(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033332
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】排ガスセンサのハウジングを密封するための栓体、排ガスセンサおよび排ガスセンサの製造法
(51)【国際特許分類】
F16J 15/10 20060101AFI20161121BHJP
G01N 27/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
F16J15/10 U
G01N27/00 L
F16J15/10 G
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-555984(P2014-555984)
(86)(22)【出願日】2013年1月7日
(65)【公表番号】特表2015-509574(P2015-509574A)
(43)【公表日】2015年3月30日
(86)【国際出願番号】EP2013050141
(87)【国際公開番号】WO2013117358
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2014年10月14日
(31)【優先権主張番号】102012201900.6
(32)【優先日】2012年2月9日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベアント ラッタイ
(72)【発明者】
【氏名】イェンス シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】フランク シュタングルマイアー
【審査官】
竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−285849(JP,A)
【文献】
特開平11−190717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 1/00− 1/18
F16J 15/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスセンサ(2)であって、
ハウジング(11)と、
前記ハウジング(11)を密封するための栓体(1)であって、該栓体(1)が、ポリテトラフルオロエチレンを含んだベースボディ(24)を有しており、栓体(1)が、少なくとも1つの接続ケーブル(21)を貫通案内するための少なくとも1つの貫通通路(25)を有しており、栓体(1)のベースボディ(24)と貫通通路(25)との間に少なくとも部分的にシール部材(26,28)が配置されており、前記シール部材(26,28)が、少なくともペルフルオロアルコキシポリマまたはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンを含んでおり、前記ベースボディ(24)が、前記シール部材(26,28)に材料接続的に結合されており、前記シール部材(26,28)が、前記貫通通路(25)の全面にわたって、50μm〜250μmの層厚さを有する層の形態でベースボディ(24)に配置されている、栓体(1)と、
前記貫通通路(25)を貫いて案内された少なくとも1つの接続ケーブル(21)と、
を備える、排ガスセンサ(2)において、
前記接続ケーブル(21)が、前記シール部材(26,28)に材料接続的に結合されており、
前記栓体(1)が、該栓体の半径方向外側に配置された外側シール部材(36,38)を有しており、
前記外側シール部材(36,38)が、少なくともペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)またはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含んでおり、
前記ベースボディ(24)が、前記外側シール部材(36,38)に材料接続的に結合されており、
前記外側シール部材(36,38)が、前記ベースボディ(24)に、50μm〜250μmの層厚さを有する層の形態で配置されており、
前記ハウジング(11)が、前記栓体(1)に前記外側シール部材(36,38)を介して材料接続的に結合されており、
前記シール部材(26,28)が、前記外側シール部材(36,38)から間隔を置いて配置されている
ことを特徴とする、排ガスセンサ。
【請求項2】
前記接続ケーブル(21)が、絶縁体(19)によって取り囲まれた電気的な導体(20)を有している、請求項1記載の排ガスセンサ。
【請求項3】
前記絶縁体(19)が、フルオロポリマを含んでいる、請求項2記載の排ガスセンサ。
【請求項4】
前記フルオロポリマが、ポリテトラフルオロエチレンである、請求項3記載の排ガスセンサ。
【請求項5】
前記接続ケーブル(21)と、前記栓体(1)と、前記ハウジング(11)とが、それぞれ少なくとも間接的に材料接続的に互いに結合されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の排ガスセンサ。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項記載の排ガスセンサ(2)を製造する方法において、
ポリテトラフルオロエチレンを含んでいて、少なくとも1つの貫通通路(25)を有するベースボディ(24)を準備する方法ステップと、
少なくともペルフルオロアルコキシポリマまたはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンを含んでいて、半径方向外側にシール材料を有する接続ケーブル(21)を準備する方法ステップと、
シール材料がベースボディ(24)の貫通通路(25)内に達するように、該貫通通路(25)を貫いて接続ケーブル(21)を案内する方法ステップと、
ベースボディ(24)と、シール材料と、接続ケーブル(21)とから成る複合体を加熱する方法ステップと、
ベースボディ(24)と、シール材料と、接続ケーブル(21)とから成る複合体を組み付けて、該複合体によって排ガスセンサ(2)のハウジング(11)を密封する方法ステップと、
を含むことを特徴とする、排ガスセンサを製造する方法。
【請求項7】
前記接続ケーブル(21)が、半径方向外側に少なくとも1つのチューブおよび/または少なくとも1つのシートの形態でシール材料を有している、請求項6記載の方法。
【請求項8】
外側から700〜2000N/cm2の圧力を加えることによって、かしめ加工を行う、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
加熱を、シール材料が少なくとも部分的に溶融して、前記ベースボディ(24)と、前記シール材料と、前記接続ケーブル(21)との間に少なくとも間接的に材料接続的な結合が形成されるように行う、請求項6から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
加熱を、前記ベースボディ(24)の温度が327℃を上回らないように行う、請求項6から9までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスセンサに係る。
【0002】
背景技術
このような排ガスセンサはハウジングを有している。このハウジング内には、電気化学的に働く、たとえばセラミックス製のセンサ素子が位置している。さらに、このような排ガスセンサは栓体を有している。この栓体はハウジングを密封している。また、栓体を貫いて、少なくとも1つの接続ケーブルがハウジングから導出されているかもしくはハウジング内に導入されている。
【0003】
まず、栓体それ自体および栓体と接続ケーブルとの協働に高い封止性の要求が課せられる。この高い封止性によって、排ガスセンサの内部への有害な、たとえば腐食を引き起こす液体およびガスの侵入が効果的にかつ持続的に阻止される。封止性を実現するためには、栓体によって、特にこの栓体が十分な弾性を有していることが要求される。もう1つには、排ガスセンサがさらされている高い排ガス温度に基づき、栓体に対して、相応に高い耐熱性を有する材料しか可能とならない。
【0004】
独国特許出願公開第102005020793号明細書に基づき、すでに、排ガスセンサのハウジングを閉鎖するために、PTFEとしても公知のポリテトラフルオロエチレンから成る栓体を設けることが公知である。さらに、この栓体に設けられた複数の貫通通路内で接続ケーブルの絶縁シースをフッ素含有のプラスチックによって溶接することが提案される。
【0005】
発明の利点
本発明によれば、請求項1に記載の栓体と、このような栓体を有する請求項4に記載の排ガスセンサとが提案されている。
【0006】
本発明によれば、栓体が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んだベースボディを有している。本発明に関連して、この「ベースボディ」という概念は過度に限定して解釈すべきものではないが、しかし、栓体のベースボディが、直円柱の形状または基本形状を有しているかまたは直円柱の形状または基本形状に類似しているかまたは直円柱の形状または基本形状を出発点としていると好適である。たとえば、直円柱の形状または基本形状を出発点として、面取り、丸み付けおよび/またはこれに類する加工が行われていてよく、かつ/または変形、たとえば塑性変形および/または弾性変形が行われていてよい。
【0007】
「ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)」とは、本願では、特に構造式[−CF
2−CF
2−]
nを有する化学的な物質を意味している。
【0008】
本発明によれば、栓体のベースボディがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、すなわち、際立って優れた耐熱性を有する材料を含んでいるので、ベースボディが栓体の質量および/または体積に主に寄与していると有利である。特にベースボディが、栓体の質量の少なくとも80%または少なくとも85%、好適には少なくとも90%または少なくとも95%すら成していると有利である。付加的または択一的には、ベースボディが、栓体の体積の少なくとも65%または少なくとも72%、好適には少なくとも79%または少なくとも86%すら成していても有利である。
【0009】
ベースボディは、空間的な部分および/または化学的な組成に関してのみ、ある程度の割合のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)しか含んでいなくてもよいが、しかし、ベースボディが、少なくとも95%または完全にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成っており、かつ/またはベースボディが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成っていると好適である。
【0010】
本発明によれば、栓体が、少なくとも1つの接続ケーブルを貫通案内するための少なくとも1つの、特に軸方向の貫通通路を有している。「軸方向の貫通通路」とは、たとえばベースボディの円柱のまたは円柱に類似の形状または基本形状を基準として、貫通通路が、栓体の、互いに反対の側に位置する両端面を貫いており、かつ/または貫通通路が、栓体の、特に半径方向外側に位置する周面を貫いていないことを意味している。本発明は、これに限定されるものではないが、しかし、貫通通路が、ベースボディの対称軸線に対して平行に延びているかまたはベースボディの対称軸線が、貫通通路の対称軸線に合致すらしていると好適である。また、複数、特に2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの貫通通路の配置も可能である。この場合には、これらの貫通通路が、好ましくは、ベースボディの対称軸線を取り囲んで対称的に配置されている。貫通通路1つ当たり正確に1つの接続ケーブルを配置することが好適であるが、基本的には、1つの貫通通路内に複数の接続ケーブルまたは、たとえば接着かつ/または溶接された複数の接続ケーブルを有する1つの接続ケーブル複合体を設けることも可能である。
【0011】
本発明によれば、栓体が、そのベースボディと貫通通路との間に少なくとも部分的に配置されたシール部材を有している。このシール部材は、栓体のベースボディと貫通通路との間に残されたギャップを閉鎖する、特に密封するために好適である。シール部材が栓体の内側輪郭、すなわち、貫通通路の外壁をライニングしている、特に主にまたは完全にライニングしていることが可能であり、好適でもあるが、シール部材が、ベースボディと貫通通路との間に部分的にしか配置されていない、すなわち、栓体の内側輪郭と貫通通路の外壁との一部を互いに空いた状態で残しておくことも可能であり、好適である。
【0012】
本発明の根底には、シール部材の領域での改善されたシール作用の実現のために、シール部材の材料の選択が特に重要となるという認識がある。特にベースボディに含まれているかまたはベースボディを形成しさえする材料であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に基づき、ベースボディが、確かに、高い耐熱性を有しているが、僅かしか弾性的な特性を有しておらず、ひいては、力もしくは応力状態を伝達するためにほとんど適していないということが認識された。すなわち、摩擦接続をベースとした密封作用は、得ることが難しいかもしくは不完全にしか得ることができない。さらに、この認識をベースとして、シール部材のための適切な材料を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に材料接続的に結合するために適している、すなわち、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を濡らすために適しているような材料に的を絞って探さなければならないことが認識された。
【0013】
本発明によれば、上述した認識をベースとして、出願人の研究から、ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)およびテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)が適していると判った。また、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)も同じく適していると判った。しかし、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)およびテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)と比較してやや少ない耐熱性に基づき、特により低い使用温度(たとえば210℃を下回る使用温度)でしか使用することができない。ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)および/またはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)の使用は、特に高い使用温度(たとえば最大280℃または最大305℃でさえある使用温度)に対して、好まれるべき解決手段である。
【0014】
シール部材が、ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)またはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはこれらの物質の混合物から成っているかまたは少なくとも95%または完全にペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)またはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはこれらの物質の混合物から成っていると好適であるが、本発明によって、基本的には、これらの材料から成る部分しか有していないシール部材または所定の割合、特に主な割合のペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)および/またはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)および/またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)および/またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)しか含んでいない材料から成るシール部材も包括されている。
【0015】
「テトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)」とは、本願では、特に構造式[−CF
2−CF
2−CF(CF
3)−CF
2−]
nを有する化学的な物質を意味している。「テトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)」とは、本願では、特にモノマであるテトラフルオロエチレン(TFE)と、ゼロと異なる、特にゼロと大幅に異なる割合のモノマであるヘキサフルオロプロピレン(HFP)との混合物の重合化によって製造可能である化学的な物質を意味している。
【0016】
「ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)」とは、本願では、特にモノマであるテトラフルオロエチレン(TFE)と、ゼロと異なる、特にゼロと大幅に異なる割合のモノマであるペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)との混合物の重合化によって製造可能である化学的な物質を意味している。「ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)」とは、本願では、特に構造式[−CF
2−CF
2−CF(OR)−CF
2−]
nを有する化学的な物質を意味している。この場合、側基ORは、少なくとも1つのアルコキシ基である。ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)は、特に少なくとも1つのアルコキシ側鎖を有する完全フッ素化されたポリマである。ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)は、特に熱可塑的に加工可能である化学的な物質、セラミック表面、酸化物表面、ガラス表面および/または金属表面を濡らすことがでる化学的な物質および/またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に融着可能である化学的な物質である。本発明によって、特に種々異なるPFA品質および/または種々異なるPFA品質から成る混合物、いわゆる「PFAポリブレンド」が包括されている。出願人には、溶融範囲が260℃〜320℃、特に260℃から320℃に達するPFAポリブレンドの使用によって、本発明に関連した特にプラスの経験がある。3・10
5〜3・10
6g/molのモル質量を有するポリマが好適である。
【0017】
「ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)」とは、本願では、特に構造式[−CFCl−CF
2−]
nを有する化学的な物質である。
【0018】
「ポリフッ化ビニリデン(PVDF)」とは、本願では、特に構造式[−CH
2−CF
2−]
nを有する化学的な物質である。
【0019】
確かに、シール部材のために設けられた材料、特にペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)およびテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)の耐熱性は高いが、それにもかかわらず、ベースボディのために設けられた材料であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の耐熱性を、感知できるほど下回っている。この理由から、シール部材および/またはシール部材を形成する材料が、栓体の質量および/または体積に僅かしか寄与しないと有利である。特にシール部材および/またはシール部材を形成する材料が、栓体の質量の多くとも20%または多くとも15%、好適には多くとも10%または多くとも5%すら成していると有利である。付加的または択一的には、シール部材および/またはシール部材を形成する材料が、栓体の体積の多くとも20%または多くとも15%、好適には多くとも10%または多くとも5%すら成していても有利である。また、対応する貫通通路の容積の35%未満または25%未満、好適には15%未満の体積を有するシール部材も好適である。適切な手段によって、栓体の耐熱性が全体的に最適化される。
【0020】
特にシール部材が、ベースボディに、貫通通路に向けられた層の形態で配置されていることが可能である。特に少なくとも10μm、好適には少なくとも50μmの層厚さが適していると判った。なぜならば、これによって、シール層のプロセス確実な構成が保証されているからである。この場合に上回られるべきではない層厚さは、1mm、好適には250μである。特に温度に関して問題をはらんでいる用途では、特に実際の層厚さの20%、好適には15%の変動が上回られない場合、50μm〜150μmの層厚さも好適である。
【0021】
基本的には、シール部材とベースボディとの材料接続的な結合が、工場側でまだ行われていないかまたはまだ完全には行われておらず、特にセンサの運転中、たとえばセンサの自己加熱によってかつ/または排ガスセンサへの高温の排ガスの供給に基づき形成可能であるかまたは完全に形成可能であることが可能であり、本発明によって包括されている。しかし、本発明の有利な態様では、材料接続の実現がすでに製造プロセスに組み込まれ、これによって、ベースボディがシール部材に完全にまたは部分的に材料接続的に結合されていて、最適化されたシール作用がすでにセンサの運転の開始時に与えられている栓体もしくは排ガスセンサが提供される。
【0022】
「材料接続的な結合」とは、特にVDI−Richtlinie 2232−2004−01にも定義されているように、接合相手同士の結合が、分子レベルで有効になる力によって行われる結合である。材料接続的な結合に対する例は、溶接、接着、融着等である。材料接続的な結合は、特に2つの接合相手の間の直接的な材料接続的な結合であってよい。この直接的な結合時には、両接合相手が分子レベルで直接的に相互作用する。もう1つには、材料接続的な結合は、特に間接的な材料接続的な結合であってもよい。この間接的な結合時には、両接合相手が、直接的に材料接続的に互いに結合されておらず、それぞれ少なくとも1つの第3の接合相手に直接的に材料接続的に結合されていて、複数の第3の接合相手の場合には、これら全ての第3の接合相手が(間接的にまたは直接的に)材料接続的に互いに結合されている。
【0023】
本発明の改良態様は、排ガスセンサのハウジングを密封するための栓体であり、この栓体が、ポリテトラフロロエチレンを含んだベースボディを有しており、栓体が、少なくとも1つの、特に軸方向の貫通通路を有しており、この貫通通路を貫いて、電気的な導体が案内されており、栓体のベースボディと貫通通路との間に絶縁性のシール部材が少なくとも部分的に配置されており、この絶縁性のシール部材が、少なくとも片側、すなわち、特に栓体の少なくとも一方の端面側で電気的な導体と共に栓体から導出されており、絶縁性のシール部材が、少なくともペルフルオロアルコキシポリマおよびテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレンおよびポリクロロトリフルオロエチレンおよびポリフッ化ビニリデンを含んでいる。この改良態様では、絶縁性のシール部材が、電気的な導体とベースボディとに、特に直接的に向かい合って位置していて、電気的な導体および/またはベースボディに、特に貫通通路の内部で、特に材料接続的に結合されているかまたは結合可能であり、特に溶接可能である。この対象の、本発明の特許請求の範囲および/または明細書に、特に別の実施の形態と相俟って開示した1つ以上の特徴を備えた改良態様が可能である。特に栓体のシール部材と接続ケーブルの絶縁体とをただ1つの部材として形成することも常に可能である。
【0024】
本発明に係る栓体は、接続ケーブルを貫通案内するための、特に軸方向の貫通通路を有している。これは、栓体を貫いて接続ケーブルを案内することができ、好適には、栓体を貫いてハウジングの内部から、このハウジングの外側に位置する領域に案内することができるように、貫通通路が基本的に提供されていることを意味している。
【0025】
本発明の改良態様では、栓体が接続ケーブルを有している。この接続ケーブルは、栓体を貫いて案内されていて、好適には、栓体を貫いてハウジングの内部から、このハウジングの外側に位置する領域に案内されている。
【0026】
「排ガスセンサ」とは、本願では、特に内燃機関の排ガス系統に使用するための酸素センサを意味しているが、別のセンサ、たとえば温度センサまたはNO
xセンサまたは煤粒子センサまたはこれに類するセンサであってもよい。本発明によって、特に高い温度および/または腐食性の環境での継続使用のために適したあらゆるセンサ、たとえば電気的な接続線路が、密封すべきハウジングから、特に比較的高い周辺温度で導出されなければならないようなセンサが包括されている。
【0027】
本発明による手段を設けることによって、排ガスセンサのハウジングの接続側の比較的高い封止性、たとえば10
−3mbar・l/sまたは10
−4mbar・l/s未満のヘリウム封止性、好適には10
−5mbar・l/sまたは10
−6mbar・l/s未満のヘリウム封止性すら結果的に得られると好適である。もう1つには、「シール部材」、「密閉された」等の概念は、過度に狭義に規定しなければならないものでもないので、特に単に巨視的な閉鎖も含まれていてよい。また、1つ以上の接続ケーブルのチューブ状の絶縁体の内部を通る万が一残される漏れも、本願では考慮されないままである。なぜならば、この漏れを別の箇所、たとえば1つ以上の接続ケーブルに接続されるプラグで密封することができるからである。また、このような漏れを1つ以上の接続ケーブルを通して、問題とならない領域、たとえば自動車の、より低温でほとんど危険にさらされていない領域に導出することも可能である。絶対的なまたは気密の封止性(特に10
−10mbar・l/s未満のヘリウム封止性)は、確かに、基本的に可能であるが、特殊な用途を除いて、いわば高価である。
【0028】
ハウジングの比較的高い封止性を得るためには、接続ケーブルが、シール部材に材料接続的に結合されていると特に好適である。特に接続ケーブルは、絶縁体によって取り囲まれた電気的な導体を有しており、シール部材と接続ケーブルとの間の材料接続が、シール部材と接続ケーブルの絶縁体との間に形成されている。接続ケーブルの絶縁体は、特にフルオロポリマ、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでいてもよいし、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から、特に完全にまたは主にまたは部分的にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成っていてもよい。封止性および耐熱性を最適化するためには、接続ケーブルの絶縁体が、栓体のベースボディと同じ材料、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成っていると特に好適である。
【0029】
接続ケーブルの電気的な導体は、有利には銅素線および/または銅・鋼素線によって付与されている。
【0030】
本発明の好適な改良態様は、本発明におけるシール部材を設けることによる栓体のベースボディと接続線路との間の密封の基本思想が、栓体のベースボディとセンサのハウジングとの間の密封に転用されることから結果的に得られる。
【0031】
1つの改良態様として、栓体が、その半径方向外側に配置された外側シール部材を有しており、この外側シール部材が、少なくともペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)またはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含んでいてよい。付加的には、ベースボディが外側シール部材に材料接続的に結合されていてよい。付加的または択一的には、外側シール部材が、ベースボディに、好ましくは10μm〜1mm、特に好ましくは50μm〜250μmの層厚さを有する層の形態で配置されていてよい。付加的または択一的には、排ガスセンサのハウジングが、栓体に外側シール部材によって材料接続的に結合されていてよい。
【0032】
特に外側シール部材およびシール部材のために、同一の材料、すなわち、特に化学的な組成が同じ材料が設けられていてよい。また、シール部材および外側シール部材のために設けられた層厚さも合致していてよい。
【0033】
ハウジングの比較的高い封止性を得るためには、接続ケーブルと、栓体と、ハウジングとが、材料接続的に互いに結合されている、すなわち、特にハウジングと栓体との間の材料接続および栓体と接続ケーブルとの間の材料接続、特に栓体と接続ケーブルの絶縁体との間の材料接続が実現されていると特に好適である。特に排ガスセンサのハウジングの接続側の端部の、全体的に材料接続的な密封が実現されている。
【0034】
栓体、特に本発明に係る栓体および/または排ガスセンサ、特に本発明に係る排ガスセンサを製造するための本発明に係る方法では、少なくとも1つの、特に軸方向の貫通通路を備えた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んだ、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成るベースボディが準備される。さらに、少なくともペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)またはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含んだシール材料を半径方向外側に有する接続ケーブルが準備される。特にフルオロポリマ、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでいてもよいし、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成っていてもよい絶縁体によって取り囲まれた電気的な導体を有する接続ケーブルが準備されてよい。この場合、付加的には、絶縁体に半径方向外側で、少なくともペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)またはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含んだシール材料が配置されている。さらに、接続ケーブルが、ベースボディの、特に軸方向の貫通通路を貫いて案内され、これによって、シール材料が貫通通路内に達している。
【0035】
このシール材料は、特に少なくとも1つのチューブ、特に接続ケーブルに被せ嵌められるかまたは引き上げて装着されるかまたは巻込み体を解いて装着されるチューブであってよい。軸方向におけるチューブの長さは、好適には、その直径よりも大きく設定されている。10μm〜1mmの肉厚、特に好適には50〜250μmの肉厚を有するチューブが好適である。
【0036】
もう1つには、シール材料が、少なくとも1つのシート、特に接続ケーブル上にもしくは接続ケーブルを取り囲むように巻き付けられるシートであってもよい。10μm〜1mmの肉厚、好適には50〜250μmの肉厚を有するシートが好適である。
【0037】
もう1つには、シール材料が、リングの形状を有していてもよい。この場合、シール材料は、特に接続ケーブルに被せ嵌められてもよいし、接続ケーブル上で設定された位置に転がされてもよい。軸方向におけるリングの長さは、好適には、その直径以下に設定されている。10μm〜1mmの肉厚、特に好適には50〜250μmの肉厚を有するリングが好適である。
【0038】
シール材料は、基本的には、別の形式で供給されてもよい。たとえば、シール材料が、液状の状態で接続ケーブルに吹付け塗布されてもよいし、貫通通路内に吹付け塗布されてもよい。
【0039】
特にベースボディと、シール材料と、接続ケーブルとから成る複合体は、工場側で加熱される。この態様では、特にシール材料が溶融され、引き続き、特にベースボディと、シール材料と、接続ケーブルとの間に材料接続的な結合が形成される。択一的には、ベースボディと、シール材料と、接続ケーブルとから成る複合体の加熱が、工場側ではなく、特にセンサの運転開始時に初めて行われることが可能である。この態様でも、ベースボディと、シール材料と、接続ケーブルとの間で材料接続的な結合が結果的に行われてよい。
【0040】
285℃〜310℃への加熱が好適である。さらに、より高い温度への加熱が阻止されると好適である。特に327℃よりも高い温度への栓体の加熱は阻止される。
【0041】
特にベースボディと、シール材料と、接続ケーブルとから成る複合体は、特に外側から700〜2000N/cm
2の圧力を加えることによってかしめ加工される。このかしめ加工は、特に加熱と同時に行われてよい。特にベースボディと、シール材料と、接続ケーブルとの間の材料接続的な結合の形成は、かしめ加工の間に行われてよい。
【0042】
本発明に係る製造法の好適な改良態様および択一的な態様は、本発明におけるシール部材を設けることによる栓体のベースボディと接続線路との間の密封の基本思想が、栓体のベースボディとセンサのハウジングとの間の密封に転用されることから結果的に得られる。
【0043】
したがって、栓体のベースボディと接続線路との間のシール部材のほかに、栓体のベースボディと排ガスセンサのハウジングとの間に別の上述した外側シール部材も形成されてよい。このためには、少なくともペルフルオロアルコキシポリマまたはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンを含んだ外側シール材料が、ベースボディと共にハウジングの内部に配置され、これによって、外側シール材料が、ベースボディとハウジングとの間に配置されている。
【0044】
特にハウジングと、外側シール部材と、ベースボディと、シール部材のシール材料と、接続ケーブルとから複合体が製造され、この複合体全体が一緒に加熱され、特に外側から700〜2000N/cm
2の圧力を加えることによってかしめ加工される。
【0045】
付加的には、加熱に際して、シール材料のほかに、特に同時に外側シール材料も少なくとも部分的に溶融され、引き続き、栓体のベースボディと、外側シール材料と、排ガスセンサのハウジングとの間に材料接続的な結合が形成されてよい。
【0046】
供給すべきシール材料がその化学的な組成および取扱いに関して、供給すべき外側シール材料に合致していると特に有利である。たとえば、シール材料と外側シール材料とは共に100μm〜200μmの厚さの溶融シートの形態で加工されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1a】本発明に係る栓体の第1の実施の形態の平面図である。
【
図1b】
図1aに示した栓体の長手方向軸線に沿った断面図である。
【
図2a】本発明に係る栓体の第2の実施の形態の平面図である。
【
図2b】
図2aに示した栓体の長手方向軸線に沿った断面図である。
【
図3a】本発明に係る栓体の第3の実施の形態の平面図である。
【
図3b】
図3aに示した栓体の長手方向軸線に沿った断面図である。
【
図4a】本発明に係る栓体の第4の実施の形態の平面図である。
【
図4b】
図4aに示した栓体の長手方向軸線に沿った断面図である。
【0048】
実施の形態の説明
本発明の実施の形態を図面に示し、以下に詳しく説明する。
【0049】
図1aおよび
図1bには、本発明に係る栓体1の第1の実施の形態が、平面図もしくは栓体1の長手方向軸線に沿った断面図で示してある。
【0050】
栓体1は円柱の形状もしくは基本形状、特に直円柱の形状もしくは基本形状を有している。半径方向内側に配置されたベースボディ24も同じく円柱の形状もしくは基本形状、特に直円柱の形状もしくは基本形状を有している。ベースボディ24は、たとえば15mmの長さおよび10mmの直径を有していてよい。栓体1もしくはベースボディ24は、長手方向に延びかつ、たとえば1mmの直径を有する、たとえば4つの軸方向の貫通通路25を有している。これらの貫通通路25は、本発明に係る栓体1の第1の実施の形態では開いていて、それぞれ1つの接続ケーブル(
図3〜
図5参照)を貫通案内するために設けられている。ベースボディ24の内側輪郭には、すなわち、貫通通路25を半径方向外側で画定するように、それぞれ1つのシール部材26が形成されていて、しかも、全面にわたって、たとえば100μmの厚さの層の形態で形成されている。半径方向外側でベースボディ24の周面には、同じく全面にわたって、たとえば100μmの厚さの層の形態で外側シール部材36が被着されている。
【0051】
ベースボディ24は、第1の形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成っていて、栓体1の体積もしくは質量の95%を上回っており、その結果、栓体1の極めて高い熱的な安定性が得られる。シール部材26および外側シール部材36の材料は、第1の形態では、それぞれ260℃〜320℃の溶融範囲を有するペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)である。択一的には、シール部材26および外側シール部材36の材料は、以下の材料:すなわち、ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)、テトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF):のうちの1つである。また、前述した材料を部分的にのみ含んだ別種の材料および/または前述した材料の混合物も基本的に可能である。
【0052】
本発明に係る栓体1によって、排ガスセンサ2(
図5参照)のハウジング11が密封可能となる。この場合、シール部材26によって、栓体1のベースボディ24が接続ケーブル21に対して密封可能となり、外側シール部材36によって、栓体1のベースボディ24が排ガスセンサ2のハウジング11に対して密封可能となる。
【0053】
シール部材26もしくは外側シール部材36のシール作用を改善するために、第1の形態では、シール部材26とベースボディ24とが、融着によって材料接続的に互いに結合されており、外側シール部材36とベースボディ24とが、融着によって材料接続的に互いに結合されている。特に融着時には、シール部材26もしくは外側シール部材36の材料が溶融するかもしくは溶融し始める。特に融着時には、ベースボディ24の材料は溶融しないかもしくは溶融し始めないかもしくは化学的に分解しない。
【0054】
図2aおよび
図2bには、本発明に係る栓体1の第2の実施の形態が、平面図もしくは栓体1の長手方向軸線に沿った断面図で示してある。
【0055】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、シール部材26が、全面にわたる層としてベースボディ24の内側輪郭に形成されておらず、シールリング28としてベースボディ24の内側輪郭に配置されていて、この内側輪郭を長手方向延在長さの一部でしか覆っていない。シールリング28は、1mmの長さ(貫通通路25の長手方向)および150μmまたは250μmの厚さ(半径方向)を有している。
【0056】
さらに、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、外側シール部材36が、全面にわたる層として半径方向外側でベースボディ24に形成されておらず、外側シールリング38として半径方向外側でベースボディ24に配置されていて、このベースボディ24の外面を長手方向延在長さの一部でしか覆っていない。外側シールリング38は、3mmの長さ(ベースボディ24の長手方向)および250μmまたは600μmの厚さ(半径方向)を有している。
【0057】
シールリング28と外側シールリング38とは、第2の形態では、栓体1の長手方向でほぼ中間、特に中間に配置されている。第2の実施の形態の択一的な形態では、シールリング28および/または外側シールリング38が中間からずらされて配置されていてもよい。特に栓体1の長手方向で見て互いに反対の側に位置する2つのシールリング28および/または2つの外側シールリング38を設けることが可能である。また、さらに多くのシールリング28および/または外側シールリング38を設けることも基本的には可能である。
【0058】
図3aおよび
図3bには、本発明に係る栓体1の第3の実施の形態が、平面図もしくは栓体1の長手方向軸線に沿った断面図で示してある。
【0059】
たとえば第1または第2の実施の形態に係る本発明の改良形態では、栓体1が、貫通通路25内に少なくとも1つの接続ケーブル21が配置されているかもしくは貫通通路25を貫いて少なくとも1つの接続ケーブル21が案内されている栓体1であり、これによって、この栓体1が、特に排ガスセンサ2のハウジング11を密封するために適している。
【0060】
第3の実施の形態では、接続ケーブル21が、特に銅素線または鋼・銅素線として形成された電気的な導体20を有している。この電気的な導体20は、特に絶縁体19によって取り囲まれていて、特に栓体1の全長に沿って絶縁体19によって取り囲まれている。択一的には、電気的な導体20が、栓体1の一部に沿ってしか絶縁体19によって取り囲まれておらず、栓体1の一部に沿ってシール部材26および/またはシールリング28および/または栓体1のベースボディ24に直接的に向かい合って位置していることも可能である。
【0061】
接続ケーブル21、特に絶縁体19は、シール部材26および/またはシールリング28に材料接続的に結合されていて、特にシール部材26またはシールリング28のために設けられた材料の溶融によって、特に融着されていてよい。
【0062】
しかし、択一的には、接続ケーブル21、特に絶縁体19が、シール部材26および/またはシールリング28に材料接続的に結合されておらず、単に、特に摩擦接続的にシール部材26の内部および/またはシールリング28もしくはベースボディ24の内部に位置固定されていてもよい。ただし、この場合には、接続ケーブル21、特に絶縁体19が、シール部材26および/またはシールリング28に材料接続的に結合可能であり、特に溶接可能であると特に好適である。
【0063】
図4aおよび
図4bには、本発明に係る栓体1の第4の実施の形態が、平面図もしくは栓体1の長手方向軸線に沿った断面図で示してある。
【0064】
たとえば第1または第2の実施の形態に係る本発明の改良形態では、栓体1が、貫通通路25内に少なくとも1つの接続ケーブル21が配置されているかもしくは貫通通路25を貫いて少なくとも1つの接続ケーブル21が案内されている栓体1であり、これによって、この栓体1が、特に排ガスセンサ2のハウジング11を密封するために適している。
【0065】
第3の実施の形態と異なり、接続ケーブル21の絶縁体19とシール部材26とは、互いに異なる部材として形成されておらず、シール部材26が同時に電気的な導体20の絶縁体19の機能を引き受けていて、電気的な導体20に、特に直接的に向かい合って位置している。シール部材26もしくは絶縁体19は、第4の形態では、特に両側または片側で電気的な導体20と共に栓体1から導出されていて、この栓体1の外側でも接続ケーブル21の電気的な導体20を、たとえばコネクタ装置の一部(図示せず)、たとえばプラグに到るまで絶縁している。このプラグは、接続ケーブル21の、栓体1と反対に位置する側で接続ケーブル21に接続されていて、たとえばコネクタ装置の、制御装置に設けられた相補的な部分、たとえばソケットに接続可能であり、特に差合せ可能である。
【0066】
第4の形態では、栓体1の内部で同時に絶縁体26を成す絶縁体19が、ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)から成る、電気的な導体20を半径方向外側において絶縁チューブの形態で取り囲む250μmの厚さの層として形成されている。
【0067】
第4の形態では、絶縁体19、すなわち、シール部材26が、接続ケーブル21の導体20および/または栓体1のベースボディ24に材料接続的に結合されていて、特に絶縁体19、すなわち、シール部材26のために設けられた材料の溶融によって、特に融着されていてよい。
【0068】
しかし、択一的には、絶縁体19、すなわち、第4の実施の形態ではシール部材26が、接続ケーブル21の導体20および/または栓体1のベースボディ24に材料接続的に結合されておらず、絶縁体19、すなわち、シール部材26が、接続ケーブル21の導体20および/または栓体1のベースボディ24に、単に、特に摩擦接続的に位置固定されていてもよい。ただし、この場合には、絶縁体19、すなわち、シール部材26が、接続ケーブル21の導体20および/または栓体1のベースボディ24に材料接続的に結合可能であり、特に溶接可能であると特に好適である。
【0069】
第4の実施の形態の択一的な形態では、栓体1の内部で同時に絶縁体26を成す絶縁体19が、ペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)から成っておらず、少なくともペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)またはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含んだ材料、特に電気的な絶縁性と190℃以上の耐熱性とを有するような材料から成っていてもよい。
【0070】
第4の実施の形態は、特に排ガスセンサ2のハウジング11を密封するための栓体1に対する実施の形態でもある。この実施の形態では、栓体1が、ポリテトラフルオロエチレンを含んだベースボディ24を有している。栓体1は、少なくとも1つの軸方向の貫通通路25を有している。この貫通通路25を貫いて、電気的な導体20が案内されている。栓体1のベースボディ24と貫通通路25との間には、絶縁性のシール部材26が少なくとも部分的に配置されている。このシール部材26は少なくとも片側、すなわち、特に栓体1の一方の端面側で電気的な導体20と共に栓体1から導出されている。絶縁性のシール部材26は、少なくともペルフルオロアルコキシポリマまたはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンを含んでいる。絶縁性のシール部材26は、電気的な導体20とベースボディ24とに、特に直接的に向かい合って位置していて、特に電気的な導体20および/またはベースボディ24に、特に貫通通路25の内部で、特に材料接続的に結合されているかまたは結合可能であり、特に溶接されているかまたは溶接可能である。
【0071】
本発明の別の実施の形態は、たとえば前もって、特に第1、第2、第3および第4の実施の形態において詳しく説明したような栓体1を備えた排ガスセンサ2に関する。この排ガスセンサ2はそれぞれ、栓体1によって密封された少なくとも1つのハウジング11と、栓体1の貫通通路25を貫いて案内された少なくとも1つの接続ケーブル21とを有している。
【0072】
本発明のこの別の実施の形態として、
図5に排ガスセンサ2が示してある。この排ガスセンサ2の、栓体1の排ガス側に位置する部分は、公知先行技術に基づき原理的に公知であり、たとえば内燃機関の排ガス内の酸素濃度を測定するための酸素センサの部分として構想されている。排ガスセンサ2はハウジング11を有している。このハウジング11は、螺合ねじ山14および組付け六角体13を備えた金属製の中実のハウジングボディ12と、このハウジングボディ12に被せ嵌められて、このハウジングボディ12に固く結合された保護スリーブ15とから成っている。この保護スリーブ15は、ハウジングボディ12と反対の側の、たとえば縮径された端区分151を備えている。ハウジング11内には、たとえばセンサ素子16が配置されている。このセンサ素子16は測定ガス側の端部でハウジング11を越えて突出していて、そこで、ガス通過孔18を有する保護管17によって覆われる。この保護管17はハウジングボディ12に固定されている。センサ素子16は、測定ガス側の端部と反対の側の接続側の端部に接点面を有している。この接点面は導体路を介して、測定ガス側の端部に配置された測定電極に接続されている。接点面には、接続ケーブル21の、たとえば絶縁体19により取り囲まれた電気的な導体20が接点接続されている。この実施の形態では、接点面と電気的な導体20との接点接続のために、2つの部分から成るセラミックス製のクランプボディ22が設けられている。このクランプボディ22は外側でばねエレメント23によって取り囲まれていて、電気的な導体20をセンサ素子16の接点面に摩擦接続的に圧着している。セラミックス製のクランプボディ22は保護スリーブ15に半径方向で支持されている。
【0073】
排ガスセンサ2の、栓体1の排ガス側に位置する例示的に説明した部分の択一的な構成も基本的に可能であり、かつ/または同じく公知先行技術に基づき公知である。
【0074】
この別の実施の形態では、栓体1が、保護スリーブ15の、ハウジングボディ12と反対の側の部分、特に保護スリーブ15の、ハウジングボディ12と反対の側の端区分151に配置されていることにより、ハウジング11を閉鎖しているかもしくは密封している。
【0075】
栓体1は、たとえば
図5に示したように、本発明の第3の実施の形態(
図3参照)に相俟って説明した栓体1であってよい。択一的には、栓体1は、第1、第2および/または第4の実施の形態(
図1、
図2および
図4参照)に相俟って説明したような栓体1であってもよい。
【0076】
この別の実施の形態では、外側シール部材36が、栓体1のベースボディ24および/またはハウジング11、特に保護スリーブ15および/または保護スリーブ15の、ハウジングボディ12と反対の側の端区分151に材料接続的に結合されていて、特に外側シール部材36のために設けられた材料の溶融によって、特に融着されていてよい。
【0077】
しかし、択一的には、この別の実施の形態において、外側シール部材36が、栓体1のベースボディ24および/またはハウジング11、特に保護スリーブ15および/または保護スリーブ15の、ハウジングボディ12と反対の側の端区分151に材料接続的に結合されておらず、外側シール部材36が、栓体1のベースボディ24および/またはハウジング11、特に保護スリーブ15および/または保護スリーブ15の、ハウジングボディ12と反対の側の端区分151に、単に、特に摩擦接続的に位置固定されていてもよい。ただし、この場合には、外側シール部材36が、栓体1のベースボディ24および/またはハウジング11、特に保護スリーブ15および/または保護スリーブ15の、ハウジングボディ12と反対の側の端区分151に材料接続的に互いに結合可能であり、特に溶接可能であると特に好適である。
【0078】
排ガスセンサ2を製造するための本発明に係る方法の1つの実施の形態では、ポリテトラフルオロエチレンを含んでいて、少なくとも1つの軸方向の貫通通路25を有するベースボディ24が準備され、少なくともペルフルオロアルコキシポリマまたはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンを含んだ、たとえば150μmの厚さのシートの形態のシール材料を半径方向外側に有する接続ケーブル21が、貫通通路25を貫いて案内される。さらに、ベースボディ24と接続ケーブル21とから成るこの複合体が、少なくともペルフルオロアルコキシポリマまたはテトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレンまたはポリクロロトリフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンを含んだ、たとえば150μmの厚さのシートの外側シール材料と共にハウジング11の内部に配置され、これによって、外側シール材料がベースボディ24とハウジング11との間に配置されている。この形態では、ハウジングボディ12に組み付けられて、ハウジング11を形成することができる保護スリーブ15の、ハウジングボディ12と反対の側の端区分151への配置が行われる。
【0079】
特に接続ケーブル21と、シール材料と、ベースボディ24と、外側シール材料と、ハウジング11もしくは保護スリーブ15とから成る複合体をかしめ加工しかつ加熱することによって、ハウジング11もしくは保護スリーブ15の、特に全体的に材料接続的な密封が提供される。特にシール材料および外側シール材料の溶融によって、融着が行われる。
【0080】
この形態では、700〜2000N/cm
2の圧力を加えることによって、かしめ加工が行われる。接続ケーブル21と、シール材料と、ベースボディ24と、外側シール材料と、ハウジング11とから成る複合体の加熱は、好ましくは、シール材料もしくは外側シール材料の溶融が確実に行われるようにするために、10秒以上、好ましくは30秒以上の期間にわたって行われる。
【0081】
さらに、この形態では、加熱が、シール材料もしくは外側シール材料の溶融温度、すなわち、たとえばペルフルオロアルコキシポリマ(PFA)では280℃、テトラフルオロエチレンペルフルオロプロピレン(FEP)では240℃、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)では190℃、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)では170℃を上回る温度にまで行われ、これによって、シール材料もしくは外側シール材料の溶融が確実に行われる。ただし、加熱時には、ベースボディ24の温度が327℃を上回らないように加熱が行われることに注意しなければならない。こうして、ベースボディ24の化学的な分解ひいては栓体1の、特に不可逆的な損害が確実に回避される。