特許第6033331号(P6033331)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033331
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】内燃機関用の排ガス制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/16 20060101AFI20161121BHJP
   F02D 9/02 20060101ALI20161121BHJP
   F02D 9/04 20060101ALI20161121BHJP
   F02M 26/00 20160101ALI20161121BHJP
   F02M 26/14 20160101ALI20161121BHJP
【FI】
   F02D9/16
   F02D9/02 S
   F02D9/04 D
   F02M26/00
   F02M26/14
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-555193(P2014-555193)
(86)(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公表番号】特表2015-505592(P2015-505592A)
(43)【公表日】2015年2月23日
(86)【国際出願番号】EP2013051858
(87)【国際公開番号】WO2013113790
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2014年10月1日
(31)【優先権主張番号】12464002.0
(32)【優先日】2012年2月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ムレサン
【審査官】 山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04055151(US,A)
【文献】 特表昭59−500180(JP,A)
【文献】 米国特許第03993099(US,A)
【文献】 特表2005−525505(JP,A)
【文献】 実開昭61−192540(JP,U)
【文献】 特開2007−192153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/00 − 11/10
F02M 26/00
F02M 26/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガス通路(5)内の流れを制御する排ガス弁(9)と、
バイパス通路(6)内の流れを制御するバイパス弁(10)と、
前記排ガス弁(9)及び前記バイパス弁(10)を制御する制御可能なアクチュエータ(8)と、
を備える、内燃機関(1)用の排ガス制御装置(2)であって、
前記排ガス弁(9)及び前記バイパス弁(10)は、共通の1つの弁ボディ(15)と共通の1つの排ガス入口通路(11)とを備え、
前記弁ボディ(15)を収容するハウジング(19)が、共通の前記排ガス入口通路(11)の入口開口(12)と、前記排ガス弁(9)の前記排ガス通路(5)の出口開口(13)と、前記バイパス弁(10)の前記バイパス通路(6)の出口開口(14)とを備え、
前記弁ボディ(15)は、前記ハウジング(19)内に回動可能に配置されていて、回動軸線に対して傾斜した2つの排ガス案内面(20,21)を備え、これにより、第1の回動位置では、前記入口開口(12)は、一方の前記排ガス案内面(20)を介して前排ガス通路(5)の出口開口(13)に接続されていて、第2の回動位置では、前記入口開口(12)は、他方の前記排ガス案内面(21)を介して前バイパス通路(6)の出口開口(14)に接続されている、内燃機関(1)用の排ガス制御装置(2)において、
前記弁ボディ(15)は、一方の前記排ガス案内面(20,21)の部分域に配置された基部(22)を備え、第3の回動位置で、前記基部(22)は、前記入口開口(12)を閉鎖し、
前記基部(22)は、前記弁ボディ(15)の前記排ガス案内面(20,21)のうちの1つだけに配置されていることを特徴とする、内燃機関(1)用の排ガス制御装置(2)。
【請求項2】
共通の前記排ガス入口通路(11)は、共通の前記弁ボディ(15)まで通じている、請求項1記載の排ガス制御装置。
【請求項3】
共通の前記弁ボディ(15)は、所定の位置で、前記入口開口(12)を閉鎖する、請求項1又は2記載の排ガス制御装置。
【請求項4】
共通の前記弁ボディ(15)は、前記入口開口(12)を閉鎖する位置で、両方の前記出口開口(13,14)を互いに分離している、請求項3記載の排ガス制御装置。
【請求項5】
前記アクチュエータ(8)は、前記弁ボディ(15)の回動位置を調節する作動モータである、請求項1から4までのいずれか1項記載の排ガス制御装置。
【請求項6】
前記作動モータの回動軸線は、前記弁ボディ(15)の回動軸線に対して平行に配置されており、前記作動モータと前記弁ボディ(15)との間の伝動装置が平らに構成されている、請求項5記載の排ガス制御装置。
【請求項7】
前記ハウジング(19)は、管状に外套面を備えて構成されており、前記入口開口(12)は、前記外套面の所定の側に配置されていて、前記出口開口(13,14)は、前記外套面の、前記入口開口(12)とは反対に位置する側に配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の排ガス制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス通路内の流れを制御する排ガス弁と、バイパス通路内の流れを制御するバイパス弁と、排ガス弁及びバイパス弁を制御する制御可能なアクチュエータと、を備える、内燃機関用の排ガス制御装置に関する。
【0002】
そのような排ガス制御装置は、現今の自動車では頻繁に使用されていて、実際に知られている。実際に知られた排ガス制御装置では、それぞれ1つの絞りフラップがバイパス通路及び排ガス通路に配置されている。排ガス通路に配置された絞りフラップは、アクチュエータとしての作動モータを介して制御され、これに対してバイパス通路に配置された絞りフラップは、負圧ユニットを介して調節される。これにより、排ガス制御装置は、極めて大きな構造上の手間を要する。
【0003】
従って本発明の課題は、冒頭で述べた構成の排ガス制御装置を改良して、特に簡単に構成し、低コストに製造できるものを提供することである。
【0004】
この課題は、本発明によれば、排ガス弁及びバイパス弁が、共通の1つの弁ボディと共通の1つの排ガス入口通路とを備えることにより解決される。
【0005】
このような構成により、排ガス制御装置は、単一の弁ボディにより、特に少数の構成要素を有する。更に、共通の弁ボディは、単一のアクチュエータにより特に簡単に制御することができ、これにより、排ガス制御装置は、特に簡単に構成し、低コストに製造できる。更に、本発明に係る排ガス制御装置は、単一の弁ボディにより、特に少数のシール箇所を有する。更に、少数のシール箇所と、排ガス通路及びバイパス通路内の流れの特に簡単な制御により、故障の可能性が特に僅かになる。
【0006】
本発明の別の好適な態様によれば、弁ボディを収容するハウジングが、共通の排ガス入口通路の入口開口と、排ガス弁の排ガス通路の排ガス開口と、バイパス弁のバイパス通路の出口開口とを備える場合には、単一の弁ボディを備えるバイパス弁及び排ガス弁の製造が構造的に特に簡単になる。
【0007】
本発明の別の好適な態様によれば、共通の排ガス入口通路が、共通の弁ボディまで通じている場合には、流れの分離を回避することができる。これにより、弁ボディは、排ガス入口通路内の流れを、アクチュエータの制御に応じて、直接に各排ガス通路に導くことができる。
【0008】
本発明の別の好適な態様によれば、共通の弁ボディが、所定の位置で、入口開口を閉鎖する場合には、排ガス制御装置を特に多様に用いることができる。
【0009】
本発明の別の好適な態様によれば、共通の弁ボディが、入口開口を閉鎖する位置で、両方の出口開口を互いに分離している場合には、排ガス通路とバイパス通路との間の排ガスの所望されない溢流を回避することができる。
【0010】
本発明の別の好適な態様によれば、弁ボディが、ハウジング内に回動可能に配置されていて、回動軸線に対して傾斜した2つの排ガス案内面を備え、これにより、第1の回動位置では、入口開口が、一方の排ガス案内面を介して一方の出口開口に接続されていて、第2の回動位置では、入口開口が、他方の排ガス案内面を介して他方の出口開口に接続されている場合には、弁ボディは、構造的に特に簡単に構成することができる。この構成の別の利点は、アクチュエータが弁ボディの簡単な回動調節装置として構成できることにある。これにより、排ガス制御装置は、特に低コストに製造できる。
【0011】
本発明の別の好適な態様によれば、弁ボディが、一方の排ガス案内面の部分域に配置された基部を備え、第3の回動位置で、基部が、入口開口を閉鎖する場合には、入口開口を閉鎖する構造的な手間を特に僅かに維持することができる。
【0012】
本発明の別の好適な態様によれば、基部が、弁ボディの排ガス案内面のうちの1つだけに配置されている場合には、基部の絞りを通る排ガス流の流れを特に僅かに維持することができる。バイパス通路が、排ガス通路よりも僅かな排ガス流しか必要としない場合には、それゆえ、基部は、好適にはバイパス通路の出口開口に通じる排ガス案内面に配置されている。
【0013】
本発明の別の好適な態様によれば、アクチュエータが、弁ボディの回動位置を調節する作動モータである場合には、排ガス弁及びバイパス弁の制御装置は、構造的に特に簡単に構成される。
【0014】
作動モータの回動軸線が、弁ボディの回動軸線に対して平行に配置されており、作動モータと弁ボディとの間の伝動装置が、平らに構成されている場合には、本発明に係る排ガス制御装置は、特にコンパクトに構成される。更に、これにより、作動モータの熱負荷が僅かに維持される。
【0015】
本発明の別の好適な態様によれば、ハウジングが、管状に外套面を備えて構成されており、入口開口が、外套面の所定の側に配置されていて、出口開口が、外套面の、入口開口とは反対に位置する側に配置されている場合には、流れ損失を特に僅かに維持することができる。
【0016】
本発明において多数の態様が認められる。本発明の基本原理を更に明確化するために、1つの態様を図示し、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る排ガス制御装置を備える内燃機関の概略図である。
図2図1の本発明に係る排ガス制御装置を示す図である。
図3】本発明に係る排ガス制御装置の部分域を1つの位置で示す断面図である。
図4】本発明に係る排ガス制御装置の部分域を1つの位置で示す断面図である。
図5】本発明に係る排ガス制御装置の部分域を1つの位置で示す断面図である。
図6】本発明に係る排ガス制御装置の弁ボディの斜視図である。
【0018】
図1には、排ガス制御装置2を備える内燃機関1が示されている。内燃機関1は、吸込管路3(吸込管路3を介して新鮮な空気が周囲環境から吸い込まれる)と、排ガス制御装置2に通じる排ガス管4とを備える。排ガス制御装置2は、図示されていない消音ダンパ、フィルタ又は触媒を介して周囲環境に通じる排ガス通路5内の流れと、吸込管路3に配置された混合装置7に通じるバイパス通路6内の流れとを制御する。排ガス制御装置2は、アクチュエータ8を介して制御することができ、排ガス通路5内の流れを制御する排ガス弁9と、バイパス通路6内の流れを制御するバイパス弁10とを備える。内燃機関1の排ガス管4は、排ガス制御装置2の排ガス入口通路11に通じる。
【0019】
図2には、図1による排ガス制御装置2が斜視図で示されている。排ガス制御装置2は、排ガス入口通路11の入口開口12と、排ガス弁9の排ガス通路5の出口開口13と、バイパス弁10のバイパス通路6の出口開口14とを備える。出口開口13,14は、管状のハウジング19の外套面において入口開口12とは反対側に配置されている。単一の弁ボディ15が管状のハウジング19内で回動可能に配置されている。アクチュエータ8は、弁ボディ15の回動軸線に対して平行に配置された軸線を有する作動モータとして構成されていて、平らな伝動装置16を介して弁ボディ15に結合されている。簡略化するために、伝動装置16及びアクチュエータ8のうちハウジング部分17,18だけが図示されている。
【0020】
図3には、第1の回動位置で、弁ボディ15と共にハウジング19が断面図で示されている。第1の回動位置では、排ガス通路5の出口開口13に通じる流れが解放されている。このために、弁ボディ15は、流れを案内する第1の排ガス案内面20を備える。バイパス通路6の出口開口14は、流れから分離されている。
【0021】
図4には、第2の回動位置で、弁ボディ15と共にハウジング19が断面図で示されている。第2の回動位置では、バイパス通路6の出口開口14を通る流れが解放されている。このために、弁ボディ15は、第2の排ガス案内面21を備える。排ガス通路5の出口開口13は、流れから分離されている。
【0022】
判りやすくするために、図1図3及び図4では、矢印を用いて流れが図示されている。
【0023】
図5は、第3の回動位置で、弁ボディ15と共にハウジング19が示されている。第3の回動位置では、排ガス入口通路11の入口開口12は、弁ボディ15の基部22により閉じられている。同時に出口開口13,14は、互いに分離されている。
【0024】
図6には、判りやすくするために、弁ボディ15が斜視図で示されている。図6において、基部22が一方の排ガス案内面20の部分域を覆っていることが看取される。他方の排ガス案内面21は、覆われておらず、排ガスの支障のない流れを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6