(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記動作状態を含む情報信号と前記検出手段の出力信号とに基づいて、前記検知手段からの信号の非導通状態を検出した場合、前記電圧変換手段の出力の電圧変動が安定した後に前記電圧供給対象装置としての変復調器の復調動作を停止させ、前記検知手段からの信号の導通状態を検出した場合、前記電圧変換手段の出力の電圧変動が安定した後に前記変復調器の復調動作を開始する請求項2または3に記載の電圧制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、赤外線に基づいた光伝送信号の有無、すなわち、パルス状の光信号の過渡的変化が補助受光素子、補助増幅回路、コンピュータの消費電流に突発的な変動を発生させる場合がある。それに伴い、オーディオ信号への変復調に使用する各種素子または回路が動作不良をおこしたり、電源自身もノイズ発生するという問題があった。
【0005】
また、光信号を使用した伝送は、ワイヤレス伝送に留まらず、その他の伝送手段にも活用されている。その1つに、デジタルコヒーレント方式に代表されるような通信方式がある。デジタルコヒーレント方式を使った光伝送システムでは、変復調方式が高度かつ複雑であり、その消費電力は急激に増大している。
図9は関連するデジタルコヒーレント光伝送システムの電圧制御装置の構成図である。
図9より、電圧制御装置200は、光電変換器202と、変復調LSI203と、電圧変換部207と電源201から構成されており、以下のように動作する。光電変換器202において光ファイバを伝送した光信号(光波形)211が電気信号(電気波形)に変換された後、電気信号は変復調LSI203へ入力し、変復調LSI203によって所定の電気信号に復号される。しかし、変復調LSI203は低電圧で動作することが求められており、それに伴って変復調LSI203に対し電力供給している電源201が低電圧化している。その結果、変復調LSI203の消費電流が飛躍的に増加する傾向にある。このため、変復調LSI203へ入力した電気信号の導通状態と非導通状態(不通状態)との切り替え時に起きる消費電流変動は数10Aレベルになることもある。
【0006】
具体的に説明する。
図10は電圧制御装置200における動作を説明する図である。
図10では、光電変換器202へ入力する光信号211、変復調LSI203の消費電流、電圧変換部207の出力電圧の時間変化を示しており、紙面上縦方向の2点鎖線は3つのグラフ上の同時刻を示している。また、光電変換器202へ入力する光信号211のパワーの入力状態(光入力パワーp1)と遮断状態(光入力パワー0)との切り替えが、変復調LSI203へ入力される電気信号の導通状態と非導通状態との切り替えに対応している。
図10を参照して、光入力パワーが入力状態から遮断状態(61c)になると(61a)、変復調LSI203へ入力される電気信号が非導通状態に切り替わるため、変復調LSI203は正常に復調処理ができなくなり復調動作を停止する。これと同時に、変復調LSI203の消費電流が急激に低下(64a)する。このとき、電圧変換部207から見た負荷、すなわち、出力電流が急激に低下する。結果として電圧変換部207は一時的に電力供給が過多となり、出力電圧は突発的に上昇(63a)する。これが、変復調LSI203の推奨される動作電圧の範囲を越えてしまうことがある。
【0007】
また、光信号211の遮断状態(61c)から入力状態となると(61b)、変復調LSI203へ入力される電気信号が導通状態に切り替わるため、変復調LSI203は復調動作を再開する。これと同時に、変復調LSI203の消費電流が急激に増大(64b)する。このとき、電圧変換部207から見た負荷、すなわち、出力電流が急激に上昇する。結果として電圧変換部207は電力供給不足となり、出力電圧は変復調LSI203の消費電流の増大(64b)に追従できず一時的に出力電圧が突発的に低下する(63b)。これが、変復調LSI203の推奨動作電圧の範囲外まで下がってしまうことがある。
【0008】
なお、変調器LSI203の消費電流は急激な増大(64b)はピークを迎えたのち低下して行く。また、出力電圧207の上昇(63a)または低下(63b)はそのままとはならず、変復調LSI203に内蔵されている回路のFeedback制御により次第に元の電圧レベル(63c)に戻ってくる。
【0009】
以上のような変復調LSIの消費電流の変化は電圧変換部の出力に突発的な電圧上昇・低下を招き、それに伴って、変復調自身の動作不良が発生するという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、上述した課題である、電圧供給対象装置の動作状態によって電圧供給源の出力電圧が変化してしまう、という課題を解決する電圧制御装置およびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電圧制御装置は、電源の電圧を目標電圧に基づいて変換して電圧供給対象装置に供給する電圧変換手段と、電圧供給対象装置の動作状態に応じて目標電圧を制御する制御手段とを有する。
【0012】
また、本発明の電圧制御装置の制御方法は、電源の電圧を目標電圧に基づいて変換して電圧供給対象装置に供給し、電圧供給対象装置の動作状態に応じて目標電圧を制御する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電圧供給対象装置の動作状態が変動した場合であっても、安定した電源電圧を供給することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施形態]以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態の電圧制御装置99の全体構成を説明するブロック図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態の電圧制御装置99は、制御部4、電圧変換部7を備える。制御部4により電圧変換部7から電圧供給対象装置へ供給する電圧を制御する。言い換えると、電圧供給対象装置の動作状態に応じた電圧変換部7の電圧の変動を、所定の電圧へ制御する。以降の説明では所定の電圧を目標電圧とする。
【0017】
制御部4は信号41を出力し、その信号に基づき、電圧供給対象装置の動作状態に応じて電圧変換部7の目標電圧を制御する。
【0018】
電圧変換部7はDC−DCコンバータ、AC−DCコンバータなどであり、電源(不図示)から供給される電圧36を電圧供給対象装置の動作に必要な目標電圧へ変換し、電圧供給対象装置へ供給電圧37を出力する。さらに、制御部4からの信号41によって、電圧供給対象装置の目標電圧を変えることができる。具体的には、信号41の電圧値に応じて、電圧変換部7の目標電圧が定められ、それに出力電圧が収束する。
【0019】
本発明の第1の実施形態の動作について説明する。第1の実施形態の電圧供給対象装置は、例えば、
図9に示す変復調LSI203である。以降の実施形態の説明では、電圧供給対象装置を変復調LSIとして説明する。
図10に示すように、電圧供給対象装置へ入力する電気信号に応じて動作状態が変化する。すなわち、電気信号が導通状態では電圧供給対象装置は一定の電流を消費する。電気信号の遮断状態では電圧供給対象装置は消費電流が一定レベルに減少する。また、電気信号の導通状態から非導通状態への切り替わりでは、電圧供給対象装置は消費電流が急激に低下する。電気信号の非導通状態から導通状態への切り替わりでは、電圧供給対象装置は消費電流が急激に上昇する。ここで、各々の動作状態に応じて制御部4からの信号41によって目標電圧を変化させる。例えば、導通状態および非導通状態である、2つのレベルの異なる消費電流の変化時に目標電圧の電圧レベルを変える。消費電流が一定レベルになると、それに応じて目標電圧が2つの異なる一定の電圧レベルに定められ、その後、電圧変換部7の出力電圧が収束する。また、導通状態と非導通状態との切り替わり時刻(または状態)において、消費電流の急激な変化を抑制するように信号41によって、目標電圧に急激な電圧変化を付与する。それに応じて、電圧変換部7の出力電圧の変動が小さくなる。
【0020】
これにより、電圧供給対象装置の動作状態が変化した場合であっても、安定した電源電圧を供給することができる。
【0021】
なお、第1の実施形態の制御部4は、電圧供給対象装置の動作状態を取得するために、電圧供給対象装置から前述した動作状態を含めた情報信号を取得しても良い。また、動作状態を検知する検知部を設け、その検知部からの信号に基づいて電圧供給対象装置の動作状態を取得しても良い。いずれの手段においても、取得した情報から電圧供給対象装置の動作状態を決定し、それに基づいて、電圧変換部7の目標電圧を定めている。
【0022】
[第2の実施形態]続いて、図面を参照して第2の実施形態について詳細に説明する。
図2は本発明の第2の実施形態の電圧制御装置100の全体構成を説明するブロック図である。
図2を参照すると、第2の実施形態の電圧制御装置100では、第1の実施形態に、光電変換器2、変復調LSI3を追加した構成となっている。以上の構成により、光ファイバを伝送する光信号31が光電変換器2に入力し、変復調LSI3からデジタル信号処理によって復号された電気信号が出力される。なお、第1の実施形態と同様に、電圧供給対象装置が変復調LSI3に相当する。
【0023】
光電変換器2は、光ファイバを伝送する光信号(光波形)31を受光し、電気信号(電気波形)33に変換する。また、光電変換器2は、GaAs、Siなどの材料を使用したフォトダイオードを用いる。
【0024】
変復調LSI3は、光電変換器2から電気信号33を入力し、電気信号33の周波数や位相に重畳させている情報信号を検波し、デジタル信号処理によって所定の電気信号に復調し、出力する。なお、電圧変換部7からの供給電圧37によって電力を供給され、上記のように動作している。
【0025】
制御部4には、変復調LSI3に入力する電気信号33に対応した電気的な信号が入力され、この電気信号のオン状態とオフ状態との切り替わる状態を検出する。検出された切り替えのタイミングに合わせて切り替わる信号41を電圧変換部7へ出力する。なお、信号41は電圧変換部7の目標電圧を制御する信号であり、検知信号と同様に、切り替わるタイミングの前後では一定の電圧レベルを保持している。また、以降の説明では、前述の制御部4に入力する電気信号を検知信号と記載する。
【0026】
次に
図3を参照して本発明の第2の実施形態の動作について説明する。
図3は本発明の第2の実施形態の電圧制御装置の動作を説明する図である。
図3では、光電変換器2へ入力する光信号31、変復調LSI3の消費電流、制御部4へ入力する検知信号、制御部4から出力する信号41によって定められる目標電圧および電圧変換部7の出力電圧の時間変化を示しており、紙面上縦方向の2点鎖線は5つのグラフ上の同時刻を示している。なお、
図3の光信号31、変復調LSI3の消費電流の時間変化のグラフは、
図10の光信号211、変復調LSI203の消費電流のグラフと同じである。また、
図10と同様に、光電変換器2へ入力する光信号31の入力状態(光入力パワーp1)と遮断状態(光入力パワー0)との切り替えが、変復調LSI3へ入力される電気信号33の導通状態と非導通状態との切り替えに対応している。なお、光電変換器2と変復調LSI3とが電気的に接続された状態において、電気信号33の導通状態は情報信号がある場合であり、電気信号33の非導通状態は情報信号がない場合である。また、光信号31の入力状態に対応した電気信号33の導通状態は一定の電圧レベルを有し、光信号31の遮断状態に対応した電気信号33の非導通状態は導通状態より低い一定の電圧レベルを有している。すなわち、電気信号33は所定の電圧差を有し、その電圧差の上位レベルが導通状態であり、下位レベルが非導通状態に対応している。また、検知信号は光信号31の入力状態(光入力パワーp1)および遮断状態(71c、光入力パワー0)に対応した2つの電圧レベルを有する信号である。すなわち、光電変換器2への光入力パワーp2(例えば、p1の半分)を基準とし、光入力パワーがp2より高い場合に低い電圧レベル、光入力パワーがp2より低い場合に高い電圧レベルとなる信号である。
【0027】
図3を参照して、制御部4に入力する検知信号の低レベル(72a)から高レベル(72c)への切り替わり(光信号31の入力状態から遮断状態への切り替わり(71a))に応じて、制御部4から出力される信号41によって、目標電圧が一定の低レベル(73a)から一定の高レベル(73c)へ切り替わる。また、検知信号が高レベル(72c)から低レベル(72b)へ切り替わり(光信号31の遮断状態から入力状態への切り替わり(71b))に応じて、制御部4から出力される信号41によって、目標電圧が一定の高レベルから(73c)から一定の低レベル(73b)へ切り替わる。ここで、検知信号の低レベル(72a)から高レベル(72c)への切り替わり時刻は変復調LSI3の消費電流の急激な減少(74a)の中心時刻とほぼ同じである。また、検知信号の高レベル(72c)から低レベル(72b)への切り替わり時刻(72h)は変復調LSI3の消費電流の突発的増大(74b)よりも時間的に遅れるものとする。つまり、予め突発的増大(74b)の時間間隔Aを見積もり、変復調LSI3の消費電流が低下した状態(74c)から急激な増加への切り替わり時刻から時間間隔Aだけシフトさせた時刻よりも遅れた時刻に切り替わり時刻(72h)を設定する。これは、変復調LSI3の消費電力の突発的増大(74b)に対応した電圧変換部の出力電圧の変動が収束するまで、目標電圧を一定としている。なお、ここでいう時間間隔Aは変復調LSI3の消費電流が低レベル(74c)から増加に転じる時刻から消費電流がピークを迎えた後減少し一定レベルに変わる時刻までのことである。
また、電圧変換部7の目標電圧を下げると(73a、73b)、変復調LSI3への供給電圧は、推奨電源電圧範囲の下限側にシフトする(75a、75b)。また、電圧変換部7の目標電圧を上げると(73c)、変復調LSI3への供給電圧は、推奨電源電圧範囲の上限側にシフトする(75c)。
【0028】
光信号31の遮断状態、入力状態の切り替え(71a、71b)のとき、
図10の電圧変換部7の出力電圧の突発的な変化が発生する。しかし、上述したように目標電圧を設定することで、電圧変換部7の出力電圧の波形は
図3の最下段のグラフのようになる。つまり、電圧変換部7の出力電圧の突発的な変化(増加(75e)もしくは減少(75g))が発生しても、出力電圧が突発的な増加(もしくわ減少)に応じて、目標電圧を切り替えているので、変復調LSI3へ供給する動作電圧の突発的な変動を抑制することができる。
【0029】
[第3の実施形態]続いて、図面を参照して第3の実施形態について詳細に説明する。
図4は本発明の第3の実施形態の電圧制御装置101の全体構成を説明するブロック図である。第3の実施形態の電圧制御装置101では、変復調LSI3から出力される監視信号42を制御部4へ入力している。それ以外は第2の実施形態と同じ構成である。
【0030】
監視信号42は、光信号31の入力状態および遮断状態に対応した2つの電圧レベルを有する信号である。光信号31が光電変換器2により、電気信号33に変換され、変復調LSI3に入力する。一般的に使用されている変復調LSI3は入力した電気信号33の状態を監視する信号を備えている。監視信号42は、例えば、電気信号の振幅値によって信号損失の有無を判定されるLOS(Loss−Of−Signal)がある。また、電気信号から復調に成功した信号のフレーム構成を所定の規格に則り正常に検出できているかの判定に用いるOOF(Out−Of−Frame)、LOF(Loss−Of−Frame)、LOL(Loss−Of−Lock)などがある。ここで、光信号31が遮断状態(電気信号33が非導通状態)の場合に監視信号42の電圧レベルを高く一定とし、光信号31が入力状態(電気信号33が導通常体)の場合に監視信号42の電圧レベルを低く一定とすることで、第2の実施形態の検知信号と同じ波形となる。検知信号として監視信号42を入力することで、第2の実施形態と同様に、変復調LSI3への供給電圧の変動を抑制することができる。また、既存の変復調LSI3が備えた監視信号を用いることで、光信号31の遮断状態、入力状態を検出する検出・判定部を別に用意する必要がない。なお、変復調器LSI3では、監視信号42以外にも様々な信号を出力することが可能である。つまり、上述した情報信号は変復調LSI3の監視信号42も含んでいる。
【0031】
また、第2の実施形態における検知信号および第3の実施形態における監視信号42を、光信号31が入力状態の場合に一定の低い電圧レベルとし、光信号31が遮断状態の場合に一定の高い電圧レベルとしたが、これに限るものではない。光信号31が入力状態の場合に一定の高い電圧レベルとし、光信号31が遮断状態の場合に一定の低い電圧レベルとしてもよい。
【0032】
[第4の実施形態]続いて、図面を参照して第4の実施形態について詳細に説明する。
図5は本発明の第4の実施形態の電圧制御装置102の全体構成を説明するブロック図である。第4の実施形態の電圧制御装置102では、光信号31の一部を分岐し、分岐した光信号34より入力状態および遮断状態を検出する信号を生成している。なお、上述の実施形態と同じ構成要件は同じ符号で表している。
【0033】
図5を参照すると、本発明の第4の実施形態の電圧制御装置102は、光電変換器2、変復調LSI3、微分信号生成部5、検出・判定・制御部6、電圧変換部7、光分岐部8、および、光検知部9を備える。
【0034】
光分岐部8は光を分岐する機能を有する素子であり、ハーフミラー、ビームスプリッタ、導波路素子などである。光分岐部8により、光ファイバを伝送する光信号(光波形)31の一部を分岐し光信号34を取り出す。また、光分岐8を通過した光波を光信号32とする。
【0035】
光検知部9は、光信号を検知する検知部であり、光信号34を受光し、電気信号に変換する。この電気信号は、光信号34の入力状態および遮断状態に応じて、導通状態と非導通状態とに切り替わる。
【0036】
微分信号生成部5は微分回路を備えており、前述した電気信号の少なくとも一部の信号35を入力し微分信号38を出力する。微分信号38は信号35の電気波形を時間で微分した波形に相当し、その波形は導通状態、非導通状態の切り替わり(後述する
図6の81a、81b)の部分において急峻な立上り、立下りを備えた波形である。
【0037】
検出・判定・制御部6は、電圧変換部7が生成する目標電圧を制御する機能を有し、微分信号38と参照信号39とを入力し信号43を出力する。一定電圧レベル(±REF)である参照信号39と微分信号38とを比較して、参照信号39を超えた微分信号38を検出し、検出された信号に対応した信号43を出力する。ここで、「超えた」とは、REFの絶対値に対して微分信号38の信号レベルの絶対値が大きいことを意味しており、参照信号39のREFを超えることで光波形31、光波形32または光波形34が入力状態と遮断状態が切り替わったことを判定している。また、+REF(または−REF)の電圧レベルは微分信号38の最大値(または最小値)を基準として10〜20%と設定している。これにより、微分信号に含まれる電気的なノイズによる誤検出を防止しつつ、光信号の入力状態と遮断状態との切り替わりを早いタイミングで検出している。
【0038】
以上のように参照信号39を設定することにより、+REF(または−REF)を超えている微分信号38の急峻な立上り(または立下り)を緩和するために、目標電圧は同様の急峻な立上り(または立下り)を有している。また、目標電圧の最大値からの立下り(または最小値からの立上り)は、+REF(または−REF)を超えている微分信号38の立下り(または立上り)より緩やかである。変復調LSI3の消費電力の急激な減少(74a)、または、突発的増加(74b)の後、電圧変換部の出力電圧はピークから減少している。前述の目標電圧の立下がりを緩やかとしているのは、そのピーク後の減少を緩和するためである。
【0039】
また、信号43による目標電圧の立上り、立下りを具体的に説明すると以下のようになる。微分信号38の最大値への立上り(または最小値への立下り)の時間間隔と、目標電圧の最大値への立上り(または最小値への立下り)の時間間隔は同程度でとし、微分信号38の最大値からの立下り(または最小値からの立上り)の時間間隔より目標電圧の最大値からの立下り(または最小値からの立上り)の時間間隔が長くする。なお、微分回路の時定数を調整することで目標電圧の最大値からの立下り(最小値からの立上り)の時間間隔を調整している。結果として、微分信号38の急峻に変化している領域(電気信号33の導通状態と非導通状態との切り替わる領域)では、目標電圧の波形は鋸波状となる。
【0040】
次に
図6を参照して本発明の第4の実施形態の動作について説明する。
図6は本発明の第4の実施形態の電圧制御装置の動作を説明する図である。
図6では、光電変換器2へ入力する光信号32、変復調LSI3の消費電流、微分信号生成部5から出力される微分信号38、検出・判定・制御部6から出力する信号43によって定められる目標電圧および電圧変換部7の出力電圧の時間変化を示しており、紙面上縦方向の2点鎖線は5つのグラフ上の同時刻を示している。なお、
図6の光信号32、変復調LSI3の消費電流の時間変化のグラフは、
図10の光信号211、変復調LSI203の消費電流のグラフと同じである。また、
図10と同様に、光電変換器2へ入力する光信号32の入力状態(光入力パワーp1)と遮断状態(光入力パワー0)との切り替えが、変復調LSI3へ入力される電気信号33の導通状態と非導通状態との切り替えに対応している。なお、光信号32の入力状態に対応した電気信号33の導通状態は、一定の電圧レベルを有している。また、光信号32の遮断状態に対応した電気信号33の非導通状態は、導通状態より低い一定の電圧レベルを有している。すなわち、電気信号33は所定の電圧差を有し、その電圧差の上位レベルが導通状態であり、下位レベルが非導通状態に対応している。
【0041】
図6を参照して、参照信号39の一定電圧レベル−REF86fを微分信号38の信号レベルが超える時刻に目標電圧を立下げるように制御する。微分信号38の最小値86aが目標電圧の最小値87aに対応する。また、参照信号39の一定電圧レベル+REF86eを微分信号38の信号レベルが超える時刻に目標電圧を立上げるように制御する。微分信号38の最大値86bが目標電圧の最大値87bに対応する。ここで、目標電圧の最大値87bから立下り終える時刻は、変復調LSI3の消費電力の突発的増大(74b)よりも時間的に遅れた時刻とする。つまり、予め突発的増大(74b)の時間間隔Aを見積もり、変復調LSI3の消費電流が低下した状態(74c)から急激な増加への切り替わり時刻から時間間隔Aだけシフトさせた時刻よりも遅れて立下り終える時刻を設定する。電圧変換部の出力電圧の変動がピークを迎えた後に減少している。前述の設定時刻を遅らせているのは、その減少過程における出力変動を緩和するためである。なお、変調器LSI3の消費電流が低下した状態(74c)から急激な増加への切り替わり時刻と目標電圧の最大値87bへ向かう立上りの時刻とは一致しないものの、ほぼ同時刻である。従って、目標電圧の最大値87bから立下り終える時刻を上述のように設定することで、実用上問題ない。
【0042】
言い換えると、本実施形態の目標電圧は次のよう設定される。
図10の電圧変換部7の出力電圧の増大(63a)に対応して、電圧変換部7の目標電圧を立下り−最小値(87a)−立上りの波形変化のようにシフトさせる。また、
図10の電圧変換部7の出力電圧の減少(63b)に対応して、電圧変換部7の目標電圧を立上り−最大値(87b)−立下りの波形変化のようにシフトさせる。結果として、電圧変換部7の出力電圧の波形は
図6の最下段のグラフのようになる。つまり、電圧変換部7の出力電圧の突発的な変化が発生しても、その変化に応じて目標電圧をシフトさせることで、出力電圧を収束できる(88a、88c、88b、88d)。これにより、変復調LSI3への供給電圧の変動を抑制することができる。また、電圧変換部7の出力電圧の突発的に変化する時間にのみ目標電圧をシフトさせるので、常時、変調LSI3の最適動作電圧の近傍に電圧変換部7の出力電圧を収束することができる。なお、本実施形態の微分信号38は
図5に示すように信号35を1次微分した信号となっているが、それに限るものではなく、2次微分した信号またはそれ以上の微分した信号でもよい。
【0043】
[第5の実施形態]続いて、図面を参照して第5の実施形態について詳細に説明する。
図7は本発明の第5の実施形態の電圧制御装置103の全体構成を説明するブロック図である。第4の実施形態の電圧制御装置102では光信号31を光の状態で分岐し、分岐した光を光電変換した後に微分信号生成部5入力している。一方、第5の実施形態の電圧制御装置103では、光電変換器2によって変換された電気信号33の一部を分岐し、分岐した信号40を微分信号生成部5に入力している。つまり、光電変換器2は上述した実施形態での作用に加え、第4の実施形態の光検知部9と同じ作用も併せて備えている。以上の構成が異なるが、それ以外は第4の実施形態と同じ構成である。なお、第4の実施形態と同じ構成要件は同じ符号で表している。
【0044】
信号40は第4の実施形態の信号35と同様であり、光信号31の入力状態および遮断状態に応じて、信号40は導通状態および非導通状態に切り替わる。従って、光信号および各種電気信号の動作は第4の実施形態と同様である。
【0045】
以上の構成を取ることで、変復調LSI3へ供給する電圧の変動を抑制することが可能である。また、光信号31を分岐することなく、微分信号生成部5へ入力する信号40を生成している。それによって、微弱な光信号31の一部から微分信号を生成するよりもノイズの少ない品質の高い微分信号38を生成することができ、結果として、電圧変換部7の出力電圧を一層安定して制御することができる。
【0046】
[第6の実施形態]続いて、図面を参照して第6の実施形態について詳細に説明する。
図8は本発明の第6の実施形態の電圧制御装置104の全体構成を説明するブロック図である。第6の実施形態の電圧制御装置104では、電圧変換部7の目標電圧をデジタル信号処理によって設定する。具体的には、第4の実施形態の微分信号生成部5、検出・判定・制御部6を、デジタルコントローラ10に取り込んでいる。また、光検知部9とデジタルコントローラ10の演算部10aとの間にAD変換器12を配置し、デジタルコントローラ10の電圧変換部制御部10dと電圧変換部7との間にDA変換器13を配置している。なお、上述の実施形態と同じ構成要件は同じ符号で表している。
【0047】
デジタルコントローラ10は、マイコン、FPGA(FIELD PROGRAMMABLE GATE ARRAY)、PLD(Programmable Logic Device)、DSP(Digital Signal Processor)などの集積回路であり、その内部に演算部10a、変復調LSI制御部10b、総合制御部10c、電圧変換部制御部10dを有している。
【0048】
AD変換器12は、光検知部9から出力される電気信号の少なくとも一部の信号35を入力し、デジタルモニター信号52へ変換して出力する。なお、信号35は光信号34の入力状態、遮断状態に対応したアナログ信号である。
【0049】
演算部10aは光信号31に応じて変化するデジタルモニター信号52を入力し、微分処理を行った信号を総合制御部10cへ出力することで、光信号の変動量を総合制御部10cに伝達する。
【0050】
総合制御部10cは演算部10aからの信号を入力し、その信号に基づいて変復調LSI3の消費電力の急激な変化の情報を変復調LSI制御部10bへ伝達する。それと共に、電圧変換部7の目標電圧を決定し、目標電圧の情報を電圧変換部制御部10dへ伝達する。
【0051】
変復調LSI制御部10bは、総合制御部10cから受取った情報と第3の実施形態で説明した監視信号42とに基づき、変復調LSI3の設定を変える信号51を変復調LSI3へ出力する。なお、変復調LSI制御部10bが総合制御部10cから情報の取得を開始する時刻は監視信号42から監視情報を取得する開始時刻より早く、変復調LSI制御部10bが総合制御部10cからの情報取得を終了する時刻は監視信号42から監視情報を取得する終了時刻より早い。2種類の情報取得に関わるタイミングを用い、信号51の設定変更情報のタイミングを生成する。また、信号51の入力により変復調LSI3は、光信号32が入力状態(電気信号33の導通状態)と遮断状態(電気信号33の非導通状態)との切り替わりで発生する消費電流の急激に変化を強制的に制御する。
【0052】
電圧変換部制御部10dは、総合制御部10cから受取った目標電圧の情報に基づき電圧変換部7の出力電圧を制御する信号53を出力する。
【0053】
DA変換器13は入力された信号53を、電圧変換部7から出力される目標電圧を制御する信号54へ変換して出力する。
【0054】
次に本発明の第6の実施形態の動作について説明する。光信号31と光信号32、34とは同じ波形であり、光電変換器2または光検知部9によって変換された電気信号33と信号35は光信号31に対応した電気波形である。具体的には、光信号31の入力状態は電気信号33、信号35の導通状態に対応し、光信号31の遮断状態は電気信号33、信号35の非導通状態に対応している。
【0055】
光信号31が入力状態(電気信号の導通状態)から遮断状態(電気信号の非導通状態)に切り替わると、コントローラ10がデジタルモニター信号52により遮断状態を検出する。これに基づいて、変復調LSI制御部10bからの信号51によって変復調LSI3の設定を変更し、消費電流が急激に変化しないように強制的に制御する。それと共に、電圧変換制御部10dからの信号53によってDA変換器13を通して電圧変換部7の目標電圧を下げる。電圧変換部7の出力電圧が安定したのち変復調LSI制御部10bからの信号51によって変復調LSI3の復調動作を完全停止させる。また、光信号31が遮断状態から入力状態に切り替わると、コントローラ10がデジタルモニター信号52により入力状態を検出する。これに基づき、変復調LSI制御部10bからの信号51によって変復調LSI3の設定を変更し、復調動作の開始をすぐに始めないように強制的に制御する。それと共に、電圧変換制御部10dからの信号53によってDA変換器13を通して電圧変換部7の目標電圧を上げる。電圧変換部7の出力電圧が安定したのち、変復調LSI制御部10bからの信号51によって変復調3の復調動作の強制停止を解除する。以上の動作では、復調動作開始シーケンス処理を低速に制御する。これにより、復調動作開始によって変復調LSI3に生じる消費電流の増加に対し、電圧変換部7の目標電圧値の変更が十分追従できる。結果として、復調開始動作に伴う電圧変換部7の電圧低下を高精度かつ最低限に抑制することができる。
【0056】
なお、第6の実施形態では、コントローラ10の演算部10aの前段にAD変換器12を、コントローラ10の電圧変換部制御部10dの後段にDA変換器13を電気的に接続するように配置しているが、これらをコントローラ10の中に組み込んでも良い。また、AD変換器12、DA変換器13を取り除いても良い。取り除いた場合、コントローラ10内ではデジタル信号での処理ではなく、アナログ信号での処理となる。その場合、アナログ信号を処理できる演算部、総合制御部、電圧変換部制御部、変復調LSI制御部を用いる。
【0057】
本発明は上記の実施形態に限定されることなく、実施形態を組合せてもよい。また、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
【0058】
この出願は、2012年9月25日に出願された日本出願特願2012−211107を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。