【実施例】
【0072】
本発明は以下の実施例によってさらに説明されるが、実施例は説明のみを目的として提供される。それらがいずれの点においても本発明の範囲および内容を限定していると解釈されるべきではない。
【0073】
材料および方法
実施例1:HAstV−1 CP、ペプチド、熱凝集IgG、血清、赤血球、および補体緩衝液の調製
野生型HAstV−1 CPをヨトウガ(Spodoptera frugiperda)細胞(IPLB−Sf21株)中で組換えバキュロウイルスから発現させ、前述のように精製した(Bonaparte et al., 2008. J. Virol. 82, 817-827)。HNP−1、CP1、およびCP2ペプチドをバイオマティック社(Biomatik)から入手し、一方、C04A、C27A、E23A、E25Aおよびd8−22はジェンスクリプト社(GenScript)から購入した。出荷前に、前記ペプチド化合物はHPLCおよびESI−質量分析で分析された。受領後直ちに、ペプチドを10mMの濃度でジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、−80℃で貯蔵した。熱凝集ヒトIgGは、当該技術分野において周知の方法(Bonaparte et al., 2008. J. Virol. 82, 817-827)を用いて調製した。プールされた正常ヒト血清(NHS)は、治験審査委員会により承認されたプロトコール(IRB 02-06-EX-0216, Eastern Virginia Medical School)に従って健康なヒトの志願者の血液に由来し、当該技術分野において周知の方法(Cunnion et al., 2001. Infect. Immun. 69, 6796-6803)を用いてプールし、分注し、−80℃で凍結したものである。抗体感作したヒツジ赤血球を、当該技術分野において周知の方法(Bonaparte et al., 2008. J. Virol. 82, 817-827)を用いて作製した。標準補体緩衝液:GVBS++(ベロナール緩衝食塩水、0.1%ゼラチン、0.15mM CaCl2、および1.0mM MgCl2)およびGVBS―ー(ベロナール緩衝食塩水、0.1%ゼラチン、0.01M EDTA)を使用した。
【0074】
実施例2:WT CPおよびペプチド化合物用C1q ELISAのプロトコール
C1q結合においてCPがHNP−1と競合するかどうかを解析するために、被膜緩衝液(100mM Na2CO3、NaHCO3、[pH9.6])中のHNP−1ペプチド(2.5μM)を96ウェルMaxisorpプレート(ヌンク社)上に被膜し、プレートを室温で一晩インキュベートした。プレートをPBS/Tで洗浄し、3%BSA/PBS、0.05%トウィーン−20(PBS/T)で室温で2時間ブロッキングした。次に、一定量の精製C1q(10μg/ml;コンプリメント・テクノロジー社(Complement Technologies, Inc.))を各ウェルに添加し、その一方で、100μg/mLから開始して減量させていく(decreasing amounts of)CPを同時に添加し、室温で1時間インキュベートした。競合の負の対照として、BSAをCPと置き換えた。洗浄後、一次抗体であるヤギ抗C1qポリクローナル抗体(コンプリメント・テクノロジー社)を、3%BSA/PBS/Tで1:2,000に希釈し、室温で1時間プレートに加えた。プレートを洗浄し、二次抗体であるロバ抗ヤギHRP(サンタクルーズバイオテクノロジー社)を3%BSA/PBS/Tで1:2,500に希釈し、室温で1時間インキュベートした。プレートをPBS/Tで洗浄し、テトラメチルベンジジン(tetramethyl benzindine)(シグマ社)で1分間発色させた。その後、0.1mlの1N H2SO4で反応を停止させ、吸光度を450nmの波長でSynergy HTプレートリーダー(バイオテック社(Bio-Tek Instruments))で測定した。CPペプチドであるCP1およびCP2のC1q結合における競合的結合を評価するために、CP1およびCP2をプレート(2.5μM)上に被膜し、競合における負の対照としてCPと並行してBSAを用いたことを除いて前述と同一の方法で試験を実行した。
【0075】
CPペプチド誘導体のC1qへの結合を測定するため、2.5μMのペプチドをプレート上に被膜し、室温で一晩インキュベートした。洗浄およびブロッキング後、100μg/mLから開始して減量させていくC1qをウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。C1qを検出し、プレートを前述のように発色させた。
【0076】
実施例3:C1sの免疫ブロット
1μlの部分精製されたヒトC1(0.2mg/ml、コンプリメント・テクノロジー社)を、単独で、または熱凝集ヒト免疫グロブリンG(50μg/mlの出発溶液を1:250に希釈した5μl)と共に、または増量させていく指示(indicated)ペプチド(250μMストック)と共に、37℃で90分間インキュベートし、PBSで11μlの総体積まで体積を増やした。インキュベーション後、等量のローディングバッファーを全ての試料に添加し、その後煮沸し、8%SDS−PAGEを通じて140ボルトで60分間、電気泳動した。その後、ゲルをニトロセルロースに転写し、PBS中の脱脂粉乳(NFDM)でブロッキングした。ブロットを1:2,000に希釈したC1sに対するヤギポリクローナル抗体(クイデル社(Quidel))でプローブし、PBS/0.1%トウィーン−20で洗浄し、その後に1:10,000に希釈したHRP共役ロバ抗ヤギIRDye680抗体(Li−corバイオサイエンス社(Li-cor Biosciences))が続いて、PBS/0.1%トウィーンで洗浄した。その後、ブロットをバージョン3.0ソフトウェア(Li−corバイオサイエンス社)を用いるOdyssey imagerでイメージングし、酵素前駆体種に対して活性化C1sの特徴であるC1sの重鎖および軽鎖の量から、C1sの活性化を測定した。
【0077】
実施例4:C4活性化試験
C4活性化試験はMallik et al., 2005. J. Med. Chem. 48, 274-286から適応した。Immulon−2、96ウェルプレートのウェルを被膜緩衝液中の50μlの1.0mg/mlオボアルブミン(フィッシャー社(Fisher))で被膜し、4℃で一晩インキュベートした。プレートをPBS/Tで洗浄し、3%BSA/PBSで室温で2時間ブロッキングした。プレートを再度洗浄した後、3%BSA/PBSで1:2,000に希釈したウサギ抗オボアルブミン抗体(ミリポア社)と共に室温で1時間インキュベートした。このインキュベーションの間、ペプチドを10%NHS/GVBS++で0.5mMに希釈し、37℃で15分間インキュベートした。その後プレートを洗浄し、GVBS++で1:4に希釈し予めインキュベートした試料をプレートに添加し、室温で30分間インキュベートした。その後、プレートを洗浄し、3%BSA/PBSで1:2,000に希釈したヤギ抗C4抗体(コンプリメント・テクノロジー社)を1時間加え、その後再度洗浄し、3%BSA/PBSで1:2,000に希釈したロバ抗ヤギIgG−HRP抗体(サンタクルーズバイオテクノロジー社)を1時間加えた。その後、プレートを発色させ、吸光度値を前述のように測定した。
【0078】
実施例5:溶血試験
ペプチドを無希釈のNHSまたはB因子枯渇ヒト血清(コンプリメント・テクノロジー社)で1.4mMまたは0.77mMに希釈し、37℃で1時間インキュベートした。その後、これらのペプチドをGVBS++で希釈して2.5%NHSに等しくし、そのうちの0.25mlを0.4mlのGVBS++および0.1mlの感作ヒツジ赤血球(RBC)と混合し、再び37℃で1時間インキュベートした。手順(procedure)を4.0mlのGVBS−−を添加することにより止めて、1,620×gで5分間遠心し、その上清の吸光度を分光光度計において412nmで測定した。各試料の溶解率をNHSのみの対照の溶解率に対し標準化した。
【0079】
実施例6:B因子枯渇血清中の極性取り合わせペプチドの溶血試験滴定
極性取り合わせペプチドを
図7に示されるように無希釈のB因子枯渇ヒト血清(コンプリメント・テクノロジー社)で段階希釈し、37℃で1時間インキュベートした。B因子枯渇血清単独、0.77mMのΔ8−22およびDMSOを対照として含む。その後、これらのペプチドをGVBS++で希釈して2.5%NHSに等しくし、そのうちの0.25mlを0.4mlのGVBS++および0.1mlの感作ヒツジ赤血球(RBC)と混合し、再び37℃で1時間インキュベートした。手順を4.0mlのGVBS−−を添加することにより止めて、1,620×gで5分間遠心し、その上清の吸光度を分光光度計において412nmで測定した。各試料の溶解率をNHSのみの対照の溶解率に対し標準化した。
【0080】
実施例7:統計解析
実験を再現するため、平均値および平均値の標準誤差(SEM)を、当該技術分野において周知の技術(Microsoft Excel XP)を用いて計算した。
【0081】
実施例8:ペプチドオリゴマー形成の質量分析
質量分析前に合成ペプチドを以下の通りにC18 ZipTips(商標)(ミリポア社)で精製した:10μlの70%アセトニトリル(ACN)/0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)をZipTipを通して2回ピペッティングし樹脂を濡らし、その後10μlの0.1%TFAで2回洗浄して樹脂を平衡化した。酸性化したペプチド試料をZipTipを通し吸引して5回上げ下げし、ペプチドを樹脂に結合させた。混入物を、ZipTipを通して0.1%TFAを3回ピペッティングすることにより洗浄し、その後、70%ACN/0.1%TFAを用いて結合したペプチドを新しいチューブに溶出させた。ペプチドをスピードバックで乾燥させ、10μlの0.1%TFAに再懸濁させ、その後、分析前に1:4の比で基質(α−シアノ−4ヒドロキシ桂皮酸またはシナピン酸)と混合した。Bruker Daltonics Ultraflex II(商標)MALDI−TOF−TOFを用いて質量分析を行い、データを陽反射モードおよび陽線形モードの両方で得た。
【0082】
実施例9:E23Aペプチドの相同性モデリング
E23Aのアミノ酸配列をCPHmodels3.0サーバー(http://www.cbs.dtu.dk/services/CPHmodels/; Lund et al., 2002. Abstract at the CASP5 conference A102)にアップロードした。プログラムによりE23Aはリョクトウ植物デフェンシン1(VrD1)と配列比較され、それにより、構造モデルを作成するための鋳型およびProtein Data Bank(PDB)座標が得られた。その後、E23AのPDB座標をJMolのFirstGlance、バージョン1.45(http://firstglance.jmol.org)にアップロードして、構造を可視化した。
【0083】
結果
実施例10:CPはC1q結合においてHNP−1ペプチドと競合する
初期の研究によって、組換えバキュロウイルスにより発現されるタンパク質として発現され、昆虫細胞溶解産物から精製されたCPは、効率的にC1qおよびMBLと結合することができ、その結果、古典補体経路およびレクチン補体経路を阻害できることが明らかにされた(Bonaparte et al., 2008, Hair et al., 2010)。それ以前に、ヒト好中球デフェンシン−1(HNP−1)ペプチドは、C1qおよびMBLと結合可能であり、補体の古典経路およびレクチン経路の活性化をそれぞれ調節することが示された(van den Berg et al., 1998. Blood. 92, 3898-3903; Groeneveld et al., 2007. Molec. Immunol. 44, 3608-3614)。CPもこれらの特性を有することを前提として、両タンパク質のアミノ酸配列を分析し、限定的な相同性領域がHNP−1およびWT CPの79〜139番目の残基間に発見した。その後、CPがC1qへの結合においてHNP−1と直接競合することができるかどうかを、HNP−1ペプチドをELISAプレート上に被膜する競合ELISA法を用いて分析した。
図1は、CPがC1qへの結合において、ヒト好中球デフェンシン1(HNP−1)と用量依存的に競合することを示すグラフである。一定量の精製C1qおよび増量させていくCPを、同時に加えた。HNP−1に結合した付着C1qを、C1qに対するポリクローナル抗体で検出した。結合C1qのシグナルはCP量が増加するにつれ減少したが、このことは、CPがC1q結合においてHNP−1と用量依存的に競合することを示している(
図1、丸として表示)。対照的に、BSAをCPと置き換えた場合、C1qの結合における競合は検出さず(
図1、三角として表示)、同様の競合の欠如がアルドラーゼおよび卵アルブミンに見られた(データ未記載)。さらに、HNP−1の代わりにBSAをプレート上に被膜した場合、結合は見られなかった。いかなる理論にも束縛されるものではないが、このデータは、HNP−1およびCPが同等にC1qと結合し、古典経路の活性化を調節すること矛盾しない(Hair et al., 2010. J. Virol. 82, 817-827)。
【0084】
実施例11:C1qへの結合においてWT CPと競合する、HNP−1に対し相同性を有するCPペプチドの同定
CPはC1qへの結合においてHNP−1と効率的に競合するため、CPおよびHNP−1がアミノ酸配列レベルで相同性を共有しているかどうかを分析した。787個のアミノ酸からなるCP分子と30個のアミノ酸からなるHNP−1ペプチドの配列比較をClustal Wを用いて行った(Larkin et al., 2007. Bioinformatics. 23, 2947-2948)。相同性領域をHNP−1およびCP分子の79〜139番目の残基の間に確認した(
図2A)。このCP配列がWT CPの補体調節機能を保持しているかどうかを確認するために、CP分子の79〜108番目(CP1)および109〜138番目(CP2)の残基をコードする、30個の残基からなるペプチドを2つ合成した(
図2A)。CP1はHNP−1の最初の10残基と並べ、一方、CP2は最後の20残基と並べた。CP1およびCP2のペプチドが、C1qと直接結合し、C1qへの結合においてWT CPと競合可能であるかどうかを確認するために、CP1およびCP2がELISAプレート上に被膜される競合ELISA法を行った。一定量の精製C1qおよび増量させていくWT CPを同時に添加し、その後結合したC1qをC1qに対するポリクローナル抗体で検出した。CPが存在しない場合、C1qはCP1ペプチドにより効率的に結合されるが;CPを増量するにつれてC1qのシグナルは減少し、このことは、C1q結合においてCPがCP1と用量依存的に競合することを示している(
図2B、点線で表示)。同じ条件下でBSAをCPと置き換えた場合、CP1はC1qに効率的に結合し、競合は確認されなかった(
図2B、三角で表示)。CP1と対照的に、CP2はC1q結合において競合しなかった(
図2B、四角で表示)。従って、CPの79〜108番目までの残基で、WT CPと同程度にC1qと結合するのには十分である。
【0085】
実施例12:CPのペプチド誘導体のC1qへの結合
CP1ペプチドのWT CPと同程度にC1qと競合的に結合する能力から、これらの活性に重大な意味を持つペプチド残基が最初に解析されることとなった。上記表1に示すように、親CP1ペプチドを標的アミノ酸置換および大部分欠失させたものを合成した。C04AおよびC27Aを設計し、CP1内の2つのシステイン残基間の推定ジスルフィド結合がC1q結合および補体活性化調節に必要であるかどうかを評価した。E23AおよびE25Aを合成し、これらの負に帯電しているグルタミン酸残基がC1q結合および補体調節に必要であるかどうかを評価した。最後に、8〜22番目の内部残基を除去しているペプチド(Δ8−22)を設計し、HNP−1と相同性を持たないこの領域がC1q結合および補体活性化調節に必要であるかどうかを決定した。このΔ8−22ペプチドは、前記2つのシステインおよび2つのグルタミン酸残基を保持している。
【0086】
これらのペプチドがC1qと結合することができるかどうかを確認するために、種々のペプチド誘導体をELISAプレート上に被膜する結合実験を行った。増量させつつ精製C1qを加え、その後結合したC1qをC1qに対するポリクローナル抗体で検出した。CP1は用量依存的にC1qと結合し(
図3A)、C1q結合においてWT CPと競合するその能力と一貫していた(
図2B)。CP2はHNP−1と同じレベルでC1qと結合し(
図3A)、このことは、このペプチドが、C1q結合においてCPと競合しないが、恐らくHNP−1のC末端の20アミノ酸に対するその相同性の結果として、C1qと結合する能力は保持していることを示している。次に、C04AおよびC27AのC1qへの結合能を分析したところ、両方のペプチドがCP1と同様にC1qと結合した(
図3B)。E23AおよびE25AがCP1およびCP2の間のレベルでC1qと結合することが分かり(
図3C)、この傾向はΔ8−22ペプチドにも観察された(
図3D)。
【0087】
要約すると、全てのCP1誘導体ペプチドはC1qと結合するが、その結合の程度はアミノ酸置換に依存して変化する。いかなる理論にも束縛されるものではないが、システイン(C04およびC27)残基もグルタミン酸(E23およびE25)残基も、どちらもC1q結合においては決定的な役割を担っているようには思われない。さらに、Δ8−22ペプチドは、CP1の15個の内部アミノ酸残基の欠失を有しているが、C1q結合活性をなお保持している。従って、CP1誘導体によって、C1qへの結合がグルタミン酸残基にもシステイン残基にも依存していないことが個々に明らかされ、このことは、ジスルフィド結合による環化(cyclicalization)は必要ないことを示している。
【0088】
実施例13:CP1ペプチドはC1sの活性化を調節する。
精製CPは、C1qと結合し酵素前駆体C1sの切断を阻止することによって、C1の位置(level)で古典経路の活性化を調節することができる(Hair et al., 2010. J. Virol. 82, 817-827)。CP1ペプチドおよびCP2ペプチドがC1活性化も調節可能であるかどうかを評価するために、部分精製されたC1複合体を、CP1およびCP2の量を増加させつつ熱凝集型IgG(古典経路の活性化の強力な刺激物質)と共に37℃で90分間インキュベートした。C1s活性化を評価するために、酵素前駆体C1sの重鎖および軽鎖への切断を検出した。C1単独のインキュベーションはC1sの最小限の自発的活性化を示しただけだが、熱凝集型IgG存在下でのC1は強力なC1sの切断を示した(
図4A、レーン1および2)。C1および熱凝集型IgGを、CP1を増量させつつインキュベーションしたところ、自発的なC1活性化で観察されたレベル(
図4A、レーン1)まで、C1s切断を用量依存的に抑制した(
図4A、レーン3〜6)。CP1とは対照的に、CP2は、試験されたどの濃度においても、C1s切断の有意な調節を示さなかった(
図4B、レーン3〜6)。CP1およびCP2対して、それぞれのペプチドに対する2つの独立した実験におけるC1s切断調節のOdyssey imagingによる定量化によって、これらの結果は確認された(
図4C〜4D)。CP2はC1qに対し僅かな結合しか示さず(
図3A)、C1s切断を調節する能力を示さなかったが(
図4Bおよび4D)、CP1とCP2を組み合わせることによって、CP1単独よりもより大きなC1s切断調節がもたらされるかどうかを試験した。一緒のCP1およびCP2は、CP1単独で観察されたもの以上のC1s切断調節をもたらさなかった。ペプチド誘導体のC1qと結合する能力に一貫して、全てのCP1ペプチド誘導体は、CP1で示されたようにC1s活性化を阻害することも分かった(データ未記載)。いかなる理論にも束縛されるものではないが、古典経路の第一成分であるC1で活性化を調節するCP1の能力は、このペプチドが、WT CPと同様に古典経路の活性化を調節することを示している。
【0089】
実施例14:機能分析におけるCPペプチドによる補体活性の調節
機能分析においてペプチド化合物の補体活性化調節能を測定するために、C4活性化試験および溶血試験を用いた。C4活性化試験として、当該技術分野において周知の方法(Mallik et al., 2005. J. Med. Chem. 48, 274-286)を改変して、ELISAプレートをオボアルブミンで被膜し、それに抗オボアルブミン抗体を結合させ、免疫複合体標的を模倣した。その後、種々のペプチド化合物を10%NHS/GVBS++で0.5mMに希釈し、15分間インキュベートした後、各ウェルに添加した。古典経路の活性化(C4)を、抗C4ポリクローナル抗体を用いてC4断片の沈着を検出することによって解析した。
図5に示すように、NHS単独、NHS+BSA、およびNHS+DMSOは全て、同様のC4断片の沈着を示したが、一方、WT CPで処理されたNHSはC4活性化を調節した。CP1は35%の阻害効果を示したが、一方CP2はC4活性化に対し効果を与えず、このことはC1s活性化で観察された結果と一貫している(
図4)。C04A、C27A、E25A、およびΔ8−22のペプチド化合物は全て、C4の補体活性化を20〜45%阻害した。E23AはC4活性化を強力に90%抑制した。
【0090】
ペプチド化合物による血清中補体活性の調節を、標準的な溶血性補体分析で評価した。ヒツジ赤血球を抗体で感作し、NHSと共にインキュベートし、その際ペプチドのプレインキュベーションはあってもなくてもよく、そして溶血性補体活性を測定した。C4活性化試験とは対照的に、3つの補体経路(典型、レクチンおよび副)全てが存在し、観察された調節活性に寄与した可能性がある。しかし、初期の補体活性化は、赤血球に対する抗体、従って古典経路によって、最初に惹起される。
図6Aに示されるように、NHSは、単独またはDMSO存在下で、予想通りに赤血球を溶解させた。CP2は、CP2ペプチドが調節効果を持たなかったC4活性化試験とは対照的に、CP1(66%阻害)と同じようなレベルに溶解を調節した。C04Aは赤血球溶解に対し最小の効果しか持たなかったが、一方C27Aはより阻害的であった(85%阻害)。C4活性化試験で見られた効果と同様に、E23Aは、60%の阻害を有したE25Aと比較して赤血球溶解を効率的に阻害(85%阻害)した。Δ8−22ペプチド化合物は赤血球溶解を75%阻害した。
【0091】
本ペプチドが副経路の活性化を調節するかどうかを試験するために、最小限の阻害しかNHSで生じないように、プレインキュベーション中に用いる血清の量を増加させて、効率的に試験ペプチドの濃度を0.77mMまで低下させた(
図6B)。次に、古典経路単独に対する本ペプチドの調節活性を、溶血試験においてB因子枯渇血清を用い、同量のペプチドおよび血清を使用することで、評価した(
図6B)。NHSで見られた調節欠如とは対照的に、親ペプチドCP1は、B因子枯渇血清中で補体古典経路の活性化を調節した。さらに、ペプチド化合物E23A、E25A、およびΔ8−22は、補体古典経路の活性化を有意に調節した。いかなる理論にも束縛されるものではないが、より大量の血清においては、副経路がより効率的に活性化され始め、いくつかのペプチドが、補体活性化全体ではないが古典経路の活性化を効率的に調節し続け、このことは、副経路が溶血を媒介していることを示している。
図5および6の調節活性の比較は、E23Aが優良な補体調節を及ぼすことを示している。
【0092】
極性取り合わせペプチドは、NHSおよびB因子枯渇血清での溶血試験において古典経路活性の有意な調節を最初に示した(データ未記載)。このペプチドの古典経路に対する調節活性をさらに調査するために、極性取り合わせペプチドの希釈をB因子枯渇血清で行った。NHS単独およびDMSOビヒクルで見られた調節欠如とは対照的に、極性取り合わせペプチドは、Δ8−22よりも有意に優って古典経路の活性化を用量依存的に調節した(
図7、0.77mMのΔ8−22と0.77mMの極性取り合わせを比較せよ)。
【0093】
実施例15:CPペプチドは高次構造にオリゴマー形成しない
CPペプチドの特性をさらに明らかにするために、これらの化合物が二量体、三量体等の高次構造にオリゴマー形成できるかどうかを評価した。CPペプチドのオリゴマー化を評価するために、線形および反射モードのMALDI−TOF−TOF質量分析で、表1の7種類のCPペプチド全てを分析した。両方のモードにおいて、全てのペプチドが、主要なピークを持たず、試験ペプチドの理論的質量よりも大きな質量電荷比(m/z)を保有する単量体であることが分かった。
図8A〜8Bは、線形モードおよび反射モードの両方をそれぞれ示している。線形モードは反射モードよりもより低い分解能であったが、両方のモードによって、E23Aが明らかな高次ピークを他に持たない単量体であることが示された。
【0094】
実施例16:植物デフェンシンVrD1との相同性に基づくE23Aの構造モデル
E23Aを古典経路活性化の非常に強力な調節物質とする同定を前提として、E23Aペプチドの構造モデルを作製した。E23Aのアミノ酸配列をCPHmodels−3.0サーバーにアップロードした。このプログラムはタンパク質相同性モデリングの情報源(resource)であり、そこで、鋳型認識は二次構造によって導かれるプロファイル‐プロファイル配列比較(profile-profile alignment)および曝露(exposure)予測に基づいている(Lund et al., 2002. Abstract at the CASP5 conference A102)。CPおよびHNP−1間の上述した相同性と一貫して、CPHmodels3.0はE23Aの2〜29番目の残基を、植物デフェンシン、リョクトウ植物デフェンシン1(VrD1)の46残基のうち17〜44番目の残基に対し配列比較した(
図9A)。VrD1の核磁気共鳴溶液構造(Liu et al., 2006. Proteins. 63, 777-786)に基づいて、E23AのモデルをCPHmodels3.0によって作製し、JMolのFirstGlanceに表示した(
図9B)。
図9Aは、11残基のN末端αヘリックスと、それに続く2つの逆平行βストランドを示している。αヘリックスおよびβストランドは、2本の、3〜5残基の不規則なループによって連結されている。2つのシステイン残基は、αヘリックスと2つ目のβストランド間でジスルフィド結合を形成していることが示され(細い円柱として表示)、これは全体構造を安定化させるのに機能し得る。
【0095】
理論的なペプチド化合物設計
実施例17:CP1のペプチド類似体の合成
CP1のペプチド類似体は商業的に合成されている。その後、これらの改変ペプチドを、当該技術分野において周知の結合実験において、C1qおよびMBLとの相互作用について解析する(Hair et al., 2010. Molec. Immunol. 47, 792-798).)。これらの解析について以下に簡潔に説明する。
【0096】
実施例18:C1q結合
CPペプチド類似体を種々の濃度でマイクロタイタープレート上に被膜し、それらの精製C1q(コンプテック社(CompTech))との結合能について解析する。C1q結合を、抗C1qモノクローナル抗体(クイデル社(Quidel))と、続くロバ抗マウスHRP(サンタクルーズ・バイオテック社(Santa Cruz Biotech))で検出する。次に、プレートをテトラメチルベンジジン(tetramethyl benzindine)で発色させ、反応をH2SO4で終了させ、吸光度を450nmで測定する。C1q結合の正の対照はCP1から成り、一方負の対照はBSAである。各ペプチドの結合の初期条件を決定し、その後ペプチドの連続希釈を3連で行って、以前報告されたように(Hair et al., 2010. Molec. Immunol. 47, 792-798)、統計的有意性を決定し、最大半量結合値(half-maximal binding value)を計算する。最大半量結合値を用いて、各ペプチド類似体の相対結合親和性を評価する。
【0097】
実施例19:MBL結合
MBL結合を上述のC1q結合実験と同様に行う。精製ヒトMBLおよびヤギ抗MBL血清、続いてロバ抗ヤギHRPを、MBLの検出のために使用する。再度、最大半量結合値を計算し、ペプチド化合物間で比較する。
【0098】
機能分析において、CPペプチド誘導体のC1およびMBLの活性化を阻害する能力を試験した。機能分析において、C1qおよびMBLに特異的に結合するCPペプチド類似体を、それらの古典経路およびレクチン経路の活性化を阻害する能力について評価する。C1およびMBLの阻害についての特異性試験に加えて、抗体惹起補体活性化試験(antibody-initiated complement activation assay)を使用して、ヒトおよびラット両方の血清中のペプチド類似体のIC50値を決定する。これにより、ペプチドの相対機能活性の直接的な比較が可能となる。
【0099】
実施例20:C1活性化試験
ペプチド化合物を、C1s免疫ブロット切断試験において、C1活性化を阻害するそれらの能力について解析する。C1(コンプテック社)および熱凝集型IgGを、増量させていくペプチドと共にインキュベートする。C1sを、Odyssey赤外線撮像系(Li−Corバイオサイエンス社)での分析のために、C1sに対するヤギポリクローナル抗体(クイデル社)と、続く赤外色素標識ロバ抗ヤギ抗体(Li−Corバイオサイエンス社)で検出する。熱凝集型IgG非存在下または存在下のC1は、それぞれC1s切断の負の対照および正の対照として各ブロット上に含まれる。種々のCPペプチドによるC1s切断の阻害の程度を比較するために、Odyssey3.0ソフトウェアを用いてC1sの重鎖および軽鎖をC1s前駆物質に対して定量化し、C1活性化の百分率を決定する。CP1+熱凝集型IgGはC1s切断阻害の正の対照として機能し、必要ならば、実験間の値を標準化するためにも使用することができる。
【0100】
実施例21:MBL活性化試験
市販のMBL活性化試験(ハイカルト社(HyCult))を使用し(Hair et al., 2010. Molec. Immunol. 47, 792-798)、CPペプチド類似体を評価した。正常ヒト血清(NHS)を増量させていく前記ペプチドと共にインキュベートし、市販キットを用いてレクチン経路阻害について評価した。NHS単独はレクチン活性化の正の対照として機能し、一方、熱不活性化NHSは活性化の負の対照として機能する。レクチン経路活性化の阻害を明らかにするためにNHS+CPを対照として用いる。
【0101】
あるいは、当該技術分野において周知のレクチン活性化試験(Groeneveld et al., 2007. Molec. Immunol. 44, 3608-3614)を用いて、ペプチド化合物を評価した。
【0102】
実施例22:抗体惹起血清中補体活性化試験
CP1の阻害活性とそのペプチド類似体を直接的に比較するために、抗体惹起血清中補体活性化試験を用いた。この試験はJohn Lambris博士および共同研究者(ペンシルバニア大学)がコンプスタチンおよびその類似体のIC50値を算出するために使用したプロトコールを改変したものである(Mallik et al., 2005. J. Med. Chem. 48, 274-286)。補体活性化阻害を、NHS中のオボアルブミン‐抗オボアルブミン複合体への血清C4固定の阻害を測定することで評価する。マイクロタイター(microtiter)のウェル(well)をオボアルブミン(10mg/ml)で被膜する。次に、ウェルをBSA(10mg/ml)で室温で1時間飽和させ、1:2,000希釈のウサギ抗オボアルブミン抗体を加えて免疫複合体を形成させることで、補体を活性化することができる。次に、種々の濃度のペプチドを各ウェルに直接添加し、続いてGVB++で1:80に希釈したNHSを添加する。30分インキュベートした後、1:2,000希釈のヤギ抗C4抗体と、続く1:2,500希釈のロバ抗ヤギHRP二次抗体を用いて、結合したC4を検出する。次に、プレートをテトラメチルベンジジン(tetramethyl benzindine)で発色させ、反応をH2SO4で終了させ、吸光度を450nmで測定する。阻害率を、100%の活性化がペプチド非存在下で起こる活性化と等しいと見なして標準化する。活性化の負の対照として熱不活性化NHSを使用する。活性化阻害の対照としてNHS+CP1を用いる。
【0103】
ペプチド濃度に対して阻害率をプロットして、選択されたペプチド化合物のIC50値を決定する。CPは古典経路およびレクチン経路を介してC4活性化を阻害し、CPの副経路の活性化に対する効果はごく僅かであった(Bonaparte et al., 2008. J. Virol. 82, 817-827, Hair et al., 2010. Molec. Immunol. 47, 792-798)。基準としてCP1を用いることで、全てのペプチド化合物の相対的な阻害活性はこのように直接的に測定される。
【0104】
正常ラット血清(NRS)中のCPペプチドのIC50値を測定する。野生型CPおよびCP1は、NRS中の抗体惹起補体活性化を抑制することが示されている(Hair et al., 2010. Molec. Immunol. 47, 792-798)。NRS中のペプチド化合物のIC50値の決定は、ラットにおける投与量決定実験に非常に重要である。
【0105】
他の態様、変態、および実施形態は、以下の請求項の範囲内である。
【0106】
参考文献:
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