(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、普通型コンバイン1について説明する。
【0015】
図1及び
図2に示すように、コンバイン1は、走行部10と、刈取部20と、脱穀部30と、選別部40と、穀粒貯溜部50と、排藁処理部60と、操縦部70と、エンジン80と、発電機81と、を備える。
【0016】
走行部10は、機体2の下部に設けられる。走行部10は、左右一対のクローラを有するクローラ式走行装置11を有しており、このクローラ式走行装置11により機体2を前進又は後進方向に走行させることができるように構成される。
【0017】
刈取部20は、機体2の前方に設けられ、機体2に対して昇降可能に支持される。刈取部20は、リール21と、刈刃22と、プラットホームオーガ(PFオーガ)23と、フィーダハウスコンベア(FHコンベア)24と、を有している。リール21、刈刃22、及びPFオーガ23は刈取フレーム25により支持されている。刈取フレーム25と機体2の間にはフィーダハウス26が設けられており、フィーダハウス26内にはFHコンベア24が設けられている。また、刈取部20には、リール21、刈刃22、PFオーガ23、及びFHコンベア24を駆動させるための電動モータ91a・92a・93a・94aが設けられている。オーガ用電動モータ93a、減速機93b、及びPFオーガ23の取り付け構造についての詳細な説明は後述する。
【0018】
刈取部20は、リール21により穀稈を掻き込み、刈刃22により掻込後の穀稈の株元を切断し、そして、刈り取った穀稈をPFオーガ23により寄せ集めてからFHコンベア24へ受け渡して、FHコンベア24により脱穀部30へ搬送することができるように構成される。
【0019】
脱穀部30は、機体2の左側上部に設けられ、刈取部20の後方に配置される。
図3に示すように、脱穀部30は、扱胴31と、コンケーブ32と、を有している。脱穀部30は、扱胴31及びコンケーブ32により刈取部20から搬送されてくる穀稈を後方へ送りながら脱穀し、その脱穀物を漏下させることができるように構成される。
【0020】
選別部40は、機体2の左側下部に設けられ、脱穀部30の下方に配置される。
図3に示すように、選別部40は、揺動選別装置41と、風選別装置42と、穀粒搬送装置43と、二番還元装置44と、を有している。選別部40は、揺動選別装置41により脱穀部30から落下する脱穀物を穀粒や藁屑などに揺動選別し、風選別装置42により揺動選別後のものを更に穀粒と藁屑などとに風選別し、穀粒搬送装置43により選別後の穀粒を穀粒貯溜部50側へ搬送することができるように構成される。
【0021】
揺動選別装置41は、第一チャフシーブ41aと、第二チャフシーブ41bと、篩分部材41cと、を有している。揺動選別装置41は、扱胴31の下方に配置される。揺動選別装置41には揺動機構41dが設けられる。揺動機構41dは、第一チャフシーブ41a、第二チャフシーブ41b、及び篩分部材41cを機体2に対して揺動させる。
【0022】
第一チャフシーブ41a及び第二チャフシーブ41bは、左右方向に等間隔ごとに横架された複数のチャフフィンを有している。前記各チャフフィンは、その角度を変更可能に構成され、それぞれが若干前低後高に傾斜した状態で前後に並置される。篩分部材41cは、櫛状部材で構成され、第一チャフシーブ41aの後端部に歯部を後方へ向けて設けられ、第二チャフシーブ41bの前部の上方に位置するように配置される。
【0023】
揺動選別装置41は、第一チャフシーブ41a、第二チャフシーブ41b、及び篩分部材41cを揺動させることによって、脱穀部30から落下する脱穀物から穀粒を粗選別し、その粗選別後のものを風選別装置42へ漏下させることができるようになっている。このときの漏下量は、第一チャフシーブ41a及び第二チャフシーブ41bでそれぞれ複数のチャフフィンの角度が変更されることにより調節される。
【0024】
風選別装置42は、唐箕42aと、一番コンベア42bと、二番コンベア42cと、を有している。唐箕42aは、回転可能に支持され、機体2の左側の前端寄りに配置される。一番コンベア42b及び二番コンベア42cは、それぞれ唐箕42aの後方に配置され、互いに前後に並置される。風選別装置42には、唐箕42aを回転駆動させるための唐箕用電動モータ95aが設けられている。
【0025】
風選別装置42は、唐箕42aを回転駆動させることによって、選別風を起して後方へ送り、当該選別風を揺動選別装置41から落下する穀粒や藁屑に当てて、これらを比重選別する。そして、これらのうちの、比重の重いものが選別風の影響を受けずに一番コンベア42bへ落下するのに対して、比重の軽いものが選別風により後方へ運ばれて、二番コンベア42cへ落下し、更に軽い塵埃等が後方へ排出される。
【0026】
風選別装置42は、また、一番コンベア42bを駆動させることによって、この一番コンベア42bに落下してきたものを、一番物として右側へ送って穀粒搬送装置43へ渡す。穀粒搬送装置43は、この一番物を穀粒貯溜部50側へ搬送する。
【0027】
また、風選別装置42は、二番コンベア42cを駆動させることによって、この二番コンベア42cに落下してきたものを二番物として右側へ送って二番還元装置44の二番搬送装置44aへ渡す。
【0028】
二番還元装置44は、二番搬送装置44aと、二番処理装置44bとを備える。二番搬送装置44aは、揺動選別装置41及び風選別装置42の右側方で前後方向に延設され、前高後低に傾斜した状態で配置される。二番処理装置44bは、揺動選別装置41の前端部の上方に位置するように配置され、二番搬送装置44aと接続される。
【0029】
二番還元装置44は、二番搬送装置44aで受けた二番物を二番処理装置44bへ送り、二番処理装置44bで二番物に対して、枝梗を除去するなどの処理を行ったあと、揺動選別装置41に落下させて戻すことができるようになっている。こうして、揺動選別装置41及び風選別装置42を経た二番物が繰り返し選別される。
【0030】
図1及び
図2に示すように、穀粒貯溜部50は、機体2の右側の前後中央部に設けられ、脱穀部30及び選別部40の右方に配置される。穀粒貯溜部50は、穀粒タンク51と、穀粒排出装置52と、を有している。穀粒貯溜部50は、選別部40から搬送されてくる穀粒を穀粒タンク51で貯溜し、穀粒排出装置52により貯溜中の穀粒を任意の方向に搬送してから外部へ排出することができるように構成される。
【0031】
排藁処理部60は、機体2の左側後上方に設けられ、脱穀部30及び選別部40の後方に配置される。排藁処理部60は、脱穀部30からの脱穀済みの穀稈を排藁として外部へ排出するとともに、選別部40からの藁屑や塵埃などを外部へ排出することができるように構成される。
【0032】
操縦部70は、機体2の右側前端から前方に出っ張るように設けられ、穀粒貯溜部50の前方に配置される。操縦部70には、リール21を操作するためのリール用操作具71や、刈刃22を操作するための刈刃用操作具72や、PFオーガ23を操作するためのオーガ用操作具73や、FHコンベア24を操作するためのコンベア用操作具74や、唐箕42aを操作するための唐箕用操作具75が設けられている(
図5参照)。また、操縦部70には、ステアリングハンドル76及び変速レバーを含む各種の操作具や、操縦席や、キャビン77が設けられている。
【0033】
図2に示すように、エンジン80は、機体2の右側前端に設けられ、操縦部70の下方に配置される。エンジン80の左方には発電機81が設けられている。発電機81はエンジン80に接続されており、エンジン80の回転を伝達されて駆動する。機体2の右側後端には、バッテリ82が設けられている。バッテリ82は、発電機81と電気的に接続されており、発電機81で発電した電力を蓄えることが可能である。
【0034】
以下では、コンバイン1の動力伝達について説明する。コンバイン1は、エンジン80の動力を、走行部10、脱穀部30、選別部40(唐箕42aを除く)、穀粒貯溜部50、及び排藁処理部60に、トランスミッションを含む動力伝達系を介して伝達して、エンジン80の動力によりこれらの各部を駆動させる。また、コンバイン1は、刈取部20の各部(リール21、刈刃22、PFオーガ23、及びFHコンベア24)、並びに選別部40の唐箕42aに関しては、電動モータ(三相交流モータ)91a・92a・93a・94a・95aの動力により駆動させる(
図5参照)。
【0035】
次に、電動モータ91a・92a・93a・94a・95a及びその周辺機器の構成について説明する。
【0036】
図4に示すように、通常走行時(エンジン80の回転時)においては、発電機81はエンジン80により駆動して交流電力を発生する。そして、この交流電力がインバータ83により直流電力に変換される。そして、前記直流電力はインバータ192・193・194によりそれぞれ交流電力に変換されて、電動モータ92a・93a・94aにそれぞれ供給される。また、前記直流電力はDC−DCコンバータ84により電圧が調整された後、インバータ191・195によりそれぞれ交流電力に変換されて、電動モータ91a・95aにそれぞれ供給される。従って、消費電力が発電電力より少ない場合、リール21、刈刃22、PFオーガ23、FHコンベア24及び唐箕42aが、発電機81からの電力で駆動され、余剰電力がバッテリ82に蓄えられる。また、消費電力が発電電力より多い場合、バッテリ82からも電力供給される。
【0037】
エンジン80の停止時においては、バッテリ82に蓄えられている電力が、インバータ191・192・193・194・195を介して電動モータ91a・92a・93a・94a・95aにそれぞれ供給される。従って、エンジン80の停止時には、リール21、刈刃22、PFオーガ23、FHコンベア24及び唐箕42aが、バッテリ82からの電力で駆動する。
【0038】
図5に示すように、制御装置100には、操作具71・72・73・74・75、及びインバータ191・192・193・194・195が接続されている。制御装置100は、操作具71・72・73・74・75から信号を受信することによって、インバータ191・192・193・194・195を制御して、電動モータ91a・92a・93a・94a・95aの回転を操作する。これにより、制御装置100は、リール21、刈刃22、PFオーガ23、FHコンベア24及び唐箕42aの動作を制御する。
【0039】
従来、エンジンの動力は、複数個の伝動ベルト及びプーリを介して、刈取部の各部や唐箕に伝達されるように構成されていた。これに対して、本実施形態におけるコンバイン1は、刈取部20の各部(リール21、刈刃22、PFオーガ23、及びFHコンベア24)や、選別部40の唐箕42aに電動モータ91a・92a・93a・94a・95aをそれぞれ接続して、各電動モータ91a・92a・93a・94a・95aの動力で刈取部20の各部や唐箕42aを個別に駆動するように構成する。これにより、従来使用していた伝動ベルトや伝動プーリ等の、エンジンに接続するための部品を削除することができると共に、刈取部20や唐箕42aへの動力伝達系を簡単化することができる。また、刈取部20の各部(リール21、刈刃22、PFオーガ23、及びFHコンベア24)や、選別部40の唐箕42aに関しては、動力伝達系が、エンジン80との動力伝達系と別系統となっているので、エンジン80とは無関係に、電動モータ91a・92a・93a・94a・95aの出力軸をそれぞれ回転させて、メンテナンスや調整等を容易に行うことができる。
【0040】
また、コンバイン1は、作業状況に応じて回転速度を調整した方が良い部位(刈取部20の各部や唐箕42a)については、それぞれに動力源(電動モータ91a・92a・93a・94a・95a)を設けることで、それぞれの回転速度を調整可能に構成する。そして、一定回転速度が必要な部位(脱穀部30や発電機81)については、エンジン80を動力源とする。このように、コンバイン1は、各部の特性を考慮して、動力源を複数種類設けることで、作業性を向上させている。
【0041】
図2に示すように、コンバイン1は、刈取部20に電動モータ91a・92a・93a・94aを設けて、機体2の後端(穀粒貯溜部50の後方)にバッテリ82を設ける。これは、刈取部20に電動モータ91a・92a・93a・94aを設けることによってコンバイン1の重心が前側に偏るが、機体2の後端にバッテリ82を設けることによって、コンバイン1の前後の重量バランスを整えて、重心の偏りを抑制するためである。これにより、コンバイン1の姿勢を安定させることが可能となる。
【0042】
以下では、刈取フレーム25、PFオーガ23及びオーガ用電動モータ93aの配置構造について説明する。
【0043】
図6に示すように、刈取フレーム25の前下部には刈刃22が設けられており、刈取フレーム25の前後中央部にはPFオーガ23が設けられており、刈取フレーム25の左側後方にはフィーダハウス26が設けられている。
【0044】
刈取フレーム25は、左右一対の側壁25a・25bと、側壁25a・25b間の後部右側に設けられる後板25cと、側壁25a・25b間の下部に設けられる底板25dと、によって構成されている。側壁25a・25b間の後部左側には、フィーダハウス26が連結される開口25eが形成されている。PFオーガ23によって寄せ集められた穀稈が、開口25eを通じてFHコンベア24へ移送されるように構成されている。
【0045】
PFオーガ23は、略円筒形状を有しており、左右方向に延びる回転軸を有している。PFオーガ23の外周には、穀桿を刈取フレーム25の開口25eの前方に寄せ集めるために、開口25eの中央に向かって傾斜した搬送螺旋23aが設けられている。PFオーガ23は、刈取フレーム25の側壁25a・25bの間に架設されており、回転可能に支持されている。PFオーガ23には、オーガ用駆動装置93が接続されている。
【0046】
オーガ用駆動装置93は、PFオーガ23を駆動させるための動力を生成するものである。オーガ用駆動装置93は、オーガ用電動モータ93a及び減速機93bで構成される。
【0047】
図6及び
図9に示すように、オーガ用電動モータ93aは、PFオーガ23の側部(右側部)に設けられている。オーガ用電動モータ93aの出力軸93cの軸線と、PFオーガ23の回転軸の軸線とが同一直線L上に配置されている。これにより、オーガ用電動モータ93aの回転を、プーリ、ベルト部材等を用いることなくPFオーガ23へ伝達することが可能となり、PFオーガ23への動力伝達系をコンパクトに構成することが可能である。
【0048】
また、オーガ用電動モータ93aの出力軸93cと、PFオーガ23の間には減速機93bが設けられている。減速機93bは、例えば遊星歯車機構で構成されている。
【0049】
オーガ用電動モータ93aの出力軸93cの回転は、減速機93bで減速されてからPFオーガ23に伝達されて、PFオーガ23が駆動する。減速機93bを設けることによって、小型のモータで低速高トルクを得ることが可能となる。このように、オーガ用駆動装置93が、オーガ用電動モータ93aと減速機93bによってPFオーガ23を駆動させるための動力を生成している。
【0050】
減速機93bはPFオーガ23内に右方から入り込んでいる。PFオーガ23内とは、PFオーガ23の内周面で囲まれる空間である。このように、オーガ用駆動装置93は、PFオーガ23の側部に設けられ、PFオーガ23内に入り込む部分(減速機93b)を有する。これにより、オーガ用駆動装置93がPFオーガ23から側方に突出する突出量を抑えることが可能となり、刈幅Wからのオーガ用駆動装置93の突出量(オーガ用駆動装置93の出代)を抑えることが可能である。
【0051】
以下では、オーガ用電動モータ93a、減速機93b、及びPFオーガ23の取り付け構造について説明する。
【0052】
図6〜
図10に示すように、刈取フレーム25の右側壁25bには、PFオーガ23内部に通じる孔が形成されており、オーガ用電動モータ93aの本体部93dは、当該孔を通じてPFオーガ23内へ突出している。オーガ用電動モータ93aの本体部93dにはモータフランジ部93hを介してケース93eが固定されており、ケース93eの外周にはケースフランジ部93fが固定されている。右側壁25bの左方にはケースフランジ部93fが存在しており、右方には右取付板25gが存在しており、右側壁25bがケースフランジ部93fと右取付板25gで左右から挟まれた状態となっている。右取付板25gは右側壁25bに固定されている。また、右取付板25gの右方には右支持板25hが存在している。右側壁25b、ケースフランジ部93f、右取付板25g、及び右支持板25hが締結部材(ボルト及びナット)25iで締め付けられることによって、ケースフランジ部93fが右側壁25bに固定された状態となり、オーガ用電動モータ93aが刈取フレーム25に固定された状態となる。なお、右取付板25g及び右側壁25bには長孔25j・25sが形成されており、長孔25j・25sには締結部材25iが挿通している。そして、締結部材25iの締め付け位置が長孔25j・25sの範囲内で変更されることで、オーガ用電動モータ93aと共にPFオーガ23の右端部の位置が変更されるように構成されている。また、右支持板25hの上端が、右取付板25gにボルト及びナット25kで接続されて、右支持板25hの高さが保持されている。
【0053】
オーガ用電動モータ93aの出力軸93cは、左右方向に延びており、刈取フレーム25内に突出している。オーガ用電動モータ93aの出力軸93cの左端には減速機93bが接続されている。減速機93bの出力軸(不図示)には羽状の連結部材93gが固定されており、連結部材93gはPFオーガ23の内周面に固定されている。これにより、減速機93bの出力軸とPFオーガ23が一体回転するように構成されている。
【0054】
図6及び
図11に示すように、刈取フレーム25の左側壁25aには、PFオーガ23内部に通じる孔が形成されている。左側壁25aの左方には左取付板25mが存在しており、左取付板25mが左側壁25aの前記孔を塞ぐように配置されている。左取付板25mには、支持部材25nがボルト及びナット25tで固定されている。支持部材25nには軸部25uが回転自在に挿通しており、軸部25uには円盤部25oが固定されている。円盤部25oは、PFオーガ23の内周面に固定されており、PFオーガ23と一体回転する。左側壁25aの右方には中央部に孔の空いた板材25pが配置されており、左側壁25aが板材25pと左取付板25mで左右から挟まれた状態となっている。左側壁25a、板材25p、及び左取付板25mは、締結部材(ボルト及びナット)25qで締結されている。左側壁25aには長孔25rが形成されており、長孔25rには締結部材25qが挿通している。そして、締結部材25qの締め付け位置が長孔25rの範囲内で変更されることで、PFオーガ23の左端部の位置が変更されるように構成されている。
【0055】
係る構成を有するコンバイン1においては、締結部材25i・25qの締め付け位置を長孔25j・25s・25rの範囲内で変更することで、PFオーガ23、並びにオーガ用駆動装置93(オーガ用電動モータ93a及び減速機93b)が一体変位して、PFオーガ23と、刈取フレーム25の底板25dとの間の間隔αが変更されるように構成される。
【0056】
これにより、穀稈の種類や取り込む速度に応じて、PFオーガ23と、刈取フレーム25の底板25dとの間の間隔αを変更して、作業性を向上させることが可能である。
【0057】
また、従来、エンジンの動力をプーリ、Vベルト等を用いてPFオーガまで伝達していた。そして、PFオーガと刈取フレームの底板との間の間隔を変更した場合には、前記プーリとPFオーガとの位置関係が変わるので、Vベルトの張り具合の調整作業が行われていた。しかし、本実施形態のように構成することで、PFオーガ23と刈取フレーム25の底板25dとの間の間隔αを変更する場合に、オーガ用駆動装置93がPFオーガ23と一体変位するので、従来のような調整作業を行う必要がなく、PFオーガ23と刈取フレーム25の底板25dとの間の間隔αの変更作業を円滑に行える。
【0058】
なお、上記実施形態では、オーガ用駆動装置93を、オーガ用電動モータ93aと減速機93bで構成したが、これに限定されず、オーガ用駆動装置93を、オーガ用電動モータ93aのみで構成してもよい。詳細に説明すると、オーガ用電動モータ93aの出力軸93cの軸線と、PFオーガ23の回転軸の軸線を同一直線上に配置して、オーガ用電動モータ93aをPFオーガ23内に入り込ませる。そして、オーガ用電動モータ93aの出力軸93cをPFオーガ23の内周面に固定するように構成する。これにより、オーガ用電動モータ93aがPFオーガ23内に入り込み、オーガ用電動モータ93aの出代を抑えることが可能となる。また、オーガ用電動モータ93aの回転を、プーリ、ベルト部材等を用いることなくPFオーガ23へ伝達することが可能となり、PFオーガ23への動力伝達系をコンパクトに構成することが可能となる。