(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033413
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクス素子を作製する方法およびオプトエレクトロニクス素子を作製するための装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/50 20100101AFI20161121BHJP
B05B 5/08 20060101ALI20161121BHJP
B05B 5/053 20060101ALI20161121BHJP
H01S 5/022 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
H01L33/50
B05B5/08 B
B05B5/053
H01S5/022
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-513208(P2015-513208)
(86)(22)【出願日】2013年5月24日
(65)【公表番号】特表2015-527725(P2015-527725A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】EP2013060737
(87)【国際公開番号】WO2013174977
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2015年1月26日
(31)【優先権主張番号】102012208900.4
(32)【優先日】2012年5月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−クリストフ ガルマイアー
(72)【発明者】
【氏名】クラウディア ユレンカ
(72)【発明者】
【氏名】イオーン シュトル
【審査官】
島田 英昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−373781(JP,A)
【文献】
特開2008−135539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
B05B 5/00 − 5/16
H01S 5/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクス素子を作製する方法であって、
・ 基板(104)にオプトエレクトロニクス素子の発光材料層を噴霧するステップを有しており、前記発光材料層の材料または材料混合物は、前記噴霧時に帯電しており、当該帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物は、前記発光材料層の前記噴霧時に、前記基板(104)の少なくとも1つの領域よりも高い電位を有しており、
上記の方法はさらに
・ 前記発光材料層の噴霧中、電位差を用いて、噴霧される前記発光材料の発光材料層の厚さを局所的に前記基板(104)において調整するステップを有する、
オプトエレクトロニクス素子を作製する方法において、
圧力を用いてノズルから前記発光材料層の前記材料または材料混合物を噴霧することによって、前記発光材料層の前記材料または材料混合物を前記基板(104)上に被着する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記オプトエレクトロニクス素子を発光ダイオードまたはレーザダイオードとして構成する、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、
前記基板(104)上に噴霧される、少なくとも部分的に帯電した前記材料混合物は、マトリクスと、当該マトリクス内に入れられた発光材料とを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記材料混合物の前記マトリクスの材料は、揮発性溶媒を有するかまたは揮発性溶媒から構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記揮発性溶媒は、負圧により、および/または、噴霧された前記層の加熱により、および/または前記基板(104)の加熱により、前記基板(104)の表面から蒸発および/または消失する、
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法において、
帯電した前記材料または少なくとも部分的に帯電した前記材料混合物の前記電位差を電圧源(110)によって形成する、その際
第1電極および第2電極を前記電圧源(110)に電気的に接続し、
帯電した前記材料または少なくとも部分的に帯電した前記材料混合物の前記電位差を、前記第1電極と前記第2電極との間で形成する、
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
帯電しかつ噴霧される材料、または、少なくとも部分的に帯電しかつ噴霧される材料混合物と、アース接続された基板(104)とを用いて前記電位差を形成する、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
帯電した前記材料または少なくとも部分的に帯電した前記材料混合物は、内在的な電荷を有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の方法において、
前記材料または前記材料混合物または前記材料混合物の一部を、前記基板(104)への噴霧前または噴霧時に静電的に帯電させる、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法において、
前記基板ホルダ(102)および/または前記基板(104)を静電的に帯電させることによって前記電位差を形成する、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
電子素子を作製する装置(100,200)において、
当該装置(100,200)は、
・ 電位差を形成するためのユニットと、
・ 基板を保持するための基板ホルダと、
・ 帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物を噴霧するためのユニットとを有しており、噴霧のための当該ユニットは、異なる複数の電位変化により、帯電しかつ噴霧される前記材料の、または、少なくとも部分的に帯電しかつ噴霧される前記材料混合物の厚さを前記基板(104)において調整するように構成されている、
電子素子を作成する装置(100,200)において、
前記材料または材料混合物を噴霧するためのユニットは、前記材料または材料混合物のビームを形成するためのノズルを有し、かつ、前記材料または材料混合物を噴霧するためのユニットは、前記材料または材料混合物を圧力によって前記ノズルから噴霧するように構成されている、
ことを特徴とする電子素子を作製する装置(100,200)。
【請求項12】
請求項11に記載の装置(100,200)において、
前記基板(104)に被着される少なくとも部分的に帯電した前記材料混合物は、マトリクスと、当該マトリクス内に入れられる発光材料とを有する、
ことを特徴とする装置(100,200)。
【請求項13】
請求項11または12に記載の装置(100,200)において、
帯電した前記材料または少なくとも部分的に帯電した前記材料混合物を噴霧するための前記ユニット(106)は、前記材料または前記材料混合物のビーム(108,202)を形成するためのノズル(106)を有する、
ことを特徴とする装置(100,200)。
【請求項14】
請求項13に記載の装置(100,200)において、
前記基板ホルダおよび前記ノズル(106)は互いに相対に運動可能に配置されている、
ことを特徴とする装置(100,200)。
【請求項15】
請求項13に記載の装置(100,200)において、
前記ノズル(106)と前記基板ホルダとの間にビームオプティックス(204)が構成されている、
ことを特徴とする装置(100,200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここでは、オプトエレクトロニクス素子を作製するための方法およびオプトエレクトロニクス素子を作製するための装置が種々異なる実施形態で提供される。
【0002】
従来、発光ダイオード(LED)を用いて白色光を形成するため、狭帯域の青色光を放射する半導体チップが使用されている。放射される青色光の成分は、例えば粒子の形態した、例えば発光材料粒子であるコンバータにより、光の黄色および赤色の成分に変換される。変換されていない青色光と、変換された黄色光および赤色光とを色混合することにより、白色光を形成することができる。上記の光変換および光混合を形成するため、上記のLEDの光路に、すなわち、放射光の光学的な経路に上記の変換粒子が設けられるようする。
【0003】
LEDの光路に変換粒子を形成する従来の方法は、体積体モールドであり、ここでは変換粒子がシリコーンマトリクス内に分散され、またこのシリコーンマトリクスが上記のLEDの周りに分散される。
【0004】
LEDの光路に変換粒子を形成する別の従来の方法では複数の発光材料層が使用され、これらの発光材料層は、シリコーンマトリクス内に発光材料を有しており、スクリーン印刷によって形成される。これらの発光材料層はつぎに、例えば接着剤によってLEDに固定することができる。
【0005】
LEDの光路に変換粒子を形成する別の従来の方法では、電気泳動によってLED上に発光材料層をデポジットする。
【0006】
LEDの光路に変換粒子を形成する別の従来の方法では、基板上に、例えば半導体チップ上に、例えばLED上に、発光材料ないしは変換粒子をスプレーする。ここでは粘度の低いマトリクスの発光材料の懸濁液または分散液が、例えば未硬化状態のシリコーンまたはエポキシドが、正圧を用いてノズルによって基板上に噴霧される。発光材料懸濁液または発光材料分散液を複数回噴霧することにより、発光材料を有する上記のマトリクスの層厚を調整し、これによって放射光の色位置または色混合を調整することができる。発光材料懸濁液または発光材料分散液を噴霧することにより、個々のLEDに対し、複数の、例えば数100のLEDを有する1つのパネルまたは1つのチップウェハを設けることができ、このパネルまたはチップウェハ上のこれらのLEDは、発光材料を噴霧した後、互いに切り離すことができる。
【0007】
パネルまたはチップウェハ上の上記の発光材料層は、上記の噴霧に起因して不均一性を、例えば種々異なる色位置を有することがあり、すなわち、放射される色(混合色)は、1つのパネルまたはチップウェハ上の上記の複数のLEDにおいて、さまざまに形成され得るのである。1つのパネルまたはチップウェハ上の色位置の不均一性の原因としては、すでに噴霧した発光材料の流れ出しまた分解が考えられ、ここでは、上記の基板上において発光材料層の厚さが局所的に種々異なって形成され得るのである。上記のマトリクスが硬化していない状態における、例えば硬化していない状態におけるシリコーンまたはエポキシにおける噴霧した層の流れ出しは、上記のマトリクスの材料の粘度によって発生し得るのである。
【0008】
上記のマトリクスの材料は、可能な限りに粘度が高いが、それでもなお噴霧可能にすべきであり、上記の発光材料懸濁液または発光材料分散液の粘度を高めると、この懸濁液または分散液は噴霧するのが一層困難になる。
【0009】
さらにすでに基板上に被着した発光材料粒子は、別に噴霧される発光材料粒子の衝撃によって剥がされる、および/または、移動することがある。さらに発光材料粒子の凝集化、すなわち、集結化またはクラスタ化または集塊化が発生し得る。さらに一層複雑な基板形状では、例えばLEDケーシングまたはパッケージでは、噴霧によって発光材料層を被着することは容易にはできない。上で挙げたこれらの問題により、プロセスの実行が困難になり、完成した製品における色分配の均一性および再現性が低下してしまうのである。さらに上記の発光材料層の目標とする厚さ範囲では、すなわち約100nmないし約200μmの範囲では、上記のマトリクスに対して粘度の高い材料を使用することはできないのである。
【0010】
本発明では種々異なる実施形態において、オプトエレクトロニクス素子を作製する方法およびオプトエレクトロニクス素子を作製する装置が提供され、この方法および装置によれば、幾何学形状的に複雑な基板上であっても、オプトエレクトロニクス素子の、本質的に一層均一な発光材料層を形成可能である。
【0011】
この明細書において、有機物質とは、それぞれの凝集状態を無視して、化学的に一定の形態で存在し、かつ、特徴的な物理的および化学的な特性によって特徴付けられる炭素化合物のことである。さらにこの明細書において、無機物質とは、それぞれの凝集状態を無視して、化学的に一定の形態で存在し、かつ、特徴的な物理的および化学的特性によって特徴付けられる、炭素を含有しない化合物または簡単な炭素化合物のことである。この明細書において、有機無機物質(ハイブリッド物質)とは、それぞれの凝集状態を無視して、化学的に一定の形態で存在し、かつ、特徴的な物理的および化学的な特性によって特徴付けられる化合物であって、炭素を含有するおよび炭素を含有しない化合物部分を有する化合物のことである。この明細書において、「物質」という概念には、上で挙げた物質、例えば有機物、無機物、および/またはハイブリッド物が含まれる。さらにこの明細書において混合物質とは、相異なる2つまたはそれ以上の物質から構成される構成部分からなるものであって、その構成部分が例えば極めて細かく分散されているもののことと理解することができる。物質クラスとは、1つまたは複数の有機物質、1つまたは複数の無機物質または1つまたは複数のハイブリッド物質からなる物質混合物または1つの物質と理解することができる。「材料」という用語は「物質」という用語の同義語として使用され得る。
【0012】
種々異なる実施形態において、電位とは、電気的な位置エネルギのことであり、この位置エネルギは、逆の極性に帯電した複数の電極を基準にした電荷の位置についての位置エネルギのことである。帯電した物質または少なくとも部分的に帯電した物質混合物が存在し得る電場は、帯電した別の物質または少なくとも部分的に帯電した物質混合物によっても形成され得る。
【0013】
本発明では種々異なる実施形態においてオプトエレクトロニクス素子を製造する方法が提供され、この方法には、オプトエレクトロニクス素子の発光材料層を噴霧するステップが含まれており、上記の発光材料層の物質または物質混合物は、上記の噴霧中に電荷を有しており、この帯電した物質または少なくとも部分的に帯電した物質混合物は、上記の発光材料層を噴霧する際に上記の基板の少なくとも1つの領域よりも高い電位を有しており、噴霧される発光材料の発光材料層の厚さは、発光材料層噴霧中の上記の基板における電位グラジエントによって局所的に調整される。
【0014】
上記の方法の一実施形態では、上記のオプトエレクトロニクス素子を発光ダイオードまたはレーザダイオードとして構成することが可能である。
【0015】
上記の方法の一実施形態において、上記の基板は、チップウェハ、ワイヤボンディングされるセラミック基板、リードフレームまたは類似の基板として構成することができる。
【0016】
上記の方法の別の実施形態において、上記の基板は、少なくとも部分的に形成されているオプトエレクトロニクス素子として構成することが可能である。ここで部分的に形成されているオプトエレクトロニクス素子とは、完全に形成されたオプトエレクトロニクス素子を基準にして、部分的にしか形成されていない素子とすることが可能である。これによれば、部分的に形成された素子とは、すでに完全に形成された素子と見なすこともできるが、この素子は、目標とする別の特性について完成されているのである。オプトエレクトロニクス素子の準備された支持体は、この支持体上にオプトエレクトロニクス素子が構成されていれば、すでに、部分的に形成されたオプトエレクトロニクス素子と見なすことができる。
【0017】
上記の方法の別の一実施形態において、上記の基板を構成して、この基板からまたはこの基板上に、個々のオプトエレクトロニクス素子または複数のオプトエレクトロニクス素子が互いに並んで形成されるようにすることが可能である。個々のオプトエレクトロニクス素子は、例えば切り離されたチップとすることが可能である。並び合った複数のオプトエレクトロニクス素子は、例えば、1つのチップウェハまたは1つのパネル上の複数のオプトエレクトロニクス素子とすることが可能である。
【0018】
上記の方法の別の一実施形態では、基板上に被着される材料混合物は、マトリクスおよびこのマトリクスに入れられた発光材料を、例えば懸濁液または分散液を有することができる。噴霧した材料または材料混合物を化学的に硬化させることにより、および/または噴霧した材料混合物の揮発性成分を蒸発ないしは気化させることにより、例えば、噴霧される材料または材料混合物の粘度を高めることができる。
【0019】
1つの発光材料は、例えばYAG:CeおよびLuAG、例えば(Y,Lu)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce
3+のようなCe
3+をドーピングしたガーネット、例えばCaAlSiN
3:Eu
2+,(Ba,Sr)
2Si
5N
8:Eu
2+のようなEu
2+をドーピングした窒化物、例えば(Ba,Sr)
2SiO
4:Eu
2+のようなEu
2+をドーピングした硫化物、SIONe,SiAlON,オルトケイ酸塩、クロロケイ酸塩、クロロリン酸塩、BAM(バリウムアルミン酸マグネシウム:Eu)および/またはSCAP,ハロリン酸塩を有するかまたはこれらから形成することができる。
【0020】
上記の方法の別の一実施形態では、上記の材料混合物のマトリクスの材料は、例えば、溶媒懸濁液または溶媒分散液のような揮発性溶媒を有するかまたはこれから形成することができる。
【0021】
上記の発光材料は、揮発性のマトリクスを用いて、周囲にマトリクスのない層として上記の基板上に被着することができる。これにより、波長変換のための発光材料において発生するストークス熱の熱放出を改善することができる。ここでこのストークス熱は、発光材料によって吸収される電磁ビームと、発光材料から放射される電磁ビームとの間のエネルギ差分と理解することができる。
【0022】
上記の方法の別の実施形態では、上記の揮発性溶媒は、負圧および/または噴霧される層の加熱および/または基板を加熱することにより、この基板の表面から蒸発および/または消失させることができる。
【0023】
上記の方法の別の実施形態では、上記の噴霧される材料混合物のマトリクスの材料を構成して、このマトリクスの材料が、基板上に噴霧した後、硬化するようにすることが可能である。
【0024】
粘度の増大は、すなわち噴霧された材料または材料混合物の硬化は、例えば、未硬化のポリマ、例えばエポキシ、シリコーンまたはこれらの材料のうちの1つと発光材料との材料混合物、および/または、例えば溶媒の場合には懸濁液または分散液のような、揮発性成分を有する材料混合物において行われ得る。
【0025】
上記の方法の別の実施形態では、上記のマトリクスの材料は、シリコーン、塗料またはエポキシ樹脂からなるグループに含まれる材料を有するか、このような材料から構成することができる。
【0026】
上記の方法の別の実施形態では、上記の材料または材料混合物は、ノズルによって基板上に被着することができる。
【0027】
このノズルは、約20μmから約0.6mmの範囲の開口直径を有し得る。このノズルの開口直径は、上記の材料または材料混合物の粘度と、材料または材料混合物の考えられ得る粒子のサイズと、加えられる圧力とに依存して調整することができる。
【0028】
上記の方法の別の実施形態では、圧力を用いて上記のノズルから材料または材料混合物を噴霧することができる。正圧は、例えば、ポンプを用いて調整することができる。負圧は、例えば、ノズルと基板との間の空間を真空することによって調整することができる。材料または材料混合物をノズルから噴霧する圧力は、約0.1barないし約10barの範囲の値を有し得る。材料または材料混合物は、発散性のビームを形成し得る。この発散性のビームは、基板のコーティングすべき表面に向けられる。
【0029】
上記の方法の別の実施形態では、基板上に発光材料層を噴霧するため、この基板および上記のノズルは互いに相対的に移動することができ、これは、例えばノズルおよび/または基板ないしは基板ホルダが可動に支持されることによって行われる。
【0030】
上記の移動は、例えば電気的に、例えば電気モータを用いて、または電子的に、例えばコンピュータ制御される電気モータを用いて実現することができる。
【0031】
上記の方法の別の実施形態では、上記の基板の表面におけるビームの面積は、ノズルと基板との間の間隔を変化させることによって調整することができる。
【0032】
上記のノズルと基板の表面との間の間隔は、約0.5cmから約30cmまでの範囲の値を、例えば約1cmの値を有し得る。
【0033】
上記の方法の別の実施形態では、上記の基板の表面における上記ビームの面積は、ビームプロフィールを変化させることによって調整可能である。
【0034】
上記の方法の別の実施形態では、帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の上記の電位差は、電圧源によって形成可能であり、第1電極および第2電極は、この電圧源に電気的に接続され、帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の電位差は、第1電極と第2電極との間で形成される。
【0035】
上記の方法の別の実施形態では、上記の電圧源を構成して、帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の電位差の値を静的に調整するかまたは動的に変更することができる。
【0036】
この電圧は、約−40kVないしは約+40kVの範囲の値を、例えば約−2kVないしは約+2kVの範囲の値を、約−400Vないしは約+400Vの範囲の値を、例えば約−50Vないしは約+50Vの範囲の値を有し得る。
【0037】
帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物に対する駆動力は、例えば上記の電極間の電場とすることが可能である。この電場は、上記の電位の局所的な変化に相応し得る。基板の電位と、噴霧されかつ帯電した材料または噴霧されかつ少なくも部分的に帯電した材料混合物の、例えば発光材料の電位とを適当に選択すれば、上記の表面上において発光材料を電気的に、例えば静電的に引き寄せて保持することができる。
【0038】
上記の基板は、帯電した発光材料層の複数の部分をすでに有し得る。ここですでに噴霧して帯電した発光材料層の複数の部分と、基板とは異なる電荷を有し得る。
【0039】
付加的には、上記の電気的に引き寄せられる材料は、噴霧される別の材料に対して電気的に絶縁性を有するようにすることが可能である。この場合に有利には、噴霧される別の材料は、例えば別の発光材料は、帯電した材料が、例えば帯電した発光材料がまだ存在しないかまたはこれが少ない基板の表面に局所的に被着されるようにすることが可能である。
【0040】
すなわち、上記の噴霧すべきでありかつ帯電した材料または噴霧すべきでありかつ帯電した材料混合物は、上記の基板の複数の部分と同じまたは類似の電荷を有し得るのである。しかしながらこの表面は、噴霧すべきでありかつ帯電した材料または噴霧すべきでありかつ帯電した材料混合物よりも小さい電位を有する少なくとも1つの領域を有し得る。上記の基板の少なくとも1つの領域の電位は付加的に、基板の上記の表面の隣接領域よりも低い電位を有し得る。
【0041】
言い換えると、上記の基板の表面における上記の電場の強度によって、すなわち電位の局所的な変化によって層厚を局所的に調整することができるのである。
【0042】
上記の方法の別の実施形態では、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の発光材料層は、噴霧および形成時に第1電極と第2電極との間で形成することができ、第2電極は、上記の基板および/またはこの基板に背後または下側に設けられる電極を用いて構成され、また1基板は第2基板に平行に配置される。
【0043】
上記の基板の背後または下側の電極は、例えば帯電した基板ホルダは、および/または、上記の基板の静電的な帯電は、例えば、導電性でない基板において、例えばサファイア半導体チップの表面のような導電性でない基板において、または導電性ではあるがアース接続されていない半導体チップ、チップウェハまたはパネルにおいて形成することができる。
【0044】
上記の方法の別の実施形態では、上記の基板に材料または材料混合物を噴霧するための上記のノズルを第1電極として構成することができる。
【0045】
上記の方法の別の実施形態では、上記の電位差は、帯電しかつ噴霧される材料または少なくとも部分的に帯電しかつ噴霧される材料混合物と、アースされた基板とによって形成することができる。帯電しかつ噴霧される材料または少なくとも部分的に帯電しかつ噴霧される材料混合物の帯電した粒子は、この場合に、電場の影響を受けて、例えば帯電した別の粒子によって影響を受けて上記の基板上に到達し得る。上記の基板の表面上では、帯電した粒子の位置が変化して、この帯電した粒子の電位が、上記の電場において基板の表面上で最小化されるようにすることができる。言い換えると、帯電した粒子は、上記の基板の表面において、場の強度が大きい領域に、例えば電気的な絶縁が小さい領域に到達するのである。ここでこの絶縁は、すでに噴霧した材料または材料混合物によって形成され得る。
【0046】
上記の方法の別の実施形態では、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物または部分的に帯電した材料混合物の少なくとも一部分は、本来の電荷を有し得る。上記の材料または材料混合物の噴霧した粒子は、例えば発光材料粒子は、例えば、本来の表面電荷を有し得る。
【0047】
上記の方法の別の実施形態では、上記の材料または材料混合物または上記の材料混合物の一部は、上記の基板上への噴霧の前または噴霧の際に静電的に帯電させることができる。噴霧される材料または噴霧される材料混合物の一部は、例えば粒子は、例えば発光材料粒子は、例えば上記のノズルの電位により、および/または、噴霧の際の摩擦により、静電的に帯電させることができる。
【0048】
上記の方法の別の実施形態では、帯電している材料または少なくとも部分的に帯電している材料混合物の電位差を、基板ホルダおよび/または基板の静電的な帯電によって形成することができる。
【0049】
上記の方法の別の実施形態では、上記の基板の表面におけるビームの面積を、上記のノズルと基板の表面との間のビームオプティックスによって調整することができ、上記の材料または材料混合物のビームの形状は、ビームオプティックスによって変更することができ、ビームの形状を用いて、上記の基板の表面において噴霧される材料または材料混合物の上記の面積を調整することができ、ここでこれは上記のビームを集束するかまたはコリメートすることによって行われる。上記のビームは、基板上において、像距離と、ビームオプティックスとにより、例えば焦点距離と、レンズがビームに与える作用とにより、例えば収束作用または発散作用により、調整可能な面積を有し得る。
【0050】
上記のビームオプティックスを用いて、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物によって噴霧される、上記の基板の表面上の領域を所期のように調整することができ、これにより、例えば、基板の選択された小さな領域だけに発光材料を被着することができ、これによって例えばパネルのセラミック縁部に発光材料を噴霧しないかまたは噴霧される層の層厚の不均一性をならすことができる。
【0051】
上記の方法の別の実施形態では、上記のビームオプティックスによる面積の調整と、上記のノズルから噴霧される材料または材料混合物の圧力の値とを結び付けることができる。
【0052】
上記の方法の別の実施形態では、上記のビームの開口角および/またはビーム直径を上記のビームオプティックスを用いて変更することができる。
【0053】
上記の方法の別の実施形態では、上記の材料または材料混合物を噴霧する際に、静的な電場、動的な電場、電磁場またはアース接続によってこの材料または材料混合物のビームの形状を形成することができる。
【0054】
上記のビームオプティックスは、噴霧されかつ帯電した材料または噴霧されかつ少なくとも部分的に帯電した材料混合物の性質ないしは基板の性質の依存し、静的または動的な電場ないしは磁場によって形成することができる。この際にはノズルと基板との間には、上記のビームオプティックスに加わる電磁的なポテンシャルとは異なる電磁的なポテンシャルを加えて、発散したビームを変調することができ、例えばビームオプティックスをアース接続することができ、すなわち、アース電位にし、ノズルと基板との間に、例えば
図1に説明した複数の実施形態のうちの1つにしたがって電圧を加えることができる。
【0055】
上記の方法の別の実施形態では、上記のビームオプティックスは1つまたは複数の電磁レンズを有し得る。
【0056】
上記の方法の別の実施形態では、上記のビームオプティックスは、上記の材料または材料混合物を上記の基板表面に噴霧する際に電気的または電子的に動かすことができる。
【0057】
ビームオプティックスのこの運動は、基板表面に対して平行、または所定の角度の下で、例えば斜めに行うことが可能である。
【0058】
上記の方法の別の実施形態では、上記のビームオプティックスは、第1金属プレートおよび第2金属プレートとして構成することができ、これらの金属プレートは平行平面形に互いに所定の間隔で配置することができ、また上記のビームはこれらのプレートの間を進行し得る。
【0059】
上記の金属プレートは、物質または合金として複数の金属および/または貴金属を有するかまたはこれらから構成することができ、例えばFe,Cu,Au,Ag,Pt,Pd,Al,TiまたはC(グラファイト)を有するかこれらから構成することができ、また約25cm
2ないしは約250cm
2の範囲の大きさを、例えば100cm
2を有し得る。これらの金属プレートは、互いに平行平面に配置することができる。
【0060】
上記の2つの金属プレートは、電位が、すなわち電場が、2つのプレート間で形成されるように構成することができる。しかしながら2つのプレートが、同じ電位を有することも可能であり、例えばアース電位を有する。これらのプレート間の電位が異なる場合、例えば、第1金属プレートはアース接続する、アース電位を有することができ、これに対して第2金属プレートは、電圧源に接続することができる。第1金属プレートと第2金属プレートとの間の上記の電場は、静的または動的に形成することができ、また噴霧されかつ帯電した材料または材料混合物のビームを変調するために形成することができる。
【0061】
上記のプレートは、約10mmから約20cmの範囲の相互の間隔と、約5mmから約5cmの範囲のノズルまでの間隔と、約1mmから約1cmの範囲の、例えば約1cmの基板の表面までの間隔を有することができる。
【0062】
上記の方法の別の実施形態では、第1金属プレートは第2金属プレートと同じ電位を有し得るかまたは異なる電位を有し得る。
【0063】
上記の方法の別の実施形態では、上記のビームオプティックスは、金属製のリングを有することができ、このリングは別の電圧源に電気接続することができ、上記のビームはリング開口部を通って進行する。しかしながらこのリングはアース電位とすることができる。すなわちこのリングはアース接続することができる。この金属製リングは、物質または合金として金属または貴金属を有するかまたはこれらから構成することでき、例えばFe,Cu,Au,Ag,Pt,Pd,Al,TiまたはC(グラファイト)を有するかこれらの金属から構成することができ、また厚さが約1mmから約3cmの範囲の場合には約1mmから約10cmの範囲の内径および約1mmから約10cmの範囲の外径を有し得る。この金属製リングは、約1mmから約5cmの範囲のノズルまでの間隔を有することができ、また基板の表面に対しては、約1mmから約5cmの範囲の間隔を、例えば約1cmの間隔を有し得る。
【0064】
上記の方法の別の実施形態において、上記のビームの形状は付加的に、少なくとも1つの電気的に作用する絞りおよび/または機械的に作用する絞りによって調整可能である。
【0065】
上記の方法の別の実施形態では、帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料の、基板の表面に局所的に被着される量、および/または、基板の表面におけるビームの面積は、すでに噴霧されかつ帯電した材料および/または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の発光材料層の局所的な層厚の測定値に結び付けられる。
【0066】
上記の発光材料の層厚の不均一性の補償は、例えば、第1噴霧過程の後および基板表面上にすでに噴霧した発光材料の厚さを局所的に測定した後に行うことができる。第2噴霧過程では、測定した層厚情報および上記のビームオプティックスを用いて局所的に、上記の量を、局所的に被着される帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物に適合させることができる。上記のビームの面積は、ビームオプティックス、電位差およびビームオプティックスと基板との間隔を用いて動的に適合させることが可能である。
【0067】
種々異なる実施形態においてオプトエレクトロニクス素子の層を作製するための装置が提供される。この装置は、電位差を形成するためのユニットと、基板の保持するための基板ホルダと、帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物を噴霧するためのユニットとを有しており、噴霧のためのこのユニットは、帯電しかつ噴霧される材料または噴霧されかつ少なくとも部分的に帯電した材料混合物の上記の基板上の厚さを、この基板上における種々異なる電位変化によって調整するように構成されており、上記の材料または材料混合物を噴霧するためのユニットはビームを形成し、このビームは、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物を有しているかまたはこれらから構成されており、このビームは、基板の表面に向けられており、この表面において第1領域の表面を覆っており、上記の基板において噴霧される材料または材料混合物の層の厚さは、上記の電位差によって局所的に調整される。
【0068】
一実施形態において上記のオプトエレクトロニクス素子は、例えば発光ダイオードまたはレーザダイオードとして構成される。
【0069】
別の実施形態において上記の基板は、チップウェハ、ワイヤボンディングされるセラミック基板、リードフレームまたは類似の基板を有し得る。
【0070】
別の実施形態において上記の基板は、少なくとも部分的に形成されたオプトエレクトロニクス素子として構成することが可能である。
【0071】
別の実施形態では、上記の基板を構成して、この基板からまたはこの上に個別のオプトエレクトロニクス素子がまたは複数のオプトエレクトロニクス素子が横に並んで構成されるようにすることが可能である。
【0072】
別の実施形態では、上記の少なくとも部分的に帯電しかつ上記の基板に被着される材料混合物は、マトリクスと、このマトリクス内に入れられる発光材料とを有する。
【0073】
別の実施形態では、上記の噴霧される材料混合物のマトリクスの材料は、揮発性溶媒を有するかまたはこのような揮発性溶媒から構成することができる。
【0074】
別の実施形態では、上記の装置を構成して、上記の揮発性溶媒が、負圧および/または噴霧された層の加熱および/または基板の加熱により、この基板の表面から蒸発および/または消失するようにすることが可能である。
【0075】
別の実施形態では、上記の噴霧される材料混合物のマトリクスの材料を設けて、噴霧の後、このマトリクスが基板上に硬化できるようにすることが可能である。
【0076】
別の実施形態では、上記のマトリクスの材料は、シリコーン、塗料またはエポキシ樹脂からなる材料のグループの材料を有するかまたはこのような材料から構成することができる。
【0077】
別の実施形態では、上記の材料または材料混合物を噴霧するためのユニットは、材料または材料混合物のビームを形成するためのノズルを有することができる。
【0078】
別の実施形態では、上記の装置を構成して、帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の電位差が、電圧源によって形成されるようにすることができ、第1電極および第2電極は、この電圧源に電気接続されており、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の電位差は、第1電極と第2電極との間で形成される。
【0079】
別の実施形態では、上記の電圧源を構成して、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の電位差の値が、静的に調整可能であるかまたは動的に変更可能であるようにすることができる。
【0080】
別の実施形態では、上記の電圧源を構成して、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物を噴霧するためのユニットが、部分的に第1電極と第2電極との間に設けられるようにすることでき、第2電極は、基板および/またはこの基板の背後または下側の電極によって構成され、第1電極は第2電極に対して平行に構成される。上記の材料または材料混合物を噴霧するためのユニットの、第1電極と第2電極との間にある上記の部分は、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物を上記の基板の表面に被着し、この部分はノズルとして構成される。
【0081】
別の実施形態においてこのノズルは、第1電極として構成することができる。
【0082】
別の実施形態においてこのノズルを構成して、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物をエアゾールとして基板の表面上に被着できるようにすることが可能である。
【0083】
別の実施形態では上記の装置を構成して、帯電しておりかつ噴霧される材料または帯電しておりかつ噴霧される材料混合物を用いて、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の上記の電位差が形成されるようにすることが可能である。
【0084】
別の実施形態において上記の材料または材料混合物または材料混合物の一部は、本来の電荷を有し得る。
【0085】
別の実施形態では、上記の装置を構成して、上記の材料または材料混合物または材料混合物の一部が、静電的に帯電できるようにすることが可能である。
【0086】
別の実施形態では、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の電位差は、上記の基板ホルダおよび/または基板を静電的に帯電させることによって形成することができる。
【0087】
別の実施形態では、上記の材料または材料混合物を噴霧するためのユニットは、コンテナに接続されたノズルを有することができ、このコンテナは、材料または材料混合物を供給し、ノズルおよびコンテナは、上記の材料または材料混合物がコンテナからノズルに搬送できるように構成されている。
【0088】
別の実施形態では、上記の材料または材料混合物を噴霧するためのユニットを構成して、材料または材料混合物が、圧力によって上記のノズルから噴霧されるようにすることが可能である。
【0089】
別の実施形態では、上記のユニットを構成して、基板およびノズルが互いに相対的に運動できるようにすることが可能である。
【0090】
別の実施形態では、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物を噴霧するためのユニットを構成して、ノズルと基板との間の間隔を変化させることにより、上記の第1領域を調整できるようにすることが可能である。
【0091】
別の実施形態では、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物を噴霧するためのユニットを構成して、上記のビームプロフィールを変化させることにより、上記の第1領域を調整できるようにすることが可能である。
【0092】
別の実施形態では、上記の装置を構成して、上記のノズルと、基板の表面との間にビームオプティックスが形成されるようにすることが可能である。
【0093】
別の実施形態では、このビームオプティックスを構成して、上記の材料または材料混合物のビームの形状をビームオプティックスによって変更できるようにすることが可能であり、このビームの形状により、上記の第1領域が調整される。すなわち、基板の表面におけるビームの面積が調整されるのである。
【0094】
別の実施形態では、上記のビームオプティックスは少なくとも1つの静的な電場または動的な電場または電磁場を有し得る。
【0095】
別の実施形態では、上記のビームオプティックスを構成して、このビームオプティックスによってビームの開口角を変更できるようにすることが可能である。
【0096】
別の実施形態では、上記のビームオプティックスは1つまたは複数の電磁レンズを有し得る。
【0097】
別の実施形態では、上記のビームオプティックスは、電気式または電子式に運動可能である。
【0098】
別の実施形態では、上のビームオプティックスは、第1金属プレートおよび第2金属プレートとして形成することが可能であり、これらの金属プレートは、平行平面型に互いに所定の間隔で配置されており、上記のビームはこれらのプレートの間を進行する。
【0099】
別の実施形態では、第1金属プレートは、第2金属プレートと同じ電位を有するかまたは異なる電位を有し得る。
【0100】
別の実施形態では、上記のビームオプティックスは、別の電圧源に電気的に接続可能な金属製のリングを有することができ、上記のビームはリング開口部を通って進行する。
【0101】
別の実施形態では、上記のビームオプティックスは付加的に、上記のビームを制限するために電気的に作用する絞りおよび/または機械的に作用する絞りを有し得る。
【0102】
別の実施形態では、上記の装置を構成して、上記の基板の表面に局所的に被着される帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物の量が、および/または、上記の基板の表面におけるビームの面積が、すでに噴霧した発光材料層の局所的な層厚の測定値と結び付けられるようにすることが可能である。
【0103】
本発明の実施例を図面に示し、以下で詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【
図1】種々異なる実施例による、オプトエレクトロニクス素子の層を形成するための装置の種々異なる概略断面図である。
【
図2】種々異なる実施例による、オプトエレクトロニクス素子の層を形成するための装置の別の概略断面図である。
【
図3】ビームオプティックスの複数の実施例を示す図である。
【
図4】種々異なる実施例にしたがい、上記の装置の一実施形態を示す図である。
【0105】
以下の詳細な説明において、添付の図面を参照する。これらの図面は説明の一部を構成し、またこれらの図面には本発明を実施することの可能な特定の実施形態を説明するために複数の実施形態が示されている。この点について「上」、「下」、「前」、「後」、「前方」、「後方」などの方向を示す語句は、上で示した図の配向を基準にして使用されている。実施形態のコンポーネントは相異なる複数の配向で位置決めすることができるため、上記の方向を示す語句は、説明のために使用されるのであり、制限的なものではない。本発明の権利保護範囲を逸脱することなく、別の複数の実施形態を利用し、また構造的または論理な変更を行い得ることは当然である。ここで説明している種々異なる例示的な実施形態の特徴的構成は、特に断らない限り、互いに組み合わせられることも当然である。したがって以下の詳細な説明は、制限的な意味で捉えるべきでなく、本発明の権利保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められるのである。
【0106】
この説明において、「接合されている」、「接続されている」ならびに「結合されている」という用語はそれぞれ、直接的な接合も間接的な接合も、直接的な接続も間接的な接続も、ならびに直接的な結合も間接的な結合も共に表すために使用されている。複数の図面において同じまたは類似の部材には、理に適っているのであれば、同じ参照符号が付されている。
【0107】
図1には、種々異なる実施例にしたがい、オプトエレクトロニクス素子の層を形成するための装置100の概略断面図が示されている。
【0108】
ここに示されているのは、基板ホルダ102が基板104に固定されていることである。基板104は、例えば、部分的に形成されているオプトエレクトロニクス素子の一部とすることができ、これは例えば作製中のものである。この意味において、支持体上またはその上方にオプトエレクトロニクス素子が形成される場合、部分的に形成されているオプトエレクトロニクス素子は、このオプトエレクトロニクス素子の上記の支持体とすること可能である。しかしながら部分的に形成されているオプトエレクトロニクス素子は、別のオプトエレクトロニクス的な目標特性についてそれ自体完成されているオプトエレクトロニクス素子とすることも可能であり、ここではそのオプトエレクトロニクス的特性は所定のオプトエレクトロニクス的な目標特性に適合している。
【0109】
基板104は、例えばチップウェハまたはパネル上の、個々のオプトエレクトロニクス素子、例えば切り離されるチップ、または並び合って配置される複数のオプトエレクトロニクス素子を有し得る。(図示しない)支持体上に層がすでに構成されている場合、基板104は、支持体としてチップウェハ、ワイヤボンディングされたセラミック、リードフレームまたは類似のものを有し得る。
【0110】
基板104の上方に上記の装置はノズル106を有し得る。このノズル106には、材料または材料混合物を有する(図示しない)コンテナを接続することができる。コンテナおよびノズル106は、このコンテナからノズル106に上記の材料または材料混合物を搬送できるように構成可能である。
【0111】
上記の材料または材料混合物は、圧力により、例えば正圧により、例えばポンプを用いして、また負圧により、例えばノズル106と基板104との間の空間を真空にすることにより、ノズル106から噴霧することができる。この際に上記の材料ないしは材料混合物は発散性のビーム108を形成することができる。この発散性のビーム108は、基板104のコーティングすべき表面に配向することが可能である。
【0112】
ノズル106は、約20μmから約6mmの範囲の開口直径を有することができ、ノズル106の開口直径は、上記の材料または材料混合物の粘度と、材料または材料混合物のビーム108の考えられ得る粒子のサイズと、加えられる圧力とに依存し得る。
【0113】
噴霧される材料または材料混合物の比較的低い粘度は、例えば、未硬化のポリマ、例えばエポキシ、シリコーンまたはこれらの材料のうちの1つと発光材料との材料混合物では上記の噴霧にとって重要になり得る。この代わりにまたは付加的に記の材料混合物は、例えば溶媒のような揮発性の構成成分を有し得る。
【0114】
噴霧される材料または材料混合物を化学的に硬化することにより、および/または、噴霧される材料混合物の揮発性の構成成分を蒸発ないしは気化することにより、噴霧される材料または材料混合物の粘度を高めることができる。
【0115】
上記の材料または材料混合物をノズル106から噴霧する上記の圧力は、約0.1barないしは約10barの範囲の値を有し得る。
【0116】
噴霧される材料または噴霧される材料混合物と、基板104との間には電位差を形成することができ、これは、例えば、
・ 基板ホルダ102および/または基板104を静電的に帯電させることにより、および/または
・ 帯電しかつ噴霧される材料または帯電しかつ噴霧される材料混合物、例えば発光材料を用い、ここではこの材料または材料混合物または材料混合物の一部は静電的に帯電されるおよび/または静電電荷を得ることができ、これは、例えば電圧源110を用いて行われ、電圧源110の電圧は、
・ ノズル106と、基板104および/または基板104の背後ないしは下側の電極、例えば基板ホルダ102との間、または
・ ノズル106の背後または上方の電極、例えばノズル106の(図示しない)保持部と、基板104および/または基板104の背後または下側の電極、例えば基板ホルダ102との間
に加えることができる。
【0117】
基板104の背後または下側の電極、例えば帯電した基板ホルダ102、および/または、基板104の静電的な帯電部は、例えば、基板102が導電性でない場合、例えば、サファイア半導体チップの表面、導電性ではあるがアース接続されていない半導体チップ、チップウェハまたはパネルの表面を形成することができる。
【0118】
電位差の値は、すなわち電圧は、静電的または動電的に形成することができ、この電圧は、約−40kVから約+40kVの範囲の値を、例えば約−2kVから約+2kVの範囲の値を、例えば約−400Vから約+400Vの範囲の値を、例えば約−50Vから約+50Vの範囲の値を有し得る。
【0119】
上記の配向されるビームは、基板104において領域112を有することができ、この領域は、ノズル106と基板104の表面との間隔114によって、および/または、ノズル106から噴霧される材料または材料混合物の圧力の値によって設定することができる。ノズル106と、基板104の表面との間隔114は、約0.5cmから約30cmの範囲の値、例えば1cmを有し得る。
【0120】
上記の電位差を適切に選択すると、上記の噴霧されかつ帯電した材料、または上記の噴霧されかつ少なくとも部分的に帯電した材料混合物、または上記の噴霧されかつ帯電した材料混合物の一部は、例えば発光材料は、上記の表面上で電気的に、例えば静電的に引き寄せられて保持される。付加的には上記の電気的に引き寄せられる材料は、噴霧されかつ帯電した別の材料、または、噴霧されかつ少なくとも部分的に帯電した別の材料混合物に対して電気的に絶縁性な作用を有し得る。この場合に噴霧されかつ帯電した別の材料は、例えば別の発光材料は、有利には、基板104の表面において、帯電した材料が、例えば帯電した発光材料がまだないかまたは少ししか被着していない、基板104の表面に局所的に付着し得る。
【0121】
別の実施形態では、上記の噴霧される材料または噴霧される材料の一部は、例えば粒子は、例えば発光材料粒子は、電荷を、例えば表面電荷を有し得る。
【0122】
別の実施形態では、上記の噴霧される材料または噴霧される材料混合物の一部は、例えば粒子は、例えば発光材料粒子は、ノズル106の電位および噴霧の際の摩擦によって静電的に帯電し得る。
【0123】
別の実施形態では上記の噴霧される材料混合物は、マトリクス材料における、例えば懸濁液または分散液における発光材料として構成することができ、このマトリクスの材料は、シリコーン、塗料または樹脂を有し得るまたはこれらから構成することができる。
【0124】
別の実施形態では、上記の噴霧される材料混合物は、マトリクス材料における、例えば懸濁液または分散液における発光材料として構成することができ、上記のマトリクスの材料は、揮発性の溶媒を有する。この溶媒は、一部がまたは全部が、上記の噴霧中にまたは上記の噴霧された層から蒸発するかないしは消失する。噴霧した層からの溶媒のこの蒸発ないしは消失は、負圧により、および/または、噴霧した層および/または基板104の加熱によって行うことができる。
【0125】
一実施形態において、基板104の表面は、上記のビームの領域112と、基板104の表面の大きさとを部分的または完全に合わせることにより、部分的または完全にコーティングすることができ、これは、例えば、ノズル106と基板104との間の間隔114を調整することによって行われる。間隔114が一定の場合にはビーム108の開口角を適合させることにより、領域112を調整することができる。
【0126】
一実施形態では、基板104の表面をコーティングするため、基板104およびノズル106を互いに相対的に移動することができ、これは、例えばノズル106および/または基板104ないしは基板ホルダ102を可動に支持することによって行われる。互いの相対的な上記の移動は、例えば電気的に、例えば電気モータを用いて、または電子的に、例えばコンピュータ制御される電気モータを用いて行うことができる(図示せず)。
【0127】
基板104上に電場の支援によって上記の層を形成することにより、電場がない場合よりも均一な層厚分布を基板104上に得ることができる。さらに噴霧した層の、例えば発光材料結合体原材料の層の基板104の表面からの流れ出しおよび/または剥がれは、電気的な引っ張り力によって低減するかおよび/または十二分に阻止することができる。これにより、例えば、発光材料層を噴霧する際、複数のオプトエレクトロニクス素子に対し、一層均一な色位置の配分を共通の1つの基板104上でも実現することができる。
【0128】
さらに複雑な基板形状を成形することができ、ここでは流れ出しが、例えば基板104の垂直個所における流れ出しが、低速化されるかまたは阻止される。
【0129】
さらに上記の帯電した材料は、または材料混合物の帯電した部分は、例えば発光材料は、上記の電気力によって一層密にまとめることができる。一層密にまとめることにより、例えば噴霧されたりん光層の熱伝導率を改善することができ、また一層効率的な素子の排熱が行われるかまたこのような性質を有することができる。
【0130】
例えば溶媒懸濁液または溶媒分散液のような揮発性のマトリクスの発光材料を噴霧することにより、この発光材料は、周囲にマトリクスのない層として基板104上に被着することができる。なぜならばこのマトリクスの材料は揮発性であり、すなわち蒸発するかまたは消失し得るからである。これにより、発光材料において波長変換のために発生するストークス熱の熱放出を改善することができる。ここでこのストークス熱は、発光材料によって吸収される電磁ビームと、放射される電磁ビームとの間のエネルギ差分と理解することができる。
【0131】
図2には、種々異なる実施例にしたがい、オプトエレクトロニクス素子の複数の層を形成するための装置300の概略断面図が示されている。
【0132】
図1に加えてこの装置は、ノズル106と基板104との間にビームオプティックス204を有している。ビームオプティックス204は、ノズル106から噴霧された発散性のビーム202を成形し、例えば集束またはコリメートして指向性のビーム206を形成する。
【0133】
ビームオプティックス204は、噴霧される材料または材料混合物の性質または基板104の性質に依存して、静的または動的な電場または磁場により、形成され得る。ここではノズル106と基板104との間に、ビームオプティックス204の領域の電磁場とは異なる電磁場を加えて、発散したビーム108を調整することが可能である。例えば、
図1で説明した複数の実施形態のうちの1つによれば、ビームオプティックス204をアース接続し、かつ、ノズル106と基板104との間に電圧を加えることができる。これにより、ノズル106と基板104との間にビームオプティックス204が存在しない場合に形成される電場に比べて電場を制限することができる。
【0134】
ビームオプティックス204は、静的または動的な電場を有する1つまたは複数の電磁レンズまたは複数の永久磁石として構成することができる。
【0135】
別の実施形態において、ビームオプティックス204には、上記のビームを制限するために少なくとも1つの電気的に作用する絞りおよび/または機械的に作用する絞りを有し得る。
【0136】
指向されたビームは、基板104において領域208を有することができ、この領域は、像距離212と、ビームオプティックス204とにより、例えば収束作用または発散作用のようなオプティックスがビーム202に与える作用とによって調整することができる。
【0137】
ビームオプティックス204を用いた領域208のこの調整は、ノズル106から噴霧される材料または材料混合物の圧力の値に関連付けることができる。
【0138】
ビームオプティックス204により、上記の帯電した材料または少なくとも部分的に帯電した材料混合物が噴霧される、基板104の表面における上記の領域を所期のように調整することができ、これにより、例えば、基板104の選択した小さな領域だけに発光材料を被着させ、例えばパネルのセラミック縁部には発光材料を噴霧しないか、または噴霧される層の層厚の不均一性を調整することができる。
【0139】
この層厚の不均一性の調整は、例えば、第1噴霧過程後および上記の基板表面に噴霧された発光材料層の厚さを局所的に測定した後、第2噴霧過程において、測定した層厚情報およびビームオプティックス204を用いて局所的に行うことができる。
【0140】
上記のビームの領域208は、ビームオプティックス204、電圧源110、およびビームオプティックス204と基板104との間の間隔212によって動的に適合させることができる。
【0141】
一実施形態ではビームオプティックス204を可動に支持して、電気的または電子的に動かすことができる。ビームオプティックス204のこの運動は、基板の表面に対して平行、垂直または所定の角度で、例えば斜めに行うことができる。
【0142】
図3には、種々異なる実施例にしたがい、ビームオプティックス204の複数の実施形態300が示されている。
【0143】
図3では、2つの平面
図310,320で第1実施形態310および第2実施形態320が1つのビームオプティックス204に対して示されており、図示したビームオプティックス310,320は、一層複雑なビームオプティックス204の複数の個別ビームレンズとすることも可能であり、この一層複雑なビームオプティックス204は、例えば第1実施形態または第2実施形態のように、例えば直列に接続される複数のレンズを用いて構成することも可能である。
【0144】
ビームオプティックス204の第1実施形態は、第1金属プレート302および第2金属プレート304として構成することができ、これらの金属製のプレート302,304は、例えば平行平面形に互いに配置することができる。これらの金属プレートは、材料または合金として複数の金属および/または貴金属を有するかまたはこれらの金属から構成することができ、例えば、Fe,Cu,Au,Ag,Pt,Pd,Al,TiまたはC(グラファイト)から構成することができ、また約10×10cm
2の範囲のサイズを有し得る。
【0145】
上記の2つの金属プレート302,304は、電位差306,308が、すなわち電場が、これらの2つのプレート間に形成されるように設けることができる。しかしながらこれらのプレートは同じ電位306,308を有することもでき、例えばアース電位に設定することも可能である。
【0146】
金属プレート302,304間の電位306,308が異なる場合、例えば、第1金属プレート302をアース接続し、すなわちアース電位とし、これに対して第2金属プレート304に電圧源308を接続することができる。第1金属プレート302と第2金属プレート304との間の電場は、静的または動的に形成することができ、また噴霧されかつ帯電させた材料または少なくとも部分的に帯電させた材料混合物のビーム202を変調するように構成することが可能である。
【0147】
金属プレート302,304は、約10mmから約20cmまでの範囲の相互の間隔と、約5mmから約5cmまでの範囲のノズル106との間隔210と、約1mmから約1cmの範囲の、例えば1cmの、基板104の表面までの間隔212とを有し得る。
【0148】
第2実施形態において、ビームオプティックス204は金属リング312として構成することができる。この金属リングは、材料または合金として複数の金属および/または貴金属を有するかまたはこのような金属から構成することができ、例えばFe,Cu,Au,Ag,Pt,Pd,Al,TiまたはC(グラファイト)を有するかこれらの金属から構成することができ、また厚さが約1mmから約3cmの範囲の場合には、約1mmから約1cmの範囲の内径および約1mmから約10cmの範囲の外径を有し得る。
【0149】
リング312は、電圧源110に電気的に接続することができるが、リング312がアース電位に有するようにする、すなわちアース接続することが可能である。
【0150】
金属リング312は、ノズル106から約1mmから約5cmの範囲の間隔210を有することができ、基板104の表面に対しては、約1mmから約5cmの範囲の、例えば1cmの間隔212を有し得る。
【0151】
図4には、種々異なる実施例にしたがって上記の装置の一実施形態が示されている。
【0152】
図4に示した実施形態において、LEDパネル104は、第1電極104として設けられており、複数のLEDチップは、パネル104上にチップ背面によって導電的に接触接続させることができる。第1電極104に対する対向電極は、スプレノズル106の背後に直接形成することができる。これらの電極間には、電圧源110によって電場を加えることができ、引き続いてシリコーン発光材料懸濁液のビーム202を複数の層でパネル104に噴霧することができる。このシリコーン発光材料懸濁液は、マトリクスとしてポリジメチルシロキサンシリコーンを有することができ、これは、約0.5Pasの粘度と、シリコーン発光材料懸濁液に対し、約40%から約80%の範囲の、例えば約50%の、発光材料の質量分率とを有する。
【0153】
ノズル106から発せられたビーム202は、アース314された金属リング313によってコリメートされたビーム206を形成し、このビームが基板104の表面に配向される。
【0154】
発光材料層の目標厚さに到達した後、パネル104にはレンズが注形される。すなわち、注形によってレンズが設けられるが、これは図示されていない。引き続いてこのパネルの複数のLEDチップが切り離され、完成したLEDが形成される。
【0155】
種々異なる実施形態において複数の装置と、これらの装置を作製する方法が提供され、これらによれば、電磁場の支援によって基板上に発光材料層を形成することにより、電場がない場合に比べて一層均一な層厚分布を基板上に形成することができる。さらに噴霧した発光材料層の、例えば発光材料結合体材料の、基板の表面からの流れ出しおよび/または剥がれが、電気的な引っ張り力によって低減され、および/または、ほとんど阻止される。これにより、例えば、発光材料層を噴霧する際、共通の1つの基板上で複数のオプトエレクトロニクス素子の色位置の均一な分布を形成することができる。さらに複雑な基板形状を成形することができ、例えば基板の垂直な個所における流れ出しが緩慢になるかまたは阻止される。さらに帯電した材料または帯電した材料混合物の部分、例えば発光材料を上記の電気力によって一層密にまとめることができる。このように一層密にまとめることにより、例えば噴霧されるりん光層の熱伝導率を改善することができ、一層効率的に素子の排熱が行われるまたはこのような性質を有するようにすることができる。例えば溶媒懸濁液または溶媒分散液のような揮発性のマトリクス内の発光材料を噴霧することにより、包囲するマトリクスなしに発光材料を1つの層として基板上に被着することができる。なぜならばこのマトリクス材料は揮発性であり、すなわち蒸発または消失し得るからである。これにより、発光材料において波長変換のために発生するストークス熱の熱放出を改善することができる。ここでこのストークス熱は、発光材料によって吸収される電磁ビームと、放射される電磁ビームとの間のエネルギ差分と理解することができる。