特許第6033432号(P6033432)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6033432情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理プログラムが記録された記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033432
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理プログラムが記録された記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/30 20120101AFI20161121BHJP
【FI】
   G06Q20/30
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-523719(P2015-523719)
(86)(22)【出願日】2013年6月26日
(86)【国際出願番号】JP2013067549
(87)【国際公開番号】WO2014207845
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2016年4月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】陳野 裕
(72)【発明者】
【氏名】赤鹿 秀樹
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−299810(JP,A)
【文献】 特開2008−041079(JP,A)
【文献】 特開2007−102329(JP,A)
【文献】 特開2012−212461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を管理する情報処理装置であって、
前記時系列情報を生成する店舗端末から当該時系列情報を受信する第1受信手段と、
前記携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を記憶する当該携帯装置から当該携帯装置に記憶されている時系列情報を受信する第2受信手段と、
前記第1受信手段により前記店舗端末から受信されて前記情報処理装置が管理している前記時系列情報と、前記第2受信手段により前記携帯装置から受信された時系列情報とに基づいて、前記情報処理装置が前記店舗端末からまだ受信しておらず管理していない時系列情報に対応する事象が存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提とする処理を行う処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記判定手段により判定された前記事象の存在を前提として所定の条件が満たされる場合に前記携帯装置のユーザに提供可能となる提供情報を前記ユーザへ提供する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記携帯装置に記憶可能な前記時系列情報の件数は所定件数に制限されており、
前記判定手段は、前記所定の条件の判定に必要な場合に限り、前記第2受信手段により受信された時系列情報に対応する事象以外の事象が存在するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報を特定する特定手段と、
前記特定された内容に基づいて前記所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記時系列情報には、携帯装置ごとの当該時系列情報の通し番号と、それぞれの当該時系列情報に対応する事象後の残高との少なくとも何れか一方が含まれており、
前記特定手段は、前記時系列情報における前記通し番号と前記残高との少なくとも何れか一方に基づいて、前記所定の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報を特定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記所定の条件が満たされない場合に、前記事象の存在を前提として当該所定の条件を満たすために必要になる事項を示す情報を前記ユーザへ提供する処理を行うことを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記判定手段により判定された前記事象の存在を前提としても所定の条件が満たされない場合に、当該事象の存在を前提として当該所定の条件を満たすために必要になる事項を示す情報を前記携帯装置のユーザへ提供する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記判定手段は、前記第2受信手段により受信された時系列情報に対応する事象以外の事象が存在するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記時系列情報には、当該時系列情報に対応する事象後の残高が含まれており、
前記残高の推移に基づいて、不適正な事象の有無をチェックするチェック手段をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1受信手段は、前記店舗端末からバッチ処理によって所定時間ごとに送信された前記時系列情報を受信することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第2受信手段は、前記携帯装置のユーザの指示に応じて当該携帯装置から送信された前記時系列情報を受信することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を管理する情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記時系列情報を生成する店舗端末から当該時系列情報を受信する第1受信ステップと、
前記携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を記憶する当該携帯装置から当該携帯装置に記憶されている時系列情報を受信する第2受信ステップと、
前記第1受信ステップにより前記店舗端末から受信されて前記情報処理装置が管理している前記時系列情報と、前記第2受信ステップにより前記携帯装置から受信された時系列情報とに基づいて、前記情報処理装置が前記店舗端末からまだ受信しておらず管理していない時系列情報に対応する事象が存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提とする処理を行う処理ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を管理するコンピュータに、
前記時系列情報を生成する店舗端末から当該時系列情報を受信する第1受信ステップと、
前記携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を記憶する当該携帯装置から当該携帯装置に記憶されている時系列情報を受信する第2受信ステップと、
前記第1受信ステップにより前記店舗端末から受信されて前記コンピュータが管理している前記時系列情報と、前記第2受信ステップにより前記携帯装置から受信された時系列情報とに基づいて、前記コンピュータが前記店舗端末からまだ受信しておらず管理していない時系列情報に対応する事象が存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提とする処理を行う処理ステップと、
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項14】
携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を管理するコンピュータに、
前記時系列情報を生成する店舗端末から当該時系列情報を受信する第1受信ステップと、
前記携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を記憶する当該携帯装置から当該携帯装置に記憶されている時系列情報を受信する第2受信ステップと、
前記第1受信ステップにより前記店舗端末から受信されて前記コンピュータが管理している前記時系列情報と、前記第2受信ステップにより前記携帯装置から受信された時系列情報とに基づいて、前記コンピュータが前記店舗端末からまだ受信しておらず管理していない時系列情報に対応する事象が存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提とする処理を行う処理ステップと、
を実行させる情報処理プログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップ等の携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を管理する装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、カードの取引履歴を当該カードに搭載されたICチップ又はネットワークに接続されたサーバ装置側のデータベースに記憶させておき、カードが挿入された際に当該カードによる取引履歴をICチップ又はデータベースから読み取り操作画面に表示させる取引装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-126834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したICチップが利用される取引(販売者と購入者の間の取引)に関する決済に特定の事業者が関与するタイプの決済方法が選択された場合、当該取引に関するログデータ等の時系列情報は、ICチップに決済時にリアルタイムで記憶されるものの、事業者側のシステムで管理されるまでには時間がかかることがある。これは、当該時系列情報は、販売者のオペレーションに依存し、販売者から事業者に必ずしもリアルタイムで提供されるものではないからである。このような場合、事業者は、まだ管理(把握)されていない時系列情報に対応する取引等の事象に応じた情報提供等の処理を行うことができない。
【0005】
本発明は、既に発生した取引等の事象であって事業者側でまだ管理されていない事象に応じた所定の処理を行うことが可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理プログラムが記録された記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を管理する情報処理装置であって、前記時系列情報を生成する店舗端末から当該時系列情報を受信する第1受信手段と、前記携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を記憶する当該携帯装置から当該携帯装置に記憶されている時系列情報を受信する第2受信手段と、前記第1受信手段により前記店舗端末から受信されて前記情報処理装置が管理している前記時系列情報と、前記第2受信手段により前記携帯装置から受信された時系列情報とに基づいて、前記情報処理装置が前記店舗端末からまだ受信しておらず管理していない時系列情報に対応する事象が存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提する処理を行う処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、既に発生した事象であって事業者側でまだ管理されていない事象に応じた所定の処理を行うことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記処理手段は、前記判定手段により判定された前記事象の存在を前提として所定の条件が満たされる場合に前記携帯装置のユーザに提供可能となる提供情報を前記ユーザへ提供する処理を行うことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、従来は提供し得なかったタイミングで、ユーザへ提供情報を提供することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記携帯装置に記憶可能な前記時系列情報の件数は所定件数に制限されており、前記判定手段は、前記所定の条件の判定に必要な場合に限り、前記第2受信手段により受信された時系列情報に対応する事象以外の事象が存在するか否かを判定することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、前記第2受信手段により受信された時系列情報に対応する事象以外の事象が存在するかを推定するための処理負荷を低減することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の情報処理装置において、前記所定の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報を特定する特定手段と、前記特定された内容に基づいて前記所定の条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、前記所定の条件を満たすか否かを判定するための処理負荷を低減することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記時系列情報には、携帯装置ごとの当該時系列情報の通し番号と、それぞれの当該時系列情報に対応する事象後の残高との少なくとも何れか一方が含まれており、前記特定手段は、前記時系列情報における前記通し番号と前記残高との少なくとも何れか一方に基づいて、前記所定の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報を特定することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、前記所定の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報を適切に特定することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置において、前記処理手段は、前記所定の条件が満たされない場合に、前記事象の存在を前提として当該所定の条件を満たすために必要になる事項を示す情報を前記ユーザへ提供する処理を行うことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、ユーザによる前記携帯装置の利用を促進することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記処理手段は、前記判定手段により判定された前記事象の存在を前提としても所定の条件が満たされない場合に、当該事象の存在を前提として当該所定の条件を満たすために必要になる事項を示す情報を前記携帯装置のユーザへ提供する処理を行うことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、ユーザによる前記携帯装置の利用を促進することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記判定手段は、前記第2受信手段により受信された時系列情報に対応する事象以外の事象が存在するか否かを判定することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、前記第2受信手段により受信された時系列情報に対応する事象以外の事象をも前提として所定の処理を行うことが可能となる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の情報処理装置において、前記時系列情報には、当該時系列情報に対応する事象後の残高が含まれており、前記残高の推移に基づいて、不適正な事象の有無をチェックするチェック手段をさらに備えることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、不適正な携帯装置の利用をユーザ等に知らせることが可能となる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の情報処理装置において、前記第1受信手段は、前記店舗端末からバッチ処理によって所定時間ごとに送信された前記時系列情報を受信することを特徴とする。請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の情報処理装置において、前記第2受信手段は、前記携帯装置のユーザの指示に応じて当該携帯装置から送信された前記時系列情報を受信することを特徴とする。請求項12に記載の発明は、携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を管理する情報処理装置により実行される情報処理方法であって、前記時系列情報を生成する店舗端末から当該時系列情報を受信する第1受信ステップと、前記携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を記憶する当該携帯装置から当該携帯装置に記憶されている時系列情報を受信する第2受信ステップと、前記第1受信ステップにより前記店舗端末から受信されて前記情報処理装置が管理している前記時系列情報と、前記第2受信ステップにより前記携帯装置から受信された時系列情報とに基づいて、前記情報処理装置が前記店舗端末からまだ受信しておらず管理していない時系列情報に対応する事象が存在するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提する処理を行う処理ステップと、を含むことを特徴とする。
【0025】
請求項13に記載の情報処理プログラムの発明は、携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を管理するコンピュータに、前記時系列情報を生成する店舗端末から当該時系列情報を受信する第1受信ステップと、前記携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を記憶する当該携帯装置から当該携帯装置に記憶されている時系列情報を受信する第2受信ステップと、前記第1受信ステップにより前記店舗端末から受信されて前記コンピュータが管理している前記時系列情報と、前記第2受信ステップにより前記携帯装置から受信された時系列情報とに基づいて、前記コンピュータが前記店舗端末からまだ受信しておらず管理していない時系列情報に対応する事象が存在するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提とする処理を行う処理ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0026】
請求項14に記載の発明は、携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を管理するコンピュータに、前記時系列情報を生成する店舗端末から当該時系列情報を受信する第1受信ステップと、前記携帯装置が利用された事象に関して生成された時系列情報を記憶する当該携帯装置から当該携帯装置に記憶されている時系列情報を受信する第2受信ステップと、前記第1受信ステップにより前記店舗端末から受信されて前記コンピュータが管理している前記時系列情報と、前記第2受信ステップにより前記携帯装置から受信された時系列情報とに基づいて、前記コンピュータが前記店舗端末からまだ受信しておらず管理していない時系列情報に対応する事象が存在するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提とする処理を行う処理ステップと、を実行させる情報処理プログラムが記録された記録媒体である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、既に発生した事象であって事業者側でまだ管理されていない事象に応じた所定の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施形態に係る電子マネーシステムSの概要構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る携帯端末3の概要構成例を示す図である。
図3】注目部分の変位事象の例を示す図である。
図4】(A)は、本実施形態に係る電子マネーサーバ4の概要構成例を示す図であり、(B)は、システム制御部43における機能ブロックの一例を示す図である。
図5】非接触ICチップ1aから取得されたログデータの内容と、ログデータベース42cから取得されたログデータの内容の一例を示す図である。
図6】非接触ICチップ1aから取得されたログデータの内容と、ログデータベース42cから取得されたログデータの内容の他の例を示す図である。
図7】電子マネーシステムSにおいて行われる動作の一例を示すシーケンス図である。
図8】携帯端末2のディスプレイDにおける画面表示例を示す図である。
図9】事象存在判定及び情報提供処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、電子マネーシステムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.電子マネーシステムSの概要構成の概要構成]
先ず、本実施形態に係る電子マネーシステムSの概要構成例について図1等を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る電子マネーシステムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る電子マネーシステムSは、電子マネーカード1、決済端末2、携帯端末3、及び電子マネーサーバ4等を用いて構成される。 本実施形態では、携帯装置として、電子マネーカード1に搭載される非接触ICチップを例にとって説明する。しかし、非接触ICチップは、ICモジュールとして携帯端末3に内蔵される場合もある。この場合、携帯端末3、または携帯端末3に内蔵されるICモジュールが、本発明の携帯装置ということになる。電子マネーカード1と携帯端末3とは、同一のユーザにより携帯される。ユーザは、例えば電子マネーカード1を発行する事業者との間で、電子マネーカード1の利用契約をしている会員である。また、決済端末2は、例えば、商品の販売又はサービスの提供を行う店舗ごとに設置される。店舗は、例えば電子マネーカード1を発行する事業者との間で、電子マネーカード1の取扱可能店として契約をしている加盟店である。また、電子マネーサーバ4は、本発明における情報処理装置の一例である。電子マネーサーバ4は、例えば電子マネーカード1を発行する事業者により管理されるサーバである。電子マネーサーバ4は、ネットワークNWに接続されている。決済端末2及び携帯端末3は、ネットワークNWを介して電子マネーサーバ4にアクセス可能になっている。なお、ネットワークNWは、ネットワークNWは、専用回線、移動体通信網、インターネット等により構成される。
【0030】
電子マネーカード1は、例えば国際標準規格等で寸法が定められた平板状のカードである。電子マネーカード1は、記憶部(例えば、不揮発性メモリ)と処理部(例えば、CPU)とを有する非接触ICチップ1a、及びアンテナ等を備える。非接触ICチップ1aは、例えば13.56MHz帯の周波数を使った近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)技術を採用したICモジュールである。
【0031】
非接触ICチップ1aの記憶部には、電子バリューの残高を示す残高データ、ログデータ、及び電子マネー番号等が記憶される。電子バリューとは、貨幣価値に対応させた電子情報であり、ストアドバリュー型前払い式の電子マネーである。電子マネー番号は、例えば電子バリューの残高を他の電子マネーカードの電子バリューの残高から識別するための識別情報である。ログデータは、時系列情報(言い換えれば、時間の経過に従った情報)の一例である。ログデータには、例えば、取引履歴データとチャージ履歴データとが該当する。取引履歴データは、例えば店舗において電子マネーカード1が決済(支払い)に利用された取引(事象の一例)に関して生成される情報である。取引履歴データには、例えば、電子マネー番号、取引日時、取引金額、及び取引した店舗の店舗ID等のデータが含まれる。店舗IDは、店舗ごとに固有に付与された識別情報である。チャージ履歴データは、例えば店舗において電子マネーカード1が利用されたチャージ(事象の一例)に関して生成される情報である。ここで、チャージとは、非接触ICチップ1aの記憶部に記憶される電子バリューの残高を増額することをいう。チャージ履歴データには、例えば電子マネー番号、チャージ日時、チャージ金額、及びチャージした店舗の店舗ID等のデータが含まれる。また、ログデータには、電子マネーカード1(つまり、非接触ICチップ1a)ごとの当該ログデータの通し番号と、当該ログデータに対応する事象後(取引またはチャージ後)の残高との少なくとも何れか一方が含まれる。通し番号は、例えば、非接触ICチップ1aの記憶部に記憶された順番を示す。つまり、後に記憶されたログデータの通し番号ほど大きくなるように付与される。なお、非接触ICチップ1aの記憶部におけるデータ記憶容量は小さいので、記憶部に記憶可能なログデータの件数は数件分に制限されている。そのため、制限された件数を超えるログデータが記憶される場合、処理部により、最も古いログデータが削除され、最も新しいログデータが記憶されることになる。これにより、非接触ICチップ1aの記憶部には、制限された件数分の最新のログデータが記憶されることになる。
【0032】
非接触ICチップ1aの処理部は、近距離無線通信可能な距離範囲内にある決済端末2から送信される残高変更情報を用いて、記憶部に記憶される残高データを変更する残高変更処理を実行し、この処理結果を決済端末2へ応答する。また、非接触ICチップ1aの処理部は、近距離無線通信可能な距離範囲内にある携帯端末3からの要求に応じて、記憶部に記憶されたログデータを読み出し当該ログデータを携帯端末3へ送信する。
【0033】
決済端末2は、例えば、電子バリューによる決済機能を有するPOS(Point Of Sales)端末である。決済端末2には、上述した近距離無線通信技術を採用したリーダライタが接続される。例えば、店舗において、当該店舗とユーザとが取引する場合(例えば、ユーザが商品を購入する場合やサービスの提供を受ける場合)に、例えば店員により決済金額が決済端末2に入力され所定の決済操作が行われ、かつ、電子マネーカード1がリーダライタに翳される。すると、決済端末2は、リーダライタを介して電子マネー番号及び現在の電子バリューの残高を電子マネーカード1に要求する。電子マネーカード1の非接触ICチップ1a(処理部)は、当該要求に応じて、記憶部に記憶された電子マネー番号及び残高データを読み出し、当該電子マネー番号及び残高データを決済端末2へ送信する。決済端末2は、電子マネーカード1から受信した残高データが示す電子バリューの残高と決済金額とを比較して当該残高が決済金額以上である場合、当該取引に関する取引履歴データを生成する。そして、決済端末2は、生成した取引履歴データと、電子バリューの残高を変更(つまり、決済金額だけ残高を減額)する残高変更情報とを、リーダライタを介して電子マネーカード1へ送信する。電子マネーカード1の非接触ICチップ1a(処理部)は、決済端末2からの取引履歴データ及び残高変更情報を受けて、記憶部に記憶される残高データを変更する残高変更処理(つまり、残高を減額するように書き換える処理)を実行し、且つ取引履歴データをログデータとして記憶部に記憶して、この処理結果を決済端末2へ応答する。このように、取引履歴データは、取引時にリアルタイムで非接触ICチップ1a内にログデータとして記憶される。一方、決済端末2は、生成した取引履歴データをログデータとして決済端末2が備える記憶部に記憶する。
【0034】
また、例えば、店舗において、ユーザが電子バリューをチャージする場合に、例えば、ユーザから店員にチャージ金額(貨幣)が渡された後、例えば店員によりチャージ金額が決済端末2に入力され所定のチャージ操作が行われ、電子マネーカード1がリーダライタに翳される。すると、決済端末2は、リーダライタを介して電子マネーカード1に電子マネー番号及び現在の電子バリューの残高を要求する。電子マネーカード1の非接触ICチップ1a(処理部)は、当該要求に応じて、記憶部に記憶された電子マネー番号及び残高データを読み出し、当該電子マネー番号及び残高データを決済端末2へ送信する。決済端末2は、電子マネーカード1から受信した残高データが示す電子バリューの残高にチャージ金額を加算した金額と所定の制限金額とを比較して当該加算した金額が制限金額未満である場合、当該チャージに関するチャージ履歴データを生成する。そして、決済端末2は、生成したチャージ履歴データと、電子バリューの残高を変更(つまり、チャージ金額だけ残高を増額)する残高変更情報とを、リーダライタを介して電子マネーカード1へ送信する。電子マネーカード1の非接触ICチップ1a(処理部)は、決済端末2からのチャージ履歴データ及び残高変更情報を受けて、記憶部に記憶される残高データを変更する残高変更処理(つまり、残高を増額するように書き換える処理)を実行し、且つチャージ履歴データを記憶部に記憶して、この処理結果を決済端末2へ応答する。このように、チャージ履歴データは、チャージ時にリアルタイムで非接触ICチップ1a内にログデータとして記憶される。一方、決済端末2は、生成したチャージ履歴データをログデータとして決済端末2が備える記憶部に記憶する。なお、チャージ金額は、ユーザが所有するクレジットカードの利用によりクレジットカード会社から店舗に入金される場合もある。
【0035】
そして、決済端末2は、例えばバッチ処理によって所定時間(例えば、24時間)ごとにネットワークNWを介して電子マネーサーバ4にアクセスし、記憶部に記憶されているログデータを、電子マネーサーバ4に送信する。
【0036】
次に、図2は、本実施形態に係る携帯端末3の概要構成例を示す図である。携帯端末3は、図2に示すように、カメラ31、表示部32、スピーカ33、操作部34、記憶部35、近距離無線通信部36、移動体無線通信部37、及び制御部38等を備えて構成される。カメラ31、表示部32、スピーカ33、操作部34、記憶部35、近距離無線通信部36、及び移動体無線通信部37は、入出力インターフェース部(図示せず)及びバス39を介して制御部38に接続される。携帯端末3は、ユーザにより携帯可能であり、例えば、スマートフォン、携帯電話機、ゲーム機、タブレット型コンピュータなどが適用可能である。
【0037】
カメラ31は、例えば携帯端末3の背面側に設置されており、ユーザの指示にしたがって被写体を撮像(撮影)する。カメラ31により撮像された画像は、例えば記憶部35に割り当てられた画像記憶領域に記憶されるとともに、表示部32におけるディスプレイD上に表示される。表示部32は、例えばタッチパネル方式のディスプレイD等により構成される。ディスプレイDは、例えば携帯端末3の表面側に設置されており、制御部38からの制御信号にしたがって、ユーザ指定可能なアイコンを配列する画面や、カメラ31により撮像された電子マネーカード1の画像等を表示する。スピーカ33は、制御部38からの音声信号を音声として外部へ出力する。操作部34は、ユーザからの指示を入力するための入力ボタン等により構成される。操作部34は、タッチパネル方式のディスプレイDに表示されたアイコンを介して指示を入力することができる。
【0038】
記憶部35は、例えばフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリ等により構成される。記憶部35には、オペレーティングシステム及び各種アプリケーションプログラム等が記憶されている。近距離無線通信部36は、上述した近距離無線通信技術を採用したICモジュール、及びアンテナ等により構成される。近距離無線通信部36は、電子マネーカード1が近距離無線通信可能な距離範囲内に近接した場合に、電子マネーカード1の非接触ICチップ1aとの間で通信を行うようになっている。移動体無線通信部37は、移動体通信ネットワークにおける基地局との間で無線通信を行うようになっている。これにより、制御部38は、ネットワークNWを介して電子マネーサーバ4にアクセスし、当該電子マネーサーバ4との間で通信を行うことができる。
【0039】
制御部38は、例えば、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。制御部38は、例えば記憶部35に記憶されたアプリケーションプログラムにしたがって処理を実行する。ユーザが電子マネーカード1と携帯端末3とを近距離無線通信可能な距離範囲内に近接させ、操作部34から所定の指示を行うと、制御部38は、近距離無線通信部36を介して電子マネーカード1にログデータを要求する。電子マネーカード1の非接触ICチップ1a(処理部)は、当該要求に応じて、記憶部に記憶されたログデータを読み出し、当該ログデータを携帯端末3へ送信する。そして、制御部38は、電子マネーカード1からのログデータを取得する。このとき、制御部38は、ログデータと共に残高データを電子マネーカード1から取得するように構成してもよい。なお、記憶部35に記憶されたログデータは、移動体無線通信部37を介して電子マネーサーバ4へ送信される。
【0040】
また、制御部38は、電子マネーカード1と携帯端末3とが近接された状態において、ユーザが操作部34から所定の指示を行うと、カメラ31が起動し、カメラ31により所定の撮像間隔で連続的に撮像される一連の画像の取り込みを開始する。制御部38は、取り込まれた一連の画像を構成する基準画像において当該基準画像に表れる電子マネーカード1の縁を基準として特定可能な注目部分を決定する。例えば、制御部38は、基準画像に表れる電子マネーカード1の直線状の縁を検出し、検出した直線状の縁を注目部分として決定する。例えば、基準画像に表れる電子マネーカード1の直線状の第1の縁を第1の注目部分とし、当該第1の縁に直交する直線状の第2の縁を第2の注目部分として検出する。そして、制御部38は、決定した注目部分が基準画像に後続する複数の比較画像のいずれかにおいて変位したことを示す変位事象を検出する。
【0041】
図3は、注目部分の変位事象の例を示す図である。図3の例では、基準画像と比較画像には、それぞれ、略長方形状の縁を有する電子マネーカード1が表れている。また、図3の例において、A1a、A1b、A1c、A2a、A2b、及びA2cは、それぞれ、画像フレーム上の領域を示し、制御部38は、これらの領域を区別して認識している。そして、図3(A)の例では、制御部38は、基準画像に表れた電子マネーカード1の縁のうち、領域A1aに含まれる直線状の縁を第1の注目部分P1として決定し、かつ、領域A2aに一部が含まれる直線状の縁を第2の注目部分P2として決定する。次に、図3(A)に示す状態から、ユーザが電子マネーカード1と携帯端末2とを遠ざけた後の比較画像では、図3(B)に示すように、注目部分P1は領域A1aから領域A1bに変位し、かつ、注目部分P2は領域A2aから領域A2bに変位している。一方、図3(A)に示す状態から、ユーザが電子マネーカード1と携帯端末2とを近づけた後の比較画像では、図3(C)に示すように、注目部分P1は領域A1aから領域A1cに変位し、かつ、注目部分P2は領域A2aから領域A2cに変位している。制御部38は、図3(B)に示すように注目部分P1及び注目部分P2が内側の領域(A1b,A2b)に変位した第1の変位事象と、図3(C)に示すように注目部分P1及び注目部分P2が外側の領域(A1c,A2c)に変位した第2の変位事象と、を区別して検出する。制御部38は、検出した第1の変位事象または第2の変位事象に対応する情報種別(例えば、プログラム上で変位事象ごとに対応付けられた情報種別)を設定する。この情報種別は、例えば、クーポン等の特典情報であるか、またはログであるかを示す。そして、制御部38は、近距離無線通信部36を介して電子マネーサーバ4へアクセスして、上記設定した情報種別に応じた提供情報を当該電子マネーサーバ4から取得する。ここで、例えば、第1の変位事象に対応する情報種別に応じた提供情報は、クーポン等の特典情報であり、第2の変位事象に対応する情報種別に応じた提供情報は、ログデータであるように設定される。特典情報とは、例えば、商品又はサービスに対する決済に際して割引などの特別な恩恵や待遇を店舗から受けられることを示す情報である。なお、電子マネーサーバ4から取得された提供情報は、表示部32におけるディスプレイD上に表示される。特に、電子マネーサーバ4から取得された提供情報がログデータである場合、電子マネーカード1から取得されたログデータと、電子マネーサーバ4から取得されたログデータとが統合されて、ディスプレイD上に表示される。
【0042】
次に、図4(A)は、本実施形態に係る電子マネーサーバ4の概要構成例を示す図である。電子マネーサーバ4は、上述したログデータを管理することで、電子バリューによる貨幣価値の移動を管理するサーバである。電子マネーサーバ4は、図4(A)に示すように、通信部41、記憶部42、及びシステム制御部43等を備え、これらの構成要素はバス44に接続されている。通信部41は、ネットワークNWに接続され、通信状態の制御を行う。
【0043】
記憶部42は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、オペレーティングシステム及びサーバ処理プログラム(本発明の情報処理プログラムを含む)等の各種プログラムを記憶する。サーバ処理プログラムは、コンピュータに、後述する各ステップにおける処理を実行させるプログラムである。なお、サーバ処理プログラムは、例えば、所定のサーバ等からネットワークNWを介してダウンロードされるようにしても良いし、CD、DVD等の記録媒体に記録されて読み込まれるようにしてもよい。
【0044】
また、記憶部42には、ユーザ情報データベース(DB)42a、店舗情報データベース(DB)42b、及びログデータベース(DB)42cが設けられる。ユーザ情報データベース42aには、電子マネーカードのユーザ(会員)のユーザ情報がユーザごとに登録される。ここで、ユーザ情報には、例えば、ユーザID、パスワード、ユーザ名、住所、電話番号、電子メールアドレス、及び電子マネー番号が含まれる。ユーザIDは、ユーザごとに固有に付与された識別情報である。店舗情報データベース42bは、電子マネーカードの取扱可能な店舗(加盟店)の店舗情報が店舗ごとに登録される。店舗情報には、例えば、店舗ID、パスワード、店舗名、住所、電話番号、及び電子メールアドレス等が含まれる。ログデータベース42cには、決済端末2から所定時間ごとにネットワークNWを介して電子マネーサーバ4に送信されるログデータが登録される。電子マネーサーバ4は、ログデータベース42cによりログデータを管理する。なお、ユーザ情報データベース(DB)42a、店舗情報データベース(DB)42b、及びログデータベース(DB)42cは、記憶部42に設けられるのではなく、電子マネーサーバ4とは異なる他のサーバに設けられるように構成してもよい。
【0045】
システム制御部43は、CPU43a、ROM43b、及びRAM43c等により構成される。図4(B)は、システム制御部43における機能ブロックの一例を示す図である。コンピュータとしてのシステム制御部43は、記憶部42に記憶されたサーバ処理プログラムに従って後述する処理を実行する。このような処理において、システム制御部43は、図4(B)に示すように、情報取得部43a、事象存在判定部43b、処理部43c、情報特定部43d、及び条件判定部43e等として機能する。なお、情報取得部43aは、本発明における取得手段の一例である。事象存在判定部43bは、本発明における判定手段の一例である。処理部43cは、本発明における処理手段の一例である。情報特定部43dは、本発明における特定手段の一例である。条件判定部43eは、本発明における条件判定手段の一例である。
【0046】
情報取得部43aは、電子マネーカード1の非接触ICチップ1aから携帯端末3を介して送信されたログデータを取得する。このログデータにより、電子マネーサーバ4を管理する事業者側でまだ把握されていない事象を、より早い時期に把握することができる。事象存在判定部43bは、電子マネーサーバ4がログデータベース42cを用いて管理しているログデータと、情報取得部43aにより取得されたログデータとに基づいて、電子マネーサーバ4がまだ管理していないログデータに対応する事象(例えば、取引またはチャージ)が存在するか否かを判定する。つまり、上述した取引またはチャージの事実があったか否かが判定される。例えば、事象存在判定部43bは、例えば、情報取得部43aにより取得されたログデータに含まれる電子マネー番号をキーとして、当該電子マネー番号が含まれるログデータをログデータベース42cから取得する。そして、事象存在判定部43bは、非接触ICチップ1aから取得された(つまり、情報取得部43aにより取得された)ログデータのうち、ログデータベース42cから取得されたログデータの中に含まれているログデータがあるか否かを、例えばログデータの内容を比較することで判定する。
【0047】
図5は、非接触ICチップ1aから取得されたログデータの内容と、ログデータベース42cから取得されたログデータの内容の一例を示す図である。図6は、非接触ICチップ1aから取得されたログデータの内容と、ログデータベース42cから取得されたログデータの内容の他の例を示す図である。なお、図5及び図6の例に示す「入金」は取引金額を示し、「出金」はチャージ金額を示し、「残高」は取引後またはチャージ後の残高を示す。図5の例では、非接触ICチップ1aから取得されたログデータの全てが、ログデータベース42cから取得されたログデータの中に含まれていないと判定される。この場合、非接触ICチップ1aから取得されたログデータは、電子マネーサーバ4によりまだ管理されていないログデータである。そのため、事象存在判定部43bは、電子マネーサーバ4がまだ管理していないログデータに対応する事象(例えば、取引またはチャージ)が存在すると判定する。なお、非接触ICチップ1aから取得されたログデータの一部のみが、ログデータベース42cから取得されたログデータの中に含まれていないと判定される場合もある。この場合、非接触ICチップ1aから取得された当該一部のログデータに対応する事象が、電子マネーサーバ4がまだ管理していないログデータに対応する事象ということになる。
【0048】
一方、図6の例でも、非接触ICチップ1aから取得されたログデータの全てが、ログデータベース42cから取得されたログデータの中に含まれていないと判定されるが、この場合、非接触ICチップ1aにおいて記憶件数の制限のために削除されたログデータが存在する。このように削除されたログデータは、非接触ICチップ1aから取得されない。このように削除されたログデータに対応する事象は、非接触ICチップ1aから取得されたログデータに対応する事象以外の事象ではあるが、電子マネーサーバ4がまだ管理していないログデータに対応する事象である。事象存在判定部43bは、電子マネーサーバ4がまだ管理していないログデータに対応する事象として、非接触ICチップ1aから取得されたログデータに対応する事象以外の事象(つまり、非接触ICチップ1aにおいて削除されたログデータに対応する事象)が存在するか否かを判定(推定)することができる。例えば、図6に示すように、各ログデータに通し番号が含まれている場合、この通し番号の連続性を利用して、抜けているログデータに対応する事象が推定される。図6の例では、通し番号No.8とNo.11との間に、No.9とNo.10のログデータが抜けており、No.9とNo.10のログデータに対応する事象の存在が推定される。また、図6に示すように、各ログデータに事象後の残高が含まれている場合、この残高の推移を利用して、抜けているログデータに対応する事象が推定される。図6の例では、通し番号No.8のログデータ(電子マネーサーバ4が管理している最新のログデータ)の事象後の残高が¥5,000であり、通し番号No.11のログデータ(非接触ICチップ1aから取得された最古のログデータ)の取引金額が¥2,000円(出金)で取引後の残高が¥4,000である。この場合、電子マネーサーバ4が管理している最新のログデータに対応する取引より後、非接触ICチップ1aから取得された最古のログデータに対応する取引より前に、少なくとも1回の取引の存在と、少なくとも¥1,000円分の利用の事実とが推定される。
【0049】
そして、処理部43cは、事象存在判定部43bにより上記事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提とする処理を行う。通常、電子マネーサーバ4により管理されているログデータに対応する事象に基づいて所定の情報の登録または情報の提供等の処理が行われるが、本実施形態における処理部43cは、電子マネーサーバ4によりまだ管理されていないが将来的に決済端末2から送られてくるであろうログデータ(つまり、非接触ICチップ1aから取得されたログデータ)に対応する事象をも考慮して上記処理を行う。ここで、事象の存在を前提する処理の例として、事象存在判定部43bにより判定された事象の存在を前提として所定の条件が満たされる場合に電子マネーカード1(非接触ICチップ1a)のユーザに提供可能となる提供情報を当該ユーザへ提供する処理がある。この処理は、言い換えれば、事象存在判定部43bにより判定された事象の存在を前提とすることで初めて電子マネーカード1(非接触ICチップ1a)のユーザに提供可能となる提供情報を当該ユーザに提供するための処理である。これにより、従来は提供し得なかったタイミングで、ユーザへ提供情報を提供することが可能となる。つまり、従来は、所定の条件を既に満たしているにもかかわらず、データ処理上の都合(例えば、決済サービスを提供する事業者側の都合)でユーザへ提供し得なかった情報を、本実施形態によれば、いち早くユーザへ提供することが可能となる。
【0050】
また、所定の条件の例としては、例えば特典情報の提供可否の条件、キャンペーンへの適用可否の条件等が挙げられる。より具体的には、期間、場所、回数、及び金額の少なくとも何れか一つの条件が設定される。例えば、「直近xヶ月以内に(期間)、店舗xxで(またはx店以上の数の店舗で)(場所)、x回取引があった(またはx回チャージがあった)(回数)」という条件αが設定される。或いは、「直近xヶ月以内に(期間)、店舗xxで(またはx店以上の数の店舗で)(場所)、x円分の取引があった(またはx円分のチャージがあった)(金額)」という条件βが設定される。
【0051】
情報特定部43dは、上記所定の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報を特定する。例えば、上記条件αの場合、情報特定部43dは、非接触ICチップ1aから取得されたログデータと、ログデータベース42cから取得されたログデータとに基づいて、上記十分な情報として「期間、場所、及び回数」を集計して特定する。そして、条件判定部43eは、情報特定部43dにより特定された内容に基づいて、上記所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0052】
ところで、事象存在判定部43bにより判定された上記事象(つまり、非接触ICチップ1aから取得されたログデータ)の存在を前提としても所定の条件が満たされない場合がある。この場合には、例えば、所定の条件を満たすためには、あと1回分の取引またはチャージの存在が必要である場合(つまり、不足回数が1である場合)や、あと¥1,000分の取引またはチャージの存在が必要である場合(つまり、不足金額が1,000円である場合)が考えられる。このように上記所定の条件の判定に必要な場合(つまり、満たすための条件の要素が不足する場合)に限り、事象存在判定部43bは、非接触ICチップ1aから取得されたログデータに対応する事象以外の事象が存在するか否かを判定するとよい。これにより、ログデータに対応する事象以外の事象が存在するかを推定するための処理負荷を低減することができる。また、ログデータに対応する事象以外の事象は、上述したように、非接触ICチップ1aにおいて削除されたログデータに対応する事象であるため、システム制御部43が当該事象の具体的内容を特定することができない。そのため、情報特定部43dは、例えば、上述したように、非接触ICチップ1aから取得されたログデータと、ログデータベース42cから取得されたログデータの通し番号と事象後の残高との少なくとも何れか一方に基づいて(上述したように、通し番号の連続性または事象後の残高の推移を利用して)、上記所定の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報(例えば、取引またはチャージがあった回数が不足回数以上であるという命題が真であること、或いは取引またはチャージの金額が不足金額以上であるという命題が真であること)を特定する。これにより、所定の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報を適切に特定することができる。そして、条件判定部43eは、情報特定部43dにより特定された内容に基づいて、上記所定の条件を満たすか否かを判定する。これにより、非接触ICチップ1aにおいて削除されたログデータに対応する事象をも前提として条件判定を行うことができる。
【0053】
また、処理部43cは、事象存在判定部43bにより判定された上記事象の存在を前提としても所定の条件が満たされない場合に、当該事象の存在を前提として当該所定の条件を満たすために必要になる事項を示す情報をユーザへ提供する処理を行うように構成してもよい。例えば、所定の条件を満たすためにはあと1回分の取引またはチャージの存在が必要である場合、処理部43cは、例えば、「あと1回取引またはチャージすれば特典情報の提供可否の条件を満たす」旨の情報を、上記必要になる事項を示す情報としてユーザへ提供する。これにより、電子マネーカード1が利用される取引やチャージをユーザに促進させることができる。
[2.電子マネーシステムSの動作]
次に、本実施形態に係る電子マネーシステムSの動作について、図7及び図8等を用いて説明する。図7は、電子マネーシステムSにおいて行われる動作の一例を示すシーケンス図である。図8は、携帯端末2のディスプレイDにおける画面表示例を示す図である。
【0054】
図7において、先ず、ユーザが電子マネーカード1と携帯端末3とを近距離無線通信可能な距離範囲内に近接させ、操作部34から所定の指示(例えば、電子マネーカード1の残高の確認指示)を行うと、携帯端末3は、カメラ31を起動させ、且つ、近距離無線通信部36を介して電子マネーカード1にログデータを要求(本実施例では、readコマンドによる)する(ステップS1)。電子マネーカード1の非接触ICチップ1aは、ログデータ要求に応じて、記憶部に記憶されたログデータと共に電子マネー番号を読み出し携帯端末3へ送信する(ステップS2)。
【0055】
携帯端末3は、電子マネーカード1からのログデータと共に電子マネー番号を取得する。なお、携帯端末3は、ログデータ要求とは別に、電子マネーカード1に残高データを要求し、当該残高データを電子マネーカード1から取得してもよい。次いで、携帯端末3は、取得したログデータに含まれる残高(または残高データが示す残高)と、所望の情報種別を決定することをユーザに促す情報とをディスプレイD上に表示する(ステップS3)。図8の例では、図8(B)に示す基本ポジションに合せるため、ユーザは、例えば、電子マネーカード1の縁が、ディスプレイDに表示された枠aと枠bとの間の領域に収まるように、電子マネーカード1と携帯端末3との相対的位置関係を調整する。次に、ユーザは、所望の情報種別に対応するように、電子マネーカード1と携帯端末3との相対的位置関係を変化させる。例えば、ユーザは、クーポン等の特典情報を表示させたい場合、電子マネーカード1の縁が、ディスプレイDに表示された枠a内の領域に収まるように(図8(A))、電子マネーカード1と携帯端末3とを垂直方向に遠ざける。一方、例えば、ユーザは、ログデータの内容を表示させたい場合、電子マネーカード1の縁が、ディスプレイDに表示された枠bと枠cとの間の領域に収まるように(図8(C))、電子マネーカード1と携帯端末3とを垂直方向に近づける。このように、電子マネーカード1と携帯端末3との相対的位置関係が変更されると、携帯端末3は、上述したように、カメラ31から取り込まれた一連の画像を構成する基準画像から注目部分を決定し、決定した注目部分が基準画像に後続する複数の比較画像のいずれかにおいて変位したことを示す第1の変位事象、または第2の変位事象を検出する(ステップS4)。
【0056】
そして、例えば、図8(A)または(C)に示すように、電子マネーカード1と携帯端末3との相対的位置関係を変更した後、例えばディスプレイDの画面上でタップすると、携帯端末3は、上記検出した第1の変位事象または第2の変位事象に対応する情報種別を設定する(ステップS5)。そして、携帯端末3は、近距離無線通信部36を介して電子マネーサーバ4へアクセスして、電子マネーカード1から取得された電子マネー番号、及び上記設定した情報種別を示す情報を当該電子マネーサーバ4へ送信する(ステップS6)。ここで、第1の変位事象が設定された場合、上記設定した情報種別を示す情報等と共に、上記電子マネーカード1から取得されたログデータが電子マネーサーバ4へ送信される。
【0057】
電子マネーサーバ4は、携帯端末3からの電子マネー番号及び情報種別を示す情報を取得すると、当該情報種別が特典情報を示すか否かを判定する(ステップS7)。そして、当該情報種別が特典情報を示さないと判定された場合(ステップS7:NO)、電子マネーサーバ4は、取得した電子マネー番号が含まれるログデータをログデータベース42cから取得し(ステップS8)、当該ログデータを提供情報として携帯端末3へ送信する(ステップS9)。そして、携帯端末3は、電子マネーサーバ4からのログデータを取得すると、当該取得したログデータと、電子マネーカード1から取得されたログデータとを統合して、ディスプレイD上に表示する(ステップS10)。例えば、図5に示すNo.1〜14のログデータの一覧が表示される。一方、上記情報種別が特典情報を示すと判定された場合(ステップS7:YES)、電子マネーサーバ4は、事象存在判定及び情報提供処理を実行する(ステップS11)。
【0058】
図9は、事象存在判定及び情報提供処理の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、電子マネーサーバ4は、上述したように、電子マネーサーバ4が管理しているログデータと、電子マネーカード1から携帯端末3を介して取得されたログデータとに基づいて、電子マネーサーバ4がまだ管理していないログデータに対応する事象が存在するか否かを事象存在判定部43bにより判定する(ステップS111)。なお、このステップS111では、電子マネーカード1から携帯端末3を介して取得されたログデータに対応する事象以外の事象が存在するか否かの判定は行われないように設定されることが望ましい。そして、電子マネーサーバ4がまだ管理していないログデータに対応する事象が存在しないと判定された場合(ステップS111:NO)、電子マネーサーバ4が管理しているログデータに対応する事象に基づく情報提供処理が行われる(ステップS112)。
【0059】
一方、電子マネーサーバ4がまだ管理していないログデータに対応する事象が存在すると判定された場合(ステップS111:YES)、電子マネーサーバ4は、特典情報の提供可否の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報を、電子マネーサーバ4が管理しているログデータと、電子マネーカード1から取得されたログデータとに基づいて、上述したように特定する(ステップS113)。次いで、電子マネーサーバ4は、ステップS103で特定された内容に基づいて、特典情報の提供可否の条件を満たすか否かを条件判定部43eにより判定する(ステップS114)。そして、上記判定された事象の存在を前提として特典情報の提供可否の条件を満たすと判定された場合(ステップS114:YES)、電子マネーサーバ4は、当該条件に応じた特定情報を提供情報として携帯端末3へ送信する(ステップS115)。
【0060】
一方、特典情報の提供可否の条件を満たさないと判定された場合(ステップS114:NO)、電子マネーサーバ4は、上述したように、電子マネーカード1から取得されたログデータに対応する事象以外の事象が存在するか否かを判定する(ステップS116)。そして、電子マネーカード1から取得されたログデータに対応する事象以外の事象が存在すると判定された場合(ステップS116:YES)、ステップS117へ進む。一方、電子マネーカード1から取得されたログデータに対応する事象以外の事象が存在しないと判定された場合(ステップS116:NO)、ステップS119へ進む。
【0061】
ステップS117では、電子マネーサーバ4は、上述したように、電子マネーサーバ4が管理しているログデータと、電子マネーカード1から取得されたログデータの通し番号と事象後の残高との少なくとも何れか一方に基づいて、特典情報の提供可否の条件を満たすか否かを判定するために十分な情報を特定する。次いで、電子マネーサーバ4は、ステップS117で特定された内容に基づいて、特典情報の提供可否の条件を満たすか否かを条件判定部43eにより判定する(ステップS118)。特典情報の提供可否の条件を満たすと判定された場合(ステップS118:YES)、当該条件に応じた特定情報が提供情報として携帯端末3へ送信される(ステップS115)。一方、特典情報の提供可否の条件を満たさないと判定された場合(ステップS118:NO)、ステップS119へ進む。そして、ステップS119では、電子マネーサーバ4は、特典情報の提供可否の条件を満たすために必要になる事項を示す情報を、携帯端末3へ送信する。そして、携帯端末3は、電子マネーサーバ4からの特典情報または必要になる事項を示す情報を取得すると、当該特典情報または必要になる事項を示す情報をディスプレイD上に表示する(ステップS12)。以上のように、ユーザが電子マネーカード1と携帯端末3との相対的位置関係の変化させることにより、特典情報の表示とログデータの内容の表示とが切り替えられる。
【0062】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、電子マネーサーバ4が管理しているログデータと、電子マネーカード1から取得されたログデータとに基づいて、電子マネーサーバ4がまだ管理していないログデータに対応する事象が存在するか否かを判定し、当該事象が存在すると判定された場合、当該事象の存在を前提する処理を行うように構成したので、既に発生した事象であって電子マネーサーバ4を管理する事業者側でまだ管理されていない事象に応じた所定の処理を行うことができる。
【0063】
なお、電子マネーサーバ4は、決済端末2の例えばバッチ処理によって送信されたログデータを受信すると、当該ログデータと、電子マネーカード1から取得されたログデータとにおける事象後の残高の推移に基づいて、不適正な事象の有無をチェックする。例えば、決済端末2からのログデータにおける事象後の残高の推移と、電子マネーカード1から取得されたログデータとにおける事象後の残高の推移とが一致しない場合(つまり、残高の推移に矛盾がある場合)、電子マネーサーバ4は、そのような矛盾があるログデータを不適正な事象が有るログデータとして登録し、外部に警報出力する。これにより、不適正な電子マネーの利用(例えば、2重引き去り,不正引き去り)を、例えばユーザ等に知らせることが可能となる。
【0064】
また、上記実施形態では、ストアドバリュー型前払い式の電子マネーが用いられる電子マネーシステムSに対して本発明を適用した場合の例について説明したが、その他の情報処理システムに対して本発明を適用可能である。例えば、ストアドバリュー型後払い式の電子マネーが用いられるシステムに対しても本発明は適用可能である。ストアドバリュー型後払い式の電子マネーが用いられるシステムの例としては、与信枠(限度額)の残額(あるいは与信枠の消費額)やログデータをICモジュールに記録する方式のクレジットカードによる決済処理システムなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0065】
1 電子マネーカード
2 決済端末
3 携帯端末
4 電子マネーサーバ
41 通信部
42 記憶部
43 システム制御部
44 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9