(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
充電式バッテリがスライドさせて装着されるバッテリ装着部と、該バッテリ装着部の上側に該バッテリ装着部を支持しながら形成されるハンドル部と、該ハンドル部の上側に設けられ且つ前後方向に延びるモータ軸を回転駆動させる電動モータと、該モータ軸の前側で該モータ軸の回転駆動を受けて回転される先端工具取付部と、を有する電動工具であって、
前記バッテリ装着部は、前記モータ軸が延びる前後方向に並べられて2つ設けられている、ことを特徴とする電動工具。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
次に、本発明に係る第1の実施の形態を
図1〜
図9を参照しながら説明する。
図1に示す符号10は、本発明に係る電動工具に相当するドライバドリルである。すなわち、
図1は、第1の実施の形態のドライバドリル10の外観全体を示す斜視図である。
図2は、
図1に示すドライバドリル10を側面で視た側面図である。
図3は、
図1に示すドライバドリル10を上側から視た平面図である。
図4は、
図1に示すドライバドリル10を下側から視た平面図である。
図5は、
図1に示すドライバドリル10の半割り内部構造を示す内部構造図である。
図6は、
図5の(VI)-(VI)断面矢視を示す内部構造図である。
図7は、バッテリ装着部60にスライドさせて装着される充電式バッテリ80の斜視図である。
図8は、
図4のバッテリ端子接続部600を拡大して示す平面図である。
図9は、電動モータ25の回路構造を模式化して概念的に示す概念回路図である。なお、以下の説明では、図中に記載される方向を用いてドライバドリル10を説明する。より詳しく言えば、このようなドライバドリル10の前後上下左右はモータ軸26の配設位置を鑑みて設定される。このモータ軸26が延びる方向がドライバドリル10の前後方向として規定される。具体的には、モータ軸26に対してスピンドル50が配設される側が、ドライバドリル10における相対的な前側を指している。また、ハンドル部13に対してモータ軸26が配設される側が、ドライバドリル10における相対的な上側を指している。つまり、この反対側となる充電式バッテリ80の装着側が下側として規定される。このような前後上下に基づき、このドライバドリル10の左右方向が規定されている。なお、図示符号X1は、モータ軸26の軸線である。
このドライバドリル10は、ユーザが手で持って螺子締め作業等を行うための手持ち式の螺子締め工具である。このドライバドリル10は、本発明に係る電動工具に相当する。このドライバドリル10は、供給電力の電圧が36Vに設定されるハイパワータイプのドライバドリルである。このドライバドリル10は、充電式バッテリ80から供給される電力により駆動する電動工具である。このため、このドライバドリル10は、充電式バッテリ80がスライドさせて装着される工具本体100を備える。
すなわち、このドライバドリル10は、充電式バッテリ80からの供給電力により電動モータ25にて回転駆動力を発生させる。この回転駆動力は、後に説明する減速機構と動力伝達遮断機構とを介してスピンドル50に伝達される。このスピンドル50には、適宜のビット(不図示)が取り付けられるチャック52が設けられている。なお、この不図示のビットは、本発明に係る先端工具に相当する。また、このチャック52は、本発明に係る先端工具取付部に相当する。
【0011】
工具本体100は、概略、ハウジング11と各種の内装部品とにより構成される。このハウジング11は、2つ割りにされた左ハウジング11Aと右ハウジング11Bとを合体させることにより構成される。また、このハウジング11は、機能的にグリップハウジング部12と、本体ハウジング部21とに区分けすることができる。グリップハウジング部12は、このドライバドリル10のハンドル部13を形成する。ハンドル部13は、ピストルのハンドルを模した形状にて形成されている。このため、グリップハウジング部12は、上下方向で適宜に延びるように形成される。
このグリップハウジング部12の上部には操作スイッチ14が設けられている。操作スイッチ14は、
図5に示すように、スイッチ本体15と、操作ボタン部16とを備える。スイッチ本体15は、内装されるグリップハウジング部12にて支持される。このスイッチ本体15は、広く利用される接点スイッチにて構成されている。操作ボタン部16は、前後方向に移動可能にグリップハウジング部12に支持されている。この操作ボタン部16は、ハンドル部13の握り方向に沿った押込み操作がされることにより、スイッチ本体15の接点をオンとするように設けられている。接点がオンとされたスイッチ本体15は、スイッチオンとする旨の信号をコントローラ18に入力する。なお、操作ボタン部16が押込み操作されていない場合には、不図示の付勢ばねにより操作ボタン部16の押込みは解除され、スイッチ本体15の接点はオフとされる。なお、ハンドル部13のグリップ形状としては、ユーザにて手握りされた際に、中指、薬指および小指により握れるように更に人指し指で操作スイッチ14を引き操作できるように、形状設定がなされている。
また、このグリップハウジング部12の上端かつ前端の部分には、LED照明装置17が設けられている。このLED照明装置17は、操作スイッチ14のスイッチオン操作により、作業部分を照射する。
【0012】
このグリップハウジング部12の上側には、このグリップハウジング部12と一体に連接される本体ハウジング部21が設けられている。この本体ハウジング部21は、前後方向に適宜に延びるように形成される。この本体ハウジング部21の内部には、ドライバドリル10としての駆動するための各種の内装部品が装置される。なお、この本体ハウジング部21の最後部には、本体ハウジング部21の最後部の開口状態を閉塞する後部カバー35が取り付けられている。
本体ハウジング部21の内部には、後部から前部に向けて、電動モータ25と、遊星歯車減速機構41と、クラッチ機構45とを備える。電動モータ25は、モータ軸26を回転駆動させる。このモータ軸26は、後側ベアリング31と前側ベアリング32とに、回転可能に支持されている。なお、後側ベアリング31は、後部カバー35により支持されている。また、前側ベアリング32は、ブラケット部材37を介して本体ハウジング部21に支持されている。つまり、このモータ軸26は、ハンドル部13の上側に設けられ且つ前後方向に延びるようになっている。
電動モータ25は、供給電力によりモータ軸26を回転駆動させる。この電動モータ25は、所謂ブラシモータで構成され、ステータ27と、ロータ28と、コンミテータ29とを備える。ステータ27は、本体ハウジング部21にて支持される永久磁石となっている。ロータ28は、コイルが巻回されることにより形成される。このロータ28の回転軸としてモータ軸26が設定されている。モータ軸26のうちロータ28の後側には、冷却ファン33が取り付けられている。この冷却ファン33の後側には、カーボンを支持するためのカーボン保持具30が設けられている。このカーボン保持具30は、本体ハウジング部21にて支持される。
モータ軸26に取り付けられた冷却ファン33は、モータ軸26の回転駆動を受けて送風する。この送風は、本体ハウジング部21に設けられる前側吸気孔38と、後部カバー35に設けられる後側吸気孔39と、後に説明する連接拡大部70に設けられる通風孔72と、から外気を吸気する。また、このように吸気された外気は、ハウジング11の内部を通って各種の部材を冷却した後に、本体ハウジング部21に設けられる排気孔40から外部に排気される。
【0013】
電動モータ25の前側には、減速機構と動力伝達遮断機構とが設けられている。また、これら減速機構と動力伝達遮断機構との前側には、これら減速機構と動力伝達遮断機構とを介して伝達された回転駆動を出力するスピンドル50が設けられている。すなわち、電動モータ25の前側には、減速機構としての遊星歯車減速機構41と、動力伝達遮断機構としてのクラッチ機構45とが、設けられている。
遊星歯車減速機構41は、上記した電動モータ25によるモータ軸26の回転駆動を減速させる。このため、この遊星歯車減速機構41は、モータ軸26の回転駆動が入力されるように構成される。また、この遊星歯車減速機構41は、このモータ軸26の回転駆動を減速させた回転駆動を出力するように構成される。この遊星歯車減速機構41の構成は、各種の特許文献にて開示されるが、開示特許文献の1つとしては『特願2011−83935(特開2012−218088)』が挙げられる。この開示特許文献では、振動ドライバドリルにおける減速機構の構成として遊星歯車減速機構が設けられている。また、本体ハウジング部21の上部には、この遊星歯車減速機構41に関する変速レバー43が設けられている。この変速レバー43を前後方向でスライド操作すると、遊星歯車減速機構41による減速比率を適宜の比率に変更することができる。
クラッチ機構45は、上記した遊星歯車減速機構41から出力される回転トルクが所定以上の回転トルクとなった場合に、この遊星歯車減速機構41から出力される回転駆動のスピンドル50への動力伝達を遮断する。このクラッチ機構45の構成は、各種の特許文献にて開示されるが、開示特許文献の1つとしても上記と同様の『特願2011−83935(特開2012−218088)』が挙げられる。この開示特許文献では、振動ドライバドリルにおける動力伝達遮断機構の構成としてクラッチ機構が設けられている。また、本体ハウジング部21の前端には、このクラッチ機構45に関するトルク調節リング47が設けられている。このトルク調節リング47を回転操作すると、クラッチ機構45により動力伝達を遮断する回転トルクを適宜の回転トルクに変更することができる。
このクラッチ機構45の前側には、上記した電動モータ25のモータ軸26から伝達される回転駆動力を外部に出力するスピンドル50が設けられている。このスピンドル50には、上記したようにチャック52が取り付けられている。
【0014】
上記したグリップハウジング部12の下部には、バッテリ装着部60が設けられている。このバッテリ装着部60は、充電式バッテリ80がスライドさせて装着されるように構成される。つまり、グリップハウジング部12は、下側のバッテリ装着部60を支持するように、2つ充電式バッテリ80a,80bを接続可能とするための連接拡大部70が設けられている。この連接拡大部70には、
図4に示すように、2つのバッテリ装着部60a,60bが設けられている。つまり、2つのバッテリ装着部60a,60bのそれぞれには、スライドさせることにより装着される充電式バッテリ80a,80bが取り付けられる。この充電式バッテリ80a,80bは、
図7に示すように、広く汎用される供給電力の電圧が18Vに設定される充電式バッテリ80である。この充電式バッテリ80は、スライドさせることによってバッテリ装着部60に装着されるいわゆるスライド式装着型の充電式バッテリとなっている。このため、この充電式バッテリ80の図示上面(接続端子配置面)側には、スライド装着させるための構造および電気的接続がなされる構造が設けられている。
図7に示すように、充電式バッテリ80の図示上面側には、スライド装着させるための構造として、対をなすスライドガイド部81,82が設けられている。また、この充電式バッテリ80の図示上面側には、電気的接続がなされる構造として、正極側端子83と負極側端子84と信号側端子85とが設けられている。また、この充電式バッテリ80の図示上面側には、充電式バッテリ80をスライド装着させて電気的接続がなされた際に、この状態にて充電式バッテリ80をバッテリ装着部60に対して係合させた状態とする雄フック87が設けられている。また、この充電式バッテリ80の取り外し方向側には、上記した雄フック87を操作するための押しボタン88が設けられている。この押しボタン88は雄フック87と連結している。この押しボタン88を押し操作することで、雄フック87が動作して充電式バッテリ80の内部に収納される。これにより、充電式バッテリ80がバッテリ装着部60に対して係合しない状態となり、充電式バッテリ80をバッテリ装着部60から取り外せるようになる。なお、
図7に記載される符号Lは、この充電式バッテリ80の長手方向の長さを示している。また、
図7に記載される符号Wは、この充電式バッテリ80の幅方向の長さを示している。また、
図7に記載される符号Hは、この充電式バッテリ80の高さ方向の長さを示している。つまり、この充電式バッテリ80の外形寸法は、長手方向の長さL>幅方向の長さW>高さ方向の長さH、という大小関係にある略直方体形状を有して形成されている。
【0015】
次に、上記した充電式バッテリ80をスライドさせて装着させるバッテリ装着部60について説明する。
図4および
図8に示すように、このバッテリ装着部60は、上記した充電式バッテリ80をスライドさせて装着される構造を有する。このため、上記した充電式バッテリ80に対応する装着構造を有して構成される。すなわち、バッテリ装着部60は、
図4および
図8に示すように、上記した充電式バッテリ80をスライド装着させるための構造、および上記した充電式バッテリ80を電気的接続をする構造が設けられている。
図4に示すように、このバッテリ装着部60には、スライド装着させるための構造として、対をなすスライドガイド受部61,62が設けられている。また、
図8に示すように、このバッテリ装着部60には、電気的接続がなされる構造として、正極側端子63と負極側端子64と信号側端子65とを備えるバッテリ端子接続部600が設けられている。また、
図4および
図7に示すように、このバッテリ装着部60には、充電式バッテリ80をスライド装着させて電気的接続がなされた際に、この状態の充電式バッテリ80がバッテリ装着部60にロックされる。つまり、バッテリ装着部60には、この状態の充電式バッテリ80の雄フック87が係合する雌部(凹み)66が設けられている。
【0016】
このように第1および第2のバッテリ装着部60a,60bに装着された充電式バッテリ80a,80bは、コントローラ18により制御される。すなわち、ドライバドリル10の電動モータ25の回転駆動は、
図9に示す概念回路図のようにコントローラ18により制御されている。すなわち、コントローラ18は、操作スイッチ14およびシャント抵抗181(コントローラ18の一部)からの入力信号を受けて、FET(field-effect transistor)回路182(コントローラ18の一部)に出力信号を送る。これにより、コントローラ18は、電動モータ25の回転駆動を制御している。この際、第1および第2のバッテリ装着部60a,60bに装着される充電式バッテリ80a,80bは、直列方向の接続となるように回路設計されている。このため、充電式バッテリ80a,80bから供給される電力は、第1および第2のバッテリ装着部60a,60bを介して電圧が『36V』となる直列接続構造となるように設定されている。なお、このコントローラ18は、従前から利用されている電動モータ25の駆動を制御するコントローラのほか、2つのバッテリ装着部60a,60bに装着された2つの充電式バッテリ80a,80bから電力供給を制御するコントローラの、両方の機能が組み込まれている。このコントローラ18は、上記した連接拡大部70とグリップハウジング部12との両方に亘る範囲に設置されている。
【0017】
次に、連接拡大部70に設けられる第1バッテリ装着部60aと第2バッテリ装着部60bとについて
図4等を参照しながら説明する。なお、この連接拡大部70は、図示するように2つのバッテリ装着部60(60a,60b)を配設することができるように上下方向および平面方向に適宜に拡がって形成されている。この第1バッテリ装着部60aと第2バッテリ装着部60bとは、この連接拡大部70に対して左右方向でずらされた並列配置関係にて設けられている。このため、これら第1および第2のバッテリ装着部60a,60bに対する充電式バッテリ80a,80bのスライド装着方向は、両方とも前から後に向けてスライドさせることにより取り付けられるように設定されている。つまり、これら第1バッテリ装着部60aと第2バッテリ装着部60bとは、モータ軸26の軸線に対して対称となる位置にそれぞれ1つずつ配置されるように2つ設けられるようになっている。
図示符号X3にて示す仮想線は、第1バッテリ装着部60aに対して充電式バッテリ80aがスライド装着される軸線を示している。また、図示符号X4にて示す仮想線は、第2バッテリ装着部60bに対して充電式バッテリ80bがスライド装着される軸線を示している。なお、これら第1および第2のバッテリ装着部60a,60bは、上記したバッテリ装着部60の構造にて構成されている。これら軸線X3と軸線X4とは、互いに平行となるように設定されている。つまり、第1の実施の形態のバッテリ装着部60a,60bは、2つの充電式バッテリ80a,80bが並列にスライドさせて装着できるように、グリップハウジング部12の下部に設けられる連接拡大部70に対して設けられている。
【0018】
つまり、これら第1および第2のバッテリ装着部60a,60bに対しての充電式バッテリ80a,80bのスライド装着させる方向は、図示符号X3および図示符号X4に示すように、互いに平行となる方向に設定されている。なお、これら第1および第2のバッテリ装着部60a,60bは、グリップハウジング部12に対してモータ軸16の軸線X1に対して、互いに左右対称位置にそれぞれ1つずつ配置されるように設けられている。
また、これら2つの第1および第2のバッテリ装着部60a,60bに装着される2つの充電式バッテリ80a,80bの合成重心の位置X5は、2つの充電式バッテリ80a,80bが取り外された工具本体100の重心の鉛直軸線X2の延長上に位置するようになっている。言い換えれば、2つの充電式バッテリ80a,80bが装着される前と、2つの充電式バッテリ80a,80bが装着された後とでは、工具本体100の重心の鉛直軸線X2の位置は、なるべく変わりないように設定されている。なお、この工具本体100の重心の鉛直軸線X2は、ハンドル部13を手握りした際のドライバドリル10の前後重量のバランスにおいて良好とされる重力方向に一致する。
なお、上記した連接拡大部70の側面には、この連接拡大部70の内部と外部とを貫通させる通風孔72が設けられている。この通風孔72は、上記した冷却ファン33による送風によって外気を吸気する孔となっている。この通風孔72から連接拡大部70の内部に吸気された外気は、上記したコントローラ18を冷却しつつ、連接拡大部70の内部、グリップハウジング部12の内部、本体ハウジング部21の内部へと、順次送られていく。そして、このように送られた風は、排気孔40から外部に排気される。
【0019】
この第1の実施の形態のドライバドリル10によれば、次の作用効果を奏することができる。すなわち、上記した実施の形態のドライバドリル10によれば、2つの充電式バッテリ80a,80bを装着可能とするバッテリ装着部60a,60bが2つ設けられているので、ドライバドリル10として利用するにあたって電圧を高く設定したり供給容量を大きく設定したりする要請に応じることができる。また、このドライバドリル10によれば、2つのバッテリ装着部60a,60bは、スライド装着タイプのバッテリ装着部として構成されるので、2つのバッテリ装着部60a,60bは、スライドさせることにより装着されるスライド装着タイプの充電式バッテリ80a,80bに対応させることができる。したがって、ドライバドリル10として利用するにあたって電圧を高く設定したり供給容量を大きく設定したりする要請に応じることができつつ、汎用性に優れた充電式バッテリ80を利用することができる。さらに、上記した実施の形態のドライバドリル10によれば、第1および第2のバッテリ装着部60a,60bは、モータ軸26の軸線X1に対して対称となる位置にそれぞれ1つずつ配置されるように2つ設けられている。これによって、これら2つの第1および第2のバッテリ装着部60a,60bに充電式バッテリ80a,80bを装着させた場合でも、このドライバドリル10の左右の重量バランスをバランスさせることができる。したがって、手で持って螺子締め作業等を行うにあたって、左右のバランスに優れたドライバドリル10としての取回しの良さも維持することができる。
【0020】
また、上記した実施の形態のドライバドリル10によれば、2つの第1および第2のバッテリ装着部60a,60bに装着された充電式バッテリ80a,80bの合成重心X5は、これら2つの充電式バッテリ80a,80bが取り外された工具本体100の重心の鉛直軸線X2上に位置される。これによって、充電式バッテリ80a,80bが取り付けられた状態でも、ドライバドリル10の本来の取回しの良さに差が生じない工具とすることができる。また、上記した実施の形態のドライバドリル10によれば、これら2つのバッテリ装着部60a,60bのそれぞれにスライド装着された2つの充電式バッテリ80a,80bの下面800a,800bのそれぞれが互いに同一平面をなすように、これら2つのバッテリ装着部60a,60bのそれぞれの位置が設定されている。これによって、スライド装着された2つの充電式バッテリ80a,80bの下面800a,800bのそれぞれは、互いに面一をなす共通下面800cをなすこととなる。したがって、ドライバドリル10を置いておきたい場合には、面一をなす共通下面800cを載置面に対面させて置けば、このドライバドリル10を安定して置いておくことができる。
【0021】
[第2の実施の形態]
次に、上記した第1の実施の形態の変形例となる第2の実施の形態について
図10〜
図13を参照しながら説明する。なお、この第2の実施の形態を含み、以下に説明する他の実施の形態にあっては、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10のうちバッテリ装着部60の配設構成のみが相違するものとなっている。このため、上記した第1の実施の形態と略同様に構成される箇所については、上記した第1の実施の形態の説明において付した符号と同一の符号を図面に付して、その説明については省略するものとする。
この第2の実施の形態のドライバドリル10Aは、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10と比較して、充電式バッテリ80a,80bのスライドして装着させる方向が、いずれとも逆になった例である。このため、この第2の実施の形態の第1バッテリ装着部60Aa(60A)と第2バッテリ装着部60Ab(60A)とは、両方とも第1の実施の形態の第1バッテリ装着部60a(60)と第2バッテリ装着部60b(60)とは逆向きとなって配設されている。この第2の実施の形態のドライバドリル10Aのように構成した場合であっても、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10と略同様の作用効果を奏することができる。ただ、この第2の実施の形態のドライバドリル10Aでは、右手でハンドル部13を握りながら充電式バッテリ80が取り付けられているか否かの目視確認できるので、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10のよりも行い易い。逆に言えば、左手でハンドル部13を握りながら右手で充電式バッテリ80を取り付けたり取り外したりするにあたっては、この両手を向かい合わせるようにして充電式バッテリ80の取付け取外しを行うことができる観点から、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10のほうが行い易い。
【0022】
[第3の実施の形態]
次に、上記した第1の実施の形態の変形例となる第3の実施の形態について
図14〜
図17を参照しながら説明する。
この第2の実施の形態のドライバドリル10Bは、上記した第1および第2の実施の形態のドライバドリル10,10Aと比較して、充電式バッテリ80a,80bのスライドして装着させる方向が、片側だけ逆になった例である。このため、この第3の実施の形態の第1バッテリ装着部60Ba(60B)については、第1の実施の形態の第1バッテリ装着部60a(60)と同様に構成され、この第3の実施の形態の第2バッテリ装着部60Bb(60B)については、第2の実施の形態の第2バッテリ装着部60b(60)と同様に構成される。この第3の実施の形態のドライバドリル10Bのように構成した場合であっても、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10と略同様の作用効果を奏することができる。ただ、この第3の実施の形態のドライバドリル10Bでは、並列される充電式バッテリ80a,80bの装着方向が対向方向となるので、充電式バッテリ80の側面が握り易くなるので、充電式バッテリ80を取り付けたり取り外したりするのが行い易くなる。
【0023】
[第4の実施の形態]
次に、上記した第1の実施の形態の変形例となる第4の実施の形態について
図18〜
図21を参照しながら説明する。この第4の実施の形態のドライバドリル10Cは、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10と比較して、第1バッテリ装着部60Ca(60C)と第2バッテリ装着部60Cb(60C)とが設けられる連接拡大部70C全体を、グリップハウジング部12に対して右側に90度回転させるようにした例である。このため、この第4の実施の形態の第1バッテリ装着部60Ca(60C)と第2バッテリ装着部60Cb(60C)については、連接拡大部70Cに対して前後方向でずらされた並列配置関係にて設けられている。このため、これら第1および第2のバッテリ装着部60Ca,60Cbに対する充電式バッテリ80a,80bのスライド装着方向は、両方とも右から左に向けてスライドさせることにより取り付けられるように設定されている。これら第1バッテリ装着部60Caと第2バッテリ装着部60Cbとは、モータ軸26が延びる前後方向で並べられて2つ設けられている。このため、これら第1バッテリ装着部60Caと第2バッテリ装着部60Cbとは、充電式バッテリ80a,80bのスライド装着させる方向がモータ軸26の軸線X1に対して交差する方向となるように2つ設けられるようになっている。
このドライバドリル10Cによれば、ここで第1および第2のバッテリ装着部60Ca,60Cbは、モータ軸26が延びる前後方向で並べられて2つ設けられているので、これら第1および第2のバッテリ装着部60Ca,60Cbに装着される充電式バッテリ80a,80bの嵩張りを前後方向で拡げることとなる。ここで、ドライバドリル10Cのモータ軸26は前後方向に延びるように設定されているので、これら充電式バッテリ80a,80bの嵩張りをモータ軸26が延びる方向に合わせることができる。したがって、充電式バッテリ80a,80bの嵩張りは、ドライバドリル10Cとして必要とされるモータ軸26の延びる方向に従わせるので、充電式バッテリ80a,80bを装着されたドライバドリル10C全体の大きさも抑えることができる。これによって、手で持って螺子締め作業等を行うにあたっての、ドライバドリル10Cとしての取回しの良さを維持することができる。
【0024】
さらに、
図19に示すように、これら第1および第2のバッテリ装着部60Ca,60Cbに装着された2つの充電式バッテリ80a,80bの合成重心の位置X5は、2つの充電式バッテリ80a,80bが取り外された工具本体100の重心の鉛直軸線X2上に配置される。これによって、充電式バッテリ80a,80bが取り付けられた状態でも、ドライバドリル10Cの本来の取回しの良さに差が生じない工具とすることができる。また、上記した実施の形態のドライバドリル10Cによれば、これら2つのバッテリ装着部60a,60bのそれぞれにスライド装着された2つの充電式バッテリ80a,80bの下面800a,800bのそれぞれが互いに同一平面をなすように、これら2つのバッテリ装着部60a,60bのそれぞれの位置が設定されている。これによって、スライド装着された2つの充電式バッテリ80a,80bの下面800a,800bのそれぞれは、互いに面一をなす共通下面800cをなすこととなる。したがって、ドライバドリル10Cを置いておきたい場合には、面一をなす共通下面800cを載置面に対面させて置けば、このドライバドリル10Cを安定して置いておくことができる。また、このドライバドリル10Cによれば、左手でハンドル部13を握りながら右手で充電式バッテリ80を取り付けたり取り外したりするにあたっては、この両手を向かい合わせるようにして充電式バッテリ80の取付け取外しを行うことができる観点から行い易いものとなっている。
【0025】
[第5の実施の形態]
次に、上記した第4の実施の形態の変形例となる第5の実施の形態について
図22〜
図25を参照しながら説明する。この第5の実施の形態のドライバドリル10Dは、上記した第4の実施の形態のドライバドリル10Cと比較して、充電式バッテリ80a,80bのスライドして装着させる方向が、片側だけ逆になった例である。このため、この第5の実施の形態の第2バッテリ装着部60Db(60D)については、第4の実施の形態の第2バッテリ装着部60Cb(60C)と同様に構成され、この第5の実施の形態の第1バッテリ装着部60Da(60D)については、第4の実施の形態の第1バッテリ装着部60Ca(60C)とは逆になるように構成される。この第5の実施の形態のドライバドリル10Dのように構成した場合であっても、上記した第4の実施の形態のドライバドリル10Cと略同様の作用効果を奏することができる。ただ、この第5の実施の形態のドライバドリル10Dでは、並列される充電式バッテリ80a,80bの装着方向が対向方向となるので、このドライバドリル10Dの左右の重量バランスをバランスさせることができる。したがって、手で持って螺子締め作業等を行うにあたって、左右のバランスに優れたドライバドリル10Dとしての取回しの良さも維持することができる。
【0026】
[第6の実施の形態]
次に、上記した第1および第4の実施の形態とは相違する第6の実施の形態について
図26〜
図29を参照しながら説明する。この第6の実施の形態のドライバドリル10Eは、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10と比較して、充電式バッテリ80a,80bを横向きにして前から後にスライド装着させるように構成される例である。具体的には、この第6の実施の形態の第1バッテリ装着部60Ea(60E)と第2バッテリ装着部60Eb(60E)については、連接拡大部70Eに対して左右方向でずらされた並列配置関係にて設けられている。つまり、これら第1バッテリ装着部60Eaと第2バッテリ装着部60Ebとは、モータ軸26の軸線X1に対して、互いに左右対称位置にそれぞれ1つずつ配置されるように設けられている。言い換えれば、これら第1バッテリ装着部60Eaと第2バッテリ装着部60Ebとは、充電式バッテリ80a,80bの接続端子配置面同士で、グリップハウジング部12の連接拡大部70Eを挟み込むように設けられている。これら第1および第2のバッテリ装着部60Ea,60Ebは、互いに反対側となる両側面に面して設けられる。このため、これら第1および第2のバッテリ装着部60Ea,60Ebにスライド装着された充電式バッテリ80a,80bは横置きにされている。なお、これら第1および第2のバッテリ装着部60Ea,60Ebに対しての充電式バッテリ80a,80bのスライド装着方向は、両方とも前から後に向けてスライドさせることにより取り付けられるように設定されている。
【0027】
このドライバドリル10Eによれば、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10と略同様の作用効果を奏することができる。なお、このドライバドリル10Eによれば、これら2つのバッテリ装着部60a,60bのそれぞれにスライド装着された2つの充電式バッテリ80a,80bの側面800d,800eのそれぞれが互いに同一平面をなすように、これら2つのバッテリ装着部60a,60bのそれぞれの位置が設定されている。これによって、スライド装着された2つの充電式バッテリ80a,80bの下面800d,800eのそれぞれは、互いに面一をなす共通下面800fをなすこととなる。したがって、ドライバドリル10Eを置いておきたい場合には、面一をなす共通下面800fを載置面に対面させて置けば、このドライバドリル10Eを安定して置いておくことができる。また、このドライバドリル10Eによれば、左手でハンドル部13を握りながら右手で充電式バッテリ80を取り付けたり取り外したりするにあたっては、この両手を向かい合わせるようにして充電式バッテリ80の取付け取外しを行うことができる観点から行い易いものとなっている。
【0028】
[第7の実施の形態]
次に、上記した第6の実施の形態の変形例となる第7の実施の形態について
図30〜
図33を参照しながら説明する。この第7の実施の形態のドライバドリル10Fは、上記した第6の実施の形態のドライバドリル10Eと比較して、充電式バッテリ80a,80bのスライドして装着させる方向が、片側だけ逆になった例である。このため、この第7の実施の形態の第1バッテリ装着部60Fa(60F)については、第6の実施の形態の第1バッテリ装着部60Ea(60E)とは逆になるように構成され、この第7の実施の形態の第2バッテリ装着部60Fb(60F)については、第6の実施の形態の第2バッテリ装着部60Eb(60E)と同様に構成される。この第7の実施の形態のドライバドリル10Fように構成した場合であっても、上記した第6の実施の形態のドライバドリル10Eと略同様の作用効果を奏することができる。ただ、この第7の実施の形態のドライバドリル10Fでは、並列される充電式バッテリ80a,80bの装着方向が対向方向となるので、互いに面一をなす共通下面800fは、下面800d,800eを前後にずらされる範囲におよぶ。これによって、ドライバドリル10Fを、より一層安定して置いておくことができる。
【0029】
[第8の実施の形態]
次に、上記した第6の実施の形態の変形例となる第8の実施の形態について
図34〜
図39を参照しながら説明する。
この第8の実施の形態のドライバドリル10Gは、上記した第6の実施の形態のドライバドリル10Eと比較して、第1バッテリ装着部60Ga(60G)と第2バッテリ装着部60Gb(60G)とが設けられる連接拡大部70G全体を、グリップハウジング部12に対して右側に90度回転させるようにした例である。このため、この第8の実施の形態の第1バッテリ装着部60Ga(60G)と第2バッテリ装着部60Gb(60G)については、連接拡大部70Gに対して前後方向でずらされた並列配置関係にて設けられている。このため、これら第1および第2のバッテリ装着部60Ga,60Gbに対する充電式バッテリ80a,80bのスライド装着方向は、両方とも右から左に向けてスライドさせることにより取り付けられるように設定されている。
これら第1バッテリ装着部60Gaと第2バッテリ装着部60Gbとは、モータ軸26が延びる前後方向で並べられて2つ設けられている。このため、これら第1バッテリ装着部60Gaと第2バッテリ装着部60Gbとは、充電式バッテリ80a,80bのスライド装着させる方向がモータ軸26の軸線X1に対して交差する方向となるように2つ設けられるようになっている。
このドライバドリル10Gによれば、ここで第1および第2のバッテリ装着部60Ga,60Gbは、モータ軸26が延びる前後方向で並べられて2つ設けられているので、これら第1および第2のバッテリ装着部60Ga,60Gbに装着される充電式バッテリ80a,80bの嵩張りを前後方向で拡げることとなる。ここで、ドライバドリル10Gのモータ軸26は前後方向に延びるように設定されているので、これら充電式バッテリ80a,80bの嵩張りをモータ軸26が延びる方向に合わせることができる。したがって、充電式バッテリ80a,80bの嵩張りは、ドライバドリル10Gとして必要とされるモータ軸26の延びる方向に従わせるので、充電式バッテリ80a,80bを装着されたドライバドリル10G全体の大きさも抑えることができる。これによって、手で持って螺子締め作業等を行うにあたっての、ドライバドリル10Gとしての取回しの良さを維持することができる。つまり、このドライバドリル10Gでは、上記した第4の実施の形態のドライバドリル10Cと、上記した第6の実施の形態のドライバドリル10Eとを組み合わせたような作用効果を奏することができる。
【0030】
[第9の実施の形態]
次に、上記した第8の実施の形態の変形例となる第9の実施の形態について
図40〜
図45を参照しながら説明する。この第9の実施の形態のドライバドリル10Hは、上記した第8の実施の形態のドライバドリル10Gと比較して、充電式バッテリ80a,80bのスライドして装着させる方向が、片側だけ逆になった例である。このため、この第9の実施の形態の第1バッテリ装着部60Ha(60H)については、第8の実施の形態の第1バッテリ装着部60Ga(60G)とは逆になるように構成され、この第9の実施の形態の第2バッテリ装着部60Hb(60H)については、第8の実施の形態の第2バッテリ装着部60Gb(60G)と同様に構成される。この第9の実施の形態のドライバドリル10Hのように構成した場合であっても、上記した第8の実施の形態のドライバドリル10Gと略同様の作用効果を奏することができる。ただ、この第9の実施の形態のドライバドリル10Hでは、並列される充電式バッテリ80a,80bの装着方向が対向方向となるので、このドライバドリル10Hの左右の重量バランスをバランスさせることができる。したがって、手で持って螺子締め作業等を行うにあたって、左右のバランスに優れたドライバドリル10Hとしての取回しの良さも維持することができる。さらに、互いに面一をなす共通下面800fは、下面800d,800eを左右にずらされる範囲におよぶ。これによって、ドライバドリル10Hを、より一層安定して置いておくことができる。
【0031】
[第10の実施の形態]
次に、上記した第1の実施の形態の変形例となる第10の実施の形態について
図46〜
図53を参照しながら説明する。なお、
図46は、第10の実施の形態のドライバドリル10Iの外観全体を示す斜視図である。
図47は、
図46に示すドライバドリル10Iを側面で視た側面図である。
図48は、
図46に示すドライバドリル10Iの半割り内部構造を示す内部構造図である。
図49は、
図48の(XXXXIX)部分を拡大して示す内部構造図である。
図50は、
図48の(XXXXX)-(XXXXX)断面矢視を示す内部構造図である。
図51は、回転機構90の上面拡大図である。
図52は、回転機構90の回転構造91を示す断面図である。
図53は、バッテリ装着部60Iを90度回転させた
図46に示すドライバドリル10Iの外観全体を示す斜視図である。
ところで、この第10の実施の形態のドライバドリル10Iにあっては、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10の連接拡大部70の上側のグリップハウジング部12Iの下部に回転機構90が設けられている。この点において、この第10の実施の形態のドライバドリル10Iは、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10と相違するものとなっている。このため、この第10の実施の形態のドライバドリル10Iにおいて、上記した第1の実施の形態と略同様に構成される箇所については、上記した第1の実施の形態の説明において付した符号と同一の符号を図面に付して、その説明については省略するものとする。
【0032】
具体的には、
図47に示すように、グリップハウジング部12Iの下部には、回転機構90が設けられている。この回転機構90は、グリップハウジング部12Iに対して連接拡大部70Iが相対的に回転できるようにする機構である。このバッテリ装着部60I(60Ia,60Ib)が設けられる連接拡大部70Iは、ハンドル部13のグリップ形状の延在方向に沿った回転軸を有してハンドル部13に対しての相対的な向きが変わるようにグリップハウジング部12Iに支持されている。このため、連接拡大部70Iがグリップハウジング部12Iに対して相対的に回転する回転軸は、ハンドル部13が延在される方向に沿ったものとなっている。このため、回転機構90は、グリップハウジング部12Iに対して連接拡大部70Iを前後左右平面で相対回転させて変位させるようになっている。すなわち、回転機構90は、回転構造91と係合構造93とを有して構成される。回転構造91は、グリップハウジング部12Iに対して連接拡大部70Iを相対回転可能とする構造である。具体的には、
図52に示すように、連接拡大部70Iには、上側に突き出される環状内フランジ部911が設けられている。また、グリップハウジング部12Iの下端には、周方向溝形部912が設けられている。この環状内フランジ部911は、内周側に突き出されるフランジ形状が設けられている。また、周方向溝形部912には、環状内フランジ部911が嵌合可能な、周方向に沿って嵌合可能な溝形状が設けられている。これによって、連接拡大部70Iは、グリップハウジング部12Iに対して相対的に回転させることができるようになっている。
【0033】
また、係合構造93は、
図49に示す雄形機構95と、
図50に示す雌形機構96とを備える。雄形機構95は、連接拡大部70Iに対して設けられている。この雄形機構95は、
図49に示すように、連接拡大部70Iに固定される軸部951と、この軸部951に回動可能に軸支持される係合部材952と、この係合部材952を回動付勢する板ばね部957とを備える。係合部材952は、軸部951を支点に上下方向に回動できるようになっている。係合部材952は、支点と軸部951とは反対側に係合先端部953が設けられている。この係合先端部953は、次に説明する雌形機構96に設けられる係合孔961〜965に嵌合可能にされる部分である。この係合部材952の軸部951と係合先端部953との間には、操作部954が設けられている。この操作部954は、この係合部材952を下側に押込み操作できるように外部露出される部分に設定されている。このように軸部951により回動可能に支持される係合部材952は、板ばね部957より上側に付勢されている。この板ばね部957は、係合部材952の下側から当てる当接部958が設けられている。このようにして、この当接部958を係合部材952の下側から当てることにより、係合部材952の操作部954を外部に操作可能に露出させ、さらに係合先端部953を雌形機構96に設けられる係合孔963〜967に嵌合させておくことができる。逆に、係合部材952の操作部954を下側に押込み操作すると、雌形機構96に設けられる係合孔963〜967に対しての係合先端部953の嵌合は外れることとなる。
【0034】
これに対して、雌形機構96は、グリップハウジング部12Iに対して設けられている。この雌形機構96は、
図50に示すように、環状をなす環状板部961に対して、周方向後側に均等間隔で5つの係合孔963〜967が設けられている。この係合孔963〜967は、上記した係合部材952に設けられる係合先端部953を嵌合可能とする矩形の孔にて形成されている。なお、この係合孔963〜967のいずれに対しても、係合部材952に設けられる係合先端部953を嵌合させることができる。つまり、グリップハウジング部12Iに対して連接拡大部70Iを相対回転させて、この相対回転させた位置で係合孔963〜967の一つに係合部材952の係合先端部953を嵌合させる。そうすると、このグリップハウジング部12Iに対しての連接拡大部70Iの相対位置で、両者を固定することができる。なお、係合孔965に係合先端部953を嵌合させている状態が、
図46に示す連接拡大部70Iの相対位置となる。これに対し、係合孔967に係合先端部953を嵌合させている状態が、
図53に示す連接拡大部70Iの相対位置となる。このようにして、グリップハウジング部12Iに対しての連接拡大部70Iの相対位置は、180度回転させることができる。
この第10の実施の形態のドライバドリル10Iによれば、上記した第1の実施の形態のドライバドリル10と略同様の作用効果を奏することができる上、さらに次のような作用効果を奏することができる。すなわち、この第10の実施の形態のドライバドリル10Iによれば、バッテリ装着部60I(60Ia,60Ib)のハンドル部13に対する相対的な向きが変えることができるので、工具の用途や収納に応じてバッテリ装着部60I(60Ia,60Ib)の位置を適宜に変更することができる。
【0035】
なお、本発明に係る電動工具としては、上記したドライバドリルの例に限定されるものではなく、電動ドライバ、電動ドリル、ドライバドリル、振動ドライバドリル、インパクトドライバドリル等、手で持って螺子締め作業や孔開け作業を行うための手持ち式の電動工具であれば、上記した実施の形態の構成についてを適宜応用するようにして組み込まれるものであってよい。つまり、手持ち式の電動工具としては、例えばディスクサンダ、ポリッシャ等の研削、研磨、磨き、つや出し等の各種作業を行う各種の手持ち式の電動工具を、上記した実施の形態の例として応用することができる。
また、上記した実施の形態における充電式バッテリ80a,80bは、電圧18Vに設定されるものとなっていた。しかしながら、本発明に係る充電式バッテリの電圧としては、これに限定されることなく、10Vや14V等の適宜の電圧にて設計される充電式バッテリ(二次電池)を利用することができる。また、これら2つの充電式バッテリ80a,80bから供給される電力は、電圧を上げることのみならず、供給容量(全ての充電量)を高めるものであってもよい。つまり、充電式バッテリ80から供給される電力の電圧を上げるための構成に限定されることなく、充電式バッテリ80から供給される電力の供給容量を上げるための適宜の構成としてもよい。また、充電式バッテリの電圧としては、この例に限定されることなく、10Vや14V等の適宜の電圧にて設定されるものであってもよい。