特許第6033112号(P6033112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033112
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】排気ダクト及びタービン
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/30 20060101AFI20161121BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20161121BHJP
   F02C 7/24 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   F01D25/30 B
   F02C7/00 B
   F02C7/24 A
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-27891(P2013-27891)
(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公開番号】特開2014-156813(P2014-156813A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 光
(72)【発明者】
【氏名】加藤 永護
(72)【発明者】
【氏名】青田 豊誠
(72)【発明者】
【氏名】門脇 智彦
(72)【発明者】
【氏名】片山 博幸
(72)【発明者】
【氏名】竹下 直也
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−307733(JP,A)
【文献】 特開2012−107717(JP,A)
【文献】 特開2009−243308(JP,A)
【文献】 特開2000−120980(JP,A)
【文献】 米国特許第06062814(US,A)
【文献】 特開2002−235883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/24,25/28,25/30
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形状をなすダクトプレートと、
前記ダクトプレートの外周部から径方向の外方に突出すると共に周方向に沿って設けられる外周部材と、
前記外周部材に対応する前記ダクトプレートの内周部側に断熱層を形成するように配置されると共に排ガスの流れ方向の上流側に向けて前記断熱層の厚さが薄くなるような第1傾斜面を有する遮熱板と、
を有し、
前記ダクトプレートに対して前記遮熱板を排ガスの流れ方向に沿って相対移動自在に支持する第1支持機構が設けられる、
ことを特徴とする排気ダクト。
【請求項2】
前記第1支持機構は、前記遮熱板における排ガスの流れ方向の端部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の排気ダクト。
【請求項3】
前記遮熱板は、排ガスの流れ方向に分割される複数の分割遮熱板を有し、前記第1支持機構は、前記複数の分割遮熱板を所定長さだけ重ねて支持することを特徴とする請求項1に記載の排気ダクト。
【請求項4】
筒形状をなすダクトプレートと、
前記ダクトプレートの外周部から径方向の外方に突出すると共に周方向に沿って設けられる外周部材と、
前記外周部材に対応する前記ダクトプレートの内周部側に断熱層を形成するように配置されると共に排ガスの流れ方向の上流側に向けて前記断熱層の厚さが薄くなるような第1傾斜面を有する遮熱板と、
を有し、
前記ダクトプレートに対して前記遮熱板を前記ダクトプレートの周方向に沿って相対移動自在に支持する第2支持機構が設けられる、
ことを特徴とする排気ダクト。
【請求項5】
前記第2支持機構は、排ガスの流れ方向に沿うと共に前記ダクトプレートの周方向に所定間隔で形成される複数のスリットを有することを特徴とする請求項4に記載の排気ダクト。
【請求項6】
筒形状をなすダクトプレートと、
前記ダクトプレートの外周部から径方向の外方に突出すると共に周方向に沿って設けられる外周部材と、
前記外周部材に対応する前記ダクトプレートの内周部側に断熱層を形成するように配置されると共に排ガスの流れ方向の上流側に向けて前記断熱層の厚さが薄くなるような第1傾斜面を有する遮熱板と、
を有し、
前記遮熱板は、筒形状をなし、前記断熱層は、リング形状をなして断熱材が充填される、
ことを特徴とする排気ダクト。
【請求項7】
前記遮熱板は、排ガスの流れ方向の下流側に向けて前記断熱層の厚さが薄くなるような第2傾斜面を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の排気ダクト。
【請求項8】
前記ダクトプレートは、径方向における両側部に支持部がそれぞれ設けられ、上部及び下部に前記外周部材が前記支持部に連結して設けられ、前記支持部に脚部が連結されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の排気ダクト。
【請求項9】
前記ダクトプレートにおける排ガスの流れ方向の下流側の端部にフローガイドが連結され、前記遮熱板は、排ガスの流れ方向の上流側の端部が前記ダクトプレートに支持され、排ガスの流れ方向の下流側の端部が前記フローガイドに支持されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の排気ダクト。
【請求項10】
前記請求項1から9の排気ダクトを有することを特徴とするタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、圧縮した高温・高圧の空気に対して燃料を供給して燃焼し、発生した燃焼ガスをタービンに供給して回転動力を得るガスタービンにおいて、このガスタービンで燃焼した排ガスを排出するための排気ダクト、並びに、この排気ダクトを有するタービンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、圧縮機と燃焼器とタービンにより構成されており、空気取入口から取り込まれた空気が圧縮機によって圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気となり、燃焼器にて、この圧縮空気に対して燃料を供給して燃焼させ、高温・高圧の燃焼ガスがタービンを駆動し、このタービンに連結された発電機を駆動する。この場合、タービンは、車室内に複数の静翼及び動翼が交互に配設されて構成されており、燃焼ガスにより動翼を駆動することで発電機が連結される出力軸を回転駆動している。そして、タービンを駆動した燃焼ガスは、排気車室のディフューザにより静圧に変換されてから大気に放出される。
【0003】
近年、ガスタービンは、高効率化を図るために燃焼温度を高温化させる傾向にあり、これに伴って排ガスの高温化が進んでいる。上述した排気ダクトは、排ガスの高温化に対応するため、耐高温性に優れる材料が使用される一方、構造面においても熱応力を考慮した構造が必要とされている。
【0004】
従来の排気ダクトは、円筒形状をなすダクトプレートの外周部に径方向の外方に突出する環状の補強リブが設けられることで、ダクトプレートの自重による曲げ応力を緩和する構成となっている。しかし、ガスタービンの起動時や停止時にて、ダクトプレートは、高温の排ガスに直接接触することで熱伝達が早いが、補強リブは、ダクトプレートの外側に位置することから熱伝達が遅く、両者の間に温度差が生じる。そのため、ダクトプレートと補強リブとの間(例えば、溶接部)に大きな応力が作用し、この応力が繰り返し作用することで、排気ダクトの寿命が短くなってしまうという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するものとして、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された排気ダクトは、補強リブをダクトプレートの外周部から径方向外方に突出すると共に周方向に環状に設けると共に、ダクトプレートの内周部における補強リブと重なる部分に断熱層を形成する遮熱板を設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−127246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の排気ダクトは、ダクトプレートの外周部に補強リブを設ける一方、内周部に補強リブに対応して断熱層を形成する遮熱板を設けており、ダクトプレートと補強リブに発生する応力を抑制することができる。ところが、この排気ダクトは、ダクトプレートの内周部に断熱層を形成する遮熱板を設けることで、排気ダクトの内面に段差が形成されてしまう。すると、排気ダクトの内面に沿って流れる排ガスは、遮熱板の段差に衝突することで、ここに渦が形成されてしまい、排ガスの流れを阻害してしまう。
【0008】
本発明は上述した課題を解決するものであり、ダクトプレートと外周部材との連結部に作用する応力を抑制すると共に内部を流動する排ガスの流れを良好に維持する排気ダクト及びタービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の排気ダクトは、筒形状をなすダクトプレートと、前記ダクトプレートの外周部から径方向の外方に突出すると共に周方向に沿って設けられる外周部材と、前記外周部材に対応する前記ダクトプレートの内周部側に断熱層を形成するように配置されると共に排ガスの流れ方向の上流側に向けて前記断熱層の厚さが薄くなるような第1傾斜面を有する遮熱板と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
従って、外周部材に対応するダクトプレートの内周部側に断熱層を形成するように遮熱板が配置されることで、ダクトプレートに排ガスが直接接触せず、断熱層を介して排ガスの熱が授受されることとなり、外周部材に対応したダクトプレートの部分における急激な温度変化が生じることはなく、ダクトプレートと外周部材との連結部に作用する応力を抑制することができる。また、遮熱板は、排ガスの流れ方向の上流側に向けて断熱層の厚さが薄く第1傾斜面を有することから、ダクトプレートの内周部に沿って流れる排ガスの流れが遮熱板により乱されることがなく、良好な排ガスの流れを維持することができる。
【0011】
本発明の排気ダクトでは、前記遮熱板は、排ガスの流れ方向の下流側に向けて前記断熱層の厚さが薄くなるような第2傾斜面を有するとしている。
【0012】
従って、ダクトプレートの内周部に沿って流れる排ガスは、ダクトプレートから遮熱板の第1傾斜面及び第2傾斜面に沿って流れることとなり、排ガスの流れが乱されることがなく、良好に流通することができる。
【0013】
本発明の排気ダクトでは、前記ダクトプレートに対して前記遮熱板を排ガスの流れ方向に沿って相対移動自在に支持する第1支持機構が設けられることを特徴としている。
【0014】
従って、遮熱板は、温度上昇時及び温度下降時に熱膨張及び熱収縮するが、第1支持機構によりダクトプレートに対して相対移動自在であることから、ダクトプレートに曲げ応力などが作用することがない。
【0015】
本発明の排気ダクトでは、前記第1支持機構は、前記遮熱板における排ガスの流れ方向の端部に設けられることを特徴としている。
【0016】
従って、遮熱板は、端部が第1支持機構によりダクトプレートと相対移動自在に支持されることから、外周部材に対応するダクトプレートに対して排ガスの熱が伝達しにくくなり、ダクトプレートと外周部材との連結部に作用する応力を抑制することができる。
【0017】
本発明の排気ダクトでは、前記遮熱板は、排ガスの流れ方向に分割される複数の分割遮熱板を有し、前記第1支持機構は、前記複数の分割遮熱板を所定長さだけ重ねて支持することを特徴としている。
【0018】
従って、複数の分割遮熱板が所定長さだけ重ねて支持されることで、遮熱板を複雑な装置により支持する必要がなくなり、構造の簡素化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
【0019】
本発明の排気ダクトでは、前記ダクトプレートに対して前記遮熱板を前記ダクトプレートの周方向に沿って相対移動自在に支持する第2支持機構が設けられることを特徴としている。
【0020】
従って、遮熱板は、温度上昇時及び温度下降時に熱収縮するが、第2支持機構によりダクトプレートに対して相対移動自在であることから、ダクトプレートに曲げ応力などが作用することがない。
【0021】
本発明の排気ダクトでは、前記第2支持機構は、排ガスの流れ方向に沿うと共に前記ダクトプレートの周方向に所定間隔で形成される複数のスリットを有することを特徴としている。
【0022】
従って、遮熱板の温度上昇時及び温度下降時に熱収縮すると、複数のスリットの幅が変化してダクトプレートの周長に適応することとなり、構造の簡素化により軽量化、低コスト化を図ることができる。
【0023】
本発明の排気ダクトでは、前記遮熱板は、筒形状をなし、前記断熱層は、リング形状をなして断熱材が充填されることを特徴としている。
【0024】
従って、断熱層をリング形状として断熱材を充填することで、遮熱板からダクトプレートへの熱の伝達を効果的に抑制することができる。
【0025】
本発明の排気ダクトでは、前記ダクトプレートは、径方向における両側部に支持部がそれぞれ設けられ、上部及び下部に前記外周部材が前記支持部に連結して設けられ、前記支持部に脚部が連結されることを特徴としている。
【0026】
従って、脚部により支持するダクトプレートの支持部にて、外周部材に対応したダクトプレートの部分における急激な温度変化を抑制し、ダクトプレートと外周部材との連結部に作用する応力を抑制することができ、排気ダクトの支持剛性を高めることができる。
【0027】
本発明の排気ダクトでは、前記ダクトプレートにおける排ガスの流れ方向の下流側の端部にフローガイドが連結され、前記遮熱板は、排ガスの流れ方向の上流側の端部が前記ダクトプレートに支持され、排ガスの流れ方向の下流側の端部が前記フローガイドに支持されることを特徴としている。
【0028】
従って、遮熱板の端部をフローガイドに支持することで、遮熱板の構造を簡素化することができると共に、ダクトプレートの内周部に沿って流れる排ガスの良好な流れを維持することができる。
【0029】
また、本発明のタービンは、前記排気ダクトを有することを特徴とするものである。
【0030】
従って、排気系に上述した排気ダクトを採用することで、ダクトプレートと外周部材との連結部に作用する応力を抑制することができる共に、内部を流動する排ガスの流れを良好に維持することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の排気ダクト及びタービンによれば、外周部材に対応するダクトプレートの内周部側に断熱層を形成するように遮熱板を配置すると共に、排ガスの流れ方向の上流側に向けて断熱層の厚さが薄くなるような第1傾斜面を形成するので、ダクトプレートと外周部材との連結部に作用する応力を抑制することができると共に、良好な排ガスの流れを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の実施例1に係る排気ダクトの要部断面図である。
図2図2は、ダクトプレートに対する遮熱プレートの取付部を表す断面図である。
図3図3は、ダクトプレートに対する遮熱プレートの取付部を表す図2のIII−III断面図である。
図4図4は、遮熱プレートの作動を表す断面図である。
図5図5は、遮熱プレートの作動を表す断面図である。
図6図6は、排気ダクトに作用する過渡時の温度と応力を表すグラフである。
図7図7は、ガスタービンを表す概略図である。
図8図8は、排気ダクトを表す概略図である。
図9図9は、排気ダクトを表す断面図である。
図10図10は、排気ダクトの支持部を表す正面図である。
図11図11は、排気ダクトの支持部を表す側面図である。
図12図12は、本発明の実施例2に係る排気ダクトの要部断面図である。
図13図13は、本発明の実施例3に係る排気ダクトの要部断面図である。
図14図14は、本発明の実施例4に係る排気ダクトの要部断面図である。
図15図15は、遮熱プレートの内面図である。
図16図16は、本発明の実施例5に係る排気ダクトの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る排気ダクト及びタービンの好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例1】
【0034】
図7は、ガスタービンを表す概略図、図8は、排気ダクトを表す概略図、図9は、排気ダクトを表す断面図、図10は、排気ダクトの支持部を表す正面図、図11は、排気ダクトの支持部を表す側面図である。
【0035】
実施例1のガスタービンは、図7に示すように、圧縮機101と複数の燃焼器102とタービン103と排気ダクト104により構成される。このガスタービンは、図示しない発電機が連結されており、発電可能となっている。圧縮機101は、空気を取り込む空気取入口を有し、圧縮機車室内に複数の静翼と動翼が交互に配設されて構成されている。燃焼器102は、圧縮機101の後部に周方向に沿って複数設けられている。この各燃焼器102は、圧縮機101で圧縮された圧縮空気に対して燃料を供給し、バーナで点火することで燃焼可能となっている。タービン103は、タービン車室内に複数の静翼と動翼が交互に配設されて構成されている。このタービン103の後部に排気室105を介して排気ダクト104が配設されている。
【0036】
また、圧縮機101、燃焼器102、タービン103、排気ダクト104の中心部を貫通するようにロータ(タービン軸)が配置されている。ロータは、圧縮機101側の端部が軸受部により回転自在に支持されると共に、排気ダクト104側の端部が軸受部により回転自在に支持されている。そして、このロータは、圧縮機101及びタービン103の各動翼が固定されてなり、排気ダクト104側の端部に発電機の駆動軸が連結されている。そして、タービン103と排気室105とが第1エキスパンション106を介して連結され、排気室105と排気ダクト104とがフランジ締結され、排気ダクト104とスクウェアダクト107とが第2エキスパンション108を介して連結されている。
【0037】
そして、ガスタービンは、圧縮機101が設置床111の支持台112に脚部113を介して支持され、タービン103が設置床111の支持台114に脚部115を介して支持されている。また、ガスタービンは、排気室105が設置床111に脚部116,117を介して支持され、排気ダクト104が設置床111に脚部118を介して支持されている。
【0038】
従って、圧縮機101は、空気取入口から取り込まれた空気が複数の静翼と動翼を通過して圧縮されることで、高温・高圧の圧縮空気を生成する。燃焼器102は、この圧縮空気に対して所定の燃料を供給して燃焼することで、燃焼ガスを生成する。タービン103は、この燃焼器102で生成された作動流体である高温・高圧の燃焼ガスが複数の静翼と動翼を通過することで、ロータを駆動回転して発電機を駆動する。そして、排ガスは排気ダクト104を通って大気に放出される。
【0039】
ここで、排気ダクト104の構成について詳細に説明する。排気ダクト104において、図8から図11に示すように、ダクトプレート11は、円筒形状をなすものの、タービン103(図7参照)から離間する方向に向かってその径が漸次大径となる円錐台をなすように形成されている。このダクトプレート11は、径方向における両側部に支持部12が形成されている。この支持部12は、ダクトプレート11の外周面に固定される箱形部12aと、この箱形部12aの外側に水平に固定される上下の支持板12b,12cと、この上下の支持板12b,12cを連結する連結板12dとから構成されている。
【0040】
また、ダクトプレート11は、左右の支持部12の上部及び下部に位置して箱形形状をなす補強部13,14が設けられている。この各補強部13,14は、ダクトプレート11の周方向に沿って外周面に固定されると共に、左右の支持部12に連結されている。そして、ダクトプレート11は、上部及び下部に補強リブ(外周部材)15,16が固定されている。この補強リブ15は、弧状をなし、ダクトプレート11における上部の外周部から径方向の外方に突出するように周方向に沿って配置され、下部がダクトプレート11の外周面に固定され、各端部が補強部13に連結されている。また、補強リブ16は、弧状をなし、ダクトプレート11における下部の外周部から径方向の外方に突出するように周方向に沿って配置され、上部がダクトプレート11の外周面に固定され、各端部が補強部14に連結されている。
【0041】
各補強リブ15,16は、ダクトプレート11の外周部から径方向の外方に突出しており、ダクトプレート11の軸心方向(排ガスの流動方向)に所定間隔をあけて複数(本実施例では、3個)設けられている。
【0042】
ダクトプレート11は、外周部に支持部12、補強部13,14、補強リブ15,16が周方向に連続して設けられることで、所定の強度が確保されている。そして、ダクトプレート11は、左右の支持部12にサポート部材17とサポート台18からなる脚部118が連結されている。
【0043】
図1は、本発明の実施例1に係る排気ダクトの要部断面図、図2は、ダクトプレートに対する遮熱プレートの取付部を表す断面図、図3は、ダクトプレートに対する遮熱プレートの取付部を表す図2のIII−III断面図、図4は、遮熱プレートの作動を表す断面図、図5は、遮熱プレートの作動を表す断面図、図6は、排気ダクトに作用する過渡時の温度と応力を表すグラフである。なお、図6に表すグラフは、起動時の一例である。
【0044】
排気ダクト104において、図1に示すように、ダクトプレート11は、外周部に補強リブ15(16)が固定されている。このダクトプレート11は、各補強リブ15(16)に対応する内周部側に断熱層21を形成するように遮熱板22が配置されている。即ち、この遮熱板22は、円筒形状をなし、ダクトプレート11の外周部側に位置する各補強リブ15(16)の反対側に対向して、ダクトプレート11の内周部側に位置している。この場合、遮熱板22は、各補強リブ15(16)に対応した位置だけでなく、ダクトプレート11の長手方向の前後に所定長さだけ延長することが望ましい。そして、遮熱板22は、外周面がダクトプレート11の内周面と所定隙間をあけて配置することで、遮熱板22とダクトプレート11との間に断熱層(空間部)21が形成されている。
【0045】
また、遮熱板22は、排ガスの流れ方向の上流側(図1にて左側)に向けて断熱層21の厚さが薄くなるような第1傾斜部(第1傾斜面)23が形成されると共に、排ガスの流れ方向の下流側(図1にて右側)に向けて断熱層21の厚さが薄くなるような第2傾斜部(第2傾斜面)24が形成されている。即ち、遮熱板22は、本体部25がダクトプレート11との間に断熱層21が形成されるように離間している。そして、遮熱板22は、排ガスの流れ方向の上流側に本体部25に連続する第1傾斜部23が形成されており、端部が徐々にダクトプレート11に接近することで断熱層21の厚さが薄くなっている。また、遮熱板22は、排ガスの流れ方向の下流側に本体部25に連続する第2傾斜部24が形成されており、端部が徐々にダクトプレート11に接近することで断熱層21の厚さが薄くなっている。この場合、各補強リブ15(16)に対応するダクトプレート11の内周部側に本体部25を配置し、その前後の各傾斜部23,24を配置することが好ましい。
【0046】
なお、第1傾斜部23と本体部25と第2傾斜部24とは、連続したものとなっており、内周面に沿って排ガスが乱れを起こすことなく良好に流れるような湾曲形状をなすことが好ましい。但し、必要に応じて、第1傾斜部23と本体部25と第2傾斜部24とをそれぞれ直線状に形成しなくてもよく、本体部25をダクトプレート11と平行に配置してもよい。また、第1傾斜部23と本体部25と第2傾斜部24とが連続するように一体に構成したが、それぞれ別々に形成して連結してもよい。
【0047】
ダクトプレート11に対して遮熱板22を排ガスの流れ方向に沿って相対移動自在に支持する第1支持機構26が設けられており、この第1支持機構26は、周方向に所定間隔で複数設けられている。この第1支持機構26は、遮熱板22における排ガスの流れ方向の各端部に設けられている。即ち、図2及び図3に示すように、遮熱板22は、排ガスの流れ方向の端部に排ガスの流れ方向に沿った長孔31が形成されており、ダクトプレート11は、この長孔31に対応して貫通孔32が形成されている。そして、連結ボルト33は、ねじ部33aが遮熱板22の内側から長孔31及び貫通孔32を貫通し、固定ナット34及びロックナット35に螺合している。
【0048】
この場合、長孔31における遮熱板22の周方向の幅Wに対して、連結ボルト33におけるねじ部33aの外径(貫通孔32の内径)Rが小さく設定されており、両者の間に所定隙間S(S/2+S/2)が確保されている。また、連結ボルト33は、ブッシュ33bの外径が長孔31の幅Wより大きくなっている。そして、遮熱板22とダクトプレート11が相対移動できるように、固定ナット34が連結ボルト33における所定の螺合位置でロックナット35に固定されている。
【0049】
そのため、排ガスにより遮熱板22が加熱されて熱膨張すると、図3及び図4に示すように、端部(図示は、後端部)が熱延びし、ダクトプレート11に対して後方に移動する。なお、図示しないが、このとき、遮熱板22は、前端部がダクトプレート11に対して前方に移動する。その後、ダクトプレート11の温度が徐々に上昇して熱延びすると、図3に示すような状態となる。一方、ガスタービンの停止時に、遮熱板22が冷却されて熱収縮すると、図3及び図5に示すように、端部(図示は、後端部)が収縮し、ダクトプレート11に対して前方に移動する。なお、図示しないが、このとき、遮熱板22は、後端部がダクトプレート11に対して後方に移動する。その後、ダクトプレート11の温度が徐々に下降して収縮すると、図3に示すような状態となる。
【0050】
また、遮熱板22の長孔31と連結ボルト33のねじ部33aとの間に所定隙間S/2が確保されていることから、遮熱板22における周方向の熱延び及び熱収縮に対しても、ダクトプレート11との間で相対移動が可能となっている。
【0051】
なお、この実施例1では、遮熱板22における排ガスの流れ方向の上流側端部と下流側端部の両方を第1支持機構26によりダクトプレート11に支持したが、遮熱板22における排ガスの流れ方向の上流側端部と下流側端部の一方をダクトプレート11に固定し、遮熱板22における排ガスの流れ方向の上流側端部と下流側端部の他方を第1支持機構26によりダクトプレート11に支持してもよい。
【0052】
図7に示すように、ガスタービンが起動すると、圧縮機101は高温・高圧の圧縮空気を生成し、燃焼器102が圧縮空気に燃料を供給して燃焼することで燃焼ガスを生成し、タービン103は、高温・高圧の燃焼ガスによりロータを駆動回転して発電機を駆動する。そして、高温の排ガスが排気ダクト104に流れる。
【0053】
このとき、排気ダクト104に流れ込む排ガスは、その温度が約500℃以上であり、この排気ダクト104の温度を上昇させる。即ち、図1に示すように、排気ダクト104を流れる排ガスのうち、ダクトプレート11の内壁面に沿って流れる排ガスは、遮熱板22の内壁面に接触しながら下流側へと流れていく。このとき、遮熱板22は、内周面を流れる排ガスにより温度が上昇していく。そして、この遮熱板22の熱が断熱層21を介して遮熱板22により被覆されたダクトプレート11に伝達されて温度が緩やかに上昇する。更に、このダクトプレート11の熱が各補強リブ15,16に伝達されてダクトプレート11と共に補強リブ15,16の温度が緩やかに上昇していく。
【0054】
このとき、遮熱板22の温度が上昇することで熱膨張し、ダクトプレート11に対して相対移動する。そのため、遮熱板22は、自らの熱膨張により熱応力が生じることはない。また、ダクトプレート11に対して遮熱板22が独立して熱膨張することで、ダクトプレート11に熱応力が生じることはない。
【0055】
なお、ここでは、ガスタービンの起動時について説明したが、ガスタービンの停止時であっても同様である。即ち、ガスタービンの停止時に、排気ダクト104の遮熱板22は、温度が下降していき、この遮熱板22の熱が伝達されないダクトプレート11の温度が緩やかに下降し、このダクトプレート11と共に補強リブ15,16の温度が緩やかに下降していく。このとき、遮熱板22の温度が下降することで収縮し、ダクトプレート11に対して相対移動する。そのため。遮熱板22は、自らの収縮により熱応力が生じることはない。また、ダクトプレート11に対して遮熱板22が独立して収縮することで、ダクトプレート11に熱応力が生じることはない。
【0056】
図6に示すように、補強リブ15(16)が設けられたダクトプレート11の内周部に従来の遮熱板001が設けられた排気ダクトでは、一点鎖線Aで示すように、ガスタービンの起動時(停止時)、遮熱板001の前端部と後端部で急激な温度変化が生じ、ここに大きな熱応力が作用する。一方、補強リブ15(16)が設けられたダクトプレート11の内周部に実施例1の遮熱板22が設けられた排気ダクト104では、実線Bで示すように、ガスタービンの起動時(停止時)、遮熱板22の前端部と後端部で緩やかな温度変化が生じ、ここに大きな熱応力が作用することはない。
【0057】
即ち、実施例1の排気ダクト104では、補強リブ15(16)が設けられたダクトプレート11の内周部に傾斜部23,24を有する遮熱板22が設けられていることから、ガスタービンの起動時、遮熱板22の前端部(第1傾斜部23)と後端部(第2傾斜部24)で緩やかな温度変化が生じることから、ここに発生する熱応力が小さくなる。その後、遮熱板22で被覆されたダクトプレート11と補強リブ15(16)は、その周辺部のダクトプレート11から熱を受けて徐々に温度上昇する。そのため、ダクトプレート11と補強リブ15(16)は、ほぼ同様の温度で加熱されることとなり、ダクトプレート11と補強リブ15(16)との連結部に作用する応力が軽減される。なお、ガスタービンの停止時も同様である。
【0058】
このように実施例1の排気ダクト104にあっては、筒形状をなすダクトプレート11と、ダクトプレート11の外周部から径方向の外方に突出すると共に周方向に沿って設けられる補強リブ15,16と、補強リブ15,16に対応するダクトプレート11の内周部側に断熱層21を形成するように配置されると共に排ガスの流れ方向の上流側に向けて断熱層21の厚さが薄くなるような第1傾斜部23を有する遮熱板22とを設けている。
【0059】
従って、補強リブ15,16に対応するダクトプレート11の内周部側に断熱層21を形成するように遮熱板22が配置されることで、ダクトプレート11に排ガスが直接接触せず、断熱層21を介して排ガスの熱が授受されることとなり、補強リブ15,16に対応したダクトプレート11の部分における急激な温度変化が生じることはなく、ダクトプレート11と補強リブ15,16との連結部に作用する応力を抑制することができる。
【0060】
即ち、補強リブ15,16と重なるダクトプレート11の部分は、内部を流れる排ガスに直接接触せず、断熱層21を介して排ガスから熱が授受される。そのため、ガスタービンの起動時や停止時において、補強リブ15,16と重なるダクトプレート11の部分は、温度変化が、排ガスに直接接触する部分に比較して緩やかなものとなり、急激な温度変化が生じない。一方、補強リブ15,16は、ダクトプレート11と断熱層21に挟まれており、主にダクトプレート11から熱の授受が行われ、ダクトプレート11の温度変化に伴って緩やかに温度が変化する。そのため、ガスタービンの起動時及び停止時において、ダクトプレート11と補強リブ15,16との温度変化の速度の差分が小さいものとなり、ダクトプレート11と補強リブ15,16との間で大きな温度差が生じない。その結果、ダクトプレート11と補強リブ15,16、特にその連結部に熱応力が発生することを抑制することができる。
【0061】
また、遮熱板22は、排ガスの流れ方向の上流側に向けて断熱層21の厚さが薄くなる第1傾斜部23が設けられていることから、ダクトプレート11の内周部に沿って流れる排ガスは、その流れが遮熱板22により乱されることがない。即ち、ダクトプレート11の内周部に沿って流れる排ガスは、遮熱板22における第1傾斜部23から本体部25にスムーズに流れることとなり、良好な排ガスの流れを維持することができる。
【0062】
実施例1の排気ダクト104では、遮熱板22における排ガスの流れ方向の下流側に向けて断熱層21の厚さが薄くなるような第2傾斜部24を設けている。従って、ダクトプレート11の内周部に沿って流れる排ガスは、第1傾斜部23、本体部25、第2傾斜部24に沿ってスムーズに流れる。そのため、排ガスは、その流れが遮熱板22により乱されることがなく、良好な排ガスの流れを維持することができる。
【0063】
実施例1の排気ダクト104では、ダクトプレート11に対して遮熱板22を排ガスの流れ方向に沿って相対移動自在に支持する第1支持機構26を設けている。従って、遮熱板22は、温度上昇時及び温度下降時に熱膨張及び熱収縮するが、第1支持機構26によりダクトプレート11に対して相対移動自在であることから、遮熱板22だけでなく、ダクトプレート11に曲げ応力などが作用することがない。
【0064】
実施例1の排気ダクト104では、第1支持機構26を遮熱板22における排ガスの流れ方向の端部に設けている。従って、遮熱板22は、端部が第1支持機構26によりダクトプレート11と相対移動自在に支持されることから、遮熱板22からその外側のダクトプレート11及び補強リブ15,16に排ガスの熱が伝達しにくくなり、ダクトプレート11と補強リブ15,16との連結部に作用する応力を抑制することができる。
【0065】
実施例1の排気ダクト104では、ダクトプレート11における両側部に支持部12をそれぞれ設け、上部及び下部に補強リブ15,16をこの支持部12に連結して設け、支持部12に脚部118を連結している。従って、脚部118により支持するダクトプレート11の支持部12に補強リブ15,16を設けると共に遮熱板22を設けることで、ダクトプレート11の支持部12における急激な温度変化を抑制し、ダクトプレート11と補強リブ15,16との連結部に作用する応力を抑制することができる。
【実施例2】
【0066】
図12は、本発明の実施例2に係る排気ダクトの要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0067】
実施例2の排気ダクトにおいて、図12に示すように、ダクトプレート11は、円筒形状をなし、外周部に3個の補強リブ15が周方向に沿って固定されている。そして、このダクトプレート11は、各補強リブ15に対応する内周部側に断熱層41を形成するように遮熱板42が配置されている。即ち、この遮熱板42は、円筒形状をなし、ダクトプレート11の外周部側に位置する各補強リブ15の反対側に対向して、ダクトプレート11の内周部側に位置している。この遮熱板42は、排ガスの流れ方向に分割される複数(本実施例では、2個)の分割遮熱板43,44から構成されている。
【0068】
また、遮熱板42は、排ガスの流れ方向の上流側(図12にて左側)に向けて断熱層41の厚さが薄くなるような第1傾斜部(第1傾斜面)45が形成されると共に、排ガスの流れ方向の下流側(図12にて右側)に向けて断熱層41の厚さが薄くなるような第2傾斜部(第2傾斜面)46が形成されている。即ち、第1分割遮熱板43は、本体部47がダクトプレート11との間に断熱層41が形成されるように離間している。そして、第1分割遮熱板43は、排ガスの流れ方向の上流側に本体部47に連続する第1傾斜部45が形成されており、端部が徐々にダクトプレート11に接近することで断熱層41の厚さが薄くなっている。また、第2分割遮熱板44は、排ガスの流れ方向の下流側に本体部48に連続する第2傾斜部46が形成されており、端部が徐々にダクトプレート11に接近することで断熱層41の厚さが薄くなっている。
【0069】
遮熱板42は、第1分割遮熱板43における排ガスの流れ方向における上流側の端部が支持機構(例えば、締結ボルトとナット)49によりダクトプレート11に固定され、第2分割遮熱板44における排ガスの流れ方向における下流側の端部が支持機構(例えば、締結ボルトとナット)50によりダクトプレート11に固定されている。そして、遮熱板42は、第1分割遮熱板43の本体部47と第2分割遮熱板44の本体部48とが排ガスの流れ方向に所定長さだけ重なっている。この場合、第1分割遮熱板43の本体部47に対して第2分割遮熱板44の本体部48が径方向の外側(図12にて、上側)に接するように位置している。即ち、本発明の第1支持機構は、各分割遮熱板43,44が所定長さだけ重ねて支持されることで構成される。
【0070】
そのため、排ガスにより遮熱板42が加熱されて熱膨張すると、ダクトプレート11に固定された各傾斜部45,46側の端部に対して、各本体部47,48側の端部が熱延びして移動する。即ち、第1分割遮熱板43における本体部47と、第2分割遮熱板44における本体部48との重なり長さが長くなる。一方、ガスタービンの停止時に、遮熱板42が冷却されて熱収縮すると、ダクトプレート11に固定された各傾斜部45,46側の端部に対して、各本体部47,48側の端部が収縮して移動する。即ち、第1分割遮熱板43における本体部47と、第2分割遮熱板44における本体部48との重なり長さが短くなる。
【0071】
従って、ガスタービンの起動時、高温の排ガスが排気ダクトに流れ、この排気ダクトの温度を上昇させる。すると、ダクトプレート11の内壁面に沿って流れる排ガスは、遮熱板42の内壁面に接触しながら下流側へと流れていく。このとき、遮熱板42は、内周面を流れる排ガスにより温度が上昇していく。そして、この遮熱板42の熱が断熱層41を介して遮熱板42により被覆されたダクトプレート11に伝達されて温度が緩やかに上昇する。更に、このダクトプレート11の熱が各補強リブ15,16に伝達されてダクトプレート11と共に補強リブ15,16の温度が緩やかに上昇していく。
【0072】
このとき、遮熱板42の温度が上昇することで熱膨張し、ダクトプレート11に対して相対移動する。そのため、遮熱板42は、自らの熱膨張により熱応力が生じることはない。また、ダクトプレート11に対して遮熱板42が独立して熱膨張することで、ダクトプレート11に熱応力が生じることはない。即ち、補強リブ15が設けられたダクトプレート11の内周部に傾斜部45,46を有する遮熱板42が設けられていることから、ガスタービンの起動時や停止時に、第1傾斜部45と第2傾斜部46で緩やかな温度変化が生じることから、ここに発生する熱応力が小さくなる。その後、遮熱板42で被覆されたダクトプレート11と補強リブ15は、その周辺部のダクトプレート11から熱を受けて徐々に温度上昇する。そのため、ダクトプレート11と補強リブ15は、ほぼ同様の温度で加熱されることとなり、ダクトプレート11と補強リブ15との連結部に作用する応力が軽減される。なお、ガスタービンの停止時も同様である。
【0073】
このように実施例2の排気ダクトにあっては、補強リブ15に対応するダクトプレート11の内周部側に断熱層41を形成するように配置されると共に排ガスの流れ方向に向けて断熱層41の厚さが薄くなるような第1、第2傾斜部45,46を有する遮熱板42を設けている。
【0074】
従って、ダクトプレート11に排ガスが直接接触せず、断熱層41を介して排ガスの熱が授受されることとなり、補強リブ15に対応したダクトプレート11の部分における急激な温度変化が生じることはなく、ダクトプレート11と補強リブ15との連結部に作用する応力を抑制することができる。
【0075】
また、遮熱板42は、排ガスの流れ方向に分割される複数の分割遮熱板43,44を有し、各本体部47,48を所定長さだけ重ねて支持している。従って、遮熱板42を複雑な装置により支持する必要がなくなり、構造の簡素化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
【実施例3】
【0076】
図13は、本発明の実施例3に係る排気ダクトの要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0077】
実施例3の排気ダクトにおいて、図13に示すように、ダクトプレート11は、円筒形状をなし、外周部に3個の補強リブ15が周方向に沿って固定されている。そして、このダクトプレート11は、各補強リブ15に対応する内周部側に断熱層21を形成するように遮熱板22が配置されている。即ち、この遮熱板22は、円筒形状をなし、ダクトプレート11の外周部側に位置する各補強リブ15の反対側に対向して、ダクトプレート11の内周部側に位置している。
【0078】
また、遮熱板22は、排ガスの流れ方向の上流側(図13にて左側)に向けて断熱層21の厚さが薄くなるような第1傾斜部23が形成されると共に、排ガスの流れ方向の下流側(図13にて右側)に向けて断熱層21の厚さが薄くなるような第2傾斜部24が形成されている。即ち、遮熱板22は、本体部25がダクトプレート11との間に断熱層21が形成されるように離間し、本体部25に連続する第1傾斜部23が形成されると共に、第2傾斜部24が形成されている。
【0079】
また、遮熱板22は、円筒形状をなし、断熱層21として構成されるリング形状をなす空間部に断熱材51が充填されている。
【0080】
なお、実施例3における排気ダクトの作用は、実施例1とほぼ同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0081】
このように実施例3の排気ダクトにあっては、補強リブ15に対応するダクトプレート11の内周部側に断熱層21を形成するように配置されると共に排ガスの流れ方向に向けて断熱層21の厚さが薄くなるような第1、第2傾斜部23,24を有する遮熱板22を設け、断熱層21に断熱材51を充填している。
【0082】
従って、ダクトプレート11に排ガスが直接接触せず、断熱層21を介して排ガスの熱が授受されることとなり、補強リブ15に対応したダクトプレート11の部分における急激な温度変化が生じることはなく、ダクトプレート11と補強リブ15との連結部に作用する応力を抑制することができる。このとき、断熱層21に断熱材51が充填されていることから、遮熱板22からダクトプレート11への熱の伝達を効果的に抑制することができる。
【実施例4】
【0083】
図14は、本発明の実施例4に係る排気ダクトの要部断面図、図15は、遮熱プレートの内面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0084】
実施例4の排気ダクトにおいて、図14及び図15に示すように、ダクトプレート11は、円筒形状をなし、外周部に3個の補強リブ15が周方向に沿って固定されている。そして、このダクトプレート11は、各補強リブ15に対応する内周部側に断熱層61を形成するように遮熱板62が配置されている。即ち、この遮熱板62は、円筒形状をなし、ダクトプレート11の外周部側に位置する各補強リブ15の反対側に対向して、ダクトプレート11の内周部側に位置している。
【0085】
また、遮熱板62は、排ガスの流れ方向の上流側(図14にて左側)に向けて断熱層61の厚さが薄くなるような第1傾斜部63が形成されると共に、排ガスの流れ方向の下流側(図14にて右側)に向けて断熱層61の厚さが薄くなるような第2傾斜部64が形成されている。即ち、遮熱板62は、本体部65がダクトプレート11との間に断熱層61が形成されるように離間し、本体部65に連続する第1傾斜部63が形成されると共に、第2傾斜部64が形成されている。
【0086】
ダクトプレート11に対して遮熱板62を排ガスの流れ方向に沿って相対移動自在に支持する第1支持機構26が設けられており、この第1支持機構26は、周方向に所定間隔で複数設けられている。この第1支持機構26は、遮熱板62における排ガスの流れ方向の各端部に設けられている。
【0087】
また、ダクトプレート11に対して遮熱板62をダクトプレート11の周方向に沿って相対移動自在に支持する第2支持機構66が設けられている。この第2支持機構66は、排ガスの流れ方向に沿うと共にダクトプレート11の周方向に所定間隔で形成される複数のスリット67により構成されている。このスリット67は、遮熱板62の本体部65に排ガスの流れ方向に沿う所定長さLにわたって形成されると共に、ダクトプレート11の周方向に所定間隔Gに形成されている。なお、この本体部65は、ダクトプレート11とほぼ平行なすことから、所定間隔Gは、排ガスの流れ方向の上流側に向かって小さくなっている。また、ストレート型排気ダクトの場合は、所定間隔Gが一定であってもよい。なお、この場合、上述した実施例3のように、断熱層61内に断熱材を充填することで、スリット67から断熱層61内への排ガスの侵入を防止することが好ましい。
【0088】
そのため、排ガスにより遮熱板62が加熱されて熱膨張すると、この遮熱板62が周方向に熱延びする。このとき、遮熱板62は、各スリット67の幅が狭くなることで熱延びが吸収される。なお、各支持機構26にて、図3に示すように、遮熱板62(22)の長孔31と連結ボルト33のねじ部33aとの間に所定隙間S/2が確保されていることから、遮熱板62(22)における周方向の熱延びが吸収される。
【0089】
なお、実施例4における排気ダクトの作用は、実施例1とほぼ同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0090】
このように実施例4の排気ダクトにあっては、補強リブ15に対応するダクトプレート11の内周部側に断熱層61を形成するように配置されると共に排ガスの流れ方向に向けて断熱層61の厚さが薄くなるような第1、第2傾斜部63,64を有する遮熱板62を設けると共に、ダクトプレート11に対して遮熱板62を周方向に沿って相対移動自在に支持する第2支持機構66を設けている。
【0091】
従って、ダクトプレート11に排ガスが直接接触せず、断熱層61を介して排ガスの熱が授受されることとなり、補強リブ15に対応したダクトプレート11の部分における急激な温度変化が生じることはなく、ダクトプレート11と補強リブ15との連結部に作用する応力を抑制することができる。また、遮熱板62は、温度上昇時及び温度下降時に熱収縮するが、第2支持機構66によりダクトプレート11に対して相対移動自在であることから、ダクトプレート11に曲げ応力などが作用することがない。
【0092】
実施例4の排気ダクトでは、第2支持機構66を排ガスの流れ方向に沿うと共にダクトプレート11の周方向に所定間隔で形成される複数のスリット67としている。従って、遮熱板62の温度上昇時及び温度下降時に熱収縮すると、複数のスリット67の幅が変化してダクトプレート11の周長に適応することとなり、構造の簡素化により軽量化、低コスト化を図ることができる。
【実施例5】
【0093】
図16は、本発明の実施例5に係る排気ダクトの要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0094】
実施例5において、図16に示すように、排気ダクト104は、排ガスの流れ方向における上流側の端部が排気室105とフランジ連結部71により連結され、排ガスの流れ方向における下流側の端部に第2エキスパンション108が装着されると共に、フローガイド72が連結されている。そして、排気ダクト104を構成するダクトプレート11は、補強リブ15が溶接により固定されている。
【0095】
そして、フランジ連結部71に対応した排気室105とダクトプレート11の内周側に遮熱板81が配置され、補強リブ15に対応したダクトプレート11の内周側に遮熱板83が配置され、排気ダクト104と第2エキスパンション108との連結部に対応したダクトプレート11の内周側に遮熱板84が配置されている。そして、最後部の遮熱板84は、排ガスの流れ方向の上流側の端部がダクトプレート11に支持され、排ガスの流れ方向の下流側の端部がフローガイド72に支持されている。そのため、遮熱板81,83は、前後に傾斜面が形成されているものの、遮熱板84は、前側だけに傾斜面が形成されている。
【0096】
このように実施例5では、補強リブ15が溶接された位置だけでなく、ダクトプレート11における外方へ突出する部材(外周部材)がある全ての位置にそれぞれ遮熱板81,83,84を設けている。従って、排気ダクト104の耐久性を向上することができる。
【0097】
また、実施例5では、ダクトプレート11における排ガスの流れ方向の下流側の端部にフローガイド72が連結され、遮熱板84の前端部をダクトプレート11に支持し、後端部をフローガイド72に支持している。従って、遮熱板84の後端部をフローガイド72に支持することで、第2傾斜面を不要とし、遮熱板84の構造を簡素化することができると共に、ダクトプレート11の内周部に沿って流れる排ガスの良好な流れを維持することができる。
【0098】
なお、上述した実施例では、遮熱板22,42,62,81,83,84を円筒形状としたが、この場合、周方向に一体形状であっても、分割形状としてもよい。
【0099】
また、上述した実施例では、補強リブ15,16、フランジ連結部71、第2エキスパンション108を外周部材として説明したが、外周部材は、この部材に限定されるものではなく、ダクトプレートから外方に突出している部材であればよく、いずれの構成であっても、本発明の作用効果を奏することができる。
【0100】
また、上述した実施例では、本発明の排気ダクトをガスタービンの排気系に適用して説明したが、蒸気タービンの排気系にも適用することができる。この場合、排気ガスは、使用済の蒸気である。
【0101】
11 ダクトプレート
12 支持部
15,16 補強リブ(外周部材)
21,41,61 断熱層
22,42,62,81,83,84 遮熱板
23,45,63 第1傾斜部(第1傾斜面)
24,46,64 第2傾斜部(第2傾斜面)
25,47,48,65 本体部
26 第1支持機構
43,44 分割遮熱板
51 断熱材
66 第2支持機構
71 フランジ連結部(外周部材)
72 フローガイド
101 圧縮機
102 燃焼器
103 タービン
104 排気ダクト
108 第2エキスパンション(外周部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16