特許第6032814号(P6032814)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6032814
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】丁合機
(51)【国際特許分類】
   B65H 39/043 20060101AFI20161121BHJP
   B65H 7/12 20060101ALI20161121BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   B65H39/043
   B65H7/12
   B65H7/14
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-50296(P2013-50296)
(22)【出願日】2013年3月13日
(65)【公開番号】特開2014-172755(P2014-172755A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113403
【氏名又は名称】ホリゾン・インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】脇本 茂
(72)【発明者】
【氏名】綱脇 聡
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−211162(JP,A)
【文献】 特開2013−29734(JP,A)
【文献】 特開2005−298106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 39/00 − 39/16
B65H 7/00 − 7/20、43/00 − 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の搬送路を有するフレームと、前記フレームに取り付けられ、前記搬送路に沿って間隔をあけて配置され、用紙スタックが載置される複数の用紙トレイと、前記用紙トレイのそれぞれと前記搬送路との間に設けられ、用紙スタックの用紙を一枚ずつ前記用紙トレイから前記搬送路へ供給する複数の供給手段と、前記フレームに取り付けられ、前記供給手段により供給された用紙を前記搬送路に沿ってその下流端にある搬送出口へ搬送する搬送手段と、前記供給手段及び前記搬送手段の動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
上流側の用紙トレイから用紙トレイ毎に頁順に載置された用紙スタックのそれぞれから用紙を順次供給して、前記搬送路上において上流側の用紙トレイから供給された用紙にその次の下流側にある用紙トレイから供給された用紙を順次重ね合せ、用紙を頁順に重ね合わせた状態で前記搬送出口に搬送する丁合モードと、
複数の用紙トレイに載置され、一冊分の用紙を頁順に重ね合わせたものからなる用紙の組みが複数冊分積層された用紙スタックのうち、一の用紙トレイの用紙スタックから用紙を一枚ずつ連続して供給し、前記搬送路上で重ね合わせることなく前記搬送出口に搬送し、当該用紙トレイからの供給が終了したときに次の用紙トレイからの供給を開始する非丁合モードと、に切り替るようになっており、さらに、
前記供給手段のそれぞれに備えられ、用紙の通過を検出する透過型光電センサと、
前記搬送出口に配置され、用紙の通過を検出する透過型超音波センサと、を備え、さらに、
前記制御手段は、
前記丁合モードのときには、前記透過型光電センサの検出信号に基づいて用紙の重送を検出し、
前記非丁合モードのときには、前記透過型超音波センサの検出信号に基づいて用紙の重送を検出することを特徴とする丁合機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丁合機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の丁合機として、例えば、特許文献1に記載されたようなものがある。図3に、この種の丁合機の概略的な構成を示す。図3に示されるように、丁合機は、用紙を搬送するための垂直な搬送路Gと、搬送路Gに沿って間隔をあけて配置された複数の用紙トレイ2a〜2eと、用紙トレイ2a〜2eに載置される用紙スタック3a〜3eから用紙を一枚ずつ搬送路Gに供給する複数の供給手段4a〜4eとを備えている。用紙トレイ2a〜2eから供給される用紙の重送を検出するために、各供給手段4a〜4eには透過型光電センサ14a〜14eが備えられている。透過型光電センサ14a〜14eは、光を照射する投光部15a〜15eと、照射された光を受光する受光部16a〜16eとの対からなっている。ここで、重送とは用紙が二枚以上重ね合わされた状態で用紙トレイ2a〜2eから供給されることをいう。
【0003】
丁合を行うにあたり、用紙スタック3a〜3eが、上流の用紙トレイから用紙トレイ毎に頁順になるように用紙トレイ2a〜2eに載置される。そして、各用紙スタック3a〜3eから用紙が供給手段4a〜4eにより搬送路Gに順次供給される。この際、各供給手段4a〜4eにおいて、用紙トレイ2a〜2eから送り出された用紙に対して透過型光電センサ14a〜14eの投光部15a〜15aから光が照射され、用紙を通過した光が受光部16a〜16eにより受光されて、当該用紙の光の透過率が検出される。この検出値と予め設定された基準値とが比較され、検出値が基準値より小さい場合には、重送が発生したと判定される。
【0004】
そして、搬送路G上において上流側の用紙トレイから供給された用紙に次の下流側の用紙トレイから供給された用紙が順次重ね合わされ、用紙は丁合された状態で搬送路Gの下流端の搬送出口Eへ搬送される。重送が検出された場合、重送された用紙を含む冊子は搬送出口Eを通過した後に、それに続く処理ラインから排除される。
【0005】
また、丁合機には、特許文献2に記載されたような、透過型光電センサの代わりに、透過型超音波センサを用紙トレイ毎に設け、超音波の透過率に基づいて、各用紙トレイから供給される用紙の重送を検出するものもある。
【0006】
ところで、デジタル印刷では、頁数が異なる複数種の冊子を頁順に順次印刷することが可能である。このような場合、デジタル印刷で得られた用紙スタックは、頁順に重ねられた一冊分の用紙の組みが複数冊分積層されたものからなっており、丁合する必要がない。デジタル印刷の用紙スタックは、丁合機にかけられることなく専用の給紙機によって給紙され、その後一冊分毎に区分けされ、製本工程に送られる。
【0007】
これに鑑み、丁合機に給紙機としての機能を備えさせ、デジタル印刷で得られた用紙スタックから用紙を丁合せずに一枚ずつ連続して供給させることが考えられる。
【0008】
これを図3に示された丁合機で実現しようとすると、デジタル印刷で得られた用紙スタック3a〜3eを用紙トレイ2a〜2eに載置しておき、最上流の用紙トレイ2aの用紙スタック3aから用紙を一枚ずつ連続して供給し、搬送路G上において重ね合わせることなく搬送出口Eに順次搬送し、最上流の用紙トレイ2aからの供給が終了したときに、その次の下流にある用紙トレイ2bからの供給を開始し、これを最下流の用紙トレイ2eの供給が終わるまで行うことになる。それによって、大容量の給紙が可能となり、かつデジタル印刷のための専用の給紙機が不要となりコストが削減できる。
【0009】
このように丁合機を給紙機として使用する場合においても、用紙の重送を検出する必要がある。しかしながら、一の用紙トレイに頁が異なる用紙が載置されていると、当該用紙トレイから光の透過率が異なる用紙が順次供給されるので、透過型光電センサでは重送を正確に検出することができない。
【0010】
これに対して、透過型超音波センサでは、超音波は用紙に印刷されたインクの色に影響されない特性があり、超音波の透過率は頁が異なってもほとんど変わらないため、一の用紙トレイから異なる頁の用紙が順次供給されても重送を正確に検出することができる。従って、特許文献2に記載された丁合機を、上記のような給紙機として使えるようにすれば、用紙トレイから、デジタル印刷で得られた用紙スタックの用紙を順次供給しても、重送を正確に検出することができる。
【0011】
しかしながら、透過型超音波センサは、一般的に透過型光電センサよりも高価なため、用紙トレイ毎に透過型超音波センサが設けられた丁合機はコストが高く付く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平07−149468号公報
【特許文献2】特開2011−168400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、給紙機として使用する場合でも重送を正確に検出できる安価な丁合機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明に係る丁合機は、用紙の搬送路を有するフレームと、前記フレームに取り付けられ、前記搬送路に沿って間隔をあけて配置され、用紙スタックが載置される複数の用紙トレイと、前記用紙トレイのそれぞれと前記搬送路との間に設けられ、用紙スタックの用紙を一枚ずつ前記用紙トレイから前記搬送路へ供給する複数の供給手段と、前記フレームに取り付けられ、前記供給手段により供給された用紙を前記搬送路に沿ってその下流端にある搬送出口へ搬送する搬送手段と、前記供給手段及び前記搬送手段の動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
上流側の用紙トレイから用紙トレイ毎に頁順に載置された用紙スタックのそれぞれから用紙を順次供給して、前記搬送路上において上流側の用紙トレイから供給された用紙にその次の下流側にある用紙トレイから供給された用紙を順次重ね合せ、用紙を頁順に重ね合わせた状態で前記搬送出口に搬送する丁合モードと、
複数の用紙トレイに載置され、一冊分の用紙を頁順に重ね合せたものからなる用紙の組みが複数冊分積層された用紙スタックのうち、一の用紙トレイの用紙スタックから用紙を一枚ずつ連続して供給し、前記搬送路上で重ね合わせることなく前記搬送出口に搬送し、当該用紙トレイからの供給が終了したときに次の用紙トレイからの供給を開始する非丁合モードと、に切り替るようになっており、さらに、
前記供給手段のそれぞれに備えられ、用紙の通過を検出する透過型光電センサと、
前記搬送出口に配置され、用紙の通過を検出する透過型超音波センサと、を備え、さらに、
前記制御手段は、
前記丁合モードのときには、前記透過型光電センサの検出信号に基づいて用紙の重送を検出し、
前記非丁合モードのときには、前記透過型超音波センサの検出信号に基づいて用紙の重送を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、丁合機は、用紙を丁合する丁合モードと、用紙を丁合せずに給紙だけする非丁合モードとに動作切り替えでき、そして、丁合モードのときには、用紙トレイ毎に設けられた複数の透過型光電センサを使用して重送を検出し、一方、非丁合モードのときには、搬送出口に設けた一つの透過型超音波センサを使用して重送を検出することで、用紙トレイ毎に高価な透過型超音波センサを配置することなく、丁合機を給紙機として使用する場合の重送の検出を正確に行うことができる。それによって、給紙機として使用できる丁合機を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る丁合機の構成を概略的に示す側面図である。
図2図1の丁合機の供給手段の構成を概略的に示す側面図である。
図3】各供給手段に透過型光電センサが備えられた従来の丁合機の構成を概略的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る丁合機について説明する。
【0018】
図1を参照して、丁合機は、用紙を搬送するための垂直な搬送路Gを有するフレーム1と、フレーム1に取り付けられ、搬送路Gに沿って間隔をあけて配置された複数の用紙トレイ2a〜2eとを備える。丁合機は、さらに、用紙トレイ2a〜2eのそれぞれと搬送路Gとの間に配置され、用紙トレイ2a〜2eに載置される用紙スタック3a〜3eから用紙を一枚ずつ搬送路Gへ供給する複数の供給手段4a〜4eを備える。
【0019】
図2に示される通り、供給手段4は、用紙スタック3の上方に配置され、用紙スタック3の最上位の用紙Pを順次送り出す用紙送り出し手段5と、用紙スタック3の上部の用紙を互いに分離するためにエアを吹き付けるノズル6とを備えている。用紙送り出し手段5は、本実施例では、用紙の幅方向にのびる水平なバキュームロータ7からなる。バキュームロータ7は、外周面に多数の吸気孔8を備えており、吸気ポンプに接続されている。バキュームロータ7の回転軸にはプーリーが結合され、プーリーはベルト駆動機構に結合されており、それによって、バキュームロータ7は回転駆動される。そして、バキュームロータ7は、吸気孔8からの吸気によって、用紙スタック3の最上位の用紙Pを吸着して順次水平方向に送り出す。
【0020】
さらに、供給手段4は、用紙トレイ2から水平方向に送り出された用紙を垂直下向きに方向転換しつつ搬送路Gに送り込む用紙送り込み手段9を備えている。用紙送り込み手段9は、水平な回転軸を有し、互いに接触して配置された一対の駆動ローラ10及びアイドルローラ11を備えている。用紙送り出し手段5により用紙トレイ2から送り出された用紙は、順次、駆動ローラ10及びアイドルローラ11の間に挿入され、これらのローラ10、11の間を搬送されて、搬送路Gに送り込まれる。
【0021】
用紙送り出し手段5と用紙送り込み手段9との間には、用紙の両端縁部を案内する上側ガイドプレート12及び下側ガイドプレート13が配置されている。
【0022】
供給手段4は、さらに、用紙送り出し手段5と用紙送り込み手段9との間に、用紙の通過を検出する透過型光電センサ14を備えている。透過型光電センサ14は、用紙トレイ2から送り出される用紙に対して光を照射する投光部15と、用紙を通過した光を受光する受光部16との対からなっている。この透過型光電センサ14は、後述するように用紙トレイ2から送り出される用紙の重送を検出するために使用される。
【0023】
図1を再び参照して、丁合機は、さらに、フレーム1に取り付けられ、供給手段4a〜4eにより供給された用紙を搬送路Gに沿ってその下流端の搬送出口Eに搬送する搬送手段17、18を備えている。搬送手段17、18は、搬送面が垂直方向にのびるように配置され、各用紙トレイ2a〜2eと対向する垂直コンベヤベルト17と、搬送面が水平方向にのび、垂直コンベヤベルト17の下方に配置された水平コンベヤベルト18とからなっている。垂直コンベヤベルト17は、用紙トレイ2a〜2eのそれぞれから供給された用紙を搬送路Gに沿って垂直下向きに搬送する。水平コンベヤベルト18は、垂直コンベヤベルト17により搬送されてきた用紙を、搬送路Gに沿って水平方向に搬送出口Eへ搬送する。こうして、用紙トレイ2a〜2eのそれぞれから供給される用紙は、搬送路Gに沿って搬送出口Eに搬送される。
【0024】
丁合機は、さらに、搬送出口Eに配置され、用紙の通過を検出する透過型超音波センサ19を備えている。透過型超音波センサ19は、搬送出口Eに搬送される用紙に対して超音波を照射する発信部20と、用紙を通過した超音波を受信する受信部21との対からなっている。透過型超音波センサ19は、後述する通り用紙の重送を検出するために使用される。
【0025】
丁合機は、さらに、マイクロコンピュータ等で構成され、供給手段4a〜4e及び搬送手段17、18の動作を制御する制御手段22を備えている。丁合機は、用紙を丁合する丁合モードと、用紙を丁合せずに給紙だけする非丁合モードとを備えている。制御手段22は、操作パネル(図示しない)からモード切替の入力を受けたときに、丁合モードと非丁合モードのどちらかに切り替えるようになっている。
【0026】
次に、丁合モードと非丁合モードとのそれぞれにおける丁合機の動作を説明する。
丁合モードでは、用紙スタックは、同じ頁の用紙が重ね合わされたものからなる。そして、用紙トレイ2a〜2eに、上流の用紙トレイから順に用紙トレイ毎に頁順になるように用紙スタック3a〜3eが載置される。制御手段22は、供給手段4a〜4eに、用紙トレイ2a〜2eから用紙を順次搬送路Gへ供給させる。そして、制御手段22は、搬送手段17、18に、用紙トレイ2a〜2eから供給された用紙を搬送路Gに沿って搬送させ、搬送路G上において上流側の用紙トレイから供給された用紙にその次の用紙トレイから供給された用紙が順次重ね合されて、用紙が頁順に重ね合わされた状態で搬送出口Eに搬送されるようにする。
【0027】
一方、非丁合モードでは、用紙スタックは、一冊分の用紙を頁順に重ね合せたものからなる用紙の組みが複数冊分積層されたものからなる。そして、当該用紙スタックが複数の用紙トレイに載置され、そのうちの一の用紙トレイの用紙スタックから用紙が一枚ずつ連続して供給され、搬送路G上で重ね合わされることなく搬送出口Eに順次搬送され、当該用紙トレイからの供給が終了したときにその次の用紙トレイからの供給が開始される。
【0028】
本実施例の丁合機では、用紙トレイ2a〜2eに、デジタル印刷で得られた、用紙が既に頁順に重ね合わされている用紙スタック3a〜3eが載置される。制御手段22は、供給手段4aに、最上流の用紙スタック2aから用紙を一枚ずつ連続して搬送路Gに供給させ、搬送手段17、18に、用紙を搬送路Gに沿って搬送出口Eに順次搬送させる。このとき、他の用紙トレイ2b〜2eから用紙は供給されない。そして、制御手段22は、最上流の用紙トレイ2aからの供給が終了したときに、次の下流にある用紙トレイ2bからの供給を開始し、以下同じようにして、最下流の用紙トレイ2eからの供給が終了するまで給紙を行う。搬送出口Eを通過した用紙は、それに続く処理ラインにおいて、一冊分毎に区分けされるようになっている。
【0029】
このように、丁合機は、通常の丁合モードに加えて、デジタル印刷などで得られた丁合が不要な用紙スタックを一冊分毎に区分けするために給紙だけする非丁合モードを備えており、給紙機として兼用できるようになっている。非丁合モードでは、給紙が最上流の用紙トレイ2aから順に最下流の用紙トレイ2eまで行われるので、大容量の給紙が可能となっている。
【0030】
次に、本発明に係る丁合機の重送の検出について説明する。
丁合モードでは、制御手段22は、用紙トレイ2a〜2e毎に設けられた透過型光電センサ14a〜14eを使用して重送を検出する。制御手段22は、用紙トレイ2a〜2eのそれぞれから用紙が送り出され、各透過型光電センサ14a〜14eが用紙の通過を検出したときに、その検出信号に基づいて当該用紙の光の透過率を検出する。そして、制御手段22は、この検出値と予め設定された基準値とを比較し、検出値が基準値以上のときには重送が発生していないと判定し、検出値が基準値よりも小さいときには重送が発生したと判定する。制御手段22は、重送を検出したときには、重送された用紙を含む冊子が搬送出口Eを通過した後に、それに続く処理ラインから排除されるようにする。
【0031】
一方、非丁合モードでは、制御手段22は、各用紙トレイ2a〜2eに設けられた複数の透過型光電センサ14a〜14eではなく、搬送出口Eに設けられた一つの透過型超音波センサ19を使用して重送を検出する。非丁合モードでは、上記の通り、複数の用紙トレイ2a〜2eのうち選択された一の用紙トレイから、用紙が、丁合されることなく順次搬送出口Eに搬送される。そこで、制御手段22は、搬送出口Eに設けられた透過型超音波センサ19が用紙の通過を検出したときに、この検出信号に基づいて当該用紙の超音波の透過率を検出する。そして、制御手段22は、この検出値と予め設定された基準値とを比較し、検出値が基準値以上のときには重送が発生していないと判定し、検出値が基準値よりも小さいときには重送が発生したと判定する。制御手段22は、重送を検出したときには、用紙トレイからの給紙を一時的に停止する。
【0032】
以上のように、制御手段22は、丁合モードのときには、用紙トレイ2a〜2e毎に配置された複数の透過型光電センサ14a〜14eを使用し、非丁合モードのときには、搬送出口Eに配置された一つの透過型超音波センサ19を使用して、重送を検出する。丁合モードのときには、用紙トレイから同じ頁の用紙(光の透過率が同じ用紙)が順次供給されるので、透過型光電センサ14a〜14eを使用すれば用紙トレイ2a〜2eのそれぞれから供給される用紙の重送を正確に検出することができる。
【0033】
一方、非丁合モードのように、一の用紙トレイから頁の異なる用紙(光の透過率が異なる用紙)が順次供給される場合には、透過型光電センサ14a〜14eでは重送を正確に検出できないが、超音波が用紙に印刷されたインクの色に影響されないことから、透過型超音波センサ19を使用することで重送を正確に検出することができる。そして、一つの透過型超音波センサ19が、各用紙トレイ2a〜2eから供給される用紙が共通して通過する搬送出口Eに配置されていることから、どの用紙トレイから給紙がされても重送を検出することができる。
【0034】
このように、本発明に係る丁合機は、通常の丁合モードと用紙を給紙だけする非丁合モードとに動作切り替えするとともに使用するセンサを切り替えて、用紙の重送を検出する。それによって、高価な透過型超音波センサ19を用紙トレイ2a〜2e毎に配置する必要がなくなるため、給紙機として使用できる丁合機を安価に提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 フレーム
2а〜2e 用紙トレイ
3a〜3e 用紙スタック
4a〜4e 供給手段
5 送り出し手段
6 ノズル
7 バキュームロータ
8 吸気孔
9 送り込み手段
10 駆動ローラ
11 アイドルローラ
12 上側ガイドプレート
13 下側ガイドプレート
14a〜14e 透過型光電センサ
15a〜15e 発光部
16a〜16e 受光部
17 垂直コンベヤベルト(搬送手段)
18 水平コンベヤベルト(搬送手段)
19 透過型超音波センサ
20 発信部
21 受信部
22 制御手段
G 搬送路
E 搬送出口
図1
図2
図3