特許第6033232号(P6033232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6033232情報支持体、当該情報支持体の取付け及び取外しのための装置並びに方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033232
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】情報支持体、当該情報支持体の取付け及び取外しのための装置並びに方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 15/00 20060101AFI20161121BHJP
   H01F 7/02 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   G09F15/00 P
   H01F7/02 F
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-543521(P2013-543521)
(86)(22)【出願日】2011年9月9日
(65)【公表番号】特表2014-509400(P2014-509400A)
(43)【公表日】2014年4月17日
(86)【国際出願番号】DE2011001715
(87)【国際公開番号】WO2012079554
(87)【国際公開日】20120621
【審査請求日】2013年8月16日
【審判番号】不服2015-7087(P2015-7087/J1)
【審判請求日】2015年4月15日
(31)【優先権主張番号】102010054562.7
(32)【優先日】2010年12月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513152506
【氏名又は名称】ハルティング アプライド テクノロジーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HARTING Applied Technologies GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【復代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー フランケ
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー フックリーデ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ハイマン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル コッホ
【合議体】
【審判長】 吉村 尚
【審判官】 黒瀬 雅一
【審判官】 畑井 順一
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3102920(JP,U)
【文献】 実開平5−43183(JP,U)
【文献】 実公昭54−799(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 7/00-7/22
G09F 15/00-17/00
H01F 7/00-7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報支持体を選択的に印を付けたい物体(8)に取り付けるか又は印を付けたい物体(8)から取り外す装置であって、
前記装置は平らに形成された支持部材(10)を有し、該支持部材(10)において、前記情報支持体(1)の支持面(3)の接触が可能であり、かつ前記情報支持体(1)の磁気による付着が可能であり、
前記装置の支持部材(10)は旋回可能であり、
前記装置の支持部材(10)は、相前後している2つの個別部材から成っていて、
第1の個別部材(11)が、前記情報支持体(1)の支持面(3)に対する直接的な接触部を有し、かつ磁化可能でない材料から成っていて、
前記第1の個別部材(11)の後方にある第2の個別部材(12)は、磁化可能である材料から成っている、情報支持体を選択的に取り付けるか又は取り外す装置において、
前記支持部材(10)の第2の個別部材(12)は、前記第1の個別部材(11)から離れるように旋回可能であることを特徴とする、情報支持体を選択的に取り付けるか又は取り外す装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報支持体を選択的に取り付けるか又は取り外す装置選択的に取り付けられるか又は取り外される情報支持体であって、
前記情報支持体(1)は、少なくとも1つの接触面(2)を有し、該接触面(2)は、前記印を付けたい物体(8)における前記情報支持体(1)の磁気による付着により、前記印を付けたい物体(8)の表面(9)に接触可能であり、
前記情報支持体(1)は、前記接触面(2)に続いている非接触面(4)を有し、該非接触面(4)は前記表面(9)と共に所定の角度αを形成する情報支持体において、
前記情報支持体(1)は、磁気によって前記支持部材(10)に付着される、前記接触面(2)に対して背面側に配設されている支持面(3)を有しており、
前記情報支持体(1)が前記印を付けたい物体(8)に取り付けられた状態で、前記支持面(3)の、前記非接触面(4)に対応する部分に前記印を付けたい物体(8)に向かって力が加えられるとき、前記情報支持体(1)が前記角度αを減じる方向に傾動するように、前記非接触面(4)は形成されていることを特徴とする、情報支持体
【請求項3】
前記接触面(2)における磁界強度が、前記支持面(3)における磁界強度よりも大きいように、前記情報支持体(1)内に磁石(5)が組み込まれていて、前記支持面(3)における磁界強度は、前記非接触面(4)における磁界強度よりも大きいことを特徴とする、請求項2記載の情報支持体
【請求項4】
前記情報支持体(1)は複数の磁石(5,6)を有することを特徴とする、請求項2又は3記載の情報支持体
【請求項5】
前記情報支持体(1)は円形のディスクとして形成されていて、前記非接触面(4)は、前記円形のディスクに対応して、円形で環状の面取り部として前記接触面(2)のエッジに沿って延在していることを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項記載の情報支持体
【請求項6】
前記情報支持体(1)は多角形のディスクとして形成されていて、前記非接触面(4)は円形で環状の面取り部として、前記接触面(2)のエッジに沿って延在していて、前記接触面(2)は円形を形成するか、又は
前記非接触面(4)は、前記多角形のディスクに対応して、前記多角形の各区分において面取り部として設けられていて、前記接触面(2)は、前記多角形に対応する形状を形成することを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項記載の情報支持体
【請求項7】
前記非接触面(4)は、前記情報支持体(1)の直径に沿った垂直な断面に関して、円形の、楕円の又は双曲的な丸み付け部として、前記接触面(2)に続くように形成されていることを特徴とする、請求項2から6までのいずれか1項記載の情報支持体
【請求項8】
請求項1に記載の装置を介した情報支持体の、印を付けたい物体(8)への取付け方法であって、該方法において、
前記情報支持体(1)の支持面(3)は、装置の前記支持部材(10)に磁気により付着していて、
前記情報支持体(1)を、前記装置を介して、印を付けたい物体(8)へ移動させ、
前記情報支持体(1)の接触面(2)を、前記印を付けたい物体(8)の表面(9)に接触させ、
前記情報支持体(1)と前記印を付けたい物体(8)との間の磁気吸引力が、前記情報支持体(1)と前記支持部材(10)との間の磁気吸引力よりも大きく、
前記印を付けたい物体(8)から前記装置を取り外す際に、前記情報支持体(1)は、前記印を付けたい物体(8)に磁気により付着したままであることを特徴とする、装置を介した情報支持体の取付け方法。
【請求項9】
前記情報支持体(1)と前記印を付けたい物体(8)との接触後に、前記装置の支持部材(10)の第2の個別部材(12)を、第1の個別部材(11)から離れるように旋回させ、これにより、前記情報支持体(1)と前記支持部材(10)との間の磁気吸引力を減じることを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1記載の装置を介した情報支持体の、印を付けたい物体(8)からの取外し方法であって、
前記装置の支持部材(10)を、前記情報支持体(1)の非接触面(4)の傾きに対向して旋回させ、
前記支持部材(10)は、前記支持面(3)に対してほぼ所定の角度α’を形成し、
前記装置を前記情報支持体(1)に案内し、前記旋回された支持部材(10)を介して、前記情報支持体(1)を、前記非接触面(4)と前記印を付けたい物体(8)の表面(9)との間の角度αを減じるように傾動させ、
前記情報支持体(1)の支持面(3)を、前記装置の支持部材(10)に面接触させ、
前記情報支持体(1)と前記支持部材(10)との間の磁気吸引力が、前記情報支持体(1)と前記印を付けたい物体(8)との間の磁気吸引力よりも大きく、
前記印を付けたい物体(8)から前記装置を取り外す際に、前記情報支持体(1)は、前記装置の支持部材(10)に磁気により付着したままであることを特徴とする、装置を介した情報支持体の取外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の上位概念部に記載した、印を付けたい物体に取り付ける情報支持体に関する。
【0002】
上記情報支持体は、物体に印を付けるためか又は情報を備え付けるために必要である。物体への繰り返しの印付けを可能にするために、情報は物体から再び可逆的に取り外し可能であることが望ましい。情報支持体における情報の蓄積或いは保存は、種々異なるバリエーションにおいて可能である。したがって、情報は、例えば文字、記号、色彩又はバーコードとして視覚的に、又はRFIDによる形式で電子的に情報支持体に蓄積させることができる。
【0003】
目的の提示
本発明の根底にある目的は、情報支持体を、人間による介入なしで単純な機械的装置により物体に取り付けることができ、かつ単純な機械的装置によって上記物体から取り外すことができるように、情報支持体を形成することである。
【0004】
上記目的は、独立請求項1に記載した特徴により達成される
【0005】
本発明の有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明は、情報を蓄積しかつ一時的に物体に取り付けることに適した情報支持体である。この構成において、情報は種々異なる形式において情報支持体に蓄積することができる。したがって、情報支持体の色彩豊かな形態による簡単な視覚的な印付けが可能である。文字、数字又はその他の記号での情報支持体の標識化により、情報支持体における情報の表示を同様に行うことができる。情報支持体において、バーコードの形式で記録されたデータも可能である。
【0007】
情報を光学的な検出のために情報支持体に記録する可能な構成の他に、情報支持体に情報を記録するための選択的な電子的構成もある。有利な構成において、RFID−タグの取付けが避けられるか、又は情報支持体における、記録したデータの非接触式の検出を可能にする構成が避けられる。
【0008】
本発明によれば、印を付けたい物体への情報支持体の取付けは、磁気による付着により行われる。さらに、印を付けたい物体は、少なくとも部分的に磁化可能な材料から成っていることが必要である。情報支持体にある少なくとも1つの磁石により、情報支持体と、印を付けたい物体との間に磁気的な力作用がもたらされる。したがって、印を付けたい物体における情報支持体の磁気による付着が可能である。
【0009】
好適な構成において、情報支持体は接触面を有する。この接触面において情報支持体は、印を付けたい物体の表面に対して接するように接触可能である。情報支持体にある磁石は、情報支持体の接触面に磁界をもたらす。これにより、接触面における磁気による付着が可能になる。
【0010】
本発明によれば、情報支持体は、接触面に対して平行であり、かつ情報支持体の相対する面において延びている別の面を有する。接触面においてのように、支持面においても、情報支持体内にある磁石により発生する磁界が存在する。
【0011】
特別な構成において、接触面における磁界強度は、支持面における磁界強度よりも大きい。2つの面にある磁界強度におけるこの相違は、情報支持体における磁石の適切な位置決めにより形成することができる。したがって、磁石の位置決めは2つの面の間の中心線上ではなく、接触面の近くにおいてが考慮され得る。
【0012】
別の有利な改良形において、複数の磁石が情報支持体内に組み込まれている。強力な磁石又は多数の磁石が接触面の近くに配置されていて、弱い磁石又は小数の磁石が支持面の近くに配置されている。この改良形により、本発明に係る、種々異なる磁界強度が、接触面及び支持面に形成可能である。
【0013】
本発明によれば、情報支持体は接触面及び支持面の他に、さらに非接触面を有する。この非接触面は、角度を成して接触面に続き、かつ支持面に向かって延びる。情報支持体における磁石は、非接触面における磁界強度が、支持面における磁界強度よりも小さいように配置することができる。
【0014】
印を付けたい物体における情報支持体の取付け及び取外しのために、簡単な取付け及び取外しを可能にする装置が設けられている。この装置は、情報支持体の支持面と面接触可能であるように形成されている支持部材を有する。この構成において、装置の支持部材は、少なくとも部分的に磁化可能な材料から成っていて、これにより情報支持体の支持面における磁界が、情報支持体と支持部材との間の磁気吸引力を可能にし、かつ付着を可能にする。
【0015】
本発明に係るさらに別の構成において、支持部材は、装置に可動に取り付けられている。支持部材はほぼ、情報支持体の非接触面が、情報支持体が磁気により付着している印を付けたい物体の表面との間に形成する角度だけ傾動することができるようになっている。
【0016】
上記装置により、印を付けたい物体への情報支持体の取付けが可能である。このために情報支持体は、支持面における磁界から生じる磁力により、支持面でもって、装置の支持部材に付着する。装置は、付着している情報支持体と共に、印を付けたい物体へと運動し、情報支持体の接触面が、印を付けたい物体の表面に接触している。情報支持体の接触面における磁界は、情報支持体と、印を付けたい物体の表面との間の磁気吸引力をもたらす。情報支持体の支持面及び接触面における磁界強度差に基づき、情報支持体と物体との間に発生する磁力は、情報支持体と装置との間に発生する磁力よりも大きい。印を付けたい物体から離れるような装置の運動時には、情報支持体は印を付けたい物体に磁気により付着したままである。
【0017】
特別な構成において、装置の支持部材は、2つの種々異なる部材から成っている。情報支持体の支持面に対して直接的に接触している前側の個別部材はディスクとして形成されていて、例えばプラスチックといった磁化可能でない材料から成っている。この個別部材の直ぐ後方に配置されている第2の個別部材は、磁化可能な材料から成っていて、第1の個別部材から離れるように旋回可能に取り付けられている。第1の個別部材は、この第1の個別部材と情報支持体の支持面との接触時に、第2の個別部材に対する磁性的相互作用が防がれない程度に肉薄に構成することができる。
【0018】
印を付けたい物体への情報支持体の取付け工程において、支持面と支持部材との接触後に、第2の個別部材は第1の個別部材から離れるように旋回させられる。これにより生じる、情報支持体と、支持部材の磁化可能な個別部材との間の大きな間隔により、情報支持体と支持部材との間の磁力は減じられる。したがって、印を付けたい物体からの装置の取外しが可能であり、情報支持体は、印を付けたい物体の表面に磁気により残る。
【0019】
印を付けたい物体から情報支持体を取り外すために、支持部材は装置において傾動する。この構成において、傾動角度は、非接触面が接触面に対して反対の回動方向においてだが形成する角度にほぼ相当する。傾動した支持部材を備えた装置は、次いで印を付けたい物体における情報支持体において運動し、支持部材が、情報支持体の支持面に非接触面の領域において接触する。印を付けたい物体に支持部材がさらに接近することにより、支持部材はてこ作用を介して、接触面における磁力に抗する情報支持体の傾動をもたらすので、接触面の代わりに、非接触面が印を付けたい物体の表面に接触する。同じ工程において、情報支持体の支持面は支持部材に接触する。情報支持体の非接触面及び支持面における磁界強度差に基づいて、情報支持体と支持部材との間で生じる磁力は、情報支持体と印を付けたい物体との間で生じる磁力よりも大きい。印を付けたい物体から離れる装置の運動時に、情報支持体は支持部材に磁気により付着したままであり、印を付けたい物体から取り外すことができる。
【0020】
さらに別の構成において、非接触面を、接触面に続いている円形、楕円形又は双曲的な丸み付け部として形成するようになっていてよい。これにより情報支持体の支持面は、印を付けたい物体からの取外し時に、傾動運動によってではなく、情報支持体の非接触面への転動運動により、支持部材と接触させられる。
【0021】
さらに別の好適な構成において、情報支持体は、接触面である前面と、支持面である背面とを有する円形のディスクとして構成されている。非接触面は、全周に亘って延在する、接触面への斜面として形成されている。この構成は、とりわけ、情報支持体ひいては非接触面の配向は、印を付けたい物体への取付け及び印を付けたい物体からの取外しのために問題とならないので有利である。
【0022】
情報支持体のさらに別の好適な構成は多角形である。この構成において、非接触面は、円形で全周に亘って延びている斜面として形成され得るので、接触面は円を形成するか、又は非接触面は、多角形の各区分における個々の斜面として形成され得るので、接触面は多角形に応じた形状を形成する。
【0023】
本発明の別の構成は、従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】情報支持体の立体図である。
図2】情報支持体の立体図である。
図3a】情報支持体を物体に取り付ける工程を示す断面図である。
図3b】情報支持体を物体に取り付ける工程を示す断面図である。
図3c】情報支持体を物体に取り付ける工程を示す断面図である。
図3d】情報支持体を物体に取り付ける工程を示す断面図である。
図4a】情報支持体を物体から取り外す工程を示す図である。
図4b】情報支持体を物体から取り外す工程を示す図である。
図4c】情報支持体を物体から取り外す工程を示す図である。
【0025】
本発明の実施の形態を図示し、以下に詳細に説明する。
【0026】
図1に、情報支持体1の立体図を示す。ディスクとして形成された情報支持体は、接触面2を有する。この接触面2は、印を付けたい物体に接触するために設けられている。接触面2に磁石5が組み込まれている。この磁石5は、情報支持体と、印を付けたい物体との間に吸引力をもたらす。接触面2に、ディスク状の情報支持体1の縁部に沿って環状に、非接触面4が続いている。この非接触面4は、情報支持体1を、印を付けたい物体から取り外すために設けられている。
【0027】
図2に、情報支持体1の立体図を示すが、接触面2の反対側から見ている。ディスク形に形成された情報支持体の、支持面3を形成する背面を看取することができる。支持面3は、情報支持体1の選択的な取付け又は取外しのための装置の支持部材10に情報支持体1を接触させるために設けられている。支持面3には、この実施の形態において、4つの磁石6が組み込まれている。これらの磁石6により、支持部材10における情報支持体1の磁気による付着が可能になる。
【0028】
図3a〜図3dに、印を付けたい物体8の表面9に情報支持体1を取り付ける工程を示し、図3a〜図3dの夫々に、少なくとも部分的に磁化可能材料から成っている印を付けたい物体8と、情報支持体1と、この情報支持体を選択的に取り付けるか又は取り外すための装置の支持部材10を見ることができる。
【0029】
図3aにおいて、表面9の手前に、情報支持体の取付け及び取外しのための装置に配置されている支持部材10を示す。この支持部材10は、磁化可能でない材料から成る第1の個別部材11と、磁化可能な材料から成る第2の個別部材12とから成っている。
【0030】
情報支持体1は、第2の個別部材12に対する磁気吸引力により支持部材10に付着する。情報支持体1は、支持部材10の第1の個別部材11を支持面3に接触させる。接触面2は、印を付けたい物体8の表面9に対して平行に配置されている。符号Aは、情報支持体1が付着している支持部材10の運動方向を示す。
【0031】
図3bは、印を付けたい物体8の表面9と、情報支持体1の接触面2との接触状態を示す。情報支持体内に組み込まれた磁石は、支持部材12にも、物体8にも磁力を形成する。
【0032】
図3cにおいて、符号Bは、第2の個別部材12が、第1の個別部材11から離れるフラップ運動(Klappbewegung)を示す。この運動により形成された、第2の個別部材12と情報支持体1との大きな間隔により、情報支持体1と支持部材10との間の磁気吸引力は減じられる。
【0033】
印を付けたい物体8から離れていく支持部材10の運動Cを図3dに示す。この実施の形態において、情報支持体1と印を付けたい物体8との間の磁気吸引力は、情報支持体1と、フラップ運動して開いた第2の個別部材12との間の吸引力よりも大きいので、情報支持体1は表面9に残っている。
【0034】
図4a〜図4cに、印を付けたい物体8の表面9から情報支持体1を取り去る工程を示す。図4a〜図4cの夫々に、印を付けたい物体8、情報支持体1及び情報支持体を選択的に取り付けるか又は取り外すための装置の支持部材10を見ることができる。
【0035】
図4aにおいて、情報支持体1が接触面2でもって、印を付けたい物体8の表面9に磁気により付着している。情報支持体1の支持面3の側で、支持部材10は、方向A′において情報支持体1にまで運動する。支持部材10は、この運動のために角度α′だけ傾けられる。この角度α′は、非接触面4が、印を付けたい物体8の表面9との間に(反対方向に)形成する角度αにほぼ相当する。
【0036】
情報支持体1の方向への支持部材10のさらなる運動B′により、支持部材10が、非接触面4の領域において支持面3に対して力を加える。これによりもたらされる情報支持体1に対するてこの力若しくはてこの作用は、接触面2と非接触面4とが一緒に形成するエッジを中心に作用する。てこの力は、上記エッジを中心として情報支持体1のフラップ運動C′をもたらすので、角度α及びα′は小さくなる。支持部材の運動B′は、非接触面4が、印を付けたい物体8の表面9に接触し、かつ支持面3が支持部材10と接触している状態になるまで実施される。
【0037】
本発明により、情報支持体1と支持部材10との間の支持面3における磁気吸引力は、磁界強度の相違に基づき、情報支持体1と印を付けたい物体8との間の非接触面4における磁気吸引力よりも大きい。
【0038】
印を付けたい物体8から離れる支持部材10の運動D′を、図4cに示す。この実施の形態において、情報支持体1は、支持部材10に磁気により付着したままであるので、印を付けたい物体8の表面9から取り外される。
【符号の説明】
【0039】
1 情報支持体
2 接触面
3 支持面
4 非接触面
5 磁石
6 磁石
8 物体
9 表面
10 支持部材
11 第1の個別部材(磁化可能でない)
12 第2の個別部材(磁化可能である)
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c