特許第6033102号(P6033102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033102
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】保持用ソケット及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20161121BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20161121BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161121BHJP
【FI】
   F21V19/00 110
   F21S2/00 231
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-10894(P2013-10894)
(22)【出願日】2013年1月24日
(65)【公開番号】特開2014-143081(P2014-143081A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099461
【弁理士】
【氏名又は名称】溝井 章司
(74)【代理人】
【識別番号】100122035
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】大森 章裕
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−190211(JP,A)
【文献】 特開2012−185954(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/002135(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部には給電を受ける給電ピンを有する給電側口金を備え、他方の端部には給電されることなく保持のみに使用される保持ピンを有する保持側口金を備える片口金通電方式の直管ランプの前記保持側口金の前記保持ピンを保持する保持用ソケットにおいて、
取付板のおもて面から裏面へ貫通する取付孔に前記おもて面から挿入されるガイド部と、前記ガイド部の先端に設けられ、前記ガイド部が前記取付孔に挿入されることにより前記取付孔を通り抜け、前記ガイド部の前記裏面から前記おもて面の方向への移動を、前記裏面の前記取付孔の周縁に引っ掛かることで止める爪部とを有するソケット本体と、
前記ソケット本体の内部に配置されて前記保持ピンを保持するピン保持部と、前記ピン保持部と一体に形成される弾性部とを有する一対の保持バネと
を備え、
前記一対の保持バネの各弾性部は、
前記ガイド部が前記取付孔に挿入されると前記取付板の前記おもて面に当接して弾性変形することにより、前記爪部が前記裏面の前記取付孔の周縁に引っ掛かっている状態で前記ガイド部を前記裏面から前記おもて面の方向へ移動させようとする弾性力が付勢されることを特徴とする保持用ソケット。
【請求項2】
前記一対の保持バネの各弾性部は、
前記爪部が前記裏面の前記取付孔の周縁に引っ掛かっている状態において前記ガイド部が前記おもて面から前記裏面の方向に移動させられると、弾性力を増しながら弾性変形することを特徴とする請求項1記載の保持用ソケット。
【請求項3】
前記一対の保持バネは、
単一部品として一体に形成されたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の保持用ソケット。
【請求項4】
前記ソケット本体は、
単一部品として一体に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保持用ソケット。
【請求項5】
一方の端部に給電を受ける給電ピンを有する給電側口金を備え、他方の端部に給電されることなく保持のみに使用される保持ピンを有する保持側口金を備える片口金通電方式の直管ランプが装着される照明器具において、
前記給電側口金の前記給電ピンを装着する第1ソケットと、
前記保持側口金の前記保持ピンを装着する第2ソケットと
を備え、
前記第2ソケットとして、請求項1〜4のいずれかに記載の保持用ソケットを備えたことを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、片口金通電方式の直管ランプの保持側口金の保持ピンを保持する保持用ソケット及び保持用ソケットを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直管蛍光灯ランプを使用する照明器具について、直管蛍光灯ランプのランプ長のバラツキに対応するため、ソケット背面にバネ(特許文献1の取付け板バネ30)を配設し、ランプの全長を吸収できるソケットがある(例えば、特許文献1)。特に、ランプの外郭が樹脂などで構成されたものは熱の影響により膨張したり、収縮したりする。このため、そのランプ長のバラツキを吸収するために、特許文献1のようにソケット背面にバネを配設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−247415号公報(段落[0011]〜[0016])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のランプを支持する側のソケットでは、ランプを保持する保持ピン(ランプピン4)が取り付けられるピン保持部(一対の接触片21)を収納するケース部分や、ピン保持部周りが多くの部品で構成されているため、その分部材コストが高くなるとともに、組立て費用も発生するという課題がある。
【0005】
近年、直管蛍光ランプの代替として省エネなどで有利な直管LEDランプが多く販売されている。直管LEDランプの口金には、JIS C 7709で公知のGX16t−5口金等が使用されている。GX16t−5口金の直管LEDランプは、ランプ片側で通電方式を採用した片口金通電方式の接続方法をとるものである。片口金通電方式の直管LEDランプは、一端側に給電のための給電側口金を備え、他端側にランプを保持する保持側口金を備えている。
【0006】
片口金通電方式の直管LEDランプの保持側口金を装着するソケットは、保持側口金の保持ピンを保持することが要求される。従来の保持用のソケットでは、ランプを保持する保持ピンが取り付けられるピン保持部を収納するケース部分や、ピン保持部周りが多くの部品で構成されているため、その分部材コストが高くなるとともに、組立て費用も発生するという課題がある。
【0007】
本発明に係るソケットは、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ランプを保持する保持側ソケットの構成部品数を減らすことができ、組立工数も削除し、コストダウンを図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の保持用ソケットは、
一方の端部には給電を受ける給電ピンを有する給電側口金を備え、他方の端部には給電されることなく保持のみに使用される保持ピンを有する保持側口金を備える片口金通電方式の直管ランプの前記保持側口金の前記保持ピンを保持する保持用ソケットにおいて、
取付板のおもて面から裏面へ貫通する取付孔に前記おもて面から挿入されるガイド部と、前記ガイド部の先端に設けられ、前記ガイド部が前記取付孔に挿入されることにより前記取付孔を通り抜け、前記ガイド部の前記裏面から前記おもて面の方向への移動を、前記裏面の前記取付孔の周縁に引っ掛かることで止める爪部とを有するソケット本体と、
前記ソケット本体の内部に配置されて前記保持ピンを保持するピン保持部と、前記ピン保持部と一体に形成される弾性部とを有する一対の保持バネと
を備え、
前記一対の保持バネの各弾性部は、
前記ガイド部が前記取付孔に挿入されると前記取付板の前記おもて面に当接して弾性変形することにより、前記爪部が前記取付孔の前記裏面の周縁に引っ掛かっている状態で前記ガイド部を前記裏面から前記おもて面の方向へ移動させようとする弾性力が付勢されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、保持用ソケットの構成部品数を減らすことができ、また構成部品数の削減によって保持用ソケットの組立工数を削減ができる。よって、構成部品数及び組立工数の削減によりコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る照明器具1000の斜視図。
図2図1のX方向矢視。
図3】実施の形態1の直管LEDランプ600の内部回路を含んだ構成図。
図4】実施の形態1の第1ソケット300の正面斜視図。
図5】実施の形態1の第1ソケット300の背面斜視図。
図6】実施の形態1の第2ソケット400の正面斜視図。
図7】実施の形態1の第2ソケット400の背面斜視図。
図8】実施の形態1の第2ソケット400の分解斜視図。
図9図8の保持バネ540のY方向矢視。
図10】実施の形態1に係る保持バネ540を一体成形により単一部品で構成した状態を示す図。
図11】実施の形態1の第2ソケット400を器具本体100の取付面114aに取り付ける取り付け方法を示す図((a)は第2ソケット400の取付面114aへの取付前の状態であり、(b)は取付後の状態)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る照明器具1000の斜視図である。図2は、照明器具1000の図1におけるX方向矢視である。なお、後述する図4図9にはX方向を記載しているが、これは、図1のX方向を意味している。図3は、直管LEDランプ600の一例を示す図である。図1図3を用いて、本実施の形態1に係る照明器具1000及び直管LEDランプ600の全体構成について説明する。
【0012】
(照明器具1000の構成)
図1図2に示すように、照明器具1000は、器具本体100と、反射板200とを備える。照明器具1000は、直管LEDランプ600が取り付けられる。照明器具1000は、器具本体100の長手方向の一端側に給電側の第1ソケット300を備え、他端側に給電せずに直管LEDランプ600の端部の保持のみの機能を有する第2ソケット400を備え、直管LEDランプ600を装着することができる。第1ソケット300,第2ソケット400は図1図2に示すように、器具本体100の取付板114の取付面114a(おもて面)に取り付けられる。照明器具1000は、器具本体100に取り付けられる点灯装置(図示せず)を備える。この点灯装置は、第1ソケット300及び第2ソケット400に装着された直管LEDランプ600を点灯させる。反射板200は、直管LEDランプ600から発せられる光を配光する機能を有する。
【0013】
(直管LEDランプ600の構成)
図3を用いて直管LEDランプ600の構成を説明する。図3に示す直管LEDランプ600は、片口金通電方式の直管ランプである。給電側である第1口金621(給電側口金)は、一対のL字型形状の給電ピン622を備える。給電ピン622は、図3に示すように、外郭627の内部にあるLED素子625と電線626で接続されている。ここでのLED素子625は、直列に接続されている場合を示しているが、並列などに接続されていてもよい。通常は直列、並列を組み合わせたいわゆる直並列で接続して構成している。また、図示しないダイオードブリッジを給電ピン622とLED素子625間に配設することで、給電ピン622を無極性に構成してもよい。第1口金621は、給電側である第1ソケット300に取り付けられる。
【0014】
図3に示すように、直管LEDランプ600を保持する側の第2口金623(保持側口金)は、T字型形状の保持ピン624を備える。保持ピン624は給電されることなく保持のみに使用される。保持ピン624の先端部は、楕円形状(長径B2,短径B1)の平板状の突出部624aが設けられている。保持ピン624は保持側である第2ソケット400に取り付けられ、直管LEDランプ600を保持する。
【0015】
(第1ソケット300の構成)
図4は、直管LEDランプ600を装着する第1ソケット300の正面斜視図であり、図5は第1ソケット300の背面斜視図である。第1ソケット300は、直管LEDランプ600の第1口金621を装着できるソケットである。第1ソケット300は、本体331とカバー332で形成された略箱体をなす。この略箱体の内部に、第1ソケット300は、図示しない「一対の導電金具」を備える。この一対の導電金具を介して直管LEDランプ600は、点灯装置と接続されている。図4において、第1口金621の一対の給電ピン622は、X方向に上下した状態で、第1ソケット300の本体331の外周の一部に設けられた挿入孔333に矢印335の方向から挿入して、図4のA方向あるいはB方向に略90°回転することで、本体331内部の面側に設けられた図示しない「一対の導電金具」と電気的に接続し、且つ、第1ソケット300に保持される。
【0016】
(第2ソケット400の構成)
図6図7は、直管LEDランプ600を装着する第2ソケット400の斜視図である。図6は第2ソケット400の正面斜視図であり、図7は第2ソケット400の背面斜視図である。図8は、第2ソケット400の分解斜視図である。また図9図8の保持バネ540のY方向矢視である。
【0017】
図6図9を用いて、本実施の形態1に係る第2ソケット400の全体構成について説明する。
【0018】
第2ソケット400は、図3の直管LEDランプ600を装着するソケットであり、直管LEDランプ600を保持するための保持ピン624を保持する機能を有する。図8に示すように、第2ソケット400は、本体440(ソケット本体)と、保持バネ540とを備える。保持バネ540は、保持バネ540−1と保持バネ540−2との一対で構成される。また保持バネ540−1は、ピン保持部541と弾性部542とを備え、ピン保持部541と弾性部542とは一体に形成されている。保持バネ540−2も同様である。
【0019】
以下、説明を簡略するために、直管LEDランプ600の第2口金623と接する側を正面、反対側を背面、本体440の正面から背面側へ立設する面を側面と定義する。
【0020】
(本体400)
第2ソケット400の本体440は、熱可塑性樹脂の絶縁材、例えば、ポリカーボネイドやポリブチレンテレフタレートなどで一体に形成される。本体440は、図6に示すように、本体440は、正面をなす正面部451と、正面部451の周囲の側面をなす側面部452とを備えており、正面部451から反X方向(図6)の側面部452にかけて略L字状に切り欠かれた挿入孔442が形成されている。挿入孔442には直管LEDランプ20の保持ピン624が挿入される。また、図7に示すように、本体440背面には、器具本体100の取付板114の取付面114a(図1図2)の方向に開口した開口部443を備える。図8に示すように、本体440の内部には、正面部451の開口部443側の面から開口部443に向かって立設する一対の柱状突起部461(図8)が形成されている。また、一対の柱状突起部461のX方向には、一対の壁状突起部462が形成されている。一対の壁状突起部462には保持バネ540のピン保持部541が収納される凹形状部462aが形成されている。また、一対の壁状突起部462のX方向には、保持バネ540の第1取付片543(後述する)を収納する第1取付片収納部463が形成されている。第1取付片収納部463には一対の保持バネ540のそれぞれの第1取付片543を収納する一対のスリット463aが形成されている。
【0021】
(保持バネ540)
本体440の開口部443の内部には、一対の保持バネ540を備えるが、図8図9等を参照して保持バネ540の構成を説明する。保持バネ540はバネ性(弾力性)が有り、錆難い金属、例えば、ステンレスなどで成形される板バネで構成される。保持バネ540は、保持ピン624を保持するピン保持部541と、ピン保持部541の端部から、取付面114aに向かって広がるように形成される板バネの付勢部を有した弾性部542を備える。図9に示すようにピン保持部541のX方向の端には第1取付片543が形成されている。またピン保持部541の反X方向の端には第2取付片544が形成されている。
【0022】
(第2ソケット400への保持バネ540の取付方法)
図7図9を参照して、第2ソケット400への保持バネ540の取り付け方法を説明する。図8において、一対の保持バネ540−1、540−2のピン保持部541を本体440の内部(反Y方向)へ収納する。このとき、図7に示すように保持バネ540−1の第2取付片544は左側の一方の柱状突起部461と、左側の壁状突起部462との間に挟まれ、第1取付片543は第1取付片収納部463の左側のスリット463aに収納される。なおスリット463aのX方向の端部は底部463b(図8)が形成されており、この底部463bが第1取付片543の第1取付片端面543a(図9)を受ける構成である。また弾性部542の先端には貫通した孔の足貫通孔542aを備えるが、ピン保持部541が本体440の内部に収納された状態において、本体440のガイド部445の先端に形成された爪部44が保持バネ540の足貫通孔542aを通過して足貫通孔542aの周縁と嵌合する(図7)。
【0023】
なお本実施の形態1ではピン保持部541と弾性部542とが一体に形成された一対の保持バネ540を例示したが、図10に示すように、保持バネ540を一体成形により一つの部品になるように構成してもよい。図10は保持バネ540−1と保持バネ540−2とが一体に単一部品として形成された保持バネ540を示す。(a)は保持バネ540の斜視図であり、(b)は(a)の反Z方向矢視であり、(c)は(a)のY方向矢視であり、(d)は(a)のZ方向矢視であり、(e)は(a)の反X方向矢視であり、(f)は(a)の反Y方向矢視である。図10(a)は、図9に対応する斜視図であり、図9の保持バネ540−1,540−2を連結部によって連結して、保持バネ540−1と保持バネ540−2とを一体にして単一部品とした構成である。図10の保持バネ540によれば、一対の場合よりも部品数をさらに減らすことができるとともに、組み立て工数をさらに減らすことができる。
【0024】
(保持ピン624の第2ソケット400への取付方法)
次に保持ピン624の第2ソケット400への取付方法を説明する。図6の挿入孔42は保持ピン624の先端面の楕円形状と略同一である。具体的には図6に示す挿入孔442の幅B3は、図3に示す突出部624aの楕円形状の短径B1よりもやや大きく、長径B2よりも狭い。つまり保持ピン624は挿入孔442への挿入時に、突出部624aの先端面の楕円形状(図3)を挿入孔442の楕円形状に合わせて挿入しなければ挿入できないように形成される。保持ピン624の第2ソケット400へ取付は、図6において、突出部624aの楕円形状の長径B2方向が略X方向となるように挿入孔442から矢印444の方向へ挿入して、給電ピン622の取り付けにおける90度回転により、図6のA方向あるいはB方向(図04のA,B方向に対応)に回転することで、突出部624aの楕円形状が回転して楕円形状の長径B2の方向がX方向と略直交するようになる。このとき、図9に示すピン保持部541間の取付幅B4の寸法(保持バネ540の本体440への組付後)は長径B2の寸法よりも若干狭く形成されているので、一対の保持バネ540−1,540−2のピン保持部541間で保持ピン624の突出部624aを保持することができる。また、挿入孔442は、一対の給電ピン622を挿入できない大きさに形成される。これにより、第2ソケット400の挿入孔42に一対の給電ピン622を誤挿入することができなくなり、安全性が向上する。一方、第1ソケット300の挿入孔にも保持ピン624を誤挿入することができなくなり、安全性が向上する。
【0025】
図6図8に示すように、本体440の側面には第2ソケット400を器具本体100の取付面114aに取り付けるため、側面から背面側に突出した一対のガイド部445を備える。ガイド部445は、側面から背面側に突き出した棒状のガイド部であって、取付面114aに形成される取付孔115(図10参照)に挿入され、第2ソケット400(本体440)を前後方向にガイドする。ガイド部445の先端には、ガイド部445が取付孔115から抜けないように、取付板114の裏面114b側(図10)の取付孔115の周縁に引っ掛けられる爪部446を備える。
【0026】
図11は、実施の形態1に係る第2ソケット400を器具本体100の取付板114の取付面114aに取り付ける取り付け方法について示す図であり、(a)は第2ソケット400を取付面114aに取り付ける前の状態を示す図であり、(b)は第2ソケット400を取付面114aに取り付けた状態を示す図である。
【0027】
図11(a)に示すように、器具本体100の取付板114には、一対のガイド部445のそれぞれに対応する位置に、取付板114の取付面114aから裏面114bへ貫通する取付孔115が形成される。第2ソケット400を取り付ける作業者は、ガイド部445を指等でつまんで、ガイド部445に対して内側に力を加えながら、ガイド部445を取付孔115に挿入する。
【0028】
図11(b)に示すように、作業者が、ガイド部445の先端部にある爪部446を器具本体100の取付孔115に貫通させて指を離すと、ガイド部445は外側に広がりもとの位置(形状)に戻ろうとした力がかかった状態で固定される。これにより、取付孔115の裏面114b側の周縁に爪部446がしっかりと引掛かかり、ガイド部445が取付孔115から抜けないようになる。
【0029】
また、図11(b)に示すように、第2ソケット400の本体440には、保持バネ540により本体440を取付面114aから離そうとする力が与えられるとともに、爪部446が取付孔115の周縁に引っ掛けられることにより所定の位置(図11(b)に示す位置)に位置決めされる。つまり爪部446は、ガイド部445が取付孔115に挿入されることにより取付孔115を通り抜け、ガイド部445の裏面114bから取付面114aの方向への移動を、裏面114b側の取付孔115の周縁に引っ掛かることで止める機能を有する。この場合、一対の保持バネ540の各弾性部542は、ガイド部545が取付孔115に挿入されると取付板114の取付面114aに当接して弾性変形することにより、爪部446が裏面114bの取付孔115の周縁に引っ掛かっている状態でガイド部445を裏面114bから取付面114aの方向へ移動させようとする弾性力が付勢される。これによって第2ソケット400(本体440)は前記所定の位置に位置決めされる。
【0030】
図11(b)に示すように、第2ソケット400(本体440)が前記所定の位置に位置決めされた状態で、弾性部542は取付面114aとの間でΔB程度のさらに弾性変形の余地がある。つまり弾性部542は、爪部446が裏面114bの取付孔115の周縁に引っ掛かっている状態においてガイド部445が取付面114aから裏面114bの方向に移動させられると、弾性力を増しながら弾性変形して、ガイド部445の移動をΔB程度まで吸収することができる。このΔBまでの量は、直管LEDランプ600のランプ長のバラツキの吸収量に相当する。
【0031】
この実施の形態1によれば、第2ソケット400の本体440背面側に従来のようなカバーを設けないで構成することができるので、従来のカバーを設けている場合よりも、その分の部品数、工程数を減らして、低コスト化を実現することができる。
また、従来は保持ピンを保持するピン保持部と、このピン保持部を収納したソケットを器具本体に取り付けるための保持バネとを別々に構成していたが、この実施の形態1によれば、保持ピン624を保持するピン保持部541と、このピン保持部541を収納する第2ソケット400を器具本体100に取り付けるための弾性部542とを一体に成形し形成した保持バネ540により構成したので、従来の別々に構成する場合よりも、その分の部品数、工程数を減らして、低コスト化なソケットを提供することができる。
また、本実施の形態の第2ソケット400を照明器具に使用することで、低コスト化な照明器具を提供できる。
【符号の説明】
【0032】
1000 照明器具、100 器具本体、114a 取付面、114b 裏面、114 取付板、114a 取付面、114b 裏面、115 取付孔、200 反射板、300 第1ソケット、331 本体、332 カバー、333 挿入孔、400 第2ソケット、440 本体、442 挿入孔、443 開口部、445 ガイド部、446 爪部、451 正面部、452 側面部、461 柱状突起部、462 壁状突起部、463 第1取付片収納部、463a スリット、463b 底部、540−1,540−2 保持バネ、541 ピン保持部、542 弾性部、542a 足貫通孔、543 第1取付片、543a 第1取付片端面、544 第2取付片、600 直管LEDランプ、621 第1口金、622 給電ピン、623 第2口金、624 保持ピン、625 LED素子、626 電線、627 外郭。
図1
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図11