特許第6032416号(P6032416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032416
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】レーザレーダ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20161121BHJP
   G01S 17/93 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   G01S7/481 A
   G01S17/93
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-269170(P2012-269170)
(22)【出願日】2012年12月10日
(65)【公開番号】特開2014-115182(P2014-115182A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107272
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 敬二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109140
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 研一
(72)【発明者】
【氏名】石川 亮太
【審査官】 三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−066101(JP,A)
【文献】 特開平06−109847(JP,A)
【文献】 特開2010−133828(JP,A)
【文献】 特開2012−173099(JP,A)
【文献】 特開2011−027747(JP,A)
【文献】 特開平11−326499(JP,A)
【文献】 特開平07−072239(JP,A)
【文献】 特開2010−060309(JP,A)
【文献】 特開平11−166969(JP,A)
【文献】 特開昭54−100750(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0224702(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48− 7/51
G01S 17/00−17/95
G01C 3/00− 3/32
G01B 11/00−11/30
G02B 26/10−26/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸に対して傾いた複数の反射面を備えた回転するポリゴンミラーと、
前記ポリゴンミラーの反射面を介して、対象物に向けて光束を出射する投光系と、
前記対象物からの反射光を、前記ポリゴンミラーの反射面を介して受光する受光系とを有し、
前記投光系と前記受光系の光軸は、前記反射面と交差した後に、互いに平行となるように配置されており、
前記受光系は、走査する角度範囲の中心を挟んで第1の受光部と第2の受光部とを有し、
前記ポリゴンミラーが第2の角度範囲にある時に、前記投光系から出射され、前記対象物から反射した光束を、前記ポリゴンミラーの一つの反射面で反射して、前記第1の受光部で検出可能であるとともに、前記投光系から出射され、前記対象物とは別の対象物から反射した光束を、前記ポリゴンミラーの別の反射面で反射して、前記第2の受光部で検出可能であることを特徴とするレーザレーダ。
【請求項2】
前記ポリゴンミラーが前記第2の角度範囲とは異なる第1の角度範囲にある時に、前記投光系から出射され、前記対象物から反射した光束を、前記ポリゴンミラーの同じ反射面で反射して、前記第1の受光部及び前記第2の受光部で検出することを特徴とする請求項に記載のレーザレーザ。
【請求項3】
前記投光系からの出射光が前記ポリゴンミラーの単一の反射面にのみ入射し、前記対象物から反射され前記単一の反射面で反射された光束を前記第1の受光部のみが検出可能な前記ポリゴンミラーの角度範囲にあるとき、前記第1の受光部のみを有効とし、残りの受光部を無効とすることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザレーザ。
【請求項4】
前記投光系と前記受光系は、前記ポリゴンミラーに対して回転軸方向にシフトして配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレーザレーダ。
【請求項5】
前記ポリゴンミラーの複数の反射面は、前記回転軸に対して互いに異なる角度で傾斜していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレーザレーザ。
【請求項6】
車載用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザレーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光等を照射して物体を検出するレーザレーダに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物までの距離を測定する装置として、対象物に向かってレーザ光を出射するレーザ光源を含む投光光学系と、対象物に当たって反射したレーザ光の反射光を受光する受光光学系を用いたレーザレーダが知られている。
【0003】
このようなレーザレーダにおいて、レーザ光源を非常に短い時間、例えば10ns程度だけパルス状に発光させ、投光光学系を介して対象物に向けてレーザ光を出射すると、出射されたレーザ光は即座に対象物で反射され、受光光学系を介して受光素子で受光される。ここで、レーザ光の出射と受光の時間差は、レーザ光が対象物までの距離を往復する時間であるから、この時間差に光速を乗じ、2で除すれば対象物までの距離が得られることとなる。
【0004】
一般的なレーザレーダにおいて、投光系は、レーザーダイオードとコリメーターから構成されており、受光系は、受光レンズ(またはミラー)とフォトダイオードなどの光検出素子から構成されている。投光系と受光系との間には、ポリゴンミラーが配置され、ポリゴンミラーの回転によって、投光系から出射された光束を回転する反射面で走査して、対象物に照射し、反射する光を反射面で反射して受光系で受光することができる。このように、投光時と受光時にポリゴンミラーの同一反射面を使うことで、外乱光に強い構成を取ることが出来る(特許文献1参照)。又、特許文献2には、ポリゴンミラーの回転軸と投光系の光軸を平行に近い角度にして光を入射することで、歪曲収差を抑えることができる技術が開示されている。
【0005】
特に、車載用のレーザレーダは、障害物を事前に検知して車の最適な制動を行わせる用途で用いられるため、水平方向は広角な視野で障害物を検出することが求められる。しかし、受光光学系に広い視野を持たせると、外乱光の影響を受けやすくなり、SN比が低下するため好ましくない。
【0006】
これに対し特許文献3においては、出射光路を異なる方向に向けた2つの投光系より、
回転するポリゴンミラーに向かって2つの光束を出射し、1つの反射面で反射した一方の光束により、前方の略左側を走査するとともに、別の反射面で反射した他方の光束により、前方の略右側を走査することで、広範囲な走査範囲を得ることができるレーザレーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−197341号公報
【特許文献2】特開平09−274076号公報
【特許文献3】特開2010−71725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかるに、特許文献3のレーザレーダは、投光系を2つ設置する必要があり、構成のコンパクト化を図れず、コストも増大するが、特に車載用のレーザレーダでは問題となっている。
【0009】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、簡素な構成ながら、広い範囲で対象物を検出できるレーザレーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載のレーザレーダは、
回転軸に対して傾いた複数の反射面を備えた回転するポリゴンミラーと、
前記ポリゴンミラーの反射面を介して、対象物に向けて光束を出射する投光系と、
前記対象物からの反射光を、前記ポリゴンミラーの反射面を介して受光する受光系とを有し、
前記投光系と前記受光系の光軸は、前記反射面と交差した後に、互いに平行となるように配置されており、
前記受光系は、走査する角度範囲の中心を挟んで第1の受光部と第2の受光部とを有し、
前記ポリゴンミラーが第2の角度範囲にある時に、前記投光系から出射され、前記対象物から反射した光束を、前記ポリゴンミラーの一つの反射面で反射して、前記第1の受光部で検出可能であるとともに、前記投光系から出射され、前記対象物とは別の対象物から反射した光束を、前記ポリゴンミラーの別の反射面で反射して、前記第2の受光部で検出可能であることを特徴とする。
【0011】
例えば、単一の受光部を有する受光系を持つ従来のレーザレーダにおいて、対象物からの反射光を、ポリゴンミラーの反射面を介して受光部で受光する場合、ポリゴンミラーの反射面同士の境界(稜線)をまたいで反射光を受光する際に、いずれの反射面から受光した光かを分別できない。従って、対象物からの反射光が、ポリゴンミラーの反射面同士の境界をまたぐ位置では測定不能になるから、本来的に検出範囲が狭くなってしまうという問題がある。
【0012】
そこで、本発明の前記受光系では、走査する角度範囲の中心を挟んで両側に並べて複数の受光部を配置したのである。つまり、前記ポリゴンミラーの反射面上での受光光路を、投光光路を挟んで複数路に分けて配置することで、前記ポリゴンミラーの反射面同士の稜線を境に2つの方向にレーザ光が分かれた場合でも、障害物からの反射光を受光系側で適切に分離することが可能になる。
【0013】
例を挙げて、本発明の原理を説明する。比較例として、図1に示すように4つの側面が反射面であるポリゴンミラーPMと1つの投光系LP及び受光系LRを有するレーザレーダを考える。投光光路は実線で示し、受光光路は点線で示す。ポリゴンミラーPMは回転軸RO回りに回転するので、図1に示すように、1つの反射面MR1が正面(受光系LR側)を向いている角度位置の場合、受光系LRは、不図示の対象物から反射光を受光する。
【0014】
一方、図1の状態からポリゴンミラーPMが45度回転すると、図2に示すように、投光系LPから出射されたレーザ光がポリゴンミラーPMの反射面MR1,MR2の間の稜線BDを境に2面に当たるようになり、左右に分かれて投光されることとなる。その後、2つのレーザ光が異なる対象物に当たって反射するので、この2つの反射光は、レーザ光の当たった反射面MR1,MR2の2面でそれぞれ反射し、受光系LRの同じ受光部PDで受光することになる。しかるに、受光部PDから出力される信号は、異なる対象物から反射した2つの反射光の和に相当するので、いずれの障害物に対して検出を行ったのか判断できないのである。
【0015】
そこで、本発明では、複数の受光部を用いることで、2方向の測距可能にするのである。一例として、図3に示すように、4つの側面が反射面であるポリゴンミラーPMと、投光系LPと、2つの受光部PD1,PD2を有する受光系RPを設けるのである。2つの受光部PDを、ポリゴンミラーPMの反射面上でのレーザ光のスポットサイズよりも広く間隔を開けて配置した場合、図3に示すように、ポリゴンミラーPMを正面に向いた位置から45度回転させたとき、左側にある第1の受光部PD1は、反射面MR2で反射して右方向から戻ってくる対象物からの反射光を受光することなく、反射面MR1で反射して左方向から戻ってくる対象物の反射光のみ受光することができる。同様に、右側にある第2の受光部PD2は、反射面MR1で反射して左方向から戻ってくる対象物からの反射光を受光することなく、反射面MR2で反射して右方向から戻ってくる対象物の反射光のみ受光することができる。従って、単一の受光部では実現できなかった、反射面稜線近くまでポリゴンミラーPMが回転した際の検出が可能になるから、ポリゴンミラーPMの角度位置にかかわらず、対象物の測距が可能になり、広い走査範囲で対象物を走査検出できることとなる。
【0016】
更に、本発明によれば、2方向にレーザ光が反射されない場合でも有効である。例えば、図4に示すように、ポリゴンミラーPMを正面に向いた位置から約30度回転させたとき、投光系LPからの出射光は、反射面MR1のみに反射して1方向に向かうが、受光部が1つのみであると、レーザ光の当たった反射面MR1に隣接する反射面MR2から、太陽光や車のヘッドライトなどの背景光を受光する恐れがあり、これによりノイズが増えることになるが、本発明によれば、2つの受光部を用いることで、投光系LPから出射した光が単一の反射面MR1にのみ入射する、ポリゴンミラーPMの角度範囲では、一方の受光部のみを有効とし、残りを無効とすることで、ノイズの影響を抑えることができる。
【0017】
受光部は最低限2組あれば有効になる。受光部が多くなるほど部品点数が多くなり、信号管理が複雑になったり、各受光部の位置調整を行なうためコストアップするという課題はあるが、受光部を増やすことで分解能が上がる。特に、3つ以上の受光部を有する場合でも同様に、受光部を走査する角度範囲の中心を挟んで両側に並べて配置することで、本発明の効果を発揮できる。受光部を多くすることで分解能が上がるため、角度ごとにどの受光部の出力を使うか細かく決定することが出来る。ここで、「受光部」とは、受光量に応じた信号を独立して出力できるものをいい、同じ光検出器でも、光学系を複数持ち、異なる光学系を通した受光位置で独立して信号を出力できるものは、複数の受光部を有するものとする。又、「前記投光系と前記受光系の光軸が、前記反射面と交差した後に、互いに平行となるように配置されている」とは、例えば前記投光系と前記受光系とが、前記反射面に対して前記ポリゴンミラーの回転軸方向にシフトして配置されていて、その光軸が回転軸に対して傾いている場合、又は元々回転軸に平行である場合の他、前記投光系と前記受光系の光軸をミラー等で折り曲げて、前記反射面と交差する際に回転軸と平行とする場合等であっても、前記反射面と交差した後に互いに平行となる限り、その配置は任意である。又、前記ポリゴンミラーの反射面を介して投光した光を、同じ前記ポリゴンミラーの反射面を介して受光できる範囲で、前記投光系と前記受光系の光軸が平行でなく角度差を持っていてもよい。ただし、受光面積を広げて受光することになるから、背景光を受光する範囲が多くなり、S/Nが悪化し、効率が悪くなる恐れがあるので、前記投光系と前記受光系の光軸は平行に近いことが好ましい。更に、「走査する角度範囲の中心」とは、前記投光系の光軸が前記ポリゴンミラーの反射面上で交差する点と、前記ポリゴンミラーの回転軸上で前記投光系の光軸が前記ポリゴンミラーの反射面で交差する点と同じ高さの点の、2点間の水平方向の角度をいうものとする。
【0019】
第2の角度範囲として、ポリゴンミラーPMの反射面の中心が、走査する角度範囲の中心面と重なる位置から、例えば−47度〜−40度、又は+40度〜+47度の範囲を定めたとき、図3に示すように、前記ポリゴンミラーPMが第2の角度範囲に回転すると、左側にある第1の受光部PD1は、反射面MR2で反射して右方向から戻ってくる対象物からの反射光を受光することなく、反射面MR1で反射して左方向から戻ってくる対象物の反射光のみ受光することができる。同様に、右側にある第2の受光部PD2は、反射面MR1で反射して左方向から戻ってくる対象物からの反射光を受光することなく、反射面MR2で反射して右方向から戻ってくる対象物の反射光のみ受光することができる。尚、「検出可能」とは、必ずしも検出することを意味せず、検出可能な位置に配置されていれば足りる。
【0020】
請求項に記載のレーザレーダは、請求項に記載の発明において、前記ポリゴンミラーが前記第2の角度範囲とは異なる第1の角度範囲にある時に、前記投光系から出射され、前記対象物から反射した光束を、前記ポリゴンミラーの同じ反射面で反射して、前記第1の受光部及び前記第2の受光部で検出することを特徴とする。
【0021】
後述する図6に示すように、第1の角度範囲として、ポリゴンミラーPMの反射面の中心が、走査する角度範囲の中心面と重なる位置から、例えば−40度〜+40度の範囲を定めたとき、前記ポリゴンミラーPMが第1の角度範囲に回転すると、同じ反射面からの反射光を受光部PD1,PD2が受光することができる。ポリゴンミラーPMが正面を向いているような場合は、2つの受光部PD1,PD2はともに、同方向の対象物の反射光を受光するため、受光部PD1,PD2からの出力結果を分離する必要が無い。2つの受光部PD1,PD2の出力を加算することで、受光光量が多くなり測定距離も長くすることが出来る。尚、第1の角度範囲と、第2の角度範囲は、以上の例には限られない。
請求項3に記載のレーザレーダは、請求項1又は2に記載の発明において、前記投光系からの出射光が前記ポリゴンミラーの単一の反射面にのみ入射し、前記対象物から反射され前記単一の反射面で反射された光束を前記第1の受光部のみが検出可能な前記ポリゴンミラーの角度範囲にあるとき、前記第1の受光部のみを有効とし、残りの受光部を無効とすることを特徴とする。
【0022】
請求項4に記載のレーザレーダは、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記投光系と前記受光系は、前記ポリゴンミラーに対して回転軸方向にシフトして配置されていることを特徴とする。
【0023】
これにより、レーザレーダの回転軸回りの部品配置を効率化し、コンパクト化を図れる。
【0024】
請求項5に記載のレーザレーダは、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記ポリゴンミラーの複数の反射面は、前記回転軸に対して互いに異なる角度で傾斜していることを特徴とする。
【0025】
前記ポリゴンミラーの複数の反射面の面角度が異なることで、反射面ごとの走査する角度が変わることになる。そのため4つの反射面を有するポリゴンミラーである場合、全ての面角度が異なることで、4つの走査ラインを得ることが出来る。それにより、垂直方向にも測定範囲が広がる。しかるに、反射面数を増やすことで、垂直方向は測定範囲を増やすことが出来る一方で、反射面数を増やすことにより面の境界間角度が小さくなるため、それに応じて水平方向の走査角が小さくなる傾向があるが、本発明のように受光系を配置することで、各面の走査角を広くとることが可能になる。
【0026】
請求項6に記載のレーザレーダは、請求項1〜5のいずれかの発明において、車載用であることを特徴とする。本発明のレーザレーダは、車載用として好適である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、簡素な構成ながら、広い範囲で対象物を検出できるレーザレーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】比較例のレーザレーダを示す図である。
図2】比較例のレーザレーダを示す図である。
図3】本発明の一例にかかるレーザレーダを示す図である。
図4】比較例のレーザレーダを示す図である。
図5】本実施の形態にかかるレーザレーダを車両に搭載した状態を示す概略図である。
図6】本実施の形態にかかるレーザレーダの概略構成図である。
図7】本実施の形態にかかるレーザレーダの概略構成図である。
図8】レーザレーダLRで走査する対象領域に対応する画面を示す図である。
図9】変形例にかかるレーザレーダの概略構成図である。
図10】別な変形例にかかるレーザレーダの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図5は、本実施の形態にかかるレーザレーダを車両に搭載した状態を示す概略図である。本実施の形態のレーザレーダLRは、車両1のフロントウィンドウ1aの背後、もしくはフロントグリル1bの背後に設けられている。
【0030】
図6は、本実施の形態にかかるレーザレーダLRの概略構成図であり、水平方向に沿ってみた図であり、図7は、レーザレーダLRを垂直方向に沿って下方より見た図である。構成要素の形状や長さ等、実際と異なる場合がある。ここで、レーザレーダLRのポリゴンミラーの回転軸方向であって鉛直方向をZ方向とし、Z方向に直交する方向をY方向及びX方向とする。レーザレーダLRは、例えば、レーザ光束を出射する半導体レーザLDと、半導体レーザLDからの発散光を平行光に変換するコリメートレンズCLと、コリメートレンズCLで平行とされたレーザ光を、回転する反射面により対象物OBJ側(図5)に向かって走査投光すると共に、走査投光された対象物OBJからの反射光を反射させるポリゴンミラーPMと、ポリゴンミラーPMで反射された対象物OBJからの反射光を集光する第1レンズLS1と、第1レンズLS1により集光された光を受光する第1の受光部としての第1フォトダイオードPD1と、対象物OBJからの反射光を集光する第2レンズLS2と、第2レンズLS2により集光された光を受光する第2の受光部としての第2フォトダイオードPD2とを有する。
【0031】
ここで、半導体レーザLDと、コリメートレンズCLとで投光系LPを構成し、第1レンズLS1と、第1フォトダイオードPD1と、第2レンズLS2と、第2フォトダイオードPD2とで受光系RPを構成する。これらは、ポリゴンミラーPMの回転軸ROに対して、正面側(車両前方方向)に配置され、且つ反射面に対して回転軸方向にシフトして、すなわち鉛直方向下方(上方でも良い)に配置されている。
【0032】
図7を参照して、投光系LPの光軸は、出射光束をポリゴンミラーPMの回転軸ROに平行に向けるように配置しており、つまり半導体レーザLDの出射面の法線は回転軸ROと平行である。又、受光系RPの2つの光軸も、回転軸ROと平行になるよう配置しており、つまり第1フォトダイオードPD1と第2フォトダイオードPD2の受光面の法線は、それぞれ回転軸ROと平行である。第1フォトダイオードPD1と第2フォトダイオードPD2は、走査する角度範囲の中心面PL(ここでは回転軸ROを含み車両前方方向を向いた面)を挟んで両側に、中心面PLから等距離で配置されているが、図7に示すように回転軸ROまでの距離は、互いに異ならせると良い。これにより、第1レンズLSと第2レンズLS2とを極力近づけることができる。但し、第1フォトダイオードPD1と第2フォトダイオードPD2を、回転軸ROから等距離に配置しても良い。但し、投光系LPと受光系RPの光軸は、反射面と交差した後に互いに平行となるように配置されている。
【0033】
ポリゴンミラーPMは、側面に複数の反射面MR1〜MR4を有しており、各反射面MR1〜MR4は、垂直方向に沿った回転軸ROに対してそれぞれ異なる角度で僅かに傾いている。
【0034】
なお、走査投光を行うための反射面を有するものとしてはポリゴンミラーが特に有効であるが、その他の走査デバイスを用いてもよい。
【0035】
次に、図5〜8を参照して、レーザレーダLRの測距動作について説明する。半導体レーザLDからパルス状に間欠的に出射された発散光は、コリメートレンズCLで平行光束に変換され、回転するポリゴンミラーPMを介して対象物OBJ側に走査投光される。
【0036】
図8は、ポリゴンミラーPMの回転に応じて、出射するレーザ光(ハッチングで示す)で、レーザレーダLRの検出範囲である画面G上を走査する状態を示す図である。ポリゴンミラーPMの反射面MR1〜MR4は、それぞれ回転軸ROに対して異なる角度で傾いており、レーザ光は対面する反射面MR1〜MR4にて順次反射することとなる。まず反射面MR1で反射したレーザ光は、ポリゴンミラーPMの回転に応じて、画面Gの一番上の領域LN1を水平方向に左から右へと走査される。次に、反射面MR2で反射したレーザ光は、ポリゴンミラーPMの回転に応じて、画面Gの上から二番目の領域LN2を水平方向に左から右へと走査される。次に、反射面MR3で反射したレーザ光は、ポリゴンミラーPMの回転に応じて、画面Gの上から三番目の領域LN3を水平方向に左から右へと走査される。次に、反射面MR4で反射したレーザ光は、ポリゴンミラーPMの回転に応じて、画面Gの最も下の領域LN4を水平方向に左から右へと走査される。これにより1画面の走査が完了する。そして、ポリゴンミラーPMが1回転した後、反射面MR1が戻ってくれば、再び画面Gの一番上からの走査を繰り返す。
【0037】
図6,7において、走査投光された光束のうち対象物OBJに当たって反射したレーザ光は、再びポリゴンミラーPMに入射して反射され、第1レンズLS1と第2レンズLS2により集光され、それぞれ第1フォトダイオードPD1と第2フォトダイオードPD2の受光面で検知されることとなる。
【0038】
ここで、図6,7に示すように、回転するポリゴンミラーPMのうち1つの反射面MR1がほぼ正面に向いたとき(第2の角度範囲として中心面PLに対し反射面の中心が重なる位置から±40度)は、対象物OBJに当たって反射したレーザ光は、再びポリゴンミラーPMの同じ反射面MR1で反射して、第1レンズLS1と第2レンズLS2により集光され、それぞれ第1フォトダイオードPD1と第2フォトダイオードPD2の受光面に入射するので、第1フォトダイオードPD1と第2フォトダイオードPD2の出力の和を用いて、対象物OBJまでの距離を演算する。
【0039】
一方、図3に示すように、ポリゴンミラーPMの2つの反射面MR1、MR2の境界BD付近に、半導体レーザLDからの出射光が当たるような角度位置(第1の角度範囲として中心面PLに対し反射面の中心が重なる位置から−47度〜−40度、又は+40度〜+47度)にポリゴンミラーPMが回転したときは、測距したい対象物OBJに当たって反射したレーザ光は、ポリゴンミラーPMの反射面MR1(又はMR2)でのみ反射するので、第1レンズLS1を介して受光面に集光した第1フォトダイオードPD1の出力のみを用いて、対象物OBJまでの距離を演算する。この場合、第2レンズLS2を介して第2フォトダイオードPD2の受光面に集光した光はノイズとなるからであり、第2フォトダイオードPD2の出力を無視することで、高精度な測定を行うことができる。
【0040】
尚、投光系LP、受光系RPの光軸は、図9に示すように、ポリゴンミラーPMの回転軸ROに対して傾いていても良い。図9(a)の例では、投光系LPの光軸LPXと、受光系RP(1つのみ図示)の光軸RPXは、その延長線がポリゴンミラーPM上方で回転軸ROに近づくような配置となっている。一方、図9(b)の例では、投光系LPの光軸LPXと、受光系RP(1つのみ図示)の光軸RPXは、その延長線がポリゴンミラーPM上方で回転軸ROから離れるような配置となっている。
【0041】
更に、図10に示す例では、半導体レーザLDとコリメートレンズCLとの間にミラーM1を設けて、光軸を90度折り曲げており、第1レンズLS1(紙面垂直方向に重なる第2レンズLS2)と第1フォトダイオードPD1(紙面垂直方向に重なる第2フォトダイオードPD2)との間に、ミラーM2を設けて光軸を90度折り曲げている。この例でも、反射面MR1と交差する投光系LP及び受光系RPの光軸は、回転軸ROと平行である。それ以外の構成は上述した実施の形態と同様である。
【0042】
本発明は、明細書に記載の実施例に限定されるものではなく、他の実施例・変形例を含むことは、本明細書に記載された実施例や思想から本分野の当業者にとって明らかである。明細書の記載及び実施例は、あくまでも例証を目的としており、本発明の範囲は後述するクレームによって示されている。例えば、ポリゴンミラーは四角柱でなく、六角柱や八角柱であっても良い。又、レーザレーダLRは、車両の中央に限らず4隅に配置して、走査範囲の中心が進行方向に対して45度傾いた範囲を走査するようにしても良い。これにより、更に広範囲の対象物を走査できる。更に、ポリゴンミラーの回転軸が必ずしも地面に対して垂直になっていなくてもよく、図9に示す光軸のように中心面PL方向に傾いていても良く、受光光学系はレンズの他に、ミラーを用いて集光してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 車両
1a フロントウィンドウ
1b フロントグリル
BD 境界
CL コリメートレンズ
G 画面
LD 半導体レーザ
LN1−LN4 画面の領域
LP 投光系
LPX 投光系の光軸
LR レーザレーダ
LS1 第1レンズ
LS2 第2レンズ
MR1-MR4 反射面
M1、M2 ミラー
OBJ 対象物
PD1 第1フォトダイオード
PD2 第2フォトダイオード
PL 中心面
PM ポリゴンミラー
RO 回転軸
RP 受光系
RPX 受光系の光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10