特許第6033182号(P6033182)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6033182-画像読取装置 図000002
  • 特許6033182-画像読取装置 図000003
  • 特許6033182-画像読取装置 図000004
  • 特許6033182-画像読取装置 図000005
  • 特許6033182-画像読取装置 図000006
  • 特許6033182-画像読取装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033182
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/19 20060101AFI20161121BHJP
   H04N 1/46 20060101ALI20161121BHJP
   H04N 1/60 20060101ALI20161121BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20161121BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   H04N1/04 103E
   H04N1/46 Z
   H04N1/40 D
   G06T1/00 510
   H04N1/04 D
   G06T1/00 410
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-156529(P2013-156529)
(22)【出願日】2013年7月29日
(65)【公開番号】特開2015-27026(P2015-27026A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2015年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】大谷 晃三
【審査官】 宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開平2−170673(JP,A)
【文献】 特開平10−173950(JP,A)
【文献】 特開2008−147980(JP,A)
【文献】 特開2012−257140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 − 1/207
G06T 1/00
G06T 5/00 − 5/50
H04N 1/40 − 1/409
H04N 1/46 − 1/64
H04N 5/30 − 5/378
H04N 9/04 − 9/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取対象からの光に基づいて読取画像を出力するセンサーと、
前記読取画像内でRGBの3色とも飽和している画素を全色飽和画素として検出する全色飽和検出部と、
前記読取画像内でRGBの1色または2色が飽和している画素を部分色飽和画素として検出する部分色飽和検出部と、
所定の閾値以上連続する前記全色飽和画素に隣接する、1または複数の連続する前記部分色飽和画素を、補正対象の画素位置として特定する補正位置特定部と、
前記補正対象の画素位置の色値のうち、飽和している色値を補正するか、飽和していない色値を補正する色値補正部と、
を備え
前記色値補正部は、前記補正対象の画素位置の色値のうちの飽和していない色値を、飽和値に変更すること、
を特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
画像読取対象からの光に基づいて読取画像を出力するセンサーと、
前記読取画像内でRGBの3色とも飽和している画素を全色飽和画素として検出する全色飽和検出部と、
前記読取画像内でRGBの1色または2色が飽和している画素を部分色飽和画素として検出する部分色飽和検出部と、
所定の閾値以上連続する前記全色飽和画素に隣接する、1または複数の連続する前記部分色飽和画素を、補正対象の画素位置として特定する補正位置特定部と、
前記補正対象の画素位置の色値のうち、飽和している色値を補正するか、飽和していない色値を補正する色値補正部と、
を備え、
前記色値補正部は、前記読取画像内でRGBのいずれの色も飽和していないある画素領域における3色の色値の比率と、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和していない色値とに基づいて、前記補正対象の画素位置の色値のうちの飽和している色値を補正することを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
前記色値補正部は、前記読取画像内でRGBのいずれの色も飽和していないある画素領域における3色のそれぞれの色値の平均値もしくは合計値の比率、またはそれぞれの色値の比率の平均値と、前記補正対象の画素位置の色値のうちの飽和していない色値とに基づいて、前記補正対象の画素位置の色値のうちの飽和している色値を補正することを特徴とする請求項記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCD(Charge Coupled Device)センサーを用いた画像読取装置では、原稿台ガラス上の原稿に対して光源からの光を照射し、原稿面での反射光の一部をCCDセンサーの受光面に結像させる。そして、CCDセンサーは、受光面上に結像した画像を画素ごとに電気信号に変換することで、画像を読み取っている。
【0003】
このような画像読取装置は、通常、平面状の原稿画像を読み取る装置であり、原稿面で拡散した乱反射光の一部をCCDセンサーに結像させている。
【0004】
しかしながら、例えば貴金属、腕時計などの立体的な光沢物や、光沢のあるクレジットカードの画像を読み取る場合、光沢物の反射率や置き方(反射角度)によっては、そのような画像読取対象の一部から正反射光がCCDセンサーに入射し、CCDセンサーの出力が飽和して、その部分の画像が白くなる。
【0005】
さらに、その正反射光が強い場合、ブルーミングが発生することがある。ブルーミングとは、CCDセンサーのある画素に一定以上の光量が入射した場合、その画像で発生した電荷が周囲の画素にまであふれ出てしまう現象である。そのため、ブルーミングが発生すると、正反射光により飽和した画素の周囲の画素の信号が破壊されてしまう。特に、RGB3色のうち1色または2色でブルーミングが発生すると、画像読取対象の本来の色とは異なる色が、画像内に発生してしまう。
【0006】
このような問題を解決する方法として、光源の光量設定値を変更することでCCDセンサー出力の飽和およびブルーミングの発生を防ぐ方法が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−038713号公報
【特許文献2】特開平7−203158号公報
【特許文献3】特開平9−331423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の方法では、CCDが飽和しない低光量で、画像全体を読み取るため、ブルーミングによる画像劣化は防ぐことはできるが、画像全体の画質が低下してしまう。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、高光量で画像全体の画質を維持しつつ、ブルーミングによる画像劣化を軽減する画像読取装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像読取装置は、画像読取対象からの光に基づいて読取画像を出力するセンサーと、前記読取画像内でRGBの3色とも飽和している画素を全色飽和画素として検出する全色飽和検出部と、前記読取画像内でRGBの1色または2色が飽和している画素を部分色飽和画素として検出する部分色飽和検出部と、所定の閾値以上連続する前記全色飽和画素に隣接する、1または複数の連続する前記部分色飽和画素を、補正対象の画素位置として特定する補正位置特定部と、前記補正対象の画素位置の色値のうち、飽和している色値を補正するか、飽和していない色値を補正する色値補正部とを備える。そして、前記色値補正部は、前記補正対象の画素位置の色値のうちの飽和していない色値を、飽和値に変更する。
【0011】
本発明に係る画像読取装置は、画像読取対象からの光に基づいて読取画像を出力するセンサーと、前記読取画像内でRGBの3色とも飽和している画素を全色飽和画素として検出する全色飽和検出部と、前記読取画像内でRGBの1色または2色が飽和している画素を部分色飽和画素として検出する部分色飽和検出部と、所定の閾値以上連続する前記全色飽和画素に隣接する、1または複数の連続する前記部分色飽和画素を、補正対象の画素位置として特定する補正位置特定部と、前記補正対象の画素位置の色値のうち、飽和している色値を補正するか、飽和していない色値を補正する色値補正部とを備える。そして、前記色値補正部は、前記読取画像内でRGBのいずれの色も飽和していないある画素領域における3色の色値の比率と、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和していない色値とに基づいて、前記補正対象の画素位置の色値のうちの飽和している色値を補正する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像読取において、高光量で画像全体の画質を維持しつつ、ブルーミングによる画像劣化を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す画像読取装置の動作を説明するフローチャートである。
図3図3は、ブルーミングが発生した場合のRGBの各色値の分布の一例を示す図である。
図4図4は、実施の形態1における色値補正の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態2における色値補正の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態3における色値補正の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
実施の形態1.
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置の構成を示すブロック図である。なお、この画像読取装置は、コピー機、複合機などの画像形成装置に内蔵されていてもよいし、スキャナー機としてもよい。
【0019】
図1に示す画像読取装置は、CCD1、ADコンバーター2、および画像補正部3を備える。
【0020】
CCD1は、図示せぬプラテンガラスに載置された原稿や上述の光沢のある立体物などの、画像読取対象からの反射光に基づいて、画像読取対象の画像を電気信号として出力するセンサーであり、ある条件でブルーミングが発生するセンサーである。
【0021】
ADコンバーター2は、CCD1から出力されるアナログ電気信号をデジタル信号に変換する回路である。例えば、ADコンバーター2は、CCD1から出力されるRGB3色のアナログ電気信号をRGBの8ビットデジタル信号に変換する。
【0022】
画像補正部3は、ブルーミングが発生している画素を検出し、その画素の色値を補正する。画像補正部3は、飽和検出回路11R,11G,11B、AND回路12、カウンター13、OR回路14、AND回路15、制御部16、および補正回路17を有する。
【0023】
飽和検出回路11Rは、R(赤)のデジタル信号から、1画素ずつ、Rの色値を取得し、その色値が飽和値であることを検出し、検出結果を示す1ビットの信号を出力する回路である。
【0024】
Rのデジタル信号が8ビットのデジタル信号である場合、飽和検出回路11Rは、Rの色値が255であるときには、出力信号をハイレベルとし、Rの色値が254以下であるときには、出力信号をローレベルとする。
【0025】
飽和検出回路11Gは、G(緑)のデジタル信号から、1画素ずつ、Gの色値を取得し、その色値が飽和値であることを検出し、検出結果を示す1ビットの信号を出力する回路である。
【0026】
Gのデジタル信号が8ビットのデジタル信号である場合、飽和検出回路11Gは、Gの色値が255であるときには、出力信号をハイレベルとし、Gの色値が254以下であるときには、出力信号をローレベルとする。
【0027】
飽和検出回路11Bは、B(青)のデジタル信号から、1画素ずつ、Bの色値を取得し、その色値が飽和値であることを検出し、検出結果を示す1ビットの信号を出力する回路である。
【0028】
Bのデジタル信号が8ビットのデジタル信号である場合、飽和検出回路11Bは、Bの色値が255であるときには、出力信号をハイレベルとし、Bの色値が254以下であるときには、出力信号をローレベルとする。
【0029】
AND回路12は、飽和検出回路11R,11G,11Bの出力信号の論理積を演算し、その演算結果を出力する。
【0030】
カウンター13は、AND回路12の出力がハイレベルになった回数(つまり、RGBの3色とも色値が飽和した画素(全色飽和画素)の個数)をカウントする。
【0031】
OR回路14は、飽和検出回路11R,11G,11Bの出力信号の論理和を演算し、その演算結果を出力する。
【0032】
AND回路15は、OR回路14の出力信号と、AND回路14の出力信号を反転させた信号との論理積を演算し、その演算結果を出力する。
【0033】
つまり、AND回路15は、RGBの1色または2色の色値が飽和している画素(部分色飽和画素)については、出力信号をハイレベルとし、それ以外の画素については、出力信号をローレベルとする。
【0034】
なお、実施の形態1では、飽和検出回路11R,11G,11BおよびAND回路12が、読取画像内でRGBの3色とも飽和している画素を全色飽和画素として検出する全色飽和検出部として機能する。また、飽和検出回路11R,11G,11B、OR回路14およびAND回路15が、読取画像内でRGBの1色または2色が飽和している画素を部分色飽和画素として検出する部分色飽和検出部として機能する。
【0035】
制御部16は、OR回路14の出力がローレベルであるとき(つまり、いずれの色値も飽和していないとき)、カウンター13のカウント値をゼロにリセットする。これにより、カウンター13のカウント値は、連続する全飽和画素の数を示す。
【0036】
そして、制御部16は、所定の閾値(例えば5)以上連続する全色飽和画素に隣接する、1または複数の連続する部分色飽和画素を、ブルーミングが発生している補正対象の画素位置として特定する。
【0037】
補正回路17は、制御部16によりブルーミングが発生している補正対象として特定された画素を補正する。補正回路17は、その補正対象の画素位置の色値(RGBの3つの色値)のうち、飽和している色値を補正するか、飽和していない色値を補正する。
【0038】
実施の形態1では、補正回路17は、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和していない色値を、飽和値(例えば、色値が8ビットの値である場合には、255)に変更する。
【0039】
次に、上記実施の形態1に係る画像読取装置の動作について説明する。
【0040】
図2は、図1に示す画像読取装置の動作を説明するフローチャートである。
【0041】
CCD1は、読取画像のRGBアナログ信号を、主走査方向に沿って1画素ずつ出力し、1ラインの画素の色値の出力が完了すると、次のラインについて、主走査方向に沿って1画素ずつ読取画像のRGBアナログ信号を出力する。ADコンバーター2は、そのRGBアナログ信号をRGBデジタル信号に変換し、そのRGBデジタル信号を画像補正部3に出力する。
【0042】
そして、画像補正部3では、飽和検出回路11R,11G,11Bが、各注目画素の3つ(R,G,B)の色値を取得し(ステップS1)、その3つの色値がそれぞれ飽和しているか否かを示す出力信号を、AND回路12およびOR回路14に出力する。
【0043】
その3つの色値とも飽和している場合(ステップS2)、つまり、注目画素が全色飽和画素である場合、AND回路12の出力信号がハイレベルとなり、カウンター13がカウントアップする(ステップS3)。なお、この場合、OR回路14の出力信号もハイレベルとなるが、AND回路12の出力信号がハイレベルであるので、AND回路15の出力信号はローレベルとなる。これにより、制御部16は、注目画素が部分色飽和画素ではないと判定する。
【0044】
その3つの色値のうち1つまたは2つが飽和している場合(ステップS2,S4)、AND回路12の出力信号はローレベルとなり、かつ、OR回路14の出力信号はハイレベルとなり、AND回路15の出力信号は、ハイレベルとなる。なお、この場合、AND回路12の出力信号はローレベルであるので、カウンター13はカウントアップしない。
【0045】
そして、制御部16は、AND回路15の出力信号がハイレベルであるので、注目画素が部分色飽和画素であると判定し、カウンター13のカウント値が所定の閾値(設定値)以上であるか否かを判定し(ステップS5)、カウンター13のカウント値が所定の閾値以上である場合、注目画素の色値の補正を補正回路17に対して指示する。補正回路17は、その指示に従って、注目画素の色値の補正を行う(ステップS6)。補正回路17は、補正後の色値を図示せぬ後段の画像処理部へ出力する。
【0046】
その3つの色値のうちのいずれも飽和していない場合(ステップS2,S4)、OR回路14の出力信号はローレベルとなる。OR回路14の出力信号はローレベルである場合、制御部16は、注目画素が全色飽和画素ではないと判定し、カウンター13のカウント値をゼロにリセットする(ステップS7)。
【0047】
また、注目画素が部分色飽和画素であるがカウンター13のカウンター値が閾値以上ではない場合(ステップS5)、制御部16は、注目画素が全色飽和画素ではないと判定し、カウンター13のカウント値をゼロにリセットする(ステップS7)。
【0048】
そして、制御部16は、注目画素が1ライン中の最終画素であるか否かを判定し(ステップS8)、注目画素が1ライン中の最終画素である場合、そのラインについての処理を終了し、カウンター13のカウント値をリセットし、次のラインを同様に処理する(ステップS1〜S7)。
【0049】
図3は、ブルーミングが発生した場合のRGBの各色値の分布の一例を示す図である。図4は、実施の形態1における色値補正の一例を示す図である。
【0050】
図3に示す場合、1ライン内の500番目から504番目までの画素が全色飽和画素であり、505番目から519番目までの画素が部分色飽和画素である。また、505番目から513番目までの画素では、RとGの2色のみが飽和しており、514番目から519番目までの画素では、Rの1色のみが飽和している。
【0051】
この場合において、例えば上述の閾値が5に設定されていると、実施の形態1では、図4に示すように、505番目から513番目までの画素については、飽和していないBの色値が、飽和値(=255)に変更され、514番目から519番目までの画素については、飽和していないGとBの色値が、飽和値(=255)に変更される。
【0052】
以上のように、上記実施の形態1に係る画像読取装置は、読取画像内でRGBの3色とも飽和している画素を全色飽和画素として検出するとともに、読取画像内でRGBの1色または2色が飽和している画素を部分色飽和画素として検出する。そして、制御部16は、所定の閾値以上連続する全色飽和画素に隣接する、1または複数の連続する部分色飽和画素を、補正対象の画素位置として特定する。
【0053】
さらに、実施の形態1では、補正回路17は、その補正対象の画素位置の色値のうち、飽和していない色値を飽和値に補正する。これにより、ブルーミングが発生している部分色飽和画素の色が無彩色に変更され、ブルーミングが目立たなくなる。
【0054】
したがって、高光量での画像読取によって画像全体の画質を低下させずに、ブルーミングによる画像劣化が軽減される。
【0055】
実施の形態2.
【0056】
実施の形態2では、補正回路17は、その補正対象の画素位置の色値のうち、飽和している色値を補正する。
【0057】
具体的には、実施の形態2では、補正回路17は、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和している色値が2色である場合、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和している色値を、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和していない色値と同一の値に変更し、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和している色値が1色である場合、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和している色値を、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和していない2つの色値の中間の値(例えば平均値)に変更する。
【0058】
図5は、実施の形態2における色値補正の一例を示す図である。
【0059】
図3に示す場合において、例えば上述の閾値が5に設定されていると、実施の形態2では、図5に示すように、505番目から513番目までの画素については、飽和しているRおよびGの色値が、飽和していないBの色値と同一の値に変更され、514番目から519番目までの画素については、飽和しているRの色値が、飽和していないGとBの色値の平均値に変更される。
【0060】
なお、実施の形態2に係る画像読取装置のその他の構成および動作については、実施の形態1に係る画像読取装置と同様であるので、その説明を省略する。
【0061】
以上のように、上記実施の形態2によれば、部分色飽和画素のうち、2色が飽和している画素の色は無彩色に変更され、1色が飽和している画素の彩度が低くなるため、ブルーミングが目立たなくなる。
【0062】
したがって、高光量での画像読取によって画像全体の画質を低下させずに、ブルーミングによる画像劣化が軽減される。
【0063】
実施の形態3.
【0064】
実施の形態3では、補正回路17は、その補正対象の画素位置の色値のうち、飽和している色値を補正する。
【0065】
具体的には、実施の形態3では、補正回路17は、読取画像内でRGBのいずれの色も飽和していないある画素領域における3色の色値の比率に基づいて、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和している色値を補正する。
【0066】
具体的には、補正回路17は、読取画像内でRGBのいずれの色も飽和していないある画素領域における3色のそれぞれの色値の平均値もしくは合計値の比率、またはそれぞれの色値の比率の平均値と、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和していない色値とに基づいて、補正対象の画素位置の色値のうちの飽和している色値を補正する。
【0067】
図6は、実施の形態3における色値補正の一例を示す図である。
【0068】
図3に示す場合において、例えば上述の閾値が5に設定されていると、実施の形態3では、まず、正常画像領域である520番目から525番目の画素についてのRGBの各色値の比率(ここでは、Bの色値に対するRの色値の比率と、Bの色値に対するGの色値の比率)の平均値をそれぞれ計算する。
【0069】
そして、図6に示すように、505番目から513番目までの画素については、飽和しているRの色値が、飽和していないBの色値とRとBとの比率R/Bの平均値との積の値に変更され、飽和しているGの色値が、飽和していないBの色値とGとBとの比率G/Bの平均値との積の値に変更される。
【0070】
また、514番目から519番目までの画素については、飽和しているRの色値が、飽和していないBの色値とRとBとの比率R/Bの平均値との積の値に変更される。
【0071】
なお、514番目から519番目までの画素(1色のみが飽和している画素)については、飽和しているRの色値を、飽和していないBの色値とRとBとの比率R/Bの平均値との積および飽和していないGの色値とRとGとの比率R/Gの平均値との積の平均値に変更するようにしてもよい。
【0072】
なお、実施の形態3に係る画像読取装置のその他の構成および動作については、実施の形態1に係る画像読取装置と同様であるので、その説明を省略する。
【0073】
以上のように、上記実施の形態3によれば、連続する部分色飽和画素の色が、その連続する部分色飽和画素に隣接する正常画像領域(RGBのいずれの色も飽和していないある所定の画素数の領域)における色値の比率に基づいて、部分色飽和画素値において飽和している色値が補正される。そのため、ブルーミングが発生している領域の色相が、その領域に隣接する正常画像領域の色相に近づき、ブルーミングが目立たなくなる。
【0074】
したがって、高光量での画像読取によって画像全体の画質を低下させずに、ブルーミングによる画像劣化が軽減される。
【0075】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0076】
例えば、上述の実施の形態1〜3では、図1に示すような専用回路で処理を行っているが、その代わりに、画像処理プログラムを、画像読取装置、画像形成装置、それらのホスト装置内のコンピューターで実行させることで、その処理を実行させるようにしてもよい。その場合、画像処理プログラムは、コンピューターにより読取可能な記録媒体に記憶されている。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、例えば、スキャナー機、コピー機、複合機などに適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
11R,11G,11B 飽和検出回路(全色飽和検出部の一例の一部,部分色飽和検出部の一例の一部)
12 AND回路(全色飽和検出部の一例の一部)
14 OR回路(部分色飽和検出部の一例の一部)
15 AND回路(部分色飽和検出部の一例の一部)
16 制御部(補正位置特定部の一例)
17 補正回路(色値補正部の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6