように駆動される。開位置では、一対の分割金型71A,71Bの間に、2枚の溶融状態の連続した樹脂シートPが、互いに間隔を隔てて配置可能となっている。2枚の樹脂シートPは、成形後に、樹脂製パネル1における樹脂シートSA,SBとなる。閉位置では、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bが当接することにより、一対の金型71A,71Bの各々は、開位置から閉位置への移動の際、2枚の溶融状態の樹脂分割金型71A,71B内にキャビティが形成されるようにしている。なお、一対の分割シートPの中心線の位置に向かって移動するように駆動される。
【0040】
次に、樹脂製パネル1の成形方法について説明する。
先ず、
図11に示したように、押出装置60から溶融状態の樹脂シートPが各ダイスリットから鉛直下方に押し出される。この押し出された樹脂シートPはそれぞれ、ローラ65A,65Bを通して、一対の分割金型71A,71Bの間に供給される。この時点で、一対の分割金型71A,71Bは開位置にある。
【0041】
なお、樹脂製パネル1の表面に装飾シート(例えば布製の装飾シート)を付加する場合には、垂下する樹脂シートPと装飾シートを、ローラ65A,65Bにより互いに圧着させることができる。このとき、装飾シートは、その内面が布状であることが、樹脂シートPとの溶着を強くするうえで好適である。ローラ65A,65Bは、表面にフッ素の薄膜でコーティングを施し、また70〜100℃程度に加熱することが樹脂の付着防止および溶着強度の向上のうえで好ましい。
また、あらかじめ、装飾シートを分割金型の形成面に設置しておき、樹脂シートPの成形と同時に、樹脂シートPを装飾シートに溶着させてもよい。
尚、布製の装飾シートとしては、不織布が好ましい。特に、かえしのある針を突き刺して機械的に繊維を結合させてなるニードルパンチ不織布を用いることが、溶着強度向上のうえで好ましい。
【0042】
次に、
図12に示すように、形成面72A,72Bの周囲にある摺動部75A,75Bを突出させて、その端面を樹脂シートPに接触させる。これにより、樹脂シートPと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間にキャビティが形成される。そして、真空チャンバ73A,73Bと形成面72A,72Bの間に設けられた連通路(図示せず)によって、キャビティ内の空気を吸引する。この吸引により、2枚の樹脂シートPがそれぞれ、一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させられ、
図13に示すように、形成面72A,72Bに沿った形状、すなわち、樹脂製パネル1の略外形に形成される。
尚、形成面72A,72Bの周囲にある摺動部75A,75Bの先端から樹脂シートP側の空気を吸引できるように構成することで、樹脂シートPを摺動部75A,75Bに接触させた状態で、確実に保持することができる。また、キャビティを吸引して樹脂シートPを形成面72A,72Bに沿った形状にするときに、皺が発生することを抑制できる。
【0043】
次に、マニピュレータ(図示せず)を用いて一対の分割金型71A,71Bの間で内装材10を位置決めし、
図14に示すように、側方より一方の分割金型(
図14では、分割金型71B)に押し付けるようにして挿入する。これにより、内装材10が樹脂シートPに溶着する。なお、樹脂材料にもよるが、樹脂シートPは成形後の冷却により1%前後収縮する。分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bは、その収縮を見込んで形状が設定されている。すなわち、形成面72A,72Bは、樹脂シートの成形後の目標寸法よりも僅かに大きく設定されている。そのため、常温状態の内装材10を余裕を持って分割金型内に挿入することができる。
【0044】
次に、
図15に示すように、一対の分割金型71A,71Bを開位置から閉位置まで移動させて、型締する。これにより、一方の樹脂シートP(図面右側)に対して溶着されていた内装材10は、他方の樹脂シートP(図面左側)に対しても溶着される。さらに、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bにおいて、一対の樹脂シートPの周縁が溶着させられ、パーティングラインPLが形成される。なお、型締の際、予め成形された常温状態の内装材10を溶融状態の樹脂シートPに対して溶着させるため、内装材10自体は、型締により変形を受けないように予め位置決めされている。
【0045】
最後に、一対の分割金型71A,71Bを再び開位置に移動させ、成形した樹脂製パネル1を形成面72A,72Bから離間させ、パーティングラインPLまわりに形成されたバリを、カッター等で切断して除去する。尚、型締めと同時に、ピンチオフ部74A,74Bでバリが切断されるように構成してもよい。以上で、樹脂シートSA、内装材10、樹脂シートSBが積層された樹脂製パネル1が完成する。
【0046】
なお、前述したように、剛性及び強度を増加させる目的で、樹脂シートPにはガラスフィラー、無機フィラーやカーボンフィラーを混入するようにしてもよい。
【0047】
上述したように、押し出された溶融状態の樹脂シートが固化する前に、分割金型で挟み込んで、内装材に溶着させる方法によれば、成形コストを低減できる。なぜなら、例えば、固化した樹脂シートを再度加熱して溶融させ、内装材に溶着させる方法に比べて、再加熱工程が不要になり、成形コストを低減できるからである。
また、鉛直下方に溶融状態の樹脂シートを押し出す構成とすることで製造装置の占有面積を減らすことができる。なぜなら、例えば、水平方向に押し出して成形する場合は、水平方向に樹脂シートを移動させるための搬送装置が別途必要になるとともに、当該搬送装置や金型を押出装置と水平方向に並べて設置することが必要になるからである。
なお、上述した実施形態の樹脂製パネルの成形方法は、適宜変形するようにしてもよい。以下、実施形態の樹脂製パネルの成形方法の変形例について説明する。
【0048】
(変形例1)
上述した樹脂製パネルの成形方法では、一対のTダイが溶融状態の樹脂シートを押し出す場合について説明したが、円筒状のパリソンを切断しつつ押し出すことで樹脂シートを得るようにしてもよい。
【0049】
(変形例2)
上述した樹脂製パネルの成形方法では、一対の分割金型71A,71Bを閉位置に移動させる前に、樹脂シートPと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間にキャビティを形成する場合について説明したが、これに限られない。一対の分割金型71A,71Bを閉位置に移動させることでキャビティを形成するようにしてもよい。
【0050】
(変形例3)
上述した樹脂製パネルの成形方法では、樹脂シートPを一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させるために、キャビティ内部の空気を吸引するようにした場合について説明したが、これに限られない。樹脂シートPに空気等の流体を吹き付けることによって樹脂シートPを一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させるようにしてもよい(ブロー成形)。
【0051】
(変形例4)
上述した樹脂製パネルの成形方法では、溶融状態の樹脂シートの外層を分割金型の形成面に押圧させる工程は、キャビティからの吸引による方法、又はブロー成形による方法を用いたが、これらの方法に限られない。キャビティを形成することなく、内装材10を用いて溶融状態の樹脂シートを分割金型のキャビティに押し付ける方法を適用してもよい。この方法について、
図16及び
図17を参照して説明する。
図16は、溶融状態の樹脂シートに対して内装材10を押し付ける前の状態を示す図である。
図17は、溶融状態の樹脂シートに対して内装材10を分割金型の形成面に達するまで押し付けた後の状態を示す図である。
【0052】
本変形例の方法では先ず、
図16に示すように、押出装置60から溶融状態の樹脂シートPが鉛直下方に押し出された状態(
図11と同じ状態)で、マニピュレータ120によって保持された内装材10が、樹脂シートPを挟んで分割金型71Bと対向する位置に位置決めされる。内装材10が位置決めされると、内装材10を保持するマニピュレータ120は、分割金型71Bの形成面72Bに向けて移動させられる。すると、内装材10が溶融状態の樹脂シートPに接触し、内装材10と樹脂シートPが溶着する。内装材10との接触時において、溶融状態の樹脂シートPは、熱伝導率の高い分割金型71Bと接触していないため比較的高温に保たれている。よって、内装材10と樹脂シートPは良好に溶着する。
マニピュレータ120がさらに移動させられ、樹脂シートPの外層が分割金型71Bの形成面72Bに達すると、
図17に示す状態となる。このとき、マニピュレータ120によって樹脂シートPの外層が内装材10を介して形成面72Bに押し付けられる。その後、内装材10からマニピュレータ120が取り外される。
【0053】
以降の工程は、前述したとおりである。
すなわち、
図15に示したように、一対の分割金型71A,71Bを開位置から閉位置まで移動させて、型締する。これにより、一方の樹脂シートP(図面右側)に対して溶着されていた内装材10が他方の樹脂シートP(図面左側)に対しても溶着される。そして、一対の樹脂シートが分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させられ、
図13に示すように、形成面72A,72Bに沿った形状、すなわち、樹脂製パネル1の略外形に形成される。さらに、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bにおいて、一対の樹脂シートPの周縁が溶着させられ、パーティングラインPLが形成される。最後に、一対の分割金型71A,71Bを再び開位置に移動させ、成形した樹脂製パネル1を形成面72A,72Bから離間させ、パーティングラインPLまわりに形成されたバリを、カッター等で切断して除去する。以上で、樹脂シートSA、内装材10、樹脂シートSBが積層された樹脂製パネル1が完成する。
【0054】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の発泡構造材とその製造方法、及び樹脂製パネルとその製造方法は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
例えば、本発明の発泡構造材は、樹脂製パネルの内装材として用いる場合に限定されず、発泡構造材を樹脂シートで覆わずに、そのままの状態で、補強部材、緩衝部材、断熱部材などとして用いることができる。具体的には、木材などで形成された板材に固定したり、当該板材でサンドイッチして使用してもよい。