特許第6032021号(P6032021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032021
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】スライド式紙箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/38 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
   B65D5/38 C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-5224(P2013-5224)
(22)【出願日】2013年1月16日
(65)【公開番号】特開2014-136590(P2014-136590A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2015年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慶太
(72)【発明者】
【氏名】浅井 弘史
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−347611(JP,A)
【文献】 実開昭52−025130(JP,U)
【文献】 実開平03−120417(JP,U)
【文献】 特開2004−291586(JP,A)
【文献】 実開昭57−003606(JP,U)
【文献】 実開平01−179872(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D5/00−5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブ(10)と、該スリーブの内壁を摺動する中舟(20)とからなるスライド式紙箱であって、前記スリーブは、底面板(11)からそれぞれ罫線を介して側面板(12)、天面板(13)、側面板(14)、糊代(15)を順次連設し、該糊代(15)は底面板(11)の内面側に接着されており、前記中舟(20)は、底面板(21)の側面にそれぞれ罫線を介して連設された側面板(22a、22b)を有し、中舟(20)の前方には、底面板(21)からそれぞれ罫線を介して順次連設された前壁外壁(24a)、前壁天面(25a)、前壁内壁(26a)、糊代(27a)を有し、該糊代は、底面板(21)に接着されており、前記前壁外壁(24a)、前壁天面(25a)、前壁内壁(26a)はリンク機構を形成し、一体となって外側に倒れることにより取出口が開口し、取出口を閉じた時、前記前壁内壁(26a)の左右側端部に連設した係止突起(29a、29b)が、側面板(22a、22b)に設けた凸部(30a、30b)の後端縁にそれぞれ係止するようにしたことを特徴とするスライド式紙箱。
【請求項2】
前記スリーブの糊代(15)は、底面板(11)の内面側に部分的に接着されており、糊代(15)は二つの切込(17)、(18)によって区画された係止片(16)を有し、該係止片(16)は底面板(11)に接着されておらず、前記中舟(20)をスライドさせて紙箱を開いた時に、中舟(20)の後壁外壁(24b)の下部に連設した係止突起(31b)が前記係止片(16)に係止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のスライド式紙箱。
【請求項3】
前記スリーブの糊代(15)は、切込(17)の角部に設けた折れ目線(17a)によって区画された補助係止片(16a)を有し、該補助係止片(16a)は底面板(11)に接着されておらず、前記係止突起(31b)が前記係止片(16)と補助係止片(16a)に係止するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のスライド式紙箱。
【請求項4】
前記凸部(30a、30b)は、それぞれ1本以上の横長の凸条から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスライド式紙箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライド式の紙箱に関し、特に2通りの開閉方法が選択でき、開閉操作性の良いスライド式紙箱に関する。
【背景技術】
【0002】
中舟または紙箱本体が外筒の内部を摺動する構造の紙箱は古くから知られている。このようなスライド式の紙箱の例としては、特許文献1に記載された音出し容器がある。
【0003】
特許文献1に記載された音出し容器は、鞘状体と該鞘状体に対する抜差し運動自在の容器体とから構成され、いずれか一方に櫛歯状連続凹凸面を形成し、他方にこれに係合する突起を形成し、抜差しにより音響を発するようにした容器である。
【0004】
スライド式紙箱における問題点として、中舟をスライドさせないと内容物が取り出せないため、開閉が面倒であるという問題があった。またこの時、中舟が滑りすぎて、外筒から不用意に抜け落ちてしまうことがあるという問題もあった。特許文献1に記載された音出し容器は、容器体の抜差し時に、櫛歯状連続凹凸面と突起とが係合して音を発するようになっており、これがブレーキの働きをするため、後者の中舟の滑りすぎの問題は軽減されているが、前者の問題については、解決されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭52−25130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、中舟をスライドさせなくても内容物を取り出すことができるスライド式紙箱を提案するものである。またさらに、中舟が外筒から不用意に抜け落ちることがなく、所定の位置で停止し、しかも心地よい停止感をもたらすスライド式紙箱を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、スリーブ(10)と、該スリーブの内壁を摺動する中舟(20)とからなるスライド式紙箱であって、前記スリーブは、底面板(11)からそれぞれ罫線を介して側面板(12)、天面板(13)、側面板(14)、糊代(15)を順次連設し、該糊代(15)は底面板(11)の内面側に接着されており、前記中舟(20)は、底面板(21)の側面にそれぞれ罫線を介して連設された側面板(22a、22b)を有し、中舟(20)の前方には、底面板(21)からそれぞれ罫線を介して順次連設された前壁外壁(24a)、前壁天面(25a)、前壁内壁(26a)、糊代(27a)を有し、該糊代は、底面板(21)に接着されており、前記前壁外壁(24a)、前壁天面(25a)、前壁内壁(26a)はリンク機構を形成し、一体となって外側に倒れることにより取出口が開口し、取出口を閉じた時、前記前壁内壁(26a)の左右側端部に連設した係止突起(29a、29b)が、側面板(22a、22b)に設けた凸部(30a、30b)の後端縁にそれぞれ係止するようにしたことを特徴とするスライド式紙箱である。
【0008】
本発明に係るスライド式紙箱は、中舟(20)の前壁部分がリンク機構を形成し、外側に倒れるように開くため、中舟をスライドさせなくても内容物を取り出すことができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、前記スリーブの糊代(15)が、底面板(11)の内面側に部分的に接着されており、糊代(15)は二つの切込(17)、(18)によって区画された係止片(16)を有し、該係止片(16)は底面板(11)に接着されておらず、前記中舟(20)をスライドさせて紙箱を開いた時に、中舟(20)の後壁外壁(24b)の下部に連設した係止突起(31b)が前記係止片(16)に係止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のスライド式紙箱である。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、中舟の係止突起(31b)がスリーブの糊代に設けた係止片(16)に係止するため、中舟が滑りすぎて抜け落ちてしまうことが抑制される。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記スリーブの糊代(15)が、切込(17)の角部に設けた折れ目線(17a)によって区画された補助係止片(16a)を有し、該補助係止片(16a)は底面板(11)に接着されておらず、前記係止突起(31b)が前記係止片(16)と補助係止片(16a)に係止するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のスライド式紙箱である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記凸部(30a、30b)が、それぞれ1本以上の横長の凸条から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスライド式紙箱である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るスライド式紙箱は、中舟(20)の前方に、底面板(21)からそれぞれ罫線を介して順次連設された前壁外壁(24a)、前壁天面(25a)、前壁内壁(26a)、糊代(27a)を有し、該糊代は、底面板(21)に接着されており、前記前壁外壁(24a)、前壁天面(25a)、前壁内壁(26a)がリンク機構を形成し、一体となって外側に倒れることにより取出口が開口するようにしたので、中舟をスライドさせなくても内容物を取り出すことができる。このため内容物を取り出すのに、中舟をスライドさせるかさせないかの2通りの開口方法を選択することができる。
【0014】
また、取出口を閉じた時、前記前壁内壁(26a)の左右側端部に連設した係止突起(29a、29b)が、側面板(22a、22b)に設けた凸部(30a、30b)の後端縁にそれぞれ係止するようにしたので、取出口が不用意に開くことがない。
【0015】
また、請求項2に記載の発明においては、前記スリーブの糊代(15)が、底面板(11)の内面側に部分的に接着されており、糊代(15)は二つの切込(17)、(18)によって区画された係止片(16)を有し、該係止片(16)は底面板(11)に接着されておらず、前記中舟(20)をスライドさせて紙箱を開いた時に、中舟(20)の後壁外壁(24b)の下部に連設した係止突起(31b)が前記係止片(16)に係止するようにしたので、中舟が滑りすぎて不用意に抜け落ちてしまうことがない。
【0016】
また箱の外側からは係止片が見えないため、箱全体のデザインをすっきりしたものとすることが可能となった。
【0017】
また係止片(16)は、二つの切込(17)、(18)によって区画され、底面板(11)に接着されていないため、底面板よりわずかに浮き上がり、このため係止効果が高くなる。また糊代(15)上にあるため、糊代の厚さ分、押しつける力が強まる効果もある。
【0018】
また、中舟に設けた係止突起(31b)が、係止片(16)に係止する際、直前に一旦
切込(18)に落ち込み、クリック感を生じるため、心地よい停止感が得られる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、補助係止片(16a)は、切込(17)の角部に設けた折れ目線(17a)によって区画され、係止片(16)と同様に底面板(11)に接着されておらず、また折れ目線(17a)を折ることによって底面板より高く浮き上がるため、係止効果がさらに高くなる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明のように、凸部(30a、30b)が、それぞれ1本以上の横長の凸条から構成されるようにした場合には、特別のエンボス装置を用いなくても、通常の押し罫線を配置することで、目的が達成されるので、容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明に係るスライド式紙箱の一実施態様を示した斜視図である。
図2図2は、図1に示したスライド式紙箱のスリーブの構造を示した斜視図である。
図3図3は、図1に示したスライド式紙箱の中舟の構造を示した斜視図である。
図4図4は、図3に示した中舟のブランクを示した平面模式図である。
図5図5は、本発明に係るスライド式紙箱の、スリーブの他の実施態様を示した斜視図である。
図6図6は、図5に示したスリーブのブランクを示した平面模式図である。
図7図7は、本発明に係るスライド式紙箱の、スリーブの他の実施態様を示した斜視図である。
図8図8は、図7に示したスリーブのブランクを示した平面模式図である。
図9図9は、本発明に係るスライド式紙箱の、中舟の他の実施態様を示した斜視図である。
図10図10(1)、(2)は、それぞれ本発明に係るスライド式紙箱の、中舟の他の実施態様を示した部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るスライド式紙箱(1)について詳細に説明する。図1は、本発明に係るスライド式紙箱(1)の一実施態様を示した斜視図である。
本発明に係るスライド式紙箱(1)は、スリーブ(10)と、スリーブ(10)の内壁を摺動する中舟(20)とからなるスライド式紙箱である。
【0023】
図2は、図1に示したスライド式紙箱(1)のスリーブ(10)の構造を示した斜視図である。スリーブ(10)は、底面板(11)からそれぞれ罫線(a、b、c、d)を介して側面板(12)、天面板(13)、側面板(14)、糊代(15)を順次連設し、糊代(15)は底面板(11)の内面側に接着されている。
【0024】
図3は、図1に示したスライド式紙箱(1)の中舟(20)の構造を示した斜視図である。また図4は、図3に示した中舟のブランク(20B)を示した平面模式図である。な
図4のブランク図は、板紙の表面側(通常は中舟の外側)から見た状態を示している。点線は山折罫線を示し、一点鎖線は谷折罫線を示している。
【0025】
この実施態様においては、底面板(21)から罫線(e)、(f)を介して側面板(22a)、(22b)が連設されており、側面板(22a)、(22b)には、それぞれ後壁用フラップ(23a)、(23b)が罫線(o)、(p)を介して連設されている。また後壁天面用フラップ(28a)、(28b)がそれぞれ罫線(q)、(r)を介して連設されている。
【0026】
中舟(20)の前方は、底面板(21)から罫線(g)、(h)、(i)、(j)を介して、前壁外壁(24a)、前壁天面(25a)、前壁内壁(26a)、糊代(27a)が順次連設されている。
【0027】
中舟(20)の後方は、底面板(21)から罫線(k)、(l)、(m)、(n)を介して、後壁外壁(24b)、後壁天面(25b)、後壁内壁(26b)、糊代(27b)が順次連設されている。
【0028】
このように、中舟(20)の前後の壁は2重壁になっており、後方の壁は糊代(27b)と後壁用フラップ(23a)、(23b)、および後壁天面用フラップ(28a)、(28b)によって動かないように固定されている。
【0029】
これに対して中舟(20)の前方の壁は、側面板(22a)、(22b)には固定されておらず、糊代(27a)のみが底面板(21)に接着されている。このため、前壁外壁(24a)、前壁天面(25a)、前壁内壁(26a)の3辺は、リンク機構を形成し、一体となって外側に倒れるように動くことができる。
【0030】
このため、中舟(20)をスライドさせることなく、紙箱を開口することができる。またリンク機構によってスムーズに開閉するため、開閉する時の感触が非常に良好である。なお、このような開口動作を円滑にするため、スリーブ(10)に、開口用切込(19)が設けられており、指先が掛かり易くなっている。
【0031】
本発明に係るスライド式紙箱(1)は、このような開閉機構を採用したので、中舟(20)をスライドして開く開口方法と、中舟(20)をスライドしないで前壁部分を倒して開口する方法との2通りの開口方法を自由に選択することができる。
【0032】
このことは、例えば内容物として、数種類のキャンデーを収納した場合を想定すると、前壁を開いて取り出す場合には、振出箱のように何が出てくるか分からないという楽しさがあり、中舟をスライドさせて取り出す場合には、目的とするものを選んで取り出すことができることになる。
【0033】
なおこの例では、可動部分の罫線が円滑に折れるように、罫線(g)、(h)、(i)、(j)は、切目を含むリード罫線としている。また罫線(n)もきちっと折れるように、リード罫線としている。
【0034】
前壁内壁(26a)の左右側端部には、係止突起(29a)、(29b)が設けられている。係止突起(29a)、(29b)は、前壁が閉じられた時に、側面板(22a)、(22b)に設けられた凸部(30a)、(30b)の後端縁にそれぞれ係止する。
【0035】
使用する板紙に表裏面がある場合、通常は表面側が中舟(20)の外面となるので、表面側から見た図である図4では、凸部(30a)、(30b)は、上から見て凹状となっ
ている。
【0036】
図4の例では、凸部は正方形状の型押しによるエンボスであるが、横長の凸条でもよく、形状や本数は任意である。
【0037】
図5は、本発明に係るスライド式紙箱(1)の、スリーブ(10)の他の実施態様を示した斜視図である。図6は、図5に示したスリーブのブランク(10B)を示した平面模式図である。
【0038】
図5図6に示した実施態様においては、糊代(15)が二つの切込(17)、(18)によって区画された係止片(16)を有し、係止片(16)は底面板(11)に接着されていないため、底面板よりも僅かに浮いた状態にある。
【0039】
中舟(20)をスライドさせて紙箱を開いた時に、中舟(20)の後壁外壁(24b)の下部に連設した係止突起(31b)が係止片(16)に係止するようになっている。この時、係止突起(31b)は、糊代(15)上を滑って行き、切込(18)に落ち込んだ後に係止片(16)に係止する。このため、クリック感を生じ、心地よい停止感が得られる。また係止片(16)が底面板(11)よりも僅かに浮いているため、確実に係止する。
【0040】
図7は、本発明に係るスライド式紙箱(1)の、スリーブ(10)の他の実施態様を示した斜視図である。図8は、図7に示したスリーブのブランク(10B)を示した平面模式図である。
【0041】
図7図8に示した実施態様においては、スリーブの糊代(15)は、切込(17)の角部に設けた折れ目線(17a)によって区画された補助係止片(16a)を有し、補助係止片(16a)は底面板(11)に接着されておらず、前記係止突起(31b)が係止片(16)と伴に、補助係止片(16a)にも係止するようにしたことを特徴とする。
【0042】
補助係止片(16a)は、折れ目線(17a)を折ることによって、わずかでも立ち上がり、底面板(11)よりも浮き上がるため、係止突起(31b)が、より確実に係止するようになる。
【0043】
折れ目線(17a)は、より確実に折れるように、図8に示したように、一部に切目線を有するリード罫線としてもよい。
【0044】
中舟(20)の前後の壁である前壁外壁(24a)および後壁外壁(24b)には、それぞれ係止突起(31a)、(31b)が連設されている。係止突起(31a)、(31b)は、それぞれ罫線(g)、(k)上に設けられた切込によって形成されている。
【0045】
係止突起(31a)は、一旦引き出した中舟(20)を押し込む時に、スリーブ(10)の底面板(11)の縁に当って中舟を定位置に停止させる働きをする。
【0046】
係止突起(31b)は、スリーブ(10)の係止片(16)に係止する。このため、係止突起(31b)は、罫線(k)の中央ではなく、スリーブ(10)の糊代(15)側に寄った位置に設けられている。
【0047】
図9は、本発明に係るスライド式紙箱の、中舟の他の実施態様を示した斜視図である。図9に示した例では、凸部(30a)、(30b)は、それぞれ5本の横長の凸条である。
【0048】
図10(1)、(2)は、それぞれ本発明に係るスライド式紙箱の、中舟の他の実施態様を示した部分斜視図である。図10(1)に示した例では、凸部(30a)、(30b)が、それぞれ3本の横長の凸条から構成されている。また、図10(2)に示した例では、凸部(30a)、(30b)が、それぞれ2本の横長の凸条から構成されている。
【0049】
このように、凸部を横長の凸条とすることにより、ブランクの製造に当って、特別なエンボス装置を設けなくても、通常の押し罫線を付加するだけで製造することが可能となるため、製造が容易となる。
【0050】
本実施態様においては、中舟(20)の前後の壁は二重壁であるが、後の壁は通常の1枚壁でもよい。また側面板(22a)、(22b)は1枚壁であるが、二重壁構造としてもよい。二重壁とすることにより、中舟の剛性が高まる。
【0051】
本発明に係るスライド式紙箱(1)を構成する材料としては、一般的なマニラボール紙、白ボール紙、チップボール紙等の坪量400〜850g/m程度の板紙や、両面カード紙、裏白ボール紙、アイボリー紙等の坪量160〜600g/m程度の板紙が使用できる。
【0052】
板紙の表面には、印刷、箔押し、艶出し、エンボス加工等、任意の装飾を施すことができる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・スライド式紙箱
10・・・スリーブ
10B・・・スリーブのブランク
11・・・底面板
12、14・・・側面板
13・・・天面板
15・・・糊代
16・・・係止片
16a・・・補助係止片
17、18・・・切込
17a・・・折れ目線
19・・・開口用切込
a、b、c、d・・・罫線
20・・・中舟
20B・・・中舟のブランク
21・・・底面板
22a、22b・・・側面板
23a、23b・・・後壁用フラップ
24a・・・前壁外壁
24b・・・後壁外壁
25a・・・前壁天面
25b・・・後壁天面
26a・・・前壁内壁
26b・・・後壁内壁
27a、27b・・・糊代
28a、28b・・・後壁天面用フラップ
29a、29b・・・係止突起
30a、30b・・・凸部
31a、31b・・・係止突起
e、f、g、h、i、j、k、l、m、n、o、p、q、r・・・罫線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10