特許第6032772号(P6032772)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6032772動作制限装置、車両、パスワード生成装置、管理システム、動作制限方法及び動作制限プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6032772
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】動作制限装置、車両、パスワード生成装置、管理システム、動作制限方法及び動作制限プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20161121BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20161121BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20161121BHJP
   B66F 9/24 20060101ALN20161121BHJP
【FI】
   G06F21/44
   B60L3/00 J
   B60R16/02 660B
   !B66F9/24 Z
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-179250(P2015-179250)
(22)【出願日】2015年9月11日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】ニチユ三菱フォークリフト株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中島 潤
(72)【発明者】
【氏名】安井 頼人
(72)【発明者】
【氏名】古倉 一正
【審査官】 宮司 卓佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−187445(JP,A)
【文献】 特開2012−050268(JP,A)
【文献】 特開2013−138575(JP,A)
【文献】 国際公開第2000/043867(WO,A1)
【文献】 特開2012−228364(JP,A)
【文献】 特開2012−043179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/30−G06F 21/46
B60L 3/00
B60R 16/02
B66F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置に接続された制御基板が正規基板であるか否かを判定する判定部と、
前記制御基板が正規基板でないと判定された場合、当該制御基板が搭載された機器の動
作を制限する動作制限部と、
パスワード認証を行う認証部と
を備え、
前記動作制限部は、前記認証部がパスワード認証に成功すると前記機器の動作の制限を
所定期間解除する
動作制限装置。
【請求項2】
前記認証部は、入力されるパスワードと、当該認証部に一対一に対応付けられる識別情
報に基づいて得られるパスワードとを比較することでパスワード認証を行う
請求項1に記載の動作制限装置。
【請求項3】
前記認証部は、入力されるパスワードと、パスワード認証に成功した通算回数に基づい
て得られるパスワードとを比較することでパスワード認証を行う
請求項1または請求項2に記載の動作制限装置。
【請求項4】
前記認証部は、入力されるパスワードと、異なる期間に対応付けられた複数のパスワー
ドとを比較することでパスワード認証を行い、
前記動作制限部は、前記機器の動作の制限を、前記認証部がパスワード認証に成功した
パスワードに対応付けられた期間解除する
請求項1から3の何れか1項に記載の動作制限装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の動作制限装置を備える車両。
【請求項6】
動作制限装置と、パスワード生成装置とを備え、
前記動作制限装置は、
自装置に接続された制御基板が正規基板であるか否かを判定する判定部と、
前記制御基板が正規基板でないと判定された場合、当該制御基板が搭載された機器の動
作を制限する動作制限部と、
パスワード認証を行う認証部と
を備え、
前記認証部は、入力されるパスワードと、当該認証部に一対一に対応付けられる識別情
報に基づいて得られるパスワードとを比較することでパスワード認証を行い、
前記動作制限部は、前記認証部がパスワード認証に成功した場合、前記機器の動作の制
限を所定期間解除し、
前記パスワード生成装置は、
前記認証部に一対一に対応付けられる識別情報に基づいてパスワードを生成する
管理システム。
【請求項7】
第1の制御基板に接続された第2の制御基板が正規基板であるか否かを判定するステッ
プと、
前記第2の制御基板が正規基板でないと判定された場合、当該第2の制御基板が搭載さ
れた機器の動作を制限するステップと、
パスワード認証を行うステップと、
前記パスワード認証を行うステップにてパスワード認証に成功した場合、前記機器の動
作の制限を所定期間解除するステップと
を有する
動作制限方法。
【請求項8】
コンピュータを、
当該コンピュータに接続された制御基板が正規基板であるか否かを判定する判定部、
前記制御基板が正規基板でないと判定された場合、当該制御基板が搭載された機器の動
作を制限する動作制限部、
パスワード認証を行う認証部
として機能させ、
前記動作制限部は、前記認証部がパスワード認証に成功すると前記機器の動作の制限を
所定期間解除する
動作制限プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作制限装置、車両、パスワード生成装置、管理システム、動作制限方法及
び動作制限プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトなどの作業用車両においては、作業機器を緻密に制御するため、制御対
象ごとの専用の制御基板がそれぞれ独立に車両に搭載される。各制御基板はそれぞれ電気
的に接続されることで、データのやりとりが行われる。
作業用車両の故障の原因の一つに制御基板の障害が挙げられる。制御基板の障害は、該
当する制御基板を交換することにより解消することができる。制御基板の交換の際に、交
換先の制御基板として非正規品を用いることは、安全性や信頼性の観点から好ましくない
【0003】
特許文献1には、交換された制御ユニットが非正規品であるか否かを検出し、非正規品
である場合に所定の措置をとる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−1132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
交換された制御基板が非正規品であった場合、車両が動作しないように制御することで
、非正規品の不使用を促すことができる。他方、制御基板が非正規品である場合に車両が
動作しないよう制御すると、車両の故障が荷役作業中に発生した場合、当該車両が他の荷
役作業の妨げになってしまうおそれがある。そのため、制御基板が非正規品であったとし
ても最低限の荷役作業を継続できるようにしておく必要がある。
本発明の目的は、作業用車両の制御基板が非正規品に交換された場合に、最低限の荷役
作業を可能にしつつ、正規品の制御基板への交換を促す動作制限装置、車両、パスワード
生成装置、管理システム、動作制限方法及び動作制限プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、自装置に接続された制御基板が正規基板であるか否かを判定する判定部
と、前記制御基板が正規基板でないと判定された場合、当該制御基板が搭載された機器の
動作を制限する動作制限部と、パスワード認証を行う認証部とを備え、前記動作制限部は
、前記認証部がパスワード認証に成功すると前記機器の動作の制限を所定期間解除する動
作制限装置である。
【0007】
また、第2の態様は、第1の態様において、前記認証部は、入力されるパスワードと、
当該認証部に一対一に対応付けられる識別情報に基づいて得られるパスワードとを比較す
ることでパスワード認証を行う動作制限装置である。
【0008】
また、第3の態様は、第1または第2の態様において、前記認証部は、入力されるパス
ワードと、パスワード認証に成功した通算回数に基づいて得られるパスワードとを比較す
ることでパスワード認証を行う動作制限装置である。
【0009】
また、第4の態様は、第1から第3の何れかの態様において、前記認証部は、入力され
るパスワードと、異なる期間に対応付けられた複数のパスワードとを比較することでパス
ワード認証を行い、前記動作制限部は、前記機器の動作の制限を、前記認証部がパスワー
ド認証に成功したパスワードに対応付けられた期間解除する動作制限装置である。
【0010】
また、第5の態様は、第1から第4の何れかの態様において、動作制限装置を備える車
両である。
【0012】
また、第7の態様は、動作制限装置と、パスワード生成装置とを備え、前記動作制限装
置は、自装置に接続された制御基板が正規基板であるか否かを判定する判定部と、前記制
御基板が正規基板でないと判定された場合、当該制御基板が搭載された機器の動作を制限
する動作制限部と、パスワード認証を行う認証部とを備え、前記認証部は、入力されるパ
スワードと、当該認証部に一対一に対応付けられる識別情報に基づいて得られるパスワー
ドとを比較することでパスワード認証を行い、前記動作制限部は、前記認証部がパスワー
ド認証に成功した場合、前記機器の動作の制限を所定期間解除し、前記パスワード生成装
置は、前記認証部に一対一に対応付けられる識別情報に基づいてパスワードを生成する管
理システムである。
【0013】
また、第8の態様は、第1の制御基板に接続された第2の制御基板が正規基板であるか
否かを判定するステップと、前記第2の制御基板が正規基板でないと判定された場合、当
該第2の制御基板が搭載された機器の動作を制限するステップと、パスワード認証を行う
ステップと、前記パスワード認証を行うステップにてパスワード認証に成功した場合、前
記機器の動作の制限を所定期間解除するステップとを有する動作制限方法である。
【0014】
また、第9の態様は、コンピュータを、当該コンピュータに接続された制御基板が正規
基板であるか否かを判定する判定部、前記制御基板が正規基板でないと判定された場合、
当該制御基板が搭載された機器の動作を制限する動作制限部、パスワード認証を行う認証
部として機能させ、前記動作制限部は、前記認証部がパスワード認証に成功すると前記機
器の動作の制限を所定期間解除する動作制限プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、動作制限装置は、制御基板が正規基板
でない場合に、パスワード認証に成功すると機器の動作の制限を所定期間解除する。これ
により、例えばフォークリフトであれば、所定期間の間、荷の上げ下げや走行を行うこと
ができるため、荷役作業を継続することができる一方、機器の動作の制限の解除に期間が
設けられていることで、利用者に正規基板への交換を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係るフォークリフトの斜視図である。
図2】本実施形態に係るフォークリフトの制御システムの構成を示す概略ブロック図である。
図3】本実施形態に係る走行用ボード、荷役用ボード、操舵用ボード、充電用ボード、ディスプレイ用ボード及びアクセサリ用ボードとが互いに正規基板であるか否かを確認する動作を示すフローチャートである。
図4】本実施形態に係る操舵制御装置のソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。
図5】本実施形態に係るフォークリフト管理システムの構成を示す概略ブロック図である。
図6】本実施形態に係るフォークリフトの動作の制限を解除する処理の流れの例を示す説明図である。
図7】本実施形態に係る操舵制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。以下では、作業用車両の
一例であるフォークリフト100について説明を行う。
【0018】
図1は、一実施形態に係るフォークリフト100の斜視図である。
フォークリフト100の車両本体101の前方には、車両本体101の幅方向の端に1
つずつ、前方へ延びる1対のストラドルアーム102が設けられる。1対のストラドルア
ーム102には、フォーク104の昇降動作を案内するマスト103が、車両本体101
の上方へ延びるように設けられる。当該マスト103には、荷役対象物を昇降させるフォ
ーク104が取り付けられている。本実施形態に係るフォークリフト100においては、
前輪がストラドルアーム102に設けられ、後輪が車両本体101に設けられる。
【0019】
フォーク104は、マスト103に沿って昇降する。フォーク104をマスト103に
沿って上昇させる制御を、リフトアップ制御という。他方、フォーク104をマスト10
3に沿って下降させる制御を、リフトダウン制御という。また、マスト103を後傾させ
ることでフォーク104の先端部を上方向に傾ける制御をチルトアップ制御という。他方
、マスト103を前傾させることでフォーク104の先端部を下方向に傾ける制御をチル
トダウン制御という。
【0020】
マスト103は、フォーク104と共にストラドルアーム102に沿って進退する。マ
スト103及びフォーク104をストラドルアーム102に沿って進出させる制御を、リ
ーチアウト制御という。他方、マスト103及びフォーク104をストラドルアーム10
2に沿って後退させる制御を、リーチイン制御という。
なお、マスト103及びフォーク104は、油圧回路によって作動する。
【0021】
フォークリフト100の車両本体101には、作業者が搭乗する運転席105が設けら
れる。運転席105には、アクセルレバー106、リフトレバー107、リーチレバー1
08、チルトレバー109、操舵ハンドル110、及びディスプレイ111が設けられる

アクセルレバー106は、車両本体101の前進・後退を制御するためのレバーである
。具体的には、アクセルレバー106を前方(作業者から見て奥側)へ倒すことで車両本
体101が前進し、アクセルレバー106を後方(作業者から見て手前側)へ倒すことで
車両本体101が後退する。
リフトレバー107は、リフト制御(リフトアップ制御及びリフトダウン制御)のため
のレバーである。具体的には、リフトレバー107を前方へ倒すことでリフトダウン制御
がなされ、リフトレバー107を後方へ倒すことでリフトアップ制御がなされる。
リーチレバー108は、リーチ制御(リーチイン制御及びリーチアウト制御)のための
レバーである。具体的には、リーチレバー108を前方へ倒すことでリーチアウト制御が
なされ、リーチレバー108を後方へ倒すことでリーチイン制御がなされる。
チルトレバー109は、チルト制御(チルトアップ制御及びチルトダウン制御)のため
のレバーである。具体的には、チルトレバー109を前方へ倒すことでチルトダウン制御
がなされ、リフトレバー107を後方へ倒すことでチルトアップ制御がなされる。
【0022】
操舵ハンドル110は、車両本体101の後輪の角度の変更のためのインターフェース
である。操舵ハンドル110が作業者によって回転されると、図示しない操舵機構を介し
て当該回転が車両の後輪に伝達され、後輪の角度が変更される。
ディスプレイ111は、バッテリー214の残存容量、走行速度、走行距離、フォーク
104の負荷などの情報を表示する。ディスプレイ111は、例えばVFD(Vacuu
m Fluorescent Display:蛍光管ディスプレイ)によって実現され
る。
【0023】
図2は、本実施形態に係るフォークリフト100の制御システムの構成を示す概略ブロ
ック図である。
車両本体101の内部には、走行用ボード201、荷役用ボード202、操舵用ボード
203、充電用ボード204、ディスプレイ用ボード205、アクセサリ用ボード206
、走行インバータ207、走行モータ208、荷役インバータ209、荷役モータ210
、操舵インバータ211、操舵モータ212、充電器213、バッテリー214、ディス
プレイ111、方向指示器215、回転灯216及びブザー217が設けられる。走行用
ボード201、荷役用ボード202、操舵用ボード203、充電用ボード204、ディス
プレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206は、制御基板の一例である。
走行用ボード201は、フォークリフト100の主制御である走行を制御する基板であ
る。走行用ボード201には、走行制御装置218が設けられる。走行制御装置218は
、フォークリフト100の走行機能を管理する。例えば、走行制御装置218は、フォー
クリフト100の走行速度、走行距離、走行設定情報などを管理したり、アクセルレバー
106の傾きなどの情報に基づいて走行モータ208の回転数を決定する。なお、走行制
御装置218と、荷役用ボード202、操舵用ボード203、充電用ボード204、ディ
スプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206とは電気的に接続される。
【0024】
荷役用ボード202は、フォークリフト100の主制御である荷役を制御する基板であ
る。荷役用ボード202には、荷役制御装置219が設けられる。荷役制御装置219は
、フォークリフト100の荷役機能を管理する。例えば、荷役制御装置219は、フォー
クリフト100の荷役速度、フォーク104の負荷、油圧設定情報などを管理したり、リ
フトレバー107、リーチレバー108及びチルトレバー109の傾きなどの情報に基づ
いて荷役モータ210の回転数を決定する。
【0025】
操舵用ボード203は、フォークリフト100の操舵を制御する基板である。操舵用ボ
ード203には、操舵制御装置220が設けられる。操舵制御装置220は、操舵ハンド
ル110の回転などの情報に基づいて操舵モータ212の回転数を決定する。
【0026】
充電用ボード204は、フォークリフト100の充電を制御する基板である。充電用ボ
ード204には、充電制御装置221が設けられる。充電制御装置221は、充電器21
3の操作情報に基づいてバッテリー214の充電方法を決定する。
【0027】
ディスプレイ用ボード205は、ディスプレイ111の表示を制御する基板である。デ
ィスプレイ用ボード205には、ディスプレイ制御装置222が設けられる。ディスプレ
イ制御装置222は、バッテリー214の残存容量、走行速度、走行距離、フォーク10
4の負荷などの情報に基づいてディスプレイ111の表示内容を決定する。
【0028】
アクセサリ用ボード206は、方向指示器215、回転灯216、ブザー217を制御
する基板である。アクセサリ用ボード206には、アクセサリ制御装置223が設けられ
る。アクセサリ制御装置223は、作業者の操作に基づいて方向指示器215、回転灯2
16、ブザー217を制御する。
【0029】
走行インバータ207、荷役インバータ209及び操舵インバータ211は、それぞれ
走行制御装置218、荷役制御装置219及び操舵制御装置220が算出した回転数に基
づいて、モータを駆動するための周波数及び電圧を変化させる。
走行モータ208は、回転により車両本体101の後輪を回転させる。これにより、車
両本体101が前進しまたは後退する。
荷役モータ210は、回転により油圧回路の油の供給量を変化させる。これにより、マ
スト103及びフォーク104が作動する。
操舵モータ212は、回転により操舵機構に駆動力を付与する。操舵モータ212は、
操舵機構が電動式である場合、操舵モータ212のトルクにより直接操舵機構に駆動力を
付与する。操舵モータ212は、操舵機構が油圧式である場合、操舵機構の油圧回路に油
を供給することで、操舵機構に駆動力を付与する。
バッテリー214は、フォークリフト100に搭載される各種電気機器に供給すべき電
気を蓄える。
【0030】
走行用ボード201、荷役用ボード202、操舵用ボード203、充電用ボード204
、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206は、互いに電気的に接続さ
れることで、データの受け渡しを行う。なお、走行用ボード201、荷役用ボード202
、操舵用ボード203、充電用ボード204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサ
リ用ボード206は、CPUである走行制御装置218、荷役制御装置219、操舵制御
装置220、充電制御装置221、ディスプレイ制御装置222及びアクセサリ制御装置
223以外に、図示しない主記憶装置、補助記憶装置、インタフェースを備える。走行用
ボード201、荷役用ボード202、操舵用ボード203、充電用ボード204、ディス
プレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206は、互いにインタフェースを介して
接続される。具体的には、走行用ボード201、荷役用ボード202、操舵用ボード20
3、充電用ボード204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206は
、CAN(Controller Area Network)通信やCR(Cell
Relay)通信などの通信規格に従って接続される。
【0031】
走行用ボード201に搭載される走行制御装置218、荷役用ボード202に搭載され
る荷役制御装置219、充電用ボード204に搭載される充電制御装置221、ディスプ
レイ用ボード205に搭載されるディスプレイ制御装置222及びアクセサリ用ボード2
06に搭載されるアクセサリ制御装置223は、操舵用ボード203と通信を行い自装置
に接続される操舵用ボード203が正規基板であるか否かを判定する。同様に、操舵用ボ
ード203に搭載される操舵制御装置220は、走行用ボード201、荷役用ボード20
2、充電用ボード204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206と
通信を行い自装置に接続される走行用ボード201、荷役用ボード202、充電用ボード
204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206が正規基板であるか
否かを判定する。
【0032】
図3は、走行用ボード201、荷役用ボード202、操舵用ボード203、充電用ボー
ド204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206とが互いに正規基
板であるか否かを確認する動作を示すフローチャートである。
フォークリフト100のキースイッチ(図示せず)がONに切り替えられると、バッテ
リー214から走行用ボード201、荷役用ボード202、操舵用ボード203、充電用
ボード204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206に電気が供給
される。操舵用ボード203に電気が供給されると、操舵制御装置220は、所定のフラ
グ情報を含む初期通信のデータを、接続された走行用ボード201、荷役用ボード202
、充電用ボード204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206に送
信する(ステップS1)。
【0033】
走行用ボード201に電気が供給されると、走行制御装置218は、所定の時間の間、
接続された操舵用ボード203からの初期通信のデータの受信を待機する(ステップS2
a)。走行制御装置218は、電気の供給から所定の時間が経過しても所定のフラグ情報
を含むデータを受信できない場合(ステップS2a:NO)、接続された操舵用ボード2
03が非正規基板であると判定する(ステップS3a)。他方、走行制御装置218は、
所定の時間以内に初期通信のデータを受信した場合(ステップS2a:YES)、接続さ
れた操舵用ボード203が正規基板であると判定し(ステップS4a)、所定のフラグ情
報を含む応答データを、接続された操舵用ボード203に送信する(ステップS5a)。
【0034】
荷役用ボード202に電気が供給されると、荷役制御装置219は、所定の時間の間、
接続された操舵用ボード203からの初期通信のデータの受信を待機する(ステップS2
b)。荷役制御装置219は、電気の供給から所定の時間が経過しても所定のフラグ情報
を含むデータを受信できない場合(ステップS2b:NO)、接続された操舵用ボード2
03が非正規基板であると判定する(ステップS3b)。他方、荷役制御装置219は、
所定の時間以内に初期通信のデータを受信した場合(ステップS2b:YES)、接続さ
れた操舵用ボード203が正規基板であると判定し(ステップS4b)、所定のフラグ情
報を含む応答データを、接続された操舵用ボード203に送信する(ステップS5b)。
【0035】
充電用ボード204に電気が供給されると、充電制御装置221は、所定の時間の間、
接続された操舵用ボード203からの初期通信のデータの受信を待機する(ステップS2
c)。充電制御装置221は、電気の供給から所定の時間が経過しても所定のフラグ情報
を含むデータを受信できない場合(ステップS2c:NO)、接続された操舵用ボード2
03が非正規基板であると判定する(ステップS3c)。他方、充電制御装置221は、
所定の時間以内に初期通信のデータを受信した場合(ステップS2c:YES)、接続さ
れた操舵用ボード203が正規基板であると判定し(ステップS4c)、所定のフラグ情
報を含む応答データを、接続された操舵用ボード203に送信する(ステップS5c)。
【0036】
ディスプレイ用ボード205に電気が供給されると、ディスプレイ制御装置222は、
所定の時間の間、接続された操舵用ボード203からの初期通信のデータの受信を待機す
る(ステップS2d)。ディスプレイ制御装置222は、電気の供給から所定の時間が経
過しても所定のフラグ情報を含むデータを受信できない場合(ステップS2d:NO)、
接続された操舵用ボード203が非正規基板であると判定する(ステップS3d)。他方
、ディスプレイ制御装置222は、所定の時間以内に初期通信のデータを受信した場合(
ステップS2d:YES)、接続された操舵用ボード203が正規基板であると判定し(
ステップS4d)、所定のフラグ情報を含む応答データを、接続された操舵用ボード20
3に送信する(ステップS5d)。
【0037】
アクセサリ用ボード206に電気が供給されると、アクセサリ制御装置223は、所定
の時間の間、接続された操舵用ボード203からの初期通信のデータの受信を待機する(
ステップS2e)。アクセサリ制御装置223は、電気の供給から所定の時間が経過して
も所定のフラグ情報を含むデータを受信できない場合(ステップS2e:NO)、接続さ
れた操舵用ボード203が非正規基板であると判定する(ステップS3e)。他方、アク
セサリ制御装置223は、所定の時間以内に初期通信のデータを受信した場合(ステップ
S2e:YES)、接続された操舵用ボード203が正規基板であると判定し(ステップ
S4e)、所定のフラグ情報を含む応答データを、接続された操舵用ボード203に送信
する(ステップS5e)。
【0038】
操舵制御装置220は、初期通信のデータを送信すると、所定の時間の間、接続された
走行用ボード201、荷役用ボード202、充電用ボード204、ディスプレイ用ボード
205及びアクセサリ用ボード206からの応答データの受信を待機する(ステップS6
)。操舵制御装置220は、初期通信のデータの送信から所定の時間が経過しても所定の
フラグ情報を含むデータを受信できない場合(ステップS6:NO)、接続された走行用
ボード201、荷役用ボード202、充電用ボード204、ディスプレイ用ボード205
及びアクセサリ用ボード206が非正規基板であると判定する(ステップS7)。他方、
操舵制御装置220は、所定の時間以内に初期通信のデータを受信した場合(ステップS
6:YES)、接続された走行用ボード201、荷役用ボード202、充電用ボード20
4、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206が正規基板であると判定
する(ステップS8)。
【0039】
上記手順により、走行用ボード201、荷役用ボード202、操舵用ボード203、充
電用ボード204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206とは、互
いに正規基板であるか否かを確認することができる。具体的には、走行用ボード201、
荷役用ボード202、充電用ボード204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ
用ボード206が非正規基板である場合、走行用ボード201、荷役用ボード202、充
電用ボード204、ディスプレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206は、操舵
用ボード203が送信された初期通信のデータを適切に受信することができないため、操
舵用ボード203は応答データを受信することができない。他方、具体的には、操舵用ボ
ード203が非正規基板である場合、操舵用ボード203は正規の初期通信のデータを送
信しないため、走行用ボード201、荷役用ボード202、充電用ボード204、ディス
プレイ用ボード205及びアクセサリ用ボード206は初期通信のデータを受信すること
ができない。
【0040】
本実施形態では、走行用ボード201が非正規基板である場合に、操舵制御装置220
が、フォークリフト100の動作を制限し、パスワード認証に成功すると制限を所定期間
解除することで、最低限の荷役作業を可能にしつつ、正規品の走行用ボード201への交
換を促す。
操舵制御装置220は、動作制限装置の例に該当する。
【0041】
図4は、本実施形態に係る操舵制御装置220のソフトウェア構成を示す概略ブロック
図である。
操舵制御装置220は、操舵用ボード203に搭載されるROMが記憶する所定のプロ
グラムを実行することで、判定部301、認証部302、動作制限部303を備える。
判定部301は、接続される走行用ボード201が正規基板であるか否かを判定する。
【0042】
動作制限部303は、走行用ボード201が正規基板でないと判定された場合、フォー
クリフト100の動作を制限する。例えば、動作制限部303は、走行モータ208、荷
役モータ210、操舵モータ212の何れか、または、これらの組み合わせへの電力供給
を遮断して、フォークリフト100を使用できない状態にする。あるいは、動作制限部3
03が、フォークリフト100の走行速度を制限するなど、フォークリフト100を使用
可能な状態にしつつユーザビリティを低下させるようにしてもよい。
【0043】
動作制限部303が、フォークリフト100の動作を制限することで、当該制限を解消
するために走行用ボード201を正規品に交換するよう促すことができる。一方、繁忙期
等において、フォークリフト100の使用者が、走行用ボード201の交換のための時間
を確保できないが、早急に制限を解消する必要に迫られる可能性がある。
そこで、動作制限部303は、認証部302がパスワード認証に成功するとフォークリ
フト100の動作の制限を所定期間解除する。なお、動作制限部303がフォークリフト
100の動作の制限を解除する期間を、制限解除期間と称する。
【0044】
例えば、フォークリフト100の使用者は、フォークリフト100を販売する正規代理
店に電話連絡してパスワードを聞き、フォークリフト100に入力する。これにより、フ
ォークリフト100の使用者は、走行用ボード201を交換しなくても、制限が一時的に
解除された状態でフォークリフト100を使用することができる。その後、フォークリフ
ト100の使用者は、時間を確保できたときに正規代理店にて走行用ボード201の正規
品への交換を受ける。
【0045】
なお、制限解除期間は、固定であってもよいし、正規代理店などパスワードの通知者が
選択可能であってもよい。
例えば、複数の制限解除期間のうち何れかを選択可能であり、制限解除期間によりパス
ワードが異なるようにしてもよい。正規代理店は、電話にてフォークリフト100の使用
状況を確認して制限解除期間を決定し、決定した制限解除期間に応じたパスワードを算出
してフォークリフト100の使用者に通知する。フォークリフト100の使用者が、当該
パスワードをフォークリフト100に入力し、認証部302がパスワード認証に成功する
と、動作制限部303は、フォークリフト100の動作の制限を、認証部302がパスワ
ード認証に成功したパスワードに対応付けられた期間解除する。
【0046】
認証部302は、パスワード認証を行う。上記のように、認証部302がパスワード認
証に成功すると、動作制限部303が、フォークリフト100の動作の制限を所定期間解
除する。
特に、認証部302は、フォークリフト100の使用者または正規代理店の担当者など
、人が把握可能な情報に基づいてパスワードを生成してパスワード認証を行う。これによ
り、正規代理店の担当者、または、正規代理店に設置されているコンピュータが、認証部
302が用いたパスワード生成アルゴリズムと同じアルゴリズムを用いて、かつ、認証部
302がパスワードの生成に用いた情報と同じ情報を用いて、認証部302が認証に成功
するパスワードを生成することができる。なお、正規代理店の担当者は、当該アルゴリズ
ムを他者に知られないよう管理しておくことで、パスワードの不正流出を防止する。
【0047】
認証部302は、例えば、操舵用ボード203のシリアル番号に基づいてパスワードを
生成する。そして、認証部302は、生成したパスワードと、フォークリフト100に入
力されるパスワードとを比較し、両者が一致すると判定した場合に、認証成功とする。
ここでいう操舵用ボード203のシリアル番号とは、操舵用ボード203に記載されて
いる、操舵用ボード203毎に異なる番号である。操舵用ボード203のシリアル番号は
、例えばフォークリフト100の使用者が操舵用ボード203を目視確認することで把握
できる。操舵用ボード203のシリアル番号は、認証部302に一対一に対応付けられる
識別情報の例に該当する。
【0048】
あるいは、認証部302が、操舵用ボード203のシリアル番号に加えて、あるいは代
えて、認証部302自らがパスワード認証に成功した通算回数に基づいてパスワードを生
成するようにしてもよい。これにより、認証部302が認証に成功するパスワードをワン
タイムパスワード(One-Time Password;OTP)とすることができる。
認証部302がパスワード認証に成功した通算回数は、例えば、パスワードを算出して
利用者に通知する正規代理店が、パスワードを利用者に通知した回数を記録しておくこと
で把握し得る。
また、上述したように、認証部302が、入力されるパスワードと、異なる期間に対応
付けられた複数のパスワードとを比較することでパスワード認証を行うようにしてもよい
【0049】
図5は、本実施形態に係るフォークリフト管理システム1の構成を示す概略ブロック図
である。
フォークリフト管理システム1は、フォークリフト100、パスワード生成装置10を
含んで構成される。フォークリフト管理システム1に含まれるパスワード生成装置10の
数、フォークリフト100の数は、いずれも任意の正整数でよい。特に、フォークリフト
管理システム1に複数のパスワード生成装置10が含まれていてもよいし、複数のフォー
クリフト100が含まれていてもよい。
フォークリフト管理システム1は、管理システムの例に該当する。
パスワード生成装置10は、フォークリフト100の製造者または正規代理店に設置さ
れ、フォークリフト100の動作の制限を一時的に解除するためのパスワードを生成する
。パスワード生成装置10は、例えば、コンピュータが、認証部302と同じパスワード
生成アルゴリズムを実行するプログラムを格納した記憶デバイスを備える構成にて実現さ
れる。なお、アルゴリズムを解析されにくくする観点から、パスワード生成アルゴリズム
として一方向関数のアルゴリズムを用いることが出来る。ここでいう一方向関数とは、例
えばハッシュ関数など、関数値から元の引数値を算出することが困難な関数である。
【0050】
図6は、本実施形態に係るフォークリフト100の動作の制限を解除する処理の流れの
例を示す説明図である。
走行用ボード201が非正規品に交換されたことを判定部301が検出し、動作制限部
303がフォークリフト100の動作を制限している場合、フォークリフト100の使用
者は、正規代理店に電話連絡する(ステップS101)。
電話を受けた正規代理店では、担当者が、操舵用ボード203のシリアル番号をフォー
クリフト100の使用者に問い合わせる(ステップS102)。フォークリフト100の
使用者は、操舵用ボード203のシリアル番号を確認して回答する(ステップS103)
【0051】
また、担当者は、当該フォークリフト100についてパスワード認証に成功した通算回
数を確認する(ステップS104)。そして、担当者は、シリアル番号と、パスワード認
証に成功した通算回数とをパスワード生成装置10に入力してパスワードを取得する(ス
テップS105)。パスワード生成装置10は、シリアル番号と、パスワード認証に成功
した通算回数とをパラメータとして、認証部302と同じアルゴリズムを用いてパスワー
ドを算出する。さらに、制限解除期間をパラメータに含めるようにしてもよい。
パスワード算出アルゴリズムとして、ハッシュ関数など様々なアルゴリズムを用いるこ
とができる。
【0052】
担当者は、得られたパスワードをフォークリフト100の使用者に回答する(ステップ
S106)。フォークリフト100の使用者は、パスワードをフォークリフト100に入
力する(ステップS107)。パスワードの入力を受けたフォークリフト100では、認
証部302がパスワード認証に成功し、動作制限部303が、フォークリフト100の動
作の制限を一時的に解除する(ステップS108)。認証部302は、パスワード生成装
置10と同じパラメータをパスワード生成装置10と同じアルゴリズムに適用して、パス
ワード生成装置10と同じパスワードを生成する。このため、認証部302は、パスワー
ドの入力誤り等がある場合を除いて必ずパスワード認証に成功する。
【0053】
次に、本実施形態に係る操舵制御装置220の動作について説明する。
図7は、本実施形態に係る操舵制御装置220の動作を示すフローチャートである。
フォークリフト100のキースイッチがONに切り替えられると、判定部301は、図
3を参照して説明したように、走行用ボード201が正規基板か否かを判定する(ステッ
プS201)。走行用ボード201が正規基板であると判定された場合(ステップS20
1:YES)、図7の処理を終了する。
【0054】
一方、ステップS201において、走行用ボード201が正規基板でないと判定された
場合(ステップS201:NO)、動作制限部303が、フォークリフト100の動作を
制限する設定を行うことで、当該制限が開始される(ステップS202)。フォークリフ
ト100の動作の制限開始時に、ディスプレイ111が、パスワードの入力を促す画面、
および、正規代理店への連絡を促す旨のメッセージを表示するようにしてもよい。これに
より、フォークリフト100の使用者に、フォークリフト100の動作の制限に対する対
応策を示唆することができる。
なお、ステップS202以後、走行用ボード201が正規基板になったと判定部301
が判定した場合、操舵制御装置220は、割込処理によりフォークリフト100の動作の
制限を解除して図7の処理を終了する。
【0055】
ステップS202の後、認証部302は、パスワード認証に成功したか否かを判定する
(ステップS203)。具体的には、認証部302は、パスワードの入力を受けると、認
証部302自らパスワードを算出し、算出したパスワードと入力されたパスワードとを比
較する。算出したパスワードと入力されたパスワードとが同じであると判定した場合、認
証部302は、パスワード認証に成功したと判定する。
【0056】
ステップS203において、認証部302がパスワード認証に成功したと判定した場合
(ステップS203:YES)、動作制限部303は、制限解除期間を設定し、フォーク
リフト100の動作の制限を一時的に解除する(ステップS204)。動作制限部303
が設定する制限解除期間は、予め定められている固定期間であってもよいし、認証部30
2が認証に成功したパスワードに対応付けられている期間であってもよい。
【0057】
次に、動作制限部303は、制限解除期間が経過したか否かを判定する(ステップS2
05)。制限解除期間が経過していないと判定した場合(ステップS205:NO)、ス
テップS205へ戻る。一方、制限解除期間が経過したと判定した場合(ステップS20
5:YES)、ステップS202へ戻る。
【0058】
以上のように、動作制限部303は、走行用ボード201が正規基板でないと判定され
た場合、フォークリフト100の動作を制限し、また、認証部302がパスワード認証に
成功するとフォークリフト100の動作の制限を所定期間解除する。
これにより、操舵制御装置220によれば、走行用ボード201が非正規品に交換され
た場合に、最低限の荷役作業を可能にしつつ、正規品の走行用ボード201への交換を促
すことができる。特に、フォークリフト100では、所定期間の間、荷の上げ下げや走行
を行うことができるため、荷役作業を継続することができる。また、操舵制御装置220
によれば、機器の動作の制限の解除に期間が設けられていることで、利用者に正規基板へ
の交換を促すことができる。
【0059】
また、認証部302は、入力されるパスワードと、認証部302に一対一に対応付けら
れる識別情報に基づいて得られるパスワードとを比較することでパスワード認証を行う。
例えば、認証部302は、操舵用ボード203のシリアル番号に基づいてパスワードを算
出してパスワード認証を行う。
これにより、操舵制御装置220によれば、当該識別情報を確認することで、パスワー
ド認証に用いられるパラメータを取得することができる。従って、認証部302がパスワ
ード認証に用いるアルゴリズムについて既知の人または機器は、認証部302がパスワー
ド認証に成功するパスワードを比較的容易に取得することができる。
【0060】
また、認証部302は、入力されるパスワードと、パスワード認証に成功した通算回数
に基づいて得られるパスワードとを比較することでパスワード認証を行う。
このように、認証部302が、認証部302自らがパスワード認証に成功した通算回数
をパラメータとしてパスワードを生成することで、認証部302が認証に成功するパスワ
ードをワンタイムパスワードとすることができる。これにより、パスワードの不正流用を
防止することができる。
【0061】
また、認証部302は、入力されるパスワードと、異なる期間に対応付けられた複数の
パスワードとを比較することでパスワード認証を行う。そして、動作制限部303は、フ
ォークリフト100の動作の制限を、認証部302がパスワード認証に成功したパスワー
ドに対応付けられた期間解除する。
これにより、操舵制御装置220によれば、例えば正規代理店の担当者などパスワード
を生成する者は、所望の制限解除期間に応じたパスワードを生成することで、制限解除期
間を調整することができる。
【0062】
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述
のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態に係るフォークリフト100は、バッテリー214によって
走行するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係るフォークリフト100は、
燃料によりエンジンを駆動させて走行する車両であっても良い。また、上述した実施形態
に係るフォークリフト100は、リーチ制御によってフォーク104を進退させることが
出来るリーチ型車両であるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係るフォーク
リフト100は、カウンタバランス型車両や、ピッキングリフト車両であってもよい。
【0063】
なお、パスワード生成装置10に代えて、正規代理店の担当者など人が手計算で、フォ
ークリフト100に入力するパスワードを生成(算出)するようにしてもよい。
また、認証部302が認証に成功するパスワードとして、暗号鍵を用いたパスワードな
ど、様々な方式のパスワードを用いることが出来る。
また、パスワード生成装置10が、パスワード生成アルゴリズムとして逆算可能な関数
のアルゴリズム(一方向関数でない関数のアルゴリズム)を用いる場合、認証部302が
、入力されたパスワードを逆算して元の引数を算出し、得られた引数と、認証部302自
らが記憶している引数とを比較することで、パスワード認証を行うようにしてもよい。例
えば、認証部302は、入力されたパスワードを逆算することで、シリアル番号や、パス
ワード認証に成功した通算回数や、制限解除期間を取得する。そして、認証部302は、
得られたシリアル番号およびパスワード認証に成功した通算回数と、認証部302自らが
記憶しているシリアル番号およびパスワード認証に成功した通算回数とを比較することで
、パスワード認証を行う。
【0064】
なお、少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置は、一時的でない有形の媒体
の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェースを介して接続
される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等
が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータに配信される場合
、配信を受けたコンピュータが当該プログラムを主記憶装置に展開し、上記処理を実行し
ても良い。
【0065】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置に既に記憶されている他のプロ
グラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっ
ても良い。
【符号の説明】
【0066】
1…フォークリフト管理システム 10…パスワード生成装置 100…フォークリフ
ト 101…車両本体 102…ストラドルアーム 103…マスト 104…フォーク
105…運転席 106…アクセルレバー 107…リフトレバー 108…リーチレ
バー 109…チルトレバー 110…操舵ハンドル 111…ディスプレイ 201…
走行用ボード 202…荷役用ボード 203…操舵用ボード 204…充電用ボード
205…ディスプレイ用ボード 206…アクセサリ用ボード 207…走行インバータ
208…走行モータ 209…荷役インバータ 210…荷役モータ 211…操舵イ
ンバータ 212…操舵モータ 213…充電器 214…バッテリー 215…方向指
示器 216…回転灯 217…ブザー 218…走行制御装置 219…荷役制御装置
220…操舵制御装置 221…充電制御装置 222…ディスプレイ制御装置 22
3…アクセサリ制御装置 301…判定部 302…認証部 303…動作制限部
【要約】      (修正有)
【課題】作業用車両の制御基板が非正規品に交換された場合に、最低限の荷役作業を可能にしつつ、正規品の制御基板への交換を促す動作制限装置、車両、パスワード生成装置、管理システム、動作制限方法及び動作制限プログラムを提供する。
【解決手段】フォークリフトなどの作業用車両において、操舵制御装置220は、判定部301、認証部302、及び動作制限部303を備える。判定部301は、接続される走行用ボードが正規基板であるか否かを判定する。認証部302は、パスワード認証を行う。動作制限部303は、走行用ボードが正規基板でないと判定された場合、フォークリフトの動作を制限し、認証部302におけるパスワード認証が成功すると、フォークリフトの動作の制限を所定期間解除する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7