特許第6033219号(P6033219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オランジュの特許一覧

特許6033219NFC機能を備えたモバイル電話機用シェルジャケット
<>
  • 特許6033219-NFC機能を備えたモバイル電話機用シェルジャケット 図000002
  • 特許6033219-NFC機能を備えたモバイル電話機用シェルジャケット 図000003
  • 特許6033219-NFC機能を備えたモバイル電話機用シェルジャケット 図000004
  • 特許6033219-NFC機能を備えたモバイル電話機用シェルジャケット 図000005
  • 特許6033219-NFC機能を備えたモバイル電話機用シェルジャケット 図000006
  • 特許6033219-NFC機能を備えたモバイル電話機用シェルジャケット 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033219
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】NFC機能を備えたモバイル電話機用シェルジャケット
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/21 20060101AFI20161121BHJP
   H04M 1/11 20060101ALI20161121BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20161121BHJP
   G06K 19/00 20060101ALI20161121BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20161121BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   H04M1/21 M
   H04M1/11 Z
   H04M1/00 U
   G06K19/00 050
   G06K19/07 270
   G06K19/077 184
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-511729(P2013-511729)
(86)(22)【出願日】2011年5月23日
(65)【公表番号】特表2013-533665(P2013-533665A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】FR2011051161
(87)【国際公開番号】WO2011148087
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2014年5月14日
(31)【優先権主張番号】1054117
(32)【優先日】2010年5月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591034154
【氏名又は名称】オランジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ルヴィオネ
(72)【発明者】
【氏名】ダビド・ピケノ
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−017442(JP,A)
【文献】 特開2005−128746(JP,A)
【文献】 特開2006−217586(JP,A)
【文献】 特開2003−032338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00−19/18
H04M 1/00− 1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加入者識別カード(14)を備えることができるモバイル電話機(300)用のシェルジャケット(100)であって、
前記モバイル電話機が、ユーザインターフェースを示す前面と、後面とを有し、当該シェルジャケットが、内側表面(102)と外側表面とを有し、
当該シェルジャケットは、前記モバイル電話機の前記後面が当該シェルジャケットの前記内側表面に沿って保持されるように、前記モバイル電話機を取外し可能に受けるように適合された形状を有し、
前記内側表面が、
近距離無線通信デバイス、および関連アンテナを保持するように適合された第1の手段(103)と、
前記近距離無線通信デバイスを前記加入者識別カードにリンクするように意図されたワイヤーベースのインターフェースの少なくとも一部分をガイドするように適合された第2の手段(101)と
を備える、
モバイル電話機用のシェルジャケット(100)。
【請求項2】
前記近距離無線通信デバイスおよび前記アンテナが、基板(222)において設計され、
前記第1の手段(103)が、前記内側表面の前記シェルジャケットの厚さにおける凹部に対応し、前記凹部が、前記基板を受けるのに適している大きさであり、前記基板を凹部に置くようにすることによって定位置に保持する、
請求項1に記載のモバイル電話機用のシェルジャケット(100)。
【請求項3】
前記凹部は、前記基板が前記凹部の定位置にあるとき、前記近距離無線通信デバイスを受ける前記基板の表面が前記シェルジャケットの前記内側表面と同じ高さになるような厚さである、請求項2に記載のモバイル電話機用のシェルジャケット(100)。
【請求項4】
前記第1の手段が、樹脂を利用して、前記近距離無線通信デバイスと前記関連アンテナを定位置に保持する、請求項1に記載のモバイル電話機用のシェルジャケット(100)。
【請求項5】
前記ワイヤーベースのインターフェース(31)が、複数のワイヤーを内部に保持するワイヤーリボンを形成するプラスチックリボンに対応し前記ワイヤーリボンはある幅とある長さを有する、ワイヤーベースのインターフェースであって、
前記第2の手段(101)が、前記内側表面の当該シェルジャケットの厚さにおける凹部に対応し、前記凹部が、前記ワイヤーリボンの前記幅と、前記ワイヤーリボンの前記長さの少なくとも一部分とを受けるのに適切な大きさである、
請求項1に記載のモバイル電話機用のシェルジャケット(100)。
【請求項6】
前記凹部は、前記ワイヤーリボン前記凹部の定位置にあるとき、前記ワイヤーリボンが前記シェルジャケットの前記内側表面と同一平面になるような深さである、請求項5に記載のモバイル電話機用のシェルジャケット(100)。
【請求項7】
前記形状は、前記ワイヤーベースのインターフェースが前記モバイル電話機の内部に入る領域に湾曲した縁部を呈する、請求項1に記載のモバイル電話機用のシェルジャケット(100)。
【請求項8】
加入者識別カード(14)を有するモバイル電話機(300)と、シェルジャケット(100)とを備えるモバイル端末(60)であって、
前記モバイル電話機が、ユーザインターフェースを示す前面と、後面とを有し、前記シェルジャケットが、内側表面(102)と、外側表面とを有し、 前記シェルジャケットは、前記モバイル電話機の後面が前記シェルジャケットの前記内側表面に沿って保持されるように、前記モバイル電話機を取外し可能に受けるように適合された形状を有し、
前記内側表面が、
近距離無線通信デバイスおよび関連アンテナを保持するように適合された第1の手段(103)と、
前記近距離無線通信デバイスを前記加入者識別カードにリンクするように意図されたワイヤーベースのインターフェース(31)の少なくとも一部分を案内するように適合された第2の手段(103)と
を備える、
モバイル端末(60)。
【請求項9】
前記近距離無線通信デバイスおよび前記アンテナが、基板(222)において設計され、
前記第1の手段(103)が、前記内側表面の前記シェルジャケットの厚さにおける凹部に対応し、前記凹部が、前記基板を受けるのに適している大きさであり、前記基板を凹部に置くようにすることによって定位置に保持する、
請求項8に記載のモバイル端末(60)。
【請求項10】
前記凹部は、前記基板が前記凹部の定位置にあるとき、前記近距離無線通信デバイスを受ける前記基板の表面が前記シェルジャケットの前記内側表面と同じ高さになるような厚さである、請求項9に記載のモバイル端末(60)。
【請求項11】
前記ワイヤーベースのインターフェース(31)が、複数のワイヤーを内部に保持するワイヤーリボンを形成するプラスチックリボンに対応し前記ワイヤーリボンはある幅とある長さを有する、ワイヤーベースのインターフェースであって、
前記第2の手段(101)が、前記内側表面の前記シェルジャケットの厚さにおける凹部に対応し、前記凹部が、前記ワイヤーリボンの前記幅と、前記ワイヤーリボンの前記長さの少なくとも一部分とを受けるのに適切な大きさである、
請求項8に記載のモバイル端末(60)。
【請求項12】
前記凹部は、前記ワイヤーリボン前記凹部の定位置にあるとき、前記ワイヤーリボンが前記シェルジャケットの前記内側と同一平面になるような深さである、請求項11に記載のモバイル端末(60)。
【請求項13】
請求項8に記載の複数のモバイル端末(60)を備えるモバイル通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型技術の分野に関し、より詳細には、非接触型アプリケーションを実行するために、モバイル通信端末におけるこのような技術を使用する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触型アプリケーションの実施の一例は、NFC(Near-Field Communication:近距離無線通信)技術に基づいている。これらの非接触型アプリケーションは、例えば、銀行または公共交通機関における電子取引に関係する場合があり、またはアクセス制御および識別アプリケーションとして役立つ場合もある。NFC通信は、一方が、非接触型カードとして動作し、他方が、非接触型カードリーダとして動作する2つの接触しないエンティティ、または2つのNFCエンティティ間で確立される。P2P(Peer to Peer:ピアツーピア)モードと呼ばれる別のモードでは、非接触型カードとして動作する2つのNFCエンティティは、ローカルでデータを交換し、そのため、等価な役割を果たす。
【0003】
このようなNFCエンティティは、以下、NFCデバイスと呼ばれる近距離無線通信デバイス、およびこのデバイスに別のNFCエンティティとの非接触型通信を確立することを可能にする関連アンテナから成る。非接触型カードとして動作するNFCエンティティは、例えば、RFID(無線周波数識別)タグに対応することができる。アプリケーションに応じて、カードリーダとして動作するNFCエンティティは、例えば、電子支払端末もしくは公共交通機関のチケットを認証するための機械、またはRFIDタグを識別することができるタグリーダに対応することが可能である。
【0004】
このような非接触型エンティティの機能は、モバイル電話機端末によって提供され得る。この場合、モバイル電話機端末は、加入者識別カード、またはSIM(Subscriber Identity Module:加入者識別モジュール)カード、ならびにNFCデバイスおよびその関連アンテナを含む。
【0005】
この文脈では、特定のレベルの安全性を必要とする非接触型アプリケーションは、通常、モバイル端末のSIMカードまたは加入者識別カードの中にインストールされる。したがって、通信が、加入者識別カードの非接触型アプリケーションと非接触型デバイスとの間の端末内で確立され得る。次いで、モバイル端末にインストールされている非接触型デバイスは、モバイル端末、より具体的には、関係しているアプリケーションに、その端末に近接している別の非接触型エンティティと通信することを可能にする。そのとき、これらのモバイル電話機は、例えば、非接触型カードとして使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、NFC機能を提供することができるように既存のモバイル電話機を適合させることは容易ではない。
【0007】
本発明は、NFCドメインへのモバイル電話機のこのような適合性を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、加入者識別カードを有することができるモバイル電話機用のシェルジャケットを提唱し、
前記モバイル電話機は、ユーザインターフェースを示す前面と、後面とを有し、シェルジャケットは、内側表面と外側表面とを有し、
シェルジャケットは、モバイル電話機の後面がシェルジャケットの内側表面に沿って保持されるように、モバイル電話機を取外し可能に受けるように適合された形状を有し、
内側表面は、
近距離無線通信デバイスおよび関連アンテナを保持するように適合された第1の手段と、
近距離無線通信デバイスを加入者識別カードにリンクするように意図されたワイヤーベースのインターフェース(31)の少なくとも一部分を案内するように適合された第2の手段と
を備える。
【0009】
用語「NFCデバイス」または「非接触型デバイス」は、NFC構成要素、または非接触型構成要素、および回路に実装して使用するために必要な、例えばコンデンサもしくは抵抗器など、他の電子構成要素を備える組立体を意味することが理解される。
【0010】
ここでは、モバイル電話機は、ワイヤーベースのインターフェースを使用して加入者識別カードを近距離無線通信デバイスに接続することによってNFCアプリケーションに適合されている。この方式では、近距離無線通信デバイスと、加入者識別カードに接続するためのワイヤーベースのインターフェースとの両方を備えたこの適合型組立体を使用すると、任意のモバイル電話機をNFCアプリケーションに適合させることが可能である。
【0011】
しかし、この適合型組立体を任意のモバイル電話機に統合することが難しいことは証明できる。
【0012】
本発明の実施形態の特性を用いると、有利には、このような適合型組立体を任意のモバイル電話機と統合することが容易である。適合型組立体を取外し可能に受け、案内するように適合され、モバイル電話機の後面に装着するためのシェルジャケットが提供される。この方式では、任意のタイプのモバイル電話機をNFC機能について容易にイネーブルにすることができる。
【0013】
表現「モバイル電話機を取外し可能に受けること」は、シェルジャケットは、関係しているモバイル電話機を受け入れるように適合されているということを意味することが認識される。この目的のために、シェルジャケットは、モバイル電話機の後面の大きさと同様の大きさの内側表面と、モバイル電話機の側面に沿って延びる縁部とを有することが可能である。
【0014】
このシェルジャケットは、モバイル電話機の背面と、外部側縁部の少なくとも一部とにおいてこの電話機の外側の輪郭にぴったり合うように適合された形状を有するという意味のモバイル電話機を受けるための筐体を形成する。
【0015】
表現「モバイル電話機の後面がシェルジャケットの内側表面に沿って保持されるように」は、電話機が、シェルジャケットの内部に恒久的でなく装着され得るということを意味することが認識される。本発明は、この態様に制限を設けない。具体的には、シェルジャケットによって形成された筐体に電話機を取外し可能に固定するための機械的留め具が存在し、そのため、シェルジャケットは、モバイル電話機の後面の輪郭にぴったり合う平坦な面と、この電話機の特定の側面に沿って延びる縁部とを含む。
【0016】
有利には、シェルジャケットは、モバイル電話機を受けるように適合されているだけでなく、さらに、それ自体の内部に、NFCデバイスと、このデバイスを加入者識別カードに接続するワイヤーベースのインターフェースとの両方を保持する。
【0017】
より具体的には、シェルジャケットの内側表面は、NFCデバイスとそのアンテナとを保持するように適合された第1の手段を備える。また、ワイヤーベースのインターフェースの少なくとも一部分を案内するように適合された第2の手段も備える。
【0018】
電話機が本発明の実施形態によるシェルジャケットに納まっている場合、電話機の背面がシェルジャケットによって保護されるだけでなく、さらにまた、シェルジャケットの内面において保持されるNFCデバイスおよびそのアンテナと、案内されるワイヤーベースのインターフェースとのそれぞれが、例えば衝撃などの外部損傷から保護される。この方式では、モバイル電話機は、NFCアプリケーションを実装するように適合可能であり、同時にそれを保護し、適合型組立体に対する保護を可能にする。
【0019】
実際には、ワイヤーベースのインターフェースが、電話機の加入者識別カードから電話機の外部に配置されているNFCデバイスまで延びていることを可能にすれば十分である。この場合、そのとき、シェルジャケットの内側表面に保持されるNFCデバイスを接続するために、ワイヤーベースのインターフェースがモバイル電話機に入る場所まで、ワイヤーベースのインターフェースを電話機の側縁部に沿って延ばせば十分である。
【0020】
モバイル電話機のある種のモデルでは、その側面のうちの1つから、電話機の後面と前面との間のほぼ中間点でSIMカードに比較的容易にアクセスすることができる。SIMカードがアクセス可能な領域のモバイル電話機の側面を覆うように意図された側縁部をシェルジャケットが有することは可能である。
【0021】
これらの条件の下、NFCデバイスおよびそのアンテナならびにワイヤーベースのインターフェースを意味するNFC適合型組立体の全体が、シェルジャケットによって保護される。さらに、NFC適合型組立体は、電話機のユーザには見えない。したがって、モバイル電話機をNFC機器に改変することが可能であり、この改変は外部から全く見えることがない。
【0022】
シェルジャケットの内側表面においても、また近距離無線通信デバイスを配置するように決められた場所においても、近距離無線通信デバイスを定位置に保持するために使用される方式には制限は設けられない。実際には、表面におけるNFCデバイスのこの場所は、使用されるデバイスおよびそのアンテナに最適なワイヤーベースのインターフェースの長さ、およびモバイル電話機の輪郭、ならびに例えばモバイル電話機の内部のワイヤーベースのインターフェースが通る場所に基づいて決定され得る。
【0023】
NFCデバイスおよびそのアンテナを定位置に保持するための第1の手段と、ワイヤーベースのインターフェースを案内するための第2の手段とを、それらの役割に適している任意の機械的手段に対応させることが可能である。これらの第1および第2の手段は、電話機が本発明の実施形態によるシェルジャケット内に納まっているとき、電話機の後面と、シェルジャケットの内側表面との間にわずかな空間を設けることに関連付けることができる。したがってまた、デバイス、そのアンテナ、およびワイヤーベースのインターフェースは、電話機の後面と、シェルジャケットの内面との間の圧力によって定位置に保持され得る。
【0024】
本発明の一実施形態において、近距離無線通信デバイスおよびアンテナは、基板において設計され、
第1の手段は、内側表面のシェルジャケットの厚さにおける凹部に対応し、前記凹部は、基板を受けるのに適している大きさであり、この基板を凹部に置くようにすることによって定位置に保持する。
【0025】
ここでは、NFCデバイスとアンテナを受ける基板は、シェルジャケットの内側表面に予め形成された凹部でシェルジャケットの内側表面の固定位置に保持される。そのとき、基板は、この目的のために形成されたシェルジャケット凹部に受けることができる。この方式では、有利には、NFCデバイスとそのアンテナの位置を完全に事前調整することが可能である。そのとき、ワイヤーベースのインターフェースの長さに関連する特定の性能態様は、予め最適化され得る。
【0026】
この凹部は、基板が凹部の定位置にあるとき、近距離無線通信デバイスを含む基板の表面がシェルジャケットの内側表面と同じ高さになるような深さであるように構成可能である。
【0027】
この方式で、デバイスとそのアンテナを保持する第1の手段は、定位置に置くのに効果的であるとともに容易でもある。有利には、基板は、一旦凹部に埋め込まれると、端末が急激な動きにさらされる場合ですら、もはや移動することはできない。さらに、有利には、この手段は、基板を容易に取外しできることを可能にする。
【0028】
シェルジャケットの内側表面に含まれる第2の手段には制限は設けられない。
【0029】
また、実施形態によるシェルジャケットの第1の手段が、樹脂を利用して、近距離無線通信デバイスと関連アンテナを定位置に保持するように構成可能である。したがって、カードは、最終的にシェルジャケットの一部を形成する樹脂に埋め込むことができる。
【0030】
このような有利な特性は、NFCデバイスとそのアンテナをシェルジャケット内の定位置に保持することを可能にするだけでなく、NFCデバイスに対する保護も可能にする。
【0031】
本発明の一実施形態において、ワイヤーベースのインターフェースは、複数のワイヤーを内部に保持する、ある幅とある長さを有するプラスチックリボンに対応し、第2の手段は、内側表面のシェルジャケットの厚さにおける凹部に対応し、前記凹部は、ワイヤーリボンの幅と、ワイヤーリボンの長さの少なくとも一部分とを受けるのに適切な大きさである。
【0032】
そのため、ワイヤーベースのインターフェースは、ワイヤーリボンの形態であり、比較的厚さが薄いことの利点を提供する。そのため、これらの条件の下、ワイヤーベースのインターフェースを収容することがより容易である。
【0033】
この実施形態において、そのとき、シェルジャケットの内側表面は、第2の手段として、ワイヤーリボンの幅と、ワイヤーリボンの長さの一部とを受け入れるように適合された凹部を含む。
【0034】
したがって、有利には、ワイヤーリボンは、予め決定された位置に容易に保持され得、それにより、加入者識別カードと、NFCデバイスとの間の交換に基づいて、特定の性能の態様を最適化することが可能になる。さらに、ワイヤーリボンの一部分を案内するためのこのような凹部は、モバイル電話機の使用中にリボンが移動することを防止し、それはこのような動きが、好ましくない干渉をもたらすこともあり得るからである。この凹部は、定位置にワイヤーリボンを保持するために、ワイヤーリボンの幅を受け入れるのに適切な幅である。この凹部の長さは、ワイヤーリボンの一部分を受け入れるように適合可能であり、それにより、他の一部は、モバイル電話機に入り加入者識別カードに接続するために、この電話機の縁部に沿って延びる。
【0035】
ワイヤーリボンのためのこの凹部は、ワイヤーリボンが凹部の定位置にあるとき、ワイヤーリボンがシェルジャケットの内側表面と同一平面になるような深さである。
【0036】
この方式で進めることによって、シェルジャケットの内側表面に接触して配置されるリボンの表面の反対の表面を意味する上側表面は、凹部の外部のシェルジャケットの内側表面と実質的にほぼ同じ高さである。
【0037】
この特性は、ワイヤーリボンが定位置に保持されることを保証する。
【0038】
本発明の一実施形態において、シェルジャケットの形状は、ワイヤーベースのインターフェースがモバイル電話機に入る領域に湾曲した縁部を呈する。
【0039】
このような特性は、有利には、モバイル電話機に入ってSIMカードに接続するためのワイヤーベースのインターフェースを保護することを可能にする。
【0040】
本発明の第2の態様は、加入者識別カードを有するモバイル電話機と、シェルジャケットとを備えるモバイル端末を提唱し、
前記モバイル電話機は、ユーザインターフェースを示す前面と、後面とを有し、シェルジャケットは、内側表面と外側表面とを有し、
前記シェルジャケットは、モバイル電話機の後面がシェルジャケットの内側表面に沿って保持されるように、モバイル電話機を取外し可能に受けるように適合された形状を有し、
内側表面は、
近距離無線通信デバイスおよび関連アンテナを保持するように適合された第1の手段と、
近距離無線通信デバイスを加入者識別カードにリンクするように意図されたワイヤーベースのインターフェースの少なくとも一部分を案内するように適合された第2の手段と
を備える。
【0041】
このような端末は、ワイヤーベースのインターフェースが加入者識別カードからモバイル電話機の外部まで延びることを可能にするモバイル電話機によるモバイル電話通信の特徴ならびにNFC機能を使用することを可能にする。これを達成するためには、NFCデバイスおよびそのアンテナ、ならびに対応するワイヤーベースのインターフェースを設けるように適合されたシェルジャケットを装着すれば十分である。
【0042】
このような端末は、有利には、このシェルジャケットにより衝撃に対して保護され、同様に、NFC機能は、モバイル電話機が元々それらの機能に対応するように設計されていなかった場合ですら、やはり保護される。
【0043】
端末は、本発明の第1の態様による任意のシェルジャケットを備えることが可能である。
【0044】
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様による複数のモバイル端末を備えるモバイル通信システムを提唱する。
【0045】
本発明の他の特徴、目標、および利点は、その実施形態のうちの1つの以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
【0046】
本発明はまた、図面を参照することによってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の実施形態によるモバイル電話機用のシェルジャケットを示す図である。
図2】本発明の実施形態によりNFC適合型組立体が配置されている本発明の実施形態によるシェルジャケットを示す図である。
図3】本発明の実施形態によるシェルジャケットとNFC適合型組立体の両方、ならびに本発明の実施形態によりこのシェルジャケットが適合されたモバイル電話機を示す図である。
図4】モバイル電話機を本発明の実施形態によるシェルジャケットと結び付ける中間ステップを示す図である。
図5】本発明の実施形態による端末を示す図である。
図6】本発明の実施形態によるモバイル電話通信システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、本発明の実施形態によるモバイル電話機用のシェルジャケットを示している。
【0049】
本発明によるシェルジャケット100が、加入者識別カード、すなわちSIM(Subscriber Identity Module:加入者識別モジュール)カードを備えることができるモバイル電話機に適合されている。シェルジャケット100は、図1に示す内側表面102と、反対の表面であり、そのため、図示されていない外側表面とを有する。シェルジャケットのこの外側表面は、任意の形状であってもよい。本発明の実施形態において、シェルジャケットは、関係しているモバイル電話機の後面を覆うように意図された表面領域について滑らかで平坦な表面と、モバイル端末の側縁部とぴったり合うために縁部で部分的に湾曲している表面とを有する。
【0050】
また、NFCデバイスとその関連アンテナとを定位置に保持するように適合された第1の手段103、ならびにNFCデバイスをモバイル電話機のSIMカードに接続するように意図されたワイヤーベースのインターフェースの一部分を案内するように適合された第2の手段101も図示されている。
【0051】
ここで図示されている第1の手段103は、NFCデバイスとその関連アンテナの両方を少なくとも部分的に納めるように適合されたシェルジャケット100の厚さにおける凹部に対応する。NFCデバイスとそのアンテナを定位置に保持する任意の他の手段、例えば、接着剤、機械的装着具などが使用されてもよい。
【0052】
一実施形態において、NFCデバイスとそのアンテナは、基板において設計され、第1の手段103は、その基板の大きさに適合されている。
【0053】
ここで図示されている第2の手段101は、シェルジャケット100の内側表面の厚さにおける凹部に対応し、それにより、ワイヤーベースのインターフェースを納めることが可能になる。しかし、この第2の手段には、制限は設けられない。例えば、ワイヤーベースのインターフェースは、機械的装着具によって内側表面に沿って案内されてもよい。
【0054】
このシェルジャケットは、モバイル電話機を取外し可能に受けるように適合された形状を有し、それにより、モバイル電話機の後面は、シェルジャケットの内側表面に沿って定位置に保持される。
【0055】
この例では、モバイル電話機が、ワイヤーベースのインターフェースを使用して、加入者識別カードを近距離無線通信デバイスに接続することによって、NFCアプリケーションに適合されている。この方式では、近距離無線通信デバイスと、それを加入者識別カードに接続するためのワイヤーベースのインターフェースとの両方を備える適合型組立体を用いて、任意のモバイル電話機をNFCアプリケーションに適合させることが可能である。
【0056】
図2は、本発明の実施形態によるシェルジャケットを示し、その中に本発明の実施形態によるNFC適合型組立体が配置されている。
【0057】
ここでは、このシェルジャケット100は、NFC適合型組立体が本発明の実施形態によりその内部に配置されている状態で表されている。
【0058】
適合型組立体は、SIMカード14に接続するのに適しているワイヤーベースのインターフェース31から成る。例示を目的として、このワイヤーベースのインターフェースは、シェルジャケット100の第2の手段101によって、この例では、シェルジャケットの厚さにおける凹部によって案内されるワイヤーリボン31に対応する。さらに、NFC適合型組立体は、例示を目的として、この例では基板222において設計されているNFCデバイスとそのアンテナを備える。この基板は、第1の手段103によって定位置に保持される。ここでは、前記第1の手段は、基板を受けるように意図されたシェルジャケットの厚さにおける凹部に対応している。
【0059】
図3は、本発明の実施形態によるシェルジャケットとNFC適合型組立体の両方、ならびに、このシェルジャケットが本発明の実施形態により適合されているモバイル電話機を示している。
【0060】
シェルジャケット100は、モバイル電話機300を受け、納めるように適合されている。このモバイル電話機300は、SIMカード14を受けてから電話機の内部に押し戻すための引出し様の構成体301を含む。
【0061】
図4は、モバイル電話機と、本発明の実施形態によるシェルジャケットとを関連付ける中間ステップを示している。
【0062】
用語「関連付け」は、電話機が、実施形態によるシェルジャケット100に納まっていることを意味していると認識される。図4は、このシェルジャケット100が適合されている電話機300を表している。NFCデバイスとそのアンテナは、(図4には示されていない)第1の手段103によってシェルジャケットの内面の定位置に保持される。ワイヤーベースのインターフェース31は、一方の側面でNFCデバイスに、その他方の端部でSIMカード14に接続されている。SIMカード14は、図3に示すモバイル電話機300の引出し301内に納まっている。SIMカード14を保持する引出しは、モバイル電話機の内部に押し込むことができる。この位置では、ワイヤーベースのインターフェースがモバイル電話機の内部からモバイル電話機の外部まで通ることを可能にする十分な空間が、引出しとモバイル電話機300と間に残存している。ワイヤーベースのインターフェースの一方の端部は、(SIMカードに接続されている)電話機の内部にあり、他の端部は、電話機の外部にあり、NFCデバイスに接続されている。
【0063】
この図4は、モバイル電話機300をシェルジャケット100内に位置決めする中間ステップを示している。次に、ワイヤーベースのインターフェース31は、第2の保持手段101内に位置決めされ、モバイル電話機300は、その後面をシェルジャケット100の内側表面に接触させた状態で、例えば、シェルジャケット内にそれをパチンと留めることによって定位置に固定される。
【0064】
図5は、本発明の実施形態による端末を示している。
【0065】
端末60は、モバイル電話機300と、シェルジャケット100とを備える。上述のNFC適合型組立体は、本発明の実施形態によるシェルジャケット内に位置決めされる。有利には、この実施形態において、シェルジャケットは、ワイヤーベースのインターフェースがモバイル電話機の内側と外側との間を通る領域内の電話機を覆うように意図された、湾曲した縁部501を有するように構成可能である。
【0066】
図6は、本発明の実施形態によるモバイル電話通信システムを示している。
【0067】
このようなシステムが、複数の端末60を備え、それぞれの端末が、本発明の実施形態により、モバイル電話通信を管理し、NFC通信を管理するように適合されている。
【0068】
この目的のために、システムは、端末60がモバイル電話機のアンテナ63を介して通信することが可能な、基地局62など、モバイル電話通信ネットワーク設備を備える。また、このシステムは、モバイル電話機60が、NFCデバイスと関連付けられるアンテナ13を介して通信することが可能なNFCアプリケーションについてのNFC設備61を備える。これらの2つのアンテナ63および13はそれぞれ、モバイル電話通信アプリケーションおよびNFCアプリケーションを実施する際に使用される。
【符号の説明】
【0069】
13 アンテナ
14 SIMカード
31 ワイヤーベースのインターフェース、ワイヤーリボン
60 モバイル電話機、端末
61 NFC設備
62 基地局
63 アンテナ
100 シェルジャケット
102 内側表面
101 第2の手段
103 第1の手段
222 基板
300 モバイル電話機
301 引出し様の構成体
図1
図2
図3
図4
図5
図6