特許第6033152号(P6033152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6033152受話品質測定方法、受話品質測定装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033152
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】受話品質測定方法、受話品質測定装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/24 20060101AFI20161121BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20161121BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   H04M1/24 B
   H04R3/00 310
   H04R1/00 317
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-69615(P2013-69615)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-192878(P2014-192878A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】堀内 俊治
(72)【発明者】
【氏名】加藤 恒夫
【審査官】 藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−060601(JP,A)
【文献】 特開2006−279862(JP,A)
【文献】 特開2007−189578(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0061843(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0238370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
H04M 1/24− 1/82
H04M 99/00
H04R 1/00− 1/46
H04R 3/00− 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳介振動型受話器の受話品質ヘッドアンドトルソシミュレータで評価する受話品質評価方法であって、
電話帯域の周波数のうち予め定められた複数の周波数の純音を周波数毎に受話器から発信するステップと、
ヘッドアンドトルソシミュレータを介して前記受話器から発信された純音を録音するステップと、
発信された純音の音圧ヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波の音圧とが同じ大きさとなるように予め周波数毎に調整された音波のゲインを取得、前記録音された音波を前記予め周波数毎に調整された音波のゲインで補正するステップと、を備え、
前記補正後の音波前記ヘッドアンドトルソシミュレータ評価することを特徴とする受話品質評価方法。
【請求項2】
耳介振動型受話器の受話品質をヘッドアンドトルソシミュレータで評価する受話品質評価方法であって、
電話帯域の周波数のうち予め定められた複数の周波数の純音を周波数毎に受話器から発信するステップと、
ヘッドアンドトルソシミュレータを介して前記受話器から発信された純音を録音するステップと、
発信された純音の音圧とヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波の音圧とが同じ大きさとなるように予め周波数毎に調整された音波のゲインを取得し、前記録音された音波を前記予め周波数毎に調整された音波のゲインで補正するステップと、
前記補正後の音波が、予め定められた基準値を満たすかどうかを、前記ヘッドアンドトルソシミュレータを用いて評価するステップと、を備えることを特徴とする受話品質評価方法。
【請求項3】
耳介振動型受話器の受話品質ヘッドアンドトルソシミュレータで評価する受話品質評価装置であって、
電話帯域の周波数のうち予め定められた複数の周波数の純音が周波数毎に受話器から発信され、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波を入力する入力部と、
発信された純音の音圧とヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波の音圧とが同じ大きさとなるように予め周波数毎に調整された音波のゲインを取得し、前記録音された音波を前記予め周波数毎に調整された音波のゲインで補正する処理部と、を備え、
前記補正後の音波前記ヘッドアンドトルソシミュレータで評価することを特徴とする受話品質評価装置。
【請求項4】
耳介振動型受話器の受話品質をヘッドアンドトルソシミュレータで評価する受話品質評価装置であって、
電話帯域の周波数のうち予め定められた複数の周波数の純音が周波数毎に受話器から発信され、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波を入力する入力部と、
発信された純音の音圧とヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波の音圧とが同じ大きさとなるように予め周波数毎に調整された音波のゲインを取得し、前記録音された音波を前記予め周波数毎に調整された音波のゲインで補正する処理部と、
前記補正後の音波が、予め定められた基準値を満たすかどうかを、前記ヘッドアンドトルソシミュレータを用いて評価する判定部と、を備えることを特徴とする受話品質評価装置。
【請求項5】
耳介振動型受話器の受話品質ヘッドアンドトルソシミュレータで評価する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
電話帯域の周波数のうち予め定められた複数の周波数の純音が周波数毎に受話器から発信され、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波を入力する処理と、
発信された純音の音圧とヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波の音圧とが同じ大きさとなるように予め周波数毎に調整された音波のゲインを取得し、前記録音された音波を前記予め周波数毎に調整された音波のゲインで補正する処理と、
前記補正後の音波が、予め定められた基準値を満たすかどうかを前記ヘッドアンドトルソシミュレータを用いて評価する処理と、を備えることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、耳介振動型受話器の音響伝達特性を測定する受話品質測定方法、装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、「Recommendation ITU-T P.58」に基づいて、メーカで製作された移動機の通話特性評価が行なわれている。この通話特性評価は、例えば、ラウドネス、送受話周波数特性、スペクトル歪みなどを測定し、移動機の通話特性が規定値(またはマスクカーブ)の要件を満たすかどうかを評価している。「Recommendation ITU-T P.58」では、電話網や送受話器を客観的に評価するため、通話品質測定のためのヘッドアンドトルソシミュレータ(以下、「HATS」と呼称する。)が規定されている(非特許文献1)。
【0003】
「Recommendation ITU-T P.58」に準拠したHATSには、例えば、非特許文献2に開示されているように、「Bruel & Kjar Type 4128-D」がある。HATSは、耳介で受けた音波から、人が鼓膜で受ける音圧を模擬するため、耳介形状と剛性を模擬した「Pinna Simulator」と、外耳道特性を模擬した「Ear Simulator」から構成されている。
【0004】
一方、近年、人の耳介やその周辺を振動させ、音波を発生させるとともに、外耳道やその周辺を経て、内耳に振動を伝えることで、音を知覚させるタイプの受話器、すなわち、「耳介振動型受話器」が提案されている。この「耳介振動型受話器」は、例えば、積層型圧電セラミックアクチュエータでタッチパネルディスプレイを振動させ、人の耳介を振動させることによって、音波を発生させ、外耳道を経由して内耳に振動を伝えている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“Head and torso simulator for telephonometry”, Recommendation ITU-T P.58 (2011).
【非特許文献2】“Head and Torso Simulator (HATS)-Type 4128-D”, URL http://bksv.com.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、「Pinna Simulator」は、それ自体を振動させることは想定されていない。また、「Ear Simulator」は、外耳道特性を模擬して構成されているが、外耳道自体は有していない。つまり、HATSでは、人の耳介やその周辺を振動させるタイプの受話器、すなわち、耳介振動型受話器を客観的に評価することができない。従って、耳介振動型受話器を搭載した移動機については、HATSによる客観評価の代わりに主観評価を行なわなければならず、時間と費用が嵩んでしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、HATSを用いて耳介振動型受話器を客観的に評価することができる受話品質測定方法、受話品質測定装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の通話品質測定方法は、耳介振動型受話器の音響伝達特性を評価する受話品質測定方法であって、受話器から周波数毎に音波を発信するステップと、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して前記音波を録音するステップと、前記録音された音波と前記発信された音波との差分特性を取得するステップと、前記録音された音波を前記差分特性で補正するステップと、を含み、前記補正後の音波が、予め定められた基準値を満たすかどうかを判定することを特徴とする。
【0009】
このように、受話器から周波数毎に音波を発信し、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して音波を録音し、録音された音波と発信された音波との差分データを取得し、録音された音波を差分特性で補正するので、耳介振動型受話器を搭載した移動機についても、従来必要とされていた主観評価を行なう必要はなく、HATSによる客観評価を行なうことが可能となる。これにより、主観評価よりも時間と費用が少ない受話品質測定を行なうことが可能となる。
【0010】
(2)また、本発明の受話品質測定方法において、前記差分特性は、前記録音された音波が前記発信された音波と同じ音の大きさとなるように、前記録音された音波のゲインを調整することによって生成されることを特徴とする。
【0011】
このように、差分特性は、録音された音波が発信された音波と同じ音の大きさとなるように、録音された音波のゲインを調整することによって生成されるので、耳介振動型受話器を搭載した移動機についても、従来必要とされていた主観評価を行なう必要はなく、HATSによる客観評価を行なうことが可能となる。
【0012】
(3)また、本発明の受話品質測定装置は、耳介振動型受話器の音響伝達特性を評価する受話品質測定装置であって、受話器から周波数毎に発信され、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波を入力する入力部と、前記録音された音波と前記発信された音波との差分特性を取得し、前記録音された音波を前記差分特性で補正する処理部と、前記補正後の音波が、予め定められた基準値を満たすかどうかを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
このように、受話器から周波数毎に音波を発信し、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して音波を録音し、録音された音波と発信された音波との差分特性を取得し、録音された音波を差分特性で補正するので、耳介振動型受話器を搭載した移動機についても、従来必要とされていた主観評価を行なう必要はなく、HATSによる客観評価を行なうことが可能となる。これにより、主観評価よりも時間と費用が少ない受話品質測定を行なうことが可能となる。
【0014】
(4)また、本発明の受話品質測定装置において、前記差分特性は、前記録音された音波が前記発信された音波と同じ音の大きさとなるように、前記録音された音波のゲインを調整することによって生成されることを特徴とする。
【0015】
このように、差分特性は、録音された音波が発信された音波と同じ音の大きさとなるように、録音された音波のゲインを調整することによって生成されるので、耳介振動型受話器を搭載した移動機についても、従来必要とされていた主観評価を行なう必要はなく、HATSによる客観評価を行なうことが可能となる。
【0016】
(5)また、本発明のプログラムは、耳介振動型受話器の音響伝達特性を評価する受話品質測定装置のプログラムであって、受話器から周波数毎に発信され、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波を入力する処理と、前記録音された音波と前記発信された音波との差分特性を取得し、前記録音された音波を前記差分特性で補正する処理と、前記補正後の音波が、予め定められた基準値を満たすかどうかを判定する処理と、を含み、前記差分特性は、前記録音された音波が前記発信された音波と同じ音の大きさとなるように、前記録音された音波のゲインを調整することによって生成されることを特徴とする。
【0017】
このように、受話器から周波数毎に音波を発信し、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して音波を録音し、録音された音波と発信された音波との差分特性を取得し、録音された音波を差分特性で補正するので、耳介振動型受話器を搭載した移動機についても、従来必要とされていた主観評価を行なう必要はなく、HATSによる客観評価を行なうことが可能となる。これにより、主観評価よりも時間と費用が少ない受話品質測定を行なうことが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、耳介振動型受話器を搭載した移動機についても、従来必要とされていた主観評価を行なう必要はなく、HATSによる客観評価を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態の全体の概念を示す図である。
図2】本実施形態に係る受話品質測定装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】周波数とゲインとの関係を示すグラフである。
図4】本実施形態に係る受話品質測定装置の動作を示すフローチャートである。
図5】ゲインの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態では、HATS(ヘッドアンドトルソシミュレータ)を介した受話音とオペレータが直接聴取した受話音との差を検出する。このために、周波数毎に純音を再生し、同一のオペレータがHATSを介してヘッドホンで聴取した音と直接聴取した音とを比較し、音圧が同一と感じるように、ゲインを調整する。なお、ここでは、オペレータ毎の等ラウドネス曲線や聴覚損失の差は含まないものとする。また、外耳道の共振周波数の差は、ヘッドホン特性をHATSで測定し、測定結果に反映させるものとする。
【0021】
図1は、本実施形態の全体の概念を示す図である。図1に示すように、HATSに受話器を取り付ける。次に、受話器から周波数毎に音波を発信し、HATSを介して前記音波を録音する。周波数は、例えば、電話帯域の「0.3、0.5、0.8、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.4kHz」とする。次に、前記録音された音波を人がヘッドホンで聴取する。
【0022】
一方、図1において、受話器から周波数毎に音波を発信し、人が聴取する。このとき、それぞれの音の大きさが同じとなるまで、ゲインを調節する。これにより、補正特性としてのゲインを得る。この補正特性としてのゲインとヘッドホン特性を用いて、HATSを介して前記録音された音波を補正することによって、評価対象となる音を得ることが可能となる。
【0023】
図2は、本実施形態に係る通信品質測定装置の概略構成を示すブロック図である。入力部1から周波数毎の音波(トーン)を入力する。この音波は、例えば、録音されたものを用いることができる。処理部3は、録音された音波と、発信された音波との差分特性としての補正特性を取得する。図2では、ローパスフィルタ(LPF)として取得した例を示している。図3は、周波数とゲインとの関係を示すグラフである。ここでは、「HATS」と「HATS、ゲイン調整およびヘッドホン特性」と、それらの差分を示している。「HATS」と「HATS、ゲイン調整およびヘッドホン特性」とが右上がりのグラフとなるのは、素子特性による。また、HATSの耳介を振動させたとき、周波数特性は線形を示す。一方、人の耳介を振動させたときの周波数特性は、ローパスフィルタを構成する。
【0024】
本発明者らは、図3に示すように、この差分特性は、ローパスフィルタを構成していることを見出した。従って、差分特性によるローパスフィルタをHATSで得た特性にかけることにより、主観評価との差分を無くすことが可能となる。すなわち、図2に示した処理部3は、取得した差分特性を用いて録音された音波を補正する。判定部5は、基準値を取得し、補正後の特性(評価対象音)が、基準値を満たすかどうかを判定する。表示部7は、補正後の特性や判定後の特性を表示する。
【0025】
図4は、本実施形態に係る受話品質測定装置の動作を示すフローチャートである。図4において、ステップS1〜ステップS11は、差分特性を取得するための動作を示し、ステップT1〜ステップT8は、HATSを介して録音した音を差分特性で補正するための動作を示している。まず、音波を周波数毎に入力して周波数毎に差分特性を取得する。周波数を決定して開始する(ステップS1)。次に、トーン(音波)をハンドセットから再生し(ステップS2)、これをHATSで録音する(ステップS3)。ここで、ゲイン0のトーンを得る(ステップS4)。次に、オペレータがステップS3で録音したトーンをヘッドホンで聴取する(ステップS5)。一方、ステップS2に再生したトーンをオペレータがハンドセットで聴取する(ステップS6)。
【0026】
次に、ステップS5においてヘッドホンで聴取したトーンと、ステップS6においてハンドセットで聴取したトーンとを比較して、どちらの音量が大きいかを判断する(ステップS7)。ヘッドホンの音量の方が大きい場合は、ゲインをダウンさせて(ステップS8)、ステップS5に遷移する。一方、ヘッドホンの音量の方が小さい場合は、ゲインをアップさせて(ステップS9)、ステップS5に遷移する。
【0027】
ステップS5においてヘッドホンで聴取したトーンと、ステップS6においてハンドセットで聴取したトーンとが同じ音量である場合は、ゲインを書き出して(ステップS10)、その周波数における測定を終了する(ステップS11)。
【0028】
図5は、ステップS10で得られるゲインの例を示す図である。図5では、異なる3種類の移動機の受話器におけるゲインとそれらの平均値を示している。
【0029】
次に、HATSを用いた受話品質測定を行なう。ここでも音波を周波数毎に入力して周波数毎に差分特性を取得する。周波数を決定して開始する(ステップT1)。次に、トーン(音波)をハンドセットから再生し(ステップT2)、これをHATSで録音する(ステップT3)。次に、ステップS10で得たゲイン(差分特性)読み込む(ステップT4)。ここでは、例えば、図5に示すようなゲインを用いることができる。そして、ヘッドホン特性を示す特性を読み込み(ステップT5)、差分補正を行ない(ステップT6)、出力する(ステップT7)。そして、その周波数における測定を終了する(ステップT8)。
【0030】
なお、本実施形態は、コンピュータにプログラムを実行させることで実現することも可能である。すなわち、本実施形態に係るプログラムは、耳介振動型受話器の音響伝達特性を評価する受話品質測定装置のプログラムであって、受話器から周波数毎に発信され、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して録音された音波を入力する処理と、前記録音された音波と前記発信された音波との差分特性を取得し、前記録音された音波を前記差分特性で補正する処理と、前記補正後の音波が、予め定められた基準値を満たすかどうかを判定する処理と、を含み、前記差分特性は、前記録音された音波が前記発信された音波と同じ音の大きさとなるように、前記録音された音波のゲインを調整することによって生成される。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、受話器から周波数毎に音波を発信し、ヘッドアンドトルソシミュレータを介して音波を録音し、録音された音波と発信された音波との差分特性を取得し、録音された音波を差分特性で補正するので、耳介振動型受話器を搭載した移動機についても、従来必要とされていた主観評価を行なう必要はなく、HATSによる客観評価を行なうことが可能となる。これにより、主観評価よりも時間と費用が少ない受話品質測定を行なうことが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
1 入力部
3 処理部
5 判定部
7 表示部


図1
図2
図3
図4
図5