(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る照明装置について、
図1〜
図11を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
(照明装置100)
照明装置100は天井等の造営材に設置する埋設型のダウンライトであり、照明器具1と、電源ユニット4とを備えてなる。照明器具1は、掛止部材3と、ベース10と、実装基板20と、反射部材30と、導光板40と、拡散カバー50と、複数のネジBとを有する。掛止部材3は板バネであり、照明器具1のベース10の周囲に取着される。電源ユニット4は照明器具1を点灯させる。電源ユニット4は配線23において照明器具1と電気接続されている。
【0015】
照明装置100は
図1に示すように、電源ユニット4が天井2に設けた貫通孔2aを介し、天井2の裏面2bに載置される。照明器具1は貫通孔2aにベース10が収納されるように配置される。このとき、掛止部材3が貫通孔2aの周縁に掛止されることで、照明装置100が天井2に設置される。
(照明器具1)
照明器具1は、外観的には
図2に示すように、掛止部材3と、ベース10と、拡散カバー50とで構成されている。
図2中の点線は、照明器具1に内蔵された実装基板20と、実装基板20における基板21と、LED22の各位置を示す。照明器具1のサイズは、一例として外径約136mm、高さ約100mmである。照明器具1は外周が円形の正面形状を有する。以下、照明器具1の内部の構成要素を述べる。
[ベース10]
ベース10は、本体部11と、放熱フィン12と、中央リブ13とを有する。ベース10は放熱特性に優れる材料、例えばアルミニウム等の金属材料で構成される。
【0016】
本体部11は照明器具1の主出射方向(
図3の上方)に平坦な表面を有する。本体部11には実装基板20が熱結合するように配置される。本体部11には、反射部材30の外側ボス312が挿入され且つ外部よりネジBが挿通される貫通孔14が複数設けられる。また本体部11の中央には、実装基板20の配線23を外部に引き出すための中央孔(不図示)が設けられる。本体部11の周囲には拡散カバー50の側壁部52が接着剤やシール部材等を用いて接合される。
【0017】
放熱フィン12は、実装基板20のLED22の駆動で生じた熱を本体部11を介して外部に放熱する。
中央リブ13は反射部材30の内側ボス311と当接し、反射部材30をベース10に対して位置決めする。中央リブ13は
図3に示すように、本体部11の中央において円周状に立設される。
[実装基板20]
実装基板20ははベース10の上方に配置され、環状の基板21と、複数のLED22と、配線23とを有する。
【0018】
基板21は、例えば、セラミックス材料や熱伝導樹脂等からなる絶縁層と、アルミニウム等からなる金属層とを積層した構造を有する。基板21の上面21AにはLED22と配線23とを電気接続するための配線パターン(不図示)が形成される。基板21の下面21Bは本体部11と熱結合する面となる。
ここで実装基板20は、反射部材30の第2嵌合部と嵌合可能な第2被嵌合部(内側孔210、外側孔211、細孔212)を有する。内側孔210は、
図3と
図4とに示すように基板21の中央に設けられる。外側孔211は、内側孔210を取り囲むように間隔をおいて複数設けられる。細孔212は、内側孔210の近傍に設けられる。
【0019】
LED22は半導体発光素子の一例である。
図3に示すように、基板21の反射部材30と対向する上面21Aにおいて、LED22は主出射方向を垂直(Y)方向に合わせ、互いに一定間隔をおいて円環状の素子列Qを形成するように複数実装される。この素子列Qが照明装置100において、環状の発光部として機能する。実装基板20では、一例として上面21AにSMD(Surface Mount Device)のパッケージ構造を有するLED22を合計18個にわたりフェイスアップ実装している。
図3中、O
1は素子列Qの中心を示す。
【0020】
尚、基板21の上面21Aは、LED22の出射光を効率良く導光板40側へ反射させるために光反射性を有する反射面となっている。
配線23は、電源ユニット4側よりLED22に電力供給を行うために用いられる。配線23の両端は、基板21の配線パターンと、電源ユニット4とに電気接続されている。一例として、配線23は基板21の内側孔210とベース10の本体部11における中央孔を通じて照明器具1の外部に引き出される。
[反射部材30]
反射部材30は板状部材であり、導光板40からの戻り光を導光板40側に反射する。
図3に示すように、反射部材30は実装基板20と導光板40との間に挟設される。反射部材30は、高光反射特性を有する材料、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ナイロン樹脂、発泡樹脂等を用いて構成される。これらの樹脂材料で反射部材30を射出成形することで、高精度で反射部材30を構成できる。反射部材30は、少なくとも導光板40との対向面において光反射特性を有していれば良い。
【0021】
反射部材30は中央側から外側に向けて、内側反射部31と、凹入部32と、外側反射部33とを有する。
内側反射部31は、実装基板20におけるLED22の円環状の素子列Qの内側において、導光板40からの戻り光を反射する。一方、外側反射部33は、実装基板20におけるLED22の円環状の素子列Qの外側において、導光板40からの戻り光を反射する。
【0022】
ここで反射部材30は、
図3に示すように、導光板40との対向面である内側反射部31の上面31Aに第1嵌合部(嵌合孔310)を有する。さらに反射部材30は、
図4に示すように、実装基板20との対向面である内側反射部31の下面31Bに、第2嵌合部(内側ボス311、外側ボス312、柱状ボス313)を有する。
嵌合孔310は照明器具1を平面視した際、素子列Qの中心O
1(発光部の中心)と重なる位置に設けられ、導光板40の第1被嵌合部(凸部410)を受け入れる受入部として機能する。嵌合孔310の内部には凸部410が密に嵌合する。
【0023】
内側ボス311、外側ボス312、柱状ボス313は、実装基板20の第2被嵌合部である内側孔210、外側孔211、細孔212と同順に嵌合される。各内側ボス311は
図4に示すように、嵌合孔310を取り囲むように互いに間隔をおいて複数立設される。各外側ボス312は、内側ボス311を取り囲むように、間隔をおいて複数立設される。これにより内側ボス311と外側ボス312とは、照明器具1を平面視する際、素子列Qの中心O
1(発光部の中心)の位置を取り囲む複数の位置に配置される。尚、外側ボス312はベース10の貫通孔14に挿入される。外側ボス312の内部には雌ネジが形成されている。
【0024】
柱状ボス313は、外側ボス312とともに内側ボス311の近傍に立設される。
図4の点線矢印に示すように、各内側ボス311は、それぞれ内側孔210に挿通される際、内側孔210の内周縁と接するように嵌合される。各外側ボス312は各外側孔211に対して密に挿通されて嵌合される。同様に柱状ボス313は、細孔212に対して密に挿通されて嵌合される。外側ボス312の各々に外部よりベース10の貫通孔14を介してネジBを締結することで、反射部材30がベース10に固定される。このとき実装基板20が反射部材30とベース10との間で挟設される。
【0025】
凹入部32は、反射部材30を平面視した際に素子列Qの真上に重なる領域を、厚み(Y)方向に沿って実装基板20側に凹入させてなる。
凹入部32の内部には
図6に示すように、反射部材30の厚み(Y)方向を貫通する複数の開口320が、互いに架橋部321を挟み、間隔をおいて存在する。各開口320は導光板に40に向かう各LED22の出射光路を確保するために設けられ、各LED22の真上の位置に配される。架橋部321は導光板40側を上辺とし、導光板40側に突出した台形の断面形状を有する突出部であり、導光板40の溝部421と嵌合可能に形成される。
[導光板40]
導光板40は、LED22の出射光をその板内において導光し、上方より拡散カバー50側に出射する。
図3のように導光板40は、反射部材30と拡散カバー50との間に介設される。導光板40は透光性に優れる材料、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ガラスのいずれか等からなる。具体的構成として導光板40は、
図3、
図4、
図5に示すように、その中央側から外側に向けて、内側導光部41と、入光部42と、外側導光部43とを有する。一例として、導光板40の外径は約128mm、板厚は約1.5mmである。
【0026】
(i)内側導光部41
内側導光部41は円盤状であり、導光板40において、入光部42より導光板40の板内に入射されたLED22の光を素子列Qよりも内側の領域に導光する。内側導光部41の直径は約80mmである。
図4に示すように、内側導光部41の下面41Bには複数の凹状反射部411が存在する。凹状反射部411は下面41Bの一部を凹入させてなり、導光板40の板内を導光される光を上面41A側に反射させる。凹状反射部411は下面41B側より上面41Aに向けて、円錐体状に形成されてなる。
【0027】
凹状反射部411は内側導光部41において多数(ここでは合計491個)にわたり、内側導光部41の中心から周囲に向かって同心円状に形成されている。一例として、内側導光部41の直径方向に沿った凹状反射部411のピッチは約3mmである。また一例として、凹状反射部411のY方向高さは0.4mm以上1.0mm以下である。また、下面41Bの中央には、
図3と
図4とに示すように、反射部材30の嵌合孔310に嵌合される凸部410が立設されている。
図3及び
図4に示すように、凸部410は、反射部材30側を上面とする先細りの錐台状(ここでは円錐台状)であって、平面視における入光部42の中心O
2に形成される。
【0028】
(ii)入光部42
入光部42はLED22の出射光を導光板40側に導光する。入光部42は素子列Qに沿って環状に形成され、実装基板20の上面に対向して配される。従って照明器具1を平面視する際、入光部42の中心O
2が素子列Qの中心O
1と重なる。導光板40を厚み方向から見た場合、
図7に示すように、入光部42は素子列Qに沿った部分が実装基板20側に突出されてなる。反射部材30に対し、入光部42は凹入部32の内部に挿入されて各LED22の真上に配置される。具体的な構成として、入光部42は
図5と
図7とに示すように、複数の素子対向部420と、隣接する素子対向部420間に存在する溝部421と、素子対向部420及び溝部421の各側面に位置する内側傾斜部422Aと、外側傾斜部422Bとを有する。入光部42は、導光板40の径方向における断面形状が略V字状である。
【0029】
素子対向部420の各々は、各LED22と個別に近接配置される。素子対向部420の表面は、光を入光部42の長手(円周)方向に沿って分散するため、一例として
図5に示すように、多数の凹凸が併設されたプリズム状に形成されている。
内側傾斜部422Aと外側傾斜部422Bは、素子対向部420より遠ざかるにつれて滑らかに傾斜角度が漸増する断面形状を有する。内側傾斜部422Aは内側導光部41と連続している。外側傾斜部422Bは外側導光部43と連続している。内側傾斜部422Aと外側傾斜部422Bとは、垂直(Y)方向に対して互いに逆方向に傾斜する。これにより内側傾斜部422Aと外側傾斜部422Bは、素子対向部420より直上(Z)方向に沿って入射した入射光をその内部で同順に内側導光部41と外側導光部43とに効率よく導光させる。
【0030】
(iii)外側導光部43
外側導光部43は、導光板40において、入光部42より導光板40の内部に入射された各LED22からの入射光を、素子列Qより外側の領域に導光する。
尚、
図4に示すように、外側導光部43の下面43Bにおいても複数の凹状反射部411が存在する。
[拡散カバー50]
拡散カバー50は、導光板40の出射光を散乱させて面発光させる。拡散カバー50は乳白色であって透光性を有し、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラス等を用いて構成される。
【0031】
具体的構成として拡散カバー50は、
図3に示すように、本体部51と、側壁部52とを有する。
本体部51は光散乱処理が施されて導光板40からの出射光を効率よく散乱する。光散乱処理としては、例えば導光板40と対向する本体部51の表面を微細に凹凸処理する。本体部51は導光板40を覆うように配される。
【0032】
側壁部52は本体部51の周縁に立設される。側壁部52の内側には封止部材であるOリング53が配される。側壁部52はベース10の本体部11と固定される。尚、拡散カバー50は接着剤を用いるほか、ビス止めによりベース10に固定することもできる。
(照明装置100の基本動作)
以上の構成を有する照明装置100では、電源投入すると、商業用電源に接続された電源ユニット4から配線23を介して各LED22に電力供給がなされる。これにより各LED22が駆動されて発光する。
図8に示すように、各LED22で生じた出射光L
1〜L
3は、反射部材30の各開口320を介し、主として入光部42の素子対向部420より導光板40の板内に入射する。入射光は導光板40の板内で正反射を繰り返し、内側導光部41と外側導光部43の両方に導光される。導光板40より下方に漏れ出た戻り光は反射部材30で反射され、導光板40に再度入射される。
【0033】
導光板40の内側導光部41に導光されたLED22の出射光L
1〜L
3は、導光板40の上面より拡散カバー50に入射される。その後、出射光は光散乱処理された本体部51で拡散され、外部に出射されて照明光となる。照明器具1では、拡散カバー50の外表面の全体が発光面となって面発光がなされる。
(照明装置100で奏される効果)
照明装置100では、反射部材30の第1嵌合部(嵌合孔310)が導光板40の第1被嵌合部(凸部410)と嵌合し、反射部材30の第2嵌合部(内側ボス311、外側ボス312、柱状ボス313)が実装基板20における第2被嵌合部(内側孔210、外側孔211、細孔212)とに同順に嵌合している。これにより、少なくとも平面視における入光部42の中心O
2と素子列Qの中心O
1(発光部の中心)とが重なるように、導光板40と実装基板20とが位置決めされる。
【0034】
具体的に照明器具1では、以下に示す(i)〜(iv)の嵌合構造が形成される。
(i)
図9の領域Aに示すように、反射部材30の架橋部321が導光板40の溝部421と嵌合した嵌合構造が形成される。
(ii)
図10と
図11の領域Bに示すように、導光板40の凸部410が反射部材30の嵌合孔310と嵌合した嵌合構造が形成される。
【0035】
(iii)
図11の領域Cに示すように、反射部材30の各内側ボス311が実装基板20の内側孔210と嵌合した嵌合構造が形成される。
(iv)
図11の領域Dに示すように、反射部材30の各外側ボス312が実装基板20の外側孔211と嵌合し、且つ、柱状ボス313が細孔212と嵌合した嵌合構造が形成される。
【0036】
ここで、嵌合構造(ii)と(iii)とによって、入光部42の中心O
2と素子列Qの中心O
1とが重なるように導光板40と実装基板20とが位置決めされる。これにより素子列Qの周方向以外の方向(一例として、
図11の紙面左側の両端矢印で示した実装基板20の径方向)における、導光板40と実装基板20との間の位置ずれが、反射部材30を介して規制される。このとき嵌合構造(ii)では、
図10に示すように凸部410が嵌合孔310に嵌合する際、嵌合孔310の周縁が先細り状の凸部410の周縁と接し、凸部410の中心軸Pに向かって反射部材30が位置決めされるので、反射部材30に対する導光板40の位置ずれが適切に防止される。
【0037】
さらに嵌合構造(i)により、素子列Qの周方向に沿った反射部材30と導光板40との間の位置ずれが規制される。また嵌合構造(iv)により、素子列Qの周方向に沿った実装基板20と反射部材30との間の位置ずれが規制される。従って嵌合構造(i)と(iv)との双方により、素子列Qの周方向に沿った導光板40と実装基板20との間の位置ずれが、反射部材30を介して規制される。
【0038】
このような(i)〜(iv)の各嵌合構造を有することにより、照明装置100では導光板40と実装基板20との間の位置ずれが防止され、入光部42とLED22とを高精度で位置決めできる。よって
図15(b)に示した光L
8のように、素子対向部420を介さずに導光板40に直接入射した強度の高いLEDの出射光が、垂直(Y)方向に対する傾斜角度の大きい傾斜部422A、422Bを突き抜け、高輝度の光となって外部に出射されるのを防止できる。
【0039】
結果として、導光板を有する照明装置において、半導体発光素子と導光板との間の位置ずれに起因する輝度ムラの発生を抑えることにより、均一な面発光を期待可能な照明装置を提供できる。
また、実装基板20、反射部材30、導光板40の位置決めは、(i)〜(iv)の各嵌合構造を形成することで比較的容易に行える。従って、製造工程における歩留まり低下を防いで本発明を実現することが可能である。
【0040】
以下、本発明の別の実施の形態について、実施の形態1との差異を中心に説明する。
<実施の形態2>
図12に実施の形態2に係る導光板40Aの構成を示す。導光板40Aでは第1被嵌合部として、導光板40Aの下面41Bに入光部42の中心O
2を取り囲むように複数の柱状凸部410Aを形成している。図示しない反射部材には各柱状凸部410Aと嵌合させる複数の第1嵌合部(凹部)を形成する。
【0041】
このような構成の導光板40Aを用いた場合でも、素子列Qの周方向及び周方向以外の方向への導光板40Aと実装基板20との間の位置ずれが防止されるので、実施の形態1と同様の効果を期待できる。導光板40Aを射出成形する場合は、金型の形状を調整することで、比較的容易に柱状凸部410Aを形成可能である。
尚、柱状凸部410Aは内側導光部41に設ける例に限定されず、外側導光部43に設けることも可能である。この場合、反射部材の第1嵌合部(凹部)の位置も柱状凸部410Aに嵌合可能な位置に合わせて調整する。
【0042】
本発明は実施の形態1のように、第1嵌合部(嵌合孔310)を素子列Qの中心O
1に合わせて設け、第2嵌合部(内側ボス311、外側ボス312、柱状凸部313)を素子列Qの中心O
1を取り囲む位置に設ける構成に限定されない。第1嵌合部と第2嵌合部は反射部材30の平面視において、素子列Qの中心O
1(発光部の中心)と、素子列Qの中心O
1を取り囲む複数の位置との1以上の箇所に配置すればよい。これにより、実施の形態2のような構成とすることも可能である。
【0043】
<実施の形態3>
図13に実施の形態3に係る実装基板20Aの構成を示す。実装基板20Aは内側孔210を有さず、素子列Qの中心O
1(発光部の中心)を取り囲むように、反射部材30の各内側ボス311を挿通可能な挿通孔210Aを複数形成している。
このような構成の実装基板20Aを用いても、実施の形態1と同様の効果を期待できる。内側孔210を省略しているため、実装基板20Aの剛性を向上させることもできる。
【0044】
<その他の事項>
本発明にて言及する「上面」とは、拡散カバー50と対向する面を指し、「上方」とは、ベース10から拡散カバー50に向かうY方向に沿った方向を指す。
上記各実施の形態では、入光部42が凹入部32に挿入されることで、導光板40と反射部材30との相対的な位置ずれをある程度防止することも可能である。
【0045】
本発明で言う「環状の素子列」とは、円環状のみを指すものではなく、例えば8角形以上の多角環状の素子列であってもよい。このような多角環状の素子列であっても、本発明を適用することで、少なくとも素子列の周方向以外の方向に対するチップずれを防止すれば、このようなチップずれに起因して生じうる輝度ムラの発生を抑制することが可能である。
【0046】
実施の形態1では嵌合構造(iii)において、内側孔210に嵌合する内側ボス311の数は限定されず、3個以外であってもよい。また嵌合構造(iv)において、外側ボス312とこれに嵌合する外側孔211の数も限定されず、3個以外であってもよい。
実施の形態1において、内側ボス311、外側ボス312、内側孔210、外側孔211を用いれば、導光板40の平面(XZ)方向に沿ったいずれの方向への反射部材30と導光板40との位置ずれも、ある程度防止できる。従って、柱状ボス313と細孔212とは省略することもできる。
【0047】
また実施の形態1においては、架橋部321、溝部421、外側ボス312、柱状ボス313、外側孔211、細孔212を省略することもできる。この場合、各LED22の素子列Qの周方向に沿って、導光板40と実装基板20とが位置ずれを生じうる。しかしながらこの場合、導光板40を平面視した際における入光部42と素子列Qとは常に重なりを維持できる。従って、素子列Qの周方向以外の方向への導光板40と実装基板20との位置ずれに起因して発生するような高輝度の光(
図15(b)の光L
8)は生じにくい。とは言え、照明装置100において安定した発光特性を得るためには実装基板20と反射部材30と導光板40とを適切な配置関係で積層することが望ましい。よって、架橋部321、溝部421、外側ボス312、柱状ボス313、外側孔211、細孔212をいずれも設けることが好適である。
【0048】
上記実施の形態1では、実装基板20に内側孔210、外側孔211、細孔212を設け、反射部材30に内側ボス311、外側ボス312、柱状ボス313を設けた。本発明ではこれと反対に、実装基板20に内側ボス、外側ボス、柱状ボスを形成し、反射部材30に内側ボスと嵌合可能な内側孔、外側ボスと嵌合可能な外側孔、柱状ボスと嵌合可能な細孔を設けてもよい。
【0049】
上記実施の形態1では、反射部材30を一体型として構成した。しかしながら本発明では、隣接する開口320同士を互いに連通させてもよい。この場合、反射部材30は内側反射部31と外側反射部33の2部材で構成することができる。
上記各実施の形態では、実装基板20の上方に設ける板状部材として反射部材30を例示した。しかしながら本発明では板状部材の構成を反射部材に限定しない。すなわち、板状部材を反射性を有さないスペーサとして構成することもできる。
【0050】
尚、反射部材30を板状部材として用いる場合等には、実装基板20と対向する導光板40の面に対して高反射シールを配設したり、高反射塗装を施すこともできる。このような構成にすれば、導光板20と対向する導光板40の面において光を拡散カバー50側に効率よく反射させることができ、反射部材30を用いた場合と同様の効果を期待できる。
導光板40における凹状反射部411は必須ではなく、これを省略してもよい。
【0051】
実施の形態1では凸部410を円錐台状としたが、これに限定されない。例えば凸部410を多角錐台状とし、嵌合孔310を多角形状の内壁を有する形状とすることもできる。この場合、凸部410を嵌合孔310に嵌合させれば、素子列Qの周方向に沿った導光板40と実装基板20との位置ずれも合わせて規制することが可能となる。多角錐台状との凸部410としては、三角錐台状、四角錐台状、五角錐台状、六角錐台状等、いずれであってもよい。さらに、凸部410は錐台状に形成する場合に限定されず、円柱状または多角柱状とすることもできる。
【0052】
反射部材30の第1嵌合部は、導光板40の凸部410を受け入れて嵌合できればよい。従って嵌合孔310を設ける代わりに、反射部材30を貫通しない凹部(窪み部)として第1嵌合部を形成してもよい。
反射部材30は必須ではなく、これを省略することもできる。この場は合、反射部材30の代わりに、反射部材30と同様の形状を有し且つ反射特性を有さない板状部材を用いる。
【0053】
本発明に係る照明装置は、埋設型のダウンライトに限定されない。例えば造営材の表面に設置されるシーリングライトであってもよい。その他、照明用途の全般に広く利用可能である。
本発明において、掛止部材3は必須ではない。照明器具1はネジ止めやリベット、接着等を用いて造営材に固定してもよい。
【0054】
照明装置100では、電源ユニット4と照明器具1とを別個の構成としたが、本発明はこの構造に限定されない。すなわち本発明の照明装置は、照明器具1が電源ユニット4を内蔵してなる構成としてもよい。
本発明に係る半導体発光素子は、例えば、LD(レーザダイオード)や、EL素子(エレクトリックルミネッセンス素子)であっても良い。ここで実施の形態1では、基板21の上面21Aに複数のLED22を実装し、その素子列により環状の発光部を構成したが、EL素子を用いる場合は1個のみのEL素子で環状の発光部を構成することも可能である。
【0055】
また本発明に係る照明装置では、導光板の外側導光部と拡散カバーは必須ではない。従って、導光板の外側導光部と拡散カバーとを省略することもできる。