(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記輝尽性蛍光体層は、EuをドープしたCsBrを含む輝尽性蛍光体から構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の放射線像変換パネル。
前記第1励起光吸収層は、前記輝尽性蛍光体層の表面及び側面を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の放射線像変換パネル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の励起光吸収層を備える放射線像変換パネルでは、励起光吸収層によって輝尽発光光が多少ながら吸収されるので、輝度が低下してしまう。このように、従来の輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネルにおいては、解像度の向上のための構造は輝度の低下をもたらしてしまう。
【0007】
一方、上述の輝尽発光反射層を備える放射線像変換パネルでは、輝尽発光反射層によって励起光が多少ながら反射されるので、励起光の散乱の原因となってしまう。また、ライン状に輝尽発光光を読み取る読取方法の場合には、反射層での輝尽発光光の広がりが解像度低下の原因となってしまう。すなわち、励起光及び輝尽発光光が反射層によって柱状結晶間をまたいで拡散反射するので、輝度は向上するものの、解像度は低下する。このように、従来の輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネルにおいては、輝度の向上のための構造は解像度の低下をもたらしてしまう。
【0008】
以上のように、従来の輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネルでは、輝度と解像度とがトレード・オフの関係にあるので、用途に応じて輝度と解像度とのバランスをとるようにパネルの構造を考える必要がある。また、励起光吸収層を設けた解像度及びコントラストを重要視するタイプのパネルにおいては、輝度を向上させることは十分に考慮されていなかった。
【0009】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、解像度(コントラスト)の低下を抑えつつ、輝度(光出力)の向上が可能な構造を有する放射線像変換パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る放射線像変換パネルは、支持体と、支持体の表面上に設けられ、複数の柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層と、輝尽性蛍光体層上に設けられた第1励起光吸収層と、を備える。複数の柱状結晶の各々は、支持体側において螺旋状に積層してなる螺旋構造部と、螺旋構造部から第1励起光吸収層に向かって延びてなる柱状部と、を有し、輝尽性蛍光体層は、入射した放射線を蓄積し、第1励起光吸収層を介して励起光が照射されることによって、蓄積している放射線に応じた光を第1励起光吸収層を介して出射する。
【0011】
この放射線像変換パネルにおいては、支持体上に柱状結晶構造を有する輝尽性蛍光体層が設けられ、複数の柱状結晶の各々は、支持体側において螺旋状に積層してなる螺旋構造部と、螺旋構造部から第1励起光吸収層に向かって延びてなる柱状部と、を有している。この螺旋構造部は、輝尽発光光反射層として機能するので、1つの柱状結晶内において輝尽発光した光のうち支持体側に向かう光を反射して第1励起光吸収層を介して出射することができ、光出力(輝度)の向上が可能となる。また、螺旋構造部は支持体側において柱状結晶が螺旋状に積層されてなり、柱状部につながっているので、螺旋構造部で反射した輝尽発光光は柱状部に沿って導光される。すなわち、1つの柱状結晶において輝尽発光した光のうち支持体側に向かう光は、その柱状結晶の螺旋構造部によって反射され、反射された光はその柱状結晶の柱状部に沿って導光される。このため、柱状結晶における輝尽発光光が反射によって他の柱状結晶に拡散することを防止でき、反射による解像度の低下を抑制できる。また、螺旋構造部は励起光も反射するが、輝尽発光光と同様に励起光が入射した柱状結晶内で反射するので、入射した柱状結晶以外の柱状結晶において潜像を励起することがなく、解像度の低下を抑制できる。その結果、解像度の低下を抑制しつつ、輝度の向上が可能となる。
【0012】
放射線像変換パネルは、輝尽性蛍光体層を挟んで第1励起光吸収層と対向する第2励起光吸収層をさらに備えてもよい。また、第2励起光吸収層は、支持体と輝尽性蛍光体層との間に設けられてもよい。また、第2励起光吸収層は、支持体の表面と反対側の支持体の裏面に設けられてもよい。これにより、螺旋構造部において反射されずに輝尽性蛍光体層を透過した励起光を、第2励起光吸収層によって吸収することができ、支持体側での励起光の散乱及び乱反射を抑制できる。その結果、解像度の低下のさらなる抑制が可能となる。
【0013】
第2励起光吸収層は、輝尽性蛍光体層において輝尽発光された光を吸収してもよい。これにより、螺旋構造部において反射できなかった輝尽発光光を支持体側で吸収することができ、輝尽発光光の散乱を抑制できる。その結果、解像度の低下のさらなる抑制が可能となる。
【0014】
支持体は、励起光吸収性を有してもよい。これにより、螺旋構造部において反射されずに輝尽性蛍光体層を透過した励起光を、支持体によって吸収することができ、支持体側での励起光の散乱及び乱反射を抑制できる。その結果、解像度の低下のさらなる抑制が可能となる。
【0015】
支持体は、輝尽性蛍光体層において輝尽発光された光を吸収してもよい。これにより、螺旋構造部において反射できなかった輝尽発光光を支持体で吸収することができ、輝尽発光光の散乱を抑制できる。その結果、解像度の低下のさらなる抑制が可能となる。
【0016】
第1励起光吸収層は、輝尽性蛍光体層を保護する耐湿性保護膜であってもよい。これにより、輝尽性蛍光体層が空気中の水蒸気を吸湿するのを抑制でき、輝尽性蛍光体層の潮解を抑制できる。
【0017】
輝尽性蛍光体層は、EuをドープしたCsBrを含む輝尽性蛍光体から構成されてもよい。これにより、放射線の蓄積性能、及び、蓄積された放射線の光への変換性能を向上できる。
【0018】
第1励起光吸収層は、輝尽性蛍光体層の表面及び側面を覆うように設けられてもよい。第1励起光吸収層が輝尽性蛍光体層の表面及び側面を覆うことにより、輝尽性蛍光体層の表面及び側面において励起光を吸収することができ、輝尽性蛍光体層の表面及び側面における励起光の散乱及び乱反射を抑制できる。その結果、解像度の低下のさらなる抑制が可能となる。
【0019】
また、第1励起光吸収層は、支持体の側面を覆うように設けられてもよい。第1励起光吸収層が支持体の側面を覆うことにより、支持体の側面において励起光を吸収することができ、支持体の側面における励起光の散乱及び乱反射を抑制できる。その結果、解像度の低下のさらなる抑制が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、解像度の低下を抑えつつ、輝度を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る放射線像変換パネルの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る放射線像変換パネルの構成を示す概略側断面図である。
図2は、
図1の放射線像変換パネルを拡大して示す概略側断面図である。
図1及び
図2に示されるように、放射線像変換パネル10は、入射したX線などの放射線Rを光Lに変換して検出するためのパネルであって、例えば矩形板形状を呈している。放射線像変換パネル10の長さは100mm程度、幅は100mm程度、厚さは0.4mm程度である。
【0024】
放射線像変換パネル10は、例えば歯科用のイメージングプレート(Needle Imaging Plate;NIP)として用いられる。また、放射線像変換パネル10は、不図示のHeNeレーザ及びPMT(Photomultiplier Tube;光電子増倍管)などと組み合わせることによって、放射線イメージセンサとして用いられる。この放射線像変換パネル10は、支持体1と、輝尽性蛍光体層2と、第1励起光吸収層3と、を備えている。
【0025】
支持体1は、矩形状を呈している基材である。支持体1は、例えばポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、Al(アルミニウム)などの金属、PEN(ポリエチレンナフタレート)、LCP(液晶ポリマー)、PA(ポリアミド)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ガラス、SUS箔、CFRP(炭素繊維強化樹脂)、アモルファスカーボンから構成されている。支持体1の厚さは例えば10μm以上であり、例えば500μm以下である。この支持体1は、一定の可撓性を必要とする場合は、樹脂フィルムを選択することが好ましい。
【0026】
輝尽性蛍光体層2は、入射した放射線Rを吸収して蓄積し、励起光Eが照射されることによって蓄積している放射線Rのエネルギーに応じた輝尽発光光Lを放出する層である。輝尽性蛍光体層2は、支持体1の表面1a上に設けられ、その厚さは例えば80μm以上であり、例えば600μm以下である。
【0027】
この輝尽性蛍光体層2は、例えばEu(ユウロピウム)をドープしたCsBr(臭化セシウム)(以下、「CsBr:Eu」という。)を含む輝尽性蛍光体から構成され、複数の柱状結晶25(針状結晶ともいう。)が林立した構造を有する。なお、CsBr:Euは、放射線の蓄積性能、及び、蓄積された放射線の光への変換性能が高いが、吸湿性が高く、露出した状態では空気中の水蒸気を吸湿して潮解してしまう。また、輝尽性蛍光体層2に照射される励起光Eの波長範囲は、550〜800nm程度であり、輝尽性蛍光体層2によって放出される輝尽発光光Lの波長範囲は、350〜500nm程度である。
【0028】
輝尽性蛍光体層2は、複数の柱状結晶25によって構成された反射層21及び柱状層22を有している。輝尽性蛍光体層2の厚さは、例えば50μm〜1000μm程度で、反射層21はそのうちの約1%〜10%程度を占める厚さで、約5μm〜約50μm程度の厚さを有している。
【0029】
柱状結晶25は輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)の結晶を成長させて得たもので、支持体1側の根元部分が螺旋構造部23となり、螺旋構造部23よりも上側(上面2a側)の部分が柱状部24となっている。各柱状結晶25において、螺旋構造部23と柱状部24とは、輝尽性蛍光体の結晶が連続して積層することにより一体的に形成されている。なお、柱状結晶25は、螺旋構造部23の外径よりも柱状部24の外径が小さく、先端側(支持体1と反対側)に行くほど太くなるテーパー状に形成されている。そして、最先端部は尖頭状になっているので、尖頭部分を除いた柱状部24がテーパー状に形成される。
【0030】
螺旋構造部23は、輝尽性蛍光体の結晶が支持体1の表面1aから螺旋状に積層されて構成されたもので、中心軸Xの回り1周分の部分(螺旋ループ)が表面1aと直交する方向にほぼ規則的に形成された螺旋構造を有している。
図3では、23a,23bで示された範囲が1つ1つの螺旋ループを構成している。表面1aと直交する方向の螺旋ループの寸法(以下「螺旋ピッチ」ともいう)は、約0.5μm〜約15μm程度であり、ほぼ同様の螺旋ループが複数(例えば5個〜約15個程度)積み重なって螺旋構造部23を構成している。
【0031】
また、螺旋構造部23は、
図3に示されたような支持体1の表面1aに直交する方向(法線軸方向)の断面において、輝尽性蛍光体の結晶が中心軸Xを挟んで左右に繰り返しほぼ規則的に屈曲し、複数のV字状部分23a,23bがつながって得られる屈曲構造を有している。各V字状部分23a,23bは、
図3において右側に最も突出する部分が折返部23cとなり、それぞれのつながる部分が接続部23dとなっている。
【0032】
柱状部24はストレート部として螺旋構造部23に続いて形成され、輝尽性蛍光体の結晶が表面1aに交差する方向に沿ってほぼ真っ直ぐに伸びて形成された柱状構造を有している。そして、螺旋構造部23と柱状部24とは、蒸着により連続して一体形成されている。
【0033】
なお、柱状結晶25は、入射放射線Rに応じた放射線情報が蓄積記録され、励起光Eとして赤色レーザ光などが照射されると、蓄積情報に応じた光が柱状部24を導光されて先端側(支持体1と反対側)から放出される。反射層21は、柱状結晶25を導光される光のうち、反射層21側に導光される光を反射して、先端側から放出する光量を増加させる。
【0034】
そして、柱状結晶25は、
図4の(a)に示されるように、両隣の柱状結晶26,27との関係において、一方における上下に離れた部分の間に、もう一方が入り込んだ入込構造を有している。すなわち、
図4の(a)を拡大した
図4の(b)に示されように、互いに隣り合う柱状結晶26,27について、柱状結晶25の接続部23dの右側の、V字状部分23a,23bの間に形成される間隙23eに、柱状結晶26の接続部23dが入り込んだ入込構造を有している。
【0035】
この入込構造により、柱状結晶25の螺旋構造部23における柱状結晶26側の部分と、柱状結晶26の螺旋構造部23における柱状結晶25側の部分とが、支持体1の表面1aと垂直な方向から見て重なり合っている。より具体的には、柱状結晶25の折返部23cと柱状結晶26の接続部23dとが上側から見て重なり合っている。そして、柱状結晶25の螺旋構造部23と柱状結晶26の螺旋構造部23との間隙は、支持体1の表面1aと平行な方向(支持体1の側面1c側)から見て波線状となっている。
【0036】
以上のような構造を有する柱状結晶25のうち、螺旋構造部23によって反射層21が構成され、柱状部24によって柱状層22が構成されている。反射層21は、柱状結晶25において発光した光Lが入射したときに、その柱状結晶25において入射した光Lを反射する。また、柱状層22は、柱状結晶25において発光した光L、及び、反射層21によって反射された光Lを導光する。
【0037】
第1励起光吸収層3は、励起光Eを所定の吸収率で吸収し、輝尽性蛍光体層2における励起光Eの拡散及び反射を防止するための層である。第1励起光吸収層3は、輝尽性蛍光体層2の上面2a及び側面2cの全体を覆い、かつ、輝尽性蛍光体層2の複数の柱状結晶25の間隙を埋めるように設けられている。第1励起光吸収層3の厚さは例えば2μm以上であり、例えば20μm以下である。
【0038】
この第1励起光吸収層3は、例えばウレタンアクリル系樹脂から構成され、励起光Eを選択的に吸収する色素を含有している。第1励起光吸収層3は、例えば、励起光Eの波長範囲に対する吸収率が輝尽発光光Lの波長範囲に対する吸収率よりも高くなるような色素を含有している。第1励起光吸収層3の励起光Eの波長範囲に対する吸収率は例えば20〜99.9%程度、第1励起光吸収層3の輝尽発光光Lの波長範囲に対する吸収率は例えば0.1〜40%程度である。このような色素としては、例えばザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。またカラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材もあげられる。無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO
2−ZnO−Co−NiO系顔料などが挙げられ、第1励起光吸収層3は、例えば青色に着色されている。そして、このような樹脂と色素からなる第1励起光吸収層3は、溶融樹脂の塗布乾燥、樹脂フィルムの接着層を介しての貼り合わせ、スクリーン印刷による転写などによって形成することができる。
【0039】
以上のように構成された放射線像変換パネル10では、第1励起光吸収層3を介して放射線R(放射線像)が入射すると、入射した放射線Rが輝尽性蛍光体層2によって吸収され蓄積される。その後、励起光Eとして赤色レーザ光などが第1励起光吸収層3を介して輝尽性蛍光体層2に照射されると、輝尽性蛍光体層2によって蓄積されている放射線Rのエネルギーに応じた輝尽発光光Lが柱状結晶25に導光されて、先端から放出される。そして、輝尽性蛍光体層2から放出された輝尽発光光Lは、第1励起光吸収層3を透過して出射する。
【0040】
ここで、放射線像変換パネル10の製造方法の一例を説明する。まず、支持体1の表面1aに、CsBr:Euの柱状結晶25を真空蒸着法などの気相堆積法によって成長させ、輝尽性蛍光体層2を形成する。具体的に説明すると、輝尽性蛍光体層2は、支持体1を中央に載せる載置用の円板と、蒸着源が納められた円環状の収納部を有する蒸着容器と、を同軸に備える不図示の製造装置を用いて形成される。収納部は、円板側の平面は閉鎖されているが、その一部に孔部が形成されており、シャッタにより開閉するようになっている。
【0041】
円板と、蒸着容器とを同軸に回転させ、収納部に納められた蒸着源を蒸発させるとともに、シャッタを開放して、蒸発させた蒸着源を支持体1の表面1a上に積層させることによって結晶成長を行う。その際、双方の単位時間あたりの回転数に差を持たせて円板の回転速度よりも蒸着容器の回転速度を遅くする。
【0042】
製造装置において、円板の単位時間あたりの回転数(すなわち、支持体1の単位時間あたりの回転数)と、蒸着容器の単位時間あたりの回転数(すなわち、孔部の単位時間あたりの回転数)との差を回転数差としたときに、その回転数差をある値よりも小さくすると、輝尽性蛍光体層2の柱状結晶25に前述した螺旋構造部23が現われる。このため、製造開始からある程度の時間の間は回転数差をある値よりも小さくした状態で結晶成長を行い、それによって前述した螺旋構造部23を形成する。その後、回転数差を大きくして柱状部24を形成することによって輝尽性蛍光体層2を形成する。
【0043】
次に、塗布乾燥によって、輝尽性蛍光体層2の上面2a及び側面2cを覆うように第1励起光吸収層3を10μm程度の厚さで形成する。以上のようにして、放射線像変換パネル10が作製される。
【0044】
図5は、各放射線像変換パネルの光出力と解像度との関係を示す図である。第1比較例の放射線像変換パネル100は、輝尽性蛍光体層が螺旋構造部を有しない点、及び、第1励起光吸収層3に代えて透明の保護膜(クリアコート)を有する点で放射線像変換パネル10と相違する。第2比較例の放射線像変換パネル200は、第1励起光吸収層3に代えて透明の保護膜(クリアコート)を有する点で放射線像変換パネル10と相違する。放射線像変換パネル10、放射線像変換パネル100及び放射線像変換パネル200を用いて、それぞれ2回ずつ光出力及び解像度を測定した。
図5では、放射線像変換パネル100の1回目の測定結果の解像度及び光出力を1として、他の測定結果の解像度及び光出力を規格化している。
【0045】
図5に示されるように、放射線像変換パネル200の光出力は放射線像変換パネル100の光出力に対して1.7倍程度向上しているが、放射線像変換パネル200の解像度は放射線像変換パネル100の解像度に対して0.8倍程度に低下している。一方、放射線像変換パネル10の光出力は放射線像変換パネル100の光出力に対して1.4〜1.5倍程度向上し、放射線像変換パネル10の解像度は放射線像変換パネル100の解像度に対して僅かに向上している。
【0046】
この結果から、放射線像変換パネル10は、第1励起光吸収層3及び螺旋構造部23を備えることにより、放射線像変換パネル100と比較して、解像度の低下を抑制しつつ、光出力を向上していることが分かる。
【0047】
以上説明したように、放射線像変換パネル10は、複数の柱状結晶25からなる輝尽性蛍光体層2を支持体1上に備えている。この複数の柱状結晶25の各々は、支持体1側において螺旋状に積層してなる螺旋構造部23と、螺旋構造部23から第1励起光吸収層3に向かって延びてなる柱状部24とを有している。この螺旋構造部23は、輝尽発光光Lの反射層として機能するので、1つの柱状結晶25内において輝尽発光した光Lのうち支持体1側に向かう光を反射して第1励起光吸収層3を介して出射することができ、光出力(輝度)を向上することが可能となる。また、螺旋構造部23は、支持体1側において柱状結晶25が螺旋状に積層されてなり、柱状部24につながっているので、1つの柱状結晶25内において輝尽発光した光Lのうち支持体1側に向かう光は、その柱状結晶25の螺旋構造部23によって反射され、反射された光はその柱状結晶25の柱状部24に沿って導光される。このため、柱状結晶25における輝尽発光光Lが反射によって他の柱状結晶25に拡散することを防止でき、反射による解像度の低下を抑制できる。また、螺旋構造部23は励起光Eも反射するが、輝尽発光光Lと同様に励起光Eが入射した柱状結晶25内で反射するので、入射した柱状結晶25以外の柱状結晶25において潜像を励起することがなく、解像度の低下を抑制できる。その結果、解像度の低下を抑制しつつ、輝度の向上が可能となる。
【0048】
また、放射線像変換パネル10は、輝尽性蛍光体層2上に設けられた第1励起光吸収層を備え、輝尽性蛍光体層2は、入射した放射線Rを蓄積し、第1励起光吸収層3を介して励起光Eが照射されることによって、蓄積している放射線Rに応じた光Lを第1励起光吸収層3を介して出射する。これにより、入射表面における励起光Eの散乱及び乱反射を減らすことができ、解像度及びコントラストを向上できる。
【0049】
また、放射線像変換パネル10は、反射率を高めるための金属膜などの光反射膜を有していなくも良好な光反射特性を発揮し、上面2aからの発光量を増加させることができるから、放射線Rを検出する感度を高くすることができる。そして、放射線像変換パネル10は、放射線Rを検出する感度を高めるのに金属膜を形成していないから、金属膜に起因した腐食のおそれがない。
【0050】
しかも、放射線像変換パネル10では、反射層21が柱状結晶25のうちの螺旋構造部23によって構成されている。前述したとおり、柱状結晶25は螺旋構造部23において隣接しているもの同士が入り込む入込構造を形成しているから、螺旋構造部23では、輝尽性蛍光体の結晶の存在しない空間を極めて小さくすることができる。そのため、反射層21における輝尽性蛍光体の結晶の密度が高くなっているため、高い反射率を発揮するようになっている。
【0051】
そして、上述したように、多少の間隙が形成される入込構造を螺旋構造部23に適用することで、螺旋構造部23が接触した場合に螺旋構造部23で反射した光が隣接する柱状結晶25に導光されてコントラストが低下するのを防止することができる。さらに、螺旋構造部23においてもパネル面内の形成密度(packing density)を高くして反射率を向上させることができる。なお、コントラストを高めるためには、パネル面内において全ての柱状結晶25が螺旋構造部23を含めて1本1本の柱状結晶25に分離されていることが望ましい。柱状結晶25は蒸着により形成されるので、全ての柱状結晶25を完璧に分離することは困難であるが、凡そ分離されるように形成すれば、良好な放射線像変換パネル10が得られる。
【0052】
ところで、輝尽性蛍光体層2の励起光Eの吸収率は高いものの、励起光Eは、柱状結晶25内や柱状結晶25の間隙を通り、励起光Eの一部は輝尽性蛍光体層2を透過する。そして、輝尽性蛍光体層2を透過した励起光Eは、さらに支持体1を透過することがある。輝尽性蛍光体層2を透過した励起光E及び支持体1を透過した励起光Eが散乱及び乱反射することによって、輝尽性蛍光体層2の他の柱状結晶25を励起して解像度が低下することがある。そこで、第2〜第5実施形態では、解像度の低下をさらに抑制可能な構造を有する放射線像変換パネルを提供する。
【0053】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係る放射線像変換パネルの構成を示す概略側断面図である。
図6に示されるように、第2実施形態の放射線像変換パネル10は、輝尽性蛍光体層2を挟んで第1励起光吸収層3と対向する第2励起光吸収層4をさらに備える点、及び、接着層6を介して着色樹脂フィルムからなる第1励起光吸収層3を設ける(輝尽性蛍光体層2に貼り合わせる)点において、上述した第1実施形態の放射線像変換パネル10と相違している。
【0054】
接着層6は、支持体1の表面1a、輝尽性蛍光体層2の上面2a及び側面2c上に設けられている。接着層6は、例えばPE(ポリエチレン)、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂から構成されている。接着層6の厚さは例えば2μm以上であり、例えば30μm以下である。第1励起光吸収層3は、接着層6を介して輝尽性蛍光体層2の上面2a及び側面2cの全体を覆うように設けられている。
【0055】
第2励起光吸収層4は、第1励起光吸収層3と同等に励起光Eを所定の吸収率で吸収し、励起光Eの拡散及び反射を防止することができる層である。第2励起光吸収層4は、支持体1の裏面1bの全体を覆うように、裏面1bに設けられている。第2励起光吸収層4の厚さは、例えば2μm以上であり、例えば50μm以下である。第2励起光吸収層4は、例えば青色に着色されている。この第2励起光吸収層4は、溶融樹脂の塗布乾燥、樹脂フィルムの接着層を介しての貼り合わせ、スクリーン印刷による転写などによって形成することができる。
【0056】
さらに、第2励起光吸収層4は、輝尽発光光を吸収する機能を兼ねていてもよい。この場合、第2励起光吸収層4は、例えばセラミック、ウレタンアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂から構成され、励起光E及び輝尽発光光Lを吸収する色素を含有している。第2励起光吸収層4の励起光Eの波長範囲に対する吸収率は例えば60〜99.9%程度、第2励起光吸収層4の輝尽発光光Lの波長範囲に対する吸収率は例えば60〜99.9%程度である。このような色素としては、例えばカーボンブラック、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄などが挙げられ、第2励起光吸収層4は、例えば黒色に着色されている。そして、第2励起光吸収層4が輝尽発光光吸収層を兼ねる場合も、同様の方法で形成することができる。
【0057】
以上の第2実施形態の放射線像変換パネル10によっても、上述した第1実施形態の放射線像変換パネル10と同様の効果が奏される。また、第2実施形態の放射線像変換パネル10は、支持体1の裏面1bを覆うように設けられた第2励起光吸収層4を備えている。このため、輝尽性蛍光体層2及び支持体1を透過した励起光Eを吸収することができ、励起光Eの散乱及び乱反射を減らすことが可能となる。その結果、解像度及びコントラストの低下をさらに抑制できる。
【0058】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態に係る放射線像変換パネルの構成を示す概略側断面図である。
図7に示されるように、第3実施形態の放射線像変換パネル10は、輝尽性蛍光体層2を挟んで第1励起光吸収層3と対向する第2励起光吸収層4をさらに備える点において、上述した第1実施形態の放射線像変換パネル10と相違している。
【0059】
第2励起光吸収層4は、支持体1の表面1aの全体を覆うように、支持体1と輝尽性蛍光体層2との間に設けられ、支持体1の裏面1b及び側面1cの上には設けられない。換言すると、第3実施形態の放射線像変換パネル10では、輝尽性蛍光体層2の両面に励起光吸収層3,4がそれぞれ設けられ、第1励起光吸収層3及び第2励起光吸収層4によって輝尽性蛍光体層2が挟まれている。また、第2励起光吸収層4は、支持体1の表面1a及び輝尽性蛍光体層2の螺旋構造部23の間に設けられている。第2励起光吸収層4の厚さは、例えば2μm以上であり、例えば50μm以下である。第2励起光吸収層4は、溶融樹脂の塗布乾燥、樹脂フィルムの接着層を介しての貼り合わせ、スクリーン印刷による転写などによって形成することができる。
【0060】
この第2励起光吸収層4は、例えばセラミック、ウレタンアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂から構成され、励起光Eを吸収する色素を含有している。第2励起光吸収層4は、例えば、励起光Eの波長範囲に対する吸収率が輝尽発光光Lの波長範囲に対する吸収率よりも高くなるような色素を含有している。第2励起光吸収層4の励起光Eの波長範囲に対する吸収率は例えば30〜99.9%程度、第2励起光吸収層4の輝尽発光光Lの波長範囲に対する吸収率は例えば0.1〜40%程度である。このような色素としては、例えばザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。またカラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材もあげられる。無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO
2−ZnO−Co−NiO系顔料などが挙げられ、第2励起光吸収層4は、例えば青色に着色されている。
【0061】
以上の第3実施形態の放射線像変換パネル10によっても、上述した第1実施形態の放射線像変換パネル10と同様の効果が奏される。また、第3実施形態の放射線像変換パネル10は、支持体1と輝尽性蛍光体層2との間に設けられた第2励起光吸収層4を備えている。このため、輝尽性蛍光体層2を透過した励起光Eを吸収することができ、輝尽性蛍光体層2と支持体1との間における励起光Eの散乱及び乱反射を減らすことが可能となる。その結果、解像度及びコントラストの低下をさらに抑制できる。
【0062】
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態に係る放射線像変換パネルの構成を示す概略側断面図である。
図8に示されるように、第4実施形態の放射線像変換パネル10は、支持体1に代えて支持体11を備える点において、上述した第1実施形態の放射線像変換パネル10と相違している。
【0063】
支持体11は、樹脂フィルムであり、例えば矩形状を呈している。この支持体11の厚さは例えば50μm以上であり、例えば500μm以下である。また、支持体11は、励起光Eを所定の吸収率で吸収する励起光吸収性を有し、励起光Eの拡散及び反射を防止する励起光吸収層として機能する。支持体11は、例えばポリイミド、PET、PENなどから構成され、励起光Eを吸収する色素を含有している。支持体11は、例えば、励起光Eの波長範囲に対する吸収率が輝尽発光光Lの波長範囲に対する吸収率よりも高くなるような色素を含有している。
【0064】
支持体11の励起光Eの波長範囲に対する吸収率は例えば50〜99.9%程度、支持体11の輝尽発光光Lの波長範囲に対する吸収率は例えば0.1〜40%程度である。このような色素としては、例えばザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。またカラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材もあげられる。無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO
2−ZnO−Co−NiO系顔料などが挙げられ、支持体11は、例えば青色に着色されている。
【0065】
さらに、支持体11は輝尽発光光Lを吸収する機能を兼ねていてもよい。この場合、支持体11は、セラミック、カーボンブラック、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄などの色素を有し、励起光Eの波長範囲に対する吸収率は例えば50〜99.9%程度、輝尽発光光Lの波長範囲に対する吸収率は例えば50〜99.9%程度となる。そして、支持体11は、例えば黒色に着色されている。
【0066】
以上の第4実施形態の放射線像変換パネル10によっても、上述した第1実施形態の放射線像変換パネル10と同様の効果が奏される。また、第4実施形態の放射線像変換パネル10は、励起光E、または、励起光E及び輝尽発光光Lの両方を所定の吸収率で吸収する支持体11を備えている。このため、輝尽性蛍光体層2を透過した励起光E、または、励起光E及び輝尽発光光Lの両方を吸収することができ、励起光E、または、励起光E及び輝尽発光光Lの両方の散乱及び乱反射を減らすことが可能となる。その結果、解像度及びコントラストの低下をさらに抑制できる。
【0067】
[第5実施形態]
図9は、第5実施形態に係る放射線像変換パネルの構成を示す概略側断面図である。
図9に示されるように、第5実施形態の放射線像変換パネル10は、第1励起光吸収層3が設けられている範囲、及び、輝尽性蛍光体層2を挟んで第1励起光吸収層3と対向する第2励起光吸収層4をさらに備える点において、上述した第1実施形態の放射線像変換パネル10と相違している。
【0068】
第1励起光吸収層3は、輝尽性蛍光体層2の上面2a及び側面2c、並びに、支持体1の側面1cの全体を覆うように設けられている。第2励起光吸収層4は、支持体1の裏面1bの全体を覆うように設けられている。換言すると、第5実施形態の放射線像変換パネル10では、第1励起光吸収層3及び第2励起光吸収層4によって支持体1及び輝尽性蛍光体層2が完全に覆われている。
【0069】
また、第1励起光吸収層3は、支持体1の表面1a及び側面1c、並びに、輝尽性蛍光体層2の上面2a及び側面2cに接触を成している。また、第2励起光吸収層4は、支持体1の裏面1bに接触を成している。すなわち、第1励起光吸収層3は、塗布によって形成され、支持体1の表面1a及び側面1c、並びに、輝尽性蛍光体層2の上面2a及び側面2cに設けられている。第2励起光吸収層4は、溶融樹脂の塗布乾燥、樹脂フィルムの接着層を介しての貼り合わせ、スクリーン印刷による転写などによって形成され、支持体1の裏面1bに設けられている。この第2励起光吸収層4は、第2実施形態の第2励起光吸収層4と同様に構成されている。
【0070】
以上の第5実施形態の放射線像変換パネル10によっても、上述した第1実施形態の放射線像変換パネル10と同様の効果が奏される。また、第5実施形態の放射線像変換パネル10は、支持体1の裏面1bを覆うように設けられた第2励起光吸収層4を備えている。このため、輝尽性蛍光体層2及び支持体1を透過した励起光E、または、励起光E及び輝尽発光光Lの両方を吸収することができ、励起光E、または、励起光E及び輝尽発光光Lの両方の散乱及び乱反射を減らすことが可能となる。その結果、解像度及びコントラストの低下をさらに抑制できる。さらに、第1励起光吸収層3が支持体1の側面1cを覆うように設けられているので、側面1cにおける励起光Eの散乱及び乱反射を減らすことができ、解像度及びコントラストの低下をさらに抑制できる。
【0071】
なお、本発明に係る放射線像変換パネルは上記実施形態に記載したものに限定されない。例えば、支持体1は、SUS箔、ガラス、Al、CFRPなどであってもよい。
【0072】
また、放射線像変換パネル10は、輝尽性蛍光体層2と第1励起光吸収層3との間、または、第1励起光吸収層3の上に、さらに耐湿性保護膜を備えてもよい。耐湿性保護膜は、輝尽性蛍光体層2が空気中の水蒸気を吸湿するのを抑制するための防湿膜である。この耐湿性保護膜は、例えばポリパラキシリレン及びポリ尿素などの有機膜、又は、前記有機膜と窒化膜(例えばSiN、SiON)や炭化膜(例えばSiC)などの無機膜との組み合わせから構成されている。この場合、輝尽性蛍光体層2が空気中の水蒸気を吸湿するのを抑制でき、輝尽性蛍光体層2が潮解するのを抑制できる。
【0073】
また、第1励起光吸収層3に代えて、輝尽性蛍光体層2の上面2a及び側面2cを覆い、かつ、輝尽性蛍光体層2の複数の柱状結晶25の間隙を埋めるように設けられた耐湿性保護膜と、耐湿性保護膜上に設けられた耐擦傷性保護膜と、を備えてもよい。この場合、耐湿性保護膜及び耐擦傷性保護膜の少なくとも一方を着色することにより、励起光吸収層として機能させてもよい。
【0074】
また、第2励起光吸収層4は、支持体1の裏面1b及び支持体1と輝尽性蛍光体層2との間の両方に設けられてもよい。