【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、加入者識別カードを有することができるモバイル電話機用のシェルジャケットを提唱し、
前記モバイル電話機は、ユーザインターフェースを示す前面と、後面とを有し、シェルジャケットは、内側表面と外側表面とを有し、
シェルジャケットは、モバイル電話機の後面がシェルジャケットの内側表面に沿って保持されるように、モバイル電話機を取外し可能に受けるように適合された形状を有し、
内側表面は、
近距離無線通信デバイスおよび関連アンテナを保持するように適合された第1の手段と、
近距離無線通信デバイスを加入者識別カードにリンクするように意図されたワイヤーベースのインターフェース(31)の少なくとも一部分を案内するように適合された第2の手段と
を備える。
【0009】
用語「NFCデバイス」または「非接触型デバイス」は、NFC構成要素、または非接触型構成要素、および回路に実装して使用するために必要な、例えばコンデンサもしくは抵抗器など、他の電子構成要素を備える組立体を意味することが理解される。
【0010】
ここでは、モバイル電話機は、ワイヤーベースのインターフェースを使用して加入者識別カードを近距離無線通信デバイスに接続することによってNFCアプリケーションに適合されている。この方式では、近距離無線通信デバイスと、加入者識別カードに接続するためのワイヤーベースのインターフェースとの両方を備えたこの適合型組立体を使用すると、任意のモバイル電話機をNFCアプリケーションに適合させることが可能である。
【0011】
しかし、この適合型組立体を任意のモバイル電話機に統合することが難しいことは証明できる。
【0012】
本発明の実施形態の特性を用いると、有利には、このような適合型組立体を任意のモバイル電話機と統合することが容易である。適合型組立体を取外し可能に受け、案内するように適合され、モバイル電話機の後面に装着するためのシェルジャケットが提供される。この方式では、任意のタイプのモバイル電話機をNFC機能について容易にイネーブルにすることができる。
【0013】
表現「モバイル電話機を取外し可能に受けること」は、シェルジャケットは、関係しているモバイル電話機を受け入れるように適合されているということを意味することが認識される。この目的のために、シェルジャケットは、モバイル電話機の後面の大きさと同様の大きさの内側表面と、モバイル電話機の側面に沿って延びる縁部とを有することが可能である。
【0014】
このシェルジャケットは、モバイル電話機の背面と、外部側縁部の少なくとも一部とにおいてこの電話機の外側の輪郭にぴったり合うように適合された形状を有するという意味のモバイル電話機を受けるための筐体を形成する。
【0015】
表現「モバイル電話機の後面がシェルジャケットの内側表面に沿って保持されるように」は、電話機が、シェルジャケットの内部に恒久的でなく装着され得るということを意味することが認識される。本発明は、この態様に制限を設けない。具体的には、シェルジャケットによって形成された筐体に電話機を取外し可能に固定するための機械的留め具が存在し、そのため、シェルジャケットは、モバイル電話機の後面の輪郭にぴったり合う平坦な面と、この電話機の特定の側面に沿って延びる縁部とを含む。
【0016】
有利には、シェルジャケットは、モバイル電話機を受けるように適合されているだけでなく、さらに、それ自体の内部に、NFCデバイスと、このデバイスを加入者識別カードに接続するワイヤーベースのインターフェースとの両方を保持する。
【0017】
より具体的には、シェルジャケットの内側表面は、NFCデバイスとそのアンテナとを保持するように適合された第1の手段を備える。また、ワイヤーベースのインターフェースの少なくとも一部分を案内するように適合された第2の手段も備える。
【0018】
電話機が本発明の実施形態によるシェルジャケットに納まっている場合、電話機の背面がシェルジャケットによって保護されるだけでなく、さらにまた、シェルジャケットの内面において保持されるNFCデバイスおよびそのアンテナと、案内されるワイヤーベースのインターフェースとのそれぞれが、例えば衝撃などの外部損傷から保護される。この方式では、モバイル電話機は、NFCアプリケーションを実装するように適合可能であり、同時にそれを保護し、適合型組立体に対する保護を可能にする。
【0019】
実際には、ワイヤーベースのインターフェースが、電話機の加入者識別カードから電話機の外部に配置されているNFCデバイスまで延びていることを可能にすれば十分である。この場合、そのとき、シェルジャケットの内側表面に保持されるNFCデバイスを接続するために、ワイヤーベースのインターフェースがモバイル電話機に入る場所まで、ワイヤーベースのインターフェースを電話機の側縁部に沿って延ばせば十分である。
【0020】
モバイル電話機のある種のモデルでは、その側面のうちの1つから、電話機の後面と前面との間のほぼ中間点でSIMカードに比較的容易にアクセスすることができる。SIMカードがアクセス可能な領域のモバイル電話機の側面を覆うように意図された側縁部をシェルジャケットが有することは可能である。
【0021】
これらの条件の下、NFCデバイスおよびそのアンテナならびにワイヤーベースのインターフェースを意味するNFC適合型組立体の全体が、シェルジャケットによって保護される。さらに、NFC適合型組立体は、電話機のユーザには見えない。したがって、モバイル電話機をNFC機器に改変することが可能であり、この改変は外部から全く見えることがない。
【0022】
シェルジャケットの内側表面においても、また近距離無線通信デバイスを配置するように決められた場所においても、近距離無線通信デバイスを定位置に保持するために使用される方式には制限は設けられない。実際には、表面におけるNFCデバイスのこの場所は、使用されるデバイスおよびそのアンテナに最適なワイヤーベースのインターフェースの長さ、およびモバイル電話機の輪郭、ならびに例えばモバイル電話機の内部のワイヤーベースのインターフェースが通る場所に基づいて決定され得る。
【0023】
NFCデバイスおよびそのアンテナを定位置に保持するための第1の手段と、ワイヤーベースのインターフェースを案内するための第2の手段とを、それらの役割に適している任意の機械的手段に対応させることが可能である。これらの第1および第2の手段は、電話機が本発明の実施形態によるシェルジャケット内に納まっているとき、電話機の後面と、シェルジャケットの内側表面との間にわずかな空間を設けることに関連付けることができる。したがってまた、デバイス、そのアンテナ、およびワイヤーベースのインターフェースは、電話機の後面と、シェルジャケットの内面との間の圧力によって定位置に保持され得る。
【0024】
本発明の一実施形態において、近距離無線通信デバイスおよびアンテナは、基板において設計され、
第1の手段は、内側表面のシェルジャケットの厚さにおける凹部に対応し、前記凹部は、基板を受けるのに適している大きさであり、この基板を凹部に置くようにすることによって定位置に保持する。
【0025】
ここでは、NFCデバイスとアンテナを受ける基板は、シェルジャケットの内側表面に予め形成された凹部でシェルジャケットの内側表面の固定位置に保持される。そのとき、基板は、この目的のために形成されたシェルジャケット凹部に受けることができる。この方式では、有利には、NFCデバイスとそのアンテナの位置を完全に事前調整することが可能である。そのとき、ワイヤーベースのインターフェースの長さに関連する特定の性能態様は、予め最適化され得る。
【0026】
この凹部は、基板が凹部の定位置にあるとき、近距離無線通信デバイスを含む基板の表面がシェルジャケットの内側表面と同じ高さになるような深さであるように構成可能である。
【0027】
この方式で、デバイスとそのアンテナを保持する第1の手段は、定位置に置くのに効果的であるとともに容易でもある。有利には、基板は、一旦凹部に埋め込まれると、端末が急激な動きにさらされる場合ですら、もはや移動することはできない。さらに、有利には、この手段は、基板を容易に取外しできることを可能にする。
【0028】
シェルジャケットの内側表面に含まれる第2の手段には制限は設けられない。
【0029】
また、実施形態によるシェルジャケットの第1の手段が、樹脂を利用して、近距離無線通信デバイスと関連アンテナを定位置に保持するように構成可能である。したがって、カードは、最終的にシェルジャケットの一部を形成する樹脂に埋め込むことができる。
【0030】
このような有利な特性は、NFCデバイスとそのアンテナをシェルジャケット内の定位置に保持することを可能にするだけでなく、NFCデバイスに対する保護も可能にする。
【0031】
本発明の一実施形態において、ワイヤーベースのインターフェースは、複数のワイヤーを内部に保持する、ある幅とある長さを有するプラスチックリボンに対応し、第2の手段は、内側表面のシェルジャケットの厚さにおける凹部に対応し、前記凹部は、ワイヤーリボンの幅と、ワイヤーリボンの長さの少なくとも一部分とを受けるのに適切な大きさである。
【0032】
そのため、ワイヤーベースのインターフェースは、ワイヤーリボンの形態であり、比較的厚さが薄いことの利点を提供する。そのため、これらの条件の下、ワイヤーベースのインターフェースを収容することがより容易である。
【0033】
この実施形態において、そのとき、シェルジャケットの内側表面は、第2の手段として、ワイヤーリボンの幅と、ワイヤーリボンの長さの一部とを受け入れるように適合された凹部を含む。
【0034】
したがって、有利には、ワイヤーリボンは、予め決定された位置に容易に保持され得、それにより、加入者識別カードと、NFCデバイスとの間の交換に基づいて、特定の性能の態様を最適化することが可能になる。さらに、ワイヤーリボンの一部分を案内するためのこのような凹部は、モバイル電話機の使用中にリボンが移動することを防止し、それはこのような動きが、好ましくない干渉をもたらすこともあり得るからである。この凹部は、定位置にワイヤーリボンを保持するために、ワイヤーリボンの幅を受け入れるのに適切な幅である。この凹部の長さは、ワイヤーリボンの一部分を受け入れるように適合可能であり、それにより、他の一部は、モバイル電話機に入り加入者識別カードに接続するために、この電話機の縁部に沿って延びる。
【0035】
ワイヤーリボンのためのこの凹部は、ワイヤーリボンが凹部の定位置にあるとき、ワイヤーリボンがシェルジャケットの内側表面と同一平面になるような深さである。
【0036】
この方式で進めることによって、シェルジャケットの内側表面に接触して配置されるリボンの表面の反対の表面を意味する上側表面は、凹部の外部のシェルジャケットの内側表面と実質的にほぼ同じ高さである。
【0037】
この特性は、ワイヤーリボンが定位置に保持されることを保証する。
【0038】
本発明の一実施形態において、シェルジャケットの形状は、ワイヤーベースのインターフェースがモバイル電話機に入る領域に湾曲した縁部を呈する。
【0039】
このような特性は、有利には、モバイル電話機に入ってSIMカードに接続するためのワイヤーベースのインターフェースを保護することを可能にする。
【0040】
本発明の第2の態様は、加入者識別カードを有するモバイル電話機と、シェルジャケットとを備えるモバイル端末を提唱し、
前記モバイル電話機は、ユーザインターフェースを示す前面と、後面とを有し、シェルジャケットは、内側表面と外側表面とを有し、
前記シェルジャケットは、モバイル電話機の後面がシェルジャケットの内側表面に沿って保持されるように、モバイル電話機を取外し可能に受けるように適合された形状を有し、
内側表面は、
近距離無線通信デバイスおよび関連アンテナを保持するように適合された第1の手段と、
近距離無線通信デバイスを加入者識別カードにリンクするように意図されたワイヤーベースのインターフェースの少なくとも一部分を案内するように適合された第2の手段と
を備える。
【0041】
このような端末は、ワイヤーベースのインターフェースが加入者識別カードからモバイル電話機の外部まで延びることを可能にするモバイル電話機によるモバイル電話通信の特徴ならびにNFC機能を使用することを可能にする。これを達成するためには、NFCデバイスおよびそのアンテナ、ならびに対応するワイヤーベースのインターフェースを設けるように適合されたシェルジャケットを装着すれば十分である。
【0042】
このような端末は、有利には、このシェルジャケットにより衝撃に対して保護され、同様に、NFC機能は、モバイル電話機が元々それらの機能に対応するように設計されていなかった場合ですら、やはり保護される。
【0043】
端末は、本発明の第1の態様による任意のシェルジャケットを備えることが可能である。
【0044】
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様による複数のモバイル端末を備えるモバイル通信システムを提唱する。
【0045】
本発明の他の特徴、目標、および利点は、その実施形態のうちの1つの以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
【0046】
本発明はまた、図面を参照することによってより良く理解されるであろう。