(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を用いながら、本発明の実施形態を、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、多様な形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。本発明の実施形態によるフレキシブルプリント回路フィルムは、液晶表示装置、プラズマ表示装置、電界放出表示装置、真空蛍光表示板及び有機発光表示装置等、種々の表示装置に適用可能である。本発明では、液晶表示装置を図示し、これを参照して実施形態を開示したが、本発明による表示装置は液晶表示装置に限定されない。
【0026】
図面は、各種層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示している。明細書全体を通じて類似した部分については同一の参照符号を付けている。層、膜、領域、基板等の部分が、他の部分の「上に」あるとするとき、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合に限らず、その中間に更に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「すぐ上に」あるとするとき、これは中間に他の部分がない場合を意味する。
【0027】
本発明の一
参考形態による回路基板(circuit board)及び表示装置について
図1〜
図4を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の一
参考形態による表示装置の斜視図である。
図2は
図1に示す回路基板の部分拡大平面図である。
図3は
図2のA部分の拡大図である。
図4は
図1に示す回路基板の別の
参考形態の部分拡大平面図である。
【0029】
図1を参照すれば、本
参考形態による表示装置は、表示板部300、フレキシブルプリント回路フィルム510及び回路基板450を含む。
【0030】
表示板部300は、下部表示板100、上部表示板200及び電気光学活性層(electro−optical active layer)(図示せず)を含む。しかし、表示板部300は1つの表示板を含んでもよく、3つ以上の表示板を含んでもよい。
【0031】
下部表示板100は、基板とその上の薄膜素子構造物とを含む。基板は、ガラスまたはプラスチック等の透明絶縁物質で形成される。薄膜素子構造物は、画素電極、薄膜トランジスタ、各種信号線等を含み、これらは導電体と絶縁体とからなる。図示していないが、下部表示板100構造の一例を簡単に説明する。
【0032】
下部基板上には複数のゲート線が形成される。ゲート線の上にはゲート絶縁膜、半導体、及びオーミックコンタクトが順次に形成され、その上にはデータ線及びドレイン電極が形成される。ゲート線は複数のゲート電極を含み、データ線は複数のソース電極を含み、ゲート電極、半導体、ソース電極及びドレイン電極は薄膜トランジスタを構成する。半導体、データ線、ドレイン電極及びゲート絶縁膜の上には保護膜が形成され、保護膜の上には複数の画素電極が形成される。画素電極は、保護膜に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極に接続される。
【0033】
上部表示板200は、下部表示板100と対向し、下部表示板100より小さく、下部表示板100周縁の一部が上部表示板200で覆われず露出する。上部表示板200は基板及び薄膜構造物を含む。基板はガラスまたはプラスチック等の透明絶縁物質で形成される。薄膜構造物は共通電極、カラーフィルタ及び遮光部材等を含み、これらは導電体と絶縁体とからなる。図示していないが、上部表示板200の構造の一例を簡単に説明する。
【0034】
基板上には遮光部材が形成される。遮光部材は画素電極と対向し、画素電極と略同じ形状を有する複数の開口部を有して、画素電極間の光漏れを防止する。基板及び遮光部材の上には蓋膜(overcoat)が形成され、蓋膜上には共通電極が形成される。基板と蓋膜との間には複数のカラーフィルタが形成される。各カラーフィルタは、遮光部材の開口部内にその大部分が存在し、赤色、緑色及び青色の三原色の基本色のうちの1つを表示する。
【0035】
上述した下部表示板100と上部表示板200の構造は一例であって、様々な変更が可能である。例えば、共通電極、カラーフィルタ及び遮光部材のうちの少なくとも1つが下部表示板100に含まれてもよい。さらに、下部表示板100は蓄積電極をさらに含んでもよい。
【0036】
電気光学活性層は、下部表示板100と上部表示板200との間に配置され、表示板部300が1つの表示板を含む場合には、その表示板の上に配置される。電気光学活性層の材料は表示装置の種類によって異なるが、例えば、液晶表示装置では液晶物質、有機発光表示装置では有機発光物質となる。
【0037】
回路基板450は、複数の映像信号、データ信号及びゲート信号等をゲート駆動集積回路チップ及びデータ駆動集積回路チップに出力する。ゲート駆動集積回路チップ及びデータ駆動集積回路チップに伝達される信号は、差動信号(differential signal)として伝達される。差動信号の伝達には、LVDS、RSDS、mini−LVDS及びPPDS方法が使用される。回路基板450について
図2及び
図3を参照してより詳細に説明する。
【0038】
図1を参照すると、フレキシブルプリント回路フィルム510は、フィルムと、その上に形成される金属配線と、金属配線の上に形成される保護膜とを含む。フレキシブルプリント回路フィルム510の一側端部は、導電性接着剤570によって下部表示板100の露出したエッジ部分に取り付けられ、他側端部は、導電性接着剤570によって回路基板450に取り付けられる。導電性接着剤570は異方性導電フィルムの一種であって、これに含まれている導電粒子によりフレキシブルプリント回路フィルム510に形成される金属配線と下部表示板100及び回路基板450の配線とが電気的に接続される。
【0039】
ゲート駆動集積回路チップ及びデータ駆動集積回路チップは、フレキシブルプリント回路フィルム510の上に形成されてもよく(TCP方式)、表示板部300上に形成されてもよい(COG/FOG方式)。回路基板450から伝達される信号は、フレキシブルプリント回路フィルム510の金属配線を介してゲート駆動集積回路及びデータ駆動集積回路チップに伝達される。ゲート駆動集積回路チップは、ゲートオン電圧をゲート線に印加して、ゲート線に接続されるスイッチング素子を導通させ、データ駆動集積回路チップは、各デジタル映像信号に対応する階調電圧を選択して、デジタル映像信号をアナログデータ電圧に変換し、これをデータ線に印加する。
【0040】
照明部80は表示板部300の下部に配置され、収納容器60は表示板部300の上部に配置される。表示板部300は、収納容器60によって照明部80に安定的に固定される。照明部80は、CCFL(cold cathode fluorescent lamp)やEEFL(external electrode fluorescent lamp)のような蛍光ランプまたはLED(light emitting diode)等の光源、導光板及び反射部材を含んでもよい。導光板は、光源から照射された光を誘導し、反射部材は、導光板から反射された光を表示板部300方向に向かうように反射して光損失を最小化する。
【0041】
図2及び
図3を参照すれば、回路基板450はベース板(substrate)451、複数の集積回路チップ460、TCON470及び複数の差動信号線420を含む。
【0042】
ベース板451は、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂等で形成され、ベース板451は、動きや屈曲が要求される場合は柔軟性を有してもよい。ベース板451上にはグラフィック処理等のための集積回路チップ460と、この集積回路チップ460から入力された信号を、ゲート駆動集積回路チップ及びデータ駆動集積回路チップの駆動に必要な各種制御信号に変換するTCON470とが形成される。
【0043】
ベース板451上にはまた、複数の差動信号線420が形成される。1つの差動信号線420は、第1信号線422及び第2信号線424を含む。第1信号線422及び第2信号線424は、各々第1経路10に位置した部分と第2経路20に位置した部分とを含み、振幅が同一であり位相が反対である信号を伝達する。この場合、受信回路は2つの信号線422、424の間の電圧差に対してのみ反応する。ここで、第1経路10はベース板451の上部面に位置し、第2経路20はベース板451の下部面に位置し、第1経路10を第2経路20が位置するベース板451の下部面に投影した場合、これら2つの経路10、20は互いにオーバーラップする。
【0044】
ベース板451には複数のビアホール455が形成されており、ビアホール455は経路変更部(PCP)に1対ずつ位置する。1対のビアホール455は、第1経路10、第2経路20を基準に互いに反対側に離隔されて互いに対向する。経路変更部(PCP)は、第1及び第2信号線422、424の経路が変わる部分であり、差動信号線420の長手方向(L)に沿って繰り返して位置する。
【0045】
差動信号線420の長手方向(L)に沿って隣り合う2つのビアホール455の間を区間S1、S2とする場合、この区間S1及びS2距離は全て同じであってもよく、各区間毎に異なってもよい。
【0046】
第1信号線422をその長手方向(L)に沿ってたどると、第1経路10に位置する部分と第2経路20に位置する部分とが交互に現れ、第2信号線424もその長手方向(L)に沿ってたどると、第1経路10に位置する部分と第2経路20に位置する部分とが交互に現れる。図示するように、長手方向(L)に沿って連続的に隣り合う区間S1及びS2において、第1信号線422と第2信号線424とは、互いに反対側の経路に位置する。
即ち、第1信号線422が第1経路10にある区間では第2信号線424が第2経路20に位置し、第1信号線422が第2経路20にある区間では第2信号線424が第1経路10に位置する。第1信号線422及び第2信号線424の位置は、ビアホール455を介して第1経路10または第2経路20に変更される。
【0047】
第1及び第2信号線422、424の位置を第1区間S1から第2区間S2方向に沿って詳細に説明する。第1信号線422の位置は、第1区間S1が始まる部分に位置するビアホール455を介して第1経路10から第2経路20に変更され、第1信号線422は第1区間S1の端に位置するビアホール455まで第2経路20に沿って延びる。次いで、第1信号線422の位置は、第1区間S1の端であると同時に第2区間S2の開始の部分に位置するビアホール455を介して、再び第1経路10に変更され、第1信号線422は第2区間S2の端に位置するビアホール455まで第1経路10に沿って延びる。
【0048】
第2信号線424の位置は、第1区間S1が開始する部分に位置するビアホール455を介して第2経路20から第1経路10に変更され、第2信号線424は第1区間S1の端に位置するビアホール455まで第1経路10に沿って延びる。次に、第2信号線424の位置は、第1区間S1の端であると同時に第2区間S2の開始の部分に位置するビアホール455を介して、再び第2経路20に変更され、第2信号線424は第2区間S2の端に位置するビアホール455まで第2経路20に沿って延びる。
【0049】
第1信号線422及び第2信号線424は、その長手方向に沿ってほとんどオーバーラップするが、経路変更部(PCP)ではオーバーラップしない。即ち、第1及び第2信号線422、424は、経路変更部(PCP)で経路10、20を基準に互いに反対側方向に向って経路10、20から離れていき、第1経路10、第2経路20から離れた部分に位置するビアホール455によって互いの位置を変える。互いの位置を変えた第1及び第2信号線422、424は、再び経路第1経路10、第2経路20に近づいて、変更された第1経路10、第2経路20に沿って延びる。経路変更部(PCP)に位置する第1信号線422及び第2信号線424部分の平面形状(planer shapes)は菱形であってもよい。
【0050】
差動信号線420の経路変更部(PCP)と隣り合う差動信号線420の経路変更部(PCP)とは、その長手方向に沿って互いに異なる部分に位置する。例えば、
図2で「A」で示した最も左側の差動信号線420の経路変更部(PCP)は、隣接する差動信号線420の第1区間S1の中心部と対向してもよい。ここで、隣り合う差動信号線420の経路変更部(PCP)およびビアホール455が互い違いに配置されずに一列に配置されると、経路変更部(PCP)及びビアホール455がルーフアンテナの機能をしてEMI特性が悪化する。
【0051】
一方、
図4に示すように、ベース板451は上部層451aと下部層451bとを含む二重層構造を有してもよい。この場合、第1経路10は上部層451aに位置し、第2経路20は下部層451bに位置する。さらに、複数のビアホール455は上部層451aに形成される。これ以外の構造は
図2及び
図3に示した構造と略同じである。
【0052】
次に、本発明の他の
参考形態による回路基板について
図5〜
図7を参照して説明する。本
参考形態による回路基板は、上述した表示装置だけでなく回路基板を使用する他の装置にも適用可能である。
図5は本発明の他の
参考形態による回路基板の部分拡大平面図である。
図6は
図5のB部分の拡大図である。
図7は本発明の他の
参考形態による回路基板の分解斜視図である。
【0053】
図5及び
図6を参照すれば、回路基板450は、ベース板451と複数の差動信号線520とを含む。
【0054】
ベース板451は、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂等で形成され、ベース板451は、動きや屈曲が要求される場合は柔軟性を有してもよい。ベース板451は単層からなってもよい。
【0055】
ベース板451の上には、複数の差動信号線520が形成される。1つの差動信号線520は、第1信号線522及び第2信号線524を含む。第1信号線522及び第2信号線524は、各々第1経路10に位置する部分と第2経路20に位置する部分とを含み、振幅が同一で位相が反対である信号を伝達する。ここで、第1経路10はベース板451の上部面に位置し、第2経路20はベース板451の下部面に位置する。第1経路10を第2経路20が位置するベース板451の下部面に投影した場合、これら両経路10、20は互いに離れている。
【0056】
ベース板451は、第1経路10、第2経路20の双方に沿って形成される複数のビアホール455を含む。ビアホール455は、第1及び第2信号線522、524が交差して経路が変わる部分、即ち、経路変更部(PCP)に1対ずつ位置する。経路変更部(PCP)は、差動信号線520の長手方向(L)に沿って繰り返して位置する。
【0057】
差動信号線520の長手方向(L)に沿って隣り合う2つのビアホール455の間を区間S1、S2とする場合、この区間S1、S2の距離は全て同じであってもよく、各区間毎に異なってもよい。
【0058】
第1信号線522は、その長手方向(L)に沿ってたどると、第1経路10に位置する部分と第2経路20に位置する部分とが交互に現れ、第2信号線524もその長手方向(L)に沿ってたどると、第1経路10に位置する部分と第2経路20に位置する部分とが交互に現れる。図示するように、長手方向(L)に沿って連続的に隣り合う区間S1及びS2において、第1信号線522及び第2信号線524は、互いに反対側経路に位置する。
第1信号線522及び第2信号線524は、ビアホール455を介してベース板451の上部面または下部面に移動し、互いに交差して第1経路10、第2経路20を変更する。
第1信号線522及び第2信号線524が交差する部分の平面形状は十字状であってもよい。
【0059】
第1及び第2信号線522、524の位置を第1区間S1から第2区間S2方向に沿ってより詳細に説明する。第1信号線522は、第1区間S1が始まる部分に位置するビアホール455を介して第1経路10からベース板451の下部面に移動して、第2経路20側に曲がり、第2経路20に沿って第1区間S1の端に位置するビアホール455まで延びる。さらに、第1信号線522は、第1区間S1の端であると同時に第2区間S2の開始の部分に位置するビアホール455を介して再び第2経路20からベース板451の上部面に移動して、第1経路10側に曲がり、第1経路10に沿って第2区間S2の端に位置するビアホール455まで延びる。
【0060】
第2信号線524は、第1区間S1が始まる部分に位置するビアホール455を介して、第2経路20からベース板451の上部面に移動して、第1経路10側に曲がり、第1経路10に沿って第1区間S1の端に位置するビアホール455まで延びる。さらに、第2信号線524は、第1区間S1の端であると同時に第2区間S2の開始の部分に位置するビアホール455を介して、再び第1経路10からベース板451の下部面に移動して、第2経路20側に曲がり、第2経路20に沿って第2区間S2の端に位置するビアホール455まで延びる。
【0061】
第1信号線522と第2信号線524とは互いにほとんどオーバーラップしないが、経路変更部(PCP)の交差する部分では一部オーバーラップする。交差部分の形状は十字状であってもよい。
【0062】
差動信号線520の経路変更部(PCP)と隣り合う差動信号線520の経路変更部(PCP)とは、その長手方向に沿って互いに異なる部分に位置する。例えば、
図5で「B」で示す最も左側の差動信号線520の経路変更部(PCP)が隣接する差動信号線520の第1区間S1の中心部と対向してもよい。ここで、隣り合う差動信号線520の経路変更部(PCP)およびビアホール455が互い違いに配置されずに一列に配置されれば、経路変更部(PCP)及びビアホール455がルーフアンテナの機能をしてEMI特性が悪化する。
【0063】
一方、
図7に示すように、ベース板451は上部層451aと下部層451bとを含む二重層構造を有してもよい。この場合、第1経路10は上部層451aに位置し、第2経路20は下部層451bに位置する。これらの両経路10、20は互いにオーバーラップせず、差動信号線520の水平方向(L)及び垂直方向で離隔される。また、複数のビアホール455は上部層451aに形成される。これ以外の構造は、
図5及び
図6に示した構造と略同じである。
【0064】
次に、本発明のさらに他の実施形態による回路基板を
図8〜
図10を参照して説明する。
本実施形態による回路基板は上述した表示装置だけでなく回路基板を使用する他の装置にも適用可能である。
図8は本発明のさらに他の実施形態による回路基板の部分拡大平面図である。
図9は
図8のC部分の拡大図である。
図10は本発明のさらに他の実施形態による回路基板の分解斜視図である。
【0065】
図8及び
図9を参照すれば、回路基板450はベース板451と複数の差動信号線620とを含む。
【0066】
ベース板451は、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂等で形成され、ベース板451は、動きや屈曲を必要とする場合は柔軟性を有してもよい。ベース板451は単層からなってもよい。
【0067】
ベース板451の上にはまた、複数の差動信号線620が形成される。差動信号線620は第1信号線622及び第2信号線624を含む。第1信号線622及び第2信号線624は、第1経路乃至第4経路10、20、30、40に沿って延びており、振幅が同一で位相が反対である信号を伝達する。
【0068】
第1経路10及び第3経路30は、ベース板451の上部面に位置し、互いに所定間隔(d)だけ離隔される。第2経路20及び第4経路40は、ベース板451の下部面に位置し、互いに所定間隔(d)だけ離隔される。また、第1経路10と第2経路20とが互いにオーバーラップし、第3経路30と第4経路40とが互いにオーバーラップする。
【0069】
ベース板451は、第1経路乃至第4経路10、20、30、40上に位置する複数のビアホール455を含み、第1及び第2経路10、20上に位置するビアホール455と、第3及び第4経路30、40上に位置するビアホール455とは互いに対向する。
【0070】
経路変更部(PCP)は、第1及び第2信号線622、624がそれぞれベース板451の同一面で第1経路乃至第4経路10、20、30、40を変える部分であり、差動信号線520の長手方向(L)に沿って繰り返して現れる。
【0071】
本実施形態によるビアホール455は上述した他の実施形態とは異なり、経路変更部(PCP)から離れている。即ち、ビアホール455は、差動信号線520の長手方向(L)に隣り合う2つの経路変更部(PCP)の間に位置する。
【0072】
差動信号線620の長手方向(L)に沿って隣り合う2つのビアホール455の間を区間S1、S2とする場合、この区間S1、S2距離は全て同じであってもよく、各区間毎に異なってもよい。
【0073】
第1信号線622及び第2信号線624は、その長手方向(L)にたどると、第1経路乃至第4経路10、20、30、40に交互に位置し、図示するように、長手方向(L)に沿って連続的に隣り合う区間S1、S2において、第1信号線622と第2信号線624とは互いに異なる経路に位置する。第1信号線622及び第2信号線624は、ビアホール455を介してベース板451の上部面にある第1経路10、第3経路30または下部面にある第2経路20、第4経路40に移動し、さらに、経路変更部(PCP)で第1経路乃至第4経路10、30、20、40を変更する。経路変更部(PCP)における第1信号線622及び第2信号線624部分の平面形状は十字状であってもよい。
【0074】
第1及び第2信号線622、624の位置を、第1区間S1から第2区間S2方向に沿ってより詳細に説明する。第1信号線622は、第1区間S1が始まる部分に位置するビアホール455を介して、第1経路10から第2経路20に移動し、次いで第2経路20に沿って経路変更部(PCP)まで延びて、経路変更部(PCP)で第4経路40側に曲がり、第4経路40に沿って第1区間S1の端に位置するビアホール455まで延びる。さらに、第1信号線622は、第1区間S1の端であると同時に第2区間S2の開始の部分に位置するビアホール455を介して、第4経路40から第3経路30に移動し、次いで第3経路30に沿って経路変更部(PCP)まで延びて、経路変更部(PCP)で第1経路10側に曲がり、第1経路10に沿って第2区間S2の端に位置するビアホール455まで延びる。
【0075】
第2信号線624は、第1区間S1が始まる部分に位置するビアホール455を介して、第4経路40から第3経路30に移動し、次いで第3経路30に沿って経路変更部(PCP)まで延びて、経路変更部(PCP)で第1経路10側に曲がり、第1経路10に沿って第1区間S1の端に位置するビアホール455まで延びる。さらに、第2信号線624は、第1区間S1の端であると同時に第2区間S2の開始の部分に位置するビアホール455を介して第1経路10から第2経路20に移動し、次いで第2経路20に沿って経路変更部(PCP)まで延びて、経路変更部(PCP)で第4経路40側に曲がり、第4経路40に沿って第2区間S2の端に位置するビアホール455まで延びる。
【0076】
第1信号線622と第2信号線624とはほとんどオーバーラップしないが、経路変更部(PCP)の交差部分では一部オーバーラップする。交差部分の形状は略十字状であってもよい。
【0077】
差動信号線620の経路変更部(PCP)と隣接する差動信号線620の経路変更部(PCP)とは、その長手方向に沿って互いに異なる位置に配置される。よって、差動信号線620のビアホール455は、隣接する差動信号線620のビアホール455と対向しない。なお、差動信号線620のビアホール455と隣接する差動信号線620の経路変更部(PCP)とは、差動信号線620の長手方向に沿って互いに異なる位置に配置されてもよい。ここで、隣り合う差動信号線620の経路変更部(PCP)とビアホール455とが互い違いに配置されずに一列に配置されれば、経路変更部(PCP)及びビアホール455がルーフアンテナの機能をしてEMI特性が悪化する。
【0078】
さらに、
図10に示されるように、ベース板451は、上部層451a及び下部層451bを含む二重層構造を有してもよい。この場合、第1経路10及び第3経路30は上部層451aに位置し、第2経路20及び第4経路40は下部層451bに位置する。複数のビアホール455は上部層451aに形成される。これ以外の構造は
図8及び
図9に示した構造と略同じである。
【0079】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。