特許第6032620号(P6032620)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6032620可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032620
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F02B 37/18 20060101AFI20161121BHJP
   B21K 3/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   F02B37/18 B
   B21K3/00
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-211219(P2014-211219)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-70260(P2016-70260A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2015年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】592099352
【氏名又は名称】株式会社飯塚製作所
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 智
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/103867(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 37/18
B21K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変容量タービン機構における一部品として用いられるレバープレートの製造方法であって、まず、1個の棒状ブランクを複数の鍛造工程で段階的に鍛造して、長さ方向中間部に屈曲部を有しかつ両端が扁平部となる薄肉で幅広のプレート本体と、このプレート本体の一端側扁平部の中央部から厚さ方向で前記屈曲部に対して他端側扁平部とは反対側の前方に突出する係合用突起とを同時に一体形成してなる第1中間成形体を形成し、次いで、プレス装置により、第1中間成形体の他端側扁平部を、求めるレバープレートの他端側外形に合わせて外形抜きすると同時にその他端側扁平部の中央部に結合穴を穴明け加工して、他端側扁平部が外形抜きされ結合穴が形成された第2中間成形体を形成し、その後、最終工程でプレス装置により、第2中間成形体の一端側扁平部における係合用突起周りの余肉部分と、係合用突起と他端側扁平部との間に位置する屈曲部周りの部分とを、求めるレバープレートの一端側外形に合わせて外形抜きして、最終製品としてのレバープレートを形成するようにしたことを特徴とする可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法。
【請求項2】
可変容量タービン機構における一部品として用いられるレバープレートの製造方法であって、まず、1個の棒状ブランクを複数の鍛造工程で段階的に鍛造して、長さ方向中間部に屈曲部を有しかつ両端が扁平部となる薄肉で幅広のプレート本体と、このプレート本体の一端側扁平部の中央部から厚さ方向で前記屈曲部に対して他端側扁平部とは反対側の前方に突出する係合用突起とを同時に一体形成してなる第1中間成形体を、棒状ブランクの長さ方向中間を対称軸として一対連設してなる1次成形品を形成し、次いで、プレス装置により、1次成形品の両第1中間成形体の他端側扁平部を、求めるレバープレートの他端側外形に合わせて外形抜きすると同時にその各他端側扁平部の中央部に結合穴を穴明け加工して、他端側扁平部が外形抜きされ結合穴が形成された第2中間成形体を一対連設してなる2次成形品を形成し、然る後、最終工程でプレス装置により、2次成形品における両第2中間成形体の切り離しと同時に、各第2中間成形体の一端側扁平部における係合用突起周りの余分な部分と、係合用突起と他端側扁平部との間に位置する屈曲部周りの部分とを、求めるレバープレートの一端側外形に合わせて外形抜きし、最終製品としてのレバープレートを一対形成するようにしたことを特徴とする可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法。
【請求項3】
可変容量タービン機構における一部品として用いられるレバープレートの製造方法であって、まず、1個の棒状ブランクを複数の鍛造工程で段階的に鍛造して、長さ方向中間部に屈曲部を有しかつ両端が扁平部となる薄肉で幅広のプレート本体と、このプレート本体の一端側扁平部の中央部から厚さ方向で前記屈曲部に対して他端側扁平部とは反対側の前方に突出する係合用突起とを同時に一体形成してなる第1中間成形体を、棒状ブランクの長さ方向中間を対称軸として偶数個連設してなる1次成形品を形成し、次いで、プレス装置により、1次成形品の各第1中間成形体の他端側扁平部を、求めるレバープレートの他端側外形に合わせて外形抜きすると同時にその各他端側扁平部の中央部に結合穴を穴明け加工して、他端側扁平部が外形抜きされ結合穴が形成された第2中間成形体を偶数個連設してなる2次成形品を形成し、その後、最終工程でプレス装置により、2次成形品における各第2中間成形体の切り離しと同時に、各第2中間成形体の一端側扁平部における係合用突起周りの余分な部分と、係合用突起と他端側扁平部との間に位置する屈曲部周りの部分とを求めるレバープレートの一端側外形に合わせて外形抜きし、最終製品としてのレバープレートを3個以上形成するようにしたことを特徴とする可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの回転数に応じて排気タービンのノズルベーンの開口面積を変化させることにより排気ガスの流量を制御し、過給効率を高める可変容量タービン機構において、その一部品として用いられるレバープレートの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、可変容量タービン機構におけるレバープレートとしては、図7及び図8に示すように、中間部に屈曲部13を有するプレート本体12の一端部14に係合用突起15が一体に突設され、他端部16に結合穴17が形成された構成のものが知られている。このように構成されたレバープレート11は、その係合突部15がノズルマウント18に回転可能に支持されるドライブリング19の溝部19aに係合され、また結合穴17にはノズルマウント18に回転可能に支持されるノズルベーン20のノズル軸21がカシメにて固定されている。そして、ドライブリング19の回動によりレバープレート11を揺動させ、レバープレート11の揺動によりノズルベーン20の翼角を変化させるようになされている。
【0003】
そして、上記したレバープレートを製造する方法としては、所定の厚みからなる金属板を用いて、中間部に屈曲部13を有し、かつ他端部16に結合穴17を備えた所定の輪郭形状のプレート本体12を打ち抜き加工により形成する一方、プレス装置による押し出し成形によりプレート本体の一端部14の表面を部分的に前方に突出させて係合用突起15を一体に形成するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4885118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記したレバープレートの製造方法にあっては、プレス装置による押し出し成形により、プレート本体12の一端部14の表面をオス型とメス型で部分的に凹ませて係合用突起15を一体に突出形成するため、係合用突起15の基部とプレート本体12との連結部分における厚みがプレート本体12の他の部分の板厚よりも薄くなる。そのため、押圧成形により形成した係合用突起15部分において必要十分な強度が得られるようにプレート本体12の板厚を、求める係合用突起15部分の強度に合わせて厚く設定する必要がある。また、同時に正確な形状の係合用突起15を押し出し成形するには、プレート本体12の幅寸法を凹み穴15aの開口寸法よりも大きく設定する必要がある。その結果、係合用突起15の基端周りから外側方に大きくはみ出すプレート本体12の余肉片が残ってしまう問題があった。従って、プレート本体12の板厚が、レバーとして本来必要とする板厚以上に厚くなり、レバープレート11が重くなる問題があり、また、係合用突起15の基端周りに残る余肉片によりレバープレート11のドライブリング19との接触面積が大きくなり、ドライブリングの回転によるレバープレート11の揺動動作時に大きな摩擦抵抗を与えてしまうといった機能上の問題も有していた。
【0006】
そこで、本発明は、レバープレートを1個のブランクから複数の鍛造作業と打ち抜き加工で一体に成形して、プレート本体と係合用突起との結合を強固にできながら、プレート本体が必要以上に厚くなることなく、また係合用突起の基端周りに残るプレート本体側の余肉片を不要にして、スリムな形状でスムーズなレバー動作を可能にでき、その上、量産が容易でコスト安価に製造できる可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1記載の発明は、可変容量タービン機構における一部品として用いられるレバープレートの製造方法であって、まず、1個の棒状ブランクを複数の鍛造工程で段階的に鍛造して、長さ方向中間部に屈曲部を有しかつ両端が扁平部となる薄肉で幅広のプレート本体と、このプレート本体の一端側扁平部の中央部から厚さ方向で前記屈曲部に対して他端側扁平部とは反対側の前方に突出する係合用突起とを同時に一体形成してなる第1中間成形体を形成し、次いで、プレス装置により、第1中間成形体の他端側扁平部を、求めるレバープレートの他端側外形に合わせて外形抜きすると同時にその他端側扁平部の中央部に結合穴を穴明け加工して、他端側扁平部が外形抜きされ結合穴が形成された第2中間成形体を形成し、その後、最終工程でプレス装置により、第2中間成形体の一端側扁平部における係合用突起周りの余肉部分と、係合用突起と他端側扁平部との間に位置する屈曲部周りの部分とを、求めるレバープレートの一端側外形に合わせて外形抜きして、最終製品としてのレバープレートを形成するようにしたことを特徴とする。
【0008】
本願の請求項2記載の発明は、可変容量タービン機構における一部品として用いられるレバープレートの製造方法であって、まず、1個の棒状ブランクを複数の鍛造工程で段階的に鍛造して、長さ方向中間部に屈曲部を有しかつ両端が扁平部となる薄肉で幅広のプレート本体と、このプレート本体の一端側扁平部の中央部から厚さ方向で前記屈曲部に対して他端側扁平部とは反対側の前方に突出する係合用突起とを同時に一体形成してなる第1中間成形体を、棒状ブランクの長さ方向中間を対称軸として一対連設してなる1次成形品を形成し、次いで、プレス装置により、1次成形品の両第1中間成形体の他端側扁平部を、求めるレバープレートの他端側外形に合わせて外形抜きすると同時にその各他端側扁平部の中央部に結合穴を穴明け加工して、他端側扁平部が外形抜きされ結合穴が形成された第2中間成形体を一対連設してなる2次成形品を形成し、然る後、最終工程でプレス装置により、2次成形品における両第2中間成形体の切り離しと同時に、各第2中間成形体の一端側扁平部における係合用突起周りの余分な部分と、係合用突起と他端側扁平部との間に位置する屈曲部周りの部分とを、求めるレバープレートの一端側外形に合わせて外形抜きし、最終製品としてのレバープレートを一対形成するようにしたことを特徴とする。
【0009】
本願の請求項3記載の発明は、可変容量タービン機構における一部品として用いられるレバープレートの製造方法であって、まず、1個の棒状ブランクを複数の鍛造工程で段階的に鍛造して、長さ方向中間部に屈曲部を有しかつ両端が扁平部となる薄肉で幅広のプレート本体と、このプレート本体の一端側扁平部の中央部から厚さ方向で前記屈曲部に対して他端側扁平部とは反対側の前方に突出する係合用突起とを同時に一体形成してなる第1中間成形体を、棒状ブランクの長さ方向中間を対称軸として偶数個連設してなる1次成形品を形成し、次いで、プレス装置により、1次成形品の各第1中間成形体の他端側扁平部を、求めるレバープレートの他端側外形に合わせて外形抜きすると同時にその各他端側扁平部の中央部に結合穴を穴明け加工して、他端側扁平部が外形抜きされ結合穴が形成された第2中間成形体を偶数個連設してなる2次成形品を形成し、その後、最終工程でプレス装置により、2次成形品における各第2中間成形体の切り離しと同時に、各第2中間成形体の一端側扁平部における係合用突起周りの余分な部分と、係合用突起と他端側扁平部との間に位置する屈曲部周りの部分とを求めるレバープレートの一端側外形に合わせて外形抜きし、最終製品としてのレバープレートを3個以上形成するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願の請求項1記載の可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法によれば、上記した構成により中間部に屈曲部を有するプレート本体の一端側扁平部に係合用突起が一体に突設され、他端側扁平部に結合穴が形成されたレバープレートを、1個のブランクから複数の鍛造作業とプレス装置による打ち抜き加工を施すことにより一体に成形でき、これにより、プレート本体と係合用突起との結合を強固にできながら、プレート本体が必要以上に厚くなることなく、また係合用突起の基部周りに残る余肉片を不要にして、その突起周りがスリムな形状でスムーズなレバー動作を可能にでき、その上、量産が容易でコスト面でも安価に提供できる。
【0011】
また、請求項2記載の可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法によれば、上記した請求項1に記載と同様の効果が得られる上、1個のブランクから複数の鍛造作業とプレス装置による打ち抜き加工を施すことにより一対のレバープレートをブランクの長さ方向の中間を対称軸として一対ずつ製造するようにしたから、1個のブランクから単に1個のレバープレートを鍛造する場合に較べ、上下金型に偏荷重が作用するのをバランスよく抑えて円滑かつ正確に一対のレバープレートを鍛造することができ、かつ、一回の鍛造作業で一対のレバープレートを同時に製造できるのでより効率的に量産が可能となる。
【0012】
さらに、本願の請求項3記載の可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法によっても、請求項1に記載と同様の効果が得られると共に、1個のブランクから複数の鍛造作業とプレス機による打ち抜き加工を施すことにより偶数個のレバープレートを棒状ブランクの長さ方向中間を対称軸として偶数個連続させて製造するようにしたから、レバープレートを一度で偶数個製造することができ、より一層量産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る可変容量タービン機構におけるレバープレートの斜視図鍛造過程を示す断面図である。
図2】同レバープレートの正面図である。
図3】同レバープレートの背面図である。
図4】同レバープレートの側面図である。
図5】同レバープレートの鍛造過程を示す斜視図である。
図6】別のレバープレートの鍛造過程を示す斜視図である。
図7】従来の説明図である。
図8】同側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明に係る可変容量タービン機構におけるレバープレートの製造方法を図に基づいて説明する。
【0015】
図1〜4において、1は可変容量タービン機構における一部品として用いられるレバープレートを示すもので、このレバープレート1は、中間部に屈曲部3を有する薄肉のプレート本体2の一端側扁平部4にドライブリング(図示せず)に形成された溝部に係合される係合用突起5が一体に突設され、他端側扁平部6にベーンノズルのベーン軸(図示せず)への固定用の結合穴7が形成された構造となっている。
【0016】
次に、以上のように構成するレバープレート1の製造方法について説明する。
図5(イ)〜(ホ)は1個の中実ブランクからレバープレート1をブランクの長さ方向中間線を対称軸として一対同時に製造する場合の製造工程を示す。
【0017】
まず、鍛造素材として、図5の(イ)に示すようなステンレス鋼からなる所定長さの中実丸棒状ブランクAを用い、第1工程でブランクAを鍛造機(図示せず)における固定側の第1下型(図示せず)上に水平に寝かした状態で、その上方から可動側の第1上型(図示せず)により打撃加工して、図5の(ロ)に示すような長さ方向中間を対称軸として、左右両側にプレート本体B2,B2を一対連設してなる予備成形品Bを形成する。つまり、長さ方向中間部に厚肉の屈曲部B3を有しかつ屈曲部B3の両側に厚肉の扁平部B4と扁平部B6を有するプレート本体B2を、ブランクAの長さ方向において一対対称に連設した予備成形品Bを形成する。一端側扁平部B4,B4は屈曲部B3,B3を介して他端側扁平部B6,B6の横幅よりもやや幅が狭くなるように形成され、また、各一端側扁平部B4,B4の表面には後工程で係合用突起を成形する際にだれが発生するのを防止するための凹所B5,B5がそれぞれ形成されている。
【0018】
次に、第2工程で予備成形品Bを鍛造機における固定側の第2下型(図示せず)上に水平に寝かした状態で上方から可動側の第2上型(図示せず)を打撃加工して、図5の(ハ)に示すように長さ方向中間を対称軸として、左右両側に第1中間成形体C1,C1を一対連設した1次成形品Cを形成する。つまり、長さ方向両側に長さ方向中間部に薄肉の屈曲部C3を有しかつ両端に薄肉の扁平部C4,C6を有する薄肉で幅広のプレート本体C2と、このプレート本体C2の一端側扁平部C4の中央部から厚さ方向で前記屈曲部C3に対して他端側扁平部C6とは反対側の前方に突出する係合用突起C5とを同時に一体形成してなる第1中間成形体C1を、ブランクAの長さ方向において一対対称に連設してなる1次成形品Cを形成する。薄肉の屈曲部C3,C3及び一端側扁平部C4,C4は他端側扁平部C6,C6の横幅よりもやや細幅状に形成されている。
【0019】
その後、第3工程でプレス装置により、以上のように1個のブランクAから鍛造作業で形成された1次成形品Cの両第2中間部材C,Cにおける他端側扁平部C6,C6を、求めるレバープレート1の他端側外形に合わせて外形抜きすると同時に、その外形抜きする他端側扁平部C6,C6の中央部に結合穴D7,D7を穴明け加工して、図5の(ニ)に示すように外形抜きされた他端側扁平部C6,C6と結合穴D7,D7を備えた第2中間成形体D1,D1を、ブランクAの長さ方向において一対連設してなる2次成形品Dを形成する。
【0020】
然る後、最終工程でプレス装置により、2次成形品Dにおける両第2中間成形体D1,D1の切り離しと同時に、各第2中間成形体D1,D1の一端側扁平部D4,D4における係合用突起D5,D5周りの余分な部分と、係合用突起D5,D5と他端側扁平部D6,D6との間に位置する屈曲部D3,D3周りの部分とを、求めるレバープレート1の一端側外形に合わせて外形抜きし、かつ、各結合穴D7,D7の穴面押しを施して、図5の(ホ)に示すように最終製品としてのレバープレート1,1を一対同時に形成する。これにより、中間部に屈曲部3を有する薄肉のプレート本体2の一端側扁平部4に係合用突起5が一体に突設され、他端側扁平部6に結合穴7が形成されたレバープレート1,1を一対同時に形成することができる。
【0021】
また、必要に応じてレバープレート1には、後工程において例えばバレル研磨などの表面処理が施される。
【0022】
以上のように本発明のレバープレート1の製造方法によれば、まず1個のブランクAから複数の鍛造作業を行って安価に1次成形品Cを一体成形し、次ぎにこの1次成形品Cにプレス装置による外形抜き・穴明け加工などを数回施すことにより求めるレバープレート1を一体形成するようにしたから、プレート本体2と係合用突起5との結合を強固に行うことができながら、プレート本体2が必要以上に厚くなることがなく、また係合用突起5の基部周りに残る余肉片を不要にして、その突起5周りがスリムな形状で抵抗少なくスムーズなレバー動作を可能できる。
【0023】
また、上記した実施の形態の製造方法では、1個のブランクAから複数の鍛造作業とプレス装置による打ち抜き加工を行うに際し、一対のレバープレート1,1をブランクAの長さ方向の中間を対称軸としてレバープレート1,1を一対ずつ製造するようにしているので、1個のブランクAから単に1個のレバープレートを鍛造する場合に較べ、上下金型に偏荷重が作用するのをバランスよく抑えて円滑かつ正確に一対のレバープレート1,1を鍛造することができ、かつ、一回の鍛造作業で一対のレバープレートを同時に製造できるのでより効率的に量産が可能となり、一層安価に提供できる。
【0024】
上述した実施の形態では、1個のブランクから一対のレバープレートを複数の鍛造作業とプレス機による打ち抜き加工を施すことにより製造するようにしたものについて説明したけれども、図6(イ)〜(ホ)に示すように1個のブランクから単に1個のレバープレートを上記した製造方法と同様の複数の鍛造作業とプレス機による打ち抜き加工を施すことにより製造するようにしてもよい。この場合にも、上述した実施の形態の場合と同様にプレート本体2と係合用突起5との結合を強固にできながら、プレート本体2が必要以上に厚くなることなく、また係合用突起5の基端周りに残るプレート本体側の余肉片を不要にして、スリムな形状でスムーズなレバー動作を可能にできるといった効果が得られる。
【0025】
また、図示していないが1個のブランクから例えば4個など偶数個のレバープレートを上記した製造方法と同様の複数の鍛造作業とプレス機による打ち抜き加工を施すことにより製造するようにしてもよい。この場合にも、一回の鍛造作業で4個など偶数個のレバープレートを同時に製造できるのでより一層効率的に量産が可能となり、一層安価に提供できる。
【0026】
さらに、レバープレート1の形状としては、中間部に屈曲部3を有する薄肉のプレート本体2の一端側扁平部4に係合用突起5が一体に突設され、他端側扁平部6に結合穴7が形成された構造であればよいのであって、図面に記載の形状、つまり図面の輪郭形状や突起形状及び結合穴形状のものに何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0027】
1 レバープレート
2 レバープレート本体
3 屈曲部
4 一端側扁平部
5 係合用突起
6 他端側扁平部
7 結合穴
C 1次成形品
C1 第1中間成形体
C2 レバープレート本体
C3 屈曲部
C4 一端側扁平部
C5 係合用突起
C6 他端側扁平部
C7 結合穴
D 2次成形品
D1 第2中間成形体
D2 レバープレート本体
D3 屈曲部
D4 一端側扁平部
D5 係合用突起
D6 他端側扁平部
D7 結合穴
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図7
図8