(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032083
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】リマインダ機能を備える情報管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20161114BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20161114BHJP
G06F 15/02 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
G06Q10/10 344
H04N5/225 F
G06F15/02 342A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-61338(P2013-61338)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-186578(P2014-186578A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2015年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(72)【発明者】
【氏名】大崎 健一
【審査官】
塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−134409(JP,A)
【文献】
特開2008−187226(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0231407(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 15/02
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リマインダ機能を備えた情報管理装置であって、
自装置が備える撮像部が撮像した画像データを蓄積する画像データ蓄積手段と、
前記画像データの各々と対応付けて所定のタイミングで自装置が実行すべきアクションに係わるリマインダ情報を登録するリマインダ情報登録手段と、
前記リマインダ情報登録手段に登録するリマインダ情報の候補を提示するリマインダ候補提示手段と、を有し、
前記撮像部が所定の被写体を撮像する際の撮像モードが接写モードであった場合に、前記画像データ蓄積手段は当該撮像した画像データを文書管理に係わるフォルダに蓄積し、
前記撮像部が所定の被写体を撮像する際の撮像モードが接写モードでなかった場合に、前記画像データ蓄積手段は当該撮像した画像データを文書管理以外に係わるフォルダに蓄積し、
前記文書管理に係わるフォルダに蓄積する際に、前記リマインダ候補提示手段は予め定められた文書管理に係わる1以上のリマインダ候補を自装置が備える表示部に表示し、前記表示したリマインダ候補のいずれかが選択されたならば、当該選択されたリマインダ情報を当該画像データに関連付けて登録することを特徴とするリマインダ機能を備える情報管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報管理装置であって、
前記リマインダ情報登録手段に登録されている前記リマインダ情報毎に、当該リマインダ情報に含まれている前記アクション実行を促す所定のタイミングを監視する通知タイミング監視手段と、前記通知タイミング監視手段により、当該リマインダ情報に含まれている前記アクションを促す所定のタイミングの到来が検出されたならば、当該リマインダ情報を操作者に通知するリマインダ通知手段と、をさらに有し、
前記画像データ蓄積手段によって蓄積された画像データに前記登録したリマインド情報が指定するアクション起動タイミングが到来したならば、当該アクションを実行することを特徴とするリマインダ機能を備える情報管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報管理装置であって、
前記リマインダ情報登録手段に登録されている前記アクションに係わるリマインダ情報には、さらに連絡先情報を含み、前記通知タイミング監視手段により、当該リマインダ情報に含まれている前記アクションを促す所定のタイミングの到来が検出されたならば、前記リマインダ通知手段により操作者に連絡先を表示し、操作者が連絡先を選択することで一操作で連絡先に対して前記アクションを実行することを特徴とするリマインダ機能を備える情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リマインダ機能を備えた情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在携帯電話機やタブレット端末は、予めスケジュールと用件(以下、リマインダ情報と呼称)を登録しておき、スケジュールの時刻になるとリマインダ情報を使用者へと通知するリマインダ機能を備えている。ここでリマインダ情報とは、例えば、打ち合わせで書き出した議事内容や外出中に見かけた広告のメモ等である。
リマインダ情報を登録する際、一般にキー入力によって操作するが、入力すべき情報が多いと手間がかかる。特許文献1には、手書きのスケジュールをスキャナで取り込むことでスケジュール登録の煩わしさを軽減させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−84228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の登録方法はスキャナで読み取った情報とともに、スケジュールを登録する必要があり、キー入力の操作によってスケジュールを登録する作業としての手間は変わらない。また、リマインダ機能によるアラートを発生させ後の内容確認やアクションまでは考慮していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、 リマインダ機能を備えた情報管理装置であって、自装置が備える撮像部が撮像した画像データを蓄積する画像データ蓄積手段と、前記画像データの各々と対応付けて所定のタイミングで自装置が実行すべきアクションに係わるリマインダ情報を登録するリマインダ情報登録手段と、前記リマインダ情報登録手段に登録するリマインダ情報の候補を提示するリマインダ候補提示手段と、を有し、前記撮像部が所定の被写体を撮像する際の撮像モードが接写モードであった場合に、前記画像データ蓄積手段は当該撮像した画像データを文書管理に係わるフォルダに蓄積し、前記撮像部が所定の被写体を撮像する際の撮像モードが接写モードでなかった場合に、前記画像データ蓄積手段は当該撮像した画像データを文書管理以外に係わるフォルダに蓄積し、前記文書管理に係わるフォルダに蓄積する際に、前記リマインダ候補提示手段は予め定められた文書管理に係わる1以上のリマインダ候補を自装置が備える表示部に表示し、前記表示したリマインダ候補のいずれかが選択されたならば、当該選択されたリマインダ情報を当該画像データに関連付けて登録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、撮像とリマインダ情報の選択の操作のみで手軽にリマインダ登録が行うことができ、リマインダ機能の使い勝手および利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明による情報管理装置の機能ブロック構成図
【
図2】本発明による情報管理装置の動作フローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を併用して本発明の実施形態を説明する。情報管理装置1は撮像機能およびリマインダ機能を有しており、操作者が撮像機能を接写モードで撮像した場合に、リマインダ候補を自装置が備える表示部に表示する。ここで、リマインダ候補とは、例えば、問い合わせ、電話連絡、メール、確認実施、依頼等のアクション種別リストである。前記表示したリマインダ候補のいずれかが選択されたならば、当該選択されたアクション情報を当該撮像した画像データに関連づけたリマインダ情報として登録し、当該画像データを文書管理に係わるフォルダに蓄積するとともに、リマインダの通知タイミングを監視する。前記登録されたリマインダ情報の通知タイミングが到来したならば、当該アクションを実行し、さらに当該リマインダ情報が連絡先情報を含んでいたならば、操作者に対して自装置が備える表示部に連絡先情報を表示し、操作者が連絡先を選択することで当該連絡先に対して前記アクションを実行する。
【0009】
次に、情報管理装置1の内部ブロック構成および機能について説明する。
図1は本発明による情報管理装置1の内部ブロック構成の例である。
【0010】
情報管理装置1は、通信部101と、入力部102と、表示部103と、撮像部104と、画像データ蓄積部105と、文書データ記憶部106と、画像データ記憶部107と、リマインダ情報管理部108と、リマインダ情報記憶部109と、通知タイミング監視部110と、リマインダ通知部111と、を備えている。
【0011】
通信部101は、有線あるいは無線の通信網を介してネットワークへ接続するためのインターフェースである。
【0012】
入力部102は、操作者から各種操作を受け付けるためのキーボード、タッチセンサ等の操作パネルを備える。
【0013】
表示部103は、操作者に各種情報を表示するためのLCD等の表示画面を備える。
【0014】
撮像部104は、少なくとも標準モードと接写モードに切り替えることのできるカメラによる撮像を行い、撮像したデータを画像データ蓄積部105へと送出する。
【0015】
画像データ蓄積部105は、撮像部104から受け取った画像データが接写モードによる撮像データか否かを判別し、接写モードでない画像データであれば画像データ記憶部107へ当該画像データを記憶し、接写モードによる画像データであればリマインダ情報管理部108へリマインダ機能の起動を通知するとともに当該画像データを文書データ記憶部106へ記憶させる。
【0016】
文書データ記憶部106は、撮像部104により撮像された画像データの内、文書管理に係わる画像データを記憶する。
【0017】
画像データ記憶部107は、撮像部104により撮像された画像データの内、文書管理以外に係わる画像データを記憶する。
【0018】
リマインダ情報管理部108は、画像データ蓄積部105よりリマインダ機能の起動が通知されると、表示部103へリマインダ候補を表示する。さらに、入力部102より前期リマインダ候補よりアクション種別の選択と通知タイミングの入力を受信するとリマインダ情報としてアクション種別と通知タイミングと当該画像データとを関連づけてリマインダ情報記憶部109へと記憶させる。
【0019】
リマインダ情報記憶部109は、リマインダ情報テーブル1000を持ち、リマインダ情報管理部108より受け取ったリマインダ情報が記憶される。リマインダ情報記憶部109に記憶される内容の詳細について
図3を用いて説明する。
【0020】
図3はリマインダ情報記憶部109に記憶される内容を模式的に表したリマインダ情報テーブル例である。リマインダ情報記憶部109に記憶されるリマインダ情報テーブルは、管理番号1001、アクション種別1002、連絡先1003、通知タイミング1004、画像データファイル名1005とから構成される。
【0021】
管理番号1001は、テーブル内におけるリマインダ情報毎に割り振られるユニークな番号である。
【0022】
アクション種別1002は、通知タイミングが到来した際に実行すべきアクションである。例えば、リマインダ情報1006では通知音の鳴動によりアラーム通知し、リマインダ情報1007では連絡先1003の情報がダイヤルされた電話機能が起動される。
【0023】
連絡先1003は、通知タイミングが到来した際に連絡したい相手先の情報である。リマインダ情報1007では、電話の連絡先として使用される。
【0024】
通知タイミング1004は、当該リマインダ情報1000のアクションを実行する時間である。装置内の時間がこの時間を経過すると操作者への通知を行う。
【0025】
画像データファイル名1005は、当該リマインダ情報1000に関連づけた画像データのファイル名である。リマインダの実行時にこの関連づけられた画像データをあわせて表示させる。
【0026】
通知タイミング監視部110は、リマインダ情報記憶部109に記憶されているリマインダ情報毎に通知タイミングを監視する。通知タイミングが到来したならば、リマインダ通知部111にアラートの実行を通知し、さらにリマインダ情報に登録されているアクションの実行をリマインダ情報管理部108に通知する。
【0027】
リマインダ通知部111は、通知タイミング監視部110よりアラートの実行を通知されると操作者に対する通知を行う。通知の方法としては、例えば、通知音の鳴動や振動による通知である。
【0028】
図2は、本発明による情報管理装置1の動作フローチャート図である。以下、
図1を併用して、情報管理装置1が撮像してリマインダ情報を登録、通知タイミングを検出してリマインダに登録されたアクションを実行する動作について説明する。
【0029】
本フローチャートは、情報管理装置1の電源が投入され、通知タイミング監視部110の機能が起動された時に開始する(S100)。
【0030】
まず、操作者によって撮像が行われる(S101)、または予め設定された通知タイミングが到来する(S109)の何れかを待つ。
【0031】
操作者によって撮像が行われた場合(S101:Yes)、画像データ蓄積部105は撮像部104より画像データを受信し、撮像モードが接写モードか否かを判定する(S102)。
【0032】
接写モードの撮像であったならば(S102:YES)、画像データ蓄積部105は前期画像データを文書管理に係わる文書データ記憶部108へと蓄積し、リマインダ情報管理部108へリマインダ候補の表示を通知する。当該リマインダ候補の表示を通知されたリマインダ情報管理部108は表示部103へ予め定められたリマインダ候補を表示し(S104)、操作者によってリマインダ候補のいずれかが選択されるのを待つ(S105)。操作者により選択されたリマインダ候補がアクション種別であったならば(S106:YES)、リマインダ情報管理部108は、当該選択されたリマインダ候補のアクションを実行する通知タイミングの入力画面を表示し、通知タイミング情報の入力を待つ(S107)。通知タイミングが入力されたならば(S107:YES)、これらのアクション種別、通知タイミング、前記撮像した画像データファイル名を結びつける(S108)。
【0033】
さらに、前期アクション種別が連絡先情報を要するアクションであれば(S109:YES)、連絡先登録画面を表示し、連絡先情報の入力を待つ(S110)。連絡先情報が入力されたならば(S109:YES)、リマインダ情報の1つとして連絡先情報を追加する(S111)。リマインダ情報管理部108は、操作者によるリマインダ情報の入力が完了するとリマインダ情報をリマインダ情報記憶部109へと登録し、通知タイミング監視部110に新規の通知タイミングを設定する(S112)。
【0034】
接写モード以外の撮像であったならば(S102:NO)、画像データ蓄積部105は撮像部104から受信した画像データを文書管理以外に係わる画像データ記憶部107へと蓄積する(S103)。
【0035】
通知タイミングが到来したならば、(S113:YES)、通知タイミング監視部110は直ちにリマインダ通知部111へアラートの実行を通知しリマインダ通知部111は操作者への通知を行う(S114)。さらに通知タイミング監視部110はリマインダ情報管理部108へと当該リマインダ情報を通知する。リマインダ情報管理部108は、前記リマインダ情報を受信するとリマインダ情報に登録された画像データを文書管理に係わる文書データ記憶部106より読み出し表示部103へ表示すると共に、前記リマインダ情報に登録されたアクションを実行する(S115)。ここでさらに前記リマインダ情報に連絡先情報が含まれていたならば(S116:YES)、連絡先を表示部103へと表示し(S117)、操作者の選択を待つ(S118)。操作者により連絡先を選択されたならば(S118:YES)、通信部101より当該リマインダ情報に登録されたアクションで連絡先に対しての発信を行う(S119)。連絡先への発信とは、例えば電話発信やメール送信である。
【0036】
ここで、リマインダ候補の表示を行う方法として撮像モードの検出としたが、それ以外に、特定のボタン押下や設定により予めモードを選択するといった方法でも良い。
【0037】
以上、本発明の実施形態の一例を説明した。
【0038】
本発明において、情報管理装置1は、画像データ蓄積部105が接写モードでの撮像を検出するとリマインダ情報管理部108に通知しリマインダ候補を表示させる。操作者によって、アクション種別および通知タイミングが選択されると撮像した画像データと関連づけてリマインダ情報をリマインダ情報記憶部109に記憶する。
【0039】
これにより、本発明によれば、思い出したい情報をキー入力でなく撮像の1アクションで実行できる上にリマインダ候補の選択といった手軽な操作によりリマインダ情報を登録でき、リマインダ機能の使い勝手および利便性を向上できる。
【0040】
また、本発明において、情報管理装置1は、通知タイミング監視部110により各リマインダ情報の通知タイミングの到来を監視し、リマインダ情報の通知タイミングが到来したならば、リマインダ情報管理部108に通知し、文書データ記憶部106より当該リマインダ情報に基づいて関連づけられた画像データの表示およびアクション種別に登録されたアクションを実行する。
【0041】
これにより、本発明によれば、思い出したい情報の表示とともに実行したいアクションまでの流れが一息になされ、リマインダ機能の使い勝手および利便性を向上できる。 また、本発明において、情報管理装置1は、連絡先情報が含まれたリマインダ情報の通知タイミングが到来したならば、当該リマインダ情報の画像データと併せて連絡先を表示し、操作者が連絡先を選択することで当該連絡先に対してアクションを実行する。
【0042】
これにより、本発明によれば、リマインダ情報を見てから、さらに別のアプリケーションを起動させることなく連絡を行うことができ、リマインダ機能の使い勝手および利便性を向上できる。
【符号の説明】
【0043】
1・・・情報管理装置
101・・・通信部
102・・・入力部
103・・・表示部
104・・・撮像部
105・・・画像データ蓄積部
106・・・文書データ記憶部
107・・・画像データ記憶部
108・・・リマインダ情報管理部
109・・・リマインダ情報記憶部
110・・・通知タイミング監視部
111・・・リマインダ通知部