特許第6033214号(P6033214)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033214
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】ボイラの外装板取付構造
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/02 20060101AFI20161121BHJP
   F23M 20/00 20140101ALI20161121BHJP
【FI】
   F22B37/02 B
   F23M20/00
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-271371(P2013-271371)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-124967(P2015-124967A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2015年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】沖本 貴寛
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】工藤 敏文
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 利彦
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭64−31337(JP,U)
【文献】 特開2001−200729(JP,A)
【文献】 実開昭52−089503(JP,U)
【文献】 実開昭60−154708(JP,U)
【文献】 実開昭60−86707(JP,U)
【文献】 実開平1−144641(JP,U)
【文献】 特開2010−127246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/02
F22B 37/10
F22B 37/36
F23M 5/00
F23M 5/04
F23M 20/00
F01N 1/04
F01N 1/24
F02C 7/00
F02C 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラの炉壁の外面に対して隙間を有して対向支持された吸音材の外面を複数の外装板で覆う外装板取付構造であって、
側縁にそれぞれ重ね合わせ部を有し、前記吸音材の外面に沿って相互に前記重ね合わせ部を重ねて配列された複数の前記外装板が配設され、
前記外装板の前記重ね合わせ部に沿って延在された固定板が設けられ、
相互に重ね合わされた前記外装板の2つの重ね合わせ部と前記固定板と前記吸音材とを貫通して締結するボルト及びナットが設けられ、
前記ボルト及びナットによる締結によって、相互に重ね合わされた前記外装板の2つの重ね合わせ部が前記固定板に密着されて前記吸音材に固定されている
ことを特徴とするボイラの外装板取付構造。
【請求項2】
前記固定板は、相互に重ね合わされる2つの重ね合わせ部間に配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載のボイラの外装板取付構造。
【請求項3】
前記固定板は、相互に重ね合わされる前記外装板のいずれか一方の重ね合わせ部に固着されている
ことを特徴とする請求項2に記載のボイラの外装板取付構造。
【請求項4】
前記外装板は、前記吸音材の上下方向へ延びる凸条と凹溝が該吸音材の幅方向に沿って交互に位置する波形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のボイラの外装板取付構造。
【請求項5】
前記外装板は、前記凸条及び前記凹溝が断面視四角状に形成されて、前記凸条と前記凹溝が前記吸音材の幅方向に沿って交互に位置する矩形波形状に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のボイラの外装板取付構造。
【請求項6】
前記固定板は、前記ボルト及び前記ナットによる締結時に変形が抑制可能な剛性を有している
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のボイラの外装板取付構造。
【請求項7】
前記吸音材の裏面には、該裏面に沿って配置され、複数の孔部を有して前記ボイラから発生する音を通して前記吸音材に導く透音部材が設けられ、
前記透音部材は、相互に重ね合わされた前記外装板の2つの重ね合わせ部と前記固定板と前記吸音材とともに、前記ボルト及び前記ナットによって締結されて前記吸音材に固定されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のボイラの外装板取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボイラの炉壁に対向支持された吸音材の外面を複数の外装板で覆う外装板取付構造に係る。
【背景技術】
【0002】
燃料を燃焼させて得られる熱によって水を加熱して高温高圧の蒸気を得る装置として、ボイラが知られている。このボイラは、燃料の燃焼時に、火炉を形成する炉壁が振動して騒音が発生する。
【0003】
また、特許文献1には、ガスタービンで生成される燃焼ガスの持つエネルギを回収して蒸気を発生させ、得られた蒸気を用いて蒸気タービンにより発電を行う排熱回収ボイラのダクト壁構造が開示されている。このダクト壁構造は、ガス流側の内板と外気側の外板の間に保温部材を充填し、内板と外板の中間部に中間部材を配置し、内板と中間部材とをスタッドボルトにより間隔保持し、外板と中間部材とをスタッドボルトにより間隔保持して、防振性ワッシャを介してスタッドボルトと外板を締め付けるように構成されている。この排熱回収ボイラのダクト壁構造によれば、外板と内板の間の騒音伝搬経路は、内板→スタッドボルト→中間板→スタッドボルト→外板となり、騒音が内板から外板に伝搬される騒音経路と比較して、経路長が長くなり、騒音を小さくすることができる。
【0004】
この特許文献1に記載のダクト壁構造をボイラの炉壁に適用しても、騒音が大きい場合には、騒音を完全に遮断することが困難な場合がある。そこで、炉壁の外面に沿って吸音材を配設し、吸音材の外面に沿って外装板を配設してもよい。外装板は、吸音材を通過する騒音が外部に漏れ出すのを規制するとともに、吸音材を通過した騒音を反射させて遮音板内に再び戻す機能を有する。
【0005】
この外装板の設置は作業者が行うため、外装板は作業者が施工可能な大きさに設定される。このため、吸音材の外面を覆うには、複数の外装板を繋ぎ合わせた状態で吸音材の外面に固定する必要がある。そこで、外装板と吸音材とを貫通させたボルトにナットを螺合して締結すると、複数の外装板を吸音材に固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−159347号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、外装板を吸音材に確実に固定するためにボルトの締結力を上げると、ボルトによって締め付けられた外装板の部分が吸音材の内部側へ食い込むようにして変形する。従って、外装板を締結する複数のボルト間の外装板が撓み、外装板と吸音材の外面との間に隙間が発生し、この隙間から騒音が漏れ出す虞が生じる。
【0008】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、ボイラの炉壁に対向支持された吸音材の外面を複数の外装板で覆う場合において、外装板を吸音材にボルトで締結固定する際に、外装板と吸音材の側面との間に隙間が発生し難いボイラの外装板取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の幾つかの実施形態に係わるボイラの外装板取付構造は、
ボイラの炉壁の外面に対して隙間を有して対向支持された吸音材の外面を複数の外装板で覆う外装板取付構造であって、
側縁にそれぞれ重ね合わせ部を有し、前記吸音材の外面に沿って相互に前記重ね合わせ部を重ねて配列された複数の前記外装板が配設され、
前記外装板の前記重ね合わせ部に沿って延在された固定板が設けられ、
相互に重ね合わされた前記外装板の2つの重ね合わせ部と前記固定板と前記吸音材とを貫通して締結するボルト及びナットが設けられ、
前記ボルト及びナットによる締結によって、相互に重ね合わされた前記外装板の2つの重ね合わせ部が前記固定板に密着されて前記吸音材に固定されているように構成される。
【0010】
上記ボイラの外装板取付構造によれば、外装板の重ね合わせ部に沿って延在された固定板が設けられ、相互に重ね合わされた外装板の2つの重ね合わせ部と固定板と吸音材とを貫通して締結するボルト及びナットが設けられているので、ボルト及びナットによって、相互に重ね合わされた外装板の2つの重ね合わせと固定板と吸音材とが締結されると、ボルト及びナットによる締結力は、固定板を介して固定板の延在方向に平均的に分散される。このため、相互に重ね合わされた外装板の2つの重ね合わせ部は、固定板の延在方向に分散された締結力によって変形が抑制されて固定板に密着した状態となって吸音材に固定される。よって、外装板と吸音材との間に隙間が発生し難いボイラの外装板取付構造を実現できる。
【0011】
また、幾つかの実施形態では、
前記固定板は、相互に重ね合わされる2つの重ね合わせ部間に配設されているように構成される。
【0012】
この場合には、固定板は、相互に重ね合わされる2つの重ね合わせ部間に配設されているので、固定板の厚さ方向一方側の面に2つの重ね合わせ部の一方が面接触し、固定板の厚さ方向他方側の面に2つの重ね合わせ部の他方が面接触する。そして、ボルト及びナットによって、相互に重ね合わされる外装板の2つの重ね合わせ部と固定板と吸音材とが締結されると、2つの重ね合わせ部が固定板の両面に密着して変形がより抑制される。よって、外装板と吸音材との間に、より隙間が発生し難いボイラの外装板取付構造を実現できる。
【0013】
また、幾つかの実施形態では、
前記固定板は、相互に重ね合わされる前記外装板のいずれか一方の重ね合わせ部に固着されているように構成される。
【0014】
この場合には、相互に重ね合わされる外装板のいずれか一方の重ね合わせ部に固着されているので、外装板の重ね合わせ部に沿って固定板を配設する作業者の労力を軽減することができる。
【0015】
また、幾つかの実施形態では、
前記外装板は、前記吸音材の上下方向へ延びる凸条と凹溝が該吸音材の幅方向に沿って交互に位置する波形状に形成されている。
【0016】
この場合には、外装板の凸条と凹溝が吸音材の上下方向へ延びるとともに該吸音材幅方向に沿って交互に位置して波形状に形成されているので、外装板の上下方向に対して直交する側の曲げ剛性を向上させることができる。このため、外装板を吸音材の側面に沿って配置する際に、外装板が屈曲して配置作業をし難くする事態を未然に防止することができる。
【0017】
また、幾つかの実施形態では、
前記外装板は、前記凸条及び前記凹溝が断面視四角状に形成されて、前記凸条と前記凹溝が前記吸音材の幅方向に沿って交互に位置する矩形波形状に形成されるように構成される。
【0018】
この場合には、外装板は、凸条及び凹溝が断面視四角状に形成されて、凸条と凹溝が吸音材の幅方向に沿って交互に位置する矩形波形状に形成されているので、外装板の重ね合わせ部を平板状に形成することができる。このため、重ね合わせ部に接触する固定板も平板状にすることができ、ボイラの外装板取付構造を簡素化することができる。
【0019】
また、幾つかの実施形態では、
前記固定板は、前記ボルト及び前記ナットによる締結時に変形が抑制可能な剛性を有しているように構成される。
【0020】
この場合には、固定板は、ボルト及びナットによる締結時に変形が抑制可能な剛性を有しているので、ボルト及びナットによって、相互の重ね合わされる外装板の2つの重ね合わせ部と固定板と吸音材とを締結する際に、固定板の変形が抑制される。このため、相互の重ね合わされる外装板の2つの重ね合わせ部の変形をより確実に抑えることができる。
【0021】
また、幾つかの実施形態では、
前記吸音材の裏面には、該裏面に沿って配置され、複数の孔部を有して前記ボイラから発生する音を通して前記吸音材に導く透音部材が設けられ、
前記透音部材は、相互に重ね合わされた前記外装板の2つの重ね合わせ部と前記固定板と前記吸音材とともに、前記ボルト及び前記ナットによって締結されて前記吸音材に固定されているように構成される。
【0022】
この場合、吸音材の裏面に沿って複数の孔部を有した透音部材が配設され、透音部材は、相互に重ね合わされた外装板の2つの重ね合わせ部と固定板と吸音材とともに、ボルト及びナットによって締結されて吸音材に固定されるので、ボルト及びナットによる締結力は透音部材を介して吸音材に作用する。このため、締結力は透音部材に沿って分散されるので、ボルト及びナットが吸音材に食い込んで吸音材が変形する虞を防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態によれば、外装板を吸音材にボルトで締結固定する際に、外装板と吸音材の側面との間に隙間が発生し難いボイラの外装板取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】同図(a)は、同図(b)のIa−Ia矢視に相当する遮音構造体の断面図であり、同図(b)は、遮音構造体の側面図である。
図2図1(b)のIb−Ib矢視に相当するボイラの外装板取付構造を備える遮音構造体の断面図である。
図3】同図(a)は、重ね合わされた外装板の2つの重ね合わせ部の表面側に固定板が配置された場合の遮音構造体の部分断面図であり、同図(b)は、重ね合わされた外装板の2つの重ね合わせ部の裏面側に配置された場合の遮音構造体の部分断面図である。
図4】外装板の凸条を重ね合わせ部とした場合の遮音構造体の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に従って本発明のボイラの外装板取付構造の実施形態について、図1図4を参照しながら説明する。本実施形態では、断面視において矩形波形状に形成された外装板を例にしたボイラの外装板取付構造について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0026】
先ず、本発明のボイラの外装板取付構造を説明する前に、ボイラの外装板取付構造が設けられる吸音材をボイラに支持するための吸音材支持構造について図2を参照しながら説明する。吸音材支持構造は、図2(断面図)に示すように、上下方向に延びるボイラ60の炉壁61の外面61aに突出して取り付けられた複数の支持部材63を備えている。複数の支持部材63は、炉壁61の外面61aに上下方向に間隔を有して配設されるとともに、炉壁61の外面61aの幅方向に間隔を有して配設されている。この支持部材63によって、保持部材65を介して後述する遮音構造体50を保持可能である。支持部材63の高さは、外装板取付構造に用いられるボルト40が炉壁61の外面61aに接触しないような隙間67を形成するとともに、炉壁61の外面61aに保温材68を設置可能な大きさを有している。
【0027】
保持部材65は、側面視においてH形に形成されて炉壁61の外面61aに沿って直線状に延びたいわゆるH型鋼から形成されている。保持部材65は、側面視において幅方向に対称的に構成され、上下方向に略並行に延びる左右一対のフランジ部左65a及びフランジ部右65bと、フランジ部左65a及びフランジ部右65bの上下方向中央部間を繋ぐ板状のウェブ65cとを有してなる。フランジ部右65bが上下方向に延びた状態で支持部材63の先端部に固定されて、保持部材65は炉壁61の外面61aに沿ってスライド移動可能である。
【0028】
保持部材65のウェブ65cの内側面には、上下方向に間隔を有して配置された2つの保持部材65間に向かって突出された突出板66が取り付けられている。突出板66は、保持部材65のフランジ部左65aに沿って延びている。なお、突出板66は、遮音構造体50が保持部材65に保持された後に、ウェブ65cの内側面に固着される(例えば、溶接によって固着される)。突出板66とフランジ部右65bとの間の寸法Xは、後述する吸音材10に外装板20や固定板30が設けられた遮音構造体50を収容可能な大きさを有している。このため、突出板66とフランジ部右65bとの間に遮音構造体50を収容すると、突出板66及びフランジ部右65bによって遮音構造体50の保持部材65幅方向の移動を規制することができる。
【0029】
次に、本発明のボイラの外装板取付構造について、図1図4を参照しながら説明する。ボイラの外装板取付構造は、図1(a)、図1(b)に示すように、側縁にそれぞれ重ね合わせ部20aを有し、吸音材10の外面10aに沿って相互に重ね合わせ部20aを重ねて配列された複数の外装板20と、外装板20の重ね合わせ部20aに沿って延在された固定板30と、相互に重ね合わされた外装板20の2つの重ね合わせ部20aと固定板30と吸音材10とを貫通して締結するボルト40及びナット43とを有してなる。
【0030】
吸音材10は、側面視において長方形状に形成された板状部材であり、ガラス繊維又は鉄鋼石から生まれた繊維を集めて形成されている。このため、吸音材10は荷重が作用すると潰れる虞があるため、大きな荷重を作用させることができない。吸音材10は、作業者が把持して運ぶことが可能な大きさ(例えば、横寸法600mm、縦寸法1800mm)に形成されている。吸音材10には、外装板20を吸音材10の外面10aに沿って取り付けるためのボルト挿通孔10bが複数設けられている。このボルト挿通孔10bは、上下方向に一定の間隔を有して設けられている。
【0031】
外装板20は、板金を折り曲げ加工して成形され、上下方向へ延びる凸条21及び凹溝23が幅方向に交互に位置する矩形波形状に形成されるとともに、外装板20の全体が側面視において縦長の長方形状に形成されている。外装板20は、作業者が把持して運ぶことが可能な大きさ(例えば、横寸法600mm、縦寸法1800mm)を有している。凸条21及び凹溝23は、側面視において略同じ大きさの正方形状に形成されている。外装板20の幅方向両側の側縁には、凸条21及び凹溝23に沿って上下方向に延びる板状の重ね合わせ部20aが形成されている。この重ね合わせ部20aは、側面視において長方形状に形成され、重ね合わせ部20aの幅は、外装板20を吸音材10に固定するナット43を回転させる工具が挿入可能な大きさを有している。
【0032】
重ね合わせ部20aには、上下方向に一定間隔を有して複数の孔部20bが設けられている。この孔部20bにボルト40の軸部40aが挿通される。この孔部20bの間隔は、吸音材10に設けられた複数のボルト挿通孔10bの間隔と同一である。
【0033】
固定板30は、側面視において長方形状に形成された板状部材である。固定板30の上下方向長さは、外装板20の重ね合わせ部20aの上下方向長さと略同じ長さを有している。また、固定板30の幅は、外装板20の重ね合わせ部20aの幅よりも小さい。固定板30の幅方向中央部には、上下方向に間隔を有して複数の孔部30aが設けられている。複数の孔部30bの間隔は、吸音材10に設けられた複数のボルト挿通孔10bの間隔と同一である。
【0034】
固定板30は、ボルト40及びナット43による締結時に変形し難い剛性を有している。吸音材10は、前述したように、ガラス繊維等から形成されているので、大きな荷重が作用すると潰れる虞がある。そこで、ボルト40及びナット43の締結時に締結力が過大にならないように、締結力の上限が設定されている。この設定された上限の締結力が固定板30に作用したときに、固定板30の変形が小さくなるように、固定板30の剛性(例えば、板厚、材質等)が設定されている。
【0035】
次に、吸音材10に外装板20を取り付けるボイラ60の外装板取付方法、遮音構造体50の製作方法及び装着方法について説明する。先ず、遮音構造体50の製作方法について説明する。遮音構造体50の製作は、吸音材10の裏面側に透過部材45(例えば、金網)を配置し、吸音材10の表面側に外装板20及び固定板30を配置し、これらにボルト40を挿通し、ボルト40にナット43を螺合して締結することで、遮音構造体50が完成する。
【0036】
次に、遮音構造体50の装着方法について説明する。図2に示すように、完成した遮音構造体50を、上下方向に配設された保持部材65のウェブ65c間に挿入してはめ込む。なお、保持部材65のウェブ65c及びフランジ部左65a及びフランジ部右65bは、遮音構造体50をはめ込めることが可能な長さを有しているとともに、遮音構造体50の重量を支持可能な強度を有している。はめ込まれた遮音構造体50の表面側の上部及び下部に沿って突出板66を配置し、遮音構造体50がずれないように、これらの突出板66を保持部材65のウェブ65cの内面に溶着する。
【0037】
次に、吸音材10に外装板20を取り付けるボイラ60の外装板取付方法について説明する。なお、外装板20の吸音材10への取り付けは、遮音構造体50を保持部該間にはめ込む前に行われる。先ず、外装板20を吸音材10の外面10aに沿って配置する。この際、外装板20の凸条21及び凹溝23が上下方向に延びるように外装板20の向きを変えて、外装板20を吸音材10の外面10aに配置する。また、外装板20の吸音材10の外面10aへの配置時には、吸音材10から突出するボルト40の軸部40aを外装板20の重ね合わせ部20aの孔部20bに挿通する。
【0038】
そして、固定板30を重ね合わせ部20aの表面に沿って配置し、重ね合わせ部20aの孔部20bから突出するボルト40の軸部40aを固定板30の孔部30aに挿通する。そして、他の外装板20によって吸音材10の表面を覆うため、他の外装板20の凸条21及び凹溝23が上下方向に延びるように外装板20の向きを変えて、外装板20を吸音材10の外面10aに配置する。外装板20の吸音材10外面10aへの配置時には、固定板30から突出するボルト40の軸部40aを他の外装板20の重ね合わせ部20aの孔部20bに挿通する。そして、他の外装板20の重ね合わせ部20aの孔部20bから突出するボルト40の軸部40aにナット43を螺合して、ボルト40及びナット43によって外装板20の2つの重ね合わせ部20aを固定板30に締結するとともに、2つの重ね合わせ部20aを吸音材10の外面10aに固定する。
【0039】
そして、他の外装板20の重ね合わせ部20aに、固定板30を介して別の外装板20の重ね合わせ部20aを締結する。別の外装板20の締結方法は、前述した方法と同様であるので、その説明は省略する。このようにして、複数の外装板20が吸音材10の外面10aを覆った状態で吸音材10に固定される。
【0040】
このように、外装板20が取り付けられた遮音構造体50が保持部材65間に支持された状態では、吸音材10を挿通するボルト40の頭部40bは上下に配置された一対の支持部材63間の隙間67内であって炉壁61から離反した位置に配置されている。このため、ボイラ60で発生した振動が直接にボルト40を介して遮音構造体50に伝達することはない。
【0041】
また、ボイラ60で発生した音は炉壁61を伝わってボイラ60の外部に放出されるが、この放出された音は、吸音材10を通って外装板20で反射し吸音材10内で熱に変わって吸音される。ここで、吸音材10の外面10aは複数に外装板20によって覆われ、重ね合わされた外装板20の2つの重ね合わせ部20aは、ボルト40及びナット43によって固定板30に締結されている。このため、相互に重ね合わされた外装板20の2つの重ね合わせ部20aは、固定板30の延在方向に分散された締結力によって変形が抑制されて、固定板30に密着した状態となって吸音材10に固定される。従って、相互に重ね合わされた外装板20の2つの重ね合わせ部20aの間に隙間が発生し難いボイラの外装板取付構造を実現できる。
【0042】
また、固定板30は、相互に重ね合わされる2つの重ね合わせ部20a間に配設されているので、固定板30の厚さ方向一方側の面に2つの重ね合わせ部20aの一方が面接触し、固定板30の厚さ方向他方側の面に2つの重ね合わせ部20aの他方が面接触する。そして、ボルト40及びナット43によって、相互に重ね合わされる外装板20の2つの重ね合わせ部20aと固定板30と吸音材10とが締結されると、2つの重ね合わせ部20aが固定板30の両面に密着して重ね合わせ部20aの変形がより抑制される。よって、外装板20と吸音材10との間に、より隙間が発生し難いボイラの外装板取付構造を実現できる。
【0043】
また、外装板20の凸条21及び凹溝23が吸音材10の上下方向へ延びるとともに吸音材10の幅方向に沿って交互に位置して波形状に形成されているので、外装板20の上下方向に対して直交する側の曲げ剛性を向上させることができる。このため、外装板20を吸音材10の外面10aに沿って配置する際に、外装板20が屈曲して配置作業をし難くする事態を未然に防止することができる。
【0044】
また、前述した実施形態では、固定板30は、相互に重ね合わされた外装板20の2つの重ね合わせ部20aの間に配置された場合を示したが、図3(a)に示すように、相互に重ね合わされた外装板20の2つの重ね合わせ部20aのうち表面側の重ね合わせ部20aの表面に固定板30を配置してもよい。このようにすると、固定板30は、常に露出した位置にあるので、重ね合わせ部20aに対する固定板30の位置調整作業を容易にすることができる。
【0045】
また、図3(b)に示すように、相互に重ね合わされた外装板20の2つの重ね合わせ部20aのうち裏面側の重ね合わせ部20aの裏面に固定板30を配置するようにしてもよい。このようにすると、固定板30の一方側の側面の全体が吸音材10の外面10aに密着するように接触するので、固定板30と吸音材10との間の隙間をより小さくすることができる。
【0046】
また、前述した実施形態では、固定板30は、相互に重ね合わされた外装板20の2つの重ね合わせ部20aの間に配置された場合を示したが、相互に重ね合わされる外装板20のいずれか一方の重ね合わせ部20に固定板30を固着(例えば、溶接)するようにしてもよい。このようにすると、外装板20の重ね合わせ部20aに沿って固定板30を配置する作業の作業者の労力を軽減することができる。
【0047】
さらに、前述した実施形態では、固定板30は、相互に重ね合わされた外装板20の凹溝23の一部を形成する2つの重ね合わせ部20aの間に配置された場合を示したが、図4に示すように、相互に重ね合わされる外装板20の凸条21の一部を形成する2つの重ね合わせ部20aの間に配置されてもよい。このようにすると、相互に重ね合わされた外装板20の凹溝23の一部を形成する2つの重ね合わせ部20aの間に配置された場合と同様の効果、即ち、外装板20と吸音材10との間に隙間が発生し難いボイラの外装板取付構造を実現できる。
【0048】
この場合、2つの重ね合わせ部20aの内側の重ね合わせ部20aの内面にボルト40の軸部40aに螺合したナット44を設けてもよい。このようにすると、このナット44と2つの重ね合わせ部20aのうちの外側に配設された重ね合わせ部20aの外面に配設されたナット43とが相まって、固定板30の両面に2つの重ね合わせ部20aを確実に密着させることができ、外装板20と吸音材10との間に隙間がより発生し難いボイラの外装板取付構造を実現できる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。例えば、上述した各種実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 吸音材
10a、61a 外面
10b ボルト挿通孔
10c 裏面
20 外装板
20a 重ね合わせ部
20b、30a、45a 孔部
21 凸条
23 凹溝
30 固定板
40 ボルト
40a 軸部
40b 頭部
43、44 ナット
45 透音部材
50 遮音構造体
60 ボイラ
61 炉壁
63 支持部材
65 保持部材
65a フランジ部左
65b フランジ部右
65c ウェブ
66 突出板
67 隙間
68 保温材
図1
図2
図3
図4