特許第6033136号(P6033136)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033136
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】情報処理装置およびナビゲーション装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20161121BHJP
   G10L 15/28 20130101ALI20161121BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20161121BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20161121BHJP
【FI】
   G06F17/30 210A
   G10L15/28 500
   G10L15/00 200Q
   G06F17/30 170A
   G06F3/048
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-54973(P2013-54973)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-182445(P2014-182445A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100173934
【弁理士】
【氏名又は名称】久米 輝代
(74)【代理人】
【識別番号】100156351
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 秀央
(72)【発明者】
【氏名】小西 良紀
【審査官】 吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−122841(JP,A)
【文献】 特開2004−185572(JP,A)
【文献】 藤沢 和哉,予感テーブル:マイクロブログのイベント情報を利用した著名人との出会い支援システム,情報処理学会 シンポジウム プログラミング・シンポジウム 冬 52回 [online],2011年 1月 7日,67−74ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06F 3/048
G10L 15/00
G10L 15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投稿されたコメントを公開するコメントサーバから、前記コメントを収集するコメント収集部と、
前記コメント収集部が収集したコメントに含まれる時間または期間を示すキーワードを検出するための特徴パターンを格納する特徴パターンデータベースと、
前記特徴パターンデータベースを参照し、前記コメント収集部が収集したコメントから前記時間または期間を示すキーワードを含むコメントを特徴コメントとして抽出する特徴コメント抽出部と、
前記コメント収集部が収集したコメントと、前記特徴コメント抽出部が抽出した特徴コメントとを比較し、前記特徴コメントにおいて出現頻度がより高い単語を特徴ワードとして抽出する特徴ワード抽出部と、
前記特徴コメント抽出部が抽出した特徴コメントに含まれる前記時間または期間を示すキーワードとの共起回数が閾値以上である特徴ワードに対して、前記時間または期間を示すキーワードに関連する情報を関連情報として付与する関連情報解析部と、
前記関連情報解析部が前記関連情報を付与した特徴ワードを含む特徴コメントを、前記関連情報と共に提示する情報表示部とを備える情報処理装置。
【請求項2】
前記関連情報解析部は、前記特徴コメントに含まれる前記時間または期間を示すキーワードを解析し、当該キーワードに対応する日時を絶対的に表した絶対的日時を算出し、算出した絶対的日時を前記関連情報として付与することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報表示部は、前記関連情報として付与された絶対的日時と、現在の日時との差分値を算出し、算出した差分値が所定値を上回る場合に、当該関連情報が付与された特徴ワードを含む特徴コメントを提示しないことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報表示部は、前記関連情報解析部により前記関連情報が付与された特徴ワードを含む特徴コメントが複数存在する場合に、各特徴コメントの情報量を算出し、算出した情報量が最も多い特徴コメントを選択して提示することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報表示部は、前記各特徴コメントに含まれる前記特徴ワードの数に応じて、前記特徴コメントの情報量を算出することを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
現在位置からユーザが設定した目的地までの経路を設定する経路設定部と、
地図情報、当該地図情報の各位置における地名および前記地名に関連する情報を格納する地図情報データベースと、
前記地図情報データベースを参照して前記経路設定部が設定した経路上に存在する地名を抽出する地名抽出部と、
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の情報処理装置とを備え、
前記コメント収集部は、前記コメントサーバから前記経路設定部が設定した経路上に存在する地名を含むコメントを収集し、
前記情報表示部は、前記地図情報データベースを参照し、前記経路設定部が設定した経路、前記関連情報を付与した特徴ワードを含む特徴コメントおよび前記関連情報を地図上に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
前記地名抽出部は、前記地図情報データベースから抽出すべき地名の数を示す最大抽出地名数を設定可能とし、前記地図情報データベースに格納された前記地名に関連する情報を参照して前記経路設定部が設定した経路上に存在する各地名に対して付与された優先度に基づいて、前記設定された最大抽出地名数の地名を抽出することを特徴とする請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
当該ナビゲーション装置の現在位置を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した前記ナビゲーション装置の現在位置と、前記特徴ワード抽出部が抽出したいずれかの特徴ワードに付与された地名の位置との距離が閾値以下であるか否か判定を行う位置情報処理部とを備え、
前記情報表示部は、前記ナビゲーション装置の現在位置と、前記特徴ワードに付与されたいずれかの地名の位置との距離が閾値以下であると判定された場合に、当該特徴ワードを含む特徴コメントを、前記関連情報と共に提示することを特徴とする請求項6または請求項7記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記位置情報取得部は、当該ナビゲーション装置の現在の移動速度を取得し、
前記位置情報処理部は、前記位置情報取得部が取得した前記ナビゲーション装置の現在の移動速度に応じて、前記ナビゲーション装置の現在位置と前記特徴ワードに付与されたいずれかの地名の位置との距離を判定するための閾値を設定することを特徴とする請求項8記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記関連情報解析部が前記関連情報を付与した特徴ワードに基づいて単語と音響モデルとの関係を表現した発音情報を生成する音声処理部と、
前記音声処理部が生成した発音情報および認識語彙と音響特徴ベクトルとの対応付けを格納する認識辞書データベースと、
ユーザの発話を集音する集音部と、
前記認識辞書データベースを参照して前記集音部が集音した音声を認識する音声認識部とを備え、
前記情報表示部は、前記音声認識部の音声認識結果を参照し、前記集音部が集音した音声に該当する発音情報が前記認識辞書データベースに格納されていた場合に、前記集音部が集音した音声に該当する特徴ワードを含む特徴コメントを前記関連情報と共に提示することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記音声処理部は、前記関連情報解析部が前記関連情報を付与した特徴ワードのうち、所定値以上の単語長さを有する特徴ワードについて前記発音情報を生成することを特徴とする請求項10記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記関連情報解析部が前記関連情報を付与した特徴ワードに基づいて単語と音響モデルとの関係を表現した発音情報を生成する音声処理部と、
前記音声処理部が生成した発音情報および認識語彙と音響特徴ベクトルとの対応付けを格納する認識辞書データベースと、
ユーザの発話を集音する集音部と、
前記認識辞書データベースを参照して前記集音部が集音した音声を認識する音声認識部とを備え、
前記情報表示部は、前記音声認識部の音声認識結果を参照し、前記集音部が集音した音声に該当する発音情報が前記認識辞書データベースに格納されていた場合に、前記集音部が集音した音声に該当する特徴ワードを含む特徴コメントを前記関連情報と共に提示することを特徴とする請求項6から請求項9のうちのいずれか1項記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記音声処理部は、前記関連情報解析部が前記関連情報を付与した特徴ワードのうち、所定値以上の単語長さを有する特徴ワードについて前記発音情報を生成することを特徴とする請求項12記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記音声処理部は、前記特徴ワード、前記特徴ワードに付与された地名、および前記地名に関連する情報に基づいた発音情報を生成することを特徴とする請求項12または請求項13記載のナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークを介してリアルタイム性の高い情報を取得し、ユーザに提示する情報処理装置およびナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のメーカーにおいて、ナビゲーション装置などの情報処理装置を用いてユーザに観光情報やイベント情報を提供するサービスが行われている。
例えば特許文献1には、移動体において指定された地点までの経路の周辺情報を、情報ネットワークを介して情報提供サーバから取得し、ナビゲーションシステムの利用者に対して特売情報やイベント情報などのリアルタイム性のある最新情報を提供する情報表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−257951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、経路の周辺情報を情報提供サーバから取得するため、当該情報提供サーバは広範囲に渡って詳細な周辺情報を保有する必要があり、保有する周辺情報を最新情報に保つためには多大なコストが必要になるという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、情報提供側の負担を増加させることなく、特定の事象に関してリアルタイム性の高い情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る情報処理装置は、投稿されたコメントを公開するコメントサーバから、コメントを収集するコメント収集部と、コメント収集部が収集したコメントに含まれる時間または期間を示すキーワードを検出するための特徴パターンを格納する特徴パターンデータベースと、特徴パターンデータベースを参照し、コメント収集部が収集したコメントから時間または期間を示すキーワードを含むコメントを特徴コメントとして抽出する特徴コメント抽出部と、コメント収集部が収集したコメントと、特徴コメント抽出部が抽出した特徴コメントとを比較し、特徴コメントにおいて出現頻度がより高い単語を特徴ワードとして抽出する特徴ワード抽出部と、特徴コメント抽出部が抽出した特徴コメントに含まれる時間または期間を示すキーワードとの共起回数が閾値以上である特徴ワードに対して、時間または期間を示すキーワードに関連する情報を関連情報として付与する関連情報解析部と、関連情報解析部が関連情報を付与した特徴ワードを含む特徴コメントを、関連情報と共に提示する情報表示部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、情報提供側の負担を増加させることなく、特定の事象に関してリアルタイム性の高い情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1による情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1による情報処理装置の特徴パターンデータベースに格納された特徴パターンの一例を示す図である。
図3】実施の形態1による情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1による情報処理装置の情報表示部の表示例を示す図である。
図5】実施の形態2によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
図6】実施の形態2によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
図7】実施の形態3によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
図8】実施の形態3によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
図9】実施の形態4によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
図10】実施の形態4によるナビゲーション装置の経路設定時の動作を示すフローチャートである。
図11】実施の形態4によるナビゲーション装置の経路移動時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理装置10は、コメント収集部1、特徴コメント抽出部2、特徴パターンデータベース3、ホットワード抽出部(特徴ワード抽出部)4、関連情報解析部5および情報表示部6で構成されている。
コメント収集部1は、ネットワークを介してコメントサーバにアクセスし、不特定多数の利用者が投稿したコメント(以下、コメントと称する)、および当該コメントが投稿された時間を示す投稿時間情報を収集する。収集したコメントおよび投稿時間情報はコメント群101として出力される。コメントサーバへのアクセスとしては、例えばインターネットを介してtwitter(登録商標/以下、省略して記載)などのミニブログサービスにアクセスする方法が挙げられる。twitterを用いる場合、所定の期間内に投稿されたtweetを収集するAPIが公開されている(参考文献1参照)。
・参考文献1
「Documentation | Twitter Developers」、[online]、 [平成24年12月14日検索]、インターネット<https://dev.twitter.com/docs>
【0010】
特徴コメント抽出部2は、特徴パターンデータベース3に格納された特徴パターン102を参照して、コメント収集部1が収集したコメント群101から特徴コメントを抽出する。抽出する特徴コメントには時間ワードが含まれるものとする。ここで時間ワードとは、「今日」、「来週」、「Nヶ月後」などの相対的な日付を表す単語や、「12月14日」、「秋分の日」などの絶対的な日付を表す単語である。特徴コメント抽出部2は、抽出した特徴コメントを特徴コメント群103として、コメント群101と共に出力する。
【0011】
特徴パターンデータベース3は、特徴コメント抽出部2がコメント群101から時間ワードを検出するための特徴パターン102を格納するデータベースである。時間ワードは、上述した相対的および絶対的な日付を表す単語である。図2に特徴パターンデータベース3に格納する特徴パターン102の一例を示す。特徴パターン102は、「パターン情報」、「パターンのタイプ」、「対応する日付」および「日付のタイプ」で構成されている。時間ワードを検出するためのパターン情報として「今日」、「来週」などの直接時間ワードを示す文字列の他、「(.+)月(.+)日」といった時間ワードを表す正規表現を格納する。なお、図2の例ではパターン情報として文字列および正規表現を格納する場合を示したが、これらに限定されるものではなく単語同士を接続したオートマトンなどを格納してもよい。
【0012】
また、特徴パターンデータベース3は、格納した各パターン情報に対応する日付として絶対的または相対的な日付の情報も格納する。例えば、「今日」、「来週」という文字列に対して、それぞれ「±0日」、「+1週間」という相対的な日付を対応させて格納する。また、「(.+)月(.+)日」という正規表現には「$0月$1日」という絶対的な日付を対応させて格納する。ただし、$0、$1はそれぞれ0番目および1番目の正規表現のグループにマッチする数値である。
【0013】
特徴コメント抽出部2は、特徴パターンデータベース3に文字列が格納されている場合、コメント群101の各コメントが格納された文字列を含むか否か判定を行い、含んでいる場合に特徴コメントとして抽出する。また、特徴パターンデータベース3に正規表現のパターン情報が格納されている場合、特徴コメント抽出部2は正規表現を用いて各コメントの検索を行い、マッチする単語が存在する場合に特徴コメントとして抽出する。さらに、特徴パターンデータベース3に文字列および正規表現以外のパターン情報が格納されている場合、特徴コメント抽出部2はそのパターン情報に応じた方法で各コメント内の時間ワードの有無を判定し、特徴コメントを抽出する。
【0014】
ホットワード抽出部4は、特徴コメント抽出部2から入力されるコメント群101の各コメントと特徴コメント群103の各特徴コメントとを比較し、特徴コメントにおいてより出現頻度の高い単語をホットワード(特徴ワード)として抽出する。ホットワード抽出部4は、抽出したホットワードをホットワード群104として、コメント群101と共に出力する。ここでホットワードとは、近日中など所定の期間内に発生するイベントの開催情報などに関連するキーワードである。なお、開催予定のイベントに限定されることなく種々の情報に関連するキーワードをホットワードとして抽出するように構成することができる。
【0015】
関連情報解析部5は、コメント群101からホットワード群104の各ホットワードが含まれるコメントを抽出し、抽出したコメントを解析してホットワードと共起する確率が高い単語を関連情報105として付与する。ホットワード群104と付与した関連情報105とを出力する。情報表示部6は、ユーザに情報を提示するための表示画面を備え、当該表示画面を介して関連情報解析部5から入力されるホットワード群104と関連情報105とを合わせてユーザに提示する。
【0016】
次に、情報処理装置10の動作について説明する。
図3は、実施の形態1による情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
まず、コメント収集部1は、コメントサーバにアクセスして投稿されたコメントおよび当該コメントが投稿された時間情報を収集する(ステップST1)。特徴コメント抽出部2は、特徴パターンデータベース3を参照し、ステップST1で収集されたコメントから時間ワードを含む特徴コメントを抽出する(ステップST2)。
【0017】
ホットワード抽出部4は、ステップST1で収集されたコメントと、ステップST2で抽出された特徴コメントを、それぞれ単語単位に分解する(ステップST3)。
コメントおよび特徴コメントの単語単位への分解では、例えば以下の参考文献2に開示されたオープンソースの形態素解析エンジン「MeCab」を利用する。
・参考文献2
MeCab: Yet Another Part-of-Speech and Morphological Analyzer、[online]、[平成24年12月14日検索]、インターネット<http://mecab.googlecode.com/svn/trunk/mecab/doc/index.html>
【0018】
MeCabは分解した各単語について、それぞれ品詞を出力する機能を持つ。イベントに関連する単語は、イベント名や施設名をはじめとして名詞である場合が多いため、出現頻度を求める単語を名詞に限定することで、計算を効率化することができる。なお、コメントおよび特徴コメントを単語単位に分解するにあたっては必ずしもMeCabあるいはその他の形態素解析エンジンを用いる必要はなく、文章を解析して単語に分解する機能を備えた手段であれば、どのような手段を用いてもよい。
【0019】
次に、ホットワード抽出部4は、ステップST3で分解されたコメントおよび特徴コメントの各単語の出現頻度を算出する(ステップST4)。
コメントの集合をコメント群X(Xはコメント収集部1が収集したコメントのコメント群101、あるいは特徴コメント抽出部2が抽出した特徴コメントの特徴コメント群103のいずれか)とした場合に、当該コメント群Xに出現する単語をw_X1, w_X2, …, w_Xnとするとき、ある単語w_Xi(1≦i≦n)のコメント群Xにおける出現頻度freq(X, w_Xi)は以下の式(1)を用いて算出される。

なお、式(1)においてcount(w_Xi) はコメント群Xにおける単語w_Xiの出現回数である。
【0020】
なお、各単語の出現頻度を計算する方法は、上述した式(1)を用いる方法に限定されるものではなく、例えば単語のランク(各単語をコメント群における出現回数順に並べた場合の順位)を用いる方法としてもよい。ただし、あるコメント群におけるランクの平均値は、当該コメント群において出現する単語の種類nに比例する。さらに、単語の種類nはコメント群に含まれるコメントの数が増えると指数的に増加するため、出現頻度の計算に用いるには以下の式(2)に示すように正規化する必要がある。

なお、式(2)においてrank(X, w_Xi(1≦i≦n))はコメント群Xにおける単語w_Xiのランクを表す。
【0021】
次に、ホットワード抽出部4は、ステップST4で算出した各単語の出現頻度を用いて、特徴コメント群103に含まれる各単語について、特徴コメント群103における出現頻度と、コメント群101における出現頻度の比率(以下、出現頻度比率rと称する)を算出する(ステップST5)。
【0022】
ステップST5の処理を上述した式(1)に従って具体的に説明すると、コメント群101の各単語をw_A1, w_BA, …, w_Am、特徴コメント群103の各単語をw_B1, w_B2, …, w_Bmとした場合に、特徴コメント群103の単語w_B1, w_B2, …, w_Bmについて、特徴コメント群103における出現頻度freq(B, w_Bk)と、コメント群101における出現頻度freq(A, w_Bk)の出現頻度比率rを算出する。なお、kは1≦k≦mを満たすものとする。なお、単語w_Bkが特徴コメント群103のみに出現する場合(freq(A, w_Bk) = 0)には、r=1となる。
【0023】
その後、ホットワード抽出部4はステップST5で算出した出現頻度比率rがあらかじめ設定した閾値Trを上回る単語をホットワードとして抽出する(ステップST6)。ただし、ステップST6の処理において、時間ワードに関しては出現頻度比率rが大きくなることが通常であるため、ホットワードには含めない。
【0024】
次に、関連情報解析部5は、特徴パターンデータベース3に格納された特徴パターン102を参照し、ステップST2で抽出された特徴コメント群103に含まれるすべての時間ワードを解析し、各時間ワードに対応する絶対的な日付を算出する(ステップST7)。ステップST7の処理において、時間ワードが相対的な日付に対応する場合、コメントの投稿日時を用いて絶対的な日付に変換する。例えば、ある時間ワードが「+1週間」という相対的な日付に対応し、且つ当該時間ワードを含むコメントの投稿日時が「2012年12月14日(金)」である場合、関連情報解析部5はそれを「2012年12月17日(月)」という投稿日時の翌週の月曜日を指す絶対的な日時に変換する。
【0025】
次に、関連情報解析部5は、ステップST6で抽出したホットワードについて、ステップST7で解析した時間ワードとの共起回数を解析する(ステップST8)。なお、ステップST8の処理において、同一のコメント内にホットワードと、ある時間ワードが存在している場合に、当該ホットワードと時間ワードの共起回数を「1」増やすものとする。
【0026】
次に、ステップST8の解析結果を参照し、所定の回数以上共起している時間ワードを有するホットワードが存在するか否か判定を行う(ステップST9)。所定回数以上共起している時間ワードを有するホットワードが存在する場合(ステップST9;YES)、当該ホットワードに対して、ステップST7で算出した絶対的な日付を付与する(ステップST10)。一方、所定回数以上共起している時間ワードを有するホットワードが存在しない場合(ステップST9;NO)、処理を終了する。
【0027】
情報表示部6は、ステップST10で絶対的な日付を付与したホットワードを含む特徴コメントを、特徴コメント群103から選択し、ホットワードとの対応付けを行う(ステップST11)。
ステップST11の処理において、絶対的な日付を付与したホットワードを含む特徴コメントが複数存在する場合、情報表示部6は各特徴コメントの情報量を算出し、算出した情報量が最も大きい特徴コメントをホットワードに対応付ける。特徴コメントの情報量としては、例えば特徴コメントに含まれるユニークなホットワードの数などを用いる。
【0028】
次に、特徴コメントをユーザに提示するに当たり、各ホットワードに付与されている絶対的な日付と現在の日付の差分値を求め、求めた差分値が所定の値を上回るホットワードは以降の処理の処理対象から除外する(ステップST12)。次に、ステップST12において処理対象から除外されなかったホットワードに対応付けられた特徴コメントを、ステップST10で当該ホットワードに付与された絶対的な日付を合わせてユーザに提示し(ステップST13)、処理を終了する。
【0029】
図4は、実施の形態1による情報処理装置の情報表示部の表示例を示す図である。
図4に示した情報表示部6の表示画面には、例えば「10月7日(日)」などの絶対的な日付62と、「10月7日(日)午前10時から正午まで、漁業協同組合による魚まつりが開催されます」などの特徴コメント63で構成された表示情報61が表示される。
【0030】
以上のように、この実施の形態1によれば、ネットワークを介してコメントサーバにアクセスしてコメントを収集するコメント収集部1と、特徴パターンデータベース3を参照して時間ワードを含むコメントである特徴コメントを抽出する特徴コメント抽出部2と、収集したコメントと特徴コメントを比較して特徴コメントにおいてより出現頻度の高い単語をホットワードとして抽出するホットワード抽出部4と、抽出したホットワードと共起する確率が高い単語を関連情報として付与する関連情報解析部5と、ホットワードと関連情報とを合わせてユーザに提示する情報表示部6とを備えるように構成したので、所定の期間内に発生するイベントなどに関連する情報を、ネットワークを介してリアルタイムに取得し、ユーザに提示することができる。
【0031】
また、この実施の形態1によれば、不特定多数の第三者がコメントサーバに対して投稿したコメントを収集してホットワードと関連する情報を取得するように構成したので、情報提供側であるコメントサーバの負担を増加させることなく、リアルタイム性の高い情報を提供することができる。
【0032】
実施の形態2.
この実施の形態2では、上述した実施の形態1で示した情報処理装置の機能にナビゲーション機能を追加し、ナビゲーション機能側で設定された特定の地域に関連するコメントを収集し、特徴コメントを抽出するナビゲーション装置の構成を示す。
図5は、実施の形態2によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態2のナビゲーション装置20は、図1で示した情報処理装置10の機能に対して地名抽出部7を追加して設けている。また、ナビゲーション機能として、経路設定部21、地図情報データベース22を追加して設けている。なお、以下では、実施の形態1で示した情報処理装置10の構成要素と同一または相当する部分には図1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0033】
経路設定部21は、ユーザからの入力を受け付け、ユーザの現在位置から入力された目的地までの適切な経路を算出して設定する。設定された経路は経路情報201として地名抽出部7に出力される。地図情報データベース22は、世界各地における地図、当該地図上の各位置の地名および当該地名に関連する情報などを地名情報202として格納するデータベースである。ここで、地名としては「京都府」、「名古屋市」などの県名や都市名に加えて、「高野山」、「ジブリ美術館」などの施設名を含むものとする。
【0034】
また、地名に関連する情報としては、例えば「地名の表す領域の広さ」や「地名の重要度」および「地名に関連する人物名」などを格納する。「地名の表す領域の広さ」は1から5の数値とし、広いほど小さい値とする。国、県、市町村、地域名、施設名の順に小さい値を割り当てる。「地名の重要度」は、地図情報データベース22の作成者が任意に割り当てる数値であり、例えば「0」から「9」の値を設定する。作成者が重要と考える地名にはより大きい値を設定する。「地名に関連する人物名」は、市町村名であればその県で生まれた著名人や現役の市町村長、施設名であれば当該施設の建設者などの人物名を設定する。なお、地名に関連する情報は、上述した物に限定されず、各地名に関連する情報であればどのようなものであってもよい。
【0035】
地名抽出部7は、経路設定部21が設定した経路情報201と、地図情報データベース22に格納された地名情報202を参照し、設定された経路上に存在する地名を抽出する。抽出した地名は地名群203として出力される。なお、経路設定部21が設定した経路が長い場合には経路上に存在する地名の数が膨大になるため、地名抽出部7にはあらかじめ最大抽出地名数L_maxを設定しておくものとする。経路上に存在する地名数が最大抽出地名数L_maxを超えた場合、経路上に存在する各地名について優先度を求め、優先度が高い順に最大抽出地名数L_max個の地名を抽出する。各地名の優先度は、地図情報データベース22に格納されている「地名の表す領域の広さ」および「地名の重要度」に基づいて、例えば「地名の表す領域の広さ」×10+「地名の重要度」のように計算される。
【0036】
コメント収集部1aは、ネットワークを介してコメントサーバにアクセスし、地名抽出部7が抽出した地名群203に含まれる各地名に関して投稿されたコメントおよび当該コメントが投稿された時間を示す投稿時間情報を収集する。コメントサーバへのアクセスとしては、例えばインターネットを介したtwitterへのアクセスの場合、所定の時間内に投稿された特定のキーワードを含むtweetを取得するAPIが公開されており、当該APIを用いることにより地名を含むコメントのみを収集することができる。また、コメント収集部1aは、収集した各コメントに、収集の際にキーワードとして指定した地名情報を付与する。例えば、tweetのAPIを用いて「高野山」という地名に関するコメントを収集した場合には、各コメントに「高野山」という地名情報を付与しておく。収集したコメント、投稿時間情報および地名情報は、コメント群101aとして出力される。
【0037】
特徴コメント抽出部2aは、コメント収集部1aが収集したコメント群101aから1つの地名に関するコメントを選択し、特徴パターンデータベース3に格納された特徴パターン102を参照して、選択した1つの地名に関するコメントから特徴コメントを抽出する。この処理をコメント群101aの全てのコメントに対して行う。なお、実施の形態1と同様に抽出する特徴コメントには時間ワードが含まれるものとする。特徴コメント抽出部2aは、抽出した特徴コメントを特徴コメント群103として、コメント群101aと共に出力する。
【0038】
次に、実施の形態2のナビゲーション装置20の動作について説明する。
図6は、実施の形態2によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
なお、以下では実施の形態1に係る情報処理装置と同一のステップには図2で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
経路設定部21が、ユーザの入力に基づいて経路の設定を行うと(ステップST21)、地名抽出部7は経路設定部21から入力される経路情報201および地図情報データベースに格納された地名情報202を参照して、設定された経路上に存在する地名を抽出する(ステップST22)。コメント収集部1aは、コメントサーバにアクセスし、ステップST22で抽出された各地名に関して投稿されたコメントおよび当該コメントが投稿された時間情報を収集する(ステップST23)。
【0039】
特徴コメント抽出部2aは、ステップST23で収集されたコメントに付与された地名情報から1つの地名を選択し、特徴パターンデータベース3を参照して選択した地名に関するコメントから時間ワードを含む特徴コメントを抽出する(ステップST24)。ホットワード抽出部4は、ステップST24で抽出した特徴コメントに対して上述したステップST3からステップST6の処理を行い、ホットワードの抽出を行う。さらに関連情報解析部5は、ステップST7からステップST9の処理を行う。
【0040】
ステップST9の判定処理において所定回数以上共起している時間ワードを有するホットワードが存在すると判定した場合(ステップST9;YES)、ステップST7で算出した日付を用いて時間ワードに対応する絶対的な日付および地名情報をホットワードに付与する(ステップST25)。一方、ステップST9の判定処理において所定回数以上共起している時間ワードを有するホットワードが存在しないと判定した場合(ステップST9;NO)、ステップST26の処理に進む。
【0041】
特徴コメント抽出部2aは、コメントに付与された全ての地名に対してホットワードを抽出したか否か判定を行い(ステップST26)、全ての地名に対してホットワードを抽出していない場合(ステップST26;NO)、ステップST24の処理に戻る。一方、全ての地名に対してホットワードを抽出した場合(ステップST26;YES)、情報表示部6は当該判定結果に基づいて、上述したステップST11およびステップST12の処理を行い、ホットワードに付与された地名情報に基づいて、地図上に各ホットワードに対応付けられた特徴コメントと、ホットワードに付与された絶対的な日付を表示し(ステップST27)、処理を終了する。
【0042】
以上のように、この実施の形態2によれば、経路設定部21を介してユーザが設定した経路上に存在する地名を抽出する地名抽出部7と、ネットワークを介してコメントサーバにアクセスして、抽出された各地名に関して投稿されたコメントおよび投稿時間情報を収集するコメント収集部1aと、収集された各コメントから特徴コメントを抽出する特徴コメント抽出部2aとを備えるように構成したので、ユーザが設定した経路付近において所定の期間内に発生するイベントなどに関連する情報を、ネットワークを介してリアルタイムに取得し、ユーザに提示することができる。
【0043】
また、この実施の形態2によれば、不特定多数の第三者がコメントサーバに対して投稿した各地名に関するコメントを収集してホットワードと関連する情報を取得するように構成したので、情報提供側であるコメントサーバの負担を増加させることなく、ユーザが設定した経路付近に関するリアルタイム性の高い情報を提供することができる。
【0044】
実施の形態3.
この実施の形態3では、上述した実施の形態2で示したナビゲーション装置20の機能に加え、ユーザの現在位置に基づいて地図上に特徴コメントと絶対的な日付を表示する構成を示す。
図7は、実施の形態3によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態3のナビゲーション装置20aは、図5で示したナビゲーション装置20に位置情報取得部23を追加して設けている。また、情報表示部6aは、内部構成として位置情報処理部6bを追加して備えている。なお、以下では、実施の形態2で示したナビゲーション装置20の構成要素と同一または相当する部分には図5で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0045】
位置情報取得部23は、GPS情報を用いて、ナビゲーション装置20aの現在位置を示す情報を常時取得する。さらに位置情報取得部23は、ナビゲーション装置20aが車両に搭載されている場合に、車両の速度計の計測情報を用いて、ナビゲーション装置20aの移動速度を常時取得する。なお、ナビゲーション装置20aの現在位置を示す情報および移動速度を取得する構成は、上述したものに限定されるものではなく、目的を達成可能な手段であれば種々適用可能である。
【0046】
情報表示部6aの位置情報処理部6bは、位置情報取得部23が取得したナビゲーション装置20aの現在位置を示す情報に基づいて、ホットワード群104に付与されている地名の位置と、ナビゲーション装置20aとの現在位置との距離が閾値T_dist以下であるか否か判定を行う、また、位置情報処理部6bは、位置情報取得部23が取得したナビゲーション装置20aの移動速度に基づいて、上述した閾値T_distを設定する。ナビゲーション装置20aの移動速度が閾値より大きく速い場合には閾値T_distを大きく設定し、閾値より小さく遅い場合には閾値T_distを小さく設定する。これにより、ナビゲーション装置20aの移動速度が速い場合に、情報表示部6aによる情報の提示の遅れにより、情報提示前にユーザがホットワードに付与されている地名を通り過ぎるのを防ぐことができる。
【0047】
次に、ナビゲーション装置20aの動作について説明する。
図8は、実施の形態3によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
なお、以下では実施の形態2に係る情報処理装置の動作と同一のステップには図6で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。また、図8のフローチャートにおいて、ステップST21からステップST31は経路設定時の動作であり、ステップST32からステップST36は経路上を移動している際の動作である。
【0048】
実施の形態2で示したステップST21からステップST12までの処理を行い、ステップST12において情報表示部6aが日付の差分値が所定値を上回るホットワードを除外すると、表示画面上に地図および設定した経路を表示する(ステップST31)。次に、位置情報処理部6bは、位置情報取得部が取得したナビゲーション装置20aの現在位置を示す情報および移動速度に基づいて、ユーザが設定した経路を移動しているか否か判定を行う(ステップST32)。設定した経路を移動していない場合(ステップST32;NO)、ステップST32の判定処理を繰り返す。
【0049】
一方、設定した経路を移動している場合(ステップST32;YES)、位置情報処理部6bは、ホットワード群104の各ホットワードに付与された地名情報および地図情報データベース22の地図情報を参照して各地名の示す位置を算出し、ナビゲーション装置20aの現在位置との距離を算出する(ステップST33)。さらに位置情報処理部6bは、ステップST33で算出した距離が閾値T_dist以下であるか否か判定を行う(ステップST34)。
【0050】
閾値T_dist以下でない場合(ステップST34;NO)ステップST36の処理に進む。一方、閾値T_dist以下である場合(ステップST34;YES)、情報表示部6aは表示画面に表示された地図上に各ホットワードに対応付けられた特徴コメントと、ホットワードに付与された絶対的な日付を表示し(ステップST35)、全ての地名について処理を行ったか否か判定を行う(ステップST36)。全ての地名について処理が行われていない場合(ステップST36;NO)、ステップST33の処理に戻り上述した処理を繰り返す。一方、全ての地名について処理が行われた場合(ステップST36;YES)、処理を終了する。
【0051】
以上のように、この実施の形態3によれば、ナビゲーション装置20aの現在位置および移動速度を取得する位置情報取得部23と、取得されたナビゲーション装置20aの現在位置および移動速度を用いて、各ホットワードに付与された地名情報に基づく各地名の位置と、ナビゲーション装置20aの現在位置との距離が閾値以下の場合に、地図上に特徴コメントと絶対的日付を表示するように構成したので、ユーザが設定した経路付近であって、且つユーザの現在位置に応じたイベントなどに関する情報を表示することができる。
【0052】
また、この実施の形態3によれば、情報処理部6bは、ユーザの移動速度に基づいて閾値T_distを設定するように構成したので、ユーザの移動速度が速い場合であっても、情報を表示する前にユーザが該当する地名を通過してしまうのを防止することができる。
【0053】
実施の形態4.
この実施の形態4では、ユーザの発話を音声認識し、認識結果に基づいた情報を提示する構成を示す。
図9は、実施の形態4によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態4のナビゲーション装置20bは、図5で示したナビゲーション装置20に、認識辞書データベース24、集音部25、音声認識部26を追加して設けている。また、情報表示部6cは、内部構成として音声処理部6dを追加して備えている。なお、以下では、実施の形態2で示したナビゲーション装置20の構成要素と同一または相当する部分には図5で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0054】
音声処理部6dは、ホットワード群104に含まれる各ホットワード、各ホットワードに付与されている地名および地図情報データベース22に格納されている地名に関する情報(例えば、地名に関連する人物名)から、単語と音響モデルとの関係を表現した発音情報205を生成し、認識辞書データベース24に格納する。
【0055】
認識辞書データベース24は、認識語彙の音響特徴ベクトルの時系列パターンをモデル化した、音声パターンモデルを格納している。この実施の形態4では、認識辞書データベース24には音声の特徴をモデル化した音響モデル、認識単位間の接続規則を定めた構文規則型の言語モデル、および各認識単位と音響モデルの関係を記述した発音情報205を格納する。音響モデルはHMM(Hidden Markov Model)とし、言語モデルにおける認識単位は単語単位とする。なお、認識辞書データベース24に発音情報205を追加する場合に、単語に含まれる音響モデルの数が所定の閾値を下回る場合、認識辞書データベース24への追加は行わない。これにより、短すぎる単語を認識辞書データベース24に追加するのを抑制し、不要な認識結果の湧き出しを抑止する。
【0056】
集音部25は、ナビゲーション装置20bの周辺で発せられる音声を常時集音し、集音した音声に応じた音声信号207を生成する。音声認識部26は、集音部25が生成した音声信号207を分析して音響特徴ベクトルを取得する。この実施の形態4では、音響特徴ベクトルはMFCCおよびΔMFCCとする。次に、認識辞書データベース24の格納情報206を用いてビタビアルゴリズムによって音声認識を行う。音声信号207に相当する発音情報205が認識辞書データベース24に格納されていた場合には、ホットワード群104に含まれる各ホットワード、各ホットワードに付与されている地名および地図情報データベース22に格納されている地名に関する情報が音声認識されたと判断できる。認識した文字列および認識結果の確からしさを示す認識スコアのペアを複数、音声認識結果208として出力する。なお、音声認識に用いる音響特徴ベクトルはMFCCおよびΔMFCCに限定されるものではなく、例えば音声のパワーやΔΔMFCCなどを用いてもよい。また、音声認識のアルゴリズムについてもビタビアルゴリズムに限定されるものではなく、WFSTなどのアルゴリズムを用いてもよい。
【0057】
情報表示部6cは、音声認識部26の音声認識結果208を参照し、各ホットワード、各ホットワードに付与された地名、および各地名に関連する情報のいずれかが認識された場合に、地図上に特徴コメントおよび絶対的な日付を表示する。
【0058】
次に、ナビゲーション装置20bの動作について説明する。
図10および図11は実施の形態4によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートであり、図10は経路設定を行う際の動作を示し、図11は経路走行時の動作を示している。
まず、図10を参照しながら、経路設定を行う際のナビゲーション装置20bの動作について説明する。
情報表示部6cが日付の差分値が所定値を上回るホットワードを除外すると(ステップST12)、情報表示部6cの音声処理部6dは各ホットワード、各ホットワードに付与されている地名、地図情報データベース22に格納されている地名に関する情報から単語と音響モデルとの関係を表現した発音情報205を生成し、認識辞書データベース24に格納し(ステップST41)、処理を終了する。
【0059】
次に、図11を参照しながら、設定された経路上を移動している際のナビゲーション装置20bの動作について説明する。なお、ナビゲーション装置20bの情報表示部6cは、表示画面上に地図および設定された経路を表示しているものとする。
ユーザが発話を行うと、集音部25が当該発話を検出して集音を行い、音声信号207を生成する(ステップST51)。音声認識部26は、ステップST51で生成された音声信号207を分析して音響特徴ベクトルを取得する(ステップST52)。さらに音声認識部26は、認識辞書データベース24に格納された格納情報206である音響モデル、言語モデルおよび発音情報を用いて、ステップST52で取得した音響特徴ベクトルの音声認識を行い、認識した文字列、および結果の確からしさを示す認識スコアを音声認識結果208として出力する(ステップST53)。
【0060】
情報表示部6cは、ステップST53で出力された音声認識結果208を参照し、各ホットワード、各ホットワードに付与された地名および地名に関連する情報のいずれかが含まれているか否か判定を行う(ステップST54)。音声認識結果208に、ホットワード、ホットワードに付与された地名、地名に関する情報のいずれも含まれていない場合(ステップST54;NO)、ステップST51の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0061】
一方、音声認識結果208にホットワード、ホットワードに付与された地名、地名に関する情報のいずれかが含まれている場合(ステップST54;YES)、対応するホットワードに対応付けられたコメントと、当該ホットワードに付与されている絶対的な日付を地図上に表示し(ステップST55)、ステップST51の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0062】
以上のように、この実施の形態4によれば、各ホットワード、各ホットワードに付与されている地名および地図情報データベース22に格納されている地名に関する情報から、単語と音響モデルとの関係を表現した発音情報205を生成する音声処理部6dと、集音部25が生成した音声信号207を音声認識して音響特徴ベクトルを取得し、音声認識結果208を出力する音声認識部26と、音声認識結果208を参照して各ホットワード、各ホットワードに付与された地名、および各地名に関連する情報のいずれかが認識された場合に、地図上に特徴コメントおよび絶対的な日付を表示する情報表示部6cを備えるように構成したので、ユーザがある地名やイベントなどに興味を持って発話した場合に、当該地名やイベントなどに関連するリアルタイムな情報をユーザに分かり易く提示することができる。
【0063】
なお、上述した実施の形態4では、実施の形態2のナビゲーション装置の構成に認識辞書データベース24、集音部25、音声認識部26および音声処理部6dを追加して設ける構成を示したが、図1で示した実施の形態1の情報処理装置10、および図7で示した実施の形態3のナビゲーション装置20bに適用してもよい。
【0064】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0065】
1,1a コメント収集部、2,2a 特徴コメント抽出部、3 特徴パターンデータベース、4 ホットワード抽出部、5 関連情報解析部、6,6a,6c 情報表示部、6b 位置情報処理部、6d 音声処理部、7 地名抽出部、10 情報処理装置、20,20a,20b ナビゲーション装置、21 経路設定部、22 地図情報データベース、23 位置情報取得部、24 認識辞書データベース、25 集音部、26 音声認識部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11