【文献】
Apple Inc.,Scrambling Sequences for Enhanced PDCCH,3GPP TSG-RAN WG1#68, R1-120272,2012年 2月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザ端末に対する下り制御信号は、前記マクロセル識別情報に基づいて生成される、前記マクロ基地局で用いられるスクランブル系列と同一のスクランブル系列を用いて、スクランブルされることを特徴とする請求項1に記載の干渉低減方法。
前記割り当てる工程において、前記マクロ基地局から送信される下り制御信号が割り当てられる無線リソースと同一のインデックス番号を有する無線リソース単位に対して、前記ユーザ端末に対する下り制御信号を割り当て、
前記ユーザ端末に対する下り制御信号は、前記スモールセル識別情報に基づいて生成される、前記スモールセルに固有のスクランブル系列を用いて、スクランブルされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の干渉低減方法。
前記マクロ基地局から送信される下り制御信号が割り当てられる無線リソース単位のインデックス番号は、前記マクロ基地局から前記スモール基地局に通知されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の干渉低減方法。
前記スモール基地局において前記下り制御信号を割り当て可能な無線リソース単位と前記マクロ基地局において前記下り制御信号を割り当て可能な無線リソース単位とは、少なくとも一部のインデックス番号が異なるように予め定められることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の干渉低減方法。
前記下り制御信号は、制御フォーマット識別子を伝送する物理制御フォーマット通知チャネル(PCFICH)信号、或いは、物理上り共有データチャネル(PUSCH)信号の送達確認情報を伝送する物理ハイブリッドARQ通知チャネル(PHICH)信号であり、
前記無線リソース単位は、リソース要素グループ(REG)であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の干渉低減方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、HetNetの概念図である。
図1に示すように、HetNetは、マクロセルMを形成する無線基地局(以下、マクロ基地局という)と、各スモールセルSを形成する無線基地局(以下、スモール基地局という)と、マクロ基地局又はスモール基地局に接続されるユーザ端末(UE:User Equipment)と、を含む。なお、マクロ基地局は、eNodeB(eNB)、マクロeNB(MeNB)、送信ポイント等と称されても良い。また、スモール基地局は、ピコeNB、フェムトeNB、送信ポイント等と称されてもよい。
【0011】
マクロセルMは、相対的に広範なカバレッジ(例えば、半径10km程度)を有するセルであり、ワイドエリア等と称されても良く、セクタであってもよい。また、スモールセルSは、局所的なカバレッジを有するセル(例えば、半径数メートル程度)であり、ローカルエリア、ピコセル、ナノセル、フェムトセル、マイクロセル、eLA(enhanced Local Area)セル等と称されてもよい。
【0012】
HetNetでは、
図1に示すように、マクロセルMと各スモールセルSとの少なくとも一部とが地理的に重複するように、マクロ基地局と各スモール基地局とが配置される。マクロ基地局と各スモール基地局とは、例えば、X2インターフェースなどの有線リンクを介して接続されるが、無線リンクを介して接続されてもよい。
【0013】
また、HetNetでは、マクロセルM(マクロ基地局)、スモールセルS(スモール基地局)をそれぞれ識別するセルIDが用いられる。
図1において、マクロセルMは、セルID「X」で識別され、2つのスモールセルSは、それぞれ、セルID「Y」「Z」で識別される。
【0014】
このようなHetNetでは、マクロセルMとスモールセルSとで重複する周波数領域が使用される。このため、干渉コーディネーション(eICIC)を行うことで、マクロセルMとスモールセルSとの間での干渉(特に、下り信号間の干渉)を低減することが検討されている。
【0015】
ここで、下り信号には、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が送信される下りデータ信号(例えば、Physical Downlink Shared Channel(PDSCH)信号)と、制御情報が送信される下り制御信号(例えば、Physical Downlink Control Channel(PDCCH)信号、Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel(PHICH)信号、Physical Control Format Indicator Channel(PCFICH)信号)と、が含まれる。
【0016】
下りデータ信号間の干渉コーディネーションとしては、時間領域(Time-domain)アプローチや周波数領域(Frequency-domain)アプローチを用いて、マクロセルMとスモールセルSとの間で重複する無線リソース領域の使用を回避することが考えられる。
【0017】
具体的には、時間領域アプローチでは、マクロセルM又はスモールセルSのいずれか一方のセルにおいてPDSCH信号が割り当てられる時間領域(例えば、サブフレーム)に対して、他方のセルでは、ミューティングサブフレームが適用される。ミューティングサブフレームとは、PDSCH信号が割り当てられないサブフレームであり、例えば、Almost Blank Subframe(ABS)などである。
【0018】
また、周波数領域アプローチでは、
図2に示すように、マクロセルM又はスモールセルSのいずれか一方のセルにおいてPDSCH信号に割り当てられる周波数領域(例えば、物理リソースブロック(PRB))に対して、他方のセルにおいて、PDSCH信号を割り当てないようにする。
【0019】
一方、下り制御信号間の干渉コーディネーションとしては、マクロセルMとスモールセルSとの間で異なるスクランブル系列やインタリーブパターンを用いることにより、干渉のランダム化を図ることが考えられる。なお、後述するように、インタリーブパターンは、巡回シフト(Cyclic Shift)で用いられるシフトパターンや、周波数オフセット値などを含んでよい。
【0020】
具体的には、
図2に示すように、マクロセルMにおけるPDCCH信号とスモールセルSにおけるPDCCH信号とは、重複する無線リソース領域(サブフレームの先頭の最大3OFDMシンボルのシステム帯域全体)に配置される。この場合、マクロセルM、スモールセルSのそれぞれに固有(セル固有)のスクランブル系列を用いたスクランブルが行なわれる。同様に、セル固有のシフトパターンを用いた巡回シフトが行なわれる。これにより、マクロセルM及びスモールセルSのPDCCH信号間で生じる干渉をランダム化できる。
【0021】
ここで、セル固有のスクランブル系列は、例えば、式(1)に基づいて定められる。また、セル固有のシフトパターンは、例えば、式(2)に基づいて定められる。
【数1】
【0022】
式(1)及び(2)において、
【数2】
は、セル毎に異なるセルIDである。このセルIDに基づいてセル固有のスクランブル系列やシフトパターンが生成される。これにより、マクロセルMとスモールセルSとで異なるスクランブル系列やシフトパターンが用いられるので、マクロセルM及びスモールセルSのPDCCH間の干渉をランダム化(均一化)できる。
【0023】
同様に、PCFICH信号やPHICH信号などの他の下り制御信号についても、セル固有のスクランブル系列やインタリーブパターン(周波数オフセット値などを含む)を用いることで、干渉をランダム化(均一化)できる。
【0024】
以上のように、マクロセルM及びスモールセルSの下り制御信号間の干渉は、セル固有のスクランブル系列やインタリーブパターン(シフトパターン、周波数オフセット値などを含む)を用いることで、ランダム化(均一化)される。しかしながら、干渉のランダム化は、マクロセルM及びスモールセルSの下り制御信号間の干渉を十分には低減できない恐れがある。そこで、本発明者らは、マクロセルM及びスモールセルSの下り制御信号間の干渉をより確実に低減可能な干渉低減方法を検討し、本発明に至った。
【0025】
本発明に係る干渉低減方法では、スモール基地局が、スモールセルS内のユーザ端末に対して、マクロセルMを識別するマクロセル識別情報を送信する。また、スモール基地局が、マクロ基地局から送信される下り制御信号が割り当てられる無線リソース単位とは異なるインデックス番号を有する無線リソース単位に対して、当該ユーザ端末に対する下り制御信号を割り当てる。また、スモール基地局が、マクロセル識別情報に基づいて生成される、マクロ基地局で用いられるインタリーブパターンと同一のインタリーブパターンを用いて、当該ユーザ端末に対する下り制御信号をインタリーブする。
【0026】
ここで、マクロセル識別情報は、マクロセルMの識別情報であり、例えば、マクロセルMのセルID(物理セルID(PCI)とも呼ばれる)である。また、スモールセル識別情報(後述)は、スモールセルSの識別情報であり、例えば、スモールセルのセルID(PCIとも呼ばれる)である。なお、マクロセル識別情報及びスモールセル識別情報は、マクロセルM及びスモールセルSを含む各セルに固有の情報であれば、セルIDに限られない。
【0027】
また、下り制御信号は、下り制御情報(DCI)を伝送する物理下り制御チャネル(PDCCH)信号、制御フォーマット識別子(CFI)を伝送する物理制御フォーマット通知チャネル(PCFICH)信号、或いは、物理上り共有データチャネル(PUSCH)信号の送達確認情報(ACK/NACK/DTX)を伝送する物理ハイブリッドARQ通知チャネル(PHICH)信号を含むが、これに限られない。例えば、下り制御信号は、物理下り共有データチャネル(PDSCH)信号と周波数分割多重され、DCIを伝送する拡張物理下り制御チャネル(拡張PDCCH、ePDCCH、E−PDCCH)信号を含んでもよい。
【0028】
なお、PDCCHで伝送されるDCIが割り当てられる無線リソース単位は、制御チャネル要素(CCE)である。また、拡張PDCCHで伝送されるDCIが割り当てられる無線リソース単位は、拡張制御チャネル要素(eCCE)である。また、PCFICHで伝送されるCFI、PHICHで伝送される送達確認情報が割り当てられる無線リソース単位は、リソース要素グループ(REG)である。なお、REGは、4リソース要素(RE)で構成され、CCEは、9REGで構成される。eCCEは、複数の拡張リソース要素グループ(eREG)で構成されてもよいし、物理リソースブロック(PRB)ペアを周波数分割、符号分割、時間分割の少なくも1つを分割して構成されてもよい。
【0029】
また、インタリーブとは、リソースの順番を予め決められたパターンに従って入れ替えることを意味し、ここでは、下り制御信号の配置リソースを少なくとも周波数方向にずらすことを意味し、巡回シフトや、周波数オフセットを含むものとする。また、インタリーブパターンとは、ここでは、下り制御信号の配置リソースを周波数方向にずらすパターンを示し、巡回シフトに用いられるシフトパターンや、周波数オフセットに用いられるオフセット値を含むものとする。
【0030】
以下、本実施の形態に係る干渉低減方法を説明する。以下では、PDCCH信号である例を説明するが、これに限られない。下り制御信号がPCFICH信号、PHICH信号、拡張PDCCH信号等である場合にも、下り制御信号が割り当てられる無線リソース単位をCCEからREGやeCCEに変更することで、適宜適用可能である。また、以下の干渉低減方法は、
図7に示す無線通信システムにおいて適用されるものとする。
【0031】
図3は、本実施の形態に係る干渉低減方法を示す概念図である。
図3において、マクロ基地局11は、マクロ基地局11に接続するユーザ端末21に対して、マクロセルC1のセルID「X」を送信する。マクロ基地局11は、セルID「X」に基づいて、例えば、上記式(2)を用いて、マクロセルC1に固有のインタリーブパターン(シフトパターンを含む)を生成する。マクロ基地局11は、生成したインタリーブパターンを用いてユーザ端末22に対するPDCCH信号をインタリーブ(巡回シフトを含む)して送信する。
【0032】
一方、
図3において、スモール基地局12aは、スモール基地局12aに接続するユーザ端末22に対して、マクロセルC1のセルID「X」を送信する。スモール基地局12aは、マクロセルC1のセルID「X」に基づいて、例えば、上記式(2)を用いて、マクロ基地局11で用いられるインタリーブパターンと同一のインタリーブパターン(シフトパターンを含む)を生成する。スモール基地局12は、生成したインタリーブパターンを用いて、ユーザ端末22に対するPDCCH信号をインタリーブ(巡回シフトを含む)して送信する。
【0033】
ここで、スモール基地局12aは、ユーザ端末22に対して、自セルとは異なるマクロセルC1のセルID「X」を、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングを用いて送信してもよいし、MIB(Master Information Block)やSIB(System Information Block)などの報知情報を用いて送信してもよい。なお、マクロセルC1のセルID「X」は、予めスモール基地局12aに記憶されてもよいし、マクロ基地局11からスモール基地局12aに通知されてもよい。
【0034】
また、
図3において、ユーザ端末22に対するPDCCH信号は、マクロ基地局11で用いられるスクランブル系列と同一のスクランブル系列或いはスモールセルC2に固有のスクランブル系列のいずれを用いてスクランブルされてもよい。マクロ基地局11で用いられるスクランブル系列と同一のスクランブル系列は、マクロセルC1のセルID「X」に基づいて、例えば、上記式(1)を用いて、生成される。一方、スモールセルC2に固有のスクランブル系列は、スモールセルC2のセルID「Y」に基づいて、例えば、上記式(1)を用いて、生成される。
【0035】
図4を参照し、本実施の形態に係る干渉低減方法の一例を詳述する。
図4は、本実施の形態に係る干渉低減方法の一例を示す図である。なお、
図4のスモール基地局12は、
図3のスモール基地局12a及び12bを含むものとする。
【0036】
図4に示すように、スモール基地局12は、マクロ基地局11から送信されるPDCCH信号とは異なるインデックス番号を有するCCEに対して、ユーザ端末22に対するPDCCH信号を割り当てる。マクロ基地局11で使用されるCCEのインデックス番号を示すインデックス番号情報は、マクロ基地局11からスモール基地局12に通知される。スモール基地局12は、当該インデックス番号情報に基づいて、マクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有するCCEにPDCCH信号を割り当てる。
【0037】
例えば、
図4では、マクロ基地局11は、インデックス番号「1」、「4」、「5」を有するCCEに対して、ユーザ端末21に対するPDCCH信号を割り当てる。一方、スモール基地局12は、マクロ基地局11とは異なるインデックス番号「0」、「2」、「8」、「9」を有するCCEに対して、ユーザ端末22に対するPDCCH信号を割り当てる。
【0038】
また、
図4では、スモール基地局12は、マクロセルC1のセルID「X」に基づいて、例えば、式(2)を用いて、インタリーブパターンを生成する。このインタリーブパターンは、マクロセルC1のセルID「X」に基づいて生成されるので、マクロ基地局11で用いられるインタリーブパターンと同一となる。
【0039】
スモール基地局12は、このインタリーブパターンを用いて、マクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有するCCEが割り当てられたPDCCH信号をインタリーブする。かかるインタリーブにより、
図4に示すように、スモール基地局12のPDCCH信号は、マクロ基地局11のPDCCH信号とは異なる無線リソース(例えば、リソース要素)にマッピングされる。
【0040】
このように、
図4では、スモール基地局12が、マクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有するCCEにPDCCH信号を割り当て、マクロ基地局11と同一のインタリーブパターンを用いてPDCCH信号をインタリーブする。このため、マクロ基地局11及びスモール基地局12間において、PDCCH信号が配置される無線リソース(例えば、リソース要素)を異ならせることができ、直交化を図ることができる。また、スモール基地局及びマクロ基地局11のPDCCH信号間の干渉コーディネーションをCCEレベルで行うことができる。
【0041】
なお、
図4に示す場合、スモール基地局12は、マクロ基地局11と同一のスクランブル系列或いは自局に固有のスクランブル系列のいずれを用いて、ユーザ端末22に対するPDCCH信号をスクランブルしてもよい。
【0042】
図5を参照し、本実施の形態に係る干渉低減方法の他の例を説明する。
図5は、本実施の形態に係る干渉低減方法の他の例を示す図である。
【0043】
図4では、スモール基地局12は、マクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有するCCEに対してのみ、ユーザ端末22に対するPDCCH信号を割り当てる。一方、
図5に示すように、スモール基地局12は、マクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有するCCEだけでなく、マクロ基地局11と同一のインデックス番号を有するCCEに対して、ユーザ端末22に対するPDCCH信号を割り当ててもよい。
【0044】
例えば、
図5では、マクロ基地局11が、インデックス番号「6」を有するCCEに対して、ユーザ端末21に対するPDCCH信号を割り当てる。また、スモール基地局12は、マクロ基地局11からのPDCCH信号が割り当てられるCCEと同一のインデックス番号「6」を有するCCEに対して、ユーザ端末22に対するPDCCH信号を割り当てる。
【0045】
また、スモール基地局12は、マクロ基地局11で用いられるインタリーブパターンと同一のインタリーブパターンを用いて、インデックス番号「6」を有するCCEが割り当てられるPDCCH信号をインタリーブする。これにより、
図5に示すように、マクロ基地局11及びスモール基地局12で同一のCCEが割り当てられたPDCCH信号は、同一の無線リソース(例えば、リソース要素)にマッピングされることになる。
【0046】
そこで、スモール基地局12は、自セルのセルIDに基づいて生成される自セルに固有のスクランブル系列を用いて、ユーザ端末22に対するPDCCH信号をスクランブルする。これにより、マクロ基地局11及びスモール基地局12で異なるスクランブル系列を用いてPDCCH信号がスクランブルされることになる。この結果、マクロ基地局11及びスモール基地局12のPDCCH信号を直交化できなくとも、干渉のランダム化を図ることができる。
【0047】
図6を参照し、本実施の形態に係る干渉低減方法の更に他の例を説明する。
図6は、本実施の形態に係る干渉低減方法の更に他の例を示す図である。
【0048】
図4及び
図5では、スモール基地局12は、マクロ基地局11から通知されるインデックス番号情報に基づいて、マクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有するCCEにPDCCHを割り当てる。一方、
図6に示すように、スモール基地局12においてPDCCHを割り当て可能なCCEとマクロ基地局11でPDCCHを割り当て可能なCCEとは、少なくとも一部のインデックス番号が異なるように、予め定められていてもよい。
【0049】
図6では、マクロ基地局11用のCCEとして、インデックス番号「0」〜「6」のCCEが定められる。一方、スモール基地局12用のCCEとして、インデックス番号「4」〜「9」のCCEが定められる。なお、
図6では、インデックス番号「4」〜「6」のCCEが、マクロ基地局11及びスモール基地局12用に重複して定められるが、重複して定められるCCEは存在しなくともよい。
【0050】
このように、マクロ基地局11及びスモール基地局12の双方で使用可能なCCEを予め定めておくことにより、マクロ基地局11及びスモール基地局12間のシグナリング量を削減できる。
【0051】
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成を説明する。
【0052】
図7は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成図である。なお、
図7に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、その後継システムが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域を一単位とする複数の基本周波数ブロックを一体としたキャリアアグリゲーションが用いられている。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4Gと呼ばれても良い。
【0053】
図7に示すように、無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a及び12bとを備えている。
図7に示すように、各スモールセルC2は、マクロセルC1と少なくとも一部が重複するように、形成される。無線基地局11及び無線基地局12は、少なくとも一部が重複する周波数帯域を用いて、ユーザ端末20と通信する。
【0054】
本実施の形態では、無線基地局11、無線基地局12(12a、12bを含む)をそれぞれ、マクロ基地局11、スモール基地局12と称する。なお、マクロ基地局11は、eNodeB、無線基地局装置、送信ポイントなどと呼ばれてもよい。また、スモール基地局12は、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB、RRH(Remote Radio Head)、マイクロ基地局、送信ポイントなどと呼ばれてもよい。
【0055】
また、ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。本実施の形態では、ユーザ端末20は、マクロ基地局11と接続する場合ユーザ端末21と表記され、スモール基地局12と接続する場合ユーザ端末22と表記されてもよいが、両者は同一の構成を有する。
【0056】
図7に示すように、マクロ基地局11及び各スモール基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、各スモール基地局12は、マクロ基地局11を介して上位局装置に接続されてもよい。
【0057】
また、マクロ基地局11及び各スモール基地局12は、例えば、X2インターフェースで接続される。以下では、マクロ基地局11及び各スモール基地局12が、光ファイバなどで有線接続される例を説明するが、無線接続されてもよい。
【0058】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0059】
図7に示す無線通信システムで用いられる信号について説明する。下り信号は、下りデータ信号と、下り制御信号とを含む。下りデータ信号は、例えば、ユーザデータや上位レイヤ制御情報を伝送するPDSCH信号を含む。また、下り制御信号は、例えば、下り制御情報(DCI)を伝送するPDCCH信号、制御フォーマット識別子(CFI)を伝送するPCFICH信号、送達確認情報(ACK/NACK/DTX)を伝送するPHICH信号、下り制御情報(DCI)を伝送し、PDSCH信号と周波数分割多重される拡張PDCCH信号などを含む。
【0060】
同様に、上り信号は、上りデータ信号と、上り制御信号とを含む。上りデータ信号は、例えば、ユーザデータや上りレイヤ制御情報を伝送するPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)信号を含む。また、上り制御信号は、例えば、下りリンクのチャネル状態情報(CSI)や送達確認情報(ACK/NACK/DTX)を伝送するPUCCH(Physical Uplink Control Channel)信号などを含む。
【0061】
図8は、本実施の形態に係るスモール基地局12の全体構成図である。スモール基地局12は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103(送信部)と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。
【0062】
下りデータ信号については、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0063】
ベースバンド信号処理部104では、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
【0064】
また、ベースバンド信号処理部104は、報知チャネルにより、ユーザ端末20に対して、当該セルにおける通信のための報知情報を通知する。当該報知情報には、例えば、自セルのセルIDや、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅などが含まれる。
【0065】
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101により送信する。
【0066】
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅され、各送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部104に入力される。
【0067】
ベースバンド信号処理部104では、入力されたベースバンド信号に含まれる上り信号に対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、スモール基地局12の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0068】
また、マクロ基地局11からスモール基地局12に通知される制御情報は、伝送路インターフェース106を介して、ベースバンド信号処理部104に入力される。マクロ基地局11から通知される制御情報には、例えば、マクロセルC1のセルIDや、インデックス番号情報(後述)などが含まれる。
【0069】
図9は、本実施の形態に係るユーザ端末20の全体構成図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(受信部)203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205とを備えている。
【0070】
下りデータ信号については、複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部204でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りデータ信号に含まれるユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りデータ信号に含まれる報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0071】
一方、上りデータ信号については、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御(H−ARQ (Hybrid ARQ))の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理等が行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部202は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201により送信する。
【0072】
図10は、本実施の形態に係るスモール基地局12が有するベースバンド信号処理部104及び一部の上位レイヤの機能構成図である。なお、
図10においては、下り(送信)用の機能構成を主に示しているが、スモール基地局12は、上り(受信)用の機能構成を備えてもよい。
【0073】
図10に示すように、スモール基地局12は、上位レイヤ制御情報生成部300、データ生成部301、チャネル符号化部302、変調部303、マッピング部304、下り制御情報(DCI)生成部305、制御フォーマット識別子(CFI)生成部306、送達確認情報生成部307、チャネル符号化部308、スクランブル部309、変調部310、インタリーブ部311、IFFT部312、マッピング部313、ウェイト乗算部314、CP挿入部315、スケジューリング部316を具備する。
【0074】
上位レイヤ制御情報生成部300は、ユーザ端末20毎に上位レイヤ制御情報を生成する。また、上位レイヤ制御情報は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)される制御情報であり、例えば、マクロ基地局11から通知されたマクロセルC1のセルIDなどを含む。データ生成部301は、ユーザ端末20毎に下りユーザデータを生成する。
【0075】
データ生成部301で生成された下りユーザデータと上位レイヤ制御情報生成部300で生成された上位レイヤ制御情報とは、PDSCH信号として、チャネル符号化部302に入力される。チャネル符号化部302は、各ユーザ端末20に対するPDSCH信号を、各ユーザ端末20からのフィードバック情報に基づいて決定された符号化率に従ってチャネル符号化する。変調部303は、チャネル符号化されたPDSCH信号を各ユーザ端末20からのフィードバック情報に基づいて決定された変調方式に従って変調する。マッピング部304は、スケジューリング部316からの指示に従って、変調されたPDSCH信号を無線リソース(例えば、リソース要素)にマッピングする。
【0076】
DCI生成部305は、スケジューリング部316からのスケジューリング情報に基づき、下り制御情報(DCI)を生成する。DCIには、セル共通(Cell-specific)の共通制御情報と、UE固有(UE-specific)の制御情報が含まれる。UE固有の制御情報には、PDSCHの割り当て情報(DL assignment)、PUSCHの割り当て情報(UL grant)などが含まれる。
【0077】
また、DCI生成部305は、PDCCHで伝送されるDCIを、制御チャネル要素(CCE)単位で生成し、拡張PDCCHで伝送されるDCIを、拡張制御チャネル要素(eCCE)単位で生成することができる。また、CCEとeCCEのサイズ(RE数)は異なっていてもよいし、同一であってもよい。
【0078】
また、DCI生成部305は、
図4に示すように、生成したDCIをマクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有するCCEに割り当てる(allocate)。また、DCI生成部305は、
図5に示すように、DCIをマクロ基地局11と同一のインデックス番号を有するCCEに割り当てることもできる。CCEに割り当てられたDCIは、PDCCH信号としてチャネル符号化部308に入力される。同様に、拡張PDCCHで伝送されるDCIもeCCEに割り当てられ、拡張PDCCH信号としてチャネル符号化部308に入力される。DCI生成部305は、本発明の割り当て部を構成する。
【0079】
なお、マクロ基地局11で用いられるCCEのインデックス番号(インデックス番号情報)は、マクロ基地局11からDCI生成部305に通知されてもよい。或いは、スモール基地局12において使用可能なCCEとマクロ基地局11において使用可能なCCEとは、少なくとも一部のインデックス番号が異なるように予め定められていてもよい。後者の場合、マクロ基地局11とスモール基地局12との間で必要な制御量を削減できる。eCCEのインデックス番号についても同様である。
【0080】
CFI生成部306は、スケジューリング部316からのスケジューリング情報に基づき、PCFICHで伝送される制御フォーマット識別子(CFI)を生成する。CFI生成部306は、CFIをリソース要素グループ(REG)単位で生成することができる。
【0081】
また、CFI生成部306は、CFIをマクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有するREGに割り当てる。また、CFI生成部306は、CFIをマクロ基地局11と同一のインデックス番号を有するREGに割り当てることもできる。REGに割り当てられたCFIは、PCFICH信号としてチャネル符号化部308に入力される。CFI生成部306は、本発明の割り当て部を構成する。
【0082】
送達確認情報生成部307は、スケジューリング部316からのスケジューリング情報に基づき、PHICHで伝送される送達確認情報(ACK/NACK/DTX)を生成する。送達確認情報生成部307は、送達確認情報をリソース要素グループ(REG)単位で生成することができる。
【0083】
また、送達確認情報生成部307は、送達確認情報をマクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有するREGに割り当てる。また、送達確認情報生成部307は、送達確認情報をマクロ基地局11と同一のインデックス番号を有するREGに割り当てることもできる。REGに割り当てられた送達確認情報は、PHICH信号としてチャネル符号化部308に入力される。送達確認情報生成部307は、本発明の割り当て部を構成する。
【0084】
なお、マクロ基地局11で用いられるREGのインデックス番号(インデックス番号情報)は、マクロ基地局11からCFI生成部306及び送達確認情報生成部307に通知されてもよいし、予め定められていてもよい。
【0085】
チャネル符号化部308は、入力された下り制御信号を所定の符号化率でチャネル符号化する。具体的には、チャネル符号化部308は、DCI生成部305から入力されるPDCCH信号、拡張PDCCH信号、CFI生成部306から入力されるPCFICH信号、送達確認情報生成部307から入力されるPHICH信号をそれぞれチャネル符号化する。
【0086】
スクランブル部309は、チャネル符号化された下り制御信号を所定のスクランブル系列を用いてチャネル符号化する。具体的には、スクランブル部309は、チャネル符号化されたPDCCH信号、拡張PDCCH信号、PCFICH信号、PHICH信号を、マクロ基地局11で用いられるスクランブル系列と同一のスクランブル系列、或いは、自セルに固有のスクランブル系列を用いて、スクランブルする。
【0087】
ここで、マクロ基地局11で用いられるスクランブル系列と同一のスクランブル系列は、マクロセルC1のセルID(マクロセル識別情報)に基づいて生成される。一方、自セルに固有のスクランブル系列は、自セル(スモールセルC2)のセルID(スモールセル識別情報)に基づいて生成される。
【0088】
自セルに固有のスクランブル系列が用いられる場合、マクロ基地局11及びスモール基地局12の下り制御信号間の干渉をランダム化できる。このため、マクロ基地局11と同一のインデックス番号を有するCCEがPDCCH信号に割り当てられる場合に有効である。同様に、マクロ基地局11と同一のインデックス番号を有するREGがPCFICH信号やPHICH信号に割り当てられる場合に有効である。また、マクロ基地局11と同一のインデックス番号を有するeCCEが拡張PDCCH信号に割り当てられる場合にも有効である。
【0089】
変調部310は、スクランブルされた下り制御信号を所定の変調方式で変調する。具体的には、変調部310は、スクランブルされたPDCCH信号、拡張PDCCH信号、PCFICH信号、PHICH信号をそれぞれ変調する。なお、変調部310は、変調されたPDCCH信号、PCFICH信号、PHICH信号をインタリーブ部311に出力する。一方、変調部310は、変調された拡張PDCCH信号をマッピング部313に出力する。
【0090】
インタリーブ部311は、変調された下り制御信号を、マクロ基地局11で用いられるインタリーブパターンと同一のインタリーブパターンを用いてインタリーブする。当該インタリーブパターンは、マクロセルC1のセルID(マクロセル識別情報)に基づいて生成される。
【0091】
なお、上述のように、インタリーブパターンとは、巡回シフトのシフトパターンや周波数オフセットのオフセット値を含むものである。したがって、インタリーブ部311は、変調されたPDCCH信号を、マクロ基地局11で用いられるシフトパターンと同一のシフトパターンを用いて巡回シフトすることができる。また、インタリーブ部311は、変調されたPCFICH信号及びPHICH信号を、マクロ基地局11で用いられる周波数オフセット値と同一のオフセット値を用いて周波数方向にずらすことができる。
【0092】
DCI生成部305においてPDCCH信号がマクロ基地局11と異なるインデックス番号を有するCCEに割り当てられる場合、インタリーブ部311によりインタリーブにより、当該PDCCH信号が、マクロ基地局11のPDCCH信号とは異なる無線リソース(例えば、リソース要素)にマッピングされる。かかる場合、マクロ基地局11及びスモール基地局12のPDCCH信号が直交化され、干渉が低減される。
【0093】
同様に、CFI生成部306及び送達確認情報生成部307においてPCFICH信号及びPHICH信号がマクロ基地局11と異なるインデックス番号を有するREGに割り当てられる場合、インタリーブ部311によりインタリーブにより、当該PCFICH信号及びPHICH信号が、マクロ基地局11とは異なる無線リソース(例えば、リソース要素)にマッピングされる。かかる場合、マクロ基地局11及びスモール基地局12のPCFICH信号及びPHICH信号が直交化され、干渉が低減される。
【0094】
一方、DCI生成部305においてPDCCH信号がマクロ基地局11と同一のインデックス番号を有するCCEに割り当てられる場合、インタリーブ部311によりインタリーブにより、当該PDCCH信号が、マクロ基地局11のPDCCH信号と同一の無線リソース(例えば、リソース要素)にマッピングされる。かかる場合、スクランブル309においてセル固有のスクランブル系列を用いてPDCCH信号をスクランブルすることで、干渉のランダム化を図ることが望ましい。
【0095】
同様に、CFI生成部306及び送達確認情報生成部307においてPCFICH信号及びPHICH信号がマクロ基地局11と同一のインデックス番号を有するREGに割り当てられる場合、インタリーブ部311によりインタリーブにより、当該PCFICH信号及びPHICH信号が、マクロ基地局11と同一の無線リソース(例えば、リソース要素)にマッピングされる。かかる場合、スクランブル309においてセル固有のスクランブル系列を用いてPCFICH信号及びPHICH信号をスクランブルすることで、干渉のランダム化を図ることが望ましい。
【0096】
マッピング部313は、拡張PDCCH信号を所定の無線リソース(例えば、リソース要素)にマッピングする。このとき、マッピング部313は、マクロセルC1のセルID(マクロセル識別情報)に基づいて、マクロ基地局11で用いられるインタリーブパターンと同一のインタリーブパターンを用いて、拡張PDCCH信号をインタリーブすることがきる。これにより、拡張PDCCH信号を、マクロ基地局11とは異なる無線リソースに配置できる。
【0097】
マッピング部313でマッピングされた拡張PDCCH信号は、マッピング部304でマッピングされたPDSCH信号とともに、ウェイト乗算部314に入力される。ウェイト乗算部314は、PDCSH信号、拡張PDCCH信号、復調用参照信号に対して、ユーザ端末20固有のプリコーディングウェイトを乗算し、プリコーディングを行う。
【0098】
IFFT部312は、インタリーブ部311及びウェイト乗算部314からの入力信号に対して逆高速フーリエ変換処理を行い、周波数領域の信号から時系列の信号に変換する。IFFT部312からの出力信号には、CP挿入部315によりガードインターバルとして機能するサイクリックプリフィクス(CP)が挿入され、送受信部103に出力される。
【0099】
スケジューリング部316は、PDSCH信号及び拡張PDCCH信号のスケジューリングを行い、スケジューリング情報を生成する。スケジューリング部316は、生成したスケジューリング情報を、DCI生成部305、CFI生成部306、送達確認情報生成部307に出力する。
【0100】
図11は、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部104の機能構成図である。なお、
図11においては、下り(受信)用の機能構成を主に示しているが、ユーザ端末20は、上り(送信)用の機能構成を備えてもよい。また、以下では、ユーザ端末20が、スモール基地局12に接続する場合を中心に説明を行うが、マクロ基地局11にも接続可能である。
【0101】
ユーザ端末20は、CP除去部401、FFT部402、デマッピング部403、デインタリーブ部404、PCFICH復調部405、PDCCH復調部406、PHICH復調部407、拡張PDCCH復調部408、PDSCH復調部409、チャネル推定部410を具備する。
【0102】
スモール基地局12から受信された下り信号は、CP除去部401でサイクリックプリフィクス(CP)が除去される。CPが除去された下り信号は、FFT部402へ入力される。FFT部402は、下り信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、デマッピング部403へ入力する。デマッピング部403は、下り信号をデマッピングする。なお、デマッピング部403によるデマッピング処理は、アプリケーション部205から入力される上位レイヤ制御情報に基づいて行われる。
【0103】
デインタリーブ部404は、デマッピングされた下り制御信号を、マクロ基地局11で用いられるインタリーブパターンと同一のインタリーブパターンを用いてデインタリーブする。当該インタリーブパターンは、スモール基地局12から通知されるマクロセルC1のセルID(マクロセル識別情報)に基づいて生成される。なお、マクロセルC1のセルIDは、スモール基地局12から上位レイヤシグナリング又は報知信号のいずれで通知されてもよい。
【0104】
また、デインタリーブ404は、デインタリーブされたPCFICH信号、PDCCH信号、PHICH信号をそれぞれ、PCFICH復調部405、PDCCH復調部406、PHICH復調部407に出力する。
【0105】
PCFICH復調部405は、デインタリーブ部404から出力されたPCFICH信号の復調、デスクランブル、チャネル復号などを行う。具体的には、PCFICH復調部405は、マクロ基地局11と同一のスクランブル系列又は自セルに固有のスクランブル系列を用いて、PCFICH信号をデスクランブルする。
【0106】
PDCCH復調部406は、チャネル推定部410によるチャネル推定結果に基づいて、デインタリーブ部404から出力されたPDCCH信号のブラインド復号、復調、デスクランブル、チャネル復号などを行う。具体的には、PDCCH復調部406は、マクロ基地局11と同一のスクランブル系列又は自セルに固有のスクランブル系列を用いて、PDCCH信号をデスクランブルする。
【0107】
PHICH復調部407は、デインタリーブ部404から出力されたPHICH信号の復調、デスクランブル、チャネル復号などを行う。具体的には、PHICH復調部407は、マクロ基地局11と同一のスクランブル系列又は自セルに固有のスクランブル系列を用いて、PHICH信号をデスクランブルする。
【0108】
拡張PDCCH復調部408は、チャネル推定部410によるチャネル推定結果に基づいて、拡張PDCCH信号のデインタリーブ、ブラインド復号、復調、デスクランブル、チャネル復号などを行う。具体的には、拡張PDCCH復調部408は、デマッピングされた拡張PDCCH信号を、マクロ基地局11で用いられるインタリーブパターンと同一のインタリーブパターンを用いてデインタリーブする。また、拡張PDCCH復調部408は、マクロ基地局11と同一のスクランブル系列又は自セルに固有のスクランブル系列を用いて、PDCCH信号をデスクランブルする。
【0109】
ここで、PCFICH復調部405、PDCCH復調部406、PHICH復調部407、拡張PDCCH復調部408において、マクロ基地局11と同一のスクランブル系列は、マクロセルC1のセルID(マクロセル識別情報)に基づいて生成される。また、自セルに固有のスクランブル系列は、自セル(スモールセルC2)のセルID(スモールセル識別情報)に基づいて生成される。
【0110】
PDSCH復調部409は、チャネル推定部410によるチャネル推定結果に基づいて、デマッピング部403から出力されたPDSCH信号の復調、チャネル復号などを行う。具体的には、PDSCH復調部409は、PDCCH復調部406又は拡張PDCCH復調部408で復調されたDCIに基づいて自端末に割り当てられたPDSCH信号を復調し、自端末宛ての下りデータ(下りユーザデータ及び上位レイヤ制御情報)を取得する。
【0111】
チャネル推定部410は、復調用参照信号(DM−RS)、測定用参照信号(CRS、CSI−RS)などを用いてチャネル推定を行う。チャネル推定部410は、測定用参照信号(CRS、CSI−RS)によるチャネル推定結果をPDCCH復調部406に出力する。一方、チャネル推定部410は、復調用参照信号(DM−RS)によるチャネル推定結果をPDSCH復調部409に出力する。
【0112】
以上のように、本実施の形態に係る無線通信システム1によれば、スモール基地局12が、マクロ基地局11とは異なるインデックス番号を有する無線リソース単位(例えば、CCEなど)に下り制御信号を割り当て、マクロ基地局11と同一のインタリーブパターンを用いて下り制御信号をインタリーブする。このため、マクロ基地局11及びスモール基地局12間において、下り制御信号が配置される無線リソース(例えば、リソース要素)を異ならせることができ、直交化を図ることができる。また、スモール基地局及びマクロ基地局11の下り制御信号間における干渉コーディネーションを無線リソースの割り当て単位レベル(例えば、CCEレベル)で行うことができる。
【0113】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。