特許第6032460号(P6032460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032460
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】パワーコンディショナ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20161121BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
   H02M7/48 R
   H05K7/20 G
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-59150(P2012-59150)
(22)【出願日】2012年3月15日
(65)【公開番号】特開2013-198175(P2013-198175A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2014年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(72)【発明者】
【氏名】中本 篤志
(72)【発明者】
【氏名】吉武 晃
(72)【発明者】
【氏名】佐野 嘉彦
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−028883(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/043325(WO,A1)
【文献】 特開2005−269692(JP,A)
【文献】 特開2001−037255(JP,A)
【文献】 特開2002−203729(JP,A)
【文献】 特開平03−084344(JP,A)
【文献】 特開2005−332879(JP,A)
【文献】 再公表特許第2010/106606(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が開口されて通気口を有するケース本体及び前記ケース本体の前記開口を覆うパネルを有するケースと、
前記ケース本体に収納されて少なくとも直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を含み商用電力系統との系統連系運転を行う電子回路と、
絶縁性を有する材料から成り前記電子回路を構成する電子部品よりも前記パネル側に設けられる保護シートと、を備え、
前記電子回路を構成する電子部品は、前記インバータ回路の出力側に接続されるリアクトルを含む第1部品ブロックと、前記インバータ回路を構成する電子部品をヒートシンク上に設けた第2部品ブロックと、ノイズフィルタを構成する電子部品或いはリレーを含む第3部品ブロックとに分けて前記ケース本体に収納され、
前記ケース本体には、前記保護シートに設けられる孔に嵌合する突部が設けられることを特徴とするパワーコンディショナ。
【請求項2】
前記ケース本体のうち前記第1部品ブロックと対向する部位に前記通気口を設けることを特徴とする請求項1記載のパワーコンディショナ。
【請求項3】
前記第1部品ブロックは、1乃至複数のリアクトルと、絶縁性を有する材料から形成されて前記ケース本体に取り付ける取付台座とを有し、前記取付台座には、前記リアクトルのうち基板実装用のリアクトルを着脱自在に取り付けることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーコンディショナ。
【請求項4】
前記第2部品ブロックは、絶縁性を有する材料から形成されて前記ヒートシンクを前記ケース本体に固定するための固定部材を有し、前記固定部材に、前記ヒートシンクの位置決めをする側壁を設けることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のパワーコンディショナ。
【請求項5】
前記第2部品ブロックの電子部品には、複数のコンデンサが含まれ、前記コンデンサは、コンデンサ用ケースに樹脂材料でモールドして固定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のパワーコンディショナ。
【請求項6】
前記パネルは、前記ケース本体に設けられる引掛け孔に挿入する引掛け片を有し、前記引掛け孔の周縁に引っ掛かる位置と引っ掛からない位置との間で回動自在であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のパワーコンディショナ。
【請求項7】
前記ケース本体は、前記一面の周縁から互いに段違いに突出して前記保護シートを挟持する複数の第1突片及び第2突片を有し、前記第1突片又は前記第2突片の少なくとも何れか一方に、前記突部を設けることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のパワーコンディショナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電用のパワーコンディショナに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境問題への関心の高まりとともに、自然エネルギーを利用した新エネルギー技術が注目されている。特に、太陽光発電システムの住宅への普及が加速されてきている。太陽光発電システムは、太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池、およびその設置架台と、直流電力を交流電力に変換するインバータや配線を行う接続箱などにより構成されている。
【0003】
通常、太陽光発電システムに用いられる太陽電池には、太陽電池素子を複数直列・並列にした太陽電池モジュールが用いられる。しかしながら、太陽電池モジュールによって発電される電力は直流電力として取り出されるため、一般家庭に普及している電気機器のような交流電力用の負荷にそのまま供給することができない。そこで、発電電力の直流−交流変換を行うための電力変換装置を用いて、電力会社の商用電力系統と同様の交流電力を作り出せるようにして交流電力用の負荷に電力供給するのが一般的である。また、電力変換装置では、余剰電力を商用電力系統に逆潮流(売電)できるようにするのが一般的である。このような機能を有する電力変換装置をパワーコンディショナと称している。このようなパワーコンディショナが例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
ところで、パワーコンディショナは、動作時にインバータ回路でのスイッチングロスなどの損失分が熱として生じるため、高温となる。そこで、特許文献1に記載のパワーコンディショナでは、パワーコンディショナの背面に放熱板などを用いることで、外部へ熱を逃がすようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−269692号公報(段落[0002]〜[0007]、及び図9参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、パワーコンディショナは、通常、屋内の玄関や廊下、洗面所などの人の目に触れる所に設置されることが多く、外観上の理由から極端に大型の放熱板を設けることができない。
【0007】
そこで、パワーコンディショナのケース内部に放熱板を設けることが考えられる。しかしながら、放熱性能を高めるために放熱板を大きくすると、放熱板を収納するケースも大きくする必要があるため、ケースが大型化するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、放熱性能を高めることができ、且つケースの大型化を回避することのできるパワーコンディショナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のパワーコンディショナは、一面が開口されて通気口を有するケース本体及び前記ケース本体の前記開口を覆うパネルを有するケースと、前記ケース本体に収納されて少なくとも直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を含み商用電力系統との系統連系運転を行う電子回路と、絶縁性を有する材料から成り前記電子回路を構成する電子部品よりも前記パネル側に設けられる保護シートと、を備え、前記電子回路を構成する電子部品は、前記インバータ回路の出力側に接続されるリアクトルを含む第1部品ブロックと、前記インバータ回路を構成する電子部品をヒートシンク上に設けた第2部品ブロックと、ノイズフィルタを構成する電子部品或いはリレーを含む第3部品ブロックとに分けて前記ケース本体に収納され、前記ケース本体には、前記保護シートに設けられる孔に嵌合する突部が設けられることを特徴とする。
【0010】
このパワーコンディショナにおいて、前記ケース本体のうち前記第1部品ブロックと対向する部位に前記通気口を設けることが好ましい。
【0011】
このパワーコンディショナにおいて、前記第1部品ブロックは、1乃至複数のリアクトルと、絶縁性を有する材料から形成されて前記ケース本体に取り付ける取付台座とを有し、前記取付台座には、前記リアクトルのうち基板実装用のリアクトルを着脱自在に取り付けることが好ましい。
【0012】
このパワーコンディショナにおいて、前記第2部品ブロックは、絶縁性を有する材料から形成されて前記ヒートシンクを前記ケース本体に固定するための固定部材を有し、前記固定部材に、前記ヒートシンクの位置決めをする側壁を設けることが好ましい。
【0013】
このパワーコンディショナにおいて、前記第2部品ブロックの電子部品には、複数のコンデンサが含まれ、前記コンデンサは、コンデンサ用ケースに樹脂材料でモールドして固定することが好ましい。
【0014】
このパワーコンディショナにおいて、記パネルは、前記ケース本体に設けられる引掛け孔に挿入する引掛け片を有し、前記引掛け孔の周縁に引っ掛かる位置と引っ掛からない位置との間で回動自在であることが好ましい。
【0015】
このパワーコンディショナにおいて、記ケース本体は、前記一面の周縁から互いに段違いに突出して前記保護シートを挟持する複数の第1突片及び第2突片を有し、前記第1突片又は前記第2突片の少なくとも何れか一方に、前記突部を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、発熱量の大きさと背丈の高さに基づいて、第1部品ブロックと、第2部品ブロックと、第3部品ブロックとに電子部品を分けている。そして、各部品ブロックを区分けしてケースに収納している。このため、従来のように大型の放熱板をケース内部に設ける必要がなく、また、電子部品を効率良く配置できるので、放熱性能を高めることができ、且つケースの大型化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るパワーコンディショナの実施形態を示す図で、(a),(b)は全体斜視図で、(c)はパネルを外した状態の全体斜視図である。
図2】同上のパワーコンディショナの回路概略図である。
図3】同上のパワーコンディショナのケース本体を示す図で、(a)は斜視図で、(b)は前面図で、(c)は下面図で、(d)は上面図で、(e)〜(g)は保護シートの取付説明図である。
図4】同上のパワーコンディショナのパネルを示す図で、(a)はパネルの取付説明図で、(b)は前面図で、(c)は後方から見た斜視図で、(d)〜(f)は引掛け片の説明図である。
図5】同上のパワーコンディショナの各部品ブロックを示す図で、(a)は前面図で、(b)は斜視図である。
図6】同上のパワーコンディショナのベース及び固定部材を示す図で、(a)は前面図で、(b)は分解斜視図である。
図7】同上のパワーコンディショナの第2端子台を取り付けたベース前面図である。
図8】(a)は同上のパワーコンディショナの第2部品ブロックを取り付けたベース前面図で、(b)は同上のパワーコンディショナのヒートシンクの取付説明図である。
図9】同上のパワーコンディショナのコンデンサブロックを示す図で、(a)は分解斜視図で、(b)はコンデンサ用基板の取付説明図である。
図10】同上のパワーコンディショナの第1部品ブロック及び第3部品ブロックを取り付ける際の分解斜視図である。
図11】同上のパワーコンディショナの取付台座を示す図で、(a)は斜視図で、(b)は前面図で、(c)は側面図で、(d)は第1リアクトルを1つ外した状態の斜視図である。
図12】(a)は同上のパワーコンディショナの第6基板及び隔離板を取り付けたベース前面図で、(b)は同上のパワーコンディショナの第6基板及び隔離板を取り付ける際の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るパワーコンディショナの実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、図1(a)に示す矢印により上下左右方向、及び前後方向を定めるものとする。
【0019】
本実施形態は、太陽光発電を利用した系統連系システムに用いられるパワーコンディショナPC1である。この系統連系システムは、図2に示すように、住宅の屋根等に設置する複数の太陽電池A1と、各太陽電池A1により発電された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナPC1とで構成される。そして、この系統連系システムは、パワーコンディショナPC1と商用電力系統(図示せず)との間に接続された負荷(図示せず)に対して、系統連系運転と自立運転との何れか一方に切り替えて交流電力を供給するものである。ここで、系統連系運転とは、パワーコンディショナPC1と商用電力系統とを連系して運転することを示す。また、自立運転とは、例えば商用電力系統が停電している場合等に、パワーコンディショナPC1のみを運転することを示す。
【0020】
太陽電池A1は、それぞれ複数の太陽電池モジュールA10を直列に接続して成るストリングで構成されている。本実施形態では、各太陽電池A1を構成する太陽電池モジュールA10の数は一定ではない。このため、各太陽電池A1から得られる直流電力も一定ではない。そこで、本実施形態では、後述する昇圧回路を内蔵した所謂マルチストリング型のパワーコンディショナPC1を構成している。したがって、各太陽電池A1から得られる直流電力を昇圧回路により一定にすることで、各太陽電池A1における太陽電池モジュールA10の数を考慮せずに系統連系システムを構築することができる。
【0021】
パワーコンディショナPC1は、図1(a)〜(c)に示すように、ケース本体1及びパネル2から成る直方体状のケース3と、ケース3に収納されて上記の系統連系運転又は自立運転の制御を行う電子回路とを備える。この電子回路は、後述するように、各部品ブロックB1〜B3に区画してケース3に収納される。
【0022】
ケース本体1は、ベース10と、上側板11、下側板12、右側板13、左側板14とで構成される。ベース10は、図6(b)に示すように、矩形状の金属板から成る。ベース10の前面に、各部品ブロックB1〜B3を載置する。ベース10の右下部には、後述する第2端子台5を取り付ける。また、ベース10の右下部には、第2端子台5の入力用端子ねじ50Aへの配線作業の妨げとならないように、矩形状の切り欠き10Aを設けている。また、ベース10前面の中央部を挟んだ左右両側には、後述するヒートシンク7及び固定部材18を取り付けるための第1取付孔10Bをそれぞれ3つずつ貫設している。各側の3つの第1取付孔10Bは、上下方向に沿って一定の間隔を空けて設けられている。
【0023】
更に、ベース10の左上部には、後述する取付台座9の引掛け片92を引っ掛ける1対の矩形状の引掛け孔10Cを貫設している。また、ベース10には、各引掛け孔10Cと上下方向に沿って一定の間隔を空けて、1対の第2取付孔10Dを貫設している。これら第2取付孔10Dは、後述する取付台座9の取付片93をねじ止めするために用いる。
【0024】
ベース10は、壁面等の造営面(図示せず)に予め取り付けてある取付板(図示せず)に取り付けることができる。ベース10を取付板に取り付けることで、パワーコンディショナPC1を造営面に取り付けることができる。なお、ベース10を取付板に取り付ける際には、例えばねじ止め等の周知の技術を用いればよく、ここでは説明を省略する。
【0025】
各側板11〜14は、図1(a),図3(b)に示すように、ベース10の四辺からそれぞれ前向きに突出する矩形状の金属板から成る。上側板11の左右方向における中央部には、前後方向に沿って長尺な複数のスリットから成る第1通気口11Aを設けている。また、上側板11における第1通気口11Aの周部には、メッシュ状の第2通気口11Bを設けている。下側板12の左右方向における中央部には、上側板11と同様に第1通気口12Aを設けている。また、下側板12における第1通気口12Aの周部には、上側板11と同様に第2通気口12Bを設けている。これら通気口11A,12A,11B,12Bは、外気をケース本体1内部に取り込むための吸い込み口、又はケース本体1内部の空気を外部に放出するための吐き出し口として機能する。
【0026】
また、下側板12の右部には、後述する第2端子台5の下部及びコンセント6を外部に露出するための矩形状の切り欠き12Cを設けている(図3(a)参照)。この切り欠き12Cは、矩形状の第1端子カバー12Dで覆われている。なお、第1端子カバー12Dは、取り付け及び取り外しが自在である。
【0027】
上側板11の前端には、図1(c)に示すように、前向きに突出する上延設片15を設けている。同様に、右側板13の前端、及び左側板14の前端には、それぞれ前向きに突出する右延設片16及び左延設片17を設けている。各延設片15〜17は、パネル2をケース本体1に取り付けた際に、パネル2の内壁と対向する。これにより、例えば埃等の外部からの異物がケース本体1へ侵入するのを防いでいる。上延設片15には、図4(a)に示すように、1対の矩形状の引掛け孔15Aを左右方向に亘って一定の間隔を空けて貫設している。
【0028】
下側板12の前端縁には、図1(c)に示すように、上向きに突出する第1突片12Eを左右方向に亘って複数設けている。また、下側板12の前端縁には、第1突片12Eと前後方向において互いに段違いとなるように上向きに突出する第2突片12Fを左右方向に亘って複数(本実施形態では4つ)設けている。各第2突片12Fには、図3(g)に示すように、後向きに突出する半球形状の突部12Gを一体に形成している。
【0029】
上延設片15の前端縁には、図1(c)に示すように、下向きに突出する第1突片15Bを左右方向に亘って複数設けている。また、上延設片15の前端縁には、第1突片15Bと前後方向において互いに段違いとなるように下向きに突出する第2突片15Cを左右方向に亘って複数(本実施形態では4つ)設けている。各第2突片15Cには、図3(g)に示すように、後向きに突出する半球形状の突部15Dを一体に形成している。
【0030】
ここで、ケース本体1の前面は、例えば埃等の外部からの異物が内部に侵入しないように、矩形状の保護シート22で覆っている。なお、保護シート22の右下部には、後述する第1端子台4の前部を覆う第2端子カバー23を避けるために、矩形状の切り欠き22Aを設けている。なお、第2端子カバー23は、取り付け及び取り外しが自在である。保護シート22の上端縁及び下端縁には、図3(b),(e),(f)に示すように、それぞれ複数(本実施形態では4つ)の丸孔22Bを左右方向に亘って貫設している。
【0031】
以下、保護シート22をケース本体1に取り付ける方法について説明する。先ず、図3(f)に示すように、保護シート22の下端縁を各第1突片12Eと各第2突片12Fとの間に挿入する。そして、図3(g)に示すように、各第2突片12Fの突部12Gを、対向する保護シート22の丸孔22Bに嵌合する。次に、図3(e)に示すように、保護シート22の上端縁を各第1突片15Bと各第2突片15Cとの間に挿入する。そして、そして、図3(g)に示すように、各第2突片15Cの突部15Dを、対向する保護シート22の丸孔22Bに嵌合する。これにより、保護シート22がケース本体1に取り付けられる。
【0032】
このように、本実施形態では、第1突片12E,15Bと第2突片12F,15Cとの間に保護シート22を挟み込み、各突部12G,15Dを各丸孔22Bに嵌合するだけで保護シート22をケース本体1に取り付けることができる。したがって、本実施形態では、従来のように保護シート22をケース本体1にねじ止めする必要がなく、施工し易い。また、本実施形態では、保護シート22を取り付ける際にねじ止めが不要であることから、取付ねじやナット等の部品も不要であり、コストを削減することができる。なお、本実施形態では、第2突片12F,15Cにそれぞれ突部12G,15Dを設けているが、第1突片12E,15Bに突部を設けてもよい。
【0033】
パネル2は、図4(a)〜(c)に示すように、後面を開口した扁平な箱形に形成されている。パネル2前面の下部には、後述する操作部8を露出させるための矩形状の窓孔20を貫設している。パネル2上面の後端縁には、1対の引掛け片21を左右方向に亘って一定の間隔を空けて設けている。各引掛け片21は、図4(f)に示すように、後向きに突出する第1立片21Aと、第1立片21Aの先端から下向きに突出する第2立片21Bと、第2立片21Bの先端から後向きに突出する第3立片21Cとを一体に形成して成る。
【0034】
パネル2は、図4(a)に示すように、各引掛け片21をケース本体1の引掛け孔15Aに挿入して引掛け、下面をケース本体1にねじ止めすることで、ケース本体1に取り付けることができる。
【0035】
ここで、従来では、図4(d)に示すように、引掛け片21’の先端部が下向きに突出するように折り曲げられていた。このため、パネル2をケース本体1に取り付ける際には、引掛け片21’の先端部を上方から下方へとスライドさせることで、引掛け片21’を引掛け孔15Aに挿入して引っ掛けていた。この構成では、引掛け片21’が引掛け孔15Aから外れるのを防ぐために、引掛け片21’の先端部の下方向に沿った長さを十分に長くする必要があった。
【0036】
一方、本実施形態では、図4(e),(f)に示すように、パネル2を傾けた状態で各引掛け片21を各引掛け孔15Aに挿入し、パネル2を反時計回りに回動することで、各引掛け片21を回動して各引掛け孔15Aに引っ掛けることができる。この構成では、第3立片21Cが引掛け孔15Aの周縁に引っ掛かる。すなわち、引掛け片21は、引掛け孔15Aの周縁に引っ掛かる位置と引っ掛からない位置との間で回動自在となっている。このため、引掛け片21の先端部の下方向に沿った長さを長くすることなく、引掛け片21が引掛け孔15Aから外れるのを防止することができる。
【0037】
このように、本実施形態では、引掛け片21の先端部の下方向に沿った長さを短くすることができる。このため、ケース本体1内部において引掛け片21の先端部が占めるスペースが小さくなるため、ケース本体1を小型化することができる。なお、パネル2をケース本体1から取り外す場合には、パネル2下面のねじを外し、その後パネル2を時計回りに回動して各引掛け片21を各引掛け孔15Aから外せばよい。
【0038】
以下、パワーコンディショナPC1の回路の概略について図2を用いて説明する。パワーコンディショナPC1は、第1端子台4及び第2端子台5と、自立運転用のコンセント6とを備える。また、パワーコンディショナPC1は、各種回路を実装した第1基板P1、第2基板P2、第3基板P3、第4基板P4、第5基板P5、第6基板P6(図12参照)を備える。
【0039】
ここで、第1端子台4は、複数(本実施形態では4つ)の太陽電池A1と接続する直流入力用の端子台である。第1端子台4は、図5に示すように、太陽電池A1からの入力用配線を接続する入力用端子ねじ40Aと、第1ノイズフィルタNF1への出力用配線を接続する出力用端子ねじ40Bとを1対として、8対の接続端子40を備える。接続端子40は、2対を1組として太陽電池A1の入力に用いる。すなわち、本実施形態では、第1端子台4が4組の接続端子40を備えるため、4つの太陽電池A1を接続することができる。
【0040】
第2端子台5は、商用電力系統と接続する系統連系用の端子台である。第2端子台5は、図7に示すように、商用電力系統への出力用配線を接続する出力用端子ねじ50Aと、解列用リレーRY1及び自立用リレーRY2からの入力用配線を接続する入力用端子ねじ50Bとを1対として、6対の接続端子50を備える。1対の接続端子50は、アースを接続するために用いる。3対の接続端子50は、商用電力系統の単相3線を接続するために用いる。残りの2対の接続端子50は、自立運転時に、例えば予め配線してある照明器具等の電気機器に電力を供給するための接続端子として用いる。
【0041】
コンセント6は、例えば停電時などの商用電力系統から切り離された状態で、太陽電池A1からの電力で自立運転する場合に用いる。すなわち、商用電力系統から切り離された状態において、コンセント6に電気機器(図示せず)を接続することで、太陽電池A1からの電力を電気機器に供給することができる。
【0042】
第1基板P1には、第1端子台4を介して4つの太陽電池A1と接続する4つの第1ノイズフィルタNF1を実装している。各第1ノイズフィルタNF1は、後述するインバータ回路から太陽電池A1への高周波ノイズの流出を抑制するものである。各太陽電池A1は、これら第1ノイズフィルタNF1を介して後述の昇圧回路と接続される。
【0043】
第2基板P2には、複数(本実施形態では2つ)の昇圧回路を実装している。各昇圧回路は、それぞれ太陽電池A1から供給される直流電力を昇圧して出力するものである。昇圧回路は、太陽電池A1と1対1に対応するため、太陽電池A1の数だけ設ける必要がある。このため、本実施形態では、2つの第2基板P2にそれぞれ2つの昇圧回路を実装することで、4つの太陽電池A1とそれぞれ接続される計4つの昇圧回路を設けている。
【0044】
各昇圧回路は、第1リアクトルL1と、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、コンデンサC1とから1石式昇圧チョッパとして構成されている。各昇圧回路は、日射量に基づいて例えば0V〜300V程度の範囲内で絶えず変動する太陽電池A1からの直流電圧を、商用電力系統の交流電圧値の1.4倍程度に昇圧する。
【0045】
ここで、各昇圧回路の各第1リアクトルL1は、第2基板P2には実装せず、後述するように第1部品ブロックB1としてベース10に配置する。また、コンデンサC1は、第2基板P2には実装せず、コンデンサブロックCB1として別に配置する。
【0046】
コンデンサブロックCB1は、図9(a)に示すように、複数の小型コンデンサC10と、各小型コンデンサC10を実装するコンデンサ用基板CP1と、コンデンサ用基板CP1を収納するコンデンサ用ケースCC1とで構成される。
【0047】
複数の小型コンデンサC10は、コンデンサC1を構成するものである。このように、大型のコンデンサを用意する代わりに、複数の小型コンデンサC10でコンデンサC1を構成することで、前後方向に沿った厚み寸法を小さくすることができる。
【0048】
コンデンサ用ケースCC1は樹脂材料から成り、前面を開口した扁平な箱形に形成されている。コンデンサ用基板CP1は、図9(b)に示すように、コンデンサ用ケースCC1に樹脂材料から成るポッティング材PM1を充填してモールドすることにより、コンデンサ用ケースCC1の内部に固定する。これにより、各小型コンデンサC10間の絶縁距離を確保することができる。また、ポッティング材PM1により、各小型コンデンサC10の発する熱を放熱する効果も期待できる。
【0049】
第3基板P3には、インバータ回路を実装している。インバータ回路は、4つの第2スイッチング素子Q2によりフルブリッジ回路として構成されている。インバータ回路は、後述する制御回路(図示せず)によるPWM制御にしたがって各第2スイッチング素子Q2を駆動し、昇圧回路からの直流電力を交流電力に変換する。
【0050】
インバータ回路の出力端には、高調波を抑制するための第2リアクトルL2を接続している。この第2リアクトルL2は、後述するように第部品ブロックBに含まれるものであり、ベース10前面に取り付けられる。
【0051】
第4基板P4には、直流抵抗式の電流センサS1やカレントトランスCT1を有する保護回路を実装している。制御回路は、これら電流センサS1及びカレントトランスCT1で測定した電流値に基づいてインバータ回路を制御することにより、過負荷からの保護を図っている。また、第4基板P4には、電源投入時の突入電流を制限する突入電流制限回路LC1を実装している。
【0052】
第5基板P5には、第2ノイズフィルタNF2と、解列用リレーRY1と、自立用リレーRY2とを実装している。第2ノイズフィルタNF2は、インバータ回路の出力に含まれるPWMキャリア周波数のリップル成分を平滑することで、正弦波状の交流電圧に変換して出力する。解列用リレーRY1は、制御回路の制御にしたがって、系統連系(パワーコンディショナPC1と商用電力系統との接続)又は解列(パワーコンディショナPC1と商用電力系統との接続の遮断)を行う。自立用リレーRY2は、制御回路の制御にしたがって、パワーコンディショナPC1からコンセント6への給電経路の開閉を行う。
【0053】
第2ノイズフィルタNF2の入力端には、インバータ回路と第2ノイズフィルタNF2との間の両ラインを内側に挿通した地絡検出用コアGC1を設けている。制御回路は、この地絡検出用コアにより地絡電流が検出されると、異常有りと判断して昇圧回路及びインバータ回路の制御を停止し、解列用リレーRY1に対して解列制御を行う。これにより、本実施形態に係る系統連系システムを地絡から保護することができる。
【0054】
第6基板P6には、制御回路を実装している。制御回路は、マイクロコンピュータを備え、パワーコンディショナPC1の制御全般を行う。制御回路は、例えば昇圧回路の出力電圧を取り込み、この出力電圧に基づいてスイッチング素子Q1に与える駆動信号のデューティ比を調整する。これにより、制御回路は、昇圧回路の出力電圧を一定電圧に制御する。また、制御回路は、インバータ回路の各スイッチング素子Q2に駆動信号を与えてPWM制御することにより、昇圧回路からの直流電力を交流電力に変換する。更に、制御回路は、商用電力系統の停電の有無を監視し、停電の場合には、昇圧回路及びインバータ回路の制御を停止し、解列用リレーRY1に対して解列制御を行う。
【0055】
また、制御回路は、操作部8での手動入力に基づいて、系統連系を行う系統連系運転モードと、自立運転を行う自立運転モードとを切り替える。ここで、操作部8は、図1(a)に示すように、各種情報を表示する液晶ディスプレイ80と、入力操作を受け付ける各種スイッチ81とを備える。また、操作部8は、その前面を樹脂材料から成る化粧カバー82で覆っている。
【0056】
例えば、系統連系運転モード時において運転切替用のスイッチ81を操作すると、制御回路は、解列用リレーRY1に対して解列制御を行うとともに、自立用リレーRY2を制御してコンセント6への給電経路を閉成する。これにより、パワーコンディショナPC1は自立運転モードに切り替わるため、コンセント6を介して電気機器に太陽電池A1からの電力を供給することができる。また、停電時において制御回路は系統連系運転を停止させるが、このときに運転切替用のスイッチ81を操作することで、自立運転モードに切り替えることもできる。
【0057】
ここで、パワーコンディショナPC1の各種回路は、図5(a),(b)に示すように、回路を構成する電子部品を第1部品ブロックB1、第2部品ブロックB2、第3部品ブロックB3に分けて配置することで構成されている。第1部品ブロックB1は、電子部品のうち発熱量が大きく、且つケース本体1の厚み方向(前後方向)における長さが長い(背丈の高い)電子部品から成る。本実施形態では、第1リアクトルL1及び第2リアクトルL2が第1部品ブロックB1に含まれる。
【0058】
通常、昇圧回路用のリアクトルは昇圧回路用の第2基板P2に実装する。しかしながら、本実施形態では、ケース本体1の小型化を考慮して、背丈の高い昇圧回路用のリアクトルを第1部品ブロックB1としてベース10に直接取り付ける必要がある。ここで、ベース10に直接取り付けることが可能な既存のリアクトルを用いることが考えられる。しかしながら、このようなリアクトルは大型であることから、取り付けるために必要なスペースが大きくなり、ケース本体1の大型化を招く虞がある。
【0059】
そこで、本実施形態では、昇圧回路用のリアクトルとして、基板実装用の小型のリアクトルL1を用いている。このリアクトルL1は基板実装用であることからベース10に直接取り付けることができないので、本実施形態では、ベース10に取付台座9を取り付け、この取付台座9にリアクトルL1を取り付けている。これにより、従来の基板実装用のリアクトルL1をベース10に取り付けることができる。
【0060】
本実施形態では、4つのリアクトルL1を取り付けるために、2つの取付台座9を用いている。取付台座9は、絶縁性を有する樹脂材料から成り、図11(a)〜(d)に示すように、2つの固定部90を一体に形成した直方体状となっている。固定部90は、トロイダルコイルであるリアクトルL1の形状に沿った曲面を有する。そして、固定部90の曲面にリアクトルL1を載置することで、リアクトルL1を固定部90に固定する。また、各固定部90には、リアクトルL1から引き出される電線EC1を嵌め込むことのできる断面U状のガイド部91をそれぞれ設けている。このガイド部91に電線EC1を嵌め込むことで、電線EC1を所定の向きに案内することができる。
【0061】
取付台座9の長手方向における一端部には、ベース10の引掛け孔10Cに挿入して引っ掛けるための引掛け片92を設けている。また、取付台座9の長手方向における他端部には、ベース10の第1取付孔10Dにねじ止めするための突片93を設けている。この突片93の中央部には、取付ねじを挿入する取付孔93Aを貫設している。取付台座9を取り付けるには、先ず引掛け片92をベース10の引掛け孔10Cに挿入して引っ掛ける。そして、突片93の取付孔93Aをベース10の第2取付孔10Dに重ね合わせ、取付ねじでねじ止めすることで、取付台座9をベース10に取り付けることができる。
【0062】
このように、本実施形態では、取付台座9を介して基板実装用の小型のリアクトルL1をベース10に取り付けることができる。このため、昇圧回路用のリアクトルとして従来の大型のリアクトルを用いる必要がなく、ケース本体1の小型化を図ることができる。また、本実施形態では、従来の大型のリアクトルを用いる必要がないことから、コストを低減することもできる。また、取付台座9は、その一端部の引掛け片92をベース10に設けた引掛け孔10Cに引掛け、他端部の突片93をねじ止めするだけでベース10に取り付けることができる。このため、取付台座9の取付作業を容易に行える。
【0063】
第2部品ブロックB2は、電子部品のうち発熱量が大きく、且つケース本体1の厚み方向における長さが短い(背丈の低い)電子部品をヒートシンク7上に載置して成る。本実施形態では、第2基板P2に実装される昇圧回路を構成する電子部品(第1リアクトルL1を除く)と、第3基板P3に実装されるインバータ回路を構成する電子部品と、複数のコンデンサC10とが第2部品ブロックB2に含まれる。
【0064】
ヒートシンク7は、上下方向に長尺な直方体状であって、1対の固定部材18を介してベース10に取り付けられる。ヒートシンク7の上面には、図8(b)に示すように、第2基板P2と、第3基板P3と、コンデンサブロックCB1とを載置している。ヒートシンク7の左右両壁の後端縁には、それぞれ外向きに突出する長尺板状の取付片70を一体に形成している。この取付片70には、上下方向に亘って一定の間隔を空けて3つの取付孔70Aを貫設している。
【0065】
固定部材18は、絶縁性を有する樹脂材料から成り、図6(a),(b)に示すように、上下方向に沿って長尺な板状に形成されている。固定部材18には、上下方向に沿って一定の間隔を空けて3つの取付孔18Aを貫設している。また、固定部材18には、前向きに突出し且つヒートシンク7の取付片70と当接する側壁18Bを形成している。
【0066】
ヒートシンク7をベース10に取り付けるには、図8(a),(b)に示すように、先ず、ヒートシンク7の各取付孔70Aと、各固定部材18の各取付孔18Aと、ベース10の各第1取付孔10Bとを重ね合わせる。そして、各取付孔70A,18A,10Bに取付ねじを挿入して共締めする。これにより、ヒートシンク7を各固定部材18を介してベース10に取り付けることができる。したがって、ヒートシンク7をベース10に対して絶縁することができる。
【0067】
ここで、ヒートシンク7の各取付片70を各固定部材18の各側壁18Bに当接することで、ヒートシンク7を各固定部材18に対して位置決めすることができる。この場合、ヒートシンク7の各取付孔70Aと、各固定部材18の各取付孔18Aとを重ね合わせ易くなるので、ヒートシンク7の取付作業を容易に行うことができる。
【0068】
なお、ヒートシンク7をベース10に取り付ける際に、取付ねじの頭部がヒートシンク7と接触し、絶縁性能が劣化する虞がある。そこで、本実施形態では、ヒートシンク7の各取付片70と各固定部材18との間に、矩形状の絶縁板19を挟んでいる。絶縁板
19は、図8(b)に示すように、その中央部に取付ねじを挿入するための挿入孔19Aを設けている。また、絶縁板19の左右両辺のうち何れか一方には、前向きに突出する突壁19Bを一体に形成している。この突壁19Bを取付ねじとヒートシンク7との間に介在させることで、取付ねじの頭部とヒートシンク7との間の絶縁を図ることができる。
【0069】
第3部品ブロックB3は、電子部品のうち発熱量が小さい電子部品から成る。本実施形態では、第1基板P1に実装される各ノイズフィルタNF1を構成する電子部品と、第5基板P5に実装されるノイズフィルタNF2を構成する電子部品と、各リレーRY1,RY2等の電子部品とが含まれる。
【0070】
第3部品ブロックB3において、第1基板P1と第5基板P5とは、図10に示すように金属製の遮蔽板41によって隔てられている。遮蔽板41は、金属板の上下両端をそれぞれ後向きに折り曲げて形成されている。遮蔽板41の前面には、第1基板P1と、第1端子台4とを取り付けている。遮蔽板41は、第5基板P5と、第2端子台5の入力用端子ねじ50Bとを覆う形でベース10に取り付ける。なお、遮蔽板41には、第2端子台5を避けるために矩形状の切り欠き41Aを設けている。
【0071】
遮蔽板41の下方には、図12に示すように、第1端子台4の入力用端子ねじ40Aと、第2端子台5の出力用端子ねじ50Aとを周囲の電子部品から隔離する金属製の隔離板51を設けている。隔離板51は、金属板を折り曲げて成り、各端子ねじ40A,50Aの上側、左右両側を覆うように形成されている。また、隔離板51のうち右側の板材の下端縁には、右向きに突出する矩形状の延設板51Aを一体に形成している。この延設片51Aには、コンセント6を嵌め込み可能な切り欠き51Bを設けている。すなわち、本実施形態では、コンセント6を隔離板51に固定している。なお、本実施形態では、隔離板51は金属製であるが、一定の強度を持つ剛体であれば金属製でなくてもよい。
【0072】
上述のように、本実施形態では、発熱量の大きさと背丈の高さに基づいて、第1部品ブロックB1と、第2部品ブロックB2と、第3部品ブロックB3とに電子部品を分けている。そして、本実施形態では、各部品ブロックB1〜B3を区分けしてケース3に収納している。このため、本実施形態では、従来のように大型の放熱板をケース3内部に設ける必要がなく、また、従来と比較して電子部品を効率良く配置できるので、放熱性能を高めることができ、且つケース3の大型化を回避することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上側板11及び下側板12における第2部品ブロックB2と対向する位置に、それぞれ第1通気口11A,12Aを設けている。このため、一方の第1通気口11Aから他方の第1通気口12Aへの放熱経路上に第2部品ブロックB2が位置するため、第2部品ブロックB2を放熱する効果を高めることができる。
【0074】
更に、本実施形態では、上側板11及び下側板12における第1部品ブロックB1と対向する位置に、それぞれ第2通気口11B,12Bを設けている。このため、一方の第2通気口11Bから他方の第2通気口12Bへの放熱経路上に第1部品ブロックB1が位置するため、第1部品ブロックB1を放熱する効果を高めることができる。
【0075】
なお、第1部品ブロックB1において、一方の第2通気口11Bから見て他方の第2通気口が見えるように、第1リアクトルL1や第2リアクトルL2等の電子部品を配置するのが望ましい。すなわち、一方の第2通気口11Bから他方の第2通気口12Bへの放熱経路において、第1リアクトルL1及び第2リアクトルL2等の電子部品が介在しないスペースを少なくとも設けるのが望ましい。この構成では、第1部品ブロックB1を放熱する効果を更に高めることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、発熱量の大きい電子部品で構成される第1部品ブロックB1及び第2部品ブロックB2を隣り合うように配置しているが、他の配置であってもよい。すなわち、発熱量の小さい電子部品で構成される第3部品ブロックB3をケース本体1の中央部に配置し、第3部品ブロックB3を挟む形で第1部品ブロックB1及び第2部品ブロックB2を配置してもよい。この構成では、発熱量の大きい第1部品ブロックB1及び第2部品ブロックB2が一定の距離を空けて配置されるため、放熱性能をより高めることができる。なお、この構成を採用する場合には、上側板11及び下側板12の各第1通気口11A,12Aを、第2部品ブロックB2と対向する位置に変更するのが望ましい。
【符号の説明】
【0077】
1 ケース本体
11A,12A 第1通気口(通気口)
2 パネル
3 ケース
7 ヒートシンク
B1 第1部品ブロック
B2 第2部品ブロック
B3 第3部品ブロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12