特許第6032547号(P6032547)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032547
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】端子台、端子台システム及び分電盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20161121BHJP
   H01R 9/16 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   H02B9/00 E
   H01R9/16
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-257641(P2012-257641)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-107895(P2014-107895A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】井上 健
(72)【発明者】
【氏名】進 広和
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−108308(JP,U)
【文献】 特開2008−029133(JP,A)
【文献】 特開2009−219292(JP,A)
【文献】 特開2010−279104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/40
H01R 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給線が接続される一対の電源接続端子と、
中性線が接続される中性線接続端子と、
前記電源接続端子と複数のブレーカの電源入力端子とをそれぞれ接続する接続バーと、
前記中性線接続端子と複数のブレーカの中性線入力端子とを接続する接続バーと
を備えた端子台において、
前記電源接続端子及び接続バーを前記複数のブレーカ毎に電気的に独立して設け、前記電源接続端子間を接続する接続線を着脱可能としたことを特徴とする端子台。
【請求項2】
請求項1に記載の端子台において、
前記接続線に電流センサを備えたことを特徴とする請求項1記載の端子台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の端子台において、
前記接続線を電線で形成したことを特徴とする端子台。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の端子台において、
前記接続線を前記電源接続端子間を電気的に接続可能とした導電バーとしたことを特徴とする端子台。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の端子台において、
電流センサを備えた接続線を接続するための電流センサ用端子台を前記端子台と別個に設け、前記電流センサ用端子台と前記端子台を接続バーで電気的に接続したことを特徴とする端子台。
【請求項6】
電力供給線が接続される一対の電源接続端子と、
中性線が接続される中性線接続端子と、
前記電源接続端子と複数のブレーカの電源入力端子とをそれぞれ接続する接続バーと、
前記中性線接続端子と複数のブレーカの中性線入力端子とを接続する接続バーと
を備え、
前記電源接続端子及び接続バーを前記複数のブレーカ毎に電気的に独立して設け、前記各ブレーカに対応する電源接続端子間を電気的に未接続とする状態と、前記各ブレーカに対応する電源接続端子間を接続線で電気的に接続する状態と、前記各ブレーカに対応する電源接続端子間を電流センサを備えた接続線で電気的に接続する状態とのいずれかを選択可能としたことを特徴とする端子台システム。
【請求項7】
複数の負荷機器への電源の供給をそれぞれ開閉する分岐ブレーカと、
電源供給線と前記分岐ブレーカとの間に介在され、前記分岐ブレーカへの電源の供給を開閉する主幹ブレーカと、
前記電源供給線に接続され、複数の一次送りブレーカを前記電源供給線に対し一次送り接続する端子台と
を備えた分電盤において、
前記端子台には、
電力供給線が接続される一対の電源接続端子と、
中性線が接続される中性線接続端子と、
前記電源接続端子と前記一次送りブレーカの電源入力端子とをそれぞれ接続する接続バーと、
前記中性線接続端子と前記一次送りブレーカの中性線入力端子とを接続する接続バーと、
前記複数の一次送りブレーカ毎に電気的に独立して設けた前記電源接続端子及び接続バーと、
前記電源接続端子間を着脱可能に接続する接続線と
を備えたことを特徴とする分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一次送りブレーカを備えた分電盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9は、屋外の電力網と屋内の種々の負荷機器との間に介在される分電盤の一例を示す。分電盤内には多数の分岐ブレーカ1と、主幹ブレーカ2と、例えば2台の一次送りブレーカ3a,3bが設けられている。
【0003】
屋外の電力網から供給される商用電源は、第一及び第二の電力供給線4a,4bと中性線4cを介して端子台7に供給され、その端子台7から第一及び第二の電力供給線4a,4bと中性線4cに対応する接続線5a〜5cを介して主幹ブレーカ2に供給される。そして、主幹ブレーカ2に供給された商用電源が各分岐ブレーカ1を介して負荷機器に供給される。
【0004】
端子台7には、第一の電力供給線4aの端部をネジ止め可能とした接続端子6aと、接続線5aを接続可能とした接続端子6bと、第二の電力供給線4bの端部をネジ止め可能とした接続端子6cと、接続線5bを接続可能とした接続端子6dが設けられている。また、端子台7には中性線4cの端部を接続可能とした接続端子6eと、接続線5cを接続可能とした接続端子6fが設けられている。
【0005】
そして、端子台7には導電性を有する金属板で形成される接続バーが複数層設けられ、その接続バーで接続端子6a,6bが電気的に接続され、接続端子6c,6dが電気的に接続され、接続端子6e,6fが電気的に接続される。
【0006】
また、端子台7には、接続端子6a,6bを一次送りブレーカ3a,3bの入力端子に電気的に接続する接続バーと、接続端子6c,6dを一次送りブレーカ3a,3bの出力端子に電気的に接続する接続バーと、接続端子6e,6fを一次送りブレーカ3a,3bの中性線端子に電気的に接続する接続バーが設けられている。
【0007】
また、端子台7の一次送りブレーカ3a,3bとの接続端面には、一次送りブレーカ3a,3bに電気的に接続可能とした端子部が設けられ、その端子部に一次送りブレーカ3a,3bの端子部を嵌合することにより、端子台7と一次送りブレーカ3a,3bが電気的に接続される(特許文献1参照)。
【0008】
このような構成により、端子台7に一次送りブレーカ3a,3bを取着すると、一次送りブレーカ3a,3bを第一及び第二の電力供給線4a,4b及び中性線4cに容易に接続可能であるとともに、主幹ブレーカ2が端子台7を介して第一及び第二の電力供給線4a,4b及び中性線4cに接続される。
【0009】
上記のような分電盤は、第一及び第二の電力供給線4a,4bに供給される商用電源が、端子台7、主幹ブレーカ2及び各分岐ブレーカ1を介して各種の負荷機器に供給される。そして、各分岐ブレーカ1に接続される負荷機器に異常電流が流れると、各分岐ブレーカ1あるいは主幹ブレーカ2が非導通状態となって、当該負荷機器への電源の供給が遮断される。
【0010】
一次送りブレーカ3a,3bには、例えば火災報知機等の住宅情報盤等、主幹ブレーカ2が非導通状態となっても電源を供給し続ける必要がある負荷機器や、給湯器のように比較的に消費電力が大きい負荷機器が接続される。
【0011】
近年、一般家庭で太陽光発電装置を備え、その太陽光発電装置から電力会社の電力網に対し電力を供給する電力買取システムが具体化されている。また、太陽光発電装置と、未だ電力買取が未実施の発電・蓄電装置が合わせて設置される場合も増加している。このような場合、買取が実施されている太陽光発電装置からの電流と、買取が未実施の発電・蓄電装置からの電流を区別し、且つ制御する必要があるため、各発電装置は、分電盤の一次送りブレーカを介して電力網に接続され、電流センサが一次側に設けられる。
【0012】
図10は、一次送りブレーカ8a,8b間に電流センサ9a,9bを接続するようにした分電盤の一例を示す。
屋外の電力網から供給される商用電源は、第一及び第二の電力供給線4a,4bと中性線4cを介して一次送りブレーカ8aの接続端子10a〜10cに供給される。また、各接続端子10a〜10cはそれぞれ接続線11a〜11cを介して一次送りブレーカ8bの接続端子12a〜12cに接続されて一次送りブレーカ8aに対し一次送りブレーカ8bが並列に接続される。
【0013】
一次送りブレーカ8bの接続端子12a〜12cは、それぞれ接続線13a〜13cを介して主幹ブレーカ2に接続されて、商用電源が主幹ブレーカ2及び分岐ブレーカ1を介して多数の負荷機器に供給される。
【0014】
そして、一次送りブレーカ8a,8bには発電装置あるいは上記のような住宅情報盤が接続される。
また、一次送りブレーカ8a,8b間の接続線11a,11cには電流センサ9a,9bがそれぞれ装着され、その電流センサ9a,9bで発電装置から電力網に流れる逆潮流電流を検出して、逆潮流電流を適宜に制御するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2010−279104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記のように逆潮流電流を制御する機能を分電盤に備えるには、図9の分電盤では接続端子6aから商用電源が供給される一次送りブレーカ3a,3bの端子間に電流センサを設ける必要がある。同様に、接続端子6cから商用電源が供給される一次送りブレーカ3a,3bの端子間も電流センサを設ける必要がある。
【0017】
ところが、接続端子6aから商用電源が供給される一次送りブレーカ3a,3bの端子は、端子台7の端子バーでそれぞれ電気的に接続されているため、これらの端子間に電流センサを設けることはできない。
【0018】
従って、電流センサにより逆潮流電流を制御する機能を備えた分電盤を構成することはできない。
図10に示す分電盤では、一次送りブレーカ8a,8b間に電流センサ9a,9bを設けることはできるが、直径8mm〜14mmといった太い電線を使用した接続線11a〜11c及び接続線13a〜13cが密集する位置で電流センサを配設する必要がある。
【0019】
また、接続端子10a〜10cの各ネジでそれぞれ2本ずつの電線の端部を共締めする必要がある。従って、施工作業が煩雑となるという問題点がある。
さらに、太い電線を使用した接続線11a〜11c及び接続線13a〜13cは屈曲し難いため、一次送りブレーカ3a,3b間には若干の間隔を確保する必要がある。すると、図11に示すように、さらに多数の一次送りブレーカ3a〜3dを電力供給線4a,4bと主幹ブレーカ2との間で並列に接続する必要がある場合には、各一次送りブレーカ3a〜3d間に所要の間隔cをそれぞれ確保する必要があることから、分電盤の横方向の寸法が増大する。従って、屋内の限られたスペースに分電盤を設置することが困難となる場合がある。
【0020】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は逆潮流電流の検出に対応可能としながら、施工作業を容易に行い得る一時送りブレーカの端子台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決する端子台は、電力供給線が接続される一対の電源接続端子と、中性線が接続される中性線接続端子と、前記電源接続端子と複数のブレーカの電源入力端子とをそれぞれ接続する接続バーと、前記中性線接続端子と複数のブレーカの中性線入力端子とを接続する接続バーとを備えた端子台において、前記電源接続端子及び接続バーを前記複数のブレーカ毎に電気的に独立して設け、前記電源接続端子間を接続する接続線を着脱可能としたことを特徴とする。
【0022】
また、上記構成において、前記接続線に電流センサを備えることが好ましい。
また、上記構成において、前記接続線を電線で形成することが好ましい。
また、上記構成において、前記接続線を前記電源接続端子間を電気的に接続可能とした導電バーとすることが好ましい。
【0023】
また、上記構成において、前記電流センサを備えた接続線を接続するための電流センサ用端子台を前記端子台と別個に設け、前記電流センサ用端子台と前記端子台を接続バーで電気的に接続することが好ましい。
【0024】
上記課題を解決する端子台システムは、電力供給線が接続される一対の電源接続端子と、中性線が接続される中性線接続端子と、前記電源接続端子と複数のブレーカの電源入力端子とをそれぞれ接続する接続バーと、前記中性線接続端子と複数のブレーカの中性線入力端子とを接続する接続バーとを備え、前記電源接続端子及び接続バーを前記複数のブレーカ毎に電気的に独立して設け、前記各ブレーカに対応する電源接続端子間を電気的に未接続とする状態と、前記各ブレーカに対応する電源接続端子間を接続線で電気的に接続する状態と、前記各ブレーカに対応する電源接続端子間を電流センサを備えた接続線で電気的に接続する状態とのいずれかを選択可能とすることを特徴とする。
【0025】
上記課題を解決する分電盤は、複数の負荷回路への電源電圧の供給をそれぞれ開閉する分岐ブレーカと、電源供給線と前記分岐ブレーカとの間に介在され、前記分岐ブレーカへの電源電圧の供給を開閉する主幹ブレーカと、前記電源供給線に接続され、複数の一次送りブレーカを前記電源供給線に対し一次送り接続する端子台とを備えた分電盤において、前記端子台には、電力供給線が接続される一対の電源接続端子と、中性線が接続される中性線接続端子と、前記電源接続端子と前記一次送りブレーカの電源入力端子とをそれぞれ接続する接続バーと、前記中性線接続端子と前記一次送りブレーカの中性線入力端子とを接続する接続バーと、前記複数の一次送りブレーカ毎に電気的に独立して設けた前記電源接続端子及び接続バーと、前記電源接続端子間を着脱可能に接続する接続線とを備えることを特徴とする
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、逆潮流電流の検出に対応可能としながら、施工作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一実施形態の分電盤を示す正面図である。
図2】(a)(b)は端子台の端子バーを示す説明図である。
図3】端子台の端子バーを示す斜視図である。
図4】一次送りブレーカの端子台との接続端面を示す正面図である。
図5】(a)(b)(c)は端子台の等価回路図である。
図6】第二の実施形態の分電盤を示す正面図である。
図7】第三の実施形態の分電盤を示す正面図である。
図8】第四の実施形態の分電盤を示す正面図である。
図9】従来の分電盤を示す正面図である。
図10】従来の分電盤を示す正面図である。
図11】従来の分電盤を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第一の実施形態)
以下、一次送りブレーカの端子台の第一の実施形態を図1図5に従って説明する。図9に示す従来例と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0029】
図1に示す分電盤21内には、端子台22を備えた2台の一次送りブレーカ23a,23bと、主幹ブレーカ2及び分岐ブレーカ1が設けられている。
屋外の電力網から供給される商用電源は、第一及び第二の電力供給線4a,4bと中性線4cを介して端子台22に供給され、その端子台22から第一及び第二の電力供給線4a,4bと中性線4cに対応する接続線5a〜5cを介して主幹ブレーカ2に供給される。そして、主幹ブレーカ2に供給された商用電源が各分岐ブレーカ1を介して負荷機器に供給される。
【0030】
端子台22には、第一の電力供給線4aの端部をネジ止め可能とした接続端子(電源接続端子)24aと、接続線5aを接続可能とした接続端子24bと、第二の電力供給線4bの端部をネジ止め可能とした接続端子(電源接続端子)24cと、接続線5bを接続可能とした接続端子24dが設けられている。また、端子台22には中性線4cの端部を接続可能とした接続端子(中性線接続端子)24eと、接続線5cを接続可能とした接続端子24fが設けられている。
【0031】
前記端子台22には、前記接続端子24a〜24fに電気的に接続される接続バーが図1において紙面に直交する方向に3層に亘って設けられ、各接続バーが各一次送りブレーカ23a,23bの接続端面に設けられる3層の接続部にそれぞれ嵌合されて電気的に接続される。
【0032】
次に、前記端子台22に設けられる接続バーと、一次送りブレーカ23a,23bの3層の接続部の具体的構成を説明する。
図2及び図3に示すように、前記端子台22には前記接続端子24a〜24fにそれぞれ接続される第一〜第五の接続バー25〜29が備えられ、第一〜第五の接続バー25〜29は導電性を有する板状の金属板で形成される。
【0033】
前記第一の接続バー25は、端子台22に3層設けられる端子層の中間層であるL1層に配設され、その先端に設けられたネジ挿通孔25aに図1に示すネジ30aを挿通することにより前記接続端子24aに電気的に接続されている。第一の接続バー25の基端部25bは端子台22の一次送りブレーカ23aとの接続端面までL1層で延設されている。
【0034】
前記第二の接続バー26は、クランク状に屈曲されて、ネジ挿通孔26aが形成された先端部が端子台22に3層設けられる端子層の下層であるL2層に位置し、基端部26bは端子台22の一次送りブレーカ23bとの接続端面までL1層で延設されている。そして、ネジ挿通孔26aに図1に示すネジ30bを挿通することにより前記接続端子24bに電気的に接続されている。第一及び第二の接続バー25,26は、互いに電気的に接続されないように所定の間隔を隔ててL1層に配設されている。
【0035】
前記第三の接続バー27は、クランク状に屈曲されて、ネジ挿通孔27aが形成された先端部が端子台22の中間層であるL1層に位置し、基端部27bは端子台22の一次送りブレーカ23bとの接続端面までL2層で延設されている。そして、ネジ挿通孔27aに図1に示すネジ30cを挿通することにより前記接続端子24cに電気的に接続されている。
【0036】
前記第四の接続バー28は、端子台22の下層であるL2層に配設され、その先端に設けられたネジ挿通孔28aに図1に示すネジ30dを挿通することにより前記接続端子24dに電気的に接続されている。第四の接続バー28の基端部28bは端子台22の一次送りブレーカ23aとの接続端面までL2層で延設されている。第三及び第四の接続バー27,28は、互いに電気的に接続されないように所定の間隔を隔ててL2層に配設されている。
【0037】
第五の接続バー29は、ネジ挿通孔29aが形成された先端部がL2層に位置し、ネジ挿通孔29bが形成された中間部がL1層に位置し、基端部29cがN層に位置するように屈曲されている。そして、基端部29cが端子台22の一次送りブレーカ23a,23bとの接続端面までN層で延設されている。
【0038】
また、ネジ挿通孔29a,29bは端子台22の接続端子24e,24fに挿通されるネジ30e,30fを挿通可能とする位置に形成され、ネジ30e,30fを挿通することにより、接続端子24e,24fに電気的に接続される。
【0039】
図4は、前記端子台22の接続端面に対向する一次送りブレーカ23a,23bの接続端面である。同図に示すように、各一次送りブレーカ23a,23bの接続端面には端子台22の第一〜第五の接続バー25〜29を嵌合して第一〜第五の接続バー25〜29とそれぞれ電気的に接続可能とした接続端子31a〜31fが形成されている。接続端子31a〜31fは、第一〜第五の接続バー25〜29に対応して3層構造である。
【0040】
一次送りブレーカ3aには、第一の接続バー25の基端部25bを嵌合可能とした接続端子(電源入力端子)31aと、第三の接続バー27の基端部27bを嵌合可能とした接続端子(電源入力端子)31bと、第五の接続バー29の基端部29cを嵌合可能とした接続端子(中性線入力端子)31cが設けられている。
【0041】
一次送りブレーカ3bには、第二の接続バー26の基端部26bを嵌合可能とした接続端子(電源入力端子)31dと、第四の接続バー28の基端部28bを嵌合可能とした接続端子(電源入力端子)31eと、第五の接続バー29の基端部29cを嵌合可能とした接続端子(中性線入力端子)31fが設けられている。
【0042】
前記一次送りブレーカ23aの二次側端子32a〜32cには、上記のような負荷機器あるいは発電装置が接続され、前記一次送りブレーカ23bの二次側端子32d〜32fにも、同様な負荷機器あるいは発電装置が接続される。なお、各一次送りブレーカ23a,23bの二次側端子のうち、中央に位置する端子32b,32eは、前記中性線4cに接続される第五の接続バー29に接続可能とした端子である。
【0043】
次に、上記のように構成された端子台22の作用を説明する。
図1に示すように、接続端子24a,24bと、接続端子24c,24dとをそれぞれ電流センサ50a,50bを備えた接続線33a,33bで接続した場合の等価回路を図5(a)に示す。なお、図5(a)では中性線の記載を省略している。この状態では、図10に示す従来例と等価回路的に同等となる。なお、接続線33a,33bは、適宜に屈曲した金属棒(導電バー)とすることもできる。
【0044】
このような構成では、一次送りブレーカ23aに電力の買取が実施されている発電装置を接続可能であり、一次送りブレーカ23bに電力の買取が未実施の発電・蓄電装置を接続可能となる。
【0045】
端子台22の接続端子24a,24b及び同24c,24dを通常の接続線で接続した場合の等価回路を図5(b)に示す。この場合には、一次送りブレーカ23a,23bに通常の一次送り配線で商用電源が供給され、住宅情報機器等の負荷機器をそれぞれ接続可能である。
【0046】
図5(c)は、端子台22の接続端子24a,24bと同24c,24dを未接続とし、接続端子24aと同24eを主幹ブレーカ2に接続した場合の等価回路を示す。
この状態では、一次送りブレーカ23aは住宅情報機器等の負荷機器を一次送り配線で接続することができるとともに、一次送りブレーカ23bを一次送りブレーカ23aとは独立したブレーカとして使用可能となる。
【0047】
従って、例えば直流電流を供給する直流電源と、直流電流の供給に基づいて動作する直流負荷機器との間に一次送りブレーカ23bを介在させて、一次送りブレーカ23bを直流電流を開閉する独立したブレーカとして使用することも可能となる。
【0048】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)端子台22の接続端子24a,24bと同24c,24dとの間に電流センサ50a,50bを介在させることにより、一次送りブレーカ23a,23b間に電流センサ50a,50bを介在させることができる。従って、一次送りブレーカ23bに電力買取未実施の発電装置を取着した場合に、逆潮流電流を検出することができる。
(2)一次送りブレーカ23a,23b間の一次送り配線を第一〜第五の接続バー25〜29で配線することができる。従って、一次送りブレーカ23a,23b間での接続線の密集を緩和することができるので、一次送りブレーカ23a,23bの設置間隔を小さくすることができる。
(3)一次送りブレーカ23a,23b間に電流センサ50a,50bを介在させる場合、端子台22の接続端子24a,24b間及び同24c,24d間に、電流センサ50a,50bを備えた接続線33a,33bを接続すればよい。従って、図10に示す従来例のように、一次送りブレーカ8a,8b間で接続線11a〜11cが密集する位置で電流センサ9a,9bを配設する必要がないので、電流センサの設置作業を容易に行うことができる。
(4)端子台22の接続端子24a,24bと同24c,24dとの間を、通常の接続線で接続すると、一次送りブレーカ23a,23bを通常の一次送り配線で接続することができる。
(5)端子台22の接続端子24a,24bとの間を未接続とし、接続端子24c,24dとの間を未接続とすると、一次送りブレーカ23a,23bのいずれか一方を独立したブレーカとして使用することができる。従って、独立したブレーカを商用電源のブレーカとは独立した直流電流用のブレーカとして使用することができる。
(第二の実施形態)
図6は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、第一の実施形態の構成に電流センサを設置するための電流センサ用端子台を別途備え、前記端子台22と電流センサ用端子台とを接続バーで電気的に接続したものである。第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0049】
電流センサ用端子台38は、接続端子34aが端子台22の接続端子24aに接続バー35aを介して接続され、接続端子34bが端子台22の接続端子24bに接続バー35bを介して接続されている。また、接続端子34cが端子台22の接続端子24cに接続バー35cを介して接続され、接続端子34dが端子台22の接続端子24dに接続バー35dを介して接続されている。
【0050】
そして、接続端子34a,34bを電流センサ36aを備えた接続線37aで接続可能であり、接続端子34c,34dを電流センサ36bを備えた接続線37bで接続可能である。その他の構成は、端子台22の構成を含めて前記第一の実施形態と同様である。
【0051】
このように電流センサ用端子台38と端子台22を接続し、且つ電流センサ36a,36bを接続した状態では、第一の実施形態で電流センサ50a,50bを接続した状態と等価となる。
【0052】
また、接続端子34a,34bと同34c,34dを通常の接続線で接続すると、一次送りブレーカ23a,23bを通常の一次送り配線で接続することが可能であり、接続端子34a,34bと同34c,34dを未接続とすれば、一次送りブレーカ23a,23bを互いに接続されない独立したブレーカとして使用可能である。
【0053】
本実施形態によれば、第一の実施形態で得られた効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)電流センサ36a,36bを備えた接続線37a,37bを接続するための専用の電流センサ用端子台38を備えたので、一次送りブレーカ23a,23bと主幹ブレーカ2とを接続する接続線と、電流センサ36a,36bを接続するための接続線37a,37bとの干渉を防止して、施工性を向上させることができる。
(第三の実施形態)
図7は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、3台の一次送りブレーカ28a〜28cに一次送り配線するために、その一次送りブレーカ28a〜28cに対応する電流センサ用端子台39a,39bを備えたものである。第二の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0054】
一次送りブレーカ23a,23bは端子台22aに接続され、一次送りブレーカ23cは端子台22bに接続される。端子台22a,22bは、第一及び第二の実施形態の端子台22と同様な構成である。
【0055】
電流センサ用端子台39a,39bは、接続バー41a〜41fを介して端子台22a,22bに接続され、各一次送りブレーカ23a〜23cと主幹ブレーカ2は、第一及び第二の電力供給線4a,4bと中性線4cに対し並列に接続される。
【0056】
そして、電流センサ用端子台39aの接続端子40a,40b間に電流センサ42aが接続され、接続端子40b,40c間に電流センサ42bが接続されている。接続端子40c,40d間は通常の接続線43aで接続されている。
【0057】
また、電流センサ用端子台39bの接続端子40e,40f間に電流センサ42cが接続され、接続端子40f,40g間に電流センサ42dが接続されている。接続端子40g,40h間は通常の接続線43bで接続されている。
【0058】
このような構成により、各一次送りブレーカ23a〜23cは第一及び第二の電力供給線4a,4bと中性線4cに対し並列に接続されるとともに、一次送りブレーカ23a,23b間及び23b,23c間には電流センサ42a〜42dが配設されている。
【0059】
このような構成により、図10に示す従来例の分電盤の一次送りブレーカを3台とした場合と回路的に等価となる。
本実施形態によれば、第二の実施形態で得られた効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)電流センサ42a〜42dを備えた接続線を接続するための専用の電流センサ用端子台39a,39bを備えたので、一次送りブレーカ23a〜23cと主幹ブレーカ2とを接続する接続線と、電流センサ42a〜42dを配設するための接続線との干渉を防止して、施工性を向上させることができる。また、各一次送りブレーカ23a〜23c間での接続線の密集を防止することができるので、各一次送りブレーカ23a〜23cの間隔を小さくして、分電盤の小型化を図ることができる。
(第四の実施形態)
図8は、第四の実施形態を示す。この実施形態は、4台の一次送りブレーカ23a〜23dに一次送り配線するために、その一次送りブレーカ23a〜23dに対応する電流センサ用端子台39a,39bを備えたものである。第三の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0060】
一次送りブレーカ23a,23bは端子台22aに接続され、一次送りブレーカ23c,23dは端子台22bに接続される。端子台22a,22bは、第一及び第二の実施形態の端子台22と同様な構成である。
【0061】
電流センサ用端子台39a,39bは、接続バー45a〜45hを介して端子台22a,22bに接続され、各一次送りブレーカ23a〜23dと主幹ブレーカ2は、第一及び第二の電力供給線4a,4bと中性線4cに対し並列に接続される。
【0062】
そして、電流センサ用端子台39a,39bの接続端子40a,40b間に電流センサ46aが接続され、接続端子40b,40c間に電流センサ46bが接続され、接続端子40c,40d間に電流センサ46cが接続されている。
【0063】
また、電流センサ用端子台39a,39bの接続端子40e,40f間に電流センサ46dが接続され、接続端子40f,40g間に電流センサ46eが接続され、接続端子40g,40h間に電流センサ46fが接続されている。
【0064】
このような構成により、各一次送りブレーカ23a〜23dは第一及び第二の電力供給線4a,4bと中性線4cに対し並列に接続されるとともに、一次送りブレーカ23a,23b間と、一次送りブレーカ23b,23c間と、一次送りブレーカ23c,23d間にはそれぞれ電流センサ46a〜46fが配設されている。
【0065】
このような構成により、図11に示す従来例の分電盤と回路的に等価となる。
本実施形態によれば、4台の一次送りブレーカ23a〜23dを備えた分電盤において、第三の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0066】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・第三及び第四の実施形態において、端子台22a,22b及び電流センサ用端子台39a,39bをいったいの端子台としてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…分岐ブレーカ、2…主幹ブレーカ、4a,4b…電力供給線、4c…中性線、22,22a,22b…端子台、23a〜23d…一次送りブレーカ、24a,24c…電源接続端子、24e…中性線接続端子、25〜29…接続バー、31a,31b,31d,31e…電源入力端子、31c,31f…中性線入力端子、38,39a,39b…電流センサ用端子台、50a,50b,36a,36b,42a〜42d,46a〜46f…電流センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11