特許第6032422号(P6032422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032422
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】光電気複合コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20161121BHJP
【FI】
   H01R13/46 D
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-14488(P2013-14488)
(22)【出願日】2013年1月29日
(65)【公開番号】特開2014-146508(P2014-146508A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2016年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】第一精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083909
【弁理士】
【氏名又は名称】神原 貞昭
(72)【発明者】
【氏名】大坂 純士
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−244803(JP,A)
【文献】 特開2014−096266(JP,A)
【文献】 特開2011−090898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のケーブルが夫々電気的に接続される複数のケーブル接続端子が配されたケーブル固定部,光電変換モジュールが配される光電変換モジュール収容部、及び、上記複数のケーブル接続端子の夫々の一部分が配列配置された相手方コネクタ装置との第1の連結部が設けられた絶縁ハウジングと、
第1の係合部を有し、上記絶縁ハウジングが固着される導電性シェルと、
上記第1の係合部に係合する第2の係合部を有し、上記絶縁ハウジングを挟んで上記導電性シェルと対向して配され、上記絶縁ハウジングを部分的に覆う導電性カバーと、
を備え、
上記光電変換モジュールが、該光電変換モジュールが電気的に接続される光電変換モジュール接続端子が設けられた基板に取り付けられて、該基板が上記光電変換モジュール収容部に配置されることによって上記光電変換モジュール収容部に配され、
上記光電変換モジュール収容部に配置された上記基板における上記光電変換モジュール接続端子の一部分が配された部分が、相手方コネクタ装置との第2の連結部を形成することを特徴とする光電気複合コネクタ装置。
【請求項2】
上記導電性シェルが、上記光電変換モジュール収容部に隣接して該光電変換モジュール収容部に配置された上記基板を当接支持する光電変換モジュール当接部を有することを特徴とする請求項1記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項3】
上記第1の連結部と上記第2の連結部とが、相互隣接して一連の連結部を形成することを特徴とする請求項1記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項4】
上記第1の連結部と上記第2の連結部とが、上記複数のケーブル接続端子及び上記光電変換モジュール接続端子の夫々の一端が配列配置された突出部を成すものとして形成されることを特徴とする請求項3記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項5】
上記第1の連結部と上記第2の連結部とが成す突出部が、先端傾斜面部を有することを特徴とする請求項4記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項6】
上記導電性シェルに上記光電変換モジュール収容部に露出するグラウンド接続部が設けられるとともに上記基板にグラウンド端子部が設けられ、上記基板が上記光電変換モジュール収容部に装着されるとき、上記グラウンド端子部が上記グラウンド接続部に接続されることを特徴とする請求項1記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項7】
上記グラウンド端子部が上記グラウンド接続部に半田付け接続されることを特徴とする請求項6記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項8】
上記グラウンド接続部が弾性切起し部を成すものとされて上記グラウンド端子部に弾性当接することにより、上記グラウンド端子部が上記グラウンド接続部に接触接続されることを特徴とする請求項6記載の光電気複合コネクタ装置。
【請求項9】
上記絶縁ハウジングが、上記ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部の夫々を構成する平板状部を有していて、上記導電性シェルが、上記平板状部に沿って拡がる部分を有しており、上記導電性シェルに対向せしめられた上記導電性カバーが、上記ケーブル固定部及び光電変換モジュール収容部を部分的に覆うものとされることを特徴とする請求項1記載の光電気複合コネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、導体ケーブルと光電変換モジュールとが装着されたもとで、例えば、ソリッド印刷配線基板等の主基板に配された相手方コネクタ装置との嵌合状態におかれ、導体ケーブル及び光電変換モジュールと相手方コネクタ装置が配された主基板との電気的接続を果す光電気複合コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波電気信号の伝送を行う場合、同軸ケーブルを用いることが広く普及しているが、同軸ケーブルに加えて光ファイバーケーブルを用いて高周波電気信号を伝送することも提案されている。光ファイバーケーブルを用いて高周波電気信号を伝送する際には、送り側において、光電変換モジュールによって伝送すべき高周波電気信号を光信号に変換し、変換された光信号を光ファイバーケーブルに供給して、光信号が光ファイバーケーブルを通じて伝送される状態となし、受け側において、光ファイバーケーブルを通じて伝送された光信号を光電変換モジュールによって高周波電気信号に変換することにより、伝送された高周波電気信号を得る。従って、高周波電気信号の伝送に用いられる光ファイバーケーブルの両端部の夫々には、光電変換モジュールが配されることになる。
【0003】
高周波電気信号の伝送に用いられる同軸ケーブルや同じく高周波電気信号の伝送に用いられる光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールが、ソリッド印刷配線基板等とされる主基板に高周波電気信号を供給すべく、あるいは、主基板から高周波電気信号の供給を受けるべく、当該主基板に電気的に接続されるにあたっては、一対のコネクタ装置が用いられることが多い。即ち、同軸ケーブルの装着、あるいは、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールの装着がなされたケーブル側コネクタ装置と、主基板に配されて主基板との電気的接続がなされ、ケーブル側コネクタ装置との嵌合状態におかれる基板側コネクタ装置とが用いられるのである。
【0004】
その際、ケーブル側コネクタ装置からみると、基板側コネクタ装置はケーブル側コネクタ装置にとっての相手方コネクタ装置となり、基板側コネクタ装置からみると、ケーブル側コネクタ装置は基板側コネクタ装置にとっての相手方コネクタ装置となる。そして、同軸ケーブルの装着、あるいは、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールの装着がなされたケーブル側コネクタ装置が、相手方コネクタ装置である主基板に配された基板側コネクタ装置に嵌合せしめられることにより、同軸ケーブル、あるいは、光ファイバーケーブルの端部に装着された光電変換モジュールが、主基板に電気的に接続された状態が得られる。
【0005】
このようなもとで、同軸ケーブルの主基板との電気的接続及び光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールの主基板との電気的接続を容易に行えるようにすべく、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールとの両者を一つのケーブル側コネクタ装置に装着し、そのケーブル側コネクタ装置を主基板に配された基板側コネクタ装置に嵌合させることが従来提案されている(例えば、特許文献1参照。)。斯かる従来の提案によれば、一つのケーブル側コネクタ装置を基板側コネクタ装置に嵌合させるだけで、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールとの両者を、主基板との電気的接続状態におくことができる。
【0006】
上述の特許文献1に記載されている、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールとの両者が装着されるケーブル側コネクタ装置 (コネクタ(31;32))にあっては、絶縁ハウジング(コネクタ本体(43)) が備えられている。そして、絶縁ハウジングには、配列配置された複数の同軸ケーブル(細径同軸ケーブル(24)) の夫々の端部が取り付けられるケーブル接続部(44)と光ファイバーケーブル(光ファイバ(25)) の端部に配される光電変換モジュール(光サブアセンブリ(52)) が取り付けられるファイバ接続部(45)が設けられている。また、絶縁ハウジングには、主基板(配線基板) に配された基板側コネクタ(レセプタクル(71)) に嵌合連結される連結部(接続部(42)) も設けられており、連結部には複数の接続端子(41)が配列配置されている。
【0007】
絶縁ハウジングに設けられたケーブル接続部には、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の端部が収容されるケーブル収容部(46)が形成されており、ケーブル収容部には、複数の接続端子から夫々伸びた複数の接点(47)が、同軸ケーブルの端部において露出せしめられた中心導体(24a) が半田付けされるものとして配置されている。また、ケーブル接続部には、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の外部導体(24b) に接続されたグラウンディングバー(グランドバー(49)) が固定される外部導体固定部(48)が形成されている。そして、ケーブル収容部に配された複数の接点の夫々に、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の端部において露出せしめられた中心導体が半田付けされるとともに、ケーブル接続部に形成された外部導体固定部に、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の外部導体に接続されたグラウンディングバーが固定されることにより、複数の同軸ケーブルの夫々が絶縁ハウジングに直接的に取り付けられて、ケーブル側コネクタ装置に装着されたものとされる。
【0008】
また、絶縁ハウジングに設けられたファイバ接続部には、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールを収容する収容部(51)が凹部を成すものとして形成されている。この凹部を成す収容部の底面には、連結部に配された接続端子から伸びた電気接続部(60)が配されており、収容部に収容された光電変換モジュールは電気接続部に接続される。そして、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールが、絶縁ハウジングに設けられたファイバ接続部に形成された凹部を成す収容部に収容されて固定され、収容部の底面に配された電気接続部に接続された状態に置かれることにより、絶縁ハウジングに直接的に取り付けられて、ケーブル側コネクタ装置に装着されたものとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−90898号公報(段落0015〜0040、第6〜9頁、図1〜9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の、例えば、特許文献1に記載された従来のケーブル側コネクタ装置にあっては、それが備える絶縁ハウジングに、複数の同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールとの両者が直接的に取り付けられる。即ち、絶縁ハウジングに、ケーブル収容部が形成されたケーブル接続部と、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールを収容する収容部が凹部を成すものとして形成されたファイバ接続部とが設けられており、ケーブル接続部におけるケーブル収容部に配された複数の接点の夫々に、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の端部において露出せしめられた中心導体が半田付けされるとともに、ケーブル接続部に形成された外部導体固定部に、配列配置された複数の同軸ケーブルの夫々の外部導体に接続されたグラウンディングバーが固定されることにより、複数の同軸ケーブルが絶縁ハウジングに直接に取り付けられ、また、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールが、ファイバ接続部における凹部を成す収容部に収容されて固定され、収容部の底面に配された電気接続部に接続された状態に置かれることにより、絶縁ハウジングに直接に取り付けられる。
【0011】
このようなもとで、光電変換モジュールは、半導体集積回路(IC)チップ等を内蔵していて、静電気作用等に起因する内部破壊や損傷を受け易い電気部品である。それゆえ、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールが、複数の同軸ケーブルとともに絶縁ハウジングに直接的に取り付けられるものとされる従来のケーブル側コネクタ装置にあっては、その組立工程において、光電変換モジュールに内部破壊や損傷が生じることがないように細心の注意を払うことが必要とされる。そのため、一連の組立作業の効率的進行に支障が来されるという不都合がまねかれる虞がある。
【0012】
また、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールが絶縁ハウジングに取り付けられた後に、絶縁ハウジングあるいは絶縁ハウジングに取り付けられた同軸ケーブルに電気的不導通等の不都合が生じた場合には、光電変換モジュールを伴った絶縁ハウジングの全体が破棄されることになり、再利用可能な光電変換モジュールが無駄に消費されてしまうという不都合が生じる。光電変換モジュールは、通常、比較的高価であるので、再利用可能な光電変換モジュールが無駄に消費されてしまう場合には、経済的損失も少なくない。
【0013】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールとの両者が装着されるケーブル側コネクタ装置として用いることができる光電気複合コネクタ装置であって、その組立工程における一連の作業を容易かつ効率的に進めることができ、しかも、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールが装着された後に、光電変換モジュールと共に装着された同軸ケーブルやその他の部分に電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、簡単で容易な操作によって光電変換モジュールの取外しを行うことができ、光電変換モジュールを無駄に消費することなく再利用することができるものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項9までのいずれかに記載された発明(以下、本発明という。)に係る光電気複合コネクタ装置は、複数のケーブルが夫々電気的に接続される複数のケーブル接続端子が配されたケーブル固定部,光電変換モジュールが配される光電変換モジュール収容部、及び、複数のケーブル接続端子の夫々の一部分が配列配置された相手方コネクタ装置との第1の連結部が設けられた絶縁ハウジングと、第1の係合部を有し、絶縁ハウジングが固着される導電性シェルと、第1の係合部に係合する第2の係合部を有し、絶縁ハウジングを挟んで導電性シェルと対向して配され、絶縁ハウジングを部分的に覆う導電性カバーとを備えて構成される。そして、光電変換モジュールが、それが電気的に接続される光電変換モジュール接続端子が設けられた基板に取り付けられ、その基板が、絶縁ハウジングに設けられた光電変換モジュール収容部に配置されることによって光電変換モジュール収容部に配され、光電変換モジュール収容部に配置された基板における光電変換モジュール接続端子の一部分が配された部分が、相手方コネクタ装置との第2の連結部を形成する。
【0015】
上述のように構成される本発明に係る光電気複合コネクタ装置は、ケーブル固定部に複数のケーブル接続端子が配された絶縁ハウジングが導電性シェルに固着され、また、光電変換モジュール接続端子が設けられた基板に光電変換モジュールが取り付けられて、その光電変換モジュールが光電変換モジュール接続端子に電気的に接続されたものとされたもとで、導電性シェルに固着された絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部への光電変換モジュールが取り付けられた基板の配置と、ケーブル固定部における複数のケーブル接続端子に、例えば、複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブルが夫々、例えば、半田付けにより電気的に接続されることによる、絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部への複数のケーブルの取付けと、導電性シェルが有する第1の係合部に第2の係合部を係合させ、絶縁ハウジングを挟んで導電性シェルと対向して絶縁ハウジングを部分的に覆うものとされる導電性カバーの配設とが行われて、コネクタ装置として組み立てられる。
【0016】
斯かる際、導電性シェルに固着された絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部への光電変換モジュールが取り付けられた基板の配置は、絶縁ハウジングを部分的に覆うものとされる導電性カバーの配設の前後のいずれかにおいて行われる。また、光電変換モジュールには、例えば、光ファイバーケーブルの一端部が連結され、それにより、光電変換モジュールが光ファイバーケーブルの端部に配されたものとされる。斯かる本発明に係る光電気複合コネクタ装置は、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールとの両者が装着されるケーブル側コネクタ装置として用いることができるものとなる。
【0017】
このようなもとで、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の一実施例においては導電性シェルが、絶縁ハウジングに設けられた光電変換モジュール収容部に隣接する光電変換モジュール当接部を有するものとされ、絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部に配置された光電変換モジュールが取り付けられた基板が、導電性シェルが有する光電変換モジュール当接部によって当接支持される。また、絶縁ハウジングに設けられた第1の連結部と光電変換モジュールが取り付けられて絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部に配置された基板の部分によって形成される第2の連結部とは、例えば、相互隣接して一連の連結部を形成するものとされる。さらに、第1の連結部と第2の連結部とによる一連の連結部が形成される実施例においては、第1の連結部と第2の連結部とは、複数のケーブル接続端子及び光電変換モジュール接続端子の夫々の一端が配列配置された突出部を成すものとして形成され、その突出部が、先端傾斜面部を有するものとされる。
【発明の効果】
【0018】
上述の本発明に係る光電気複合コネクタ装置にあっては、例えば、複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブルと、例えば、光ファイバーケーブルの端部に配されるものとされる光電変換モジュールと、の両者が装着されたものとされるにあたり、先ず、ケーブル固定部に複数のケーブル接続端子が配された絶縁ハウジングが導電性シェルに固着され、それとは別に、光電変換モジュール接続端子が設けられた基板に光電変換モジュールが取り付けられて光電変換モジュールが光電変換モジュール接続端子に電気的に接続されたものとされる。そして、斯かるもとで、光電変換モジュールが取り付けられた基板の、導電性シェルに固着された絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部への配置と、複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブルの、ケーブル固定部における複数のケーブル接続端子に、例えば、夫々半田付けにより電気的に接続されることによる、絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部への取付けと、導電性カバーの、導電性シェルが有する第1の係合部に第2の係合部を係合させ、絶縁ハウジングを挟んで導電性シェルと対向して絶縁ハウジングを部分的に覆うものとされての配設とが行われる。その結果、複数のケーブルがケーブル固定部に取り付けられるとともに、光電変換モジュールが光電変換モジュール収容部に配されて、複数のケーブルと光電変換モジュールとが装着された光電気複合コネクタ装置が組み立てられる。
【0019】
斯かる際、光電変換モジュールが取り付けられた基板の絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部への配置は、導電性カバーの絶縁ハウジングを挟んで導電性シェルと対向して絶縁ハウジングを部分的に覆うものとされての配設の前後のいずれかにおいて行われる。また、絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部に配置された光電変換モジュールが取り付けられた基板は、例えば、導電性シェルが有する光電変換モジュール当接部による当接支持を受ける。
【0020】
従って、本発明に係る光電気複合コネクタ装置にあっては、その組立工程において、予め光電変換モジュールが電気的に接続されて取り付けられた基板を、導電性シェルに固着された絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部に配置することによって、光電変換モジュールを光電変換モジュール収容部に配されたものとすることができる。それにより、光電変換モジュールに対して内部破壊や損傷が生じることがないようにする格別な注意を払うことなく、複数のケーブル及び光電変換モジュールの適正な装着を行うことができ、その結果、一連の組立作業を容易かつ効率的に進めることができることになる。
【0021】
さらに、光電変換モジュールが取り付けられた基板が、導電性シェルに固着された絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部に配置されることによって、光電変換モジュールが光電変換モジュール収容部に配された後に、絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部やそれに取り付けられた複数のケーブルに電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、光電変換モジュールを伴った装置全体を破棄することは必要とされず、光電変換モジュールが取り付けられた基板をそれが配置された絶縁ハウジングにおける光電変換モジュール収容部から分離させることにより、簡単で容易な操作によって一旦光電変換モジュール収容部に配された光電変換モジュールの取外しを行うことができ、その結果、光電変換モジュールを無駄に消費することなく再利用可能なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例を、それに装着された複数の同軸ケーブル及び光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板の一部分と共に示す斜視図である。
図2】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例を、それに装着された複数の同軸ケーブル及び光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板の一部分と共に示す平面図である。
図3】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例が備える導電性シェルを単体で示す斜視図である。
図4】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例が備える導電性シェルとそれに固着された絶縁ハウジングとを示す斜視図である。
図5】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例が備える導電性シェルとそれに固着された絶縁ハウジングとを示す平面図である。
図6】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例が備える光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板を示す上面側から見た斜視図である。
図7】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例が備える光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板を示す底面側から見た斜視図である。
図8】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例が備える導電性シェルとそれに固着された絶縁ハウジングと光電変換モジュ−ルが取り付けられて絶縁ハウジングにおける光電変換モジュ−ル収容部に配置された基板とを示す斜視図である。
図9】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例が備える導電性シェルとそれに固着された絶縁ハウジングと光電変換モジュ−ルが取り付けられて絶縁ハウジングにおける光電変換モジュ−ル収容部に配置された基板とを、絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部に取り付けられた複数の同軸ケーブル及び光電変換モジュ−ルの取り付けられた光ファイバーケーブルと共に示す斜視図である。
図10図2における X−X 線に沿う断面を示す断面図である。
図11】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例が嵌合せしめられる相手方コネクタを示す平面図である。
図12】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例が嵌合せしめられる相手方コネクタを示す正面図である。
図13】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例を、それに装着された複数の同軸ケーブル及び光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板の一部分と共に示す斜視図である。
図14】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例を、それに装着された複数の同軸ケーブル及び光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板の一部分と共に示す平面図である。
図15】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例が備える導電性シェルを単体で示す斜視図である。
図16】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例が備える導電性カバーをその内側から見たものとして単体で示す斜視図である。
図17】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例が備える導電性シェルとそれに固着された絶縁ハウジングとを示す斜視図である。
図18】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例が備える導電性シェルとそれに固着された絶縁ハウジングとを、絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部に取り付けられた複数の同軸ケーブルと共に示す斜視図である。
図19】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例が備える導電性シェルとそれに固着された絶縁ハウジングと導電性シェルに係合した導電性カバーとを、絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部に取り付けられた複数の同軸ケーブルと共に示す斜視図である。
図20】本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例が備える導電性シェルとそれに固着された絶縁ハウジングと導電性シェルに係合した導電性カバーとを、絶縁ハウジングにおけるケーブル固定部に取り付けられた複数の同軸ケーブル及び絶縁ハウジングにおける光電変換モジュ−ル収容部に配置される光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板と共に示す斜視図である。
図21図14における XXI−XXI 線に沿う断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態は、以下に述べられる本発明についての実施例をもって説明される。
【実施例1】
【0024】
図1(斜視図)及び図2(平面図)は、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例を、それに装着された複数の同軸ケーブル及び光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板の一部分と共に示す。
【0025】
図1及び図2において、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例を成す光電気複合コネクタ装置11は、例えば、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配される光電変換モジュール14(後述される図6に示されている。)とが装着されたもとで、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられる、ケーブル側コネクタ装置として用いられるものとされている。光電変換モジュール14は、基板15に取り付けられた状態をもって装着されている。そして、光電気複合コネクタ装置11は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング16, 外部からの電磁波ノイズ対策のため絶縁ハウジング16の外面部を部分的に覆うものとされた導電性シェル17及び導電性カバー18を備えている。
【0026】
導電性シェル17を単体で示す図3に示されるように、導電性シェル17は、例えば、弾性を有した金属板材料が打抜き・屈曲加工されて形成され、それに絶縁ハウジング16が、例えば、インサートモールド成型の手法により固着されるものとされている。そして、導電性シェル17は、複数の矩形透孔及び半円形透孔を含んだ透孔群が形成された平板状部20、及び、平板状部20における長手方向の両端部に導電性カバー18との係合状態をとるべく設けられた複数の係合部21を有している。平板状部20の一部分は、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15に当接して基板15を当接支持する状態をとる光電変換モジュール当接部20aを形成している。また、複数の係合部21の夫々には、係合突起21aが形成されている。
【0027】
さらに、導電性シェル17には、平板状部20における長手方向の両端部の間の部分に、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15に設けられたグラウンド端子部に接続される一対のグラウンド接続部22が備えられている。一対のグラウンド接続部22の夫々は、平板状部20の側縁部から伸び、平板状部20に対面すべく折り返されたものとされている。
【0028】
図4及び図5に示されるように、図3に示される導電性シェル17には、その平板状部20の大部分を覆うようにして、絶縁ハウジング16が、例えば、インサートモールド成型の手法により固着される。そして、絶縁ハウジング16には、複数のケーブル12が夫々電気的に接続される複数のケーブル接続端子25が設けられ、複数のケーブル12が取り付けられるケーブル固定部26と、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置される光電変換モジュール収容部27と、ケーブル固定部26の外部へと伸びた複数のケーブル接続端子25の夫々の部分25aが配された、相手方コネクタ装置との連結部28と、が形成されている。光電変換モジュール収容部27は、それに導電性シェル17における光電変換モジュール当接部20aが隣接することになる位置をとるものとされている。
【0029】
絶縁ハウジング16に形成されたケーブル固定部26は、絶縁ハウジング16の長手方向に伸びており、斯かるケーブル固定部26には、複数のケーブル接続端子25が、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って配列配置されている。また、絶縁ハウジング16に形成された光電変換モジュール収容部27は、導電性シェル17に備えられた一対のグラウンド接続部22が露出する平坦部分を成している。そして、これらのケーブル固定部26及び光電変換モジュール収容部27は、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って並べられている。
【0030】
また、絶縁ハウジング16に形成された連結部28は、絶縁ハウジング16におけるケーブル固定部26から突出する突出部を成していて、絶縁ハウジング16の長手方向に伸びるものとされている。そして、連結部28には、複数のケーブル接続端子25の部分25aが、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って配列配置されている。また、連結部28における絶縁ハウジング16の長手方向に沿って伸びる端縁部分には、先端傾斜面部29が形成されている。
【0031】
基板15に取り付けられた光電変換モジュール14は、図6に示されるように、ICチップ(半導体集積回路素子)30,ICチップ30との電気的接続がなされた光電変換素子31、及び、光電変換素子31と光学的に連結された光ファイバーケーブル挿入口形成部32が、例えば、合成樹脂から成る封止材33によって封じ込められて構成されている。光ファイバーケーブル挿入口形成部32には、光ファイバーケーブル13の一端が挿入されて接続される。それにより、光電変換モジュール14が光ファイバーケーブル13の端部に配されたものとされる。
【0032】
そして、光電変換モジュール14の外部から光ファイバーケーブル13を通じて光電変換素子31に導かれた光信号が、光電変換素子31によって電気信号に変換され、その電気信号が、光電変換素子31からICチップ30に供給されて、ICチップ30による処理に供される。また、ICチップ30からの電気信号が、光電変換素子31に供給されて光電変換素子31により光信号に変換され、その光信号が、光電変換素子31から光ファイバーケーブル13に導かれて、光ファイバーケーブル13を通じて光電変換モジュール14の外部へと伝送される。
【0033】
光電変換モジュール14が取り付けられた基板15は、図6に示されるように、一対の相互対向面の一方(以下、上面15aという。)に光電変換モジュール14が固定されたものとされている。そして、光電変換モジュール14が固定された上面15aに複数の光電変換モジュール接続端子34が配列配置されて設けられており、また、図7に示されるように、一対の相互対向面の他方(以下、下面15bという。)に、一対のグラウンド端子部35が設けられている。これら複数の光電変換モジュール接続端子34及びグラウンド端子部35の夫々は、ICチップ30に電気的に連結されている。
【0034】
基板15におけるその上面15aに配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子34の夫々の一部分が配された端縁部分が、相手方コネクタ装置との連結部36を形成している。連結部36には、複数の光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端部が配列配置されており、また、連結部36には、複数の光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端部の配列方向に沿って伸びる先端傾斜面部36aが形成されている。
【0035】
図6及び図7に示される光電変換モジュール14が取り付けられた基板15は、図8に示されるように、図4及び図5に示される導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16に形成された平坦部分を成す光電変換モジュール収容部27に配置される。その際、基板15の下面15bに設けられた一対のグラウンド端子部35が、導電性シェル17に備えられていて光電変換モジュール収容部27に露出する一対のグラウンド接続部22に夫々対面するものとされる。そして、一対のグラウンド端子部35の夫々は、例えば、予め一対のグラウンド接続部22の夫々に塗布されていた半田によって、対応するグラウンド接続部22に半田付け接続される。また、基板15の下面15bに、導電性シェル17の平板状部20の一部分が形成する光電変換モジュール当接部20aが当接して、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が光電変換モジュール当接部20aにより当接支持される。このようにして、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が光電変換モジュール収容部27に配置されることにより、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部27に配された状態が得られる。
【0036】
光電変換モジュール収容部27に配置された基板15は、その連結部36が、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って、絶縁ハウジング16に形成された連結部28に連なるものとされる。斯かるもとにおいて、連結部28に形成された先端傾斜面部29と連結部36に形成された先端傾斜面部36aとが、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って伸びる一連の先端傾斜面部を形成するものとされる。それにより、絶縁ハウジング16に形成された連結部28と基板15に形成された連結部36とが、相互隣接して絶縁ハウジング16の長手方向に沿って伸びる一連の連結部を形成し、斯かる連結部28と連結部36とが、複数のケーブル接続端子25の夫々の部分25a及び光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端が配列配置された突出部を成すものとして形成されていることになる。
【0037】
続いて、図9に示されるように、導電性シェル17に固着され、それに形成された光電変換モジュール収容部27に光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置された絶縁ハウジング16には、それに形成されたケーブル固定部26に複数のケーブル12が取り付けられ、また、絶縁ハウジング16に形成された光電変換モジュール収容部27に配置された基板15に取り付けられた光電変換モジュール14には、光ファイバーケーブル13が連結される。
【0038】
複数のケーブル12がケーブル固定部26に取り付けられるにあたっては、複数のケーブル12の夫々である同軸ケーブルの一端部に、絶縁被覆及び内部絶縁層が除去されて外側導体38及び中心導体39が露出せしめられる処理が施され、複数のケーブル12の外側導体38がグラウンディング・バー40によって連結される。そして、各々の外側導体38がグラウンディング・バー40によって連結された複数のケーブル12の夫々の一端部が、絶縁ハウジング16に形成されたケーブル固定部26に配されて、複数のケーブル12の中心導体39が、ケーブル固定部26に配列配置された複数のケーブル接続端子25に夫々、例えば、半田付けによって接続される。それにより、複数のケーブル12の夫々の一端部が絶縁ハウジング16に形成されたケーブル固定部26に固定され、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12が、絶縁ハウジング16に形成されたケーブル固定部26に取り付けられた状態が得られる。
【0039】
また、光ファイバーケーブル13が光電変換モジュール14に連結されるにあたっては、光ファイバーケーブル13の一端が、光電変換モジュール14における光ファイバーケーブル挿入口形成部32に挿入されて、光電変換モジュール14における封止材33によって封じ込められた光電変換素子31に光学的に連結される。
【0040】
導電性カバー18は、図1及び図2に示されるように、例えば、弾性を有した金属板材料が打抜き・屈曲加工されて形成され、複数の透孔41及び複数の接触片部42が形成された平板状部43、及び、平板状部43における長手方向の両端部に導電性シェル17との係合状態をとるべく設けられた複数の係合部44を有している。複数の係合部44の夫々には、係合孔44aが形成されている。
【0041】
そして、図9に示されるように、導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16が、それに形成された光電変換モジュール収容部27に光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置され、基板15に取り付けられた光電変換モジュール14に光ファイバーケーブル13が連結されるとともに、それに形成されたケーブル固定部26に複数のケーブル12が取り付けられたものとされたもとで、導電性カバー18が、図2における X−X 線断面を示す図10に示されるように、絶縁ハウジング16を挟んで導電性シェル17と対向して配され、その平板状部43によって絶縁ハウジング16を部分的に覆うものとされて、図1及び図2に示される光電気複合コネクタ装置11が組み立てられる。
【0042】
その際、導電性カバー18における複数の係合部44の夫々が、それに設けられた係合孔44aを、導電性シェル17における複数の係合部21のうちの対応するものに設けられた係合突起21aに嵌合させて、対応する係合部21に係合するものとされる。また、導電性カバー18における平板状部43が、絶縁ハウジング16に形成された光電変換モジュール収容部27に配置された基板15に取り付けられた光電変換モジュール14、及び、絶縁ハウジング16に形成されて複数のケーブル12が取り付けられたケーブル固定部26を覆うものとされ、図10に示されるように、平板状部43の長手方向に伸びる一対の対向側縁部の一方に設けられた折返し部43aの部分が、基板15に取り付けられた光電変換モジュール14を係止する。さらに、導電性カバー18における平板状部43に形成された複数の接触片部42が、ケーブル固定部26に取り付けられた複数のケーブル12の夫々の外側導体38を連結するグラウンディング・バー40に接触接続される。それにより、複数のケーブル12の夫々の外側導体38が、導電性カバー18を介して導電性シェル17に電気的に連結され、導電性カバー18及び導電性シェル17に複数のケーブル12の夫々の外側導体38を通じてグラウンド電位が与えられる。
【0043】
上述のようにして組み立てられて得られる光電気複合コネクタ装置11は、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられて用いられる。
【0044】
図11(平面図)及び図12(正面図)は、光電気複合コネクタ装置11が嵌合せしめられる相手方コネクタ装置の一例を成す相手方コネクタ装置51を示す。斯かる相手方コネクタ装置51は、主基板(図示が省略されている。)に配されたものとされる。
【0045】
図11及び図12に示される相手方コネクタ装置51には、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されて、光電気複合コネクタ装置11における絶縁ハウジング16に形成された連結部28と、絶縁ハウジング16に形成された光電変換モジュール収容部27に配置された基板15の端縁部分が形成する連結部36と、の両者が差し込まれる開口部52が設けられた絶縁ハウジング53と、絶縁ハウジング53の外面部を覆う導電性シェル54とが備えられる。導電性シェル54の一部は、開口部52に差し込まれる光電気複合コネクタ装置11における連結部28及び連結部36を開口部52へと案内する平板状案内部55を形成している。また、導電性シェル54には、主基板に、例えば、半田付けによって連結される複数の基板連結部56が設けられている。これらの基板連結部56は、主基板に連結されることにより相手方コネクタ装置51を主基板に固定する役割と導電性シェル54に主基板からの接地電位を与える役割とを果たす。
【0046】
相手方コネクタ装置51の絶縁ハウジング53にあっては、開口部52に連なる内部空間内に、光電気複合コネクタ装置11における連結部28に配列配置された複数のケーブル接続端子25の部分25a、及び、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36に配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子34の端部が夫々接触接続される、複数のコンタクト57が配列配置されている。これらの相手方コネクタ装置51における複数のコンタクト57の夫々は、主基板に設けられた電気回路構成部に、例えば、半田付けによって電気的に接続される接続端子部57aを有している。
【0047】
図1及び図2に示される光電気複合コネクタ装置11が図11及び図12に示される相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられる際には、光電気複合コネクタ装置11が、絶縁ハウジング16の長手方向に沿って伸びる一連の連結部を形成する、絶縁ハウジング16に形成された連結部28及び光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36を、相手方コネクタ装置51における開口部52の位置に対応する位置をとらせて、相手方コネクタ装置51に対して対向配置される。その後、光電気複合コネクタ装置11が相手方コネクタ装置51に近接せしめられ、光電気複合コネクタ装置11における絶縁ハウジング16に形成された連結部28及び光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36が、相手方コネクタ装置51における導電性シェル54の一部が形成する平板状案内部55による案内を受けつつ、相手方コネクタ装置51における開口部52に差し込まれて、光電気複合コネクタ装置11が相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられた状態がとられる。
【0048】
このようにして、光電気複合コネクタ装置11が相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられたときには、光電気複合コネクタ装置11の絶縁ハウジング16に形成された連結部28に配列配置された複数のケーブル接続端子25の部分25a、及び、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36に配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子34の端部が、相手方コネクタ装置51の絶縁ハウジング53内に配された複数のコンタクト57に夫々接触接続され、それにより、光電気複合コネクタ装置11に装着された、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14とが、相手方コネクタ装置51を介して、相手方コネクタ装置51が配された主基板に設けられた電気回路構成部に電気的に接続される。
【0049】
上述の光電気複合コネクタ装置11においては、例えば、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配される光電変換モジュール14との両者が装着されたものとされるにあたり、先ず、ケーブル固定部26に複数のケーブル接続端子25が配された絶縁ハウジング16が導電性シェル17に固着され、それとは別に、光電変換モジュール接続端子34が設けられた基板15に光電変換モジュール14が取り付けられて光電変換モジュール14が光電変換モジュール接続端子34に電気的に接続されたものとされる。そして、斯かるもとで、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27に配置されて、光電変換モジュール14が絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27に配される。続いて、複数のケーブル12が、絶縁ハウジング16におけるケーブル固定部26における複数のケーブル接続端子25に、例えば、夫々半田付けにより電気的に接続されることによってケーブル固定部26に取り付けられるとともに、光ファイバーケーブル13が、その一端部を光電変換モジュール14における光ファイバーケーブル挿入口形成部32に挿入されるものとして、光電変換モジュール14における封止材33によって封じ込められた光電変換素子31に光学的に連結される。さらに、導電性カバー18が、その複数の係合部44を導電性シェル17が有する複数の係合部21に夫々係合させて、絶縁ハウジング16を挟んで導電性シェル17と対向して絶縁ハウジング16を部分的に覆うものとされて配設される。その結果、複数のケーブル12がケーブル固定部26に取り付けられるとともに、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部27に配されて、複数のケーブル12と光電変換モジュール14とが装着された光電気複合コネクタ装置11が組み立てられる。
【0050】
従って、光電気複合コネクタ装置11にあっては、その組立工程において、予め光電変換モジュール14が電気的に接続されて取り付けられた基板15を、導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27に配置することによって、光電変換モジュール14を光電変換モジュール収容部27に配されたものとすることができる。それにより、光電変換モジュール14に対して内部破壊や損傷が生じることがないようにする格別な注意を払うことなく、複数のケーブル12及び光電変換モジュール14の適正な装着を行うことができ、その結果、一連の組立作業を容易かつ効率的に進めることができることになる。
【0051】
さらに、光電気複合コネクタ装置11によれば、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、導電性シェル17に固着された絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27に配置されることによって、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部27に配された後に、絶縁ハウジング16におけるケーブル固定部26やそれに取り付けられた複数のケーブル12に電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、光電変換モジュール14を伴った装置全体を破棄することは必要とされず、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15をそれが配置された絶縁ハウジング16における光電変換モジュール収容部27から分離させることにより、簡単で容易な操作によって一旦光電変換モジュール収容部27に配された光電変換モジュール14の取外しを行うことができ、その結果、光電変換モジュール14を無駄に消費することなく再利用可能なものとすることができる。
【実施例2】
【0052】
図13(斜視図)及び図14(平面図)は、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例を、それに装着された複数の同軸ケーブル及び光電変換モジュ−ルが取り付けられた基板の一部分と共に示す。
【0053】
図13及び図14において、本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第2の例を成す光電気複合コネクタ装置61は、前述の本発明に係る光電気複合コネクタ装置の第1の例を成す光電気複合コネクタ装置11と同様に構成された部分を多々有しており、斯かる部分は、光電気複合コネクタ装置11と共通の符号が付されて示され、重複説明は省略される。そして、光電気複合コネクタ装置61も、前述の光電気複合コネクタ装置11と同様に、例えば、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配される光電変換モジュ−ル14(後述される図20及び図21に示されている。)とが装着されたもとで、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられる、ケーブル側コネクタ装置として用いられるものとされている。光電変換モジュール14は、基板15に取り付けられた状態をもって装着されている。
【0054】
光電気複合コネクタ装置61には、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された絶縁ハウジング63, 外部からの電磁波ノイズ対策のため絶縁ハウジング63の外面部を部分的に覆うものとされた導電性シェル64及び導電性カバー65が備えられている。
【0055】
導電性シェル64を単体で示す図15に示されるように、導電性シェル64は、例えば、弾性を有した金属板材料が打抜き・屈曲加工されて形成され、それに絶縁ハウジング63が、例えば、インサートモールド成型の手法により固着されるものとされている。そして、導電性シェル64は、複数の矩形透孔及び半円形透孔を含んだ透孔群が形成された平板状部66、及び、平板状部66における長手方向の両端部に導電性カバー65との係合状態をとるべく設けられた複数の係合部67を有している。平板状部66の一部分は、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15に当接して基板15を当接支持する状態をとる光電変換モジュール当接部66aを形成している。また、複数の係合部67の夫々には、係合突起67aが形成されている。
【0056】
さらに、導電性シェル64には、平板状部66における長手方向の両端部の間の部分に、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15に設けられたグラウンド端子部35に接続される一対のグラウンド接続部68が備えられている。一対のグラウンド接続部68の夫々は、平板状部66から切り起こされた弾性片持接触部を形成している。
【0057】
また、導電性カバー65をその内側から見たものとして単体で示す図16に示されるように、導電性カバー65は、例えば、弾性を有した金属板材料が打抜き・屈曲加工されて形成されており、一対の透孔70が形成されるとともに各透孔70に一対の接触片部71が臨むものとされた平板状部72、及び、平板状部72における長手方向の両端部に導電性シェル64との係合状態をとるべく設けられた複数の係合部73を有している。複数の係合部73の夫々には、図13に示されるように、係合孔73aが形成されている。また、平板状部72の長手方向に伸びる一対の対向側縁部の一方には、平板状部72の内側に折り返された折返し部74及び75が相互隣接して設けられている。折返し部75は、一対の切込みスリット76によって挟まれており、それによって、平板状部72の内側から外側への方向及び平板状部72の外側から内側への方向に弾性変位可能な弾性片持変位部を形成している。
【0058】
図17に示されるように、図15に示される導電性シェル64には、その平板状部66の大部分を覆うようにして、絶縁ハウジング63が、例えば、インサートモールド成型の手法により固着される。そして、絶縁ハウジング63には、複数のケーブル12が夫々電気的に接続される複数のケーブル接続端子80が設けられて、複数のケーブル12が取り付けられるケーブル固定部81と、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置される光電変換モジュール収容部82と、ケーブル固定部81の外部へと伸びた複数のケーブル接続端子80の夫々の部分80aが配された、相手方コネクタ装置との連結部83と、が形成されている。光電変換モジュール収容部82は、それに導電性シェル64における光電変換モジュール当接部66aが隣接することになる位置をとるものとされている。
【0059】
絶縁ハウジング63に形成されたケーブル固定部81は、絶縁ハウジング63の長手方向に伸びており、斯かるケーブル固定部81には、複数のケーブル接続端子80が、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って配列配置されている。また、絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82は、導電性シェル64に備えられた一対のグラウンド接続部68が露出する平坦部分を成している。そして、これらのケーブル固定部81及び光電変換モジュール収容部82は、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って並べられている。
【0060】
また、絶縁ハウジング63に形成された連結部83は、絶縁ハウジング63におけるケーブル固定部81から突出する突出部を成していて、絶縁ハウジング63の長手方向に伸びるものとされている。そして、連結部83には、複数のケーブル接続端子80の部分80aが、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って配列配置されている。また、連結部83における絶縁ハウジング63の長手方向に沿って伸びる端縁部分には、先端傾斜面部84が形成されている。
【0061】
図18に示されるように、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63には、それに形成されたケーブル固定部81に複数のケーブル12が取り付けられる。複数のケーブル12がケーブル固定部81に取り付けられるにあたっては、複数のケーブル12の夫々である同軸ケーブルの一端部に、絶縁被覆及び内部絶縁層が除去されて外側導体38及び中心導体39が露出せしめられる処理が施され、複数のケーブル12の外側導体38がグラウンディング・バー40によって連結される。そして、各々の外側導体38がグラウンディング・バー40によって連結された複数のケーブル12の夫々の一端部が、絶縁ハウジング63に形成されたケーブル固定部81に配されて、複数のケーブル12の中心導体39が、ケーブル固定部81に配列配置された複数のケーブル接続端子80に夫々、例えば、半田付けによって接続される。それにより、複数のケーブル12の夫々の一端部が絶縁ハウジング63に形成されたケーブル固定部81に固定され、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12が、絶縁ハウジング63に形成されたケーブル固定部81に取り付けられた状態が得られる。
【0062】
続いて、図19に示されるように、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63が、それに形成されたケーブル固定部81に複数のケーブル12が取り付けられたものとされたもとで、導電性カバー65が、絶縁ハウジング63を挟んで導電性シェル64と対向して配され、その平板状部72によって絶縁ハウジング63を部分的に覆うものとされる。その際、導電性カバー65における複数の係合部73の夫々が、それに設けられた係合孔73aを、導電性シェル64における複数の係合部67のうちの対応するものに設けられた係合突起67aに嵌合させて、対応する係合部67に係合するものとされる。また、導電性カバー65における平板状部72が、絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82、及び、絶縁ハウジング63に形成されて複数のケーブル12が取り付けられたケーブル固定部81を覆うものとされ、さらに、導電性カバー65における平板状部72に形成された複数の接触片部71が、ケーブル固定部81に取り付けられた複数のケーブル12の夫々の外側導体38を連結するグラウンディング・バー40に接触接続される。それにより、複数のケーブル12の夫々の外側導体38が、導電性カバー65を介して導電性シェル64に電気的に連結され、導電性カバー65及び導電性シェル64に、複数のケーブル12の夫々の外側導体38を通じてグラウンド電位が与えられる。
【0063】
さらに、図20に示されるように、絶縁ハウジング63に形成され、図19に示されるようにして導電性カバー65における平板状部72によって覆われた光電変換モジュール収容部82に、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置される。その際、基板15に取り付けられた光電変換モジュール14にあっては、予め、光ファイバーケーブル13が連結される。光ファイバーケーブル13が光電変換モジュール14に連結されるにあたっては、光ファイバーケーブル13の一端が、光電変換モジュール14における光ファイバーケーブル挿入口形成部に挿入されて、光電変換モジュール14における封止材によって封じ込められた光電変換素子に光学的に連結される。それにより、光電変換モジュール14が、光ファイバーケーブル13の端部に配されたものとされる。
【0064】
そして、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、基板15の上面に配された複数の光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端部が配列配置された連結部36における先端傾斜面部36aを先頭にして、絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82とそれを覆う導電性カバー65における平板状部72との間に、図20における矢印Lにより示されるように差し込まれる。そして、光電変換モジュール収容部82とそれを覆う導電性カバー65における平板状部72との間への基板15の差込みが完了すると、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82に配置される。
【0065】
このようにして、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が絶縁ハウジング63に形成された光電変換モジュール収容部82に配置されたときには、図14における XXI−XXI 線断面を示す図21に示されるように、導電性カバー65における平板状部72の長手方向に伸びる一対の対向側縁部の一方に設けられた折返し部75が、光電変換モジュール14における封止材33に対接して、光電変換モジュール14を係止する状態をとる。また、基板15の下面15bに設けられた一対のグラウンド端子部35に、導電性シェル64に備えられていて光電変換モジュール収容部82に露出する一対のグラウンド接続部68が弾性当接して、基板15の下面15bに設けられた一対のグラウンド端子部35が導電性シェル64に電気的に接続される。さらに、基板15の下面15bに、導電性シェル64の平板状部66の一部分が形成する光電変換モジュール当接部66aが当接して、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が光電変換モジュール当接部66aにより当接支持される。このようにして、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が光電変換モジュール収容部82に配置されることにより、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部82に配された状態が得られる。
【0066】
光電変換モジュール収容部82に配置された基板15は、その連結部36が、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って、絶縁ハウジング63に形成された連結部83に連なるものとされる。斯かるもとにおいて、連結部83に形成された先端傾斜面部84と連結部36に形成された先端傾斜面部36aとが、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って伸びる一連の先端傾斜面部を形成するものとされる。それにより、絶縁ハウジング63に形成された連結部83と基板15に形成された連結部36とが、相互隣接して絶縁ハウジング63の長手方向に沿って伸びる一連の連結部を形成し、斯かる連結部83と連結部36とが、複数のケーブル接続端子80の夫々の部分80a及び光電変換モジュール接続端子34の夫々の一端が配列配置された突出部を成すものとして形成されていることになる。
【0067】
このようにして、導電性シェル64に固着され、ケーブル固定部81に複数のケーブル12が取り付けられた絶縁ハウジング63における、導電性カバー65の平板状部72によって覆われた光電変換モジュール収容部82に、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が配置されることにより、図13及び図14に示される光電気複合コネクタ装置61が組み立てられる。そして、組み立てられた光電気複合コネクタ装置61は、例えば、ソリッド印刷配線基板とされる主基板にそれに設けられた電気回路構成部との電気的接続がなされて取り付けられた基板側コネクタ装置とされる相手方コネクタ装置に嵌合せしめられて用いられる。
【0068】
光電気複合コネクタ装置61が嵌合せしめられる相手方コネクタ装置は、例えば、前述の図11及び12に示される相手方コネクタ装置51とされる。光電気複合コネクタ装置61が図11及び図12に示される相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられる際には、光電気複合コネクタ装置61が、絶縁ハウジング63の長手方向に沿って伸びる一連の連結部を形成する、絶縁ハウジング63に形成された連結部83及び光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36を、相手方コネクタ装置51における開口部52の位置に対応する位置をとらせて、相手方コネクタ装置51に対して対向配置される。その後、光電気複合コネクタ装置61が相手方コネクタ装置51に近接せしめられ、光電気複合コネクタ装置61における絶縁ハウジング63に形成された連結部83及び光電変換モジュール15が取り付けられた基板15の連結部36が、相手方コネクタ装置51における導電性シェル54の一部が形成する平板状案内部55による案内を受けつつ、相手方コネクタ装置51における開口部52に差し込まれて、光電気複合コネクタ装置61が相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられた状態がとられる。
【0069】
光電気複合コネクタ装置61が相手方コネクタ装置51に嵌合せしめられたときには、光電気複合コネクタ装置61の絶縁ハウジング63に形成された連結部83に配列配置された複数のケーブル接続端子80の部分80a、及び、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15の連結部36に配列配置された複数の光電変換モジュール接続端子34の一端が、相手方コネクタ装置51の絶縁ハウジング53内に配された複数のコンタクト57に夫々接触接続され、それにより、光電気複合コネクタ装置61に装着された、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14とが、相手方コネクタ装置51を介して、相手方コネクタ装置51が配された主基板に設けられた電気回路構成部に電気的に接続される。
【0070】
上述の光電気複合コネクタ装置61においては、例えば、配列配置された複数の同軸ケーブルとされる複数のケーブル12と光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14との両者が装着されたものとされるにあたり、先ず、ケーブル固定部81に複数のケーブル接続端子80が配された絶縁ハウジング63が導電性シェル64に固着され、それとは別に、光電変換モジュール接続端子34が設けられた基板15に光電変換モジュール14が取り付けられて光電変換モジュール14が光電変換モジュール接続端子34に電気的に接続されたものとされるとともに、光電変換モジュール14に光ファイバーケーブル13の端部が連結される。そして、斯かるもとで、複数のケーブル12が、絶縁ハウジング63におけるケーブル固定部81における複数のケーブル接続端子80に、例えば、夫々半田付けにより電気的に接続されることによってケーブル固定部81に取り付けられ、また、導電性カバー65が、その複数の係合部73を導電性シェル64が有する複数の係合部67に夫々係合させて、絶縁ハウジング63を挟んで導電性シェル64と対向して絶縁ハウジング63を部分的に覆うものとされて配設される。さらに、その後、光ファイバーケーブル13の端部に配された光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82に配置されて、光電変換モジュール14が絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82に配される。その結果、複数のケーブル12がケーブル固定部81に取り付けられるとともに、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部82に配されて、複数のケーブル12と光電変換モジュール14とが装着された光電気複合コネクタ装置61が組み立てられる。
【0071】
従って、光電気複合コネクタ装置61にあっても、その組立工程において、予め光電変換モジュール14が電気的に接続されて取り付けられた基板15を、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82に配置することによって、光電変換モジュール14を光電変換モジュール収容部82に配されたものとすることができる。それにより、光電変換モジュール14に対して内部破壊や損傷が生じることがないようにする格別な注意を払うことなく、複数のケーブル12及び光電変換モジュール14の適正な装着を行うことができ、その結果、一連の組立作業を容易かつ効率的に進めることができることになる。
【0072】
さらに、光電気複合コネクタ装置61によれば、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15が、導電性シェル64に固着された絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82に配置されることによって、光電変換モジュール14が光電変換モジュール収容部82に配された後に、絶縁ハウジング63におけるケーブル固定部81やそれに取り付けられた複数のケーブル12に電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、光電変換モジュール14を伴った装置全体を破棄することは必要とされず、光電変換モジュール14が取り付けられた基板15をそれが配置された絶縁ハウジング63における光電変換モジュール収容部82から分離させることにより、簡単で容易な操作によって一旦光電変換モジュール収容部82に配された光電変換モジュール14の取外しを行うことができ、その結果、光電変換モジュール14を無駄に消費することなく再利用可能なものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のような本発明に係る光電気複合コネクタ装置は、同軸ケーブルと光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールとの両者が装着されるケーブル側コネクタ装置として用いることができるものであって、その組立工程における一連の作業を容易かつ効率的に進めることができ、しかも、光ファイバーケーブルの端部に配される光電変換モジュールが装着された後に、光電変換モジュールと共に装着された同軸ケーブルやその他の部分に電気的不導通等の不都合が生じた場合にも、簡単で容易な操作によって光電変換モジュールの取外しを行うことができ、光電変換モジュールを無駄に消費することなく再利用することができるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
【符号の説明】
【0074】
11,61・・・光電気複合コネクタ装置, 12・・・ケーブル, 13・・・光ファイバーケーブル, 14・・・光電変換モジュール, 15・・・基板, 16,63・・・絶縁ハウジング, 17,64・・・導電性シェル, 18,65・・・導電性カバー, 20・・・(導電性シェル17の)平板状部, 20a,66a・・・光電変換モジュール当接部, 21,44,67,73・・・係合部, 22,68・・・グラウンド接続部, 25,80・・・ケーブル接続端子, 26,81・・・ケーブル固定部, 27,82・・・光電変換モジュール収容部, 28, 36,83・・・連結部, 29,36a,84・・・先端傾斜面部, 30・・・ICチップ, 31・・・光電変換素子, 32・・・光ファイバーケーブル挿入口形成部, 33・・・封止材, 34・・・光電変換モジュール接続端子, 35・・・グラウンド端子部, 38・・・外側導体, 39・・・中心導体, 40・・・グラウンディング・バー, 42,71・・・接触片部, 43・・・(導電性カバー18の)平板状部, 51・・・相手方コネクタ装置, 66・・・(導電性シェル64の)平板状部, 72・・・(導電性カバー65の)平板状部, 74, 75・・・折返し部, 76・・・切込みスリット
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