(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
特定領域に格納されたビットの論理の状態を、電源遮断前の装置本体のオン/オフ状態を示す状態保持信号として外部に出力することが可能な機能を有する不揮発性メモリと、
装置本体のオン/オフ状態を制御するとともに、装置本体のオン/オフ状態を前記不揮発性メモリの特定領域に書き込み、電源が供給された後の初期状態において、装置本体をオン状態とするような制御を行う制御部と、
前記制御部へ供給するための電圧を生成する電圧発生手段と、
前記不揮発性メモリからの状態保持信号の論理が、電源遮断前に装置本体がオン状態であったことを示している場合、前記電圧発生手段を動作状態として、前記制御部へ電源供給が行われるような制御を行う論理回路と、
を備えた電源制御装置。
前記制御部は、電源が供給された後の初期状態において、現在の時刻が予め設定された時間帯の場合のみ装置本体をオン状態とするような制御を行う請求項1記載の電源制御装置。
特定領域に格納されたビットの論理の状態を、電源遮断前の装置本体のオン/オフ状態を示す状態保持信号として外部に出力することが可能な機能を有する不揮発性メモリと、装置本体のオン/オフ状態を制御するとともに、装置本体のオン/オフ状態を前記不揮発性メモリの特定領域に書き込み、電源が供給された後の初期状態において、装置本体をオン状態とするような制御を行う制御部と、前記制御部へ供給するための電圧を生成する電圧発生手段と、前記不揮発性メモリからの状態保持信号の論理が、電源遮断前に装置本体がオン状態であったことを示している場合、前記電圧発生手段を動作状態として、前記制御部へ電源供給が行われるような制御を行う論理回路とを備えた電源制御装置と、
前記電源制御装置によりオン/オフ状態を制御される装置本体と、
を有する電気機器。
特定領域に格納されたビットの論理の状態を、電源遮断前の装置本体のオン/オフ状態を示す状態保持信号として外部に出力することが可能な機能を有する不揮発性メモリと、装置本体のオン/オフ状態を制御するとともに、装置本体のオン/オフ状態を前記不揮発性メモリの特定領域に書き込み、電源が供給された後の初期状態において、装置本体をオン状態とするような制御を行う制御部と、前記制御部へ供給するための電圧を生成する電圧発生手段と、前記不揮発性メモリからの状態保持信号の論理が、電源遮断前に装置本体がオン状態であったことを示している場合、前記電圧発生手段を動作状態として、前記制御部へ電源供給が行われるような制御を行う論理回路とを備えた電源制御装置と、
画像を記録媒体上に出力する画像出力手段を備え、前記電源制御装置によりオン/オフ状態を制御される装置本体と、
を有する画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、電源の供給が遮断されて停電状態となった後に電源の供給が再開された場合でも、ソフトウェアの起動を必要とすることなく、装置のオン/オフ状態を電源遮断前の状態に戻すことが可能な電源制御装置、電気機器および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[電源制御装置]
請求項1に係る本発明は、特定領域に格納されたビットの論理の状態を、電源遮断前の装置本体のオン/オフ状態を示す状態保持信号として外部に出力することが可能な機能を有する不揮発性メモリと、
装置本体のオン/オフ状態を制御するとともに、装置本体のオン/オフ状態を前記不揮発性メモリの特定領域に書き込
み、電源が供給された後の初期状態において、装置本体をオン状態とするような制御を行う制御部と、
前記制御部へ供給するための電圧を生成する電圧発生手段と、
前記不揮発性メモリからの状態保持信号の論理が、電源遮断前に装置本体がオン状態であったことを示している場合、前記電圧発生手段を動作状態として、前記制御部へ電源供給が行われるような制御を行う論理回路とを備えた電源制御装置である。
【0008】
請求項2に係る本発明は、
前記論理回路が、前記不揮発性メモリからの状態保持信号の論理が、電源遮断前に装置本体がオフ状態であったことを示している場合、前記電圧発生手段を動作状態とせず、前記制御部へ電源供給が行われないような制御を行う請求項1記載の電源制御装置である。
【0009】
請求項3に係る本発明は、前記制御部が、電源が供給された後の初期状態において、現在の時刻が予め設定された時間帯の場合のみ装置本体をオン状態とするような制御を行う請求項1記載の電源制御装置である。
【0011】
請求項
4に係る本発明は、装置本体の加速度を検出する加速度検出手段をさらに備え、
前記制御部は、前記加速度検出手段により検出された加速度の値に基づいて、地震が発生したか否かを判定し、地震が発生したと判定した場合、地震の発生の有無を前記不揮発性メモリの前記特定領域とは異なる他の特定領域に書き込み、
前記不揮発性メモリは、前記他の特定領域に格納されたビットの論理の状態を、地震が検出されたか否かを示す地震検出信号として外部に出力し、
前記論理回路は、前記不揮発性メモリからの状態保持信号の論理が電源遮断前に装置本体がオン状態であったことを示している場合でも、前記不揮発性メモリからの地震検出信号の論理が地震が検出されたことを示している場合には、前記制御部への電源供給が行われないような制御を行う請求項1から
3のいずれか1項に記載の電源制御装置である。
【0012】
[電気機器]
請求項
5に係る本発明は、特定領域に格納されたビットの論理の状態を、電源遮断前の装置本体のオン/オフ状態を示す状態保持信号として外部に出力することが可能な機能を有する不揮発性メモリと、装置本体のオン/オフ状態を制御するとともに、装置本体のオン/オフ状態を前記不揮発性メモリの特定領域に書き込
み、電源が供給された後の初期状態において、装置本体をオン状態とするような制御を行う制御部と、
前記制御部へ供給するための電圧を生成する電圧発生手段と、前記不揮発性メモリからの状態保持信号の論理が、電源遮断前に装置本体がオン状態であったことを示している場合、前記電圧発生手段を動作状態として、前記制御部へ電源供給が行われるような制御を行う論理回路とを備えた電源制御装置と、
前記電源制御装置によりオン/オフ状態を制御される装置本体とを有する電気機器である。
【0013】
[画像形成装置]
請求項
6に係る本発明は、特定領域に格納されたビットの論理の状態を、電源遮断前の装置本体のオン/オフ状態を示す状態保持信号として外部に出力することが可能な機能を有する不揮発性メモリと、装置本体のオン/オフ状態を制御するとともに、装置本体のオン/オフ状態を前記不揮発性メモリの特定領域に書き込
み、電源が供給された後の初期状態において、装置本体をオン状態とするような制御を行う制御部と、
前記制御部へ供給するための電圧を生成する電圧発生手段と、前記不揮発性メモリからの状態保持信号の論理が、電源遮断前に装置本体がオン状態であったことを示している場合、前記電圧発生手段を動作状態として、前記制御部へ電源供給が行われるような制御を行う論理回路とを備えた電源制御装置と、
画像を記録媒体上に出力する画像出力手段を備え、前記電源制御装置によりオン/オフ状態を制御される装置本体とを有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によれば、電源の供給が遮断されて停電状態となった後に電源の供給が再開された場合でも、ソフトウェアの起動を必要とすることなく、装置のオン/オフ状態を電源遮断前の状態に戻すことが可能な電源制御装置を提供することができる。
【0015】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、電源の供給が再開された場合
でも、不揮発性メモリからの状態保持信号の論理が、電源遮断前に装置本体がオフ状態であったことを示している場合、装置本体をオン状態と
しないような制御を行うことが可能になるという効果を得ることができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、電源の供給が再開された場合でも、現在の時刻が予め設定された時間帯の場合のみ、装置本体をオン状態とするような制御を行うことが可能になるという効果を得ることができる。
【0018】
請求項
4に係る本発明によれば、請求項1から
3のいずれか1項記載の本発明により得られる効果に加えて、地震の発生が検出された場合には、電源の供給が遮断されて停電状態となった後に電源の供給が再開された場合でも、装置をオン状態としないようにすることが可能になるという効果を得ることができる。
【0019】
請求項
5に係る本発明によれば、電源の供給が遮断されて停電状態となった後に電源の供給が再開された場合でも、ソフトウェアの起動を必要とすることなく、装置のオン/オフ状態を電源遮断前の状態に戻すことが可能な電気機器を提供することができる。
【0020】
請求項
6に係る本発明によれば、電源の供給が遮断されて停電状態となった後に電源の供給が再開された場合でも、ソフトウェアの起動を必要とすることなく、装置のオン/オフ状態を電源遮断前の状態に戻すことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[背景]
まず、本発明の理解を助けるために、その背景及び概略を説明する。
近年、ファクシミリ機能、印刷機能、スキャナ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機においてもリモートでのオン/オフ制御を行うために電源スイッチとしてプッシュスイッチが用いられるようになっている。しかし、このようなプッシュスイッチは、いわゆるシーソースイッチと異なり、スイッチが操作された状態を機械的に保持することができない。
【0023】
そして、一般的には無駄な電力消費を避けるため、電源投入直後の起動状態は電源オフ状態に設定される。そのため、このようなプッシュスイッチを用いた画像形成装置では、プッシュスイッチを操作して電源オン状態とした場合でも、停電等により一時的に主電源が遮断されると、その後停電から復旧して主電源が供給されるようになった場合、電源オフ状態となってしまう。
【0024】
そのため、例えば夏季休暇や年末年始休暇中のように、画像形成装置を長期間電源オン状態としてファクシミリ受信の待機中としておくような場合、一時的な停電が発生してしまうと、停電復帰後には電源オフ状態となってしまい、ファクシミリ受信待機状態を継続することができないという問題がある。
【0025】
停電の復旧後に、装置の状態を停電発生前のオン/オフ状態に戻すようにするためには、不揮発性メモリ等により停電発生前のオン/オフ状態を記録しておき、停電復旧後のその記録内容に基づいて装置のオン/オフ状態を制御するような方法が考えられる。
【0026】
しかし、このような方法を用いた場合、不揮発性メモリ等に記録されている情報を読み取るためにはCPU等はソフトウェアの起動を終了した後に不揮発性メモリに記録されている内容を読みに行く必要がある。そのため、装置の状態を電源オフ状態とする場合でもCPUでは一度ソフトウェアを起動して不揮発性メモリにアクセス可能な状態まで立ち上げた後に、装置全体を電源オフ状態とする必要があり消費電力を無駄に使用してしまうという問題がある。また、ソフトウェアが暴走した場合には、停電復旧前の状態にまで装置のオン/オフ状態を戻すことができないという問題もある。
【0027】
本発明は、このような問題を解決するためのものであり、電源の供給が遮断されて停電状態となった後に電源の供給が再開された場合でも、ソフトウェアの起動を必要とすることなく、装置のオン/オフ状態を電源遮断前の状態に戻すことが可能な電源制御装置、電気機器および画像形成装置を提供することを目的としている。
【0028】
[実施形態]
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の画像形成装置10の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置10は、ファクシミリ機能、印刷機能、スキャナ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0029】
本発明の一実施形態の画像形成装置10は、
図1に示されるように、メインスイッチ5と、電源生成回路20と、電源制御装置30と、画像出力部41を含む装置本体部40とを備えている。画像出力部41は、画像を印刷用紙等の記録媒体上に出力する機能を有する。
【0030】
電源生成回路20は、メインスイッチ5を介して供給された商用電源から5Vの電源を生成して電源制御装置30に供給している。
【0031】
電源制御装置30は、装置本体部40のオン/オフ状態の制御を行っている。そして、装置本体部40はメインスイッチ5を介して供給された商用電源を用いて動作を行っており、電源制御装置30によりオン/オフ状態を制御されている。
【0032】
次に、
図1に示した電源制御装置30のハードウェア構成を
図2に示す。
【0033】
電源制御装置30は、
図2に示されるように、DC/DC変換器51、52と、CPU53と、不揮発性メモリ54と、省エネ制御部55と、DRAM56と、ASIC57と、スイッチ検出回路58と、電源スイッチ59と、オア回路(論理和回路)60と、アンド回路(論理積回路)61と、バッファ回路62とを備えている。
【0034】
DC/DC変換器51、52は、それぞれ、電源生成回路20により生成された5Vの電源から、不揮発性メモリ54等に供給するための1.5Vの電圧や、CPU53等に供給するための3.3Vの電圧を生成する電圧発生手段である。なお、DC/DC変換器51、52には、EN(Enable)端子が設けられており、このEN端子にハイレベル(以下、Hと表す。)の電圧が印加された場合に、動作状態となり予め設定されている値の電圧を生成して出力する。
【0035】
CPU53は、装置本体部40のオン/オフ状態を制御する制御部として機能し、装置本体部40のオン/オフ状態をROMバスを介して不揮発性メモリ54の特定領域に書き込む動作を行う。また、CPU53は、DC/DC変換器51から3.3Vの電源が供給された後の初期状態において、装置本体部40をオン状態とするような制御を行う。
【0036】
また、CPU53は、システムメモリであるDRAM56や、ASIC57等を用いて各種の画像処理を行っている。
【0037】
不揮発性メモリ54は、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory:磁気抵抗メモリ)により実現され、特定領域に格納されたビットの論理の状態を、汎用入出力(GIO:General I/O)ポートから外部に出力することが可能な機能を備えている。そして、本実施形態における不揮発性メモリ54は、電源遮断前の装置本体部40のオン/オフ状態をオン/オフ状態保持ビットとして格納し、このオン/オフ状態保持ビットの論理をオン/オフ状態保持信号101として外部に出力する。
【0038】
つまり、CPU53が起動を終了して不揮発性メモリ54に格納されているオン/オフ状態保持ビットの論理を読み出すことなく、特定領域に格納されたオン/オフ状態保持ビットの論理を外部から把握することが可能となっている。
【0039】
本実施形態における不揮発性メモリ54からオン/オフ状態保持信号101が出力される様子を
図3に示す。
図3に示されるように、不揮発性メモリ54の特定領域に格納されたオン/オフ状態保持ビットの論理が、オン/オフ状態保持信号101されているのが分かる。なお、
図3に示すように、CPU53と不揮発性メモリ54との間のデータ線とは別の専用線を用いて出力するようにしてもよいし、
図4に示すように、CPU53と不揮発性メモリ54との間のデータ線のうちの1つを兼用線として用いてオン/オフ状態保持信号101を不揮発性メモリ54から出力するようにしてもよい。
【0040】
なお、本実施形態では、不揮発性メモリ54としてMRAMを用いる場合について説明しているが、フラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリを用いた場合でも本発明は同様に適用可能である。
【0041】
電源スイッチ59は、いわゆるプッシュスイッチと呼ばれる構造のスイッチであり、押し下げた場合のみ接点間が接続されるような構造となっている。本実施形態において電源スイッチ59としてこのようなプッシュスイッチが採用されているのは、遠隔操作で装置のオン/オフ状態を管理するリモート制御に対応するためである。しかし、このようなプッシュスイッチでは、シーソースイッチの場合と異なり、スイッチが押し下げられた状態を保持することができない構造となっている。
【0042】
そのため、装置がオン状態の場合に電源スイッチ59が操作されると装置がオフ状態となるような処理が行われ、装置がオフ状態(電源オフ状態)の場合に電源スイッチ59が操作されると装置がオン状態(電源オン状態)となるような処理が行われて、装置のオン/オフ状態が電源スイッチ59の操作により切り替わるようになっている。
【0043】
スイッチ検出回路58は、電源スイッチ59が操作されたことを検出するための回路であり、電源スイッチ59が操作されたことをラッチしてスイッチ操作ラッチ信号102として出力する。つまり、電源投入後の初期状態では、スイッチ操作ラッチ信号120をロウレベル(以下、Lと表す。)とし、電源スイッチ50が操作されるとスイッチ操作ラッチ信号120をHに切り替え、その後電源スイッチ50が操作される毎にH/Lを切り替えるような動作を行う。
【0044】
また、スイッチ検出回路58は、電源スイッチ59が操作された情報を省エネ制御部55に送信している。
【0045】
省エネ制御部55は、スイッチ検出回路58からの情報に基づいて、装置本体部40のオン/オフ状態の管理を行っており、装置本体部40をオン/オフ状態のいずれの状態にすべきであるかの情報をレジスタとして所定の領域に格納している。また、装置本体部40をオン状態にする場合にはH、オフ状態にする場合にはLの信号を電源制御信号103として出力している。
【0046】
なお、この電源制御信号103はハイレベルである5Vにプルアップされており、省エネ制御部55が動作状態にない場合には、Hの状態になっている。
【0047】
また、CPU53は、省エネ制御部55の所定領域に格納されている情報をROMバスを介して読み込むことにより、装置本体部40をオン/オフ状態のいずれの状態とすべきかを把握して、装置本体部40のオン/オフ制御を行っている。
【0048】
バッファ回路62は、不揮発性メモリ54からのオン/オフ状態保持信号101がLの場合に、スイッチ検出回路58からのスイッチ操作ラッチ信号102の論理をそのまま出力する。
【0049】
オア回路60は、不揮発性メモリ54からのオン/オフ状態保持信号101と、バッファ回路62からの出力との間の論理和演算を行って、その演算結果を出力する。
【0050】
アンド回路61は、オア回路60の出力と、省エネ制御部55からの電源制御信号103との間の論理積演算を行って、その演算結果をDC/DC変換器51のEN端子に出力する。
【0051】
バッファ回路62、オア回路60およびアンド回路61は、上記のような動作を行うことにより、不揮発性メモリ54からのオン/オフ状態保持信号101の論理に基づいてCPU53へ電源供給が行われるような制御を行う論理回路として動作する。
【0052】
また、バッファ回路62、オア回路60およびアンド回路61により構成されるこの論理回路は、不揮発性メモリ54からのオン/オフ状態保持信号101の論理が、電源遮断前に装置本体部40がオン状態であったことを示している場合、DC/DC変換器51のEN端子をHとして動作状態とするような制御を行う。
【0053】
このようなバッファ回路62、オア回路60およびアンド回路61により構成される論理回路の動作を
図5〜
図7を参照して説明する。
【0054】
先ず、電源スイッチ59を操作してオフ状態からオン状態とする場合の動作を
図5を参照して説明する。
【0055】
装置本体部40がオフ状態となっている場合、不揮発性メモリ54の特定領域のオン/オフ状態保持ビットには、オフ状態であることを示す“0”が書き込まれ、オン/オフ状態保持信号101はLとなる。そして、スイッチ操作ラッチ信号102もLとなっており、オン/オフ状態保持信号101がLであるため、バッファ回路62はLを出力する。そのため、オア回路60の出力はLとなる。その結果、電源制御信号103がプルアップされていてHとなっていたとしても、アンド回路61の出力はLとなりDC/DC変換器51は非動作状態となる。
【0056】
このような状態で電源スイッチ59が操作されると、スイッチ操作ラッチ信号102の論理がLからHに切り替わり、オア回路60の出力もHとなる。そのため、アンド回路61の出力もHとなり、DC/DC変換器51は動作状態となる。そのため、CPU53に3.3Vの電源が供給されることにより起動して、装置本体部40をオン状態とする制御が行われる。そして、CPU53は、一連の制御が終了すると、不揮発性メモリ54の特定領域のオン/オフ状態保持ビットにオン状態であることを示す“1”を書き込む。その結果、オン/オフ状態保持信号101はHとなる。
【0057】
次に、電源スイッチ59を操作してオン状態からオフ状態とする場合の動作を
図6を参照して説明する。
【0058】
装置本体部40がオン状態となっている場合、上記で説明したように、オン/オフ状態保持信号101、スイッチ操作ラッチ信号102、オア回路60の出力、電源制御信号103、アンド回路61の出力は全てHとなっている。
【0059】
この状態において電源スイッチ59が操作されると、省エネ制御部55は、スイッチ検出回路58からの情報に基づいて、装置本体部40をオフ状態のいずれの状態にすべきである旨の情報を格納し、その情報を読み込んだCPU53は、不揮発性メモリ54のオン/オフ状態保持ビットに“0”を書き込む動作を行う。
【0060】
その後、省エネ制御部55が電源制御信号103をHからLとすることにより、アンド回路61の出力はLとなり、DC/DC変換器51は非動作状態となり装置本体部40はオフ状態に移行する。
【0061】
次に、停電復帰(電源遮断状態からの復帰)後の論理回路の動作を
図7を参照して説明する。
【0062】
先ず、停電前がオン状態の場合、オン/オフ状態保持信号101はHとなっているため、スイッチ操作ラッチ信号102がLであってもオア回路60の出力はHとなる。そして、停電復帰の時点において電源制御信号103はプルアップされていることによりHとなっているため、アンド回路61の出力もHとなる。そのため、DC/DC変換器51は動作状態となり3.3Vの電源をCPU53に供給する。その結果CPU53は起動して装置本体部40をオン状態に移行させるような制御を行う。
【0063】
また、停電前がオフ状態の場合、オン/オフ状態保持信号101はLとなっていて、スイッチ操作ラッチ信号102もLであるため、オア回路60の出力はLとなる。そのため、アンド回路61の出力はLとなる。そのため、DC/DC変換器51は動作状態とはならない。
【0064】
そして、このような状態から電源スイッチ59が操作されるとスイッチ操作ラッチ信号102がLからHとなるため、オア回路60の出力はHとなる、そして、電源制御信号103はプルアップされていることによりHとなっているため、アンド回路61の出力もHとなる。そのため、DC/DC変換器51は動作状態となり3.3Vの電源をCPU53に供給する。その結果CPU53は起動して装置本体部40をオン状態に移行させるような制御を行う。
【0065】
このように、本実施形態の電源制御装置30では、電源の供給が遮断されて停電状態となった後に電源の供給が再開された場合でも、CPU53等によるソフトウェアの起動を必要とすることなく、装置本体部40のオン/オフ状態が電源遮断前の状態に戻される。
【0066】
そのため、例えば夏季休暇や年末年始休暇中のように、画像形成装置10を長期間電源オン状態としてファクシミリ受信の待機中としておくような場合、一時的な停電が発生したとしても、停電復帰後には元の電源オン状態に戻るような制御が行われるため、ファクシミリ受信待機状態が継続される。
【0067】
なお、CPU53は、電源が供給された後の初期状態に、常に装置本体部40をオン状態とするような制御を行うのではなく、現在の時刻が予め設定された時間帯の場合のみ装置本体部40をオン状態とするような制御を行うようにしても良い。例えば、午後11時から翌日の午前6時までの間は停電からの復旧後でもオン状態とせずにオフ状態とするような制御を行うようにしても良い。
【0068】
このように上記で説明した本実施形態の画像形成装置10によれば、停電状態が復旧した場合には、停電状態となる前の状態に復帰される。しかし、大規模地震が発生して一時的な停電が発生したような場合、例え停電が復旧したとしても電源オン状態とすべきではない場合もある。
【0069】
そのため、装置本体部40の加速度を加速度センサのような加速度検出手段により検出して、検出された加速度が予め設定された値よりも大きい場合には地震が発生したと判定して、停電発生前が例えオン状態であったとしても、停電が復旧後にオフ状態とするような制御をするようにしても良い。
【0070】
ただし、加速度センサにより検出された加速度が予め設定された値よりも大きい場合でも、ユーザの操作により正規の電源オフ処理が行われたような場合には、停電が復旧後に常にオフ状態とするような制御が必要ないと考えることもできる。そのため、地震が発生したことが検出された場合でも、正規の電源オフ処理が行われた場合には、停電が復旧後に常にオフ状態とするような制御を行わないようにしても良い。
【0071】
上記のような制御を行うためには、画像形成装置10に加速度センサを設け、CPU53は、この加速度センサにより検出された加速度の値に基づいて、地震が発生したか否かを判定し、地震が発生したと判定した場合、地震の発生の有無を示す地震検出ビットを、不揮発性メモリ54のオン/オフ状態保持ビットを格納した特定領域とは異なる他の特定領域に書き込む。
【0072】
また、CPU53は、正規の電源オフ処理が行われたことを示す正規オフ処理確認ビットを、不揮発性メモリ54の上記のオン/オフ状態保持ビット、地震検出ビットとは異なる特定領域に書き込む。
【0073】
このような制御を行う場合の不揮発性メモリ54の様子を
図8を参照して説明する。
【0074】
不揮発性メモリ54には、停電前の装置本体部40の状態がオン状態であったかオフ状態であったかを示すオン/オフ状態保持ビット81と、地震の発生が検出されたか否かを示す地震検出ビット82と、正規の電源オフ処理が行われたか否かを示す正規オフ処理確認ビット83とが、それぞれ特定領域に格納されている。
【0075】
そして、オン/オフ状態保持ビット81、地震検出ビット82、正規オフ処理確認ビット83に格納されている論理が外部に信号として出力されている。
【0076】
ここで、オン/オフ状態保持ビット81は、上記でも説明したように、電源遮断前にオン状態の場合には”0”が書き込まれ、電源遮断前にオフ状態の場合には”1”が書き込まれる。
【0077】
また、地震検出ビット82は、地震が検出された場合には”0”が書き込まれ、地震が検出されない場合には”1”が書き込まれる。
【0078】
また、正規オフ処理確認ビット83は、通常で”0”が保持されており、正規の電源オフ処理が行われると”1”に書き替えられる。
【0079】
そして、不揮発性メモリ54は、地震検出ビット82として格納されたビットの論理の状態を、地震が検出されたか否かを示す地震検出信号として外部に出力し、正規オフ処理確認ビット83として格納されたビットの論理の状態を、正規の電源オフ処理が行われたか否かを示す出力信号として外部に出力する。
【0080】
また、このような構成が用いられる場合には、オン/オフ状態保持信号101は、
図8に示されるような論理回路により生成されて出力される。この論理回路は、アンド回路71と、バッファ回路72とを備えている。
【0081】
バッファ回路72は、不揮発性メモリ54から出力された正規オフ処理確認ビット83に基づく出力信号がLの場合に、地震検出ビット82に基づく出力信号の論理をそのまま出力する。なお、不揮発性メモリ54から出力された正規オフ処理確認ビット83に基づく出力信号がHの場合には、バッファ回路72の出力はHとなるように設定されている。
【0082】
アンド回路71は、バッファ回路72の出力と、オン/オフ状態保持ビット81に基づく出力信号との間の論理積演算を行って、その演算結果をオン/オフ状態保持信号101として出力する。
【0083】
このようにしてアンド回路71とバッファ回路72とから構成される記論理回路は、不揮発性メモリ54のオン/オフ状態保持ビット81の論理が電源遮断前に装置本体部40がオン状態であったことを示している場合でも、地震検出ビット82の論理が地震が検出されたことを示している場合には、CPU53への電源供給が行われないような制御を行う。
【0084】
また、この論理回路は、地震検出ビット82の論理が地震が検出されたことを示している場合でも、正規オフ処理確認ビット83の論理が、正規の電源オフ処理が実行されたことを示している場合には、オン/オフ状態保持ビット81の論理をオン/オフ状態保持信号101として出力するような制御を行う。
【0085】
この論理回路の動作を、
図9〜
図11を参照して説明する。
【0086】
先ず地震の発生が検出されない場合の動作を
図9を参照して説明する。地震の発生が検出されない場合、地震検出ビット82は、”1”となり、正規オフ処理確認ビット83も”1”となる。そのため、バッファ回路72は動作せずHを出力するので、オン/オフ状態保持ビット81の論理がオン/オフ状態保持信号101として出力される。
【0087】
また、地震の発生が検出された場合であっても正規の電源オフ処理が実行された場合には、
図10に示すように、地震検出ビット82は、”0”となり、正規オフ処理確認ビット83は”1”となる。そのため、バッファ回路72は動作せずHを出力するので、オン/オフ状態保持ビット81の論理がオン/オフ状態保持信号101として出力される。
【0088】
このような制御が行われるため、地震の発生が検出されたとしても、正規の電源オフ処理が行われなかった場合には、オン/オフ状態保持ビット81の論理に基づいて、停電から復旧後に装置本体部40の状態が停電前の状態に戻されることになる。
【0089】
最後に、地震の発生が検出された場合であって正規の電源オフ処理が実行されなかった場合には、
図11に示すように、地震検出ビット82は、”0”となり、正規オフ処理確認ビット83も”0”となる。そのため、バッファ回路72が動作して地震検出ビット82に基づくLを出力するので、オン/オフ状態保持ビット81の論理に関係なくオン/オフ状態保持信号101は”0”(L)となる。
【0090】
このような制御が行われるため、地震の発生が検出され、かつ正規の電源オフ処理が行われなかったような場合には、オン/オフ状態保持ビット81の論理に関係なく、停電から復旧後においても装置本体部40は常にオフ状態となる。
【0091】
[変形例]
上記実施形態では、印刷用紙上に画像を印刷するような画像形成装置に対して本発明を適用した場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ファクシミリ受信機、テレビ受信機等のオン/オフ状態の制御が行われる他の電気機器に対しても同様に本発明を適用することができるものである。