(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
半導体基板の第1領域に第1ゲート用パターンと第2ゲート用パターンを形成し、前記半導体基板の第2領域に、前記第1ゲート用パターンと前記第2ゲート用パターンの間隔より広い間隔で隣接する第3ゲート用パターンと第4ゲート用パターンを形成する工程と、
前記半導体基板、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート電極、及び、前記第4ゲート用パターンを覆う第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜のうち、前記第1領域上の部分を覆い、前記第2領域上の部分を露出させる第1のレジストを形成する工程と、
前記第1のレジストをマスクとして、前記第1の絶縁膜にイオン注入を行う工程と、
前記イオン注入を行う工程の後に、前記第1のレジストを除去する工程と、
前記第1のレジストを除去する工程の後に、前記第1の絶縁膜をエッチングにより除去する工程と、を備え、
前記第1の絶縁膜の前記エッチングのレートは前記イオン注入により低下すること
を特徴とする半導体装置の製造方法。
前記第1の絶縁膜を形成する工程の前に、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンの側壁にサイドウォールスペーサを形成する工程を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
前記第1の絶縁膜を形成する工程の前に、前記半導体基板、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンを覆う第2の絶縁膜を前記第1の絶縁膜とは異なる材料で形成する工程を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
前記半導体基板、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターン、及び、前記サイドウォールスペーサを覆う第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜を研磨して前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンを露出させる第1の研磨工程と、
前記第1の研磨工程の後に、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンを除去して第1の電極空間、第2の電極空間、第3の電極空間、及び、第4の電極空間を形成する工程と、
前記第1の電極空間、前記第2の電極空間、前記第3の電極空間、及び、前記第4の電極空間、及び、前記第3の絶縁膜を覆う金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を研磨して前記第3の絶縁膜を露出させるとともに、前記第1の電極空間、前記第2の電極空間、前記第3の電極空間、及び、前記第4の電極空間に残された前記金属を第1のゲート電極、第2のゲート電極、第3のゲート電極、及び、第4のゲート電極に適用する第2の研磨工程と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1〜
図7は、第1実施形態に係る半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
【0012】
次に、
図1(a)に示す構造を形成するまでの工程について説明する。
まず、半導体基板、例えばシリコン基板1の上部に、素子分離絶縁膜2としてシャロートレンチアイソレーション(STI)を形成し、これによりn型MISFET形成領域Iとp型MISFET形成領域IIを区画する。STIは、シリコン基板1の上部に形成された溝内に絶縁膜を埋め込んだ構造を有している。その後に、シリコン基板1のうちn型MISFET形成領域Iとp型MISFET形成領域IIのそれぞれにp型、n型不純物をイオン注入することによりPウェル1pとNウェル1nを形成する。p型、n型不純物のイオン注入の打ち分けはレジストパターンを使用して行われる。
【0013】
続いて、シリコン基板1の上に、ゲート絶縁膜3、ポリシリコン膜4、ハードマスク膜5を順に形成する。ゲート絶縁膜3としては、二酸化シリコンを形成してもよいし、それより高誘電率の絶縁膜を形成してもよい。また、ハードマスク膜5として例えば窒化シリコン膜を形成する。
【0014】
その後に、Pウェル1p、Nウェル1nのそれぞれの上方のハードマスク膜5の上にゲート電極形状のレジストパターン(不図示)を形成する。その後、レジストパターンをマスクに使用し、ハードマスク膜5からゲート絶縁膜3までをエッチングする。これによりパターニングされたポリシリコン膜4は、Pウェル1pの上方においてゲート電極形状の第1〜第4のゲート用パターン4a〜4dとして使用される。同時にパターニングされたポリシリコン膜4は、Nウェル1nの上方においてゲート電極形状の第5〜第8のゲート用パターン4e〜4hとなる。第1、第2のゲート用パターン4a、4bと第5、第6のゲート用パターン4e、4fは、互いの間隔が狭く、異なる高密度領域IA、IIAに形成され、第3、第4のゲート用パターン4c、4dと第7、第8のゲート用パターン4g、4hは、それぞれ低密度領域IB、IIBに形成される。高密度領域IA、IIAにおけるゲート用パターンの間隔は、低密度領域IB、IIBにおけるゲート用パターンの間隔より狭くなっている。
【0015】
n型MISFET形成領域Iにおいて、第2、第3及び第4のゲート用パターン4b、4c、4dの互いの間隔は、第1、第2のゲート用パターン4a、4bの間隔よりも広く形成されている。また、第p型MISFET形成領域IIにおいて、第6、第7及び第8のゲート用パターン4f、4g、4hの互いの間隔は、第5、第6のゲート用パターン4e、4fの間隔よりも広く形成されている。第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hの上にはハードマスク膜5a〜5hが積層され、また、第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hとシリコン基板1の間にはそれぞれゲート絶縁膜3a〜3hが挟まれた状態となる。
【0016】
次に、シリコン基板1の上に窒化シリコン膜をCVD法により形成し、第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hを覆う。その後に窒化シリコン膜をエッチバックすることにより、
図1(b)に示すように第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hの側面に残し、それらを絶縁性のオフセットスペーサ6a〜6hとして使用する。
【0017】
次に、
図1(c)に示す構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、シリコン基板1の上に、酸化シリコン膜(不図示)を形成し、その後にn型MISFET形成領域Iの酸化シリコン膜をレジストパターン(不図示)で覆う。続いて、p型MISFET形成領域IIで露出した酸化シリコン膜をウエットエッチングにより選択的に除去する。この後、レジストパターンを除去する。
【0018】
この後に、n型MISFET形成領域I上の酸化シリコン膜(不図示)、第5〜第8のハードマスク膜5e〜5h及びオフセットスペーサ6e〜6hをマスクに使用し、p型MISFET形成領域IIで露出するシリコン基板1を選択的にエッチングする。これにより、シリコン基板1のうち第5〜第8のゲート用パターン4e〜4hの両側方の領域に溝1a〜1eを形成する。その後に、溝1a〜1e内にホウ素(B)がドープされたシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む第1〜第5の半導体層7a〜7eをCVD法により選択成長する。第1〜第5の半導体層7a〜7eは、シリコン基板1とゲート絶縁膜3e〜3hの界面より高く突出して形成され、さらに、第5〜第8のゲート用パターン4e〜4hの下方のシリコン基板1のチャネル領域に圧縮歪みを加える。その後に、n型MISFET形成領域Iの酸化シリコン膜(不図示)をウエットエッチングにより選択的に除去する。
【0019】
この後に、n型MISFET形成領域Iにおいてハードマスク膜5a〜5dとオフセットスペーサ6a〜6dをマスクに使用して、n型MISFET形成領域Iのシリコン基板1にn型不純物として例えば砒素又は燐をイオン注入する。これにより、Pウェル1pのうち第1〜第4のゲート用パターン4a〜4dの両側方にn型エクステンション領域8a〜8eを形成する。さらに、p型MISFET形成領域IIにおいてハードマスク膜5e〜5hとオフセットスペーサ6e〜6hをマスクに使用して、p型MISFET形成領域IIのシリコン基板1にp型不純物として例えばホウ素をイオン注入する。これにより、Nウェル1nのうち第5〜第8のゲート用パターン4e〜4hの両側方にp型エクステンション領域10a〜10eを形成する。なお、p型不純物とn型不純物の打ち分けは、イオン注入しない領域をレジストパターン(不図示)で覆うことにより行われる。これにより、
図1(c)に示す構造が形成される。
【0020】
次に、シリコン基板1の上に窒化シリコン膜をCVD法により形成し、第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hとシリコン基板1の表面を覆う。その後に、窒化シリコン膜をエッチバックすることにより第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hの側面のオフセットスペーサ6a〜6hの上に残し、
図2(a)に示すように、絶縁性のサイドウォールスペーサ12a〜12hとして使用する。
【0021】
その後に、
図2(b)に示すようにp型MISFET形成領域IIのシリコン基板1、サイドウォールスペーサ12e〜12h等をレジストパターン16により覆う。続いて、n型MISFET形成領域Iにおいてハードマスク膜5a〜5dとサイドウォールスペーサ12a〜〜12dをマスクに使用して、n型MISFET形成領域Iのシリコン基板1にn型不純物、例えばヒ素をイオン注入する。これにより、Pウェル1pのうち第1〜第4のゲート用パターン4a〜4dの両側方にn型ソース/ドレイン領域9a〜9eを形成する。なお、上記の第1〜第5の半導体層7a〜7eは、p型ソース/ドレイン領域11a〜11eとして使用される。
【0022】
次に、
図2(c)に示すように、シリコン基板1表面、第1〜第5の半導体層7a〜7e、サイドウォールスペーサ12a〜12h、ハードマスク膜5a〜5hの上に、積層構造のSMT絶縁膜として酸化シリコン膜14と窒化シリコン膜15をCVD法により形成する。この場合、窒化シリコン膜15は、第1〜第4のゲート用パターン4a〜4dの下方のチャネル領域に引っ張り歪みを生じさせる条件で形成され、その厚さを例えばハードマスク膜5a〜5hの上で数nm〜数十nm程度、例えば約30nmにする。また、酸化シリコン膜14は、窒化シリコン膜15からシリコン基板1に与える歪みを減衰しないように窒化シリコン膜15よりも薄く形成される。窒化シリコン膜15の膜厚分布は不均一となる。例えば、第1、第2のゲート用パターン4a、4bの間の狭い領域と第5、第6のゲート用パターン4e、4fの間の狭い領域には窒化シリコン膜15が埋め込まれ、第3、第4のゲート用パターン4c、4dの間や第7、第8のゲート用パターン4g、4hの間などの広い領域よりも厚く形成される。
【0023】
次に、
図3(a)に示すように、n型エクステンション領域8a〜8e、n型ソース/ドレイン領域9a〜9e、p型エクステンション領域10a〜10e、p型ソース/ドレイン領域11a〜11eにおける不純物を活性化するためにシリコン基板1に活性化アニール(熱処理)を施す。活性化アニールとして、例えば1000℃以上のスパイク高速アニール(RTA)又はミリセックアニールを採用する。このアニールによれば、不純物の活性化と同時に窒化シリコン膜15が加熱され、収縮し、さらに窒化シリコン膜15の応力がn型MISFET形成領域Iのn型ソース/ドレイン領域9a〜9eに転写される。これにより、シリコン基板1における第1〜第4のゲート用パターン4a〜4dの下方のチャネル領域には引っ張り歪みが加わる。なお、p型MISFET形成領域IIでは、p型ソース/ドレイン領域11a〜11eの表面がチャネル領域表面より高くなっているため、チャネル領域への引っ張り応力の印加は抑制され、第1〜第5の半導体層7a〜7eからなるp型ソース/ドレイン領域11a〜11eが第5〜第8のゲート用パターン4e〜4hの下方のチャネル領域に圧縮歪みを加える。
【0024】
この後に、窒化シリコン膜15を除去する。高温でアニールされた窒化シリコン膜15は、アニールされない場合に比べてエッチングレートが小さく、しかも、CVD法により形成される窒化シリコン膜15は、第1、第2のゲート用パターン4a、4b間のような狭い領域では、間隔が広く配置される第3、第4のゲート用パターン4c、4dの相互間の領域に比べて厚く形成される。従って、窒化シリコン膜15の全てをアニール後のそのままの状態でエッチングすると、窒化シリコン膜15の薄い領域では厚い領域に比べてエッチングが早期に終了するので、その下の薄い酸化シリコン膜14も過剰にエッチングされて除去されてしまう。窒化シリコンのエッチャントは、酸化シリコンに対するエッチングレートが窒化シリコンに対するエッチングレートよりも小さいが、酸化シリコンもエッチングする性質を有するからである。この対策として、酸化シリコン膜14を厚く形成することも考えられるが、窒化シリコン膜15からシリコン基板1に加わる応力が厚い酸化シリコン膜14によって弱められてしまう。そこで、窒化シリコン膜15を次のような方法により除去する。
【0025】
まず、窒化シリコン膜15の上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像等することにより、
図3(b)に示すようなレジストパターン17を形成する。レジストパターン17は、第1、第2のゲート用パターン4a、4bの上とそれらの間の領域と、第5、第6のゲート用パターン4e、4fの上とそれらの間の領域のそれぞれを覆う形状を有している。この場合、第1、第2のゲート用パターン4a、4bの間と、第5、第6のゲート用パターン4e、4fの間の領域のように間隔の狭いゲート用パターン間の窒化シリコン膜15だけを覆うレジストパターン17の形状としてもよい。
【0026】
続いて、レジストパターン17をマスクに使用し、エッチングレート調整用不純物、例えば炭素を窒化シリコン膜15にイオン注入する。炭素のイオン注入条件として、その下方の酸化シリコン膜14とシリコン基板1に炭素が実質的に注入されない条件に設定する。この場合、イオン注入の加速エネルギー、ドーズ量は、窒化シリコン膜15の厚さにより調整され、例えばn型ソース/ドレイン領域9a〜9eの上の窒化シリコン膜15の厚さの中心又はそれより上の位置に濃度ピークが存在するように調整される。例えば、その厚さが30nm程度の場合に、加速エネルギーを1〜5keVとし、ドーズ量を1×10
14cm
−2以上に設定する。ついで、レジストパターン17を除去する。
【0027】
その後に、窒化シリコン膜15をウエットエッチングにより除去する。エッチング液として例えばリン酸を使用する。この場合、高温でアニールされた窒化シリコン膜15は、アニールされない状態に比べてエッチングレートが小さくなる。また、窒化シリコン膜15中に炭素をイオン注入した状態としない状態を比較すると、
図8に例示するように、炭素イオンを注入することにより時間当たりのエッチング量、即ちエッチングレートが低下していることがわかる。これにより、第1、第2のゲート用パターン4a、4bの相互間や第5、第6のゲート用パターン4e、4fの相互間の狭い領域におけるエッチング終了時間と、第2、第3及び第4のゲート用パターン4b、4c、4dの相互間や第6、第7及び第8のゲート用パターン4f、4g、4hの相互間の広い領域におけるエッチング終了時間とのバラツキを抑制することができる。
【0028】
従って、
図4(a)に示すように、n型、p型MISFET形成領域I、IIにおいては、窒化シリコン膜15が実質的に除去された状態で、サイドウォールスペーサ12a〜12h上の酸化シリコン膜14が残ることになる。換言すれば、窒化シリコン膜15の下の酸化シリコン膜14ができるだけ残っているように上記の炭素イオン注入条件が調整される。これは、酸化シリコン膜14とその下のサイドウォールスペーサ12a〜12hまでエッチングが進むと、n型、p型ソース/ドレイン領域9a〜9e、11a〜11eとゲート用パターン4a〜4hの互いの距離が縮まり、それらの上に後の工程で形成されるシリサイド層19a〜19jの相互間でリーク電流が発生する原因になるからである。また、上記のようにイオン注入された炭素の窒化シリコン膜15内の濃度のピークを中心かそれより上に位置させることにより、窒化シリコン膜15の底部がエッチングされ易くなり、窒化シリコン膜15のエッチング残渣が発生しにくくなる。この後に、
図4(b)に示すように酸化シリコン膜14をウェットエッチングにより除去する。この場合、エッチング液として例えばフッ酸を使用する。
【0029】
次に、
図5(a)に示す構造を形成する工程を説明する。まず、n型ソース/ドレイン領域9a〜9d、p型ソース/ドレイン領域11a〜11e、サイドウォールスペーサ12a〜12hの上に金属膜(不図示)、例えばニッケル膜を形成する。その後に、アニールによりn型ソース/ドレイン領域9a〜9eとp型ソース/ドレイン領域11a〜11eの表面にシリサイド層19a〜19jを形成する。その後に、金属膜を除去する。
【0030】
続いて、
図5(b)に示すように、シリコン基板1の上にコンタクトエッチストップ(CESL)層20を薄く形成し、これによりn型、p型ソース/ドレイン領域9a〜9e、11a〜11e等を覆う。CESL層20として、例えばn型ソース/ドレイン領域9a〜9eの間のチャネル領域に引っ張り歪みを与える窒化シリコン膜を形成する。なお、そのような歪みを与える窒化シリコン膜をp型ソース/ドレイン領域11a〜11eであるSiGeを含む半導体層7a〜7eの上に形成しても、その膜厚は薄いので、半導体層7a〜7eによってそれらの間のチャネル領域に加えられる圧縮歪みは殆ど低減しない。その後に、CESL層20の上に第1層間絶縁膜21として例えば酸化シリコン膜、不純物ドープ酸化シリコン膜などを形成する。
【0031】
次に、
図6(a)に示すように、第1層間絶縁膜21の上面を化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)法により平坦化し、さらにハードマスク膜5a〜5hを除去するまで研磨を進め、第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hの上面を露出させる。
【0032】
続いて、
図6(b)に示すように、第1層間絶縁膜21、第1〜第8のゲート用パターン4a〜4h等の上に、ハードマスク22として例えば窒化シリコン膜を形成した後に、これをパターニングしてn型MISFET形成領域Iから除去するとともにp型MISFET形成領域IIに残存させる。さらに、第1〜第4のゲート用パターン4a〜4dを選択的に除去して電極空間23a〜23dを形成する。
【0033】
この後に、それらの電極空間23a〜23d内にゲート電極用の金属膜を形成する。その後に、第1層間絶縁膜21上の金属膜とハードマスク膜22をCMP法により除去する。これにより、
図6(c)に示すように、電極空間23a〜23d内に残された金属膜を第1〜第4のn側ゲート電極24a〜24dとして使用する。これにより。第1〜第4のn側ゲート電極24a〜24dと各々の両側のn型ソース/ドレイン領域9a〜9e等により第1〜第4のn型MISFET(n型MISトランジスタ)t
n1〜t
n4の基本構造が形成される。なお、第1〜第4のn型MISFETt
n1〜t
n4同士のうち隣接するトランジスタ同士はn型ソース/ドレイン領域9a〜9eを共有する。
【0034】
続いて、同様な方法により、
図7(a)に示すように、p型MISFET形成領域II内の第5〜第8のゲート用パターン4e〜4hを除去して凹部を形成し、それらの凹部内に第1〜第4のp側ゲート電極25a〜25dとして金属を埋め込む。これにより。第1〜第4のp側ゲート電極25a〜25dと各々の両側のp型ソース/ドレイン領域11a〜11e等により第1〜第4のp型MISFET(p型MISトランジスタ)t
p1〜t
p4が形成される。なお、第1〜第4のp型MISFETt
p1〜t
p4同士のうち隣接するトランジスタ同士はp型ソース/ドレイン領域11a〜11eを共有する。
【0035】
次に、
図7(b)に示す構造を形成するまでの工程について説明する。
まず、第1層間絶縁膜21、n側ゲート電極24a〜24d、p側ゲート電極25a〜25d等の上に第2層間絶縁膜28をCVD法により形成し、その後に第2層間絶縁膜28の上面をCMP法により平坦化する。第2層間絶縁膜28は、第1層間絶縁膜21と同じ材料から形成する。
【0036】
その後に、第2層間絶縁膜28、第1層間絶縁膜21をパターニングする。これにより、第1、第4のn型MISFETt
n1、t
n4のゲート電極24a、24dとn型ソース/ドレイン領域9a、9b、9d、9e表面のシリサイド層19a、19b、19d、19eの上にコンタクトホールを形成する。同時に、第1、第4のp型MISFETt
p1、t
p4のゲート電極25a、25dとp型ソース/ドレイン領域11a、11b、11d、11e表面のシリサイド層19f、19g、19i、19jの上にコンタクトホールを形成する。さらに、それらのコンタクトホール内に導電材を埋め込んで導電性プラグ29a〜29lを形成し、ゲート電極24a、24d、25a、25dとシリサイド層19a、19b、19d、19e、19f、19g、19i、19jに接続する。なお、第2層間絶縁膜28上に形成される導電性プラグ29a〜29j用の導電材はCMPにより除去される。その後、第2層間絶縁膜28上に多層配線構造を形成することにより半導体装置を形成する。
【0037】
以上のような工程によれば、複数のゲート用パターン4a〜4h、サイドウォールスペーサ12a〜12hの上とそれらの間に形成される窒化シリコン膜15の膜厚分布がゲート用パターン4a〜4h間の広さの違いにより不均一な場合に、薄い部分に炭素をイオン注入している。窒化シリコン膜15のエッチングレートは、炭素のイオン注入により小さくなるように変化するので、膜厚の違いによるエッチング終了の時差を縮小するかその時差を実質的に無くすことができる。これにより、窒化シリコン膜15の下の膜が窒化シリコン膜15のエッチャントによりエッチングされて除去されることを防止し、或いは劣化することを抑制することができる。
【0038】
ところで、上記の説明では、窒化シリコン膜15のうち薄く形成された部分に炭素をイオン注入してエッチングレートを遅くするようにしているが、イオン注入の元素は炭素に限られるものではなく、例えばホウ素を採用してもよい。しかし、絶縁膜である窒化シリコン膜15中に元素を注入すればエッチングレートが遅くなるとは限らない。例えば、
図8の一点鎖線に示すように、窒化シリコン膜の窒素含有量を増やすと、炭素の場合とは逆にエッチングレートが大きくなる。従って、膜厚の厚い領域に窒素をイオン注入することも考えられるが、イオン注入の有無によるエッチングレートの差は小さい。
【0039】
(第2の実施の形態)
図9〜
図13は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。なお、
図9〜
図13において、
図1〜
図7と同じ符号は同じ要素を示している。
【0040】
次に、
図9(a)に示す構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、第1実施形態と同様に、シリコン基板1のうち素子分離絶縁膜2により区画されたn型MISFET形成領域Iとp型MISFET形成領域IIの上に、ゲート絶縁膜3a〜3hを介して第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hを形成する。この場合、第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hのそれぞれの上には、第1実施形態と同様に、ハードマスク膜5a〜5hが積層され、それらの側壁には絶縁性のオフセットスペーサ6a〜6hが形成されている。
【0041】
続いて、シリコン基板1のうちn型MISFET形成領域Iをレジストパターン(不図示)により覆った状態でp型MISFET形成領域IIにp型不純物をイオン注入しp型エクステンション領域10a〜10eを形成する。その後、p型エクステンション領域10a〜10eを活性化アニールする。その後、レジストパターン(不図示)を除去する。
【0042】
続いて、
図9(b)に示すように、シリコン基板1のうちp型MISFET形成領域IIをレジストパターン41により覆った状態でn型MISFET形成領域Iにn型不純物をイオン注入しn型エクステンション領域8a〜8eを形成する。その後、レジストパターン41を除去する。
【0043】
次に、
図9(c)に示す構造を形成する工程を説明する。
まず、第1実施形態と同様な方法により、シリコン基板1上の第1〜第8のゲート用パターン4a〜4hの側方にサイドウォールスペーサ12a〜12hを形成する。その後に、シリコン基板1のうちp型MISFET形成領域IIをレジストパターン42により覆った状態でn型MISFET形成領域Iにn型不純物をイオン注入しn型ソース/ドレイン領域9a〜9eを形成する。その後、レジストパターン42を除去する。
【0044】
続いて、
図10(a)に示すように、シリコン基板1、サイドウォールスペーサ12a〜12h等の上に、第1実施形態と同様に、SMT絶縁膜の積層構造として酸化シリコン膜14と窒化シリコン膜15をCVD法により形成する。この場合、窒化シリコン膜15は、シリコン基板1のうち第1〜第4のゲート用パターン4a〜4dの下方のチャネル領域に引っ張り歪みを生じさせる条件で形成され、その厚さを例えばハードマスク膜5a〜5hの上で数nm〜数十nm程度、例えば約30nmにする。また、酸化シリコン膜14は、第1実施形態と同様に、窒化シリコン膜15よりも薄く形成される。
【0045】
次に、窒化シリコン膜15の上にフォトレジスト43を塗布し、これを露光、現像することにより、n型MISFET形成領域Iに残し、p型MISFET形成領域IIから除去する。この後に、
図10(b)に示すように、フォトレジスト43をマスクに使用してp型MISFET形成領域IIの窒化シリコン膜15及び酸化シリコン膜14をエッチングで除去する。その後に、フォトレジスト43を除去する。
【0046】
続いて、
図11(a)に示すように、n型MISFET形成領域Iの窒化シリコン膜15とp型MISFET形成領域IIのハードマスク膜5e〜5h、サイドウォールスペーサ12e〜12hをマスクに使用する。そして、第1実施形態と同様に、ハードマスク膜5e〜5h、サイドウォールスペーサ12e〜12hに覆われていない部分のシリコン基板1をエッチングして凹部を形成する。その後に、第1実施形態と同様に、凹部内にホウ素をドープしたSiGeを含む半導体層7a〜7eを形成する。半導体層7a〜7eはp型ソース/ドレイン領域11a〜11eとして使用される。
【0047】
次に、
図11(b)に示すように、n型エクステンション領域8a〜8e、n型ソース/ドレイン領域9a〜9eにおける不純物を活性化するために、第1実施形態と同様に、1000℃程度のアニールを行う。このアニールによれば、n型MISFET形成領域Iの窒化シリコン膜15の歪みがその下のシリコン基板1に加えられて引っ張りの歪みを与え、その状態を保持させる。なお、p型MISFET形成領域IIは、窒化シリコン膜15に覆われていないので、チャネル領域に引っ張りの歪みが加えられることはない。また、アニールされた窒化シリコン膜15はその前の状態に比べてエッチングレートが低下する。そこで、
図12(a)に示すように、シリコン基板1の上にフォトレジスト45を塗布し、これを露光、現像する。これにより、n型MISFET形成領域Iにおいて幅の狭い第1、第2のゲート用パターン4a、4bの間の領域とその両側のハードマスク膜5a、5bの上の領域をフォトレジスト45により覆う。同時に、p型MISFET形成領域IIのシリコン基板1、サイドウォールスペーサ12e〜12h等をフォトレジスト45により覆う。なお、フォトレジスト45から露出した部分は窒化シリコン膜15の薄い領域である。
【0048】
続いて、n型MISFET形成領域Iの窒化シリコン膜15のうちフォトレジスト45から露出した部分に、エッチングレート調整用元素として例えば炭素、ホウ素をイオン注入する。例えば、炭素のイオン注入条件は、第1実施形態と同様に設定する。この後に
図12(b)に示すように、フォトレジスト45を除去する。
【0049】
次に、シリコン基板1の上に、酸化シリコン膜18を形成し、その後にp型MISFET形成領域IIの酸化シリコン膜18をレジストパターン(不図示)で覆う。続いて、n型MISFET形成領域
Iで露出した酸化シリコン膜18をウエットエッチングにより選択的に除去した後、レジストパターンを除去する。これにより、
図13(a)に示すように、p型MISFET形成領域II上に酸化シリコン膜18が残される。酸化シリコン膜18の厚さは、n型MISFET形成領域
Iの酸化シリコン膜14の厚さよりも厚くなるように形成されている。
【0050】
次に、
図13(b)に示すように、ウエットエッチングによりn型MISFET形成領域Iの窒化シリコン膜15を除去する。この場合、エッチング液としてリン酸を使用する。この場合、第1実施形態と同様に、窒化シリコン膜15のうちイオン注入領域では、非注入領域に比べてエッチングレートが遅くなる。従って、膜厚の違いによる窒化シリコン膜15の部分的な過剰エッチング時間が短縮され、サイドウォールスペーサ12a〜12d上の酸化シリコン膜14が殆ど残される。一方、p型MISFET形成領域IIの酸化シリコン膜18は、窒化シリコン膜15に比べてエッチングレートが遅いので、p型MISFET形成領域IIに残る。
【0051】
これにより、酸化シリコン膜14、18の下のサイドウォールスペーサ12a〜12hの薄層化が抑制され、n型、p型ソース/ドレイン領域9a〜9e、11a〜11eとゲート用パターン4a〜4hの互いの距離の縮小化を防止でき、後に形成されるシリサイド層間でのリーク電流の発生が防止される。この場合、酸化シリコン膜14を厚く形成してサイドウォールスペーサ12a〜12dを保護することも可能であるが、窒化シリコン膜15からシリコン基板1への歪みの印加を弱め、トランジスタ特性を劣化させる。
【0052】
続いて、
図13(c)に示すように、酸化シリコン膜14、18を第1実施形態と同様に除去した後に、第1実施形態と同様な方法により、n型ソース/ドレイン領域9a〜9e、p型ソース/ドレイン領域11a〜11eのそれぞれの表層にシリサイド層19a〜19jを形成する。
【0053】
この後に、第1実施形態の
図5(b)、
図6、
図7に示すと同様に、第1層間絶縁膜21を形成し、さらに第1〜第4のゲート用パターン4a〜4dを金属膜に変えて第1〜第4のn側ゲート電極24a〜24dを形成する。さらに、第5〜第8のゲート用パターン4e〜4hを金属膜に変えて第5〜第8のp型用ゲート電極25aから25dを形成する。さらに、第2層間絶縁膜28を形成し、さらに導電性プラグ29a〜29lを形成するなど、多層配線構造を形成する工程などを経て半導体装置を完成させる。
【0054】
以上のような工程において、アニールによりシリコン基板1のn型MISFET形成領域Iに歪みを加える絶縁膜、即ち窒化シリコン膜15のうち薄く形成された領域に炭素をイオン注入している。従って、第1実施形態と同様に、窒化シリコン膜15において、イオン注入部分のエッチングレートが非注入部分のエッチングレートよりも小さくなるので、膜厚に違いがあってもエッチング終了時の差を縮小するか無くすことができる。このため、窒化シリコン膜15の下に形成される酸化シリコン膜14のエッチングが抑制され、さらに下のサイドウォールスペーサ12a〜12dの薄層化が防止される。これにより、n側ゲート電極24a〜24dとn型ソース/ドレイン領域9a〜9eの距離の縮小化が防止される。
【0055】
なお、窒化シリコン膜15のうちp型MISFET形成領域IIについては、アニールの前に除去されるので、膜厚分布に差があっても全体のエッチング速度が速いのでその下の酸化シリコン膜14のエッチングは抑制される。しかし、酸化シリコン膜14の厚さによっては窒化シリコン用エッチャントによりエッチングされることがある。この場合には、窒化シリコン膜15のうち膜厚の厚い第5、第6のゲート用パターン4e、4fの間の領域に埋め込まれた部分を除いて第1実施形態と同様な条件で炭素をイオン注入してもよい。
【0056】
ところで、上記の説明では、同一の窒化シリコン膜15の一部領域に炭素をイオン注入してエッチングレートを遅くするようにしているが、イオン注入の元素は炭素に限られるものではなく、第1実施形態と同様に例えばホウ素を採用してもよい。
【0057】
上記の第1、第2実施形態において、シリコン基板1上にゲート用パターン4a〜4h、サイドウォールスペーサ12a〜12hを形成した後に、ゲート用パターン4a〜4hを選択的に除去して凹部を形成した後に、凹部に金属を埋め込み、その金属膜によりゲート電極24a〜24d、25a〜25dを形成している。しかし、そのような置換ゲート工程を使用せずに、ポリシリコン膜からなるゲート用パターン4a〜4hをそのままゲート電極として使用してもよい。この場合、ゲート用パターン4a〜4h上のハードマスク膜5a〜5hの形成を省略し、ゲート電極の上にシリサイド層を形成する。また、置換ゲート工程を用いる場合には、ゲート用パターンとしてポリシリコン膜の他に、サイドウォールスペーサ12a〜12hに対して選択的にエッチングできる材料を使用してもよい。また、絶縁膜である窒化シリコン膜15への炭素等のイオン注入はアニール(熱処理)の前に行ってもよい。
【0058】
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈され、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができると理解される。
【0059】
次に、本発明の実施形態について特徴を付記する。
(付記1)半導体基板の第1領域に第1ゲート用パターンと第2ゲート用パターンを形成し、前記半導体基板の第2領域に、前記第1ゲート用パターンと前記第2ゲート用パターンの間隔より広い間隔で隣接する第3ゲート用パターンと第4ゲート用パターンを形成する工程と、前記半導体基板、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート電極、及び、前記第4ゲート用パターンを覆う第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜のうち、前記第1領域上の部分を覆い、前記第2領域上の部分を露出させる第1のレジストを形成する工程と、前記第1のレジストをマスクとして、前記第1の絶縁膜にイオン注入を行う工程と、前記イオン注入を行う工程の後に、前記第1のレジストを除去する工程と、前記第1のレジストを除去する工程の後に、前記第1の絶縁膜をエッチングにより除去する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンを形成する工程の前に、前記半導体基板の前記第1領域及び前記第2領域に、p型のイオンを注入する工程を更に備えることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)半導体基板の第1領域及び第2領域に、p型のイオンを注入する工程と、前記半導体基板の第3領域及び第4領域に、n型のイオンを注入する工程と、前記p型のイオンを注入する工程の後に、前記第1領域に第1ゲート用パターンと第2ゲート用パターンを形成し、前記第2領域に、前記第1ゲート用パターンと前記第2ゲート用パターンの間隔より広い間隔で隣接する第3ゲート用パターンと第4ゲート用パターンを形成する工程と、前記n型のイオンを注入する工程の後に、前記第3領域に第5ゲート用パターンと第6ゲート用パターンを形成し、前記第4領域に、前記第5ゲート用パターンと前記第6ゲート用パターンの間隔より広い間隔で隣接する第7ゲート用パターンと第8ゲート用パターンを形成する工程と、前記第5ゲート用パターン、前記第6ゲート用パターン、前記第7ゲート用パターン、及び、前記第8ゲート用パターンをマスクとして、前記第3領域及び前記第4領域の前記半導体基板をエッチングして溝を形成する工程と、前記溝にシリコンとゲルマニウムを含む半導体層を埋め込む工程と、前記半導体基板、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、前記第4ゲート用パターン、前記第5ゲート用パターン、前記第6ゲート用パターン、前記第7ゲート用パターン、前記第8ゲート用パターン、及び、前記半導体層を覆う第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜のうち、前記第1領域上の部分及び前記第3領域上の部分を覆い、前記第2領域上の部分及び前記第4領域上の部分を露出させる第1のレジストを形成する工程と、前記第1のレジストをマスクとして、前記第1の絶縁膜にイオン注入を行う工程と、前記第1のレジストを除去する工程と、前記第1のレジストを除去する工程の後に、前記第1の絶縁膜をエッチングにより除去する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記4)半導体基板の第1領域及び第2領域に、p型のイオンを注入する工程と、前記半導体基板の第3領域にn型のイオンを注入する工程と、前記p型のイオンを注入する工程の後に、前記第1領域に第1ゲート用パターンと第2ゲート用パターンを形成し、前記第2領域に、前記第1ゲート用パターンと前記第2ゲート用パターンの間隔より広い間隔で隣接する第3ゲート用パターンと第4ゲート用パターンを形成する工程と、前記n型のイオンを注入する工程の後に、前記第3領域に第5ゲート用パターンを形成する工程と、前記半導体基板、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、前記第4ゲート用パターン、及び、前記第5ゲート用パターンを覆う第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜のうち、前記第1領域及び前記第2領域を覆い、前記第3領域を開口する第1のレジストを形成する工程と、前記第1のレジストをマスクとして、前記第1の絶縁膜をエッチングして除去する工程と、前記第1のレジストを除去する工程と、前記第1の絶縁膜、及び、前記第5ゲート用パターンをマスクとして、前記半導体基板をエッチングして溝を形成する工程と、前記溝にシリコンとゲルマニウムを含む半導体層を埋め込む工程と、前記半導体層を埋め込む工程の後に、前記第1領域及び第3領域上を覆い、前記第2領域を開口させて前記第1の絶縁膜を露出させる第2のレジストを形成する工程と、前記第2のレジストをマスクとして、前記第1の絶縁膜にイオン注入を行う工程と、前記第2のレジストを除去する工程と、前記第2のレジストを除去する工程の後に、前記第1の絶縁膜をエッチングにより除去する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記5)前記第2のレジストを除去する工程の後、前記第1の絶縁膜をエッチングにより除去する工程の前に、前記第1の絶縁膜、前記半導体層、及び、前記第5ゲート用パターンを覆う第4の絶縁膜を前記第1の絶縁膜とは異なる材料で形成する工程と、前記第4の絶縁膜のうち、前記第3領域上の部分を覆い、前記第1領域上及び前記第2領域上の部分を露出させる第3のレジストを形成する工程と、前記第3のレジストをマスクとして、前記第4の絶縁膜をエッチングして除去する工程と、前記第3のレジストを除去する工程と、を更に備えることを特徴とする付記4に記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)前記第5ゲート用パターンを形成する前に、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程を更に備え、前記半導体層の表面の高さが、前記半導体基板と前記ゲート絶縁膜の界面の高さより高くなるように前記半導体層を埋め込むこと特徴とする付記3乃至付記5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)前記第1の絶縁膜及び前記半導体基板に第1の熱処理を施す工程を有することを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)前記第1の絶縁膜は、前記第1の熱処理を施すことにより収縮することを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)前記第1の絶縁膜を形成する工程の前に、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンをマスクとして、前記半導体基板の前記第1領域及び前記第2領域にn型のイオンを注入する工程を更に備えることを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)前記第1の絶縁膜を形成する工程の前に、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンの側壁にサイドウォールスペーサを形成する工程を更に備えることを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)前記第1の絶縁膜を形成する工程の前に、前記半導体基板、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンを覆う第2の絶縁膜を前記第1の絶縁膜とは異なる材料で形成する工程を更に備えることを特徴とする付記1乃至10のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)前記第1の絶縁膜を除去する工程の後に、前記半導体基板にシリサイド層を形成する工程と、前記シリサイド層を覆う第3の絶縁膜を形成する工程と、前記第3の絶縁膜の中に、前記シリサイド層に接触する導電性プラグを形成する工程を更に備えることを特徴とする付記1乃至11のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)前記半導体基板、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターン、及び、前記サイドウォールスペーサを覆う第3の絶縁膜を形成する工程と、前記第3の絶縁膜を研磨して前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンを露出させる第1の研磨工程と、前記第1の研磨工程の後に、前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンを除去して第1の電極空間、第2の電極空間、第3の電極空間、及び、第4の電極空間を形成する工程と、前記第1の電極空間、第2の電極空間、第3の電極空間、及び、第4の電極空間、及び、前記第3の絶縁膜を覆う金属膜を形成する工程と、前記金属膜を研磨して前記第3の絶縁膜を露出させるとともに、前記第1の電極空間、第2の電極空間、第3の電極空間、及び、第4の電極空間に残された前記金属を第1のゲート電極、第2のゲート電極、第3のゲート電極、及び、第4のゲート電極に適用する第2の研磨工程と、を更に備えることを特徴とする付記1乃至12のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)前記第1ゲート用パターン、前記第2ゲート用パターン、前記第3ゲート用パターン、及び、前記第4ゲート用パターンはシリコン膜から形成されたゲート電極であることを特徴とする付記1乃至13のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)前記第1の絶縁膜は、窒化シリコン膜であることを特徴とする付記1乃至14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)前記第1の絶縁膜への前記イオン注入は、炭素イオン又はホウ素イオンを注入することを特徴とする付記1乃至15のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)前記第1の絶縁膜への前記イオン注入により注入される元素の濃度ピークは前記第2領域において、前記第1の絶縁膜の厚さの中央か前記中央より上に位置することを特徴とする付記1乃至付記16のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。