(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033630
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】渋柿の加工食品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 19/00 20160101AFI20161121BHJP
A23B 7/04 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
A23L19/00 A
A23B7/04
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-226709(P2012-226709)
(22)【出願日】2012年10月12日
(65)【公開番号】特開2014-76025(P2014-76025A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】512264703
【氏名又は名称】南信州菓子工房株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 裕亮
(72)【発明者】
【氏名】大島 亮
【審査官】
濱田 光浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−135478(JP,A)
【文献】
特開平07−289160(JP,A)
【文献】
特開昭49−006162(JP,A)
【文献】
特開昭63−237735(JP,A)
【文献】
特開昭52−125656(JP,A)
【文献】
特開2008−099679(JP,A)
【文献】
特開2004−313110(JP,A)
【文献】
国際公開第08/054025(WO,A1)
【文献】
国際公開第2009/057736(WO,A1)
【文献】
特開2004−267176(JP,A)
【文献】
特開平04−152838(JP,A)
【文献】
特開2009−065899(JP,A)
【文献】
特開2004−236612(JP,A)
【文献】
水分活性について 〜食品の保存性パラメーター〜,JFRLニュース ,2003年,Vo. 2, No. 38,p. 1-3,表1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 19/00
A23B 7/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
WPIDS(STN)
FROSTI(STN)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
渋柿を用いた加工食品の製造方法であって、
生の渋柿を脱渋処理して、当該渋柿に含まれる可溶性タンニンを不溶化させる第1のステップと、
脱渋処理した前記渋柿を冷凍する第2のステップと、
凍結状態の前記渋柿を切り分ける第3のステップと、
切り分けた前記渋柿を、冷蔵下で一次糖液に一次浸漬する第4のステップと、
一次浸漬した前記渋柿を、38℃以下で減圧しながら前記一次糖液よりも糖度の高い糖液に二次浸漬する第5のステップと、
二次浸漬した前記渋柿を、水分活性が0.7以下になるまで38℃以下で乾燥させる第6のステップと、
を含む製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法において、
前記第4のステップで用いられる糖液に乳酸カルシウムを添加する製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の製造方法において、
前記第4のステップにおいて、前記渋柿は、0℃〜10℃の温度範囲に保持された糖液に10時間〜24時間浸漬される製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渋柿の果実を用いたドライフルーツ様の新規な加工食品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
柿は、一般に、甘柿と渋柿とに大別できる。甘柿は、渋味が少ないため、そのままでも食べられるが、渋柿は、渋味が強く、そのままでは食べることができない。
【0003】
その渋味の原因は、渋柿に含まれる可溶性(水溶性)タンニンである。可溶性タンニンは、縮合すると、渋味を感じない不溶性タンニンに変性する。
【0004】
そこで、渋柿を食用に用いる場合には、一般に、炭酸ガスやアルコール等を用いて、渋柿に含まれる可溶性タンニンを縮合させる「渋抜き」(脱渋処理)が行われている。
【0005】
ところが、不溶性タンニンは、加熱すると可溶性タンニンに戻るため(渋戻り)、渋抜きを行った渋柿であっても、加工処理等で加熱すると再び渋味が生じて風味が損なれる。従って、渋柿を加工する際、安易に加熱できないという不利がある。
【0006】
渋柿を用いた加工食品としては、干し柿が広く知られている。
【0007】
干し柿は、例えば、収穫した渋柿を軒先に吊すなどして天日乾燥を行い、その水分を減少させることによって作られる。乾燥により、可溶性タンニンは不溶性タンニンに変性するため、渋味を感じなくなる。その結果、渋柿本来の甘味が際だつようになり、独特の風味を有する干し柿が得られる。
【0008】
日本の場合、柿の収穫時期は10月前後の一定期間に限られる。また、干し柿は、カビ等の微生物が繁殖して変質するおそれがあるため、冷凍保存等しない限り長期保存はできない。そのため、干し柿は、流通する時期が限られた季節限定食品としての感が強い。
【0009】
本発明に関する先行技術として、例えば、特許文献1,2がある。
【0010】
特許文献1には、短時間で行える渋柿の脱渋方法が開示されている。具体的には、密閉タンク内に渋柿をセットし、減圧しながら渋柿にマイクロ波を照射する。減圧によって渋柿は約40℃に維持される。その後、炭酸ガスやアルコールガスをタンク内で噴霧し、これらガスを渋柿に浸透させている。
【0011】
特許文献2には、干し柿の製造時期が調整できる渋柿の処理方法が開示されている。具体的には、皮を剥いた渋柿を冷凍保存し、適宜解凍して乾燥を行うことで、干し柿の製造時期を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開昭61−128837号公報
【特許文献2】特開2000−217536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、渋柿は、収穫時期が限られるうえ、加工食品の素材として扱い辛い特徴がある。そのため、渋柿を用いた加工食品の種類は多くない。
【0014】
そこで、本発明の目的は、常温で長期保存が可能な、渋柿の新規加工食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、渋柿を用いた加工食品の製造方法であり、次の6つのステップを含むことを特徴とする。
【0016】
第1のステップでは、生の渋柿を脱渋処理して、当該渋柿に含まれる可溶性タンニンを不溶化させる。第2のステップでは、脱渋処理した前記渋柿を冷凍する。第3のステップでは、凍結状態の前記渋柿を切り分ける。第4のステップでは、切り分けた前記渋柿を、冷蔵下で糖液に一次浸漬する。第5のステップでは、一次浸漬した前記渋柿を、38℃以下で減圧しながら糖液に二次浸漬する。そして、第6のステップでは、二次浸漬した前記渋柿を、38℃以下で乾燥させる。
【0017】
この製造方法によれば、脱渋処理後は、高くても38℃以下に維持されている。38℃以下であれば、渋戻りによって渋味が生じるおそれはない。従って、渋味を感じずに柿独特の風味が味わえる加工食品を得ることができる。
【0018】
処理の途中で渋柿は冷凍されるので、品質を維持したまま長期保存が可能になる。従って、製造時期の調整が可能になり、年間を通じた計画的生産が実現できる。
【0019】
糖液に渋柿を浸漬することにより、風味等が改良でき、常温での保存性が確保することができる。更に、糖液の浸漬を2段回に分けることで、低温下であっても高糖度の糖液を効率よく渋柿に浸透させることができる。
【0020】
例えば、前記第4のステップで用いられる糖液に乳酸カルシウムを添加してもよい。
【0021】
そうすれば、渋柿の過度な軟化が防止でき、形くずれを抑制できる。
【0022】
例えば、前記第4のステップにおいて、前記渋柿は、0℃〜10℃の温度範囲に保持された糖液に10時間〜24時間浸漬されるようにするとよい。
【0023】
そうして渋柿を緩慢解凍すれば、渋柿の組織が破壊され軟化する。その結果、糖液が渋柿に浸透し易くなり、低温のために流動性が低下した糖液でも、10時間〜24時間浸漬させるだけで、渋柿の全体に糖液を行き渡らせることができる。
【0024】
第5のステップの糖液には、前記第4のステップの糖液よりも糖度の高い糖液を用いるのが好ましい。
【0025】
そうすれば、高糖度の糖液を、渋柿の全体に均等に短時間で浸透させることができる。
上述した製造方法を用いて製造された渋柿の加工食品の水分活性は0.7以下にするのが好ましい。
【0026】
そうすれば、常温での長期保存が可能になり、利便性が向上する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、年間を通じて製造可能な新規な渋柿の加工食品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本実施形態における製造工程を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<柿菓子の製造方法>
図1に、本発明に係る渋柿の新規な加工食品(ドライフルーツ様の柿菓子)の製造工程を表したフローチャートを示す。以下、このフローチャートを参照しながら本実施形態を詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
【0030】
(原料)
原料には、生の渋柿の果実が用いられる。生の渋柿であればその品種や産地は問わない。また、そのサイズや成熟度についても求める品質に応じて適宜選択できる。
【0031】
(第1のステップ)
生の渋柿に含まれる可溶性タンニンを不溶化させるため、脱渋処理を行う(ステップS1)。脱渋処理は、干し柿の製造時に用いられている。例えば、炭酸ガス処理やアルコール処理、温湯処理等、様々な脱渋処理方法が存在する。本方法においては、干し柿と同様、おいしく食べることができるレベルに渋味が低減できるのであればよく、いずれの脱渋処理方法も適用可能である。
【0032】
本ステップでは、渋柿のカット処理等は行われず、収穫時の形態(球形の果実の状態)が保持される。
【0033】
(第2のステップ)
脱渋処理した渋柿を冷凍する(ステップS2)。具体的には、脱渋処理した渋柿の果実をそのままの状態で0℃以下、好ましくは−20℃以下の温度の環境下に置き、凍結させる。凍結することにより、渋柿の長期保存が可能になる。
【0034】
従って、渋柿の収穫時期に本ステップまでの処理を行い、十分量の渋柿を冷凍保存しておく。そうすることで、製造時期の調整が可能になり、年間を通じた計画的生産が実現できる。収穫時の形態のままで凍結するので、凍結保存中の品質劣化が抑制できるし、大量であっても容易に取り扱うことができる。
【0035】
(第3のステップ)
凍結状態の渋柿を切り分ける(ステップS3)。具体的には、凍結した渋柿を、その凍結状態を維持し得る温度環境下で、例えば8等分に切り分けて一口サイズの大きさにカットする。凍結により渋柿は硬化しているため、組織を破壊することなく任意のサイズに容易にカットできる。
【0036】
低温下での処理であるため、微生物汚染による品質劣化も防ぐことができる。万全を期すために、切り分けた渋柿を、短時間、アルコールに浸漬するアルコール浸漬処理を追加してもよい。
【0037】
(第4のステップ)
切り分けた渋柿(カット渋柿ともいう)を、冷蔵下で緩慢解凍しながら糖液に一次浸漬する(ステップS4)。具体的には、凍結状態にあるカット渋柿を、例えば、0℃〜10℃の冷蔵環境の下で、同温度に保持された糖液に、10時間〜24時間浸漬させる。
【0038】
カット渋柿を糖液に浸漬することにより、風味や食感の改良を行うとともに、常温での保存性を確保する。
【0039】
すなわち、渋柿の渋味は、脱渋処理だけでは完全に除去できない。それに対し、渋柿の糖度を高めることで渋味がマスキングされ、渋柿特有の風味だけを活かすことができる。また、渋柿に高濃度の糖液を付与することで、乾燥後に独特の軟らかな物性が得られる。更に、水分活性の低下により、保存性を高めることができる。
【0040】
ところが、最初から高糖度の糖液に浸漬すると、元々濃度が高くて糖液の流動性が低くなっているところに、低温で処理されるため、更に糖液の流動性が低下する。従って、単に浸漬するだけでは、カット渋柿の中心部まで糖液を安定して浸透させることはできない。
【0041】
そこで、本方法では、カット渋柿の全体に高糖度の糖液を行き渡らせるために、所望する高糖度の糖液に浸漬する前に、それよりも糖度の低い糖液に予備的に浸漬する2段階浸漬を採用している。
【0042】
本ステップでの糖液(一次糖液)としては、例えば糖度が25〜35(%)の範囲にある糖液が使用でき、その種類は問わない。例えば、ショ糖やブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元でんぷん糖化物、さらにはトレハロース、ソルビトールなどの甘味料の単体又は混合物を水に溶解して糖液とすることができる。
【0043】
カット渋柿を緩慢解凍することにより、カット渋柿の組織が破壊され軟化する。その結果、一次糖液がカット渋柿に浸透し易くなり、低温のために流動性が低下した一次糖液でも、10時間〜24時間浸漬させるだけで、カット渋柿全体に一次糖液を行き渡らせることができる。従って、低温下でもカット渋柿全体の糖度を短時間で高めることができる。
【0044】
一次糖液には、乳酸カルシウムを添加するのが好ましい。例えば、0.1〜0.5重量%の濃度で乳酸カルシウムを一次糖液に添加する。乳酸カルシウムを添加することで、カット渋柿の過度な軟化や形くずれが防止できる。従って、カット渋柿の形態を安定して保持することができ、取り扱いが容易になる。
【0045】
また、酸化による変色を防止するため、酸化防止剤としてビタミンCを一次糖液に適量添加してもよい。
【0046】
(第5のステップ)
一次浸漬したカット渋柿を、38℃以下で減圧しながら、より糖度の高い糖液に二次浸漬する(ステップS5)。一次浸漬によってカット渋柿の全体に一次糖液が浸透したことで、カット渋柿は、高糖度の糖液が浸透し易くなっている。本方法では、カット渋柿の糖度を所望する糖度まで短時間で一気に高めるために、温度及び圧力を調整しながら二次浸漬を行う。
【0047】
本ステップでの糖液(二次糖液)には、例えば糖度が50〜60(%)の範囲にある糖液が使用でき、一次糖液と同様、その種類は問わない。なお、渋柿の風味との相性からすると、二次糖液にはブドウ糖を用いるのが好ましい。
【0048】
二次糖液の温度は、38℃を上限としてできるだけ高い温度に保持する。38℃を超えると、渋戻りが発生し、カット渋柿中に可溶性タンニンが生成される可能性があるからである。浸漬温度を高めることで、糖液の流動性が高まる。従って、一次糖液よりも糖度が高くて流動性も低い二次糖液であっても、浸漬温度を高めることで、両者の流動性を近づけることができ、カット渋柿への二次糖液の浸透を促すことができる。
【0049】
更に、二次浸漬は、減圧下で行う。例えば、二次糖液を貯留した耐圧容器に一次浸漬処理したカット渋柿を投入し、真空ポンプで耐圧容器内の空気を吸引すればよい。減圧すればするほど、二次糖液のカット渋柿への浸透性が高まるため、減圧の程度は高い方が好ましい。しかし、減圧の程度を強くするほど、大掛かりな設備が必要になり、また、ランニングコストも高くなる。従って、減圧の程度は、少なくとも常圧よりも低ければ足り、仕様に応じて適宜選択できる。
【0050】
なお、本ステップでは、連続的に減圧してもよいが、間欠的に減圧するのが好ましい。すなわち、二次浸漬での雰囲気圧力を、減圧と常圧とに交互に変化させる。そうすることで、高度に減圧しなくても、二次糖液のカット渋柿への浸透性を高めることができ、短時間で効率よく浸透処理できる。
【0051】
このような二次浸漬処理を行うことにより、例えば、8時間以内で二次糖液をカット渋柿の全体に浸透させることができる。
【0052】
(第6のステップ)
二次浸漬したカット渋柿を、38℃以下で乾燥させる(ステップS6)。具体的には、二次糖液からカット渋柿を取り出し、カット渋柿の表面に残った二次糖液を水で洗い流した後、乾燥機に入れてカット渋柿を乾燥させる。
【0053】
乾燥機では、38℃以下の温度に調整された風がカット渋柿に送風されるように構成されており、渋戻りの発生を防ぎながら、風乾によってカット渋柿の乾燥が行われる。乾燥の程度は、常温で長期間保存できるように、水分活性が0.7以下となるまで乾燥するのが好ましい。乾燥時間は、乾燥機の能力によって異なるが、例えば、12時間〜48時間程度で乾燥できる。
【0054】
乾燥中、カット渋柿の表面に紫外線を照射してあってもよい。そうすれば、紫外線の殺菌力により、乾燥中のカット渋柿の衛生状態を良好なまま維持できる。乾燥によってカット渋柿の水分が除去され、軟らかなドライフルーツ様の柿菓子が得られる。
【0055】
乾燥したカット渋柿の表面に粉糖をまぶすなどの仕上げ処理を行ってもよい。最後に、得られた柿菓子は、所定量ずつ個包装される。
【0056】
<柿菓子>
図2に、上述した方法で製造された柿菓子を示す。
【0057】
柿菓子の水分は約18重量%であり、干し柿(水分が約24重量%)と比べて低水分となっている。柿菓子の水分活性値は、約0.56であり、常温での長期保存性が可能である。糖濃度が高いため、軟らかな物性を示し、咀嚼力の弱い老人や子供でも食感を楽しみながら容易に食べることができる。
【0058】
柿菓子は、従来の干し柿とは全く異なった外観や風味を有している。
【0059】
図3に、柿菓子と干し柿とを比較した官能試験の結果を示す。官能試験では、男女のパネラー10名(30才〜70才)に、柿菓子(実施例)及び干し柿(比較例)を試食させ、各人がイメージする干し柿と外観や風味を比較させることにより行った。
【0060】
その結果、干し柿については、風味に関しては6名が、外観に関しては全員が、干し柿と同じ又は似ていると評価したのに対し、柿菓子については、10名全員が風味、外観とも干し柿とは明らかに異なると評価した(0/10)。
【0061】
特に、柿菓子の風味については、干し柿と比べてべたつき感がなく、すっきり感があることが高く評価されていた。
【0062】
このように、本発明の製造方法によれば、扱い難い渋柿を用いて、誰もがおいしく食べられる新規な加工食品を、時期を選ばず量産することが可能になる。
【0063】
なお、本発明にかかる製造方法等は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。例えば、実施形態では、糖液の濃度を2段階に分けたが、3段階以上の多段階に分けてもよい。