(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動制限部材は、前記第2面の周縁から立設される外周壁部であって、前記第1面と前記第2面との間以外に設けられる外周壁部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係るトナー補給装置300を備える画像形成装置100について説明する。
図1は、画像形成装置100の構成を示す模式図である。なお、以下では、
図1において紙面に垂直な2方向をX方向と総称し、そのうちの一方をX1方向と称し、他方をX2方向と称する。また、X方向に垂直な方向である鉛直方向をZ方向と称し、Z方向のうちの上へ向かう方向をZ1方向と称し、下へ向かう方向をZ2方向と称する。また、X方向およびZ方向に垂直な2方向をY方向と総称し、そのうちの一方をY1方向と称し、他方をY2方向と称する。
【0020】
画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。画像形成装置100は、コピアモード(複写モード)、プリンタモード、およびファクシミリモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録媒体、メモリ装置を用いた外部機器などからの印刷ジョブの受信に応じて、図示しない制御ユニット部によって、印刷モードが選択される。
【0021】
画像形成装置100は、トナー像形成部20と、転写部30と、定着部40と、記録媒体供給部50と、排出部60と、図示しない制御ユニット部とを含む。トナー像形成部20は、感光体ドラム21b,21c,21m,21yと、帯電部22b,22c,22m,22yと、露光ユニット23と、現像装置200b,200c,200m,200yと、クリーニングユニット25b,25c,25m,25yと、トナー補給装置300b,300c,300m,300yとを含む。転写部30は、中間転写ベルト31と、駆動ローラ32と、従動ローラ33と、中間転写ローラ34b,34c,34m,34yと、ベルトクリーニングユニット35と、転写ローラ36とを含む。
【0022】
感光体ドラム21、帯電部22、現像装置200、クリーニングユニット25、トナー補給装置300、および中間転写ローラ34は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)、およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。本明細書中において、各色に応じて4つずつ設けられる各部材を区別する場合は、各部材を表す数字の末尾に各色を表すアルファベットを付して参照符号とし、各部材を総称する場合は、上記のように各部材を表す数字のみを参照符号とする。
【0023】
感光体ドラム21は、後述するように、その表面上にトナー像が形成され、このトナー像を中間転写ベルト31上に転写するものである。感光体ドラム21は、図示しない駆動部によって軸線回りに回転可能に支持され、図示しない導電性基体と、この導電性基体の表面に形成される光導電層とを含む。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などを挙げることができる。光導電層は、光を照射されることで導電性を示す材料によって形成される。感光体ドラム21としては、たとえば、アルミニウムで形成された円筒状部材(導電性基体)と、この円筒状部材の外周面上に形成される、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン(Se)、または有機光半導体(OPC)からなる薄膜(光導電層)とを含むものを用いることができる。
【0024】
帯電部22、現像装置200、およびクリーニングユニット25は、感光体ドラム21の回転方向回りに、この順序で配置され、帯電部22は、現像装置200およびクリーニングユニット25よりもZ方向下方に配置される。
【0025】
帯電部22は、感光体ドラム21表面を所定の極性および電位に帯電させる装置である。帯電部22は、感光体ドラム21に臨む位置に、感光体ドラム21の長手方向に沿って設置される。接触帯電方式の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面に接するように設置される。非接触帯電方式の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面から離隔するように設置される。
【0026】
帯電部22は、現像装置200、クリーニングユニット25などとともに、感光体ドラム21の周囲に設置される。帯電部22は、現像装置200、クリーニングユニット25などよりも、感光体ドラム21に近い位置に設置されることが好ましい。これによって、感光体ドラム21の帯電不良の発生を確実に防止することができる。
【0027】
帯電部22としては、ブラシ型帯電装置、ローラ型帯電装置、コロナ放電装置、イオン発生装置などを使用できる。ブラシ型帯電装置およびローラ型帯電装置は、接触帯電方式の帯電装置である。ブラシ型帯電装置には、帯電ブラシを用いるもの、磁気ブラシを用いるものなどがある。コロナ放電装置およびイオン発生装置は、非接触帯電方式の帯電装置である。コロナ放電装置には、ワイヤ状の放電電極を用いるもの、鋸歯状の放電電極を用いるもの、針状の放電電極を用いるものなどがある。
【0028】
露光ユニット23は、露光ユニット23から出射される光が、帯電部22と現像装置200との間を通過して感光体ドラム21の表面に照射されるように配置される。露光ユニット23は、帯電状態にある感光体ドラム21b,21c,21m,21y表面に、各色の画像情報に対応するレーザ光をそれぞれ照射することによって、感光体ドラム21b,21c,21m,21yそれぞれの表面に、各色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。露光ユニット23には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニット(LSU)を使用できる。露光ユニット23としては、LED(Light Emitting Diode)アレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットなどを用いてもよい。
【0029】
現像装置200は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像をトナーによって現像することで、感光体ドラム21上にトナー像を形成する装置である。現像装置200の詳細については後述する。
【0030】
クリーニングユニット25は、感光体ドラム21から中間転写ベルト31にトナー像が転写された後に、感光体ドラム21の表面に残留するトナー(廃トナー)を除去し、感光体ドラム21の表面を清浄化する。クリーニングユニット25は、感光体ドラム21に当接して廃トナーを掻き取る板状部材と、掻き取った廃トナーを回収する容器とを備える。
【0031】
トナー補給装置300は、現像装置200b,200c,200m,200yに設けられる各現像槽201の底部よりもZ方向上方、かつ感光体ドラム21b,21c,21m,21yよりもX2方向側に配置される。トナー補給装置300は、未使用のトナーを貯蔵し、このトナーを排出して、現像装置200へ供給する。トナー補給装置300の詳細については後述する。
【0032】
このようなトナー像形成部20によれば、帯電部22によって均一な帯電状態にある感光体ドラム21の表面に、露光ユニット23から画像情報に応じたレーザ光が照射されて静電潜像が形成され、この静電潜像に現像装置200からトナーが供給されることでトナー像が形成される。このトナー像は後述する中間転写ベルト31に転写される、トナー像が中間転写ベルト31に転写された後には、感光体ドラム21表面上の廃トナーは、クリーニングユニット25によって除去される。
【0033】
中間転写ベルト31は、感光体ドラム21のZ方向上方に配置される無端ベルト状部材である。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32と従動ローラ33とによって張架されてループ状の経路を形成し、
図1の矢符A1で示すように移動する。
【0034】
駆動ローラ32は、図示しない駆動部によってその軸線回りに回転可能に設けられる。駆動ローラ32は、その回転によって、中間転写ベルト31を矢符A1方向へ移動させる。従動ローラ33は、駆動ローラ32の回転に従動して回転可能に設けられ、中間転写ベルト31が弛まないように、中間転写ベルト31に一定の張力を発生させる。
【0035】
中間転写ローラ34は、中間転写ベルト31を介して感光体ドラム21に圧接し、かつ図示しない駆動部によってその軸線回りに回転可能に設けられる。中間転写ローラ34としては、たとえば、直径8mm〜10mmの金属(たとえば、ステンレス)ローラの表面に、導電性の弾性部材が形成されたものを用いることができる。中間転写ローラ34は、転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム21表面のトナー像を中間転写ベルト31に転写する機能を有する。
【0036】
転写ローラ36は、中間転写ベルト31を介して駆動ローラ32に圧接し、図示しない駆動部によって軸線回りに回転可能に設けられる。転写ローラ36と駆動ローラ32との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト31に担持されて搬送されるトナー像は、後述する記録媒体供給部50から送給される記録媒体に転写される。
【0037】
ベルトクリーニングユニット35は、中間転写ベルト31を介して従動ローラ33に対向し、中間転写ベルト31のトナー像担持面に接触するように設けられる。ベルトクリーニングユニット35は、記録媒体へのトナー像の転写後に、中間転写ベルト31表面の残留トナーを除去し回収するために設けられる。記録媒体へのトナー像の転写後に中間転写ベルト31上に残留トナーがあると、中間転写ベルト31の移動によって、残留トナーが転写ローラ36に付着し、この付着したトナーが、次に転写する記録媒体の裏面を汚染してしまうので、中間転写ベルト31の清浄化が必要となる。
【0038】
このような転写部30によれば、中間転写ベルト31が感光体ドラム21に接しながら移動するとき、中間転写ローラ34に、感光体ドラム21表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト31上へ転写される。感光体ドラム21y、感光体ドラム21m、感光体ドラム21c、感光体ドラム21bでそれぞれ形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト31上に、この順番で順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。中間転写ベルト31に転写されたトナー像は、中間転写ベルト31の移動によって転写ニップ部に搬送され、転写ニップ部において、記録媒体に転写される。トナー像が転写された記録媒体は、後述する定着部40に搬送される。
【0039】
記録媒体供給部50は、給紙ボックス51と、ピックアップローラ52と、搬送ローラ53と、レジストローラ54とを含む。給紙ボックス51は、画像形成装置100のZ方向下部に設けられ、画像形成装置100内部において記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体としては、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。
【0040】
ピックアップローラ52は、給紙ボックス51に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路A2に送給する部材である。搬送ローラ53は互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、用紙搬送路A2において記録媒体をレジストローラ54に向けて搬送する。レジストローラ54は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、搬送ローラ53から送給される記録媒体を、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
【0041】
このような記録媒体供給部50によれば、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、給紙ボックス51から記録媒体が転写ニップ部に送給され、この記録媒体にトナー像が転写される。
【0042】
定着部40は、加熱ローラ41および加圧ローラ42を備える。加熱ローラ41は、所定の定着温度となるように制御される。加圧ローラ42は、加熱ローラ41に圧接するローラである。加熱ローラ41は、加圧ローラ42とともに記録媒体を加熱しながら挟持することにより、トナー像を構成するトナーを溶融させて記録媒体上に定着させる。トナー像が定着した記録媒体は、排出部60に搬送される。
【0043】
排出部60は、搬送ローラ61と、排出ローラ62と、排出トレイ63とを含む。搬送ローラ61は、定着部40よりもZ方向上方において、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。搬送ローラ61は、画像が定着した記録媒体を排出ローラ62に向けて搬送する。
【0044】
排出ローラ62は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。排出ローラ62は、印刷が完了した記録媒体を排出トレイ63に排出する。排出トレイ63は、画像形成装置100のZ方向上面に設けられ、画像が定着した記録媒体を貯留する。
【0045】
画像形成装置100は、図示しない制御ユニット部を含む。制御ユニット部は、たとえば、画像形成装置100の内部空間におけるZ方向上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。記憶部には、画像形成装置100のZ方向上面に配置される図示しない操作パネルを介した各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、記憶部には、各種処理を実行するプログラムが書き込まれる。各種処理とは、たとえば、記録媒体判定処理、付着量制御処理、定着条件制御処理などである。
【0046】
記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気、電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機器、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)レコーダ、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。
【0047】
演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種処理のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて画像形成装置100に設けられる各装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。
【0048】
制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御ユニット部は、この処理回路とともに主電源を含み、電源は制御ユニット部だけでなく、画像形成装置100に設けられる各装置にも電力を供給する。
【0049】
次に、現像装置200の詳細な構成を説明する。
図2は、現像装置200の構成を示す模式図である。
図3は、
図2に示す線III−IIIを切断面線とする現像装置200の断面図である。
図4は、
図2に示す線IV−IVを切断面線とする現像装置200の断面図である。
【0050】
現像装置200は、感光体ドラム21の表面にトナーを供給することで、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像する装置である。現像装置200は、現像槽201と、第1搬送部材202と、第2搬送部材203と、現像ローラ204と、現像槽カバー205と、ドクターブレード206と、隔壁207と、トナー濃度検知センサ208とを含む。
【0051】
現像槽201は、側壁部201a,201bと底壁部201cとによって内部空間が形成される部材であり、この内部空間にトナーとキャリアとからなる2成分現像剤を貯留する。側壁部201a,201bと底壁部201cとは一体成形されていてもよいし、別部材であってもよい。現像槽201は、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)などの樹脂材料から形成される。なお、本発明において用いられる現像剤としては、トナーのみからなる1成分現像剤であっても、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤であってもよい。
【0052】
現像槽201には、Z方向上方に現像槽カバー205が設けられ、内部空間に、第1搬送部材202、第2搬送部材203、現像ローラ204、ドクターブレード206、および隔壁207が設けられる。また、現像槽201のZ方向下部(底部)には、トナー濃度検知センサ208が設けられる。
【0053】
現像槽201は、感光体ドラム21と現像ローラ204との間に開口部が設けられる。現像ローラ204は、マグネットローラを含み、現像槽201内の2成分現像剤を表面に担持して、担持した2成分現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム21へ供給する。現像ローラ204には、図示しない電源が接続され、現像バイアス電圧が印加される。現像ローラ204に担持されたトナーは、感光体ドラム21近傍において、現像バイアス電圧による静電気力によって、感光体ドラム21へ移動する。
【0054】
ドクターブレード206は、現像ローラ204の軸線方向に延びる矩形板状部材であり、その幅方向の一端が現像槽201に固定され、かつ他端が現像ローラ204の表面に対して間隔を空けて設けられる。ドクターブレード206と現像ローラ204との間隔(ドクターギャップ)は、たとえば0.4mm〜2.0mmである。ドクターブレード206は、現像ローラ204の表面に対して間隔を空けて設けられることで、現像ローラ204に担持される現像剤の量を所定量に規制する。ドクターブレード206の材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、合成樹脂などが挙げられる。
【0055】
隔壁207は、現像槽201の幅方向略中央部において、現像槽201の長手方向に沿って延びる形状の部材である。隔壁207は、現像槽201の底壁部201cと現像槽カバー205との間にわたって設けられ、かつ、長手方向両端部が現像槽201の側壁部201a,201bから離間するように設けられる。隔壁207によって、現像槽201の内部空間は、第1搬送路Pと、第2搬送路Qと、第1連通路Rと、第2連通路Sとに区分されている。
【0056】
第2搬送路Qは、隔壁207の長手方向に沿って延びる略半円柱状の空間であって、現像ローラ204に臨む空間である。第1搬送路Pは、隔壁207の長手方向に沿って延びる略半円柱状の空間であって、隔壁207を挟んで第2搬送路Qに対向する空間である。第1連通路Rは、隔壁207の長手方向一端部207a側において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する空間である。第2連通路Sは、隔壁207の長手方向他端部207b側において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する空間である。
【0057】
現像槽カバー205は、現像槽201のZ方向上方に着脱自在に設けられ、トナー受入口500aが形成される移動制限部材500を備える。トナー受入口500aは、トナー補給装置300から排出されるトナーを現像槽201内へ受け入れるための開口であり、トナー補給装置300に収容されているトナーは、このトナー受入口500aを経て、現像槽201内に供給される。トナー受入口500aは、第2連通路Sに臨んで常に開放される。なお、現像槽カバー205に、トナー受入口500aを開閉するシャッタ部材を設けてもよい。移動制限部材500については、後に詳述する。
【0058】
第1搬送部材202は、第1搬送路P内に設けられる。第1搬送部材202は、隔壁207の長手方向他端部207b側から長手方向一端部207a側へ向けて、すなわち、X1方向に、現像槽201内の現像剤を搬送する。
【0059】
第1搬送部材202は、回転軸部材202aと、螺旋羽根202bと、ギア202cとを含むオーガスクリュー状部材である。回転軸部材202aは、直径4mm〜10mmの円柱状部材であり、X1方向端部において、ギア202cと接続される。回転軸部材202aは、現像槽201の側壁部201aに固定される図示しない軸受および現像槽201の側壁部201bに固定される図示しない軸受によって、軸線まわりに回転自在に支持される。回転軸部材202aの側面には、この側面を螺旋状に取り巻く形状の部材である螺旋羽根202bが設けられる。
【0060】
回転軸部材202a、螺旋羽根202b、およびギア202cは、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタールなどの樹脂材料から形成される。また、回転軸部材202aは、SUSやSUMなどの金属材料から形成されてもよい。回転軸部材202aおよび螺旋羽根202bは、同一の材料から一体成形されることが好ましい。
【0061】
このような第1搬送部材202は、画像形成装置100が備える図示しないモータなどの回転駆動源によって、ギア202cを介して、回転軸部材202aの軸線まわりに、150rpm〜600rpmで回転する。このとき、螺旋羽根202bが回転軸部材202aの軸線を中心として回転運動する。具体的には、螺旋羽根202bのZ方向最上部に位置する部分が、隔壁207から遠ざかり、現像槽201の底壁部201cに近づく回転方向に回転運動する。このような回転運動の結果、第1搬送路Pに貯留される現像剤は、X1方向に搬送される。上述したように、トナー受入口500aは、第2連通路Sに臨んで形成されるので、トナー補給装置300内の未使用のトナーは、まず、第2連通路Sに供給され、その後、第1搬送部材202によって、第1搬送路PをX1方向に搬送されることになる。
【0062】
第2搬送部材203は、第2搬送路Q内に設けられる。第2搬送部材203は、隔壁207の長手方向一端部207a側から長手方向他端部207b側へ向けて、すなわち、X2方向に、現像槽201内の現像剤を搬送する。
【0063】
第2搬送部材203は、回転軸部材203aと、螺旋羽根203bと、ギア203cとを含むオーガスクリュー状部材である。回転軸部材203aは、直径4mm〜10mmの円柱状部材であり、X1方向端部において、ギア203cと接続される。回転軸部材203aは、現像槽201の側壁部201aに固定される図示しない軸受および現像槽201の側壁部201bに固定される図示しない軸受によって、軸線まわりに回転自在に支持される。回転軸部材203aの側面には、この側面を螺旋状に取り巻く形状の部材である螺旋羽根203bが設けられる。
【0064】
回転軸部材203a、螺旋羽根203b、およびギア203cは、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタールなどの樹脂材料から形成される。また、回転軸部材203aは、SUSやSUMなどの金属材料から形成されてもよい。回転軸部材203aおよび螺旋羽根203bは、同一の材料から一体成形されることが好ましい。
【0065】
このような第2搬送部材203は、画像形成装置100が備える図示しないモータなどの回転駆動源によって、ギア203cを介して、回転軸部材203aの軸線まわりに、150rpm〜600rpmで回転する。このとき、螺旋羽根203bが回転軸部材203aの軸線を中心として回転運動する。具体的には、螺旋羽根203bのZ方向最上部に位置する部分が、隔壁207から遠ざかり、現像槽201の底壁部201cに近づく回転方向に回転運動する。このような回転運動の結果、第2搬送路Qに貯留される現像剤は、X2方向に搬送される。
【0066】
トナー濃度検知センサ208は、現像槽201の底部において、第2搬送部材203のZ方向下方に装着され、センサ面が第2搬送路Qに露出するように設けられる。トナー濃度検知センサ208は、検知結果が所定の設定値よりも低いか否かを判断し、低いと判断された場合、画像形成装置100の図示しない制御部は、トナーが少なくなったことをユーザに報知する。
【0067】
トナー濃度検知センサ208としては、一般的なトナー濃度検知センサを使用でき、たとえば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサなどを使用できる。これらのトナー濃度検知センサの中でも、透磁率検知センサを使用することが好ましい。透磁率検知センサとしては、たとえば、TS−L(商品名、TDK株式会社製)、TS−A(商品名、TDK株式会社製)、TS−K(商品名、TDK株式会社製)などが挙げられる。
【0068】
このように構成される現像装置200によれば、現像槽201内において、2成分現像剤は循環搬送され、循環搬送される2成分現像剤のうちの一部は、第2搬送路Qにおいて、現像ローラ204の表面に担持され、担持された2成分現像剤中のトナーは、感光体ドラム21へと移動して順次消費される。所定量のトナーが消費されたことをトナー濃度検知センサ208が検知すると、トナーが少なくなったことがユーザに報知され、ユーザによってトナー補給装置300の交換が行われる。
【0069】
次に、トナー補給装置300および移動制限部材500について説明する。
図5は、画像形成装置100内に並んで配置されるトナー補給装置300b,300c,300m,300yの正面図である。
図6は、
図5に示す線VI−VIを切断面線とする端面図である。
図7は、トナー補給装置300の斜視図である。
図8は、トナー補給装置300の側面図である。
図9は、トナー補給装置300が備える開口形成部302、シャッタ部303、および第2係合部305の斜視図である。
図10は、移動制限部材500の斜視図である。
図10(a)と
図10(b)とは、互いに異なる方向に移動制限部材500を見たものである。
図11は、トナー補給装置300が、回転移動によって位置を変化させたときの回転前後の様子を示す図である。
図12は、
図11に対応し、トナー補給装置300の一部を示す図である。
【0070】
トナー補給装置300は、トナー収容部301と、開口形成部302と、シャッタ部303と、2つの第1係合部304と、第2係合部305とを備え、支持部材400によって着脱可能に支持される。支持部材400は、トナー補給装置300b,300c,300m,300yにわたって設けられる平板部401と、第1支持片4021bおよび第2支持片4022bからなる1対の支持片402bと、第1支持片4021cおよび第2支持片4022cからなる1対の支持片402cと、第1支持片4021mおよび第2支持片4022mからなる1対の支持片402mと、第1支持片4021yおよび第2支持片4022yからなる1対の支持片402yとを備える。
【0071】
平板部401は、Y方向およびZ方向に延びる矩形平板状部材であり、画像形成装置100内において、現像装置200よりもX1方向側に固定される。平板部401のZ1方向端部は、トナー補給装置300のZ1方向端部よりも、Z1方向側に位置する。
【0072】
1対の支持片402b,402c,402m,402yは、互いに同様に構成されるので、互いに共通する構成については、1対の支持片402と称して説明する。また、第1支持片4021b,4021c,4021m,4021yおよび第2支持片4022b,4022c,4022m,4022yについても同様とする。
【0073】
図6は、平板部401および第1支持片4021(4021b)の断面を示している。第1支持片4021は、Y方向に延びる5角形柱状の部材に第1切欠き部4023および第2切欠き部4024を設けた部材である。この5角形柱状の部材の軸線方向長さは、たとえば、5mm〜10mmである。
【0074】
第1切欠き部4023は、Y方向に延びる矩形柱状の空間を規定する。この矩形柱状の空間は、第1支持片4021の内方から、Y1方向端まで延び、かつY方向に垂直な一方向(
図6に示す矢符M方向)の端まで延びる。第2切欠き部4024は、Y方向に延びる円柱状の空間を規定する。この円柱状の空間は、第1切欠き部4023が規定する矩形の一辺を、直径L1よりも小さい長さL2の弦とする円柱状の空間であり、この円柱状の空間の、この弦よりも径方向外方の部分は、第1切欠き部4023が規定する矩形柱状の空間の一部である。この円柱状の空間は、第1支持片4021のY1方向端まで延び、この円柱状の空間のY方向長さは、第1切欠き部4023が規定する矩形柱状の空間のY方向長さと等しい。
【0075】
第2支持片4022は、第1支持片4021の鏡像体状に構成される部材である。すなわち、第2支持片4022は、Y方向に延びる5角形柱状の部材に、Y方向に延びる矩形柱状の空間を規定する第1切欠き部およびY方向に延びる円柱状の空間を規定する第2切欠き部を設けた部材であり、この矩形柱状の空間は、第2支持片4022の、Y2方向端まで延び、かつY方向に垂直な一方向(
図6に示す矢符M方向)の端まで延び、この円柱状の空間はY2方向端まで延びる。また、第1支持片4021の重心と第2支持片4022の重心とを結ぶ線分は、Y方向に延びる。第1支持片4021と第2支持片4022とは、この線分を垂直に2等分する仮想平面を挟んで、互いに鏡像関係にある。
【0076】
第1支持片4021および第2支持片4022は、たとえば、ポリスチレンなどの材料から形成される。平板部401は、たとえば、ポリスチレンなどの材料から形成される。
【0077】
第1支持片4021bと第2支持片4022cとは隣接し、第1支持片4021cと第2支持片4022mとは隣接し、第1支持片4021mと第2支持片4022yとは隣接する。このように隣接する第1支持片4021と第2支持片4022とは、一体成形されてもよい。また、第1支持片4021および第2支持片4022と、平板部401とは、一体成形されてもよい。
【0078】
図7および
図8に示すトナー収容部301は、内部空間を形成し、該内部空間にトナーを収容する。なお、トナー収容部301は、トナーとともにキャリアを収容していてもよい。
【0079】
トナー収容部301は、Y方向における2つの側面3011,3012が、互いに平行になるように設けられている。トナー収容部301は、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタールなどの樹脂材料から形成される。
【0080】
図7、
図8、および
図11に示す第1係合部304は、柱状部材であり、トナー収容部301に固定される。より具体的には、第1係合部304は、トナー収容部301の側面3011,3012に垂直に連なって延びる。第1係合部304は、支持部材400の第2切欠き部4024が規定する円と同じ直径L1を有する仮想的な円を、互いに平行な2つの弦で切断し、この弦よりも径方向外方の部分を取り除いた形状の底面を有する柱状部材であり、Y方向に延びる2つの平面部3041を有する。ここで、この仮想的な円を底面としてY方向に延びる柱体の中心軸線を、第1係合部304の中心軸線S
1とする。2つの第1係合部304の中心軸線S
1は互いに一致する。
【0081】
図11に示すように、平面部3041は、トナー収容部301の前面3013および背面3014に平行である。また、
図11に示す平面部3041間の距離L3は、支持部材400の第1切欠き部4023が規定する矩形の長さL2と等しい。なお、第1係合部304は、このような形状の部材よりもわずかに小さい部材であってもよい。
【0082】
このように構成される第1係合部304を備えるトナー補給装置300は、支持部材400の第1切欠き部4023が規定する矩形柱状の空間が延びる方向である矢符M方向に第1係合部304の平面部3041が沿うような姿勢で、矢符M方向とは逆の矢符N方向に、第1係合部304と固定されるトナー収容部301をスライド移動させることで、2つの第1係合部304を第1支持片4021および第2支持片4022に係合させ、支持部材400に装着することができる。装着の結果、トナー補給装置300は支持部材400に支持される。
図11(a)は、トナー補給装置300の装着直後の状態を示している。この状態からトナー収容部301を矢符M方向にスライド移動させることで、トナー補給装置300を支持部材400から離脱させることができる。
【0083】
トナー収容部301を矢符M方向にスライド移動させ始めてから
図11(a)に示す状態になるまでの間、第1係合部304の平面部3041は、第1切欠き部4023の面に接するか、または近接しており、第1係合部304は中心軸線S
1まわりにほとんど回転できなくなっている。すなわち、第1切欠き部4023は、第1係合部304の中心軸線S
1まわりの回転を制限する回転制限部となっている。
【0084】
図11(a)に示す状態では、第1係合部304は、第2切欠き部4024に囲まれており、中心軸線S
1まわりの回転方向Gに回転することができる。すなわち、第2切欠き部4024は、第1係合部304の中心軸線S
1まわりの回転を許容する回転許容部となっている。第1係合部304が回転することで、第1係合部304が固定されるトナー収容部301も回転する。
図11(b)は、トナー収容部301の回転後の状態を示している。第1係合部304およびトナー収容部301の回転方向Gへの回転によって、第1係合部304およびトナー収容部301は、平面部3041ならびに前面3013および背面3014がZ方向に沿う姿勢となる。
【0085】
図11(b)に示す状態では、トナー収容部301の背面3014と支持部材400の平板部401とが接触しており、トナー収容部301および第1係合部304の、回転方向Gへの回転が制限される。ただし、
図11(b)に示す状態では、回転方向Gの逆方向へトナー収容部301および第1係合部304を回転させ、
図11(a)の状態へ戻すことは可能である。なお、後述するように、
図11(a)に示す状態において、トナー収容部301は、シャッタ部303および移動制限部材500によって回転方向Gの逆方向への回転が制限される。
【0086】
以上のように、画像形成装置100では、トナー補給装置300に柱状の第1係合部304が設けられ、支持部材400に第1切欠き部4023および第2切欠き部4024を有する第1支持片4021が設けられており、第1係合部304と第1支持片4021とが係合するように構成されているが、このような形態でなくてもよい。たとえば、支持部材400に柱状部材を設け、かつトナー補給装置300に切欠き部を設け、この柱状部材とこの切欠き部とが係合するように構成されてもよい。また、第1係合部304および第1係合部304と係合する支持片は、それぞれ1つずつであってもよい。
【0087】
図9に示す開口形成部302は、トナー収容部301のZ2方向外端部に固定される。開口形成部302は、X方向およびY方向においてトナー収容部301よりも外方に延びている。開口形成部302は、その面方向中央部が第1係合部304の中心軸線S
1から遠ざかる方向に湾曲する曲板であり、たとえば、中心軸線S
1を中心軸線とする円筒を周方向に分割した形状の曲板である。
【0088】
開口形成部302には、その面方向中央部に、開口であるトナー排出口3021が形成される。トナー排出口3021は、トナー収容部301の内部空間と連通しており、このトナー排出口3021を介して、トナー収容部301内のトナーが外部へ排出される。より詳細には、トナー排出口3021は、開口形成部302によって規定され、外部に開放される空間であり、この空間とトナー収容部301の内部空間とが連通している。
【0089】
開口形成部302は、たとえば、ポリスチレンなどの材料から形成される。開口形成部302は、トナー収容部301と一体成形されてもよい。また、開口形成部302の、トナー収容部301とは反対側の表面(開口形成部302の外表面)には、トナーの流出を抑えるためのスポンジやモケットシートが貼り付けられてもよい。スポンジやモケットシートは、たとえば、ナイロンなどの合成繊維から形成される。
【0090】
シャッタ部303は、開口形成部302に対して相対的に移動可能に設けられ、トナー排出口3021に対する相対的位置が変化することで、該トナー排出口3021を開いたり閉じたりする。シャッタ部303は、開口形成部302の外表面に沿う形状の曲板である底壁部3031と、底壁部3031に連なる2つの側壁部3032と、底壁部3031および側壁部3032に連なる上壁部3033とを有する。底壁部3031は、たとえば、開口形成部302と同様に、中心軸線S
1を中心軸線とする円筒を周方向に分割した形状の曲板である。開口形成部302に対応する円筒と底壁部3031に対応する円筒とは、開口形成部302に対応する円筒の外表面が、底壁部3031に対応する円筒の内表面に接する、または近接するという関係が成り立つ。また、この円筒の中心軸線(中心軸線S
1)方向において、底壁部3031の内表面は、開口形成部302の外表面と同じ長さか、またはわずかに長く設けられる。また、この円筒の周方向において、底壁部3031の内表面は、開口形成部302の外表面と同じ長さか、またはわずかに長く設けられる。
【0091】
側壁部3032は、中心軸線S
1方向における、底壁部3031の両端部から、中心軸線S
1に向かって立設されている。
図9に示すように、側壁部3032には、底壁部3031の面方向内方に突出し、底壁部3031の面方向端部に臨む突起部30321がそれぞれ2つずつ設けられている。この突起部30321によって、シャッタ部303は、開口形成部302の外表面の法線方向への移動が制限される。より具体的には、
図9に示す状態では、各側壁部3032に2つ設けられる突起部30321と、底壁部3031との間に、開口形成部302の面方向端部が位置しており、これによって、シャッタ部303の、開口形成部302の外表面の法線方向への移動が制限される。
【0092】
上壁部3033は、底壁部3031の回転方向G後方端部から、中心軸線S
1に向かって立設されている。
図9に示す状態では、上壁部3033は、開口形成部302の回転方向G後方端部と接するか、または近接している。したがって、
図9に示す状態では、開口形成部302が固定されるトナー収容部301は、シャッタ部303に対して相対的に、回転方向Gの逆方向へ移動することが制限される。後述するように、シャッタ部303は、移動制限部材500によって回転方向Gおよびその逆方向への移動が制限されるので、結果として、
図9に示す状態において、トナー収容部301は、シャッタ部303によって回転方向Gの逆方向への回転が制限されることになる。
【0093】
シャッタ部303を構成する底壁部3031、側壁部3032、および上壁部3033は、たとえば、ポリスチレンなどの材料から形成される。底壁部3031、側壁部3032、および上壁部3033は、互いに一体成形されることが好ましい。
【0094】
第2係合部305は、シャッタ部303の底壁部3031の外表面(シャッタ部303の主面)の延在方向における該シャッタ部303の端部、より詳細には、シャッタ部303の回転方向G前方端部の一部分に固定され、該端部の一部分から回転方向G前方に突出する。第2係合部305は、たとえば、シャッタ部303の底壁部3031と同様に、中心軸線S
1を中心軸線とする円筒を周方向に分割した形状の曲板である。シャッタ部303の底壁部3031に対応する円筒と第2係合部305に対応する円筒とは、互いの直径が等しく、シャッタ部303の底壁部3031の内表面と第2係合部305の内表面とは滑らかに連なり、シャッタ部303の底壁部3031の外表面と第2係合部305の外表面とは滑らかに連なる。また、この円筒の中心軸線(中心軸線S
1)方向において、第2係合部305は、シャッタ部303の底壁部3031よりも短く設けられる。
【0095】
第2係合部305は、たとえば、ポリスチレンなどの材料から形成される。第2係合部305は、シャッタ部303と一体成形されてもよい。
【0096】
第2係合部305は、現像装置200の現像槽カバー205に固定される、
図10に示す移動制限部材500に嵌り込んで係合し、移動制限部材500によって回転方向Gへの移動が制限される。移動制限部材500は、第1面501aを含む第1面部501と、該第1面501aに隣接し、該第1面501aよりも中心軸線S
1に近い位置に設けられる第2面502aを含む第2面部502と、第1面部501に連なる上壁部503と、第2面部502に連なる外周壁部504とを有する。第2面部502には、現像装置200の現像槽201の内部空間と連通するトナー受入口500aが形成される。
【0097】
第1面部501は、たとえば、シャッタ部303の底壁部3031と同様に、中心軸線S
1を中心軸線とする円筒を周方向に分割した形状の曲板である。シャッタ部303の底壁部3031に対応する円筒と第1面部501に対応する円筒とは、シャッタ部303の底壁部3031に対応する円筒の外表面が、第1面部501に対応する円筒の内表面に接する、または近接するという関係が成り立つ。また、第1面部501の内表面である第1面501aは、シャッタ部303の底壁部3031の外表面(シャッタ部303の主面)と第2係合部305の外表面とを合わせたものと同じ形状か、またはわずかに大きく設けられる。
【0098】
第2面部502は、略C字状であり、第1面部501と連なることで、略矩形状のトナー受入口500aが形成される。上述したように、第2面部502の第2面502aは、第1面501aよりも中心軸線S
1に近い位置に設けられるので、第1面部501と第2面部502との連結部分では、段差が形成される。第2面部502において、この段差を形成する面のうち、回転方向G後方端に位置する面を第1段差形成面502bと称し、第2面502aの面方向内方に位置する面を第2段差形成面502cと称する。
【0099】
第2面部502は、たとえば、開口形成部302と同様に、中心軸線S
1を中心軸線とする円筒を周方向に分割した形状の曲板であり、より詳細には、この曲板に、略C字状となるように切欠きを形成したものである。開口形成部302に対応する円筒と第2面部502に対応する円筒とは、開口形成部302に対応する円筒の外表面が、第2面部502に対応する円筒の内表面に接する、または近接するという関係が成り立つ。また、後述するように、開口形成部302と第2面部502とが密接するとき、開口形成部302の外表面の面方向において、第2面部502の内表面である第2面502aは、面方向内方端が、開口形成部302の外表面の面方向内方端と重なるか、または、わずかに外方に位置し、面方向外方端が、開口形成部302の外表面の面方向外方端と重なるか、または、わずかに外方に位置する。
【0100】
上壁部503は、第1面部501の第1面501aの回転方向G後方端から、中心軸線S
1に向かって立設されている。外周壁部504は、第2面部502の第2面502aの外周縁端のうち、第1面501aと第2面502aとの間の部分以外の部分から、中心軸線S
1に向かって立設されている。
【0101】
移動制限部材500を構成する第1面部501、第2面部502、上壁部503、および外周壁部504は、たとえば、ポリスチレンなどの材料から形成される。第1面部501、第2面部502、上壁部503、および外周壁部504は、互いに一体成形されることが好ましい。また、第1面部501の第1面501aには、トナーの流出を抑えるためのスポンジやモケットシートが貼り付けられてもよい。スポンジやモケットシートは、たとえば、ナイロンなどの合成繊維から形成される。
【0102】
図11(a)および
図12(a)に示すように、支持部材400へのトナー補給装置300の装着前の状態から、トナー収容部301を矢符N方向にスライド移動させることで、第2係合部305が、第2面部502の、互いに対向する第2段差形成面502cの間に嵌り込み、これによって、第2係合部305が移動制限部材500に係合する。このとき、シャッタ部303の底壁部3031の外表面(シャッタ部303の主面)は、第1面部501の第1面501aに臨んで密接し、シャッタ部303の底壁部3031の回転方向G前方端部のうち、第2係合部305が固定されていない部分が、第2面部502の第1段差形成面502bに密接し、シャッタ部303の上壁部3033が、移動制限部材500の上壁部503に密接する。
【0103】
図11(a)および
図12(a)のように第2係合部305と移動制限部材500とが係合した後、トナー収容部301を回転方向Gに回転させると、第2係合部305および第2係合部305が固定されるシャッタ部303は移動制限部材500によって回転方向Gおよびその逆方向への移動が制限され、トナー収容部301および開口形成部302が回転方向Gへ移動し、その結果、
図11(b)および
図12(b)のように、シャッタ部303が、開口形成部302に形成されるトナー排出口3021に対して相対的に移動することになる。これにより、トナー排出口3021が閉じた状態から開いた状態へ変化し、現像装置200へのトナーの補給が可能となる。すなわち、
図11(b)および
図12(b)に示す状態は、トナー補給装置300のトナー補給可能状態である。なお、トナー排出口3021を閉じるには、
図11(b)に示す状態から、トナー収容部301を回転方向Gの逆方向へ回転させ、
図11(a)の状態へ戻せばよい。
【0104】
図11(b)および
図12(b)に示すトナー補給可能状態では、トナー補給装置300のトナー排出口3021と現像装置200のトナー受入口500aとは互いに連通する。この状態において、トナー排出口3021が形成される開口形成部302の外表面と、トナー受入口500aが形成される第2面部502の第2面502aとは、互いに密接し、その結果、トナー排出口3021とトナー受入口500aとは隣接する。上述したように、この状態では、開口形成部302の外表面の面方向において、第2面502aの面方向内方端は、開口形成部302の外表面の面方向内方端と重なるか、または、わずかに外方に位置し、第2面502aの面方向外方端は、開口形成部302の外表面の面方向外方端と重なるか、または、わずかに外方に位置するので、
図11(b)に示す状態、および、
図11(a)に示す状態から
図11(b)に示す状態へ変化するまでの状態において、トナー排出口3021は、シャッタ部303またはトナー受入口500aのみに臨むことになる。
【0105】
トナー受入口500aとトナー排出口3021とを近接させることができるのは、第2面502aが第1面501aよりも中心軸線S
1に近い位置に設けられるからである。また、トナー補給装置300では、第2係合部305がシャッタ部303の底壁部3031の回転方向G前方端部から突出し、移動制限部材500が、突出する第2係合部305が嵌り込むことで該第2係合部305と係合するので、移動制限部材500とトナー収容部301とが干渉しないように該移動制限部材500の中心軸線S
1に向かう方向の長さを小さくしても、第2係合部305と移動制限部材500とを確実に係合させることができ、第1係合部304およびトナー収容部301が回転するときに、第2係合部305と移動制限部材500との係合状態が解除され難くすることができ、スムーズにトナー排出口3021を開閉することができる。なお、トナー補給装置の第1の変形例として、シャッタ部303の底壁部3031の回転方向G前方端部の代わりに、またはともに、底壁部3031の回転方向G前方端部に、第2係合部305を設けてもよい。この第1の変形例では、第2係合部305が嵌合可能なように、移動制限部材500の上壁部503の中心軸線S
1方向中央部を、回転方向G後方側に凹ませる。このような第1の変形例によっても、第2係合部305と移動制限部材500とを確実に係合させることができる。
【0106】
以上のような構成により、トナー補給装置300では、トナー排出口3021から排出されるトナーがトナー受入口500a以外へ向かって移動して現像装置200上に堆積することが起こり難くなり、堆積するトナーの飛散による画像形成装置100の内部の汚染を防ぐことができる。なお、トナー補給装置300は現像装置200にトナーを直接補給しているが、現像装置200の、トナー受入口500a周囲の部分を、現像装置200とは別のトナー受入部材としてもよい。
【0107】
また、トナー補給装置300では、
図11(b)および
図12(b)に示すトナー補給可能状態において、開口形成部302の面方向端部は、移動制限部材500の外周壁部504に密接し、該外周壁部504に囲まれることになる。したがって、移動制限部材500の第2面部502の第2面502aに形成されるトナー受入口500aと開口形成部302に形成されるトナー排出口3021とが位置合わせされるので、トナー受入口500aとトナー排出口3021とを確実に近接させることができる。
【0108】
また、トナー補給装置300では、第2係合部305が移動制限部材500の2つの第2段差形成面502cの間に嵌り込んで係合するとき、シャッタ部303の底壁部3031の回転方向G前方端が、移動制限部材500の、各第2段差形成面502cに垂直な各第1段差形成面502bに接触するように構成される。
【0109】
一般的に、トナー補給装置300を交換する際にユーザが該トナー補給装置300を現像装置200に装着し易いように、トナー補給装置300のシャッタ部303の底壁部3031の外表面が移動制限部材500の第1面501aよりも小さくなるように寸法公差を考慮して、シャッタ部303および移動制限部材500が製造される。したがって、シャッタ部303の底壁部3031の回転方向G前方端と移動制限部材500の各第1段差形成面502bとの間には隙間が生じ易くなる。また、シャッタ部303の底壁部3031の回転方向G前方端部に第2係合部305が設けられない場合、トナー補給可能状態において、開口形成部302の回転方向G後方端部と移動制限部材500の第1面501aの回転方向G前方端部との間に隙間が生じる。このような隙間が生じると、画像形成時における現像装置200の内圧の上昇に起因する現像装置200外部へ向かう気流に乗って、該隙間からトナーが漏れるおそれがある。
【0110】
しかしながら、トナー補給装置300では、第2係合部305が移動制限部材500の2つの第2段差形成面502cの間に嵌り込んで係合することで、トナー補給可能状態において、開口形成部302の回転方向G後方端部と移動制限部材500の第1面501aの回転方向G前方端部との間に隙間が生じ難くなり、かつ、シャッタ部303の底壁部3031の回転方向G前方端が、移動制限部材500の各第2段差形成面502cに垂直な各第1段差形成面502bに接触することで、シャッタ部303の底壁部3031の回転方向G前方端と移動制限部材の各第1段差形成面502bとの間に隙間が生じ難くなるので、隙間からのトナー漏れを低減することができる。
【0111】
また、トナー補給装置300では、収容するトナーがすべて現像装置200へ供給されるまで、トナー収容部301を
図11(b)に示す姿勢に保つ必要がある。そこで、画像形成装置100内には、トナー収容部301の姿勢を保つための姿勢保持部材を設ける必要がある。ただし、姿勢保持部材を設けなかったり、より簡単な構造にしたりすることは可能である。たとえば、トナー収容部301の重心がトナー収容部301のX1方向かつZ1方向端部に位置するようにしたり、中心軸線S
1がトナー収容部301のX2方向かつZ2方向端部に位置するようにしたりすることで、
図11(b)に示す状態で、トナー収容部301に対して回転方向Gの向きのトルクを発生させ、その結果、トナー収容部301が支持部材400を押圧して
図11(b)に示す姿勢が保たれるようにしてもよい。トナー収容部301の重心をトナー収容部301のX1方向かつZ1方向端部に位置させる方法としては、トナー収容部301のX1方向かつZ1方向端部の厚みをより大きくしたり、材質をより重い材質にしたりすることが挙げられる。
【0112】
次に、画像形成装置100の第2の変形例について説明する。第2の変形例では、トナー補給装置300の一部の構成および移動制限部材500の構成以外は、上述した形態と同様である。
図13は、第2の変形例におけるトナー補給装置300が備える開口形成部302、シャッタ部303、および第2係合部305の斜視図である。
図14は、第2の変形例における移動制限部材500の斜視図である。
図15は、第2の変形例におけるトナー補給装置300が、回転移動によって位置を変化させたときの回転前後の様子を示す図である。
図16は、
図15に対応し、第2の変形例におけるトナー補給装置300の一部を示す図である。以下の説明は、すべて第2の変形例についてのものである。
【0113】
図13に示すように、シャッタ部303は、回転方向G前方部分に、突起部30321を有していない。また、
図14に示すように、移動制限部材500の第1面部501の第1面501aの回転方向G後方部分には、中心軸線S
1方向に延びる半円柱状の突起部が設けられている。また、
図14に示すように、移動制限部材500の第2面部502の第1段差形成面502bは、回転方向G前方に凹む曲面となっている。
【0114】
このような構成により、
図15(a)および16(a)に示すように、トナー収容部301の回転前の状態では、第1面部501の第1面501aは、シャッタ部303の底壁部3031の外表面(シャッタ部303の主面)に対して、半円柱状の突起部においてのみ接触する。そして、トナー収容部301および第1係合部304を回転方向Gに回転させ、
図15(b)および16(b)に示すトナー補給可能状態になると、シャッタ部303と開口形成部302とが離間し、トナー補給装置300からシャッタ部303が分離する。
【0115】
より詳細に説明すると、トナー補給装置300を支持部材400へ装着した直後の状態では、
図15(a)および
図16(a)に示すように、開口形成部302の外表面は、シャッタ部303の底壁部3031の内表面に接している。この状態からトナー収容部301を回転方向Gに回転させると、シャッタ部303の回転方向G後方部分に設けられる突起部30321と底壁部3031との間から、開口形成部302の回転方向G後方端が抜ける。その結果、シャッタ部303は、回転方向G前方端部の重みと、開口形成部302による押圧力とによって、半円柱状の突起部との接触部分まわりの回転方向Hに回転する。回転の際は、第2係合部305が第2面部502の第2段差形成面502c間に嵌合された状態で、シャッタ部303の底壁部3031の回転方向G前方端部のうち、第2係合部305が固定されていない部分が、第2面部502の第1段差形成面502bに沿って回転方向Hへ移動する。このようにして、シャッタ部303と開口形成部302とが離間する。回転方向Hに回転したシャッタ部303は、底壁部3031の回転方向G前方端部が第1面部501の第1面501aの前方端部に衝突して、回転を停止する。このような動作の結果、トナー補給装置300は、
図15(b)および
図16(b)に示す状態となる。
【0116】
このような第2の変形例におけるトナー補給装置300によれば、シャッタ部303の底壁部3031にトナーが付着していた場合に、シャッタ部303の回転方向Hへの回転による該シャッタ部303と第1面部501との衝突によって、底壁部3031に付着したトナーを脱離させることができる。脱離したトナーは、シャッタ部303の底壁部3031の内表面を滑り落ちて、トナー受入口500aへ移動する。これに対して、シャッタ部303の底壁部3031にトナーが付着したまま長期間が経過すると、底壁部3031上にトナーが固着し、シャッタ部303が開口形成部302に適切に嵌らなくなるおそれがある。
【0117】
この第2の変形例では、上記のように、底壁部3031に付着したトナーを脱離させ、このトナーをトナー受入口500aへ移動させるので、底壁部3031上にトナーが固着しないようにすることができる。したがって、
図15(b)および
図16(b)に示す状態から、トナー収容部301を回転方向Gの逆方向に回転させると、開口形成部302がシャッタ部303の底壁部3031に当接および押圧し、それによってシャッタ部303が回転方向Hの逆方向に回転し、
図15(a)および
図16(a)に示す状態へスムーズに戻すことができる。よって、空になったトナー補給装置300の交換が容易になる。
【0118】
上述したように、シャッタ部303および開口形成部302と移動制限部材500との間に隙間が生じていると、画像形成時における現像装置200の内圧の上昇に起因する現像装置200外部へ向かう気流に乗って、該隙間からトナーが漏れるおそれがある。第2の変形例では、トナー補給可能状態において、シャッタ部303が開口形成部302から外れており、トナー受入口500aの回転方向G後方端は開放されているので、該トナー受入口500aの回転方向G後方端から、回転方向G後方に向かってトナーが漏れ出る可能性がある。しかしながら、漏れ出たトナーは、シャッタ部303の底壁部3031上に乗ることになり、シャッタ部303の底壁部3031の内表面を滑り落ちて、トナー受入口500aへ戻ることになるので、結果として、トナーの外部への漏出を防ぐことができる。
【0119】
第2の変形例において、シャッタ部303が回転方向Hに回転可能であれば、回転方向G後方部分に限られず、回転方向G中央部分や回転方向G前方部分に、突起部30321を設けてもよい。また、移動制限部材500の第1面部501に半円柱状の突起部を設ける代わりに、シャッタ部303の底壁部3031の外表面の回転方向G後方部分に、中心軸線S
1方向に延びる半円柱状の突起部を設けてもよい。また、シャッタ部303を回転方向Hに回転し易くするために、シャッタ部303の回転方向G前方部分を、他の部分よりも重くしてもよい。また、トナー補給装置300からシャッタ部303が分離しているときに、シャッタ部303の位置が中心軸線S
1方向にずれないように、移動制限部材500に、第1面部501の第1面501aの中心軸線S
1方向両端から中心軸線S
1に向かって立設される壁部を設けてもよい。