(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記出力軸の回転方向が変化するよう前記動力源を制御することにより、前記第1移送部と前記第3移送部とをそれぞれ異なる任意の周期で往復移動させることが可能であることを特徴とする請求項9に記載の部品供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態による部品供給装置を図面に基づき説明する。なお、図面の記載が煩雑になることを避けるため、1つの図面において、実質的に同一の複数の部材または部位には、複数のうち1つのみに符号を付す場合がある。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による部品供給装置、および、その一部を
図1〜7に示す。
【0012】
部品供給装置1は、貯蔵部20に貯蔵された部品100を供給位置PSに供給するのに用いられる。
ここで、本実施形態では、部品100は、
図9に示すように、例えば金属により円柱状に形成される部材である。なお、部品100は、軸方向の長さが約20mm、外径が約4mmである。
【0013】
部品供給装置1は、貯蔵部20、第1移送部31、第2移送部32、第3移送部33、第4移送部34、動力源としてのアクチュエータ10、第1駆動部40、第2駆動部60、制御部13、および、動力伝達部80等を備えている。
ここで、以下の説明のために、
図1〜6、8においてx軸、y軸およびz軸を示すことでxyz空間を定義する。x軸は部品供給装置1の幅方向を示し、y軸は部品供給装置1の奥行方向を示し、z軸は部品供給装置1の高さ方向を示す。すなわち、xy平面は部品供給装置1(床2)に対し水平な面であり、z軸は鉛直方向の直線と一致する。
【0014】
部品供給装置1は、板厚方向がz軸と一致するよう床2に設置される矩形板状のベース3を有している。ベース3には、板状の板部21〜27が設けられている。板部21〜27は、いずれも面方向がベース3に対し垂直になるよう設けられている。
【0015】
板部21と板部22とは、互いに対向するよう、かつ、平行になるよう設けられている。板部23と板部24とは、互いに対向するよう、かつ、平行になるよう、かつ、間に板部21、22を挟むよう設けられている。これにより、板部21、22、23、24に囲まれるようにして貯蔵部20が形成されている。なお、板部25は、板部21、22に対し平行になるよう設けられている。また、板部26、27は、板部23、24に対し平行になるよう設けられている(
図2参照)。
貯蔵部20には、上述の部品100が貯蔵される。例えば
図1では、貯蔵部20に多数の部品100が貯蔵されている様子を破線で示している。
【0016】
第1移送部31は、本実施形態では、矩形板状に形成され、板部21と板部22と板部23と板部24との間の貯蔵部20に設けられている(
図1、2参照)。第1移送部31は、面方向が略水平になるよう、かつ、鉛直方向に往復移動可能なよう設けられている。すなわち、第1移送部31は、貯蔵部20において鉛直方向に往復移動可能なよう設けられている。
第1移送部31は、鉛直方向上側に、z軸に対し傾斜する傾斜面35を有している。傾斜面35は、y方向、すなわち、板部24側に向かうに従い鉛直方向下側に下がるよう傾斜している(
図1、5参照)。
【0017】
第2移送部32は、長尺状に形成され、長手方向がx軸に対し平行になるよう、板部23と板部24との間に設けられている。すなわち、第2移送部32は、板部24を間に挟んで第1移送部31とは反対側に設けられている(
図1、2参照)。本実施形態では、第2移送部32は、図示しないアクチュエータにより振動可能である。
【0018】
第3移送部33は、本実施形態では、略直方体状に形成され、第2移送部32のx軸方向において板部24とと板部25と板部26と第2移送部32との間に設けられている(
図2参照)。第3移送部33は、長手方向が鉛直方向に一致するよう、かつ、鉛直方向に往復移動可能なよう設けられている。
第3移送部33は、鉛直方向上側に、z軸に対し傾斜する傾斜面36を有している。傾斜面36は、y方向、すなわち、板部25側に向かうに従い鉛直方向下側に下がるよう傾斜している(
図1、4参照)。
【0019】
第4移送部34は、長尺状に形成され、長手方向がx軸に対し平行になるよう、板部26と板部27との間に設けられている。すなわち、第4移送部34は、板部26を間に挟んで第2移送部32とは反対側に設けられている(
図1、2参照)。本実施形態では、第4移送部34は、図示しないアクチュエータにより振動可能である。
【0020】
第4移送部34は、鉛直方向上側に、z軸に対し傾斜する傾斜面37を有している。傾斜面36は、y方向、すなわち、板部27側に向かうに従い鉛直方向下側に下がるよう傾斜している。また、第4移送部34は、傾斜面37と板部27との間に、xy平面に対し平行な水平面38を有している(
図4、5参照)。
【0021】
アクチュエータ10は、ベース3のx方向の端部に固定された支持部4に取り付けられている(
図1参照)。アクチュエータ10は、モータ11および出力軸12等を有している。モータ11は、本実施形態では、例えばステッピングモータである。モータ11の動力(回転)は、例えば減速機を経由して出力軸12から出力される。すなわち、出力軸12は、軸回りに回転することによりモータ11の動力を出力する。
【0022】
本実施形態では、アクチュエータ10から出力される動力は、動力伝達部80に入力される。動力伝達部80は、複数のプーリ、および、当該プーリに巻き掛けられるベルト部材等を有している。あるプーリに動力(回転)が入力されると、当該動力は、ベルト部材を経由して他のプーリに伝達される。動力伝達部80は、アクチュエータ10から入力される動力を、後述する第1駆動部40および第2駆動部60へ伝達する。
【0023】
第1駆動部40は、本実施形態では、第1移送部31に対し鉛直方向下側に設けられている。第1駆動部40は、リンク軸部材41、第1移動部42、第2移動部43、および、リンク機構部50等を有している。
リンク軸部材41は、棒状に形成され、軸方向がx軸に対し平行になるようベース3近傍に設けられている。リンク軸部材41は、ベース3に固定された支持部5により、軸回りに回転可能に支持されている。リンク軸部材41は、支持部5とは反対側の端部が動力伝達部80に接続している。リンク軸部材41の外壁には、ねじ山が形成されている。リンク軸部材41は、アクチュエータ10から出力される動力が動力伝達部80を経由して端部に入力されると、軸回りに回転駆動する。
【0024】
第1移動部42は、リンク軸部材41に設けられている。第1移動部42は、内側にリンク軸部材41が位置するよう設けられている。第1移動部42の内壁には、リンク軸部材41のねじ山が噛み合い可能なねじ溝が形成されている。これにより、リンク軸部材41が軸周りの一方向に回転するとリンク軸部材41の軸方向の一方側(x方向)に移動し、リンク軸部材41が軸周りの他方向に回転するとリンク軸部材41の軸方向の他方側(x方向とは反対の方向)に移動する。
【0025】
第2移動部43は、リンク軸部材41に設けられている。第2移動部43は、内側にリンク軸部材41が位置するよう設けられている。第2移動部43は、第1移動部42に対し動力伝達部80側に設けられている。第2移動部43の内壁には、リンク軸部材41のねじ山が噛み合い可能なねじ溝が形成されている。これにより、リンク軸部材41が軸周りの一方向に回転すると第1移動部42に近づくようリンク軸部材41の軸方向の他方側(x方向とは反対側)に移動し、リンク軸部材41が軸周りの他方向に回転すると第1移動部42から遠ざかるようリンク軸部材41の軸方向の一方側(x方向)に移動する。
【0026】
リンク機構部50は、リンク部材51、および、リンク節52、53等を有している。リンク部材51は、棒状に形成され、複数設けられている。リンク節52は、2つのリンク部材51が互いに相対回転可能なよう、リンク部材51の中央同士を接続している。リンク節53は、2つのリンク部材51が互いに相対回転可能なよう、リンク部材51の端部同士を接続している。このように、複数のリンク部材51、リンク節52、53により、1つのリンク機構部50が形成されている。リンク機構部50は、所謂「多節リンク機構」である。
【0027】
本実施形態では、6つのリンク部材51、3つのリンク節52、および、6つのリンク節53により1つのリンク機構部50が形成され、間にリンク軸部材41が位置するよう2つのリンク機構部50が設けられている(
図5、6、7参照)。
リンク機構部50の鉛直方向の一端側、すなわち、2つのリンク部材51のリンク節53とは反対側の端部は、それぞれ、第1移動部42および第2移動部43に対し相対回転可能なよう第1移動部42および第2移動部43に接続されている。
【0028】
リンク機構部50の鉛直方向の他端側、すなわち、第1移動部42および第2移動部43とは反対側には、矩形板状の台部44が設けられている。台部44は、第1移送部31の傾斜面35とは反対側に接続するよう設けられている。そのため、台部44は、第1移送部31とともに、鉛直方向に往復移動可能である。リンク機構部50の鉛直方向の他端側、すなわち、台部44側の2つのリンク部材51のリンク節53とは反対側の端部は、それぞれ、台部44に対し相対移動可能なよう台部44に接続されている。
【0029】
上記構成により、リンク機構部50は、第1移動部42と第2移動部43とが互いに近づくよう移動すると一端側と他端側とが遠ざかるよう鉛直方向に伸び、第1移動部42と第2移動部43とが互いに遠ざかるよう移動すると一端側と他端側とが近づくよう鉛直方向に縮む。よって、アクチュエータ10から出力される動力によりリンク軸部材41が軸回りの一方向に回転すると、第1移動部42と第2移動部43とが互いに近づくよう移動し、リンク機構部50は、一端側と他端側とが遠ざかるよう鉛直方向に伸び、第1移送部31が鉛直方向上側に移動する。一方、アクチュエータ10から出力される動力によりリンク軸部材41が軸回りの他方向に回転すると、第1移動部42と第2移動部43とが互いに遠ざかるよう移動し、リンク機構部50は、一端側と他端側とが近づくよう鉛直方向に縮み、第1移送部31が鉛直方向下側に移動する。
【0030】
第2駆動部60は、本実施形態では、第3移送部33に対し鉛直方向下側に設けられている。第2駆動部60は、クランク軸部材61、クランク機構部70および案内部62等を有している。
クランク軸部材61は、棒状に形成され、軸方向がy軸に対し平行になるよう設けられている。クランク軸部材61は、ベース3に固定された支持部6により、軸回りに回転可能に支持されている。クランク軸部材61は、一端が動力伝達部80に接続している。クランク軸部材61は、アクチュエータ10から出力される動力が動力伝達部80を経由して端部に入力されると、軸回りに回転駆動する。
【0031】
クランク機構部70は、第1クランク部材71および第2クランク部材72等を有している。
第1クランク部材71は、棒状に形成され、クランク軸部材61に対し直交するよう一端がクランク軸部材61の他端に接続している。そのため、第1クランク部材71は、クランク軸部材61が軸回りに回転すると、他端がクランク軸部材61の周方向に移動するようクランク軸部材61とともに回転する。
【0032】
第2クランク部材72は、棒状に形成され、第1クランク部材71に対し相対回転可能なよう一端が第1クランク部材71の他端に接続し、第3移送部33に対し相対回転可能なよう他端が第3移送部33に接続している。
案内部62は、第3移送部33と支持部6との間に設けられている。案内部62は、第3移送部33が鉛直方向のみに移動可能なよう第3移送部33の移動方向を規制する。
【0033】
上記構成により、アクチュエータ10から出力される動力が動力伝達部80を経由してクランク軸部材61の一端に入力されると、クランク軸部材61が第1クランク部材71とともに軸回りに回転する。これにより、第1クランク部材71が回転するときの動力が第2クランク部材72を経由して第3移送部33に伝達する。その結果、第3移送部33は、案内部62に案内されて鉛直方向に往復移動する。
【0034】
制御部13は、例えばCPU、ROM、RAMおよびI/O等を有するコンピュータである。制御部13は、ROMに格納されたプログラムに従いCPUで演算を行うことにより、アクチュエータ10、ならびに、第2移送部32および第4移送部34を振動させるアクチュエータの作動を制御可能である。
【0035】
制御部13は、アクチュエータ10の出力軸12の回転方向が任意の方向になるよう、かつ、回転数が任意の回転数となるようモータ11の作動を制御可能である。また、制御部13は、第2移送部32および第4移送部34を振動させるアクチュエータの作動を制御することにより、第2移送部32および第4移送部34を任意の振動数で振動させることができる。
【0036】
本実施形態では、板部26の第2移送部32に対し鉛直方向上側にセンサ14が設けられている(
図1、2、4、5参照)。センサ14は、第2移送部32上の部品100の量を検出し、検出した部品100の量に関する信号を制御部13に出力する。これにより、制御部13は、第2移送部32上の部品100の量を検出可能である。
【0037】
次に、部品供給装置1の作動について、
図1〜8に基づき説明する。
部品供給装置1の初期状態を
図1に示す。また、第1移送部31および第3移送部33が、それぞれ、往復移動可能範囲のうち最も鉛直方向上側に位置するときの部品供給装置1の状態を
図8に示す。また、
図8において、初期状態のときの第1移送部31の上端部(鉛直方向上側の端部)の鉛直方向における位置を直線L1で示し、往復移動可能範囲のうち最も鉛直方向上側に位置するときの第1移送部31の上端部の鉛直方向における位置を直線L2で示す。また、
図8において、初期状態のときの第3移送部33の上端部の鉛直方向における位置を直線L3で示し、往復移動可能範囲のうち最も鉛直方向上側に位置するときの第3移送部33の上端部の鉛直方向における位置を直線L4で示す。
【0038】
図1に示すように、初期状態のとき、貯蔵部20に複数の部品100が貯蔵されている。本実施形態では、第1移送部31が傾斜面35を有するため、部品100は、板部24側に寄った状態で貯蔵されている(
図2、5、6参照)。なお、このとき、部品100が貯蔵されている位置を第1位置P1とする。なお、
図1では、便宜上、第1位置P1を第1移送部31のx方向の中央近傍に円形の破線で示しているが、第1位置P1としては、第1移送部31のx方向の中央近傍に限らず、第1移送部31の傾斜面35上であれば、いずれの位置も第1位置P1となり得る。
【0039】
制御部13によりアクチュエータ10の出力軸12を軸回りの一方向に回転させると出力軸12から動力(回転)が出力され、当該動力が動力伝達部80を経由して第1駆動部40に伝達される。アクチュエータ10から出力される動力により第1駆動部40が駆動すると、第1移送部31は、直線L1の位置から鉛直方向上側に移動する。なお、アクチュエータ10から出力される動力は、動力伝達部80を経由して第1駆動部40に伝達されるとともに第2駆動部60にも伝達される。
【0040】
アクチュエータ10の出力軸12が軸回りの一方向の回転を継続する(複数回回転する)と、第1移送部31は、鉛直方向上側への移動を継続し、
図8に示す直線L2の位置まで移動する。第1移送部31には傾斜面35が形成されているため、第1移送部31が直線L2の位置まで移動すると、部品100は、板部24を越えて第2移送部32に落下する。このとき部品100が落下する位置を第2位置P2とする。なお、
図1、8では、便宜上、第2位置P2を第2移送部32のx方向の中央近傍に円形の破線で示しているが、第2位置P2としては、第2移送部32のx方向の中央近傍に限らず、第2移送部32のx方向(長手方向)のいずれの位置も第2位置P2となり得る。
【0041】
ここで、制御部13により第2移送部32を振動させると、部品100は、第2移送部32上において、x方向、すなわち、第3移送部33側へ移動する。これにより、部品100は、第2移送部32から第3移送部33の傾斜面36に落下する。このとき部品100が落下する位置を第3位置P3とする。
【0042】
上述のように、アクチュエータ10から出力される動力は、動力伝達部80を経由して第1駆動部40に伝達されるとともに第2駆動部60にも伝達される。アクチュエータ10から出力される動力により第2駆動部60が駆動すると、第3移送部33は、直線L3の位置から鉛直方向上側に移動する。
【0043】
アクチュエータ10の出力軸12が軸回りの一方向に回転すると、クランク軸部材61は、軸回りの一方向に回転する。これにより、第3移送部33は、鉛直方向上側の直線L4の位置まで移動する(
図8参照)。第3移送部33には傾斜面36が形成されているため、第3移送部33が直線L4の位置まで移動すると、部品100は、板部26を越えて、第4移送部34の傾斜面37を経由し水平面38まで移動する。このとき部品100が移動する位置を第4位置P4とする(
図2、4参照)。
ここで、制御部13により第4移送部34を振動させると、部品100は、第4移送部34上において、整列しつつ、x方向とは反対の方向へ移動する。これにより、部品100は、第4位置P4から供給位置PSに移動する。
【0044】
このように、部品供給装置1は、アクチュエータ10から出力される動力で第1駆動部40および第2駆動部60を駆動し第1移送部31および第3移送部33を鉛直方向に移動させ、第2移送部32および第4移送部34を振動させることにより、貯蔵部20に貯蔵された部品100を第1位置P1から第2位置P2、第3位置P3および第4位置P4を経由して供給位置PSに供給することができる。
【0045】
なお、アクチュエータ10の出力軸12が軸回りの一方向に回転することで第1移送部31が直線L1の位置から直線L2の位置へ移動する間、第2駆動部60のクランク軸部材61は複数回回転する。そのため、このとき、すなわち、第1移送部31が直線L1の位置から直線L2の位置へ移動する間、第3移送部33は、所定の周期で直線L3の位置と直線L4の位置との間を往復移動する。
【0046】
また、制御部13は、第1移送部31が直線L2の位置まで移動し、センサ14により第2移送部32上の部品100の量が所定の量以上であることを検出すると、出力軸12が軸回りの他方向に回転するようアクチュエータ10を制御する。これにより、第1移送部31上の複数の部品100の一部が第2移送部32に落下した後、第1移送部31が鉛直方向下側へ移動する。これにより、第1移送部31から第2移送部32への部品100の落下を停止し、第2移送部32上の部品100が板部26を越えて第4移送部34側へ溢れ出すのを抑制することができる。なお、出力軸12が軸回りの他方向に回転するようアクチュエータ10が制御され第1移送部31が鉛直方向下側に移動するとき、第2駆動部60のクランク軸部材61は、軸周りの他方向に回転する。そのため、このとき、第3移送部33は、第1移送部31が鉛直方向上側に移動するときと同様、所定の周期で直線L3の位置と直線L4の位置との間を往復移動する。
【0047】
本実施形態では、制御部13は、センサ14により第2移送部32上の部品100の量が所定の量以上であることを検出した場合、第1移送部31が直線L2から鉛直方向下側へ所定の距離離れた位置において所定の周期で往復移動するようアクチュエータ10を制御する。すなわち、このとき、制御部13は、出力軸12が軸周りの一方向または他方向に交互に回転するようアクチュエータ10を制御する。また、このとき、第2駆動部60のクランク軸部材61も軸周りの一方向または他方向に交互に回転する。そのため、第1クランク部材71のクランク軸部材61とは反対側の端部がクランク軸部材61の周方向の一方向または他方向に交互に回転する。これにより、第3移送部33は、第1移送部31が鉛直方向に移動するときと同様、所定の周期で直線L3の位置と直線L4の位置との間を往復移動する。このように、制御部13は、出力軸12の回転方向が変化するようアクチュエータ10を制御することにより、第1移送部31と第3移送部33とをそれぞれ異なる任意の周期で往復移動させ、第1移送部31から第2移送部32に移送される部品100の量を調整しつつ、第3移送部33から第4移送部34に部品100を移送することができる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態では、(1)貯蔵部20は、部品100を貯蔵する。第1移送部31は、貯蔵部20において所定の方向に往復移動可能に設けられ、往復移動することにより、貯蔵部20に貯蔵された部品100を第1位置P1から第2位置P2まで移送可能である。
【0049】
第2移送部32は、第1移送部31によって第2位置P2まで移送された部品100を第3位置P3まで移送可能である。第3移送部33は、第3位置P3において所定の方向に往復移動可能に設けられ、往復移動することにより、第2移送部32によって第3位置P3まで移送された部品100を第4位置P4まで移送可能である。第4移送部34は、第3移送部33によって第4位置P4まで移送された部品100を供給位置PSまで移送可能である。
【0050】
アクチュエータ10は、動力を出力可能である。第1駆動部40は、アクチュエータ10から出力される動力により駆動することによって、第1移送部31を往復移動させる。第2駆動部60は、アクチュエータ10から出力される動力により駆動することによって、第3移送部33を往復移動させる。
【0051】
このように、本実施形態では、第1移送部31および第2移送部32は、1つのアクチュエータ10から出力される動力によって所定の方向に往復移動可能である。すなわち、本実施形態では、1つのアクチュエータ10からの動力により、2つの移送部(第1移送部31および第3移送部33)を往復移動させることができる。そのため、部品100を供給位置PSに供給するとき部品供給装置1が消費するエネルギーを低減することができる。また、2つの移送部(第1移送部31および第3移送部33)を往復移動させるアクチュエータ10は1つのため、例えば従来のように2つの移送部に対しそれぞれ動力源を設ける構成と比べ、部品供給装置1全体の体格を小さくすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、(2)第1移送部31および第3移送部33は、鉛直方向に往復移動可能である。すなわち、第1駆動部40および第2駆動部60は、第1移送部31および第3移送部33を鉛直方向に往復移動させる。
また、本実施形態では、(3)第1駆動部40は、リンク軸部材41、第1移動部42、第2移動部43およびリンク機構部50を有している。
【0053】
リンク軸部材41は、アクチュエータ10から出力される動力により軸周りに回転駆動する。
第1移動部42は、リンク軸部材41に設けられ、リンク軸部材41が軸周りの一方向に回転するとリンク軸部材41の軸方向の一方側に移動し、リンク軸部材41が軸周りの他方向に回転するとリンク軸部材41の軸方向の他方側に移動する。
【0054】
第2移動部43は、リンク軸部材41に設けられ、リンク軸部材41が軸周りの一方向に回転すると第1移動部42に近づくようリンク軸部材41の軸方向の他方側に移動し、リンク軸部材41が軸周りの他方向に回転すると第1移動部42から遠ざかるようリンク軸部材41の軸方向の一方側に移動する。
リンク機構部50は、一端側が第1移動部42および第2移動部43に接続され、他端側が第1移送部31に接続され、第1移動部42と第2移動部43とが互いに近づくよう移動すると一端側と他端側とが遠ざかるよう鉛直方向に伸び、第1移動部42と第2移動部43とが互いに遠ざかるよう移動すると一端側と他端側とが近づくよう鉛直方向に縮む。
【0055】
また、本実施形態では、(4)リンク機構部50は、棒状の複数のリンク部材51、ならびに、複数のリンク部材51が互いに相対回転可能なようリンク部材51同士を接続する複数のリンク節52、53を有している。
このように、本実施形態では、第1駆動部40は、具体的には、リンク軸部材41、第1移動部42、第2移動部43およびリンク機構部50により構成されている。
【0056】
また、本実施形態では、(5)第1駆動部40は、第1移送部31に対し鉛直方向下側に設けられている。第1駆動部40のリンク機構部50は、鉛直方向に伸縮自在に構成されている。また、アクチュエータ10は、第1移送部31に対し鉛直方向下側以外の位置に設けられている。そのため、初期状態における第1移送部31とベース3との間の距離を小さくすることができ、部品供給装置1の高さを抑えることができる。なお、第2駆動部60は第3移送部33に対し鉛直方向下側に設けられ、アクチュエータ10は第3移送部33に対し鉛直方向下側以外の位置に設けられている。そのため、初期状態における第3移送部33とベース3との間の距離を小さくすることができ、部品供給装置1の高さをさらに抑えることができる。
【0057】
また、本実施形態では、(6)第2駆動部60は、クランク軸部材61、クランク機構部70および案内部62を有している。
クランク軸部材61は、アクチュエータ10から出力される動力により軸周りに回転駆動する。
クランク機構部70は、クランク軸部材61および第3移送部33に接続し、クランク軸部材61から入力される動力を第3移送部33に伝達する。
案内部62は、クランク軸部材61が回転するとき、第3移送部33が鉛直方向に往復移動可能なよう第3移送部33を案内する。
【0058】
また、本実施形態では、(7)クランク機構部70は、クランク軸部材61に対し直交するよう一端がクランク軸部材61に接続し、クランク軸部材61とともに回転する棒状の第1クランク部材71、ならびに、第1クランク部材71に対し相対回転可能なよう一端が第1クランク部材71の他端に接続し、第3移送部33に対し相対回転可能なよう他端が第3移送部33に接続する棒状の第2クランク部材72を有している。
このように、本実施形態では、第2駆動部60は、具体的には、クランク軸部材61、クランク機構部70および案内部62により構成されている。
【0059】
また、本実施形態では、(8)アクチュエータ10は、軸周りに回転することにより動力を出力する出力軸12を有している。すなわち、本実施形態では、第1駆動部40および第2駆動部60は、回転する出力軸12から出力される動力により駆動する。
【0060】
また、本実施形態では、(9)出力軸12の回転方向が変化するようアクチュエータ10を制御可能な制御部13をさらに備えている。これにより、第1移送部31および第3移送部33を、それぞれ、鉛直方向の任意の位置に移動させることができる。
【0061】
また、本実施形態では、(10)制御部13は、出力軸12の回転方向が変化するようアクチュエータ10を制御することにより、第1移送部31と第3移送部33とをそれぞれ異なる任意の周期で往復移動させることが可能である。そのため、第1移送部31から第2移送部32に移送される部品100の量を調整しつつ、第3移送部33から第4移送部34に部品100を移送することができる。これにより、部品100が第2移送部32から溢れ出すのを抑制しつつ、部品100を供給位置PSに安定して供給することができる。
【0062】
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、第1移送部および第3移送部は、鉛直方向以外の方向に往復移動可能なよう構成されていてもよい。
【0063】
また、本発明の他の実施形態では、第1駆動部は、第1移送部を所定の方向に往復移動させることが可能であれば、リンク機構部を備えず、どのように構成されていてもよい。また、第2駆動部は、第3移送部を所定の方向に往復移動させることが可能であれば、クランク機構部を備えず、どのように構成されていてもよい。また、動力伝達部80は、動力源から出力される動力を第1駆動部および第2駆動部に伝達可能であれば、プーリおよびベルト部材に限らず、例えば複数のギア等により構成されていてもよい。
【0064】
また、本発明の他の実施形態では、第1駆動部は、第1移送部に対し鉛直方向下側以外の位置に設けられていてもよい。また、第2駆動部は、第3移送部に対し鉛直方向下側以外の位置に設けられていてもよい。また、駆動源は、第1移送部に対し鉛直方向下側、または、第3移送部に対し鉛直方向下側に設けられていてもよい。
【0065】
また、本発明の他の実施形態では、出力軸の回転方向が変化するよう動力源を制御可能な制御部を備えていなくてもよい。また、第2移送部上の部品の量を検出するセンサを備えていなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、動力源として、電動モータに限らず、例えば内燃機関や蒸気機関等、出力軸から動力を出力可能であれば、どのような装置または機器を採用してもよい。
【0066】
また、本発明の他の実施形態では、第2移送部および第4移送部を振動させるアクチュエータを備えず、第2移送部を第2位置から第3位置に向かって鉛直方向下側に傾斜するよう配置したり、第4移送部を第4位置から供給位置に向かって鉛直方向下側に傾斜するよう配置したりすることとしてもよい。この場合、部品を自重により第2位置から第3位置に、または、第4位置から供給位置に移送することができる。
【0067】
また、本発明の他の実施形態では、供給位置に供給する部品の大きさは、どのような大きさであってもよい。また、
図9に示した円柱状の部品に限らず、例えば球状や直方体状等、どのような形状のものを供給対象としてもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。