特許第6033797号(P6033797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033797
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】レーザビーム選択器
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/06 20060101AFI20161121BHJP
   G02B 21/24 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   G02B21/06
   G02B21/24
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-556576(P2013-556576)
(86)(22)【出願日】2012年1月16日
(65)【公表番号】特表2014-507017(P2014-507017A)
(43)【公表日】2014年3月20日
(86)【国際出願番号】SE2012050029
(87)【国際公開番号】WO2012118424
(87)【国際公開日】20120907
【審査請求日】2015年1月16日
(31)【優先権主張番号】61/447,709
(32)【優先日】2011年3月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598041463
【氏名又は名称】ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,ジェレミー・アール
【審査官】 越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/009581(WO,A1)
【文献】 特表2008−507719(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0017001(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0113200(US,A1)
【文献】 特開2010−175625(JP,A)
【文献】 特開2003−228034(JP,A)
【文献】 特開2002−277784(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0163704(US,A1)
【文献】 特開2002−365582(JP,A)
【文献】 欧州特許第01248136(EP,B1)
【文献】 特開平01−149010(JP,A)
【文献】 米国特許第04805974(US,A)
【文献】 特開平05−221013(JP,A)
【文献】 欧州特許第00541460(EP,B1)
【文献】 特開平11−213437(JP,A)
【文献】 特開2003−279860(JP,A)
【文献】 特開昭63−269114(JP,A)
【文献】 特開平01−195403(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0043403(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0179372(US,A1)
【文献】 米国特許第04433894(US,A)
【文献】 米国特許第04682842(US,A)
【文献】 米国特許第06084716(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/06
G02B 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのビームのうちの1つのビームを選択するためのビーム選択器であって、
前記少なくとも2つのビームを受ける走査ミラーと、
2つの固定ミラーと、
開口部を有する板とを備え、
前記走査ミラーは、少なくとも2つの位置に回転されるものであり、前記少なくとも2つの位置の各々の位置は、前記少なくとも2つのビームのうちの1つのビームが、前記走査ミラーにおいて第1の反射をし、前記2つの固定ミラーの各々の固定ミラーにおいて反射し、前記走査ミラーにおいて第2の反射をして、前記開口部を通る経路を進むように、前記1つのビームを選択するための位置である、ビーム選択器。
【請求項2】
前記走査ミラーはモータの回転可能な軸に取り付けられた平面ミラーを備え、前記モータはガルバノモータ及びステッパモータのうち1つを備える、請求項1に記載のビーム選択器。
【請求項3】
前記走査ミラーは圧電制御ミラーを備える、請求項1に記載の選択器。
【請求項4】
前記2つの固定ミラーのうちの第1の固定ミラーが、前記走査ミラー前記2つの固定ミラーのうちの第2の固定ミラーとの間の領域に向けられ、前記第2の固定ミラーの反射面が、前記走査ミラー前記第1の固定ミラーとの間の領域に向けられるように前記走査ミラー、前記2つの固定ミラー、及び前記板が配置される、請求項1に記載のビーム選択器。
【請求項5】
前記一つのビームは、前記2つの固定ミラーのうちの第1の固定ミラーで反射した後、前記2つの固定ミラーのうちの第2の固定ミラーで反射する、請求項1に記載のビーム選択器。
【請求項6】
各ビームが前記走査ミラーにおいて前記第2の反射をする場合、前記少なくとも2つのビームの各々について、前記開口部を通る出力経路は同じである、請求項1に記載のビーム選択器。
【請求項7】
前記走査ミラーは、前記少なくとも2つの位置の各々に、0.2ミリ秒未満で回転されるものである、請求項1に記載のビーム選択器。
【請求項8】
前記少なくとも2つのビームは、実質的に平行である、請求項1に記載のビーム選択器。
【請求項9】
少なくとも2つの励起ビームを放射する平行ビーム源と、
前記少なくとも2つの励起ビームを受ける走査ミラーと、開口部を有する板とを含み、前記少なくとも2つの励起ビームのうちの1つの励起ビームが前記開口部を通過するように、前記1つの励起ビームを選択するビーム選択器と、
選択された励起ビームを受け、試料の特定の成分に取り付けられた蛍光プローブの蛍光を励起するために、前記励起ビームを前記試料に導く対物レンズと、を備え、
前記走査ミラーは所定方向に移動するように構成されており、
前記走査ミラーが前記所定方向に移動することにより、前記少なくとも2つの励起ビームのうちの前記開口部を通過する励起ビームが変更される、蛍光顕微鏡機器。
【請求項10】
前記平行ビーム源は、少なくとも2つのレーザを備え、各レーザは、単一波長又は狭い範囲内の波長のビームであって、高輝度で実質的に単色のビームを放射するものである、請求項9に記載の蛍光顕微鏡機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年3月1日に出願された仮出願第61/447,709号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、蛍光顕微鏡に関し、具体的には、蛍光顕微鏡機器内の励起レーザビームを選択するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
近年では、落射型蛍光顕微鏡の技術的改良は、蛍光標識された試料成分及び背景間のコントラストを増大することに集中されてきた。結果として、生体試料の多くの異なる細胞成分、亜細胞成分、及び、分子成分を標識する手段を提供するために、何千もの蛍光プローブが開発されてきた。加えて、利用可能な蛍光体の大きいスペクトル範囲は、異なる成分の同時画像化を可能にする。試料の異なる成分を画像化するために、異なる成分は、異なる波長で蛍光を発する蛍光体で標識されるが、各蛍光体は、異なる波長の励起ビームで励起される。結果として、落射型蛍光顕微鏡でのこれらの作業は、ビームが対物レンズを介して試料中に同じ経路に沿って進むように、励起ビームを重畳させる効率的で費用効果的な方法を開発することに、多くの注意を向けてきた。ガス管レーザ、及び、ダイクロイックミラーの積層体は、重畳励起ビームを生成するために検討されている2つのシステムである。ガス管レーザは、典型的には、いくつかの別個の波長で構成された光の単一のビームを放射し、ダイクロイックミラーの積層体は、異なる光源から発する励起ビームを結合するために使用され得る。図1は、パターン化された線106〜108によってそれぞれ表される、異なる波長λ1、λ2及びλ3の3つの励起ビームを重畳させるように積層された2枚のダイクロイックミラー102及び104の一例を示す。すべての3つの波長で構成された重畳ビーム110を形成するように、ダイクロイックミラー102は、ビーム106を透過すると共にビーム107を反射し、ダイクロイックミラー104は、ビーム106及び107を透過すると共にビーム108を反射する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、典型的なガス管レーザは、大きく、費用が法外で、非効率的で、不安定である。ガス管レーザは、また、短い寿命を有し、非常に限られた範囲の波長にわたって光を放射する。他方では、ダイクロイックミラーベースの手法は、多目的であるが、励起ビームが重畳ビームに追加されるたびに、別個のダイクロイックミラーが積層体に追加され、これは、無視できない損失が蓄積するにつれて、かなりの非効率性につながる。例えば、図1に示すように、ビーム106は、すでに2枚のダイクロイックミラー102及び104を通過する。第4の波長を反射すると共に波長λ1、λ2及びλ3を透過する第3のダイクロイックミラーの積層体への追加は、さらにビーム106を減衰させることになる。加えて、ガス管レーザ又はダイクロイックミラー積層体のどちらも、サブミリ秒の時間尺度での、又はより速い、異なる励起ビーム間の切り替えを提供しない。ダイクロイックミラーベースの手法では、積層体に入力する各ビームの経路にシャッタを配置することができる。しかしながら、各シャッタは、かなりの費用を機器に追加し、シャッタは、異なる励起ビーム間の所望のサブミリ秒の切り替え速度を達成することができない。上記の理由から、エンジニア、科学者、及び蛍光顕微鏡製造業者は、励起ビームを同じ経路に沿って配置するための、高速で、効率的で、費用効果的なシステムを探し続ける。
【課題を解決するための手段】
【0005】
光の少なくとも2つのビームの1つを、ビーム選択器からの同じ出力経路に沿って選択的に配置するための種々のビーム選択器が開示される。一態様では、ビーム選択器は、別個の光源から出力される光の少なくとも2つの実質的に平行なビームを受ける。ビーム選択器は、少なくとも2つのビームの1つが透過のために選択された場合、ビーム選択器が、選択されたビームのみを、板の開口部を通る出力経路に沿って導くように、開口部を有する板を含む。板は、また、選択されていないビームの透過を遮断するように機能することができる。開口部を通る出力経路は、各ビームが透過のために選択されている場合、少なくとも2つのビームの各々に関して同じである。ビーム選択器は、試料の特定の成分に取り付けられた蛍光プローブの蛍光を励起するために、特定の励起ビームを、顕微鏡対物レンズを通り、試料へ、同じ経路に沿って選択的に配置するために、蛍光顕微鏡機器内に組み込まれてよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】異なる波長の3つの励起ビームを重畳させるように積層された2つのダイクロイックミラーの一例を示す。
図2】ビーム選択器を含む蛍光顕微鏡機器の一例の概略図を示す。
図3】平行ビーム源の一例の図を示す。
図4図4Aは、ビーム選択器の一例の上面図を示す。図4Bは、ビーム選択器の一例の等角図を示す。
図5】動作時の図4に示すビーム選択器の上面図を示す。
図6A図4に示すビーム選択器を通る3つのビームが進む内部経路のスナップショットの例を示す。
図6B図4に示すビーム選択器を通る3つのビームが進む内部経路のスナップショットの例を示す。
図6C図4に示すビーム選択器を通る3つのビームが進む内部経路のスナップショットの例を示す。
図7A】ビーム選択器の一例の等角図を示す。
図7B】ビーム選択器の一例の上面図を示す。
図7C】ビーム選択器の一例の上面図を示す。
図8A】ビーム選択器の一例の等角図を示す。
図8B】ビーム選択器の一例の上面図を示す。
図8C】ビーム選択器の一例の上面図を示す。
図8D】ビーム選択器の一例の上面図を示す。
図9】ビーム発射台の実装例と組み合わされたビーム選択器の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図2は、ビーム選択器(「BS」)202を含む蛍光顕微鏡機器200の一例の概略図を示す。多くの異なる形式の蛍光顕微鏡機器及び対応する光路が存在する。機器200は、蛍光顕微鏡機器のすべての異なる周知の変形形態内の光路を表すことを目的とせず、代わりに、BSを蛍光顕微鏡機器に組み込む一般的な原理を例示することを目的とする。機器200は、平行レーザビーム源204、BS202、第1のレンズ206、ダイクロイックミラー208、対物レンズ210、ステージ212、第2のレンズ214、及び検出器216を含む。図2の例に示すように、ビーム源204は、励起光のNの実質的に平行なビーム218をビーム選択器202に放射し、ここでNは正の整数である。λ1,λ2,λ3,...,λNによって示されるビーム218の各々は、電磁スペクトルの、単一の波長の光、又は、波長の非常に狭い帯域内の光の、コリメートされた、高輝度の、実質的に単色のビームである。ステージ212上に配置された試料220は、多数の異なる成分で構成され、それらの成分の多くは、異なる蛍光プローブで標識される。ビーム源202からの各ビーム出力は、試料220の特定の成分を画像化するために使用される蛍光体からの蛍光発光を刺激する。BS202は、励起ビーム218を受け、画像化すべき試料220の成分に取り付けられた蛍光体の蛍光を励起するために選択された励起ビームのみを出力する。例えば、試料220の第1の成分が、画像化のために選択されると仮定する。ビーム選択器202は、成分に取り付けられた蛍光体を励起する励起ビーム222、λiのみを出力するように動作される。他の励起ビームは、BS202によって遮断される。レンズ206は、励起ビーム222を集束し、ダイクロイックミラー208は、励起ビームを対物レンズ210の後方に反射し、次に対物レンズ210は、励起ビームを試料220に導く。蛍光体から放射された蛍光の一部は、対物レンズ210によって捕捉され、陰影領域224によって表されるビームにコリメートされ、ビームは、ダイクロイックミラー208を通過し、第2のレンズ214によって検出器216上に集束される。検出器216は、光電子倍増管、フォトダイオード、又は固体電荷結合素子(「CCD」)であってよい。試料220の第2の成分が、画像化のために選択されると、ビーム選択器202は、第2の成分に取り付けられた蛍光体の種類を励起する励起ビームのみを出力するように切り替える。代わりの機器構成では、ダイクロイックミラー208は、励起ビームを透過させ、蛍光を反射するように構成されてよく、この場合には、BS202、ビーム源204、及びレンズ206の位置は、レンズ214及び検出器216と交換される。
【0008】
ビーム源204は、任意の適切な数の励起ビームを、並列に出力するように構成されてよい。図3は、並列ビーム源300の一例の図を示し、並列ビーム源300は、7個の別個の光源301〜307を含み、光源301〜307の各々は、それぞれ、λ1、λ2、λ3、λ4、λ5、λ6、及びλ7によって示される7つの異なる波長の1つを有する光を放射する。例えば、各光源は、電磁スペクトルの、異なる非常に狭い波長の光の、高輝度で、実質的に単色のビームを放射し、又は、単一の波長を有する光を放射するレーザであってよい。各ビームがビーム源300を通って進む経路は、B1、B2、B3、B4、B5、B6、及びB7によって示される、異なってパターン化された矢印によって表される。図3の例では、ビーム源300は、7つのミラー309〜315を含み、ミラー309〜315は、所望の間隔を有する実質的に平行な経路内にビームを反射するように配置される。理想的には、ビームが沿って進む経路は、平行又は非交差であるが、実際には、ミラー及び光源の相対的な配置並びに配向におけるわずかな変化のため、経路は、実質的に平行であるか、ビーム源300から離れた非常に長い距離で交差するだけでよいことが認識される。結果として、ビームが沿って出力される経路は、実質的に平行と呼ばれる。
【0009】
図4A〜4Bは、ビーム選択器400の一例の上面図及び等角図を示す。選択器400は、走査ミラー402、第1の平面固定ミラー404、第2の平面固定ミラー406、及び、開口部410を有する板408を含む。第1のミラー404の反射面は、走査ミラー402及び第2のミラー406間の領域に向かって傾斜され、第2のミラー406の反射面は、走査ミラー402及び第1のミラー404間の領域に向かって傾斜され、ミラーの反射面は、同じ平面に対して実質的に垂直である。図4A〜4Bの例では、走査ミラー402は、モータ414の回転可能な軸に取り付けられた平面回転ミラー412を含むガルバノミラーであり、モータ414は、ガルバノモータ又はステッパモータであってよい。代わりに、走査ミラーは、圧電制御ミラーであってよい。図4A〜4Bに示すように、ミラー412は、ある角度の範囲で、モータ414によって前後に回転される。
【0010】
図5は、動作時のビーム選択器400の上面図を示す。図5は、ミラー412に向かって導かれる7つの異なる実質的に平行なビーム経路B1、B2、B3、B4、B5、B6、及びB7を有するビーム源300の表現を含む。図5は、M1、M2、M3、M4、M5、M6、及びM7によって示される7つの異なる位置に回転されるミラー412を示す。異なってパターン化された線501〜507は、回転ミラー412が7つの異なる位置の1つに回転された場合に、各ビームが選択器400を通って進む経路を表す。各ビームは、同じ平面内のミラー404、406及び412間を進む。図5の例に示すように、固定ミラー404及び406、並びに回転ミラー412は、各ビームが、平面408内の開口部410を通って同じ経路510に沿って出力されるように、同じ平面内に配置される。すなわち、ミラー412が位置Mjに回転された場合、ビームBjは、経路510に沿って、4回の反射後、選択器400から出力され、ここで、jは1から7までの整数である。ミラー412が位置Mjにある間、他のビームBkは、選択器400を出ず、ここで、kは1から7までの整数であり、k≠jである。
【0011】
図5に示すように、結果としてビームの1つが経路510上に配置される回転ミラー412の各回転位置に対して、ビームは、合計4回の反射について、ミラー412から1回目に反射され、第1の固定ミラー404から1回反射され、第2の固定ミラー406から1回反射され、ミラー412から2回目に反射される。また、他の6つのビームは、これらが平面408の開口部410に到達しないように反射される。図6A〜6Cは、回転ミラー412が3つの位置M1、M4及びM7にそれぞれ回転されたときの、選択器400を通って進む7つのビームのうち3つ(すなわち、ビームB1、B4及びB7)の内部経路のスナップショットの例を示す。図6Aでは、回転ミラー412は、位置M1に回転される。ビームB1は、順番に1、2、3及び4の番号が付けられた内部経路により、点602で回転ミラー412に入射し、ミラー404、406及び412からの4回の反射を受ける。5番目の経路は、点604での回転ミラー412からの第2の反射によって形成され、5番目の経路は、ビームB1を、経路510として図5にも示す、開口部410を通る経路上に配置する。図6Aに示すように、他の2つのビームB4及びB7は、異なる反射経路をたどり、この異なる反射経路は、結果として、ビームB4及びB7を開口部410に通過させない。図6Bでは、回転ミラー412は、位置M4に回転される。ビームB4は、順番に1’、2’、3’及び4’の番号が付けられた内部経路により、点606で回転ミラー412に入射し、ミラー404、406及び412からの4回の反射を受ける。5’番目の経路は、点608での回転ミラー412からの第2の反射によって形成され、5’番目の経路は、ビームB4を、経路510として図5にも示す、開口部410を通る経路上に配置する。図6Bに示すように、他の2つのビームB1及びB7は、異なる反射経路をたどり、この異なる反射経路は、結果として、ビームB1及びB7を開口部410に通過させない。図6Cでは、回転ミラー412は、位置M7に回転される。ビームB4は、順番に1”、2”、3”及び4”の番号が付けられた内部経路により、点610で回転ミラー412に入射し、ミラー404、406及び412からの4回の反射を受ける。5”番目の経路は、点612での回転ミラー412からの第2の反射によって形成され、5”番目の経路は、ビームB7を、経路510として図5にも示す、開口部410を通る経路上に配置する。図6Cに示すように、他の2つのビームB1及びB4は、異なる反射経路をたどり、この異なる反射経路は、結果として、ビームB1及びB4を開口部410に通過させない。
【0012】
ビーム選択器400は、サブミリ秒の出力ビームの選択を提供するために、走査ミラー402を用いて実装される。図7A〜7Cは、ビーム選択器700の一例の等角図及び2つの上面図を示す。選択器700は、走査ミラー702、及び、開口部706を有する板704を含む。図7Aでは、走査ミラー702は、モータ710に取り付けられた、平坦な固定位置ミラー708を含み、モータ710は、矢印714によって示すように、ミラー708を、軌道712に沿って前後に移動させる。図7B及び7Cに示すように、ミラー708は、ビーム源300から出力されるビームB1、B2、B3、B4、B5、B6、及びB7が、ミラーの法線に対して45度でミラーに入射するように配向される。実際には、ミラー708は、ビームを板704に向けて反射するために、任意の適切な角度で配置されてよく、ビームの経路に対して45度の角度に限定されない。図7Bでは、ミラー708は、すべてのビームがミラー708に入射するように配置されるが、ビームB3のみが、ミラー708に反射され、開口部706を通過し、残りのビームは、板704に遮断される。図7Cでは、モータ710は、ビームB2が開口部706を通過し、他のビームが板704によって遮断されるように、ミラー708を方向716に移動するために使用されている。
【0013】
図8A〜8Dは、ビーム選択器800の一例の等角図及び3つの上面図を示す。選択器800は、モータ804に取り付けられた透明板802を含み、モータ804は、ミラー802を、矢印806及び807によって示すように、前後に回転させる。透明板802は、所望の屈折率を有するガラス又は透明なプラスチックで構成されてよく、モータ804は、ガルバノモータ又はステッパモータであってよい。図8B〜8Dは、開口部810を有する不透明板808を含む選択器800を示す。図8B〜8Dは、ビームの1つが開口部810を通って出力され、他のビームが板808によって遮断されるように、ビーム源300から出力される光の平行ビームを屈折させるために、透明板802がどのように回転されるかを示す。図8Bでは、透明板802は、ビームが、透明板802を垂直入射で通過するように回転される。この位置では、中心ビームB4は、開口部810を通過し、他のビームは、板808によって遮断される。図8C〜8Dの例では、透明板802は、ビームが屈折されるように回転され、結果として、ビームは、中心ビームB4以外のビームが開口部810を通過するようにシフトされる。図8Cでは、透明板802は、ビームが、ビームオフセットで屈折されるように回転され、ビームオフセットは、結果として、ビームB5を開口部810に通過させ、他のビームは、板808によって遮断される。図8Dでは、透明板802は、さらに回転され、結果として、より大きいビームオフセットを生じ、より大きいビームオフセットは、ビームB6を、開口部810を通る経路上に配置し、他のビームは、板808によって遮断される。
【0014】
代わりの実施形態では、ビーム選択器400は、ビーム発射台と組み合わされてよく、ビーム発射台は、選択されたビームの照射を制御するために使用される。図9は、ビーム発射台900の実装例と組み合わされたビーム選択器400の概略図を示す。図9の例では、各ビームは、平行ビーム源300から、実質的に単色の光のビームとして出力される。発射台900は、円形開口部410を有する板408を含み、レンズ902、及び単一モード光ファイバ904を含む。図9に示すように、開口部410の中心、レンズ902の光軸、及び、ファイバ904の光軸は、一点鎖線906によって示すように、一致する。レンズ902は、レンズ902の焦点908が、光軸906及びファイバ904の直径に沿って位置し、レンズ902での受光コーン910が、開口部410の直径にほぼ等しくなるように、光軸906に沿って配置される。受光コーン910の直径は、光軸906との受光角によって決定され、受光角は、ファイバ904の開口数と相関する。焦点908に集束された光は、受光コーン910内に位置し、コア912に閉じ込められる。すなわち、レンズ902は、開口部410から出力される光のビームを、光が受光コーン910内に位置するように成形する。光のファイバ904への最大の結合効率を達成するために、各ビームの直径は、ファイバ904の受光コーン910の直径とほぼ一致するように調整される。ミラー412が、角度の連続体にわたって回転されると、ビーム510は、光軸906と一致するビーム510の伝播方向に実質的に垂直に移動又はシフトされる。ビーム510が、光軸906に実質的に垂直に移動されるにつれ、ビーム510の一部は、開口部410の縁部の周囲の板408によって遮断され、次にこの遮断は、最終的にコア912に入るビームの照射を制御するために使用される。単一モード光ファイバ904は、レンズ902から出力される非対称的なビームの空間フィルタリングを提供する。例えば、ビーム510が光軸906に垂直に移動されると、コア912に到達するビームは、非対称的な放射照度分布を有する。ファイバ904は、単一モード光ファイバであるため、ビーム510が、非対称的な放射照度分布でファイバ904に入射する場合でも、ビームは、ファイバ904の反対側の端部に、対称的な放射照度分布で出力される。
【0015】
上記の説明は、説明の目的のために、本開示の完全な理解を提供するために、特定の用語を使用した。しかしながら、特定の詳細は、本明細書に記載のシステム及び方法を実施するために必要とされないことは、当業者には明らかであろう。特定の例の上記の説明は、例示及び説明の目的のために提示される。それらは、網羅的であること、又は、本開示を、記載されたまさにその形態に限定することを目的とされない。明らかに、多くの変更及び変形が、上記の教示に鑑みて可能である。本開示の原理、及び、実際的応用を最良に説明し、それによって、当業者が、本開示、及び、企図される特定の用途に適するような種々の変更による種々の例を最良に利用することができるようにするために、例が示され、説明される。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその同等物によって定義されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9