特許第6032810号(P6032810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032810
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】車両用電装システム
(51)【国際特許分類】
   B60Q 5/00 20060101AFI20161121BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   B60Q5/00 650D
   B60R16/02 660D
   B60Q5/00 620B
   B60Q5/00 630B
   B60Q5/00 660Z
   B60Q5/00 640Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-25360(P2013-25360)
(22)【出願日】2013年2月13日
(65)【公開番号】特開2014-151859(P2014-151859A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2016年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】古田 拓
(72)【発明者】
【氏名】高松 昌博
(72)【発明者】
【氏名】下地 映次
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−181308(JP,A)
【文献】 特開2003−040052(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/118250(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 5/00
B60Q 11/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーンスイッチの操作に応じて鳴動する自動車のホーンと、
前記ホーンとは別に設けられたセキュリティホーンと、
前記ホーンの故障を検出する故障検出手段と、
前記ホーンの故障を検出すると、前記ホーンスイッチの操作に応じて鳴動させるホーンを前記セキュリティホーンに切り替える切替手段と、
を備えたことを特徴とする車両用電装システム。
【請求項2】
記セキュリティホーンに切り替える旨を入力操作する入力操作手段をさらに備え、
前記切替手段が、前記ホーンの故障を検出した後、前記入力操作手段により前記セキュリティホーンに切り替える旨の入力操作がされたとき前記セキュリティホーンに切り替え、前記入力操作手段により前記セキュリティホーンに切り替える旨の入力操作がされなかったときは前記セキュリティホーンに切り替えない
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用電装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用電装システムに係り、特に、ホーンの故障を検出するホーン故障検出手段を備えた車両用電装システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車では、ステアリングに配置されたホーンスイッチを押すとホーンが鳴動して、歩行者や他車両などに自車両の存在を注意喚起することができる。上記ホーンが故障すると、ホーンスイッチを押してもホーンが鳴動しない。このため、ホーンの故障を検出して、その旨を報知する負荷診断回路が提案されている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、従来の負荷診断回路では、ホーンの故障を報知しているだけなので、修理に出すまでの期間はホーンを鳴動させることができず、車両の運行において支障が生じる、という問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−40052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、ホーンが故障してホーンが鳴動しない状態を回避して安全性の向上を図った車両用電装システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための請求項1記載の発明は、ホーンスイッチの操作に応じて鳴動する自動車のホーンと、前記ホーンとは別に設けられたセキュリティホーンと、前記ホーンの故障を検出する故障検出手段と、前記ホーンの故障を検出すると、前記ホーンスイッチの操作に応じて鳴動させるホーンを前記セキュリティホーンに切り替える切替手段と、を備えたことを特徴とする車両用電装システムに存する。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記セキュリティホーンに切り替える旨を入力操作する入力操作手段をさらに備え、前記切替手段が、前記ホーンの故障を検出した後、前記入力操作手段により前記セキュリティホーンに切り替える旨の入力操作がされたとき前記セキュリティホーンに切り替え、前記入力操作手段により前記セキュリティホーンに切り替える旨の入力操作がされなかったときは前記セキュリティホーンに切り替えないことを特徴とする請求項1に記載の車両用電装システムに存する。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、ホーンが故障しても代わりにセキュリティホーンを鳴動させることができるので、ホーンが故障してホーンが鳴動しない状態を回避して安全性の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、ドライバがセキュリティホーンに切り替えるか切り替えないかを選ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の車両内電装システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2】車両のインストルメントパネルに搭載されたメータの正面図である。
図3図1に示すメータDISPの表示例を示す図である。
図4図1に示す車両内電装システムの動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の車両用電装システムについて図1図4を参照して説明する。図1は、本発明の車両内電装システムの一実施形態を示すブロック図である。同図に示すように、車両用電装システム1は、車両100の各部に配置されたモジュール2〜17と、これらモジュール2〜17の制御を行う入出力代行コネクタ18〜33と、車両100のインストルメントパネルに取り付けられたインパネアッパーサブモジュール34と、インパネアッパーサブモジュール34を駆動するマルチドライバ35と、を備えている。
【0012】
フロントエンドモジュール2は、車両100のフロントエンドに配置された電子機器としての複数の半導体リレー(以下SSR)2A〜2Dと、自動車のホーン2Eと、有している。フロントライトモジュール3、4は、車両フロントの左右にそれぞれ配置された電子機器としてのヘッドライトランプ3A、4A(以下LP3A、4A)と、LP3A、4Aを駆動して光軸を変えるモータ(以下MTR)3B、4Bと、LP3A、4AやMTR3B、4Bに供給される電源をオンオフするSSR3C、4Cと、を有している。
【0013】
エンジンコンパートメントモジュール5は、車両100のフロントに配置された電子機器としてのセキュリティホーン5Aと、セキュリティホーン5Aに供給する電源をオンオフするSSR5Bと、を有している。セキュリティホーン5Aは、車両の盗難や車上荒らしを検出したときに鳴動させて犯人を撃退するためのホーンである。
【0014】
フロントドアモジュール6、7は、車両100の左右フロントドアにそれぞれ配置された電子機器としてのドアスイッチ6A、7A(以下SW6A、7A)と、ドアを駆動して施錠・解錠するMTR6B、7Bと、MTR6B、7Bに対する電源をオンオフするSSR6C、7Cと、を有している。リアドアモジュール8、9は、車両100の左右リアドアにそれぞれ配置された電子機器としてのドアスイッチ8A、9A(以下SW8A、9A)と、ドアを駆動して施錠・解錠するMTR8B、9Bと、MTR8B、9Bに対する電源をオンオフするSSR8C、9Cと、を有している。
【0015】
ステアリングモジュール10は、車両100のステアリングに配置された電子機器としてのホーンスイッチ10A(以下ホーンSW10A)、入力操作手段としてのスイッチ10B(以下SW10B)を有している。インパネサブモジュール11は各々、車両100のインストルメントパネルに配置された電子機器としてのスイッチ11A(以下SW11A)を有している。シートモジュール12、13は、運転席、助手席にそれぞれ配置されたシートスイッチ12A、13A(以下SW12A、13A)と、シートを駆動するMTR12B、13Bと、MTR12B、13Bに対する電源をオンオフするSSR12C、13Cと、を有している。ルーフモジュール14は、車両100のルーフに配置されルームランプ14A〜14C(以下LP14A〜14C)を有している。
【0016】
リアライトモジュール15、16は、車両リアの左右にそれぞれ配置された電子機器としてのリアコンビネーションランプ15A、16A(以下LP15A、16A)と、LP15A、16Aに供給される電源をオンオフするSSR15B、16Bと、LP15A、16Aを駆動して光軸を変えるMTR15C、16Cと、を有している。リアエンドモジュール17は、車両100のリアに配置された電子機器としての複数のSSR17A〜17Dを有している。
【0017】
上記入出力代行コネクタ18〜33には、図示しないコンピュータから構成されたECUが内蔵されている。そして、この入出力代行コネクタ18〜33は、各モジュール2〜17に対して1つずつ設けられ、各モジュール2〜17を構成する電子機器の制御又は監視を行う。
【0018】
なお、エンジンコンパートメントモジュール5に接続された入出力代行コネクタ21内にはさらに、図示しない無線回路が内蔵されていて、後述するマルチドライバ35を介して後述するスマートJ/B41と無線通信することができる。このエンジンコンパートメントモジュール5及び入出力代行コネクタ21は、例えば、車上荒らしの犯人に車載バッテリが取り外されてセキュリティが不正に解除されないように、他のモジュール2〜4、6〜17や他の入出力代行コネクタ18〜20、22〜33とは別電源の供給を受けて動作している。
【0019】
上記インパネアッパーサブモジュール34は、車両100のインストルメントパネルに設けられ、表示器としてのメータディスプレイ(以下メータDISP)34Aと、アンビエントユニット34Bと、センターディスプレイ(以下センターDISP)34Cと、ヘッドアップディスプレイ(以下HUD)34Dと、を有している。メータDISP34Aは、図2に示すように、車両100のインストルメントパネルに設けられた車両100の速度などを表示するメータ36とメータ37との間に配置されている。
【0020】
また、車両用電装システム1は、複数の入出力代行コネクタ18〜20、22〜33に接続され、複数の入出力代行コネクタ18〜20、22〜33に電源を分配するための分配回路が内蔵されたスマートジャンクションボックス(以下スマートJ/B)38〜41と、スマートJ/B38〜41に接続され、電源線及び通信線(図示せず)から構成される第1ワイヤハーネスW1と、をさらに備えている。
【0021】
スマートJ/B38は、第1ワイヤハーネスW1を介してフロントエンドモジュール2、フロントライトモジュール3、4を制御する入出力代行コネクタ18〜20に接続されている。即ち、入出力代行コネクタ18〜20は、スマートJ/B38に接続された第1ワイヤハーネスW1とこれらモジュール2〜4に接続された第2ワイヤハーネスW2とを接続するコネクタである。
【0022】
スマートJ/B38は、図示しない車載バッテリから電源供給を受け、この供給された電源を第1ワイヤハーネスW1の電源線を介して入出力代行コネクタ18〜20に供給している。入出力代行コネクタ18〜20に内蔵されたECUは、スマートJ/B38からの電源供給を受けて動作し、各モジュール2〜4に電源供給するとともに制御する。
【0023】
スマートJ/B38は、図示しないECU及び無線回路が内蔵されていて、第1ワイヤハーネスW1の通信線を介して入出力代行コネクタ18〜20と通信することができると共にマルチドライバ35を介して後述するスマートJ/B41と無線通信することができる。さらに、スマートJ/B38は、エンジンを制御するエンジンECU42にも接続されている。
【0024】
スマートJ/B39は、第1ワイヤハーネスW1を介して車両100の右側に配置されたフロントドアモジュール6、リアドアモジュール8及びシートモジュール12を制御する入出力代行コネクタ22、24、28に接続されている。即ち、入出力代行コネクタ22、24、28は、スマートJ/B39に接続された第1ワイヤハーネスW1とこれらフロントドアモジュール6、リアドアモジュール8及びシートモジュール12に接続された第2ワイヤハーネスW2とを接続するコネクタである。
【0025】
スマートJ/B39は、後述するスマートJ/B41から電源供給を受け、その電源を第1ワイヤハーネスW1の電源線を介して入出力代行コネクタ22、24、28に供給している。入出力代行コネクタ22、24、28に内蔵されたECUは、スマートJ/B39からの電源供給を受けて動作し、各モジュール6、8及び9に電源供給するとともに制御する。
【0026】
スマートJ/B39は、図示しないECUが内蔵されていて、第1ワイヤハーネスW1の通信線を介して入出力代行コネクタ22、24、28と通信することができる。
【0027】
スマートJ/B40は、第1ワイヤハーネスW1を介して車両100の後側に配置されたリアライトモジュール15、16及びリアエンドモジュール17を制御する入出力代行コネクタ31〜33に接続されている。即ち、入出力代行コネクタ31〜33は、スマートJ/B40に接続された第1ワイヤハーネスW1とこれらモジュール15〜17に接続された第2ワイヤハーネスW2とを接続するコネクタである。
【0028】
スマートJ/B40は、後述するスマートJ/B41から電源供給を受け、その電源を第1ワイヤハーネスW1の電源線を介して入出力代行コネクタ31〜33に供給している。入出力代行コネクタ31〜33に内蔵されたECUは、スマートJ/B40からの電源供給を受けて動作し、各モジュール15〜17に電源供給すると共に制御する。
【0029】
スマートJ/B40は、図示しないECUが内蔵されていて、第1ワイヤハーネスW1の通信線を介して入出力代行コネクタ31〜33と通信することができる。
【0030】
スマートJ/B41は、第1ワイヤハーネスW1を介して車両100の右側に配置されたフロントドアモジュール7及びリアドアモジュール9、ステアリングモジュール10、インパネサブモジュール11、シートモジュール13、ルーフモジュール14を制御する入出力代行コネクタ23、25、26、27、29、30に接続されている。即ち、入出力代行コネクタ23、25、26、27、29、30は、スマートJ/B41に接続された第1ワイヤハーネスW1とこれらモジュール7、9〜11、13、14に接続された第2ワイヤハーネスW2とを接続するコネクタである。
【0031】
スマートJ/B41は、アクチュエータ(以下ACT)42に接続されていて、ACT42からの電源を第1ワイヤハーネスW1の電源線を介して入出力代行コネクタ23、25、26、27、29、30やスマートJ/B39、40に供給している。入出力代行コネクタ23、25、26、27、29、30に内蔵されたECUは、スマートJ/B41からの電源供給を受けて動作し、各モジュール7、9〜11、13、14に電源供給するとともに制御する。
【0032】
スマートJ/B41は、図示しないECUが内蔵されていて、第1ワイヤハーネスW1の通信線を介して入出力代行コネクタ23、25、26、27、29、30及びスマートJ/B39、40と通信することができる。また、スマートJ/B41は、マルチドライバ35に接続されていて、表示制御部として働き、マルチドライバ35を介してインパネアッパーサブモジュール34の制御を行ったり、無線によりスマートJ/B38や入出力代行コネクタ21と通信することができる。さらに、スマートJ/B41は、パワーアンプ43、メディアドライバ44やSSR45などの電子機器と直接、接続され、これらの制御を行っている。
【0033】
次に、上述した構成の車両用電装システム1の動作について図3及び図4を参照して以下説明する。ドライバがステアリングに設けたホーンSW10Aを操作すると、入出力代行コネクタ26からその旨がスマートJ/B41に送信される。スマートJ/B41は、ホーンSW10Aが操作された旨を受け取ると、入出力代行コネクタ18宛にホーン2Eの鳴動命令を出力する。この鳴動命令は、マルチドライバ35及びスマートJ/B38を介して入出力代行コネクタ18に送信される。入出力代行コネクタ18は、自身宛の鳴動命令を受信すると、ホーン2Eを制御して鳴動させる。
【0034】
一方、フロントエンドモジュール2に接続された入出力代行コネクタ18は、故障検出手段として働き、ホーン2Eの状態を監視していて、ホーン2Eの故障を検出すると、その旨を示すホーン故障情報をスマートJ/B41宛に送信する。このホーン故障情報は、スマートJ/B38及びマルチドライバ35を介してスマートJ/B41に送信される。
【0035】
スマートJ/B41は、ホーン故障情報を受信すると、マルチドライバ35を介してメータDISP34Aを制御して、図3(A)に示すように、「ホーン故障」を表示してドライバに知らせる。その後、スマートJ/B41は、図3(B)に示すように、メータDISP34Aに「セキュリティホーンに切り替えますか?」と表示させる。この問いかけに応じてドライバが、ステアリングに設けたSW10Bを操作して、セキュリティホーン5Aに切り替えるか、切り替えないかを入力する(図4参照)。
【0036】
入出力代行コネクタ26は、このSW10Bの操作情報をスマートJ/B41宛に送信する。スマートJ/B41は、この操作情報からセキュリティホーン5Aに切り替える旨の入力操作がされたと判定すると、図3(C)に示すように、メータDISP34Aに「セキュリティホーンに切り替えました」、「最寄りのディーラーで点検を受けてください」と表示させる。
【0037】
その後、スマートJ/B41は、切替手段として働き、入出力代行コネクタ26からホーンSW10Aが操作された旨を受け取ると、入出力代行コネクタ21宛にセキュリティホーン5Aの鳴動命令を出力する。入出力代行コネクタ21が、マルチドライバ35を介してこの鳴動命令を受信すると、セキュリティホーン5Aを制御する鳴動させる。即ち、ホーン2Eの故障が検出すると、ホーンSW10Aの操作に応じて、鳴動させるホーンをホーン2Eからセキュリティホーン5Aに切り替える。
【0038】
これに対して、スマートJ/B41は、SW10Bの操作情報からセキュリティホーン5Aに切り替えない旨の入力操作がされた(即ち、切り替える旨の入力操作がされなかった)と判定すると、メータDISP34Aに「セキュリティホーンには切り替えません」と表示させる。その後、スマートJ/B41は、入出力代行コネクタ26からホーンSW10Aが操作された旨を受け取ると、ホーン2Eが故障中であっても、通常通り入出力代行コネクタ18宛にホーン2Eの鳴動命令を出力する。
【0039】
上述した実施形態によれば、スマートJ/B41が、ホーン2Eの故障を検出すると、ホーンSW10Aの操作に応じて鳴動させるホーンをセキュリティホーン5Aに切り替えるので、ホーン2Eが故障しても代わりにセキュリティホーン5Aを鳴動させることができ、ホーン2Eが故障してホーンが鳴動しない状態を回避して安全性の向上を図ることができる。
【0040】
また、上述した実施形態によれば、スマートJ/B41が、ホーン2Eの故障を検出した後、SW10Bによりセキュリティホーン5Aに切り替える旨の入力操作がされたときセキュリティホーン5Aに切り替え、SW10Bによりセキュリティホーン5Aに切り替える旨の入力操作がされなかったときはセキュリティホーン5Aに切り替えない。これにより、ドライバがセキュリティホーン5Aに切り替えるか切り替えないかを選ぶことができる。
【0041】
なお、上述した実施形態によれば、ホーン2Eが故障したときスイッチ10Bの操作によりセキュリティホーン5Aに切り替えるか否かを選択できるようにしていたが、本発明はこれに限ったものではない。ホーン2Eが故障したとき強制的にセキュリティホーン5Aに切り替えるようにしてもよい。
【0042】
また、上述した実施形態では、セキュリティホーン5Aに切り替える旨をメータDISP34Aに表示して、ドライバに報知していたが、本発明はこれに限ったものではなく、ホーン2Eが故障した場合、報知しないで強制的にセキュリティホーン5Aに切り替えても良い。
【0043】
また、上述した実施形態では、入力操作手段であるSW10Bをステアリングに設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。入力操作手段としては、ドライバが操作できる位置に配置されていればよく、例えばインストルメントパネルに設けてもよい。
【0044】
また、上述した実施形態では、スマートJ/B41を切替手段として機能させていたが、本発明はこれに限ったものではない。スマートJ/B41とは別に切替手段を設けてもよい。また、入出力代行コネクタ19を故障検出手段として機能させていたが、本発明はこれに限ったものではない。入出力代行コネクタ19とは別に故障検出手段を設けてもよい。
【0045】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 車両用電装システム
2E ホーン
5A セキュリティホーン
10A ホーンスイッチ
10B スイッチ(入力操作手段)
18 入出力代行コネクタ(故障検出手段)
41 スマートJ/B(切替手段)
図1
図2
図3
図4