特許第6033313号(P6033313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6033313液体でありかつ光学的に透明である接着剤を剛性基材上にコーティングする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033313
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】液体でありかつ光学的に透明である接着剤を剛性基材上にコーティングする方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 5/00 20060101AFI20161121BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20161121BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20161121BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20161121BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   C09J5/00
   C09J4/02
   C09J11/06
   B05D1/26 Z
   B05D7/24 301P
   B05D7/24 301K
【請求項の数】5
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-533667(P2014-533667)
(86)(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公表番号】特表2014-534986(P2014-534986A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】US2012057235
(87)【国際公開番号】WO2013049133
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年3月6日
(31)【優先権主張番号】61/540,337
(32)【優先日】2011年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/540,176
(32)【優先日】2011年9月28日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】オヘア, ジョナサン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル, クリストファー ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】エーフェラルツ, アルバート アイ.
(72)【発明者】
【氏名】オング, チン トン
(72)【発明者】
【氏名】シム, イ リン
【審査官】 ▲吉▼澤 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−041499(JP,A)
【文献】 特開2008−291102(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/111316(WO,A1)
【文献】 特開2011−236298(JP,A)
【文献】 特開2010−241951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 5/00
B05D 1/26
B05D 7/24
C09J 4/02
C09J 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルを提供する工程と、
実質的に透明な基材を提供する工程と、
パターン又は印刷補助器具を使用せずに、コーティングヘッドを用いて、チキソトロピー液体でありかつ光学的に透明である組成物を、前記ディスプレイパネル及び前記基材のうちの少なくとも1つの上に配設する工程と、
前記液体組成物上に、前記ディスプレイパネル及び前記基材のうちの他方を配設する工程と、
前記液体でありかつ光学的に透明である組成物を硬化させて接着剤層を形成する工程と、
を含み、
前記接着剤層が2%未満のヘイズを有し、
前記チキソトロピー液体でありかつ光学的に透明である組成物が、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーを含む、光学アセンブリを作製する方法。
【請求項2】
前記液体でありかつ光学的に透明である組成物が、
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーと、
25℃で4〜20cPの粘度を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む反応性希釈剤と
塑剤と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液体でありかつ光学的に透明である組成物が、
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーと、
25℃で4〜20cPの粘度を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む、反応性希釈剤と
ルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマー、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記液体でありかつ光学的に透明である組成物が、
多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマーと、
4〜20の炭素原子のペンダントアルキル基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーと
体ゴム、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記液体でありかつ光学的に透明である組成物が、シリカを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、液体でありかつ光学的に透明である接着剤をコーティングする方法に関する。具体的には、本発明は、印刷補助器具の補助なく、液体でありかつ光学的に透明である接着剤をコーティングする方法に関する。方法は、コーティングヘッドを用いて、液体でありかつ光学的に透明である組成物を配設する工程を伴う。液液体でありかつ光学的に透明である組成物は、対象の基材上に配設され、光学アセンブリ中で種々の素子を接着させるための光学的に透明である接着剤層を形成する。
【背景技術】
【0002】
光学結合は、光学グレード接着剤を使用して、2つの光学素子同士を接着するのに使用することができ。ディスプレイ用途では、光学結合を使用して、ディスプレイパネル、ガラスプレート、タッチパネル、ディフューザ、剛性補償素子、ヒーター、並びに偏光板及び位相差板のようなフレキシブルフィルムなどの光学素子同士を接着することができる。ディスプレイの光学的性能は、内部反射面の数量を最小限にすることにより改善することができ、それと共に、ディスプレイの光学素子間のエアギャップ数をなくすか、又は少なくとも最小限にすることが望ましいことがある。
【0003】
液体でありかつ光学的に透明である接着剤(LOCA)は、光学素子間のエアギャップを充填するために、ディスプレイ産業においてより普及している。例えば、LOCAは、カバーグラスと酸化インジウムスズ(ITO)触覚センサとの間の、ITO触覚センサと液晶モジュールとの間の、又は直接的にカバーグラスと液晶モジュールとの間の、エアギャップを充填することができる。
【0004】
LOCAを塗布する現在の方法は、分注可能な流体、又はステンシル若しくはスクリーンを用いた、より濃く潜在的にチキソトロピー性の材料のパターニングのいずれかを伴う。分注可能な流体の使用は、それらがニュートン流体のように挙動するように、流動性の液体OCAを伴う。所望の印刷範囲を超えた流動を防ぐために、予備硬化ダム材料(LOCAの屈折率と一致する)の使用がしばしば必要とされる。これは、追加のプロセス工程を伴い、正確な量が分注されない場合、及び/又はLOCAによって結合されている2つ基材間で完全な共平面性がない場合、それでもなおLOCAのあふれ出しを引き起こす可能性があり得る。
【0005】
LOCAを印刷するためのスクリーンの使用は、Kobayashi et al.(米国特許出願公開第2009/0215351号)に記載されている。LOCAを印刷するためのステンシルの使用は、PCT国際公開第WO 2012/036980号に記載されている。両方の方法とも、基材の所望の範囲での接着剤コーティングを得るために、LOCAをスクリーン又はステンシルに通す必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
光学アセンブリを作製する方法が本明細書に開示される。一実施形態では、該方法は、ディスプレイパネルを提供する工程と、実質的に透明な基材を提供する工程と、コーティングヘッドを用いて、チキソトロピー液体でありかつ光学的に透明である組成物を、ディスプレイパネル及び基材のうちの少なくとも1つの上に配設する工程と、液体組成物上に、ディスプレイパネル及び基材のうちの他方を配設する工程と、液体でありかつ光学的に透明である組成物を硬化させる工程と、を含む。
【0007】
一実施形態では、光学的に透明である接着剤層は、1秒−1の剪断速度において約20Pa・s未満の粘度を有する、液体でありかつ光学的に透明である接着剤を含む。光学的に透明である接着剤層は、約2%以下のヘイズ、10秒−1の剪断速度において約2〜約30Pa・sの間の粘度、10Paの応力が約2分間適用されたとき、約0.2ラジアン以下の変位クリープ、及び1Hzの周波数において、約1000μN・mのトルクが約60秒間、その直後に1Hzの周波数において80μN・mのトルクが適用された後、35度のデルタに到達するまで約60秒以下の回復時間を有する。
【0008】
他の実施形態では、ディスプレイパネルを含む光学アセンブリを本明細書では開示する。光学アセンブリは、ディスプレイパネル、実質的に透明な基材、及びディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間に配設される接着剤層を含む。
【0009】
本明細書で開示する光学アセンブリは、例えば、ディスプレイを含む携帯端末、テレビ、コンピュータモニタ、ラップトップディスプレイ又はデジタル標示板(digital sign)を含む光学デバイスで使用することができる。
【0010】
他の実施形態では、光学アセンブリを作製する方法が開示される。本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に詳細に記載される。上記の概要は、いかなる場合にも特許請求される発明の主題を限定するものとして解釈されるべきではなく、発明の主題は本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示は以下の図面を参照して更に記載され得る。
図1】LOCAを分注する本開示の第1の例示的な方法である。
図2A】スロットダイの概略断面図である。
図2B】スロットダイの概略断面図である。
図3】スロットダイの斜視図である。
図4図3のスロットダイの底面図である。
図5】LOCAを分注する本開示のカーテンコーティング方法である。
【0012】
これらの図は理想化されており、一定の縮尺で描かれておらず、説明の目的だけを意図する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
印刷補助器具(例えば、スクリーン、マスク、ステンシル、予備硬化ダム)の補助なく、LOCAを剛性基材(例えば、カバーグラス、酸化インジウムスズ(ITO)触覚センサスタック、偏光子、液晶モジュール等)上にコーティングする方法が開示される。方法は、テープ及びフィルム製品を作製するためのウェブ若しくはフィルムのための接着剤コーティング、又は表面コーティングのために使用されており、漏出なく液体組成物を対象の基材上に印刷するための好適な方法を提供することがわかっている。具体的に、ダイコーティング方法、ナイフコーティング方法、及びカーテンコーティング方法が、LCDディスプレイのディスプレイパネル上へのガラスパネルの積層、又はタッチセンサー式電子デバイスのディスプレイ上へのタッチセンサー式パネルの積層を伴う用途など、ディスプレイパネルとカバー基材との間のギャップ充填を伴う精密積層用途において正確かつ迅速に、接着剤などの液体でありかつ光学的に透明である組成物を配設するために採用され得ることがわかっている。コーティングプロセスは、サイクル時間を強化し、収率を改善することによって、処理能力の有意な改善を可能にする。本発明の方法は、ステンシル、スクリーン、マスク、又はダムなどのパターン又は印刷補助器具を使用することなく、基材上に液体でありかつ光学的に透明である接着剤をコーティングするために使用され得る。
【0014】
図1において、コーティングされる基材22は、コーティング領域24と、コーティング領域を包囲するコーティング縁部と、を含む。基材は、コーティングデバイスの剛性プラットホーム(図示せず)上に配置される。コーティングデバイスは、剛性プラットホームよりも上に位置付けられたコーティングヘッド26を含む。コーティングヘッドは、コーティングヘッドの弛みを防止する固定具に載置される。固定具はまた、基材に対するコーティングヘッドの高さの制御を可能にするために、特にz軸に対して、精密な位置決めを有する。一実施形態では、z軸の位置は、約0.002インチ(0.00508cm)以内、具体的には約0.001インチ(0.00254cm)以内、より具体的には約0.0001インチ(0.000254cm)以内に制御され得る。
【0015】
コーティングプロセス中、コーティングヘッドは、基材22のコーティング縁部28a及びコーティング領域24の境界でLOCA 23を分注し始める。コーティングヘッドは、図1に示すように、コーティング領域にわたって反対側のコーティング縁部28bまで、同一の厚さでLOCAを分注し続ける。一実施形態では、LOCAは、約1μm〜約5mmの間、具体的には約50μm〜約1mmの間、より具体的には約50μm〜約0.3mmの間の厚さを有するように分注される。
【0016】
一実施形態では、剛性プラットホーム、及びしたがって基材は、コーティングプロセス中にコーティングヘッドに対して移動する。別の実施形態では、基材は、コーティングプロセス中にコーティングヘッドが剛性プラットホームに対して移動する間、固定される。コーティングプロセスの終わりから、別の基材への積層まで、コーティングされたLOCAの高さ及び寸法公差は、ある特定の寸法公差内にとどまる。一実施形態では、コーティングされたLOCAの所望の縁部/境界とコーティングされたLOCAの実際の縁部/境界との間の差は、約2mm未満、具体的には約0.8mm未満、より具体的には約0.5mm未満である。一実施形態では、コーティング領域全体にわたる厚さは、目標のコーティング厚さの約100μm未満以内、目標のコーティング厚さの具体的に約50μm未満以内、より具体的には目標のコーティング厚さの約30μm以内である。一実施形態では、基材及びコーティングヘッドは、互いに対して約0.1mm/秒〜約3000mm/秒の間、具体的には互いに対して約1mm/秒〜約1000mm/秒の間、より具体的には互いに対して約3mm/秒〜約500mm/秒の間の速度で移動する。
【0017】
図1に示されるように、コーティング領域は、白色点線によって示され、それは、コーティング縁部とコーティング領域との間の境界を表す。コーティングヘッドは、コーティング領域の左側で、コーティング縁部及びコーティング領域の境界に運ばれ、LOCAを分注し始める。一旦、コーティングヘッドがコーティング縁部に隣接するコーティング領域の右側の終点に到達すると、コーティングヘッドは、LOCAの分注を停止する。次いで、コーティングヘッドは除去され、LOCAは、コーティング領域内にとどまる。一実施形態では、周囲のコーティング縁部へのLOCAの約18%未満の流れ、具体的には周囲のコーティング縁部へのLOCAの約5%未満の流れ、より具体的には周囲のコーティング縁部へのLOCAの約1%未満の流れがある。
【0018】
一実施形態では、コーティングヘッドは、スロットダイを含む。スロットダイ印刷及びコーティング方法は、テープ及びフィルム製品を作製するためのウェブ若しくはフィルムのための接着剤コーティング、又は表面コーティングのために使用されており、液体組成物を対象の基材上に印刷するための好適な方法を提供することがわかっている。スロットダイは、LCDディスプレイのディスプレイパネル上へのガラスパネルの積層、又はタッチセンサー式電子デバイスのディスプレイパネル上へのタッチセンサー式パネルの積層を伴う用途など、ディスプレイパネルとカバー基材との間のギャップ充填を伴う精密積層用途において正確かつ迅速に、接着剤などの液体でありかつ光学的に透明である組成物を配設するために採用され得る。
【0019】
液体組成物の供給流を分注するためのスロットダイの一実施例は、3M Companyによって出願されたPCT国際公開第WO 2011/087983号に記載される。かかるスロットダイは、液体でありかつ光学的に透明である組成物を基材上に分注するために使用され得る。
【0020】
図2A、2B、及び図3は、一実施例のスロットダイを示す概略図である。図2Aを参照すると、フィードブロック16は、第1の流路50中に存在する液体組成物から流れ32を生成する。対象の基材は、フィードブロック16の下に配置される。スロットダイコーティングヘッドは、基材よりも上に移動するようにサーボモータによって制御され、一方で、接着剤は、スロットダイから液体組成物を分注するように定量ポンプによって送り出される。分注量は、スロットダイ中のソレノイド弁によって制御されてもよい。
【0021】
液体組成物に対するより大きい保持能力を供給するために、又は望ましい場合、2つの異なる液体組成物を同時に分注するために、第2の流路が提供されてもよい。実施例が、図2Bに示される。
【0022】
図3は、第1の流路50及び第2の流路52を有するスロットダイの斜視図を示す。図3を参照すると、複数の第1の導管56a、56b、56c、56d、56e、56f、56g(集合的に「第1の導管56」)及び複数の第2の導管58a、58b、58c、58d、58e、58f(集合的に「第2の導管58」)が提供される。任意に、導管ヒーター62a及び62b(集合的に「導管ヒーター62」)並びに/又はスロットダイヒーター54a及び54b(集合的に「スロットダイヒーター54」)が、ハウジング48内に提供されてもよい。
【0023】
第1の流路50及び第2の流路52は、第1及び第2の液体組成物供給流(図示せず)を第1及び第2の流路50、52のそれぞれに供給する押出機と流体連通している。第1の流路50はまた、第1の導管56とも流体連通しており、第2の流路52はまた、第2の導管58とも流体連通している。第1の液体組成物供給流は、第1の流路50内から第1の導管56を通ってスロットダイセクション60に流動し、液体組成物供給流は、第2の流路52内から第2の導管58を通ってスロットダイセクション60に流動する。図3に示されるように、第1の導管56は、7つの個々の第1の導管56a、56b、56c、56d、56e、56f、56gを含み、第2の導管58は、6つの個々の第2の導管58a、58b、58c、58d、58e、58fを含む。所望の場合、対応する個々の導管のそれぞれは、フィードブロック16を介して生成される流れ32の中で、複数のポリマー層の個々のポリマー層を提供してもよい。
【0024】
スロットダイセクション60は、第1の導管56及び第2の導管58と流体連通している、複数のスロット(複数のスロット70a〜70mとして図4に示される)を含む。第1及び第2の供給流は、第1の導管56及び第2の導管58のそれぞれから、スロットダイセクション60のスロット70に流動する。それぞれの溶融流れの流動は、スロット70の流動次元に従って、スロット70内で再配向される。いくつかの実施形態では、スロットダイセクション60のスロット70は、第1及び第2の複数の導管56及び58から1つ又は複数の液体組成物を受容し、スロットダイセクション60の幅方向(x方向)で、フィードブロック16を出る流れ32のほぼ所望の幅に、液体組成物を散布するように構成される、拡張マニホールドセクションを含んでもよい。
【0025】
スロット高さ及び/又は長さ、導管直径、流路幅等のパラメータは、所望の層厚さプロファイルを提供するように選択され得る。例えば、流路50及び52の断面積は、増加又は減少してもよい。ある特定の圧力勾配を提供するように、その長さに沿って変更されてもよく、それは、多層流れ32の層厚さプロファイルに影響を及ぼし得る。このようにして、流動画定セクションのうちの1つ又は複数の次元は、例えば、対象の層厚さプロファイルに基づき、フィードブロック16を介して生成される流れの層厚さ分布に影響を及ぼすように設計され得る。
【0026】
一実施形態では、コーティングヘッドは、収束チャネルを含有するスロット供給ナイフダイを含む。ダイの形状は、ダイの上流及び下流リップの片方又は両方の上で、鋭いリップを有する押出ダイ又はランドを有するスロット供給ナイフであってもよい。収束チャネルは、ダウンウェブのうね付け及び他のコーティング欠陥を回避することが好ましい。(Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems,E.B.Gutoff,E.D.Cohen,G.I.Kheboian,(John Wiley and Sons,2006)pgs 131〜137を参照されたい)。かかるコーティング欠陥は、ディスプレイアセンブリ中のムラ及び他の目に見える光学的欠陥をもたらし得る。
【0027】
コーティング縁部及びコーティング領域の境界で分注されるLOCAの量の効果的な制御を得るために、コーティングヘッドの上流のポンピングシステム又はコーティングヘッド内の要素が、LOCAの流動を制御するために追加されてもよい。これはしばしば、「事前計量」コーティングシステムと称される。一実施形態では、「事前計量」コーティングシステムは、流体流動を制御するために、ギヤポンプ又はサーボ若しくはロッド駆動式容積移送式ポンプなど、ドーシングポンプを含む。一実施形態では、コーティングの単位幅W当たりのLOCAの流速Qは、基材とコーティングヘッドUとの間の相対速度及び対象とされたコーティング厚さTの関数である。この関数は、式:Q/W=U×T(100%固体と仮定)によって表される。
【0028】
一実施形態では、コーティングヘッドは、ダイ開口部及び流体流動を制御するために、ダイ中に少なくとも1つのピストンを含有する。コーティング流体を流体タンクから押出(又はコーティング)ダイの内部空洞に供給する定量ポンプを使用することによって、材料のウェブ上に離間した別個のパッチのパターンをコーティングするための器具を提供することは、当該技術分野において既知である。ダイはまた、ピストンを単独で、又は押出/コーティングダイから出る流体の流動を制御するために、空洞の内外に移動させられ得るポンプと組み合わせて、含んでもよい。典型的には、ピストンをダイの空洞中に移動させることによって、材料は、ダイの外に移動させられる(例えば、基材上に)。ピストンを空洞の外に移動させることは典型的に、ダイの外への流体の移動を停止する。この概念の一実施例は、ダイから材料を放出するための駆動力が、ダイの内部空洞に沿って、かつその幅に沿って位置付けられた長く薄いピストンによって直接提供される、ラムダイである。これらの種類のコーティング器具はまた、ピストンに直接取り付けられたときに引き込みチャンバ内の体積を変化させるようにクランプされる、ダイヤフラムも利用し得る。
【0029】
一実施形態では、コーティングヘッドは、流動を制御するために、米国特許第7,344,665号(Mikhail et al.)に記載されるものと同様の一体型ブラダーを含有する。
【0030】
コーティングヘッドは、所望の粘度範囲にLOCAを剪断するための圧力に対応するように構築される。コーティングヘッドを通して分注されるLOCAは任意に、LOCAの粘度を低下させ、コーティングプロセスを補助するために、コーティングヘッド中で予加熱又は加熱されてもよい。
【0031】
一実施形態では、LOCAと基材との間に空気が閉じ込められないことを確実にするために、かつコーティングヘッドを安定させるために、真空ボックスがコーティングヘッドと併用される。真空ボックスはまた、コーティングヘッドを目的のコーティング幅(例えば、シムの幅)内に保持することによって、余分なLOCAがコーティング範囲から出ることを制御するように機能し得る。
【0032】
一実施形態では、コーティングヘッドは、ナイフコーターであり、鋭い縁部が基材上への流体を計量するために使用される。コーティング厚さは、ナイフと基材との間のギャップによって決定される。ギャップは十分に制御されなければならず、一実施形態では、約0.002インチ(0.00508cm)以内、具体的には約0.001インチ(0.00254cm)以内、より具体的には約0.0001インチ(0.000254cm)以内に制御される。ナイフコーターコーティングヘッドの一実施例としては、Yasui−Seiki Co.(Bloomington,Indiana)から市販されているβ COATER SNC−280が挙げられるがこれに限定されない。
【0033】
ナイフの上流のLOCAのための適切な液体供給が必要とされる。液体供給としては、シリンジ、ニードルダイ、ホッパ、又は液体分注マニホールドが挙げられ得るがこれらに限定されない。液体供給は、基材上のコーティング範囲にわたって、特定の厚さに対して十分な液体LOCAを分注するように係合される(潜在的に、精密なシリンジポンプを用いて)。
【0034】
別の実施形態では、基材上にLOCAを分注するために、超音波、高圧又はエアアシスト噴霧が使用される。超音波、高圧噴霧は、霧状ミストスプレーを提供し、過剰噴霧を低減し、超低流速能力を有する。エアアシスト噴霧は、ノズルから対象への液滴の移送プロセスを補助するために、高速の空気流を使用することによって、小さい液滴の浮遊を防止する。これらの噴霧方法は、コーティングヘッド上でスプレーノズル又はスプレーノズルの配列を利用する。スプレーノズルは、スプレーへのLOCAの分散を促進する精密なデバイスである。スプレーは、断続的又は連続的であってもよい。好適な実施例としては、Sono−tek Corp.(Milton,New York)から入手可能な「EXACTACOAT SC」システムが挙げられるがこれに限定されない。
【0035】
更に別の実施形態では、例えば、基材がカバーグラスである場合、基材にLOCAを塗布するために、カーテンコーティングが使用され得る。カーテンコーティングプロセスは、基材上に落ちる連続したカーテンLOCAを生成する。基材は、剛性プラットホーム上に移送され、剛性プラットホームは、ダイの均等な被覆を確実にするために、2つのコンベヤー間のギャップに位置するLOCAのカーテンを通る調節された速度で、コンベヤーベルトとしての機能を果たす。カーテンは、LOCAが基材上で2つのコンベヤー間に落ちることを可能にする、LOCA保持タンクの底部のスリットによって生成される。基材上に落ちるコーティング層の厚さは、剛性プラットホームの速度及びタンクを出る材料の量によって主に決定される。
【0036】
安定したカーテンは、上記のような適切な分注ダイを使用してLOCAで達成される必要がある。一実施形態では、カーテン面積は、少なくともクラス1000、又はより好ましくは少なくともクラス100タイプのクリーンルーム面積であることが好ましい。これは、カーテン面積が、コーティングされた範囲の光学特性に影響を及ぼし得る空中浮遊粒子又は汚染物質を有しないことを確実にする。LOCAは、空気若しくは汚染物質を取り込まない方法で再循環させられ得るか、あるいは廃棄物として処分され得る。基材は、二重コンベヤーの使用のいずれかによって、一定の速度でLOCAカーテンに通される。好適な二重コンベヤーの例としては、LCD製造で一般的に使用されるようなエアベアリングコンベヤーが挙げられる。一実施形態では、基材全体が、LOCAでコーティングされる。別の実施形態では、図5に示されるように、基材の1セクションのみがLOCAでコーティングされるように、基材が位置付けられる。
【0037】
図5に示されるように、基材22は、白色点線の仮想的な境界で示される、コーティング領域24を有する。基材は、LOCAのカーテン27に通され、LOCAのカーテンを含有する平面に垂直の方向で、カーテンを通過し続ける。基材は、均一にコーティングされ、LOCAのカーテンから出てくる。
【0038】
本発明の方法で使用される液体でありかつ光学的に透明である接着剤は、本質的にチキソトロピーであり、ほとんど又は全くない剪断力で固体様の挙動を示し(例えば、0.01s−1で少なくとも500Pa−s)、一方で、適切な量の剪断力が適用されるとき、コーティングプロセス中、流動可能である(例えば、1〜10s−1で50Pa−s未満)。チキソトロピーLOCAは、コーティング範囲の寸法公差が維持されることを確実にするために、コーティングプロセス後のある特定の時間枠内で、そのチキソトロピー特性を取り戻す。非チキソトロピー液体でありかつ光学的に透明である接着剤が使用され得る一方で(例えば、硬度に粘性の40Pa−sニュートン流体)、ディスプレイ組立プロセスでの次の工程(積層、点検、硬化等)は、LOCAが所望のコーティング範囲を超えて流動する前の時間ウィンドウで生じる必要がある。
【0039】
光学アセンブリの作製に使用される好適な液体組成物、具体的には接着剤などの液体でありかつ光学的に透明である組成物が、以下の段落に記載される。
【0040】
光学材料は、光学アセンブリの光学構成要素間又は光学基材間のギャップを充填するのに使用される場合がある。光学基材に結合されたディスプレイパネルを含む光学アセンブリは、2つのものの間のギャップが、パネル及び基材の屈折率に適合するか、又はほぼ適合する光学材料で充填された場合、利益を得る場合がある。例えば、日光、及びディスプレイパネルと外側カバーシートとの間に固有の周囲光の反射は低減される場合がある。ディスプレイパネルの色域及びコントラストは、周囲条件下で改善され得る。充填されたギャップを有する光学アセンブリは、エアギャップを有する同様のアセンブリと比較して、改善された衝撃耐性を呈することもできる。
【0041】
光学構成要素間又は光学基材間のギャップを充填するのに使用される光学材料は典型的に、接着剤及び様々なタイプの硬化した高分子組成物を含む。しかしながら、構成要素に損傷をほとんど又は全く与えず、後でアセンブリを解体したい、又はリワークしたい場合、光学材料は、光学アセンブリを作製するのに有用ではない。構成要素は壊れやすく、高価であるため、この再加工性(reworkability)の機能が光学アセンブリのために必要とされる。例えば、アセンブリ中又はアセンブリ後に欠陥が観察された場合、あるいはカバーシートが販売後に損傷を受けた場合、カバーシートはしばしばディスプレイパネルから取り除かれる必要がある。構成要素にほとんど損傷を与えない、又は全く与えないで、ディスプレイパネルからカバーシートを取り除くことによってアセンブリをリワークすることが望ましい。利用可能なディスプレイパネルの寸法又は面積が増え続けるにつれて、再加工性は重要性が増してきている。
【0042】
大きな寸法、すなわち面積を有する光学アセンブリは、効率及び厳しい光学品質が望まれるならば、製造するのが難しい場合がある。光学構成要素間のギャップは、ギャップ内に硬化性組成物を注ぐか、又は注入することによって、続いて、組成物を硬化させて構成要素を一緒に結合することによって充填され得る。しかしながら、これらの一般的に使用される組成物は長い流出時間を有し、これは大きな光学アセンブリには非効率的な製造方法の一因となる。
【0043】
本明細書に開示される光学アセンブリは、接着剤層、光学構成要素、特にディスプレイパネル、及び実質的に光透過性基材を含む。接着剤層は、構成要素をほとんど損傷を与えず、又は全く損傷を与えずに、アセンブリのリワークを可能にする。接着剤層は、約15N/mm以下、10N/mm以下、又は6N/mm以下のガラス基材間の劈開強度を有してもよく、これによって、再加工性を構成要素に損傷をほとんど与えず、又は全く与えずに得ることができる。劈開に対する全エネルギーは、1×1インチ(2.54×2.54cm)の面積にわたって約25kg−mm未満であってもよい。
【0044】
接着剤層は光学用途において好適である。例えば、接着剤層は460〜720nmの範囲にわたって少なくとも85%の透過率を有し得る。例えば、接着剤層は、厚さ1ミリメートル当たり、460nmで約85%より大きい透過率、530nmで約90%より大きい透過率、及び670nmで約90%より大きい透過率を有することができる。これらの透過特性により、電磁スペクトルの可視領域全体にわたって均一な光透過率がもたらされ、これは、フルカラーディスプレイで色点を維持するのに重要である。
【0045】
接着剤層の透明性特性の色部分は、CIE L委員会によって示されるように、その色座標によって更に定義される。例えば、色のb成分は、約1未満、より好ましくは約0.5未満であるべきである。bのこれらの特性は低い黄色度指数をもたらし、これは、フルカラーディスプレイで色点を維持するのに重要である。
【0046】
接着剤層の透明特性のヘイズ部分は、Byk Gardnerから入手可能なHazeGard Plus又はHunter Labsから入手可能なUltraScan Proなどのヘイズメーターによって測定されるように、接着剤層の%ヘイズ価によって更に定義される。光学的に透明である物品は、好ましくは、約5%未満、好ましくは約2%未満、最も好ましくは約1%未満のヘイズを有する。これらのヘイズ特性は、低い光散乱を提供し、これはフルカラーディスプレイで出力の質を維持するのに重要である。
【0047】
上記の理由から、接着剤層は、ディスプレイパネル及び/若しくは実質的に透明な基材の屈折率と一致する、又はほぼ一致する屈折率を有するのが好ましい。接着剤の屈折率は、接着剤成分を正しく選択することによって制御することができる。例えば屈折率は、より高い含有率の芳香族構造を含む、又は硫黄若しくはハロゲン(例えば臭素)を組み込むオリゴマー、希釈モノマー等を組み込むことによって増加させることができる。反対に屈折率は、より高い含有率の脂肪族構造を含有するオリゴマー、希釈モノマー等を組み込むことによって、より低い値へと調節することができる。例えば接着剤層は約1.4〜約1.7の屈折率を有し得る。
【0048】
接着剤は、オリゴマー、希釈モノマー、充填剤、可塑剤、粘着付与樹脂、光開始剤、及び接着剤の全体の特性に寄与する任意の他の成分を含む接着剤成分を正しく選択することによって透明であり続けてもよい。具体的には、接着剤成分は互いに適合性を有するべきであり、拡散接着剤用途など、ヘイズが望ましい結果である場合を除き、ドメインサイズ及び屈折率差が光散乱及びヘイズを生じさせる点まで硬化する前又は硬化した後に、それらは相分離すべきではない。更に、接着剤成分は接着剤配合物内に溶解せず、かつ光を散乱させるのに十分大きく、したがってヘイズに寄与する粒子を含むべきではない。拡散接着材用途など、ヘイズが望ましい場合、これは容認可能である。更に、チキソトロピー性材料などの様々な充填剤は、それらが光透過の損失及びヘイズの増加に寄与し得る相分離又は光散乱に寄与しないように、非常に良く分散されるべきである。この場合もやはり、拡散接着剤用途など、ヘイズが望ましい場合は、これは容認可能である。これらの接着剤成分はまた、例えば接着剤層の色を悪くさせること、又はb、すなわち黄色度指数を増加させることによって、透明性の色特性を劣化させるべきではない。
【0049】
接着剤層は、光学アセンブリで使用され得、ディスプレイパネル、実質的に透明な基材、及びディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間に配設される接着剤層を、備える。接着剤層は任意の厚さを有し得る。光学アセンブリで採用される特定の厚さは、任意の数の因子から求めることができ、例えば、光学アセンブリを使用する光学デバイスの設計では、ディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間に特定のギャップを必要とすることがある。接着剤層は典型的に、約1μm〜約5mm、約50μm〜約1mm、又は約50μm〜約0.2mmの厚さを有する。
【0050】
接着剤層は、光学的でありかつ透明である接着剤又は液体組成物を、チキソトロープ剤と組み合わせて使用しながら作製することができ、ここで液体組成物は大型の光学アセンブリの効率的な製造に適した粘度を有する。大型の光学アセンブリは、約15〜約5m又は約15cm〜約1mの面積を有する場合がある。例えば、液体組成物は、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有してもよく、粘度は、25℃及び1秒−1で組成物に対して測定される。液体組成物は様々な製造方法における使用のために修正可能である。接着剤層は、例えばチキソトロープ剤と組み合わされたときなど、粘度を有する任意の液体でありかつ光学的に透明である接着剤を含んでもよく、接着剤層は1〜10秒−1の剪断速度において、30Pa・s以下の、約2〜約30Pa・sの間の、及び具体的には約5〜約20Pa・sの間の粘度を有する。1〜10秒−1におけるこの範囲は、流動し、所望のコーティング範囲を十分に充填し、かつ所望のコーティング範囲中の気泡の存在を最小限に抑える、接着剤層の能力を管理する。1〜10秒−1の範囲は、コーティングプロセス中の接着剤の潜在的な剪断速度であるが、接着剤がより高い剪断速度でコーティングされる可能性がある。0.01秒−1で、接着剤層は、少なくとも500Pa・s、少なくとも2,000Pa・s、及び好ましくは少なくとも10,000Pa・sの粘度を有する。0.01秒−1における範囲は、いつ接着剤層がたわまない特性を有するかということを定義する。
【0051】
接着剤層に使用される液体でありかつ光学的に透明である接着剤は、1〜10秒−1の剪断速度において約20Pa・s以下の粘度を有する。具体的には、液体でありかつ光学的に透明である接着剤は、1〜10秒−1の剪断速度において約10Pa・s以下、及びより具体的には約5Pa・s以下の粘度を有する。この範囲内において、接着剤層の粘度はチキソトロープ剤が添加されたときに、好適な範囲であろう。
【0052】
一実施形態では、接着剤層は、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーと、25℃において約4〜約20cPの粘度を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む反応性希釈剤との反応生成物、及び可塑剤を含む。概して、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタアクリレート官能基の両方を指す。
【0053】
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーは、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能性ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、及び多官能性ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーのうちのいずれか1つ又は複数を含んでもよい。多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、硬化中に重合に関与する少なくとも2つの(メタ)アクリレート基、例えば2〜4の(メタ)アクリレート基を含み得る。接着剤層は、約15〜約50重量%、約20〜約60重量%、又は約20〜約45重量%の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。使用される具体的な多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、並びに使用される量は、様々な要因による場合がある。例えば、具体的なオリゴマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1における組成物に対して測定される。別の例に関しては、具体的なオリゴマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1において組成物に対して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。更に他の実施例に関して、具体的なオリゴマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び剪断速度1秒−1において組成物に関して最大で約140,000cPの粘度、並びに組25℃及び剪断速度0.01秒−1において成物に関して少なくとも約500,000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0054】
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、硬化中に重合に関与する少なくとも2つの(メタ)アクリレート基、例えば2〜4の(メタ)アクリレート基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。概して、これらのオリゴマーは、ポリオールと多官能イソシアネートとの反応生成物を含み、その後、この反応はヒドロキシ多官能化(メタ)アクリレートで停止する。例えば、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ジカルボン酸、例えばアジピン酸又はマレイン酸の凝縮、及び脂肪族ジオール、例えばジエチレングリコール又は1,6−ヘキサンジオールから調製された脂肪族ポリエステル又はポリエーテルポリオールから形成され得る。一実施形態では、ポリエステルポリオールは、アジピン酸及びジエチレングリコールを含む。多官能イソシアネートは、メチレンジシクロヘキシルイソシアネート、又は1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを含み得る。ヒドロキシ−官能化(メタ)アクリレートは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、又はポリエチレングリコール(メタ)アクリレートを含み得る。一実施形態では、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエステルポリオール、メチレンジシクロヘキシルイソシアネート、及びヒドロキシエチルアクリレートの反応生成物を含む。
【0055】
有用な多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーには、市販されている製品が挙げられる。例えば、多官能性脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ウレタンジアクリレートCN9018、CN3108、及びCN3211(Sartomer,Co.(Exton,PA)から入手可能)、GENOMER 4188/EHA(GENOMER 4188と2−エチルヘキシルアクリレートのブレンド)、GENOMER 4188/M22(GENOMER 4188とGENOMER 1122モノマーのブレンド)、GENOMER 4256、及びGENOMER 4269/M22(GENOMER 4269とGENOMER 1122モノマーのブレンド)(Rahn USA Corp.(Aurora IL)から入手可能)、U−Pica 8966、8967、8967A、及びそれらの組み合わせ(Japan U−Pica Corp.から入手可能)、並びにポリエーテルウレタンジアクリレートBR−3042、BR−3641AA、BR−3741AB、及びBR−344(Bomar Specialties Co.(Torrington,CT)から入手可能)を含み得る。
【0056】
広くは、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、接着剤層を形成するのに使用される他の成分、並びに接着剤層の望ましい特性によって、任意の量で使用され得る。接着剤層は、約15〜約50重量%、約20〜約60重量%、約20〜約45重量%の多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。
【0057】
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは多官能ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。有用な多官能ポリエステルアクリレートオリゴマーには、市販されている製品が挙げられる。例えば、Bomar Specialties Co.から入手可能なBE−211及びSartomer Co.から入手可能なCN2255を含み得る。
【0058】
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは多官能ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。有用な多官能ポリエーテルアクリレートオリゴマーには、市販されている製品が挙げられる。例えば、多官能ポリエーテルアクリレートは、Rahn USA Corpから入手可能なGENOMER 3414を含み得る。
【0059】
接着剤層を形成する反応生成物は反応性希釈剤から形成される。反応性希釈剤は、25℃で約4〜約20cPの粘度を有する、1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む。反応性希釈剤は、複数のモノマー、例えば、2〜5個の異なるモノマーを含んでよい。これらのモノマーの例には、イソボルニルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシル化メタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。例えば、反応性希釈剤は、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートを含み得る。他の例に関して、反応性希釈剤は、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート及びアクリル酸イソボルニルを含み得る。
【0060】
広くは、反応性希釈剤は、接着剤層を形成するのに使用される他の成分、並びに接着剤層の望ましい特性によって、任意の量で使用され得る。接着剤層は、接着剤層の総重量に対して、約15〜約50重量%、約30〜約60重量%、又は約40〜約60重量%の反応性希釈剤を含み得る。
【0061】
使用される具体的な反応性希釈剤、及び使用されるモノマーの量は、様々な要因による場合がある。例えば、具体的なモノマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000センチポアズ(cP)、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1において組成物に対して測定される。別の例に関しては、具体的なモノマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1において組成物に対して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。更に他の実施例に関して、具体的な希釈剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び剪断速度1秒−1において組成物に関して最大で約140,000cPの粘度、並びに25℃及び剪断速度0.01秒−1において組成物に関して少なくとも約500,000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。更に他の実施例に関して、具体的な希釈剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び剪断速度1秒−1において組成物に関して18,000〜140,000cPの粘度、並びに25℃及び剪断速度0.01秒−1において組成物に関して700,000〜4,200,000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0062】
接着剤層は、その柔軟性及び可撓性を増加させる可塑剤を含む。可塑剤は周知であり、一般的に(メタ)アクリレート基の重合に関与しない。可塑剤は複数の可塑剤材料を含み得る。可塑剤は油を含み得る。好適なオイルには、植物油、鉱油、及び大豆油が挙げられる。接着剤層は、5重量%より大きく、約20重量%まで、又は5重量%より大きく、約15重量%までの可塑剤を含み得る。使用される具体的な可塑剤、並びに使用される量は、様々な要因による場合がある。例えば、具体的な可塑剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1における組成物に対して測定される。別の例に関しては、具体的な可塑剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1における組成物に対して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。更に他の実施例に関して、具体的な可塑剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び1秒−1の剪断速度における組成物に関して最大で約140,000cPの粘度、並びに25℃及び剪断速度0.01秒−1における組成物に関して少なくとも約500,000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。更に他の実施例に関して、具体的な希釈剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び剪断速度1秒−1における組成物に関して18,000cP〜140,000cPの粘度、並びに25℃及び剪断速度0.01秒−1における組成物に関して700,000cP〜4,200,000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0063】
接着剤層を形成する反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。アルキレンオキシド官能基を有するこの1官能性(メタ)アクリレートモノマーは複数のモノマーを含み得る。アルキレン官能基は、エチレングリコール及びプロピレングリコールを含む。グリコール官能基は単位から構成され、モノマーは、1〜10個のアルキレンオキシド単位、1〜8個のアルキレンオキシド単位、又は4〜6個のアルキレンオキシド単位の範囲を有し得る。アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、Cognis LtdからBISOMER PPA6として入手可能なプロピレングリコールモノアクリレートを含み得る。このモノマーは6つのプロピレングリコール単位を有する。アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、Cognis LtdからBISOMER MPEG350MAとして入手可能なエチレングリコールものメタクリレートを含み得る。このモノマーは平均で7.5のエチレングリコール単位を有する。
【0064】
接着剤層はアルキレンオキシド官能基を有する約5〜約30重量%、又は約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含み得る。使用される具体的なモノマー、並びに使用される量は、様々な要因による場合がある。例えば、具体的なモノマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1における組成物に対して測定される。別の例に関しては、具体的なモノマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1における組成物に対して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。更に他の実施例に関して、具体的なモノマー及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び剪断速度1秒−1における組成物に関して最大で約140,000cPの粘度、並びに25℃及び剪断速度0.01秒−1における組成物に関して少なくとも約500,000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。更に他の実施例に関して、具体的な希釈剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び剪断速度1秒−1における組成物に関して18,000cP〜140,000cPの粘度、並びに25℃及び剪断速度0.01秒−1における組成物に関して700,000cP〜4,200,000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0065】
接着剤層は、上記のとおり、粘着付与剤をほとんど又は全く有さない。粘着付与剤は典型的に、接着剤の厚さを増加させるのに使用される。使用される具体的な粘着付与剤、並びに使用される量は、様々な要因による場合がある。粘着付与剤及び/又はその量は、接着剤層が約15N/mm以下、10N/mm以下、又は6N/mm以下のガラス基材間の劈開強度を有するように選択され得る。具体的な粘着付与剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1における組成物に対して測定される。別の例に関しては、具体的な粘着付与剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、約100〜140,000cP、約100〜約10,000cP、約100〜約5000cP、約100〜約1000cP、約200〜約700cP、約200〜約500cP、又は約500〜約4000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよく、粘度は25℃及び1秒−1における組成物に対して測定され、得られる接着剤層は、約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有する。更に他の実施例に関して、具体的な粘着付与剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び剪断速度1秒−1における組成物に関して最大で約140,000cPの粘度、並びに25℃及び剪断速度0.01秒−1における組成物に関して少なくとも約500,000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。更に他の実施例に関して、具体的な希釈剤及び/又はその量は、接着剤組成物が、25℃及び剪断速度1秒−1における組成物に関して18,000cP〜140,000cPの粘度、並びに25℃及び剪断速度0.01秒−1における組成物に関して700,000cP〜4,200,000cPの粘度を有する液体組成物であるように選択されてもよい。
【0066】
接着剤層は、約15〜約50重量%の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーと、約15〜約50重量%の反応性希釈剤との反応生成物と、5超〜約25重量%の可塑剤と、を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。この接着剤層は、約15N/mm未満、約10N/mm未満、又は約6N/mm未満のガラス対ガラスの劈開力を含んでもよい。接着剤層は、約20〜約60重量%の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーと、約30〜約60重量%の反応性希釈剤との反応生成物と、5超〜約25重量%の可塑剤と、を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。この接着剤層は、約15N/mm未満、約10N/mm未満、又は約6N/mm未満のガラス対ガラスの劈開力を含んでもよい。接着剤層は、約25〜約45重量%の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーと、約40〜約60重量%の反応性希釈剤との反応生成物と、5超〜約15重量%の可塑剤と、を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。接着剤層は、約20〜約50重量%の多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、約30〜約60重量%の反応性希釈剤との反応生成物と、5超〜約25重量%の可塑剤と、を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。接着剤層は、約25〜約45重量%の多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、約40〜約60重量%の反応性希釈剤との反応生成物と、5超〜約15重量%の可塑剤と、を含んでもよい。反応生成物は、アルキレンオキシド官能基を有する、約10〜約20重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。接着剤層は、約30〜約60重量%の多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、約20〜約30重量%の反応性希釈剤との反応生成物と、5超〜約10重量%の可塑剤と、アルキレンオキシド官能基を有する約5〜約10重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーと、約2〜約10重量%のヒュームドシリカと、を含んでもよい。
【0067】
光学アセンブリは、ディスプレイパネル、実質的に透明な基材、及びディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間に配設された接着剤層とを備えてもよく、接着剤層は、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーと、25℃で約4〜約20cPの粘度を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む反応性希釈剤との反応生成物と、アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーと、を含む。
【0068】
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーは、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能性ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、及び多官能性ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーのうちのいずれか1つ又は複数を含む。
【0069】
25℃で約4〜約20cPの粘度を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートを含んでもよい。テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートは、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレートを含んでもよい。アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、1〜10個のアルキレンオキシド単位を有してもよい。
【0070】
液体でありかつ光学的に透明である組成物は、約20〜約60重量%の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーと、約40〜約80重量%の反応性希釈剤と、の反応生成物を含んでもよい。
【0071】
光学アセンブリは、ディスプレイパネル、実質的に透明な基材、及びディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間に配設された接着剤層とを備えてもよく、接着剤層は、多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマーと、4〜20個の炭素原子のペンダントアルキル基を有する、1官能性(メタ)アクリレートモノマーとの反応生成物と、液体ゴムと、を含む。
【0072】
多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマーは、多官能性ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能性イソプレン(メタ)アクリレートオリゴマー、及びブタジエン及びイソプレンのコポリマーを含む多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーのうちのいずれか1つ又は複数を含む。多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマーは、多官能性ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。4〜20の炭素原子のペンダントアルキル基を有する、1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、8〜20の炭素原子を有するペンダント基を含み得る。液体ゴムは液体イソプレンを含んでもよい。
【0073】
有用な多官能性ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマーには、Sartomer Co.から入手可能な二官能性ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマーCN307が挙げられる。有用な多官能性ポリイソプレン(メタ)アクリレートには、Kuraray America,Inc.から入手可能なメタクリル化イソプレンオリゴマーUC−102及びUC−203が挙げられる。
【0074】
4〜20の炭素原子のペンダントアルキル基を有する有用な1官能性(メタ)アクリレートモノマーには、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、及びステアリルアクリレートが挙げられる。
【0075】
液体ゴムは、LIR−30液体イソプレンゴム及びLIR−390液体ブタジエン/イソプレンコポリマーゴム(Kuraray,Inc.から入手可能)、及びRICON 130液体ポリブタジエンゴム(Sartomer Co.,Inc.)を含み得る。
【0076】
接着剤層は、上記のとおり可塑剤を更に含んでもよい。
【0077】
接着剤層は、約20〜約60重量%の多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマーと、4〜20個の炭素原子のペンダントアルキル基を有する約20〜約60重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーとの反応生成物と、5超〜約25重量%の液体ゴムと、を含んでもよい。
【0078】
接着剤層は、約20〜約50重量%の多官能性ゴム系(メタ)アクリレートオリゴマーと、4〜20個の炭素原子のペンダントアルキル基を有する約20〜約50重量%の1官能性(メタ)アクリレートモノマーとの反応生成物と、5超〜約25重量%の液体ゴムと、を含んでもよい。
【0079】
接着剤層は、上記のとおり、粘着付与剤をほとんど又は全く含まない。
【0080】
接着剤層は粘着付与剤を含んでもよい。粘着付与剤は周知であり、接着剤の粘着又は他の特性を増加させるのに使用される。多くの異なる種類の粘着付与剤があるが、ほとんど全ての粘着付与剤が、ウッドロジン、ガムロジン、若しくはトール油ロジン由来のロジン樹脂;石油系原料から作られる炭化水素樹脂;又は木材若しくはある特定の果物のテルペン原料由来のテルペン樹脂;に分類され得る。接着剤層は、例えば0.01〜約20重量%、0.01〜約15重量%、又は0.01〜約10重量%の粘着付与剤を含み得る。接着剤層は、粘着付与剤を実質的に含まなくてもよく、例えば接着剤層の総重量に対して、0.01〜約5重量%、又は約0.01〜約0.5重量%の粘着付与剤を含む。
【0081】
接着剤層は粘着付与剤を有さない場合がある。接着剤層は例えば柔軟であってもよく、この層は約30未満、約20未満、又は約10未満のショアA硬度を有してもよい。
【0082】
接着剤層は、どのような量が許容可能であるかによって、縮小をほとんど呈さない又は全く(例えば約5%未満)呈さない場合がある。
【0083】
他の実施形態では、接着剤はシリコーン系であってもよい。例えば、接着剤は水素化ケイ素官能性シリコーンと、ビニル若しくはアリル官能性シリコーンとの間の付加硬化化学を使用している場合がある。シリコーンの付加硬化は、当該技術分野において周知であり、それらは熱又は紫外線照射によって活性化され得るプラチナ系触媒を組み込むことが多い。同様に二成分シリコーン液体接着剤又はゲル形成材料は、このチキソトロピー性の印刷可能な材料のベースとして使用されてもよい。これらのタイプのシリコーンは、縮合化学によってもよく、並びに硬化メカニズムを加速させるために熱を必要としてもよい。
【0084】
広くは、接着剤層は金属酸化物粒子を例えば、接着剤層の屈折率又は液体接着剤組成物の粘度を(以下に記載のように)修正するために含み得る。実質的に透明な金属酸化物粒子を使用することができる。例えば、接着剤層中の金属酸化物粒子の厚さ1mmのディスクは、ディスクに入射する光の約15%未満を吸収し得る。金属酸化物粒子の例としては、粘度、Al2O3、ZrO2、TiO2、V2O5、ZnO、SnO2、ZnS、SiO2、及びそれらの混合物、並びに他の十分に透明な非酸化物セラミック材料が挙げられる。金属酸化物粒子は、表面処理されて接着剤層内及びそれから層がコーティングされる組成物の分配性を改善してもよい。表面処理化学物質の例としては、シラン類、シロキサン類、カルボン酸類、ホスホン酸類、ジルコン酸塩類、チタン酸塩類などが挙げられる。こうした表面処理化学物質を適用する技術は既知である。有機充填剤、例えばセルロース、ヒマシ油ワックス、及びポリアミド含有充填剤もまた使用されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態において、接着剤層はヒュームドシリカを含む。好適なヒュームドシリカとしては、AEROSIL 200、及びAEROSIL R805(両方ともEvonik Industriesから入手可能)、CAB−O−SIL TS 610、及びCAB−O−SIL T 5720(両方ともCabot Corp.から入手可能)、並びにHDK H2ORH(Wacker Chemie AGから入手可能)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0086】
いくつかの実施形態では、接着剤層は、ヒュームドアルミニウムオキシド、例えばAEROXIDE ALU 130(Evonik(Parsippany,NJ)より入手可能)を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、接着剤層は、粘土、例えばGARAMITE 1958(Southern Clay Productsから入手可能)を含む。
【0088】
金属酸化物粒子は所望の効果に生じさせるのに必要とされる量で、接着剤層の総重量を基本として、例えば約2〜約10重量%、約3.5〜約7重量%、約10〜約85重量%、又は約40〜約85重量%の量で使用されてもよい。金属酸化物粒子は、望ましくない色、曇り、又は透過率特性を付け足さない範囲まででのみ加えることができる。一般的に、粒子は約1nm〜約100nmの平均粒径を有することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、液体でありかつ光学的に透明である接着剤は、非反応性オリゴマーのレオロジー改質剤を含む。理論に束縛されるものではないが、非反応性オリゴマーのレオロジー改質剤は、水素結合又は他の自己会合メカニズムを通じて、低い剪断速度において粘度を上昇させる。好適な非反応性オリゴマーのレオロジー改質剤の例としては、ポリヒドロキシカルボン酸アミド(Byk−Chemie GmbH(Wesel,Germany)から入手可能なBYK 405など)、ポリヒドロキシカルボン酸エステル(Byk−Chemie GmbH(Wesel,Germany)から入手可能なBYK R−606など)、変性尿素(King Industries(Norwalk,CT)からのDISPARLON 6100,DISPARLON 6200、若しくはDISPARLON 6500、又は
Byk−Chemie GmbH(Wesel,Germany)からのBYK 410など)、金属スルホン酸塩(King Industries(Norwalk,CT)からのK−STAY 501、又はLubrizol Advanced Materials(Cleveland,OH)からのIRCOGEL 903など)、アクリレート化オリゴアミン(Rahn USA Corp(Aurora,IL)からのGENOMER 5275など)、ポリアクリル酸(Lubrizol Advanced Materials(Cleveland,OH)からのCARBOPOL 1620など)、変性ウレタン(King Industries(Norwalk,CT)からのK−STAY 740など)、又はポリアミドが挙げられるがこれらに限定されない。
【0090】
いくつかの実施形態では、非反応性オリゴマーレオロジー変性剤は、相分離を制限し、ヘイズを最小限にするために、光学的に透明である接着剤と混和性かつ適合性があるように選択される。いくつかの実施形態では、接着剤層はチキソトロピー液体でありかつ光学的に透明である接着剤から形成され得る。本明細書で使用するとき、組成物が所定の期間に剪断応力に供され、続いて回復したとき、又は剪断応力が減少した、又は除去されたときに部分的に粘度が回復したとき、組成物の剪断力が弱くなる場合、組成物はチキソトロピー性であると考えられる。かかる接着剤はゼロ、又はゼロ近くの応力条件でほとんど、又は全く流量を呈さない。チキソトロピー性特性の利点は、低い剪断速度の条件下における急速な減少により、例えば針による分配のプロセスなどによって、容易に分配することができる。単に高い粘度にわたるチキソトロピー性挙動の主な利点は、高い粘度の接着剤は分配及び適用中に流れるのが難しいということである。接着剤組成物は、組成物に粒子を追加することによってチキソトロピー性とされてもよい。いくつかの実施形態では、チキソトロピー特性を液体接着剤に付与するために、約2〜約10重量%又は約3.5〜約7重量%の量で、ヒュームドシリカが添加される。
【0091】
いくつかの実施形態では、1〜10秒−1の剪断速度において、50Pa・s以下、約2〜約30Pa・sの間、及び具体的には約5〜約20Pa・sの間の粘度を有する任意の光学的に透明な接着剤が、コーティングプロセスに好適なチキソトロピー液体でありかつ光学的に透明である接着剤を形成するために、チキソトロープ剤と組み合わされ得る。チキソトロープ剤の効率、及び光学特性は、液体でありかつ光学的に透明である接着剤の組成物、及びチキソトロープ剤とのその相互作用による。例えば、会合性チキソトロープ剤又は親水性シリカの場合、高い極性モノマー(例えばアクリル酸、酸、又はヒドロキシル含有モノマー若しくはオリゴマー)の存在は、チキソトロピー性又は光学特性を阻害する場合がある。
【0092】
いくつかの実施形態では、液体でありかつ光学的に透明である接着剤の粘土は、2つ以上の異なる剪断速度において制御され得る。一実施形態では、接着剤層は、25℃及び10秒−1の剪断速度において、約2〜約50Pa・s、及び具体的には約5〜約20Pa・sの粘度を有する。一実施形態では、接着剤層は、25℃及び0.01秒−1の剪断速度において、約500〜約10,000Pa・s、及び具体的には約1,000〜約8,000Pa・sの粘度を有する。一実施形態では、接着剤層は、25℃及び1秒−1の剪断速度において、約18Pa・s〜約140Pa・s、及び具体的には約30Pa・s〜約100Pa・sの粘度を有する。
【0093】
いくつかの実施形態では、接着剤層は、10Paの応力が接着剤に2分間、適用されたときに約0.2ラジアン以下の変位クリープを有する。具体的には、液体でありかつ光学的に透明である接着剤は、10Paの応力が接着剤に2分間、適用されたときに約0.1ラジアン以下の変位クリープを有する。概して、変位クリープは、25℃においてTA Instruments製造のAR2000 Rheometer及び直径40mm×1oの錐体を使用することによって測定され、10Paの応力が接着剤に適用されたときに、錐体の回転角度として画定される値である。変位クリープは、重力及び表面張力といった非常に低い応力条件下における、チキソトロピー性接着剤層のの流れ又はたわみに抵抗する能力に関連する。
【0094】
いくつかの実施形態では、液体でありかつ光学的に透明である接着剤は、錐体及びプレートレオメーターにおいて、1Hzの周波数において80μN・mのトルクが適用されたときに、45°以下、具体的には42°以下、具体的には35°以下、及びより具体的には30°以下のデルタを有する。デルタは、振動性の力(応力)が材料に適用される場所の応力と歪みの間の位相遅れであり、得られる変位(歪み)が測定される。デルタは、角度の割り当てられた単位である。デルタは、非常に低い振動応力におけるチキソトロピー性接着剤層の「固体」の挙動、又はその非たわみ性特性に関する。接着剤層はまた、ステンシル印刷の用途におけるスキージなどの機器の下を通過した後、短時間内でそのたわまない構造を維持する能力も有する。一実施形態では、接着剤層の回復時間は、1Hzの周波数において、約1000μN・mのトルクを約60秒間、その直後に1Hzの周波数において80μN・mのトルクが適用された後、35度のデルタに到達するまで約60秒未満、具体的には約30秒未満、及び更に具体的には約10秒未満である。
【0095】
光開始剤は、紫外線照射を用いて硬化することきに、液体組成物で使用されてもよい。フリーラジカル硬化の光開始剤には、有機過酸化物、アゾ化合物、キニーネ、ニトロ化合物、アシルハロゲン化物、ヒドラゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、イミダゾール、クロロトリアジン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ケトン、フェノン等が挙げられる。例えば、接着剤組成物は、BASF Corp.からLUCIRIN TPOLとして入手可能なエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、又はCiba Specialty ChemicalsからIRGACURE 184として入手可能な1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含み得る。光開始剤は、重合性組成物中のオリゴマー及びモノマー材料の重量に対して約0.1〜10重量%又は0.1〜5重量%の濃度でしばしば用いられる。
【0096】
液体組成物及び接着剤層は任意に応じて、連鎖移動剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤、粘度調整剤、抑泡剤、帯電防止剤、及び湿潤剤などの1つ以上の添加物を含有し得る。光学接着剤に対して色が必要とされる場合は、染料及び顔料などの着色剤、蛍光性染料及び顔料、リン光性染料及び顔料が使用されてもよい。
【0097】
上記のように、接着剤層は接着組成物又は液体組成物を硬化することによって形成される。任意の形態の電磁放射線が使用されてもよく、例えば液体組成物は、紫外線照射及び/又は熱を使用して硬化されてもよい。電子ビーム照射もまた使用されてもよい。上記の液体組成物は、化学線、すなわち光化学反応活性の生成につながる放射線を使用して硬化されると言われる。例えば、化学線は約250〜約700nmの放射線を含み得る。化学線源の源には、タングステンハロゲンランプ、キセノン及び水銀アークランプ、白熱灯、殺菌灯、蛍光ランプ、レーザ、及び発光ダイオードが挙げられる。紫外線は、Fusion UV Systemsから入手可能なもののように、高い密度で連続する放射システムを使用して供給することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、化学線は、組成物が部分的に重合されるように、液体組成物の層に適用され得る。液体組成物は、ディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間に配置されて、次いで部分的に重合されてもよい。液体組成物は、ディスプレイパネル又は実質的に透明な基材上に配置されて、部分的に重合されてもよく、次いでディスプレイパネル及び基材の他方は部分的に重合された層の上に配置されてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、化学線は、組成物が完全に、又はほぼ完全に重合されるように、液体組成物の層に適用され得る。液体組成物は、ディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間に配置され、次いで完全に、又はほぼ完全に重合されてもよい。液体組成物は、ディスプレイパネル又は実質的に透明な基材上に配置されて、完全に又はほぼ完全に重合され、次いでもう一方のディスプレイパネル及び基材は部分的に重合された層の上に配置されてもよい。
【0100】
アセンブリプロセスにおいて、実質的に均一な液体組成物の層を有することが一般的に望ましい。2つの構成要素を所定の位置に確実に保持する。必要に応じて、アセンブリの上面全体にわたって均一な圧力を加えてよい。必要に応じて、ガスケット、支持棒、シム及び/又はスペーサを使用して、部品を互いに対して一定の距離に保持することにより、層の厚さを調整してもよい。あふれ出たものから部品を保護するために、マスキングが必要とされることがある。吸引装置又は他の手段により、封入された空気の空洞を防止するか、又はなくすことができる。照射を次いで適用し、接着剤層を形成してもよい。
【0101】
光学アセンブリは、2つの構成要素間にエアギャップ又はセルを作製し、次いで液体組成物をセル内に配置することによって調製され得る。この方法の例は、米国特許第6,361,389 B1(Hogue et.al)に記載されており、周囲に沿ったシールがエアギャップ又はセルを形成するように、構成要素同士を周縁部で接着することを含む。接着は、上記のとおり接着剤が再加工性を阻害しない限り、任意のタイプの接着剤、例えば両面感圧接着剤テープなどの接着テープ、ガスケット、RTVシール等を使用して実施され得る。次いで、液体組成物は周辺部の縁部における開口部を通じてセル内に注がれる。あるいは、液体組成物はおそらく注射器など加圧された注入手段を使用して注入される。セルが充填されたときに、空気を逃がすことができるようにするために、別の開口が必要である。吸引装置などの排出手段を使用して、そのプロセスを容易にすることができる。上記のとおり化学線又は熱を適用して接着剤層を形成することができる。
【0102】
光学アセンブリは、米国特許第5,867,241(Sampica et al.)に記載されるようなアセンブリ固定具を使用して調製され得る。この方法では、平板を含み、その平板の中にピンを圧入した取り付け具が提供される。ピンは、ディスプレイパネルとディスプレイパネルに取り付けられる部品との寸法に合致するピン領域を形成するように、所定の形状で配置される。ピンは、ディスプレイパネル及び他の部品がピン領域に降ろされたときに、ディスプレイパネル及び他の部品の4つの各隅部が、ピンによって所定の位置に保持されるように構成される。取り付け具は、位置合わせ精度を適切に調整して、光学アセンブリの構成要素の組み立て及び位置合わせを補助する。この組立方法の更なる実施形態はSampica et al.に記載されている。米国特許第6,388,724 B1号(Campbell,et.al)は、スタンドオフ、シム、及び/又はスペーサを使用して、構成要素を互いに対して一定の距離で保持する方法を記載している。
【0103】
ディスプレイパネルは、液晶ディスプレイパネルなど任意のタイプのパネルを含むことができる。液晶ディスプレイパネルは周知であり、通常、ガラス又はポリマー基材などの、2つの実質的に透明な基材間に配置された液晶材料を含む。本明細書で使用するとき、「実質的に透明である」は、光学用途(例えば460〜720nmの範囲にわたって少なくとも85%の透過率を有する)に工程できある基材を指す。光学基材は、厚さ1ミリメートル当たり、460nmで約85%超の透過率、530nmで約90%超の透過率、及び670nmで約90%超の透過率を有することができる。実質的に透明な基材の内側面には、電極として機能する透明な導電材料がある。場合によっては、実質的に透明な基材の外側面には、基本的に、ただ1つの偏光状態の光だけを通す偏光フィルムがある。電圧が電極に対して選択的に印加されると、液晶材料は再配向して光の偏光状態を変え、それにより、画像が形成される。液晶ディスプレイパネルはまた、マトリクスパターンで配置された複数の薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタアレイパネルと、共通電極を有する共通電極パネルとの間に配置された液晶材料を含むことができる。
【0104】
ディスプレイパネルは、プラズマディスプレイパネルを含むことができる。プラズマディスプレイパネルは周知であり、通常、2つのガラスパネル間に位置する小セル内に配置されたネオン及びキセノンなどの希ガスからなる不活性混合物を含む。制御回路は、パネル内の電極を帯電させて、これがガスをイオン化し、プラズマを形成するようにし、次いで、プラズマが蛍光体を励起して発光させる。
【0105】
ディスプレイパネルは、有機エレクトロルミネッセンスパネルを含むことができる。これらのパネルは本質的に2つのガラスパネル間に配置された有機材料の1つの層である。有機材料は、有機発光ダイオード(OLED)又は高分子発光ダイオードポリ(PLED)を含み得る。これらのパネルは既知である。
【0106】
ディスプレイパネルは電気泳動ディスプレイを含み得る。電気泳動ディスプレイは既知であり、電子ペーパー、すなわちe−ペーパーと呼ばれるディスプレイ技術に典型的に使用される。電気泳動ディスプレイは、2つの透明電極パネル間に配置された液体の帯電物質を含む。液体の帯電材料は、ナノパーティクル、染料、及び非極性炭化水素中に浮遊する帯電剤、炭化水素材料中に浮遊する、帯電した粒子で充填されたマイクロカプセスを含み得る。マイクロカプセルはまた、液体ポリマーの層に浮遊してもよい。
【0107】
光学アセンブリに使用される実質的に透明な基材は、様々なタイプの材料を含み得る。実質的に透明な基材は、光学用途に適しており、典型的に460〜720nmの範囲にわたって少なくとも85%の透過率を有する。実質的に透明な基材は、厚さ1ミリメートル当たり、460nmで約85%より大きい透過率、530nmで約90%より大きい透過率、及び670nmで約90%より大きい透過率を有することができる。
【0108】
実質的に透明な基材は、ガラス又はポリマーを含むことができる。有用なガラスには、ホウケイ酸、ソーダ石灰、及び保護カバーとしてディスプレイ用途での使用に適した他のガラスがある。使用され得る1つの具体的なガラスとしては、Corning Inc.から入手可能なEAGLE XG及びJADEガラス基材が挙げられる。有用なポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ボリカーボネートフィルム又はプレート、ポリメチルメタクリレートフィルムなどのアクリルフィルム、並びにZeon Chemicals L.P.から入手可能なZEONOX及びZEONORなどのポリエステルフィルムが挙げられる。実質的に透明な基材は好ましくは、ディスプレイパネル及び/又は接着剤層の屈折率に近い屈折率、例えば、約1.4〜約1.7を有する。実質的に透明な基材は通常、約0.5mm〜約5mmの厚さを有する。
【0109】
実質的に透明な基材は、タッチスクリーンを含むことができる。タッチスクリーンは周知であり、通常、2つの実質的に透明な基材間に配置された透明な導電層を含む。例えば、タッチスクリーンは、ガラス基材とポリマー基材との間に配置された酸化インジウムスズを含むことができる。
【0110】
本明細書に開示した光学アセンブリを、電話などの携帯デバイス、テレビ、コンピュータモニタ、プロジェクタ又は表示板を含むがこれらに限定されない様々な光学デバイスに使用することができる。光学デバイスは、バックライトを含んでよい。
【実施例】
【0111】
本発明について以下の実施例でより具体的に説明するが、本発明の範囲内での多数の修正及び変形が当業者には明らかとなるため、以下の実施例は例示のみを目的としたものである。別段の指定がない限り、以下の実施例で報告される全ての部、百分率、及び比率は、重量を基準としたものである。
【0112】
試験方法
粘度測定
TA Instruments(New Castle,Delaware)からの40mmの1°のステンレス鋼錐体及びプレートを備えるAR2000レオメーターを使用することによって作製された。粘度は、25℃において錐体とプレートとの間に28μmのギャップを備えて、0.01〜100秒−1の頻度で、安定した状態の流量手順を用いて測定された。
【0113】
【表1】
【0114】
プロセス実施例
(実施例1)
重量ベースで、59.02部のArt Resin SSM7、2.74部のBisomer PPA6、6.35部のSR489D、9.08部のBEHA、13.62部のPinecrystal KE−311、0.9部のIrganox 1076、0.49部のSilquest A174、0.9部のAO503、5.91部のAerosil 200、及び0.99部のLucirin TPO−Lを高剪断ミキサで混合することによって、液体でありかつ光学的に透明である接着剤組成物(「LOCA−1」と表示される)を調製した。種々の剪断速度におけるLOCA−1の粘度が表1に示される。
【0115】
【表2】
【0116】
LOCA−1を、以下の手順によって、3インチ×2インチ×0.06インチ(7.6cm×5.1cm×0.15mm)のガラスプレート上にカーテンコーティングした。垂直の落下位置にあるように構成される、12.5インチ(31.8cm)幅の鋭いリップを有する押出スロットダイを、0.020インチ(0.051cm)のシムと適合させ、ダイ開口部を約5インチ(12.7cm)の幅に狭めた。カーテンコーティングの縁部を安定させるために、「サイドリミッタ」として2つの木製だぼを使用した。コーティングプロセス中に、流体カーテンの縁部がだぼ表面のみに接触し、次いで、だぼの縁部を流れ落ちるように、だぼをダイにテープで貼った。ダイを加圧ポットに接続した。加圧ポットは、約1.625インチ(4.128cm)の内径及び約8オンス(237cm)の総体積を有する小型容器を含有し、容器は、LOCA−1を保持した。加圧ポット排出口、0.25インチ(0.64cm)の内径を有するポリエチレン管をLOCA−1に浸した。ポットを密閉し、圧縮空気を用いて30psi(207kPa)まで加圧し、LOCA−1をダイから押し出し、5インチ(12.7cm)幅の流体カーテンを形成した。約0.15インチ/秒(0.38cm/秒)の速度において、手動で、流体カーテン下で、ガラスプレートに供給した。コーティング後、窒素パージ環境下で(約50ppmの酸素にパージ)、15フィート/分(4.6メートル/分)のコンベヤー速度で7回、200ワット/インチ(78.7W/cm)で動作するH電球を有する、紫外線硬化システム(Model MC−6RQN;Fusion UV Systems Inc.(Gaithersburg,Maryland)から入手可能)に、コーティングされたプレートを通すことによって、LOCA−1を硬化させた。
【0117】
(実施例2)
Nordson TrueCoat(商標)スロットアプリケータを本実施例のために選択した。対象の基材をアプリケータの下に配置し、それにLOCA−1を充填した。アプリケータを移動させることが可能なフレーム上にアプリケータを載置した。電空サーボモータによって、基材の上でのアプリケータの移動を制御した。スロットダイに供給するための接着剤の量を定量ポンプによって送り込み、分注量をスロットダイコーティングヘッド中のソレノイド弁によって制御した。スロットダイの移動速度は、約0.1〜50mm/秒の間で制御可能であった。スロットダイの塗布幅は、約500mmであった。塗布幅は、約50〜1000mmの間で変更され得ることが理解される。スロットダイと対象の基材との間のギャップは、約1mmであった。接着剤を対象の基材上に配設した後、平面性を検査した。300ミクロンの接着剤コーティング厚さに対して、±35ミクロンの平面性許容誤差が得られた。
【0118】
(実施例3)
同一のNordson TrueCoat(商標)スロットアプリケータを本実施例のために選択した。対象の基材をアプリケータの下に配置し、それにLOCA−1を充填した。アプリケータを移動させることが可能なフレーム上にアプリケータを載置した。電空サーボモータによって、基材の上でのアプリケータの移動を制御した。スロットダイに供給するための接着剤の量を定量ポンプによって送り込み、分注量をスロットダイコーティングヘッド中のソレノイド弁によって制御した。スロットダイの移動速度は、約0.1〜50mm/秒の間で制御可能であった。スロットダイの塗布幅は、約500mmであった。スロットダイと対象の基材との間のギャップは、約5mmであった。接着剤を対象の基材上に配設した後、平面性を検査した。300ミクロンの接着剤コーティング厚さに対して、同様の±35ミクロンの平面性許容誤差が得られた。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5