【実施例1】
【0014】
図1は、業務報告書作成プログラムの構成の例を示す図である。携帯端末装置1は、スマートフォンであり、業務報告書作成プログラム2を備えている。業務報告書作成プログラム2は、テンプレート21に基づいて動作し、入力データ22を保存する。業務報告書作成プログラム2には、撮影対象判定手段23及び入力時刻判定手段24が備えられている。
業務報告書作成プログラム2は、サーバ3との間で通信を行う。サーバ3には、入力項目統合プログラム31が備えられている。入力項目統合プログラム31は、入力データ32を保存する。入力データ32は入力データ22と同等のものである。
社外で作業を行う社員が携帯端末装置1を持ち歩く。サーバ3はその社員が所属する会社に備えられている。
【0015】
図2は、業務報告書作成プログラムの表示する画面の例を示す図である。携帯端末装置1の画面に、複数の入力項目表示エリア41が表示され、各入力項目表示エリア41に付随して完了ボタン42が表示されている。図には3つの入力項目表示エリアを示すが、画面を上下にスクロールして多数の入力項目表示エリアを表示することができる。
社員は入力を行う入力項目表示エリア41にタッチする。業務報告書作成プログラム2は、その入力項目を入力する画面(定型テキストの入力のための候補を表示して選択させる画面、自由文テキストの入力のためのタッチキー、写真の入力のための撮影した写真を表示して選択させる画面、その他必要な画面)を表示して入力をさせる。入力された内容が入力項目表示エリア41にされる。社員が完了ボタン42にタッチすることにより、その入力が確定し、入力データ22として保存される。なお、完了ボタン42は必ずしも必要ではなく、入力項目表示エリア41に付随して表示されなくともよい。例えば、入力項目を入力する画面の操作の終了によって完了ボタンへのタッチと同等の処理を行うこととしてもよい。(以下、「完了ボタンにタッチ」との記載は、かかる同等の処理を行うための操作を含むものとする。)
また、入力項目表示エリア41のタッチによって入力項目を選択してその入力項目を入力する画面を表示することも、必ずしも必要としない。例えば、すべての入力項目の入力順序が決められており所定の順番に入力させる(各時点において入力すべき入力項目が予め確定している)場合には、入力項目表示エリア41のタッチによらずに、その時点において入力すべき入力項目を入力する画面を自動的に表示してもよい。
【0016】
社員が送信ボタン43にタッチすると、入力データ22が入力項目統合プログラム31に送信される。入力項目統合プログラム31は、送信された入力データを、入力データ32として保存する。
【0017】
図3は、テンプレートの例を示す図である。テンプレート21には、全ての入力項目について、名称及び入力内容のデータが含まれている。名称は、何を入力すべきかを社員に伝達するものであり、入力項目表示エリア41に表示される。入力内容は、それに依存して入力項目を入力する画面がいかなるものであるかを定めるものである。
テンプレート21には、撮影対象判定手段23及び入力時刻判定手段24が処理すべき内容も含まれている。
なお、以上の情報は必ずしもテンプレートとしてのデータの形式でなくともよい。例えば、業務報告書作成プログラムのソースコードとして記述されていてもよい。しかし、テンプレートであれば、それをサーバから携帯端末装置に送信する等の方法によって1つの業務報告書作成プログラムによる多種の業務報告書作成が可能となるので、テンプレートとしてのデータの形式であることが好ましい。
【0018】
図3に示したテンプレートに基づき、ドアの交換工事の業務報告書を作成する場合を例として、以下説明する。工事を現場で監督する社員が携帯端末装置1を携帯している。
工事開始前に、社員は、以下の操作を行う。
まず、部材配送確認の入力項目エリアをタッチする。入力項目を入力する画面にはドアの交換工事に必要な部材(交換対象のドア等)が表示され、社員は配送済又は未配送を選択する。全ての部材が配送されており、配送済が選択されたものとする。
次に、工事前写真の入力項目エリアをタッチする。入力項目を入力する画面には携帯端末装置1で撮影した写真の一覧が表示され、社員は適切な写真を選択する。なお、入力項目を入力する画面において、写真の一覧を表示することに替えて携帯端末装置1のカメラ機能を呼び出して写真撮影を行わせてもよい。
ここで、部材配送確認の入力項目と工事前写真の入力項目との間には入力時刻判定手段24が処理すべき内容がなく、どちらを先に入力してもよい。
【0019】
社員は、送信ボタン43をタッチする。これにより、部材配送確認及び工事前写真に係る入力データ22が入力項目統合プログラム31に送信され、入力データ32として保存される。会社の管理部門は、工事開始直後に、部材配送が正しく行われたことを確認でき、工事前写真を閲覧することが可能となる。これにより、不足部材の緊急配送、工事現場への指示などを必要に応じて行うことができる。本実施例ではその必要はないものとする。
【0020】
図4は、写真撮影の状況の例を示す図である。左側が工事前写真、右側が工事後写真である。ドア52が交換されたことがわかる。写真撮影に当たっては、看板51を配置して撮影する。看板51は、この業務報告書に係る業務のために準備されたものである。図において三角形で示す図形が、他の工事と峻別するためのユニークな図形となっている。工事を現場で監督する社員が看板を管理して、自分が監督した工事の写真であることを明確にする。
【0021】
工事終了後に、社員は、以下の操作を行う。
まず、工事後写真の入力項目エリアをタッチする。入力項目を入力する画面には携帯端末装置1で撮影した写真の一覧が表示され、社員は適切な写真を選択する。社員が完了ボタンをタッチした時に、撮影対象判定手段23が呼び出される。テンプレート21に基づき、工事後写真は撮影対象判定の対象となっているからである。
撮影対象判定手段23は、工事前写真と工事後写真とが同一の撮影対象(工事した現場)であるか否かを判定する。携帯端末装置を用いて撮影された写真には、その撮影位置のデータが付されている(たとえば、GPSの情報をExif形式で画像データに付してある。)。撮影対象判定手段23は、工事前写真と工事後写真との撮影位置のデータが一致すること、及び、両写真に同一の看板が含まれていることを確認し、事前写真と工事後写真とが同一の撮影対象であると判定する。
なお、撮影位置のデータが一致することと同一の看板が含まれていることとによって判定しているが、これらの一方のみで判定してもよく、他の手段によって判定してもよい。また、Exif形式には撮影時刻のデータが含まれるので、工事前写真の撮影から工事後写真の撮影までの時間が所定の範囲内であることを確認してもよい。要するに、工事前と工事後の写真の少なくとも一方が誤って選択された場合に警告することが、撮影対象判定手段23の目的である。撮影対象判定手段23は、同一の撮影対象ではないと判定された場合には、その旨を画面に表示して正しい写真への修正を促す。
【0022】
次に、工事所要時間の入力項目エリアをタッチする。入力項目を入力する画面には時間を現す数字が表示され、社員は時間を選択する。なお、数字を表示して選択させるのでなく、テンキーによる入力としてもよい。
次に、報告事項の入力項目エリアをタッチする。入力項目を入力する画面にはテキスト入力のための仮想キーが表示される。社員は、自由文の報告事項を入力する。
工事後写真、工事所要時間及び報告事項の入力項目については、この順に入力することを入力時刻判定手段24が処理すべきである(
図3参照)。入力時刻判定手段24は、社員が完了キーにタッチした時に判定を行い、テンプレートに基づく入力順序によらない場合には、その旨を画面に表示して正しい順序での入力を促す。なお、完了ボタンにタッチした時に判定を行うのではなく、入力が認められないような入力項目については、その入力項目エリアをタッチしても入力項目を入力する画面が表示されないようにしてもよい。
【0023】
最後に、社員は、送信ボタン43をタッチする。これにより、入力データ22が入力項目統合プログラム31に送信され、入力データ32として保存される。全ての入力データが揃ったこととなり、サーバ3において、業務報告書を印刷することができる。
図5は、印刷される業務報告書の例を示す図である。