(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記信号解析部は、前記探触子が前記超音波により血管の複数の短軸断面を走査した時に、前記探触子で受信した前記複数の短軸断面における各走査線エコー信号に対し、前記血管の血液が流れる部分からの反射波である相対的に振幅の小さい部分の長さが最も長い走査線エコー信号を前記血管の中心を通る中心走査線エコー信号として検出し、
前記IMT計測部は、前記複数の短軸断面における各走査線エコー信号から検出された複数の前記中心走査線エコー信号からIMTを算出する請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
前記信号解析部に接続され、前記中心走査線エコー信号を用いて、前記各中心走査線エコー信号で示された領域の画像データを生成し、前記各画像データを並べて1画像とした結合画像データを生成する検波部を有する請求項4記載の超音波診断装置。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、非侵襲であること、被爆がないことなどから循環器や産婦人科領域の部位など多くの部位の診断に利用されている。近年、頸部血管(頸動脈)における動脈硬化の指標として、IMT(Intima Media Thickness)が注目されている。頸部血管111は、
図31に示すように、血管壁112、113内部を血液114が流れる構造であり、血管壁112、113は、内側から内膜115、中膜116、外膜117の3層から構成されている。IMTは、血管の内膜中膜複合体の厚さであり、内膜115、中膜116の超音波エコー部分の時間幅を距離に換算することで求められる。
【0003】
図32は、血管に照射された超音波ビームのエコーから検出された走査線エコー信号の波形図である。エコーは、前壁112からの強いエコー、血液114からの弱いエコー、後壁113の内膜115からのやや強いエコー、中膜116からの弱いエコー、外膜117からの強いエコーの順に超音波探触子に受信される。IMTは、内膜115からのやや強いエコー、中膜116からの弱いエコーを受信している時間に比例する。
【0004】
従来の超音波診断装置におけるIMT計測は、一次元配列探触子(リニア配列が一般的である)の配列方向を血管の長手方向に合わせ、
図31のような超音波画像を得て行う(例えば、特許文献1参照)。第1の従来の超音波診断装置101aは、
図33に示すように探触子102、送受信部103、長軸走査データ収納メモリ104、信号解析部105、IMT計測部106、スキャンコンバータ107、表示部108、制御部109で構成されている。送受信部103は、探触子102により得た長軸断面のデータを長軸走査データ収納メモリ104に記憶させる。信号解析部105は、長軸走査データ収納メモリ104に記憶されたデータのうちIMT計測に必要なデータを検出する。IMT計測部106はIMTを測定し、スキャンコンバータ107はBモード断層像とIMT値とを画像合成して、表示部108に表示する。
【0005】
IMTの計算は、走査線エコー信号そのものを用いるものの他に、例えば特許文献1のような包絡線検波波形を用いて行うものも知られている。
図34は、包絡線検波によりIMT計測する第2の従来の超音波診断装置101bのブロック図であり、第1の従来例と比較すると受信した走査線エコー信号を包絡線検波する検波部110が追加されている。
図35は、検波部110で得られた検波信号を示す波形図であり、IMT計測部106は、内膜115からのやや強いエコー、中膜116からの弱いエコーに対応する時間を計測して内膜中膜部分の厚さを算出する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図
【
図2】血管の短軸方向における断面構成と走査線ごとの超音波ビームを示す図
【
図3】実施の形態2に係る超音波診断装置の信号解析部の構成を示すブロック図
【
図4A】実施の形態2における超音波ビームAの反射波による走査線エコー信号の波形を示す波形図
【
図4B】実施の形態2における超音波ビームBの反射波による走査線エコー信号の波形を示す波形図
【
図5】実施の形態3に係る超音波診断装置の信号解析部の構成を示すブロック図
【
図6A】実施の形態3における超音波ビームAの反射波による走査線エコー信号の波形を示す波形図
【
図6B】実施の形態3における超音波ビームBの反射波による走査線エコー信号の波形を示す波形図
【
図7】実施の形態3に係る超音波診断装置における信号解析部の別の構成を示すブロック図
【
図8】実施の形態4に係る超音波診断装置の信号解析部の構成を示すブロック図
【
図9】実施の形態4における超音波ビームAの反射波による走査線エコー信号の波形を示す波形図
【
図10A】実施の形態4における超音波ビームAの反射波による走査線エコー信号を検波した波形を示す波形図
【
図11】実施の形態5に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図
【
図12】(a)は各走査面におけるBモード画像を示す図、(b)は各走査面の中心領域の画像を結合した結合画像を示す図
【
図13】実施の形態6に係る超音波診断装置の探触子の構成を示す側面図
【
図15】実施の形態7に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図
【
図16】実施の形態7における探触子の構成を示す側面図
【
図17】実施の形態7における探触子を用いて血管のIMTを計測する状態を示す図
【
図18】実施の形態8に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図
【
図19】実施の形態8における探触子の構成を示す側面図
【
図20】実施の形態8における2回目の走査時における探触子の構成を示す側面図
【
図21】実施の形態9において頸部に探触子を接触させた状態を示す上面図
【
図22】実施の形態10に係る超音波診断装置の構成を示す側面図
【
図23】実施の形態10に係る超音波診断装置の別の構成を示す側面図
【
図24】実施の形態10に係る超音波診断装置のさらに別の構成を示す側面図
【
図25】実施の形態10に係る超音波診断装置のさらに別の構成を示す側面図
【
図26】実施の形態10に係る超音波診断装置のさらに別の構成を示す上面図
【
図27】実施の形態10に係る超音波診断装置のさらに別の構成を示す側面図
【
図28】実施の形態11に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図
【
図29】実施の形態11における配列振動子と、血管と、超音波ビームとの位置関係を示す図
【
図30】実施の形態11における配列振動子と、血管と、超音波ビームとの別の位置関係を示す図
【
図32】血管に照射された超音波ビームのエコーから検出された走査線エコー信号の波形図
【
図33】第1の従来の超音波診断装置の構成を示すブロック図
【
図34】第2の従来の超音波診断装置の構成を示すブロック図
【
図35】第2の従来の超音波診断装置における検波部で得た検波信号を示す波形図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る超音波診断装置について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1aの構成を示すブロック図である。探触子2は、一次元に配列された複数の振動子(配列振動子)を有し、超音波の送受信を行う。送受信部3は、探触子2を駆動して、探触子2に対して超音波の送受信を制御する。短軸走査データ収納メモリ4は、探触子2で受信された超音波パルスの走査線エコー信号を保存する。信号解析部5は、短軸走査データ収納メモリ4に保存された走査線エコー信号のうち、走査面ごとに内膜中膜複合厚を計測する対象となる走査線エコー信号を選択する。具体的には、血管の中心を通過した超音波の走査線エコー信号である中心走査線エコー信号を選択する。なお、検査対象の血管としては、例えば頸部血管がある。
【0023】
IMT計測部6は、信号解析部5で選択された各中心走査線エコー信号から内膜中膜複合厚を計測し、計測した各内膜中膜複合厚を平均するなどの処理を行った値をIMT値として算出する。スキャンコンバータ7は、短軸走査データ収納メモリ4に保存された走査線エコー信号をBモード画像データに走査変換し、Bモード画像にIMT計測の結果、例えば血液と内膜の境界を示すラインや中膜部分の位置などを重畳したデータを生成する。表示部8は、走査変換されたデータを画像として表示する。制御部9は、超音波診断装置1aの各部を制御する。
【0024】
次に、以上のように構成された超音波診断装置1aについて、その動作を説明する。まず、操作者が血管の走行方向に対して配列振動子の配列方向(すなわち走査平面)が直交、もしくは略直交するように探触子2を頸部表面に接触させる。次に、制御部9の制御に基づき、送受信部3は、1超音波パルスごとに探触子2に駆動信号を送信する。探触子2は、駆動信号により駆動されて超音波を被検体に照射する。超音波は被検体の血管に反射(エコー)して、探触子2により電気信号に変換される。
【0025】
短軸走査データ収納メモリ4は、1超音波パルスごとに得られる走査線エコー信号を保存する。短軸走査データ収納メモリ4に保存された走査線エコー信号は、スキャンコンバータ7により走査変換されて表示部8に例えばBモード画像として表示される。次に、操作者は、血管の走行方向に探触子2を用手的に平行移動させる。そして、超音波診断装置1aは、移動した位置において上述のように、超音波を送受信してBモード画像を表示部8に表示する。
【0026】
以上のように、探触子2の位置を移動させながら、超音波の送受信を行うことにより、複数の走査平面における走査線エコー信号が短軸走査データ収納メモリ4に保存されることになる。
【0027】
図2は、上述の方法による複数の走査平面のうちの1つの走査平面における超音波ビームの一例であって、血管の走行方向に対して垂直な短軸断面の構成と走査線ごとの超音波ビームを示す図である。血管21は、外側から外膜22、中膜23、内膜24で構成され、内膜24の内側に血液25が流れている。超音波ビームAは血管21の中心点を通る超音波ビーム(中心走査線)であり、超音波ビームBは血管21の中心点からはずれた位置を通る超音波ビームである。血管21は、内膜や中膜が円弧上に位置するため、超音波ビームAは、血管21を構成する各膜に対して垂直に伝搬する。一方、超音波ビームBの伝搬は、各膜に対して垂直方向からとはいえず、各膜の超音波ビームBの伝搬位置での各膜の接線方向と超音波ビームBとのなす角度は、血管21の中心点からはずれるほど狭くなる。
【0028】
次に、信号解析部5は、各走査平面の走査線エコー信号の中から血管21の中心点を通る超音波ビームAにより得られた中心走査線エコー信号を検出する。超音波ビームAにより得られた中心走査線エコー信号を検出する具体的な動作については、後の実施の形態で説明する。次に、IMT計測部6は、検出した超音波ビームAによる中心走査線エコー信号から内膜中膜複合厚を算出する。この結果、血管長手方向の複数の断面における内膜中膜複合厚が得られる。さらに、IMT計測部6は、これらの内膜中膜複合厚の平均あるいは最大をIMTとする。算出されたIMTは、数値として表示することも可能であるし、また、IMT計測部6により内膜や中膜の位置を算出し、スキャンコンバータ7によりBモード画像に内膜、中膜の位置を示すマークを重畳させて示されるようにすることも可能である。
【0029】
以上のように、本実施の形態に係る超音波診断装置は、各走査平面の走査線エコー信号の中から血管21の中心点を通る超音波ビームAにより得られた中心走査線エコー信号を検出できる。この検出した超音波ビームAによる中心走査線エコー信号から内膜中膜複合厚を検出し、内膜中膜複合厚からIMTを算出することができる。このことから、体表から見た血管の形状が直線状でない場合でも、血管の走行方向に探触子2を移動させながら走査を行うことにより、広い範囲で誤差の少ないIMTの計測が可能である。
【0030】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における超音波診断装置は、実施の形態1における超音波診断層装置の信号解析部5についてより具体的な構成の信号解析部5aを含むものである。
図3は、信号解析部5aの構成を示すブロック図である。信号解析部5aは、血液部分長さ計測部10と、データ検出部11aとを有する。
【0031】
図4Aは、
図2に示す血管21の中心を通る超音波ビームAの走査線エコー信号の波形Aを示す波形図である。
図4Bは、
図2に示す超音波ビームBの走査線エコー信号の波形Bを示す波形図である。波形Aおよび波形Bは、それぞれ前壁(内膜、中膜、外膜を含むが説明の都合上一体のものとして扱う)で反射されたエコーに対応する振幅の大きな前壁部分31と、血液で反射されたエコーに対応する振幅の小さな血液部分32と、後壁で反射されたエコーに対応する振幅の大きな後壁部分33とを有する。なお、前壁および後壁からのエコーの振幅は、人により個体差があり一概には言えないが、血液からのエコーの振幅に比べ、20dB程度の振幅差があるため、血液部分と前壁、後壁部分との区別は容易である。
【0032】
図2に示すように血管21が断面円形であることから、
図4Aに示す波形Aは、血管21の中心を通らないどの超音波ビームBによる波形Bよりも血液部分32が長い。すなわち、各走査線エコー信号の波形のうち血液部分32が最も長い走査線エコー信号が超音波ビームAの走査線エコー信号(中心走査線エコー信号)である。
図3に示す血液部分長さ計測部10は、各走査線エコー信号の血液部分の長さを計測する。データ検出部11aは、各走査面の走査線エコー信号の中で最も血液部分の長い走査線エコー信号を中心走査線エコー信号として検出し、IMT計測部6に送信する。
【0033】
以上のような構成によれば、各走査平面の走査線エコー信号の中から血管21の中心点を通る超音波ビームAにより得られた中心走査線エコー信号を検出できる。この検出した超音波ビームAによる中心走査線エコー信号から内膜中膜複合厚を検出し、内膜中膜複合厚からIMTを算出することができる。このことから、体表から見た血管の形状が直線状でない場合でも、血管の中心を通る超音波ビームの中心走査線エコー信号を検出することができるので、各走査面における内膜中膜複合厚を検出でき、IMTを算出することができる。
【0034】
(実施の形態3)
実施の形態3における超音波診断装置は、実施の形態1における超音波診断層装置の信号解析部5について、実施の形態2とは異なる信号解析部5bを用いた例である。
図5は、本実施の形態に係る超音波診断装置の信号解析部5bの構成を示すブロック図である。信号解析部5bは、内膜−中膜振幅差計測部12と、データ検出部11bとを有する。
【0035】
図6Aは、
図2に示す血管21の中心を通る超音波ビームAの走査線エコー信号の波形Aを示す波形図である。
図6Bは、
図2に示す超音波ビームBの走査線エコー信号の波形Bを示す波形図である。
【0036】
波形Aおよび波形Bは、それぞれ前壁(内膜、中膜、外膜を含むが説明の都合上一体のものとして扱う)で反射されたエコーに対応する振幅の大きな前壁部分31と、血液で反射されたエコーに対応する振幅の小さな血液部分32と、後壁で反射されたエコーに対応する振幅の大きな後壁部分33とを有する。さらに、後壁部分33は、内膜で反射されたエコーに対応する内膜部分34と、中膜で反射されたエコーに対応する中膜部分35と、外膜で反射されたエコーに対応する外膜部分36とを有する。
【0037】
超音波ビームAでは、超音波ビームが血管壁に対して垂直方向から照射されるので、中膜部分の前後にある内膜や外膜の信号が混在することが少なく、中膜部分の振幅は小さくなる。一方、超音波ビームBでは、超音波ビームが血管壁に対して垂直方向からずれた方向から照射されるので、中膜部分の前後にある内膜や外膜の信号が混在し、中膜部分の振幅は超音波ビームAでの振幅に比べ大きくなる。したがって、走査線エコー信号の波形のうち超音波ビームAによる波形が、内膜部分34の最大振幅と中膜部分35の最小振幅との差が最も大きくなる。超音波ビームAにおいて、血管に病変などのない健常者の場合、人により個体差はあり一概には言えないが、中膜部分の振幅は内膜や外膜の振幅に比較して、3〜6dB以上は小さくなるため、中膜部分の判別は容易に行うことができる。これに対し超音波ビームBにおいては中膜部分と内膜や外膜部分の振幅差はこれより小さくなり、状況によっては振幅差がなくなり、判別不能な場合もある。
【0038】
内膜−中膜振幅差計測部12は、走査線ごとに、
図10Aに示す走査線エコー信号の包絡線を算出し、振幅の小さい血液部分以降の最初の極大値の部分の振幅を内膜部分34の最大振幅と判断する。また、内膜部分34の最大振幅以降の最初の極小値の部分の振幅を中膜部分35の最小振幅と判断する。そして、内膜−中膜振幅差計測部12は、内膜部分34の最大振幅と中膜部分35の最小振幅との差を計測する。データ検出部11bは、内膜部分34の最大振幅と中膜部分35の最小振幅との差が最も大きい走査線エコー信号を中心走査線エコー信号として検出し、IMT計測部6に送信する。
【0039】
以上のような構成によれば、各走査平面の走査線エコー信号の中から血管21の中心点を通る超音波ビームAにより得られた中心走査線エコー信号を検出できる。この検出した超音波ビームAによる中心走査線エコー信号から内膜中膜複合厚を検出し、内膜中膜複合厚からIMTを算出することができる。このことから、体表から見た血管の形状が直線状でない場合でも、血管の中心を通る超音波ビームの中心走査線エコー信号を検出することができるので、各走査面における内膜中膜複合厚を検出でき、IMTを算出することができる。
【0040】
図7は、本実施の形態に係る超音波診断装置における信号解析部5の別の構成である信号解析部5cを示すブロック図である。内膜−中膜振幅差計測部12に代えて走査線ごとに中膜部分35の最小振幅に対する内膜部分34の最大振幅の比を計測する内膜−中膜振幅比計測部13を有する。データ検出部11cは、中膜部分35の最小振幅に対する内膜部分34の最大振幅の比が最も大きい走査線エコー信号を中心走査線エコー信号として検出し、IMT計測部6に送信する。
【0041】
このような構成にしても、
図5に示した信号解析部5bを有する上記超音波診断装置と同様に、体表から見た血管の形状が直線状でない場合でも、血管の中心を通る超音波ビームの中心走査線エコー信号を検出することができる。このため、各走査面における内膜中膜複合厚を検出でき、IMTを算出することができる。
【0042】
(実施の形態4)
実施の形態4における超音波診断装置は、実施の形態1における超音波診断装置の信号解析部5について、実施の形態2、3とは異なる信号解析部5dを用いたものである。
図8は、本実施の形態に係る超音波診断装置の信号解析部5dの構成を示すブロック図である。信号解析部5dは、検波部14と、微分器15と、データ検出部11dとを有する。
【0043】
図9は、
図2に示す血管21の中心を通る超音波ビームAの走査線エコー信号の波形Aを示す波形図である。検波部14は、波形Aを包絡線検波する。
図10Aは、波形Aを検波した波形を示す波形図である。
図10Bは、
図10Aの後壁部分33の拡大図である。
【0044】
超音波ビームAのように血管壁に垂直に超音波ビームが照射された場合、内膜表面の反射による波形の立ち上がりが鋭くなる。一方、超音波ビームBのように血管壁に垂直な方向からずれて超音波ビームが照射された場合、超音波ビームがある程度の太さを持つことも考慮に入れると内膜表面の反射による波形の立ち上がりが緩やかになる。
【0045】
図8に示す微分器15は、
図10Bに示される包絡線検波された各走査線エコー信号において、血液部分32の後に走査線エコー信号が任意のしきい値(V1)を超えた位置(Z1)を検出する。さらに、走査線エコー信号が極大となる部分の振幅(V2)およびその位置(Z2)を検出し、波形の立ち上がりの微分係数として(V2−V1)/(Z2−Z1)を算出する。データ検出部11dは、1走査面における走査線エコー信号の中で立ち上がりの微分係数が最も大きい走査線エコー信号を中心走査線エコー信号として検出し、IMT計測部6に送信する。
【0046】
以上のような構成によれば、各走査平面の走査線エコー信号の中から血管21の中心点を通る超音波ビームAにより得られた中心走査線エコー信号を検出でき、この検出した超音波ビームAによる中心走査線エコー信号から内膜中膜複合厚を検出でき、内膜中膜複合厚からIMTを算出することができる。このことから、体表から見た血管の形状が直線状でない場合でも、血管の中心を通る超音波ビームの中心走査線エコー信号を検出することができるので、各走査面における内膜中膜複合厚を検出でき、IMTを算出することができる。
【0047】
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5に係る超音波診断装置1bの構成を示すブロック図である。超音波診断装置1bは、実施の形態1に係る超音波診断装置1のIMT計測部6に並列して検波部16を配置した構成を有する。検波部16は、Bモード画像用の検波を行う。
【0048】
次に、この超音波診断装置1bの動作について説明する。まず、送受信部3により被検体からのエコーを探触子2が受信して、走査線エコー信号を短軸走査データ収納メモリ4に保存する。この動作を操作者が探触子2を血管に沿って位置を変えながら繰り返す。信号解析部5は、各走査平面の走査線エコー信号の中から血管の中心点を通る超音波ビームにより得られた中心走査線エコー信号を検出する。IMT計測部6は、検出した中心走査線エコー信号ごとに内膜中膜複合厚を算出し、これらの内膜中膜複合厚の平均あるいは最大をIMTとする。
【0049】
検波部16は、血管の中心点を通る中心走査線エコー信号による部分的なBモード画像を生成する。
図12(a)は、各走査面におけるBモード画像を示す図である。Bモード画像41a〜dにおける血管の中心点を通る中心領域42a〜dは、検波部16により生成された画像である。検波部16は、各走査面の中心領域の画像を横に並べて結合した画像を生成する。
図12(b)は、各走査面の中心領域の画像を結合した結合画像43を示す図である。この結合画像43は、血管の長軸断面を走査した従来の画像と似ているが、従来の方法では、血管が蛇行している場合に表示できない部分が存在するのに対して、すべての走査領域の中心領域の画像を表示することができる。
【0050】
次に、スキャンコンバータ7は、結合画像43のデータを表示部8に表示可能となるように走査変換する。表示部8は、走査変換されたデータを結合画像として表示する。
【0051】
以上のように、本実施の形態に係る超音波診断装置は、体表から見た血管の形状が直線状でない場合でも、血管の走行方向に探触子2を移動させながら走査を行うことにより、血管の広い範囲で誤差の少ないIMTの計測が可能である。
【0052】
さらに、血管が蛇行していても、各走査領域における中心領域の画像を結合した結合画像を表示することができる。
【0053】
また、血管の中心領域の画像を結合した結合画像を表示することにより、測定した内膜中膜厚複合厚のわかりやすい表示を行うことができる。
【0054】
(実施の形態6)
図13は、本発明の実施の形態6に係る超音波診断装置の探触子の構成を示す側面図である。本実施の形態に係る超音波診断装置は、探触子の先端にアタッチメントが設けられた構成であり、それ以外の構成については、実施の形態1に係る超音波診断装置と同様であり、同様の構成要素については説明を省略する。
【0055】
探触子2の先端にソリ状アタッチメント52が取り付けられている。アタッチメント52がない場合、
図14に示すように、探触子2を矢印Cの向きに用手的に移動させると、矢印Dに示す方向に探触子2がずれやすくなり、探触子2と被検体51の表面との角度が不安定になる。
【0056】
ソリ状アタッチメント52を用いることにより、被検体51との接触面積を増加させることで、探触子2と被検体51の表面との角度を安定して保つことができる。
【0057】
なお、ソリ状アタッチメント52は、実施の形態2〜5に係る超音波診断装置の探触子に取り付けてもよい。また、本実施の形態では、ソリ状アタッチメントを探触子に装着する例を示したが、アタッチメントは必ずしもソリ状である必要はなく、例えば平板状のものや十字形のように安定して探触子を移動可能とするものであればどのような形態でもよい。
【0058】
(実施の形態7)
図15は、本発明の実施の形態7に係る超音波診断装置1cの構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る超音波診断装置1cは、実施の形態1に係る超音波診断装置1aに対して、信号解析部5と表示部8との間に血管傾き演算部17が配置されている。
【0059】
図16は、本実施の形態に係る超音波診断装置1cの探触子の構成を示す側面図である。超音波診断装置1cは、実施の形態1に係る超音波診断装置1aに対して、探触子の先端にアタッチメントが設けられた構成である。超音波診断装置1cにおいて、上記血管傾き演算部17およびアタッチメント以外の構成については、実施の形態1に係る超音波診断装置1aと同様であり、同様の構成要素については説明を省略する。
【0060】
探触子2の先端に取り付けられたソリ状アタッチメント52には、探触子2を回転可能に支持する回転軸53と、これに対応して所望の角度で回転を止めるための固定部(図示せず)が設けられている。これら回転軸53と固定部により、探触子2をアタッチメント52に対して任意の角度の傾きに設定することができる。
【0061】
図17は、本実施の形態に係る探触子2を用いて血管のIMTを計測する状態を示す図である。被検体の体表51に対して血管54の走行方向は、必ずしも平行ではない。しかし、アタッチメント52に対して探触子2を傾けて支持することにより、探触子2を体表51の垂直方向から安定して傾けることができる。したがって、血管54の走行方向に垂直に超音波ビームを照射することができる。
【0062】
図17に示す血管傾き演算部17は、例えば各走査領域における血管の前壁の位置から体表51に対する血管の走行方向の傾きを算出する。
【0063】
次に、本実施の形態に係る超音波診断装置の動作について説明する。本実施の形態では、走査する領域全体を2回、用手的に走査してIMTを計測する。まず、1回目の走査として、超音波ビームの角度が体表に対して垂直になるように設定する。次に、送受信部3により被検体からの反射波を探触子2が受信して、走査線エコー信号を短軸走査データ収納メモリ4に保存する。この動作を操作者が用手的に探触子2を血管に沿って位置を変えた各位置で行う。次に、信号解析部5は、各走査平面の走査線エコー信号の中から血管の中心点を通る超音波ビームにより得られた走査線エコー信号を検出する。
【0064】
次に、IMT計測部6は、検出した走査線エコー信号から内膜中膜複合厚を算出し、これらの内膜中膜複合厚の平均あるいは最大をIMTとする。また、血管傾き演算部17は、各走査線エコー信号の例えば前壁部分の外膜部分の位置を検出することにより、各走査位置における血管の体表からの深さを算出し、血管の深さの変化から血管の走行方向の体表に対する傾きを算出する。算出したデータを表示部8に表示する。血管の走行方向の傾きがゼロであれば、血管に対して垂直に超音波ビームが照射したことになるので、2回目の走査を行わずに、IMT計測部6はIMT値を表示部8に表示して動作を終了する。
【0065】
血管傾き演算部17が超音波ビームの垂直方向に対して血管が傾いていると判断した場合には、血管傾き演算部17は傾き角度を表示部8に表示させる。操作者は、アタッチメント52に対して探触子2を表示部8に表示された角度だけ傾ける。そして2回目の走査を行う。IMT計測部6は、2回目の走査線エコー信号から内膜中膜複合厚を算出し、これらの内膜中膜複合厚の平均あるいは最大をIMTとし、スキャンコンバータ7を介してIMT値を表示部8に表示して動作を終了する。
【0066】
以上のように、本実施の形態に係る超音波診断装置は、体表に対して血管が平行でない場合であっても、IMTを計測することができる。
【0067】
(実施の形態8)
図18は、本発明の実施の形態8に係る超音波診断装置1dの構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る超音波診断装置1dは、実施の形態7に係る超音波診断装置1cに対して、傾き制御部18を有する。
【0068】
図19は、本実施の形態に係る超音波診断装置1dの探触子の構成を示す側面図である。超音波診断装置1dは、超音波診断装置1cに対して、探触子2に配置された配列振動子が回転可能な配列振動子19に置き換えられている。
【0069】
そして、超音波診断装置1cが血管の傾きに合わせて探触子2全体を傾けて2回目の走査を行う構成であるのに対して、超音波診断装置1dは、配列振動子19を血管の傾きに合わせて傾けて2回目の走査を行う構成である。超音波診断装置1dにおいて、上記構成以外の構成については、実施の形態7に係る超音波診断装置1cと同様であり、同様の構成要素については説明を省略する。
【0070】
ソリ状アタッチメント52は、探触子2が体表に対して垂直な方向から傾かないように固定されている。探触子2の内部には、回転可能に配置された配列振動子19が配置されている。傾き制御部18は、血管の傾きに合わせて配列振動子19の傾きを制御する。配列振動子19の傾き制御の方法としては、例えば、超音波診断装置ではよく知られた機械式走査の手法、すなわち、配列振動子に回転軸を設け、回転軸を探触子1の本体で支持し、配列振動子の回転方向を制御するためのモータなどの制御手段を設け、音響整合をよくするために配列振動子と探触子1の空隙を音響カップリング液で満たし、制御手段により配列振動子を回転させる方法を用いることができる。
【0071】
次に、本実施の形態に係る超音波診断装置1dの動作について説明する。まず、1回目の走査として、超音波ビーム55の角度が体表に垂直になるように配列振動子19を真下に向ける。この状態で実施の形態7と同様に、1回目の走査を行う。血管傾き演算部17は、各走査位置における体表に対する血管の傾きを検出し、傾き制御部18は各位置における傾きを記憶する。これにより、血管54の体表51に対する傾き、すなわち湾曲状態を検出することができる。
【0072】
次に、
図20に示すように、2回目の走査を行う。この時、傾き制御部18は各走査位置における血管の傾きに応じて、超音波ビーム55が血管に垂直に照射されるように配列振動子19の向きを変える。
【0073】
以上のように、本実施の形態に係る超音波診断装置は、体表に対して血管が平行でない場合であっても、IMTを計測することができる。また、血管が湾曲している場合でも、IMTを計測することができる。
【0074】
(実施の形態9)
実施の形態7、8は、走査対象領域に対して2回の走査を行うものであった。この場合、探触子2の移動量が明確に示されなければ、用手的な移動を2回繰り返した場合、走査位置が1回目と2回目とでずれる場合がある。本実施の形態に係る超音波診断装置は、この問題を解消するものである。
【0075】
図21は、頸部56に探触子2を接触させた状態を示す上面図である。頸部56には、例えば縞模様のように位置を特定することができるように形成されたテープ58が貼り付けられている。探触子2には、対象物に光を照射してその反射光を読み取る光電センサ57が配置されている。光電センサ57は頸部56に貼り付けられたテープ58の情報(例えばテープが縞模様の場合は反射光の明暗)を読み取って探触子2の位置を検出する。
【0076】
以上のような構成により、1回目の走査による位置と2回目の走査の位置とのずれを無くすことができ、血管に対して垂直に超音波ビームを照射することができ、正確にIMTを計測することができる。
【0077】
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10に係る超音波診断装置は、実施の形態9と同様の問題を解消する別の例である。
図22は、本実施の形態に係る超音波診断装置の構成を示す側面図である。探触子2には、ワイヤ60を巻き取るボビン59が取り付けられ、ワイヤ60が引き出されるとボビン59が回転する。ボビン59には、エンコーダ(図示せず)が取り付けられていて、ボビン59の回転を検出することにより、引き出されたワイヤ60の長さを検出する。ワイヤ60には端部にストッパ61が取り付けられている。ストッパ61は、例えば操作者が指で押さえることにより、探触子2の位置を検出するための基点となるものである。
【0078】
本実施の形態に係る超音波探触子によるIMTの計測は、まず、ストッパ61を固定し、ワイヤ60を引き出しながら、1回目の走査を行う。この時、エンコーダは、ワイヤ長さを検出することにより、探触子の各走査位置を検出する。次に、ストッパ61を固定したまま、ワイヤ60をボビン59に巻き取る。
【0079】
そして、1回目の走査経路に沿ってワイヤを引き出しながら2回目の走査を行う。この時、図示しない制御部により、1回目の各走査位置で走査を行う。
【0080】
以上のような構成により、1回目の走査による位置と2回目の走査の位置とのずれを無くすことができ、血管に対して垂直に超音波ビームを照射することができて、正確にIMTを計測することができる。
【0081】
また、
図23に示すように、ワイヤ60がボビン59から離れる位置(接点)を検出する接点検知センサ62をさらに有する構成にすることもできる。接点検知センサ62は、ボビン59内部、ボビン59を探触子2に支持する支持部など、どこに設けられていてもよい。接点の位置は、探触子2の傾きと関連しており、例えば
図23において、探触子2が左に倒れるとボビン59の位置も若干左下方向に移動するため接点の位置は時計回りに移動したこととなる。すなわち、接点検知センサ62が検出する接点の位置により探触子2の傾きを検出することができる。
【0082】
傾き制御部18は、1回目の走査時の移動により検出した探触子2の傾きと、血管の体表51に対する傾きとから、超音波ビームが血管の走査方向に対して垂直となる探触子2の傾きを算出する。この傾きを、操作者が操作可能なように2回目の走査時に表示部に表示しても良いし、
図16に示すアタッチメントを有する場合には、アタッチメントが探触子2の移動に応じて探触子2を傾けるようにしてもよい。
【0083】
以上のように、この構成によれば探触子2の走査の位置だけでなく、探触子2の走査時の傾きも検出することができる。したがって、高い精度で血管の垂直断面を走査することができ、正確にIMTを計測することができる。
【0084】
さらに、
図24に示すように、配列振動子を回転可能な配列振動子19とする構成にすることができる。この構成によれば、1回目の走査時に接点検知センサ62により探触子2の傾きを検出し、傾き制御部18は、超音波ビームが血管の走査方向に対して垂直となる探触子2の傾きを算出する。傾き制御部18は、2回目の走査時の探触子2の傾きに応じて、配列振動子19を回転させることにより、傾きを補正することができ、血管に対して垂直に超音波ビームを照射することができる。
【0085】
また、
図25に示すように、接点検知センサを設けずに、探触子2の高さ方向の異なる位置にボビン59a、59bとエンコーダの組み合わせ(ワイヤ長さ検出機構)が2系統設けられた構成にすることもできる。この構成においても、
図23と同様に、それぞれのワイヤ60a、60bの長さから探触子2の位置と傾きを検出することができる。
【0086】
また、
図26に示すように、頸部平面方向の異なる位置にワイヤ長さ検出機構59c、59dが2系統並べて配置された構成にすることもできる。特に、探触子2の移動方向に対して、垂直方向に配置されることが好ましい。この構成において、それぞれのワイヤ60c、60dの長さから探触子2の位置と頸部平面方向に対する回転角度を検出することができる。したがって、1回目の走査と2回目の走査において、探触子2の頸部平面方向における回転角度を等しくすることができ、精度のよいIMTを計測することができる。
【0087】
また、
図27に示すように、2系統のワイヤ長さ検出機構59a、59bに対して、2つのボビンの回転を連動させる連動機構63を設ける構成にすることができる。この構成によれば、それぞれのワイヤ60a、60bが引っ張られるように探触子2を移動させれば、探触子2を決められた角度に保ちながら移動させることができる。
【0088】
なお、
図27では、2系統のワイヤ長さ検出機構59a、59bが探触子2の高さ方向に異なる位置に配置された構成を示したが、探触子2の高さ方向と探触子2の移動方向のそれぞれに対して垂直方向な方向に配置されていてもよい。この構成では、それぞれのワイヤが引っ張られるように探触子2を移動させれば、探触子2を決められた頸部平面方向における回転角度を保ちながら移動させることができる。
【0089】
(実施の形態11)
図28は、本発明の実施の形態11に係る超音波診断装置1eの構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る超音波診断装置1eは、実施の形態1に係る超音波診断装置1aの短軸走査データ収納メモリ4、信号解析部5およびIMT計測部6がそれぞれ3系統配置されて構成されている。また、送受信部3、短軸走査データ収納メモリ4、信号解析部5および制御部9に接続された偏向角度制御部20を有する構成である。他の構成要素は、実施の形態1の超音波診断装置1aと同様であり、同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
実施の形態1に係る超音波診断装置1aは、リニア走査を行うものであった。本実施の形態に係る超音波診断装置は、配列振動子における超音波を照射する振動子の位置(開口部)を変えながら、超音波ビームの偏向角を変えて走査を行うものである。偏向角度制御部20は、超音波ビームの偏向角を制御する。
【0091】
短軸走査データ収納メモリ4、信号解析部5およびIMT計測部6がそれぞれ3系統用意されている。3系統用意されていることにより、1走査面に対して一度の走査で3箇所の内膜中膜複合厚を検出して、IMTを並行して算出することができる。
【0092】
図29は、配列振動子64aと、血管21と、超音波ビーム65a〜65bとの位置関係を示す図である。
図29(a)、(b)、(c)は、順に同一の走査面での走査における状態を示す図である。
図29(a)は、配列振動子の左側の振動子(開口部)が駆動されて、右下向きとなる偏向角の超音波ビームが照射された状態を示す図である。
図29(b)は、配列振動子の中心部の振動子が駆動されて、下向きとなる偏向角の超音波ビームが照射された状態を示す図である。
図29(c)は、配列振動子の右側の振動子が駆動されて、左下向きとなる偏向角の超音波ビームが照射された状態を示す図である。
【0093】
このように偏向角を制御することにより、各図の超音波ビームは、血管の中心を通過している。したがって、血管壁(後壁)のエコーを検出することができ、内膜中膜複合厚、すなわちIMTを計測することができる。すなわち、血管の同一断面における異なった部位におけるIMTを計測することができる。
【0094】
なお、本実施の形態では、直線に並べた配列振動子を用いて開口の移動と偏向角度の可変を同時に行うことで実現したが、本実施の形態はこの例に限定されない。例えば、
図30のように凹面配列振動子64bを用いれば、偏向を変化させることなく、開口の移動のみで超音波ビーム65d〜65fを血管の中心を通過させることができ、上記効果を得ることができる。
【0095】
また、本発明の超音波診断装置は、頸部血管を診断するのに有用であるが、頸部に限定されるものではない。例えば、上腕の血管などの診断に用いることも可能である。
【0096】
なお、上記各実施の形態では、血管の複数位置で検出した内膜中膜複合厚に対し、例えば、最大あるいは平均をIMTとして算出したが、血管の一つの位置のみで検出した内膜中膜複合厚をIMTとしてもよい。