(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は本実施の形態の照明装置100の構成の一例を示す取付状態での上方から見た外観斜視図であり、
図2は本実施の形態の照明装置100の構成の一例を示す取付状態での下方から見た外観斜視図である。
図1は照明装置100を天井等から吊り下げた状態で天井側(上方)から見た場合を示し、
図2は照明装置100を天井等から吊り下げた状態で床又はテーブル側(下方)から見た場合を示す。
【0015】
図1及び
図2に示すように、照明装置100は、収容部としての上部本体80及び下部本体40、出射部としての導光板70、吹出方向変更部としてのセンタカバー10などを備える。また、照明装置100は、下部本体40とセンタカバー10との間に吹出口90を設けている。
【0016】
導光板70は、中央部に円形状の開口を有する円板状をなし、後述のLEDモジュールからの光を入射して上方に出射する上側出射面75、下方に出射する下側出射面74及び略横方向へ出射することができる外縁部73を有する。下側出射面74は本発明の出射面に相当する。
【0017】
導光板70の中央部には、導光板70を挟み込むように上部本体80及び下部本体40が相互に嵌合してある。上部本体80及び下部本体40には、後述のLEDモジュール、イオン発生ユニット、モータ及びファンなどが収容されている。
【0018】
上部本体80は、例えば、アルミニウム製などの金属製であり、上端側が天板で塞がれた略円筒状をなし、下方に向かって拡径してある。上部本体80の天板には、ケーブル1を挿通させる挿通孔を設けてあり、3本の金属製のワイヤ2が取付金具85により上部本体80に装着してある。
【0019】
天井等に固定された配線器具(不図示)に着脱可能なアダプタ(不図示)を取り付け、カバーに収容された電源ユニット(不図示)をアダプタに嵌め込む。電源ユニットの接地端子に接続されたワイヤ2が取付金具85を介して上部本体80に電気的に接触する。これにより、例えば、後述のイオン発生ユニットで発生する電圧が、何らかの不具合により上部本体80に誘起したとしても、上部本体80の電位を接地レベルに維持することができる。
【0020】
下部本体40は、中央部に後述のイオン発生ユニットで発生したイオンを外部へ放出するとともに、下側出射面74からの光出射方向側(
図2において符号Eで示す側)が開放された開口44を有し、略円板状をなす。下部本体40は、上部本体80に嵌合した状態で導光板70の下側出射面74よりも垂直下方向に位置するように下側出射面74に対して突設してある。
【0021】
センタカバー10は、下部本体40の開口44よりも大きい径を有し、下部本体40の開口44から垂直下方向に適長離隔させた状態で下部本体40に対設した状態で取り付けられる。すなわち、センタカバー10が下部本体40の開口44を覆うように開口44に対向して設けられるとともに、下部本体40とセンタカバー10の周縁部14との間の隙間に吹出口90を形成してある。これにより、吹出口90は、下側出射面74よりも下側出射面74からの光出射方向側、つまり下側出射面74よりも垂直下方向側に位置するように設けられる。
【0022】
吹出口90は、イオン発生ユニットで発生したイオンを吹き出すためのものであり、後述のモータでファンを回転させることにより、イオンを導光板70の下側出射面74に沿って外縁部73の方向へ吹き出すことができる。
【0023】
図3は本実施の形態の照明装置100の構成の一例を示す分解斜視図である。
図3に示すように、上部本体80は、中央部にモータ50及びイオン発生ユニット60などを収容する収容空間82、一端が天板で塞がれた略円筒状をなす本体部83、本体部83から延設された円環状の保持部87などを有する。
【0024】
保持部87には、複数(
図3の例では12個)の基板固定板86が、平面視で略円形状(より具体的には多角形状)をなすように立設してあり、各基板固定板86には、光源部としてのLEDモジュール81を装着してある。LEDモジュール81からの光は、導光板70の外縁部73側に進行する方向(導光板70に平行な方向)発せられるので、LEDモジュール81全体としては、光を導光板70の中央部から導光板70に平行な方向に放射状に発することができる。また、保持部87の周縁部には、導光板70の開口71の近傍部分が嵌め込まれる。なお、LEDモジュール81の数は
図3の例に限定されるものではない。また、本実施の形態におけるLEDモジュール81の取り付け位置は、
図3の例に限定されるものではない。
【0025】
導光板70は、中央部に略円形状(より具体的には多角形状)の開口71を有する円環状をなす。導光板70は、透光性に優れた透明の合成樹脂製である。開口71の形状を画定する導光板70の各内側面72は、各LEDモジュール81の発光面に当接又は近接するように配されている。これにより、LEDモジュール81が発する光は内側面72から入射し、入射した光は、導光板70の内部を透過しつつ上側出射面75及び下側出射面74から外部へ出射するとともに、外縁部73からも出射する。なお、導光板70の上側出射面75及び下側出射面74には、幾何学模様や花柄の模様などユーザの好みに応じた模様を付すことができる。なお、下側出射面74のみを導光板70の発光面として下方向にのみ光を出射するようにしてもよい。
【0026】
モータ50は、交流電圧又は直流電圧で駆動され、例えば、1分間に1000回転の割合で回転軸51を回転させることができる。
【0027】
イオン発生ユニット60は、収容箱を備え、当該収容箱には、正イオン及び負イオンを発生する電極部61を備えたイオン発生部などを収容している。イオン発生ユニット60は、空気中の水蒸気をプラズマ放電によりイオン化することにより、プラスイオンとしてのH
+ (H
2 O)
n (nは任意の自然数)と、マイナスイオンとしてのO
2 - (H
2 O)
m (mは任意の自然数)とを発生する。そして、これらが化学反応することにより、活性種である過酸化水素(H
2 O
2 )及び/又は水酸基ラジカル(OH)が生成され、空気中の浮遊細菌や浮遊ウィルス等を除去することができる。
【0028】
図4は下部本体40の構成の一例を示す外観斜視図である。下部本体40は、中央部にイオン発生ユニット60で発生したイオンを外部へ放出するとともに、不図示の下側出射面74からの光出射方向側(
図4において符号Eで示す側)が開放された開口44を有し、略円板状をなす。下部本体40は、略円板状の本体部41を有し、本体部41から上方側に立設し、適長離隔して対向させた係止部43を有する。
【0029】
各係止部43は、各イオン発生ユニット60を固定する機能を有するとともに、下部本体40と上部本体80とを嵌合させる機能を有する。また、下部本体40は、上部本体80の中央部に装着されたモータ50を固定する機能を有する。
【0030】
下部本体40の開口44の周りには開口44の周縁から離隔して4個の突出部42を設けている。なお、突出部42の数は4個に限定されるものではなく、吹出口90の数又は開口44の寸法等に応じて適宜の数とすることができる。また、下部本体40の開口44の中央部には、モータ50の回転軸51が鉛直方向に延びるように配置してある。
【0031】
図5はファン30、風光調整部20及びセンタカバー10の構成の一例を示す外観斜視図である。
図5に示すように、ファン30は、中央部に開口34を有し、モータ50の回転軸51を挿通する挿通孔を有し回転軸51に係止させて回転軸51と連動してファン30を回転させるための軸係止部31、軸係止部31から延設した円板状の羽根支持部32、軸係止部31の周囲に設けられた複数の羽根33などを有する。ファン30は、例えば、いわゆる渦流ファンであり、モータ50の回転軸51が回転すると軸係止部31が回転して羽根33が回転軸51の軸回りに回転する。ファン30は、回転軸51に垂直な面方向、つまり水平方向に流れる空気流を発生させる。なお、
図5において、羽根33は反時計回りに回転するものとする。
【0032】
風向調整部20は、円環状の風向調整板21、風向調整板21の周方向に沿って適長離隔して設けられた支持部22などを備える。支持部22は、下部本体40の突出部42に嵌合させることができ、支持部22と突出部42とを嵌合させることにより、風向調整部20を下部本体40に装着することができる。風向調整部20を下部本体40に装着した状態においては、支持部22は、開口44の周りにおいて開口44から径方向に離隔した位置に配置される。
【0033】
支持部22は、平面視、すなわち回転軸51の軸方向から見た場合、略三角形状をなし、羽根33の回転軌道に沿った内面223、羽根33の回転方向の上流側にある第1側面221、羽根33の回転方向の下流側にある第2側面などを有する。なお、支持部22の平面視の形状は略三角形に限定されるものではなく、例えば、略矩形状であってもよい。この場合には、内面223、第1側面221、第2側面222に加えて、内面223と対向し第1側面221と第2側面222とを繋ぐ外面を設けることができる。
【0034】
風向調整板21は、同心円状の外縁211と内縁212とで画定される幅を有し、断面形状が、例えば、飛行機の翼のような形状であり、肉厚が中央部から両縁に向かって徐々に薄くなり、外縁211及び内縁212が鋭利な細長い涙滴形状をなす。風向調整板21は、ファン30が回転することにより生ずる空気の流れを風向調整板21の幅方向に沿って安定化させることができる。なお、
図5の例では、支持部22と風向調整板21とは一体成形されているが、これに限定されるものではなく、別個の部材として構成することもできる。
【0035】
センタカバー10は、略円板状のカバー本体11、カバー本体11の中央部に設けられ、回転軸51を回転可能に支持する軸支部13、支持部22の位置に合わせて配置され、センタカバー10を支持部22に固定するための固定部12などを有する。
【0036】
図6は本実施の形態の照明装置100の要部を示す外観斜視図である。
図6は吹出口90の周辺の構成の一例を示す。
図6に示すように、本体部41(下部本体40)の周囲に導光板70が配置されている。より具体的には、導光板70は、照明装置100の中央に配置された本体部41の周囲において下側出射面74が略水平方向に延びるように配置されている。導光板70は、LEDモジュール81からの光を出射する下側出射面74及び上側出射面75を有する。
【0037】
本体部41(下部本体40)と、本体部41から垂直下方向、つまり下側出射面74からの光出射方向に離隔して対設されたセンタカバー10(より具体的には、センタカバー10の周縁部14)との離隔寸法により吹出口90の縦寸法(高さ寸法)が画定されている。本体部41とセンタカバー10との間には複数の支持部22が離隔して配置されてあり、隣接する各支持部22の離隔寸法により吹出口90の横寸法(長さ寸法)が画定されている。本体部41(下部本体40)とセンタカバー10との離隔寸法は、支持部22の縦寸法(高さ寸法)により調整することができ、照明装置100の形状又は大きさ、吹出口90での風量などに応じて適宜決定することができる。また、本体部41とセンタカバー10との間には、風向調整板21が配置されている。
【0038】
吹出口90は、導光板70の外縁部73の方向に向くように配置されてあり、ファン30が回転することにより、イオン発生ユニット60で発生したイオンを導光板70の外縁部73の方向へ吹き出すことができる。
【0039】
図7は本実施の形態の照明装置100のファン30による気流の様子を示す模式図である。
図7は照明装置100を下方から見た状態を模式的に表したものである。モータ50の回転軸51の周りにはファン30の各羽根33が回転軸51を中心にして放射状に配置されてある。各羽根33は回転軸51の回転により符号Aで示す方向に回転する。
図7の例では、羽根33は5個あるが羽根33の数は5個に限定されるものではない。
【0040】
センタカバー10の外径は、ファン30の羽根支持部32の外径よりも大きく、また、下部本体40の開口44よりも大きい。
【0041】
支持部22の内面223と第1側面221とのなす角度αは、内面223と第2側面222とのなす角度βよりも小さくしてある。
【0042】
ファン30の羽根33が符号Aの方向に回転すると、吹出口90の周辺の空気は、羽根33の回転移動に伴って流れ、支持部20の第2側面222付近においては、羽根33の回転移動に伴う空気は、第2側面222の表面に沿って吹出口90の方へ吸い込まれる。第2側面222と内面223とのなす角度β、すなわち、羽根33の回転軌道の接線方向と第2側面222とのなす角度が比較的大きい(例えば、80度など)ので、吹出口90の外側周辺からの空気が第2側面222に沿って吹出口90の方向へ吸い込みやすくすることができる。
【0043】
一方、羽根33の回転移動により押し出される空気は、支持部22の第1側面221の表面に沿って吹出口90から導光板70の外縁部73の方向へ吹き出される。第1側面221と内面223とのなす角度α、すなわち、羽根33の回転軌道の接線方向と第1側面221とのなす角度が比較的小さい(例えば、30度など)ので、空気は第1側面221に沿って吹出口90から導光板70の外縁部73の方向へ吹き出される。符号Bは吹出口90付近の空気の流れを模式的に示す。
【0044】
また、下部本体40の開口44よりも大きいセンタカバー10を設けることにより、羽根33の回転移動により押し出される空気が、吹出口90から回転軸51の軸方向(すなわち、縦方向)に流れることを抑制し、気流の方向を導光板70の下側出射面74と略平行(横方向)になるように変更することができる。
【0045】
図7に示すように、支持部22は、符号Bで示すような空気の流路を形成する機能を有するとともに、吹出口90を形成するための部材の一つであるセンタカバー10の位置を決める機能も有する。
【0046】
図8は本実施の形態の照明装置100の要部の内部構造を示す側面図である。
図8においては便宜上、照明装置100の取付状態で照明装置100上側が
図8の下方であり、照明装置100下側が
図8の上方になっている。
図8に示すように、照明装置100は、中央部に収容部としての下部本体40及び上部本体80を配置し、下部本体40及び上部本体80で挟み込むようにして下部本体40及び上部本体80の周囲に導光板70を配置してある。
【0047】
下部本体40及び上部本体80の内側には、中央部にモータ50を配し、モータ50の回転軸51の回転によりファン30の各羽根33が回転軸51の軸回りに回転する。羽根33の下方には、モータ50に隣接して2個のイオン発生ユニット60を配置してある。イオン発生ユニット60の羽根33側の端面には、イオンを発生させるための電極部61を配置してある。
【0048】
電極部61及び羽根33の周辺は、収容空間82となっており、収容空間82は吹出口90を介して外部と連通している。
【0049】
吹出口90は、下部本体40の本体部41と、本体部41から離隔して対設されたセンタカバー10とにより形成してある。すなわち、吹出口90は、本体部41の下方の面である表面から
図8の符号Hで示す寸法だけ垂直下方向に位置するように突設してある。また、導光板70の下側出射面74は、本体部41の表面と略平行であるので、吹出口90は、導光板70の下側出射面74からも垂直下方向に突出している。
【0050】
羽根33が回転することにより、収容区間82内には、符号Cで示す方向に気流が発生し、イオン発生ユニット60で発生したイオンは、気流に沿って収容空間82から吹出口90に向かって流れ、吹出口90から符号Dに示す気流の方向に沿って、本体部41の表面及び導光板70の下側出射面74に沿って導光板70の外縁部73の方へ放出される。これにより、イオン発生ユニット60で発生したイオンを照明装置100の下方だけではなく広範囲に拡散させることができる。特に、ファン30によって吹出口90から吹き出される空気を導光板70の下側出射面74に沿って流すことにより、気流に乗ってイオンが照明装置100の下方ではなく、導光板70の外縁部73まで移動するので、イオンを広範囲に拡散させることができる。
【0051】
また、吹出口90を導光板70の下側出射面74に対して突設してあるので、イオン発生ユニット60で発生したイオンを導光板70の下側出射面74に沿った方向に出射して外縁部73の方へ容易に放出することができる。
【0052】
また、センタカバー10の外径を開口44よりも大きくしてあるので、イオン発生ユニット60で発生したイオンが照明装置100の下方へ流れることを抑制することができる。
【0053】
また、吹出口90には、風向調整板21を配置してある。より具体的には、風向調整板21は、センタカバー10と本体部41の表面との間に位置している。風向調整板21の向きを本体部41の表面及び導光板70の下側出射面74と略平行にしてあるので、吹出口90から放出されるイオン(気流)の向きを導光板70の外縁部73の方向にすることができる。また、風向調整板21は、羽根33の縦方向の中途部に位置している。すなわち、羽根33により押し出される空気を風向調整板21の上下両方の面に沿って流れるようにすることができ、気流の向きを横方向に安定化することができる。なお、
図8の例では、風向調整板21の向きを導光板70の下側出射面74と略平行にしてあるが、例えば、イオンの拡散状態を変更した場合には、風向調整板21の向きを下側出射面74に対して傾斜させることもできる。なお、吹出口90から所要の風量を確保することができる限りにおいて、吹出口90の高さ寸法(符号Hで示す寸法)を小さくして風向調整板21を省略することができる。この場合、センタカバー10の周縁部により風向調整の機能を果たすことができる。
【0054】
上述の実施の形態では、導光板を用いる構成であったが、これに限定されるものではなく、光源の光を出射する出射面は、光を反射させる反射面でもよく、例えば、光源の光を反射する反射板、反射膜を塗布したもの又は反射シートを貼付したものでもよい。また、出射面は、光源の光を透過する透過面でもよく、例えば、透明、半透明あるいは着色した透光カバー又は光拡散材が分散された透光カバーでもよい。また、LEDモジュールの配置は照明装置の中央部に限定されるものではなく、出射面(透過面、反射面、発光面を含む)の近傍に配置する構成であってもよい。