特許第6033265号(P6033265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6033265手動リセットで遠隔操作される回路遮断器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033265
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】手動リセットで遠隔操作される回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 71/68 20060101AFI20161121BHJP
   H01H 71/12 20060101ALI20161121BHJP
   H01H 73/02 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   H01H71/68
   H01H71/12
   H01H73/02 Z
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-179679(P2014-179679)
(22)【出願日】2014年9月3日
(65)【公開番号】特開2015-56405(P2015-56405A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2014年10月17日
(31)【優先権主張番号】14/025,446
(32)【優先日】2013年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508117743
【氏名又は名称】カーリング テクノロジーズ、 インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CARLING TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100116263
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ファザーノ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジアンジュアン
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−292545(JP,A)
【文献】 特開昭58−131636(JP,A)
【文献】 仏国特許発明第02799574(FR,B1)
【文献】 特開昭60−030030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 71/68
H01H 71/12
H01H 73/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路遮断器を介して電流が流れる閉状態と該回路遮断器を介して電流が流れることを防ぐ開状態との間を互いに対して移動可能な第1と第2の接点と、
第1位置第2位置との間を移動可能な連結アセンブリであって、第2位置にあるときに前記第1と第2の接点が開状態であるものと、
オン位置とオフ位置との間を移動可能な遠隔アクチュエータであって、前記連結アセンブリが第1位置にあって前記遠隔アクチュエータがオン位置にあるときに前記第1と第2の接点が閉状態にあり、前記連結アセンブリが第1位置にあって前記遠隔アクチュエータがオフ位置に移動されるときに前記第1と第2の接点が互いに対して開状態に移動されるものと、
前記遠隔アクチュエータがオフ位置にあるときに前記遠隔アクチュエータへの電力が失われてしまう際の作動時に、前記遠隔アクチュエータをオン位置に移動させ、それにより、前記第1と第2の接点を閉状態へとリセットする手動リセット機構と、
オン位置とオフ位置との間を手動的に作動可能なハンドルであって、該ハンドルがオン位置にあるときに前記連結アセンブリが第1位置で、該ハンドルがオフ位置にあるときに前記連結アセンブリが第2位置であるものを具備し、
前記連結アセンブリは第1端と第2端とを有し、前記第1端は前記ハンドルと連結され、前記第2端は前記第1の接点と連結され、
前記手動リセット機構は、前記遠隔アクチュエータがオフ位置にあるときに該遠隔アクチュエータへの電力が失われてしまう際に、前記ハンドルをオン位置からオフ位置へ移動させ、それから、オン位置へ戻すことによりアクチュエートされることを特徴とする回路遮断器。
【請求項2】
前記遠隔アクチュエータが、プランジャを具備するソレノイドを具備し、該プランジャが延長位置と後退位置との間を移動可能であり、
前記遠隔アクチュエータは、前記プランジャが後退位置にあるときにオン位置にあり、前記遠隔アクチュエータは、前記プランジャが延長位置にあるときにオフ位置にある
ことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項3】
前記ソレノイドが、該ソレノイドへの電力が失われてしまう際に延長位置を維持するために前記プランジャを付勢する、少なくとも一つの永久磁石を具備しており、
前記遠隔アクチュエータがオフ位置にあるときに前記ソレノイドへの電力が失われてしまう際の前記手動リセット機構の作動時に、前記プランジャが、前記少なくとも一つの永久磁石の付勢に逆らって、延長位置から後退位置に移動されることを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器。
【請求項4】
回路遮断器を通過する閾値を越える電流に応答して、前記連結アセンブリを第1位置から第2位置へ移動させる始動機構を、さらに、具備することを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項5】
前記第1と第2の接点の一方が前記回路遮断器の筐体に対して固定されており、前記第1と第2の接点の他方が前記筐体に対して移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項6】
前記可動接点が、前記固定接点に対して回動可能に取り付けられるレバーアセンブリに設置され、
前記レバーアセンブリが、前記第1と第2の接点が閉状態にある位置に向かって、付勢されることを特徴とする請求項5に記載の回路遮断器。
【請求項7】
前記レバーアセンブリが、接点部分とカム部材を具備し、前記可動接点が前記接点部分に担持されることを特徴とする請求項6に記載の回路遮断器。
【請求項8】
前記接点部分と前記カム部材は、その間の回動性が制限されるように、お互いに接続されることを特徴とする請求項7に記載の回路遮断器。
【請求項9】
前記カム部材が前記遠隔アクチュエータと対面する外側カム面を具備し、前記外側カム面が突起により分離された2つのポケットを具備し、該ポケットは、前記遠隔アクチュエータがオフ位置にあるときに、前記遠隔アクチュエータの一部に係合されるように適合されていることを特徴とする請求項7に記載の回路遮断器。
【請求項10】
前記カム部材がそこに設置されるピンを有する内側開口を具備し、該ピンが前記回路遮断器の筐体に対して固定されていることを特徴とする請求項9に記載の回路遮断器。
【請求項11】
前記内側開口が、三角形であり、その一つの辺は前記ポケットを有している前記外側カム面に平行であり、前記ポケットを有している前記外側カム面に平行なその前記辺内に形成される戻り止めを有し、前記戻り止めは面取りされ前記内側開口内に設置される前記ピンに係合するように形成されることを特徴とする請求項10に記載の回路遮断器。
【請求項12】
前記レバーアセンブリの位置を感知して位置表示信号を出力するセンサーアセンブリを、さらに、具備することを特徴とする請求項6に記載の回路遮断器。
【請求項13】
前記センサーアセンブリが磁石と少なくとも1個のホール効果センサーとを具備することを特徴とする請求項12に記載の回路遮断器。
【請求項14】
前記レバーアセンブリの位置を感知して位置表示信号を出力するセンサーアセンブリを、さらに、具備することを特徴とする請求項8に記載の回路遮断器。
【請求項15】
前記センサーアセンブリが磁石と少なくとも1個のホール効果センサーとを具備することを特徴とする請求項14に記載の回路遮断器。
【請求項16】
前記磁石が前記レバーアセンブリに担持されることを特徴とする請求項15に記載の回路遮断器。
【請求項17】
さらに、少なくとも1個のLEDを具備し、その照明が前記位置表示信号に応答することを特徴とする請求項16に記載の回路遮断器。
【請求項18】
筐体と、
回路遮断器を介して電流が流れる閉状態と該回路遮断器を介して電流が流れることを防ぐ開状態との間を互いに対して移動可能な第1と第2の接点であって、該第1と第2の接点の一方が前記筐体に対して固定され、該第1と第2の接点の他方が前記筐体に対して移動可能であるものと、
前記筐体に対して回動可能に取り付けられるレバーアセンブリであって、可動接点が該レバーアセンブリ上に設置され、該レバーアセンブリは前記第1と第2の接点が閉状態にある位置に向かって付勢されるものと、
第1位置第2位置との間を移動可能な連結アセンブリであって、第2位置にあるときに前記第1と第2の接点が開状態であるものと、
オン位置とオフ位置との間を手動的に作動可能なハンドルであって、該ハンドルがオン位置にあるときに前記連結アセンブリが第1位置で、該ハンドルがオフ位置にあるときに前記連結アセンブリが第2位置であるものと、
前記回路遮断器を通過する閾値を越える電流に応答して、前記連結アセンブリを第1位置から第2位置へ移動させる始動機構と、
延長位置と後退位置との間を移動可能なプランジャを具備するソレノイドであって、前記連結アセンブリが第1位置にあって該ソレノイドの前記プランジャが後退位置であるときに前記第1と第2の接点が閉状態にあり、前記連結アセンブリが第1位置にあって前記ソレノイドの前記プランジャが延長位置へ移動されるときに前記第1と第2の接点が互いに対して開状態に移動されるものと、
前記プランジャが延長位置にあるときに前記ソレノイドへの電力が失われてしまう際の作動時に、前記ソレノイドの前記プランジャを後退位置に移動させ、それにより、前記第1と第2の接点を閉状態へとリセットする手動リセット機構であって、該手動リセット機構が前記ハンドルをオン位置からオフ位置へ移動させ、それから、オン位置へ戻すことによりアクチュエートされるものと、
を具備し、
前記連結アセンブリは第1端と第2端とを有し、前記第1端は前記ハンドルと連結され、前記第2端は前記第1の接点と連結されることを特徴とする回路遮断器。
【請求項19】
前記ソレノイドが、該ソレノイドへの電力が失われてしまう際に延長位置を維持するために前記プランジャを付勢する少なくとも一つの永久磁石を具備することを特徴とする請求項18に記載の回路遮断器。
【請求項20】
前記ソレノイドが延長位置にあるときに該ソレノイドへの電力が失われてしまう際の前記手動リセット機構の作動時に、前記プランジャが、前記少なくとも一つの永久磁石の付勢に逆らって、延長位置から後退位置に移動されることを特徴とする請求項19に記載の回路遮断器。
【請求項21】
前記レバーアセンブリが、接点部分とカム部材を具備し、前記可動接点が前記接点部分に担持されることを特徴とする請求項19に記載の回路遮断器。
【請求項22】
前記接点部分と前記カム部材は、その間の回動性が制限されるように、互いに接続されることを特徴とする請求項21に記載の回路遮断器。
【請求項23】
前記カム部材が前記ソレノイドと対面する外側カム面を具備し、該外側カム面が突起によって分離された2つのポケットを具備し、該ポケットは、前記プランジャが延長位置にあるときに、前記ソレノイドの該プランジャにより係合されるように適合されることを特徴とする請求項21に記載の回路遮断器。
【請求項24】
前記カム部材がそこに設置されるピンを有する内側開口を具備し、該ピンが前記筐体に対して固定されていることを特徴とする請求項23に記載の回路遮断器。
【請求項25】
前記内側開口が、三角形であり、その一つの辺は前記ポケットを有している前記外側カム面に平行であり、前記ポケットを有している前記外側カム面に平行なその前記辺内に形成される戻り止めを有し、前記戻り止めは面取りされ前記内側開口内に設置される前記ピンに係合するように形成されることを特徴とする請求項24に記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、遠隔操作される回路遮断器に関し、さらに具体的には、回路遮断器ハンドル機構とは別個のソレノイド機構を用いて操作できる接点アームを用いて遠隔操作される回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
回路遮断器は、過負荷または短絡回路に起因する破損から電気回路を保護するために使用できる装置である。もし、回路遮断器により保護された回路に電力サージが生じると、例えば、遮断器が始動するであろう。これは、「オン」位置にあった遮断器の「オフ」位置への反転を引き起こすであろうし、電力がその遮断器から導かれるのを遮断するであろう。このように始動することで、回路遮断器は、過負荷回路時に、火災が起きることを防げるし、電気を引き出している装置または被保護回路に接続されたその他の装置の破壊を防ぐことができる。
【0003】
標準回路遮断器は、線路と負荷を有する。一般的に、線路は、ほとんどの場合、電力会社から流入電気を受け取る。これは、回路遮断器への入力と称される場合がある。負荷は、出力と称される場合があり、回路遮断器から外へ給電し、回路遮断器から給電される電気部品に接続する。回路遮断器は、回路遮断器に直接接続される個別の部品、例えば、空気清浄機を保護するだろうし、または、回路遮断器は、電気コンセントで終端する電力回路に接続された複数部品、例えば、家庭用器具を保護するだろう。
【0004】
回路遮断器は、ヒューズの代替物として使用できる。一度作動して、その後、入れ替えなければならないヒューズと違って、回路遮断器は、通常動作を復旧させるために、(手動または自動のいずれかで)リセットすることができる。エリアへの電力が遮断した際に、操作者は、どの遮断器が「オフ」位置に始動したかを理解するために、電気パネルを検査することができる。この遮断器は、それから、「オン」位置へ反転することができ、電力が再び復旧するであろう。
【0005】
一般に、回路遮断器は、ハウジングの内部に置かれた2つの接点を有する。一般的に、この第1の接点は固定で、線路または負荷のどちらかに接続されるだろう。一般的には、回路遮断器が「オフ」または始動位置の際に、第1と第2の接点間にギャップが存在し、線路負荷から切断されるように、この第2の接点は、第1の接点に対して可動である。
【0006】
回路遮断器は、不定期に動作するように、通常設計される。典型的な応用においては、回路遮断器は、電力スパイクまたは他の電気的じょう乱によって始動されるときのみに、動作されるであろう。電力スパイクは、典型的な回路の通常動作期間中は、通常は発生しない。
【0007】
いくつかの応用においては、しかしながら、回路遮断器をより頻繁に作動させることが望ましい。例えば、電気を節約する利益のために、ビルデイングの全フロアへの電力分配を、1つの位置から制御することが有益だろう。これは、全フロア回路用の遮断器を手動で始動することにより成され得る。遠隔制御、タイマー、動きセンサーなどを用いて、遠隔的に回路遮断器を手動で始動することが、また、望ましいだろう。
【0008】
その他の応用では、維持の目的ために、回路遮断器を遠隔的に作動させることが望ましい。例えば、操作者は、検査でき、または、サービスできるように、被保護回路の電源を切断するために、回路遮断器を手動で始動するだろう。しかしながら、いくかの回路において、遮断器を作動させることは、操作者にとって安全上の問題を起こす危険なアークを産出しかねない。さらに他の回路において、回路遮断器は、閉じ込められるか、または、危険な環境に置かれるだろう。これらの状況において、この回路遮断器を遠隔的に作動させることが、また、有益である。
【0009】
回路遮断器を遠隔的に制御する既知のアプローチは、回路遮断器に、回路遮断器機構を意図的に始動できて、リセットできる機構を組み入れることを含んでいる。そのような機構の例は、始動機構を作動させるために用いられるソレノイドまたはモーターであり、そして、始動機構を再武装することで回路遮断器をリセットするために用いられるソレノイドまたはモーターである。
【0010】
しかしながら、このようにパワースイッチまたは遠隔制御として回路遮断器を用いることは、それが、そうでなければ、典型的な回路保護応用において経験するであろうよりもはるかに多数の動作サイクルを遮断器に受けさせる。これは、回路遮断器の受け入れがたいほど早期な故障をもたらし得る。典型的な回路遮断器機構は、故障前にたった20,000〜30,000サイクルだけ耐え抜くように設計される。
【0011】
そのような回路遮断器が故障前に耐えることができるサイクル数を増大させるために、始動機構や、任意のばね、連結、脱進機、シアー、ダッシュポット、バイメタル熱部品、または、機構の一部である他の部品を含む回路遮断器の全ての部品は、そうでなければ、要求されるであろうよりも頑丈な方法にて設計されなければならない。これは、回路遮断器を生産するコストを著しく増大させる。
【0012】
これらの問題は、2012年8月29日にファイルされた米国特許出願No.13/598,217に開示された発明によって大いなる成功にて対処されており、その出願はまた本出願の譲受人に譲渡されている。しかしながら、そこにて開示された設計が以前に既知であった遠隔操作回路遮断器設計を越えて著しい利益を提供するとしても、追加の特徴のための余地が見出されてきた。
【0013】
すなわち、米国特許出願No.13/598,217にて議論されるように、遮断器が安全のためにその状態にあるときにソレノイドへの電力が失われれば、「遠隔開」状態において遮断器を「ロックする」ことが望ましいであろうが、いくつかの応用において、電力が失われる時にソレノイドの位置にかかわらずソレノイドがDC電力を失う場合においては、回路遮断器の「手動リセット」を可能にすることが望ましいだろうことが見出されてきた。例えば、遮断器が「遠隔開」状態にあってDC電力が失われる際に、ソレノイド内の永久磁石はその位置においてプランジャを保持するだろう。米国特許出願No.13/598,217に開示されている以前の設計を用いる際に、もし、これが生じれば、遮断器は、DC電力が存在しなければ、手動的に「閉」へとリセットすることができないであろう。このことはいくつかの応用にとって望ましいだろうが、全ての応用にとっては望ましくないであろう。
【0014】
望まれるものは、従って、遠隔的にまたは手動的に作動することができて、また、遮断器が「遠隔開」状態にあるときに、たとえソレノイドへの電力が失われても、遮断器を「閉」位置へと手動的にリセットできることを可能にする回路遮断器である。
【発明の開示】
【0015】
したがって、本発明の一つの目的は、遠隔的にオン・オフできる回路遮断器を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、回路遮断器機構から分離している機構を用いてオン・オフできる回路遮断器を提供することである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、遮断器が「遠隔開」状態で遠隔オン/オフ機構への電力が失われても、「閉」位置へ手動的でリセットされ得る回路遮断器を提供することである。
【0018】
これらおよびその他の目的は、回路遮断器を介して電流が流れる閉状態と該回路遮断器を介して電流が流れることを防ぐ開状態との間を互いに対して移動可能な第1と第2の接点とを有する回路遮断器を提供することにより達成される。連結アセンブリが、係合位置と非係合位置との間を移動可能であり、そこでは、非係合位置にあるときに前記第1と第2の接点が開状態である。遠隔アクチュエータが、オン位置とオフ位置との間を移動可能であり、そこでは、前記連結アセンブリが係合位置にあって前記遠隔アクチュエータがオン位置にあるときに前記第1と第2の接点が閉状態にあり、前記連結アセンブリが係合位置にあって前記遠隔アクチュエータがオフ位置に移動されるときに前記第1と第2の接点が互いに対して開状態に移動される。手動リセット機構が提供され、それは、前記遠隔アクチュエータがオフ位置にあるときに前記遠隔アクチュエータへの電力が失われてしまう際の作動時に、前記遠隔アクチュエータをオン位置に移動させ、それにより、前記第1と第2の接点を閉状態へとリセットする。
【0019】
いくつかの具体例において、前記遠隔アクチュエータは、プランジャを具備するソレノイドを具備し、該プランジャが延長位置と後退位置との間を移動可能である。これらの具体例のいくつかにおいて、前記遠隔アクチュエータは、前記プランジャが後退位置にあるときにオン位置にあり、前記遠隔アクチュエータは、前記プランジャが延長位置にあるときにオフ位置にある。これらの具体例いくつかにおいて、前記ソレノイドは、該ソレノイドへの電力が失われてしまう際に延長位置を維持するために前記プランジャを付勢する、少なくとも一つの永久磁石を具備する。これらの具体例のいくつかにおいて、前記遠隔アクチュエータがオフ位置にあるときに前記ソレノイドへの電力が失われてしまう際の前記手動リセット機構の作動時に、前記プランジャは、前記少なくとも一つの永久磁石の付勢に逆らって、延長位置から後退位置に移動される。
【0020】
いくつかの具体例において、前記回路遮断器は、さらに、オン位置とオフ位置との間を手動的に作動可能なハンドル具備し、前記ハンドルがオン位置にあるときに前記連結アセンブリが係合位置にあり、前記ハンドルがオフ位置にあるときに前記連結アセンブリが非係合位置にある。これらの具体例のいくつかにおいて、前記手動リセット機構は、前記遠隔アクチュエータがオフ位置にあるときに該遠隔アクチュエータへの電力が失われてしまう際に、前記ハンドルをオン位置からオフ位置へ移動させ、それから、オン位置へ戻すことによりアクチュエートされる。
【0021】
いくつかの具体例において、請求項1に記載の回路遮断器は、回路遮断器を通過する閾値を越える電流に応答して、前記連結アセンブリを係合位置から非係合位置へ移動させる始動機構を、さらに、具備する。
【0022】
いくつかの具体例において、前記第1と第2の接点の一方は前記回路遮断器の筐体に対して固定されており、前記第1と第2の接点の他方は前記筐体に対して移動可能である。これらの具体例のいくつかにおいて、前記可動接点は、前記固定接点に対して回動可能に取り付けられるレバーアセンブリに設置される。これらの具体例のいくつかにおいて、前記レバーアセンブリは、前記第1と第2の接点が閉状態にある位置に向かって、付勢される。
【0023】
いくつかの具体例において、前記レバーアセンブリは、接点部分とカム部材を具備し、前記可動接点は前記接点部分に担持される。これらの具体例のいくつかにおいて、前記接点部分と前記カム部材は、その間の回動性が制限されるように、お互いに接続される。
【0024】
いくつかの具体例において、前記カム部材は前記遠隔アクチュエータと対面する外側カム面を具備し、前記外側カム面が突起により分離された2つのポケットを具備し、該ポケットは、前記遠隔アクチュエータがオフ位置にあるときに、前記遠隔アクチュエータの一部に係合されるように適合されている。これらの具体例のいくつかにおいて、前記カム部材はそこに設置されるピンを有する内側開口を具備し、該ピンが前記回路遮断器の筐体に対して固定されている。これらの具体例のいくつかにおいて、前記内側開口が、一般的には三角形であり、その一つの辺は前記ポケットを有している前記外側カム面に一般的には平行であり、前記ポケットを有している前記外側カム面に一般的には平行なその前記辺内に形成される戻り止めを有し、前記戻り止めは面取りされ前記内側開口内に設置される前記ピンに係合するように形成される。
【0025】
本発明のさらに他の目的とその特別な特徴と利点は、以下の図面および添付の詳細な説明の考察からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の態様による実施例の回路遮断器の側面図であり、閉位置を示している。
図2図1に示す実施例の回路遮断器の他の側面図であり、遠隔的な開位置を示している。
図3図1および図2に示す実施例の回路遮断器の他の側面図であり、始動位置を示している。
図4】本発明の態様による図1図3に示す実施例の回路遮断器の構成要素の位置の様々な組み合わせを示しているテーブルである。
図5】本発明の態様による図1図3に示す実施例の回路遮断器に対して可能な様々な状態遷移を示している状態図である。
図6】本発明の態様による第2の例示の回路遮断器の側面図であり、閉位置を示している。
図7図6に示す第2の例示の回路遮断器の別の側面図であり、遠隔開位置を示している。
図8図6に示す第2の例示の回路遮断器の別の側面図であり、手動開または始動位置を示している。
図9A図6に示す第2の例示の回路遮断器の側面図であり、ソレノイドへのDC電力が失われてしまったイベントにおいて後退位置へと手動的にリセットされたソレノイドのプランジャを示している。
図9B図6に示す第2の例示の回路遮断器の側面図であり、ソレノイドへのDC電力が失われてしまったイベントにおいて後退位置へと手動的にリセットされたソレノイドのプランジャを示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、本発明の態様に従って、実施例の回路遮断器100を図解している。
【0028】
回路遮断器100は、線路端子110に接続された固定接点105を備える。線路端子は、いくつかの応用においては電力会社によって供給される、発電機(図示せず)などの電源、から電気を受け取る。
【0029】
可動接点115は、第1のピボット135および第2のピボット170でピボットすることによって閉位置125および開位置200、300(図2図3)の間を移動できる可動接点アーム120上に配置される。
【0030】
可動接点アーム120は、連結145により、始動機構140に接続される。示されているように、始動機構140は非始動状態にある。連結は、始動機構140が始動される際に可動接点アームを閉位置から開位置に移動させるために付勢されるばね機構(図示せず)を有するだろう。
【0031】
故障検出器150が、可動端子に接続されており、過剰電流などの故障状態が生じる際に、始動機構140を始動させるように構成される。いくつかの応用において、故障検出器は、回路にインライン配置されるソレノイドである。もし、ソレノイドを介する電流が一定のレベルを越えると、ソレノイドは始動機構を作動させるために十分な電磁界を発生する。ソレノイドは、また、電流が一定のレベルを越える際に始動機構を作動させるプランジャ、または、他のアーマチュアを必要に応じて組み込むだろう。
【0032】
特定の条件の発生時に始動機構を始動するその他の故障検出方法が、また、採用されもよいことが理解される。
【0033】
可動接点115は、故障検出器150およびコネクター116を介して負荷端子199に接続される。可動接点115が閉位置にあるときは、図1に示すように、固定接点105と移動可能接点115は互いに接触しており、接点105、115を介して、線路端子110から負荷端子199に電気が流れることができる。
【0034】
ハンドル160が、また、始動機構140をリセットするために、または、始動機構140を手動で始動するために備えられる。
【0035】
移動可能接点アーム120は、移動可能接点アーム120が第2のピボットポイント170の回りをスライドおよび/またはピボットすることを可能にするガイドチャンネル165を有する。移動可能接点アーム120は、また、レバー175を有する。レバーは、可動接点アーム120と一体で形成されてもよいし、あるいは、可動接点アーム120に取り付けられた別個の片でもよい。
【0036】
アクチュエータソレノイド180は、レバー175に接続されるプランジャ185を有する。レバー175、可動接点アーム120およびガイドチャンネル165は、始動機構140が非始動状態にあって、示されているように、アクチュエータソレノイド180が作動される際に、プランジャ185が矢印190の方向に移動して、ピボットポイント135の回りに可動接点アーム120をピボットし、第2のピボットポイント170に沿ってガイドチャンネル165をスライドすることにより、閉位置125から第2の開位置(図2の200)に可動接点アーム120を移動させる。
【0037】
接点105、115をこのように開閉するために、アクチュエータソレノイド180のようなアクチュエータを組み入れることは、始動機構140とその関連部品の強靭性を増大させることに関連した追加のコストを招くことなく、回路遮断器の手動操作サイクル数を増大させることを可能にする利点を得ることができる、これは、接点がアクチュエータソレノイドを経由して開く際にそれらが作動されないからである。このようにして、動作寿命は、典型的な応用において、約200,000サイクルに増大させることができる。
【0038】
アクチュエータソレノイド180は、遠隔信号を用いて作動されるだろう。アクチュエータソレノイド180は、永久磁石192を組み入れているバイスティブル、または、ラッチィングソレノイドであろう。この場合、プランジャ185は、アクチュエータソレノイド180が正しい極性でエネルギー供給されない限りその位置を保持するであろう。
【0039】
極性スイッチ194は、コネクター196を用いてアクチュエータソレノイド180に接続されるだろう。極性スイッチ194は、プランジャ185を伸ばす、または、引っ込めるためにアクチュエータソレノイド180にいずれかの極性のパルス信号を提供できる。信号が無いときは、プランジャ185はソレノイド180により同じ場所に保持される。
【0040】
永久磁石192は、また、アクチュエータソレノイド180の電源が切断されるとき、プランジャ185が矢印190の方向に引かれて、閉位置125から第2の開位置(図2の200)に可動接点115を移動させることにより回路を開くように配置されるだろう。
【0041】
プランジャ185が一方向に力を提供するだけでよいように、付勢ばね198が、レバー175を付勢するために、必要に応じて配置されるだろう。
【0042】
図2は、図1と同様に始動機構140が始動されていないが、可動接点アーム120が第2の開位置200にある状態における実施例の回路遮断器100を図解している。
【0043】
図3は、始動機構140が始動される状態における実施例の回路遮断器100を図解している。ここでは、可動接点115が開位置300にて保持されるように、可動接点レバー120が、連結145を経由して始動機構140を始動することにより、移動されている。始動状態における始動機構140によって、プランジャ185の位置にかかわらず、可動接点115は、固定接点105に対する閉状態に戻ることはできない。これは、アクチュエータソレノイド180を経由した遠隔システム用いて、故障後に回路遮断器を再係合することは不可能であることを意味する。
【0044】
始動機構140が、図1および図2に示すように非始動状態にあるときは、接点115と105は、ソレノイド180を作動させることにより自在に開閉されるだろう。しかしながら、始動機構140が始動状態にあるときは、接点115と105は、ソレノイド180を作動させることでは、閉状態に戻すことはできない。これにより、回路遮断器100の直下にある操作者が、危険な状態をもたらしてしまうであろう、遮断器を遠隔的にまたは自動的に再閉するためのいかなる試みを無効にできるようにして、安全性を増加させる利点を得ることができる。
【0045】
同様に、延長位置にある間に、極性スイッチ194への電力が失われて、アクチュエーションソレノイド180の作動を防止しているならば、始動機構140またはハンドル160を用いて接点115と105の開くこと、および、ハンドル160用いて接点115と105を閉じることを可能に保持している。しかしながら、後退位置にある間に、極性スイッチ194への電力が失われて、アクチュエーションソレノイド180の作動を防止しているならば、ハンドル160を用いて接点を再閉することはできない。これにより、危険な状態をもたらすであろう、ハンドル160を操作することで、遮断器を再閉するためのいかなる試みを防ぐことにより、安全を増加させる利点を得ることができる。いくつかの応用において、極性スイッチ194への電力を要求することなくして、追加の機構(図示せず)が、アクチュエーションソレノイド180のプランジャ185を延長位置に移動させることを可能にするために組み入れられるだろう。その他の具体例(図6図9に関連して以下にて議論される具体例)においては、遮断器が「遠隔開」状態にあるときに遠隔オン/オフ機構への電力が失われたとしても、回路遮断器は「閉」位置へと手動的にリセットされ得る。
【0046】
図4は、図1図3に示す実施形態による可能な回路遮断器位置の様々な組み合わせを図解しているテーブルである。
【0047】
回路遮断器機構140とレバー175の双方がオン位置(状態A)にあるとき、可動接点アームは閉位置にあり、電流は回路遮断器100を介して流れることができる。
【0048】
状態Aから、もし、回路遮断器機構140がトグルされると、例えば、手動で、または、過電流状態を経由して回路遮断器機構140を始動することにより、移動可能接点アーム120は第1の開位置300に移動し、電流はもはや回路遮断器100を介して流れることができない。
【0049】
状態Aから、もし、レバー175がトグルされると、例えば、アクチュエーションソレノイドを遠隔的に作動させることにより、移動可能接点アーム120は第2の開位置に移動し、電流はもはや回路遮断器100を介して流れることができない。
【0050】
回路遮断器機構140とレバー175の双方がオフ位置(状態B)にあるとき、接点アームは第1の開位置300にあり、電流は回路遮断器100を介して流れることができない。
【0051】
状態Bから、もし、回路遮断器機構140がトグルされると、例えば、回路遮断器機構をリセットすることにより、可動接点アーム120は第2の開位置に移動し、電流はまだ回路遮断器100を介して流れることができない。これにより、例えば、安全上の問題が遠隔操作者に知られている際に、現場操作者が遮断器をスイッチオンしようと試みたとしても、遠隔操作者が、電流が流れることを防ぐことを可能にする利点を得ることができる。
【0052】
状態Bから、もし、レバー175がトグルされると、例えば、アクチュエーションソレノイドを遠隔的に作動させることにより、移動可能接点アーム120は第1の開位置300に移動し、電流はまだ回路遮断器100を介して流れることができない。これにより、例えば、安全上の問題が現場操作者に知られている際に、遠隔操作者が回路遮断器をスイッチオンしようと試みたとしても、現場操作者にとって、電流が流れることを防止することを可能にする利点を得ることができる。
【0053】
回路遮断器機構140がオン位置にあり、レバー175がオフ位置にあるときは(状態C)、可動接点アームは第2の開位置にあり、電流は回路遮断器100を介して流れることができない。
【0054】
状態Cから、もし、回路遮断器機構140がトグルされると、例えば、手動で、または、過電流状態を経由して回路遮断器機構140を始動することにより、移動可能接点アーム120は第1の開位置300に移動し、電流はまだ回路遮断器100を介して流れることができない。
【0055】
状態Cから、もし、レバー175がトグルされると、例えば、アクチュエーションソレノイドを遠隔的に作動させることにより、可動接点アームは閉位置に移動し、電流は回路遮断器100を介して流れることができる。
【0056】
回路遮断器機構140がオフ位置にあり、レバー175がオン位置にあるときは(状態D)、可動接点レバー175は第1の開位置300にあり、電流は回路遮断器100を介して流れることができない。
【0057】
状態Dから、もし、回路遮断器機構140がトグルされると、例えば、回路遮断器機構をリセットすることにより、可動接点レバー175は閉位置に移動し、電流は回路遮断器100を介して流れることができる。
【0058】
状態Dから、もし、レバー175がトグルされると、例えば、アクチュエーションソレノイドを遠隔的に作動させることにより、可動接点アームは第1の開位置300に移動し、電流はまだ回路遮断器100を介して流れることができない。
【0059】
図5は、図1図3に示す回路遮断器の実施例によって可能な、異なる状態遷移を図解しており、図4のテーブルにおいて示されているような状態図である。電流が回路遮断器を介して流れることを可能にする唯一の状態が、状態Aである。状態Dか状態Cのいずれかを最初に通過しないで、状態Bから状態Aへ直接遷移することは不可能であることが、この状態図から明白である。従って、状態Bは回路遮断器100の安全状態として考えられる。
【0060】
状態Dから状態Aへの遷移は、回路遮断器機構140により、例えば、機構をリセットできる現場操作者により制御される。遠隔操作者は、現場操作者によって制御される、状態Dに遭遇することによってのみ、状態Bから状態Aへの遷移を開始できる。
【0061】
同様に、状態Cから状態Aへの遷移は、レバー操作者により、例えば、ソレノイド180を用いてレバー175を作動させる遠隔操作者により制御される。現場操作者は、遠隔操作者により制御される、状態Cに遭遇することによってのみ、状態Bから状態Aへの遷移を開始できる。
【0062】
このようにして、被保護回路にエネルギー供給する前に回路遮断器100の操作者間の論理的合意を要求することにより、回路遮断器100が、安全の付加層を提供するように構成され得る。
【0063】
さて、図6図9Bを参照すると、上で述べたように、回路遮断器用のいくつかの応用においては、遮断器が「遠隔開」状態にあるときに遠隔オン/オフ機構への電力が失われても、「閉」位置へ手動でリセットされ得ること望ましいだろう。この特徴は、図6図9Bに示す本発明の実施の形態において提供される。
【0064】
多くの点において、回路遮断器600は、図1図3に関連して上述された回路遮断器100のそれと実質的に同じ方法において作動する。そのように、同様な特徴と操作を繰り返すよりもむしろ、回路遮断器600と前に記載された回路遮断器100間の相違点のみがここにて議論される。
【0065】
最も明白な相違点の一つはソレノイドの位置に関する。図1図3に示す回路遮断器100の具体例においては、ソレノイド180のプランジャ185が、接点105、115を閉じるために伸長され、接点105、115を開くために後退するように、アクチュエーションソレノイド180が、レバー175のピボット点135を通過する垂直平面に対して接点105、115と同じ側に設置される。図6図9Bに示す回路遮断器600の具体例においては、それに対して、ソレノイド680のプランジャ685が、接点605と615が閉じられる際に後退し(図6)、接点605と615が遠隔的に開くために伸長される(図7)のように、アクチュエーションソレノイド680が、レバーアセンブリ675のピボット点635を通過する垂直平面に対して、接点605と615と反対側に設置される。
【0066】
別の明らかな相違点は、回路遮断器100の比較的簡単なレバー175が、著しく異なる機能性を提供するより更に複雑なレバーアセンブリ675によって置換されてしまったことである。
【0067】
回路遮断器100のレバー175と同様に、レバーアセンブリ675は、可動接点615が設置される接点部分676を有し、その接点部分676は、ピボット点635の周りに、連結645上で回動自在に取り付けられており、また、チャンネル665以内でスライド可能に設置されたピン670を有する。これらの素子の操作は上述の回路遮断器100の操作に類似しており、さらなる詳細は提供されない。
【0068】
しかしながら、レバー175がソレノイド180のプランジャ185に係合した簡単な伸長を有している回路遮断器100とは違って、レバーアセンブリ675は、はるかにより複雑な形状を有するカム部材677を具備する。カム部材677は、ピボット点678の周りに制限された回動性を有する接点部分676に取り付けられる。制限された回動性が意味することを、以下に、より詳細に記載する。
【0069】
ソレノイドに面するカム部材677の外面は、それらの間の突起により分離された2つのポケット679を有し、ポケット679は、プランジャ685が伸長される際にソレノイド680のプランジャ685の端部にて係合されるように適合されている。これらのポケット679の目的は、以下に、より詳細に説明される。
【0070】
カム部材677は、また、そこにおいて提供される内部開口681を有する。内部開口681は一般的には三角形であり、その辺の一つ683がポケット679を有するカム部材677の外部面に一般的には平行である。戻り止め682が前述の辺683の上端に向かって設けられ、その戻り止めは開口681内に設置され筐体に対して固定形式で取り付けられるピン684を収容するように寸法付けられている。再び、開口681と戻り止め682とピン684の目的が、以下に、より詳細に記載される。
【0071】
カム部材677は、カム部材677の位置を示す信号を提供するために回路遮断器600の筐体に対して固定形式で取り付けられる1つ以上(2つが図6に示されている)のホール効果センサー691をトリガーすべく採用されるだろう磁石690を備えるだろうし、それにより、回路遮断器600のステータス(例えば、閉、遠隔始動、手動始動、その他)の表示をする。位置表示信号は、遠隔場所、例えば、電力管理システムへ送信されるだろうし、および/または、例えば、LEDステータス表示器692を経由して回路遮断器のステータスをローカルに表示するために使用されるだろう。
【0072】
さて、図6図9Bを参照すると、回路遮断器の操作がより詳細に議論されるであろう。
【0073】
まず図6を参照すると、回路遮断器600の閉位置が示されている。ハンドル660はオン位置にあり(すなわち、図の右に向かっており)、ソレノイド680のプランジャ685は後退されており(すなわち、遠隔的に閉位置にあり)、回路遮断器は始動されていない。この場合、連結645はその閉位置にあり、接点605と615は電気が流れ得るように付勢されて閉じられる。
【0074】
さて、図7を参照すると、回路遮断器600の遠隔開位置が示されている。ハンドル660がオン位置(すなわち、図の右に向かった位置)にあり、回路遮断器が始動されていない。これにより、連結645は、その閉位置にある。しかしながら、ソレノイド680のプランジャ685は、伸長(つまり、遠隔的開位置へ伸長)されている。プランジャ685の端部は、これにより、カム部材677の外面における上側ポケット679に係合され、固定ピン684を収容する内側開口681の辺683の戻り止め682によって、カム部材677をピボット点678の周りに右に回動させた。図面内で見ることができるように、ピボット点678の右のカム部材677の上面は、接点605と615が、それらを介して電気が流れ得ないように、遠隔開位置へと付勢に逆らってお互いに接触から外れて移動されるべく、接点部分676がカム部材677によって回動するように、レバーアセンブリ675の接点部分676の下側面とすでに接触している。
【0075】
尚、この遠隔開位置における接点605と615間の間隙は、回路遮断器が始動位置または手動でのオフ位置(図8に示されており、また、以下にて議論される位置)にある際に実在する間隙より狭い。また、この遠隔開位置における磁石690は、2つのホール効果センサー691の下部を覆う(稼働させる)ことに留意すべきである。
【0076】
上述のように、ソレノイド680が、図7に示す遠隔開位置における間に、そこへの電力(通常はDC電力)を失うことを、今は想定する。図1図3に示す回路遮断器100に関連して上記で議論したように、通常使用されるソレノイド180、680は、電力が失われてもプランジャをその位置に保持するであろう永久磁石を採用している。これにより、遠隔開位置の際に、もしソレノイド680への電力が失われても、ソレノイド680内の永久磁石がプランジャ685を伸長位置において保持することを試みるであろう。図6図9Bに示す具体例は、回路遮断器600が(図9Aおよび図9Bに示す)閉位置へ手動的にリセットされ得るように、プランジャが後退位置へ手動的にリセットされ得るように、永久磁石の力が克服されることを可能にする。
【0077】
すなわち、図8に示すように、ソレノイド680のプランジャ685は、そこへの電力の損失が原因で、ソレノイド680内の永久磁石によって伸長位置に保持されている。回路遮断器600を閉位置へリセットするために、ハンドル660が、図8に示すように、そのオフまたは開位置へ手動的に移動される。これことは、連結645をその手動的にオフまたは始動位置(回路遮断器100に関連して上記により詳細に議論された位置)への移動を引き起こし、それにより、レバーアセンブリ675の接点部分676をさらに上向きに回動させ、接点605と615をなおさら離して回動させ、磁石690が2つのホール効果センサー691の上部センサーを覆う(稼働する)ようになす。この移動は、また、カム部材677を、いくつかの事が起きるように、上向きに引く。
【0078】
まず、固定ピン684が、内側開口681の辺683における戻り止め682から移動され、そして、カム部材677が上向きに移動するにつれて、ピン684が、一般的には三角形の開口681の底に到達するまで辺683を下方向にスライドする。それに加えて、カム部材677が、ピボット点678の周りに、レバーアセンブリ675の接点部分676に対して回動する(すなわち、図8に見られるように、ピボット点678の右側のカム部材677の上面は、もはやレバーアセンブリ675の接点部分676の下側面と接触していない)。
【0079】
この上向き移動とカム部材677の回動の結果として、カム部材677の外面がソレノイド680のプランジャ685に対して上向きにスライドするので、プランジャ685の端部が、今や、下部ポケット679内に設置されて係合する。
【0080】
図8に示す位置から、ハンドル660が、(図9Aおよび9Bの矢印900によって表示されている)そのオン/閉・位置に向かって、今や後退され得るし、それにより、連結645をその閉位置に向かって移動させ、レバーアセンブリ675の接点部分676およびカム部材677が図9Aおよび9Bに示す位置を介して回動するように成して、それにより、ソレノイド680のプランジャ685を、ソレノイドの永久磁石によって働く力に反抗して、その伸長位置から後退させるので、プランジャ685はその後退位置に戻り得て、レバーアセンブリ675の接点部分676は、接点605と615がお互いに接触して電気が遮断器600を介して回路に流れ得るように、その閉位置へと逆付勢されるだろう。
【0081】
尚、カム部材677の移動にとっては、プランジャ685をその後退位置に戻すのにプランジャをずっと移動させることを必要としない。その代わりに、プランジャ685は一般的には永久磁石によって伸長位置において保持されるが、必要とされる全てが、カム部材677に対して、(図9Bに示す位置へ向かうように)プランジャ685を十分に移動させるために、永久磁石の力が弱められてプランジャ685をその後退位置へと逆付勢させ得る(すなわち、図6に示す部品の位置に戻す)程度に十分遠くへ移動させるように、プランジャ685はその後退位置に向かって付勢される。
【0082】
これは、例えば、以下のように達成され得る。ハンドルがそのオン/閉・位置に向かって移動されるにつれて、レバーアセンブリ675のカム部材677が下向きに移動される。これが生じるにつれて、固定ピン684が内側開口681の辺683を上方にスライドし、その一方で同時に、プランジャ685の端部が、カム部材677の外面を上方向かっておよび下部ポケット679からスライドする。従って、固定ピン684とプランジャ685の端部との間のカム部材677の部分の水平方向の厚みが、一般的には反対の外向き力が固定ピン684およびプランジャ685の端部の双方の上に生み出されるように、(カム部材677の外面のポケット679間の盛り上がった部分に一部起因して)増加する。固定ピン684は固定で、図9Aおよび9Bに示すように、力がプランジャ685を左に移動させる。一旦、プランジャ685が十分遠くへ移動してしまうと、プランジャ685が完全に後退するように、プランジャ685を左に付勢する力がプランジャ685を右に保持している永久磁石の力に打ち勝つ。
【0083】
本発明は、部品、特徴などの特別な配置を参照して記述されてきたが、全ての可能な配置または特徴を論じ尽くすことは意図されておらず、実際に、多くの変形および変更が当業技術者によって確かめられるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B