(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033839
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】潜水可能な装置、およびアンカリング装置を設置する方法
(51)【国際特許分類】
B63C 11/00 20060101AFI20161121BHJP
F03B 13/26 20060101ALI20161121BHJP
B63C 7/12 20060101ALI20161121BHJP
B63B 43/06 20060101ALI20161121BHJP
B63B 21/00 20060101ALI20161121BHJP
E02D 27/52 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
B63C11/00 E
F03B13/26
B63C7/12
B63B43/06 Z
B63B21/00 Z
E02D27/52 Z
【請求項の数】36
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-503134(P2014-503134)
(86)(22)【出願日】2012年4月4日
(65)【公表番号】特表2014-516852(P2014-516852A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】EP2012056173
(87)【国際公開番号】WO2012136709
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2015年4月6日
(31)【優先権主張番号】1105620.7
(32)【優先日】2011年4月4日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513249046
【氏名又は名称】キューイーディー ネイバル エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジェレミー
【審査官】
中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公開第02408778(GB,A)
【文献】
英国特許出願公開第02001396(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B,B63C,B63G,F03B,
E02D27/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中タービンを設置するための水中構造体であって、
浮力タワーを備え、この浮力タワーは、水面とアンカリング位置との間で前記水中タービンを上昇および降下させるために、前記水中構造体を選択的にバラストにより安定させることができるようになされており、
前記浮力タワーは、使用中に前記水中タービンにより水の流れを導くように並べられる、水中構造体。
【請求項2】
海底の上を通過する水流に対して装置をアンカリングするように構成された潜水可能なモジュールを備え、このモジュールは、
前記装置を取り付ける基部と、
前記海底に隣接する水流の境界層成分の進路を前記モジュールの少なくとも一部上で変え、これにより前記モジュール上の前記境界層の水流を加速させて前記モジュールに流体力学的な力を生成するように構成された境界層フェアリングと、
を備える、請求項1に記載の水中構造体。
【請求項3】
前記境界層フェアリングが前記モジュール上の前記水流の乱流も減少させるように構成された、請求項2に記載の水中構造体。
【請求項4】
前記境界層の水流が水流方向とは無関係に前記モジュール上で加速されるように、境界層フェアリングが前記モジュールの前縁および後縁にて設けられる、請求項2または3に記載の水中構造体。
【請求項5】
各境界層フェアリングは、前記モジュール上で前記境界層の進路を変えるために少なくとも一の湾曲した洗掘プレート部分を備える、請求項2〜4のいずれか一項に記載の水中構造体。
【請求項6】
前記境界層フェアリング間に設けられた排出プレートを更に備え、この排出プレートは前記モジュール上を通過する前記水流における乱流を更に減少させるように構成される、請求項5に記載の水中構造体。
【請求項7】
前記排出プレートの間に設けられた主船体プレートを更に備える、請求項6に記載の水中構造体。
【請求項8】
各排出プレートは少なくとも一つの流体力学的な曲線部を備える、請求項6または7に記載の水中構造体。
【請求項9】
前記洗掘プレート、前記一対の排出プレートおよび前記主船体プレートは、入射した水流が前記モジュールの各側部で前記境界層フェアリング間をスムーズに通過するように互いに配置され、これにより、作られた乱流が前記モジュールへの下方の力を作る、請求項7または8に記載の水中構造体。
【請求項10】
各排出プレートは、閉じた構成と開いた構成との間で選択的に駆動可能である、請求項6〜9のいずれか一項に記載の水中構造体。
【請求項11】
前記モジュールの少なくとも前記一部が前記モジュールの水中への下降を促進するために枢動可能である、請求項2〜10のいずれか一項に記載の水中構造体。
【請求項12】
隣接する別の潜水可能なモジュールに設けられた対応する浮力タワーと嵌合するように構成された、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水中構造体。
【請求項13】
選択的に前記浮力タワーに水を冠水させるか前記浮力タワーから水を空にするために少なくとも一の浮力パイプを更に備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の水中構造体。
【請求項14】
少なくとも一対の展開脚を更に備え、この展開脚は、前記モジュールが前記水面に部分的または完全に出る上昇した構成と、前記モジュールが前記海底に接地する下降した構成との間で、前記モジュールが動くことができるように構成された、請求項2〜13のいずれか一項に記載の水中構造体。
【請求項15】
前記展開脚は、一旦前記モジュールが前記海底に接地すると、前記海底に沿って実質的に長手方向に横たわるように枢動して下ろされる、請求項14に記載の水中構造体。
【請求項16】
潜水可能なモジュールへの選択的な取り付けを可能にするためにドッキング構成を備えるタービンモジュールを更に備える、請求項2〜15のいずれか一項に記載の水中構造体。
【請求項17】
請求項1に記載の複数の水中構造体を備えるアレイであって、このアレイにおいて各水中構造体は隣接する別の水中構造体に対して水平に配置される、アレイ。
【請求項18】
前記アレイの前記水中構造体は、前記アレイの下に実質的に中空の保護されたゾーンを作るように構成される、請求項17に記載のアレイ。
【請求項19】
前記保護されたゾーンは、前記アレイおよび/または前記アレイの個々の水中構造体の設置、メンテナンスおよび退役を容易にするために遠隔操作可能な装置を備える、請求項18に記載のアレイ。
【請求項20】
前記保護されたゾーンは、前記遠隔操作可能な装置が前記アレイの前記水中構造体間を走行することができるように前記アレイに沿って走行する少なくとも一のガイドトラックを備える、請求項19に記載のアレイ。
【請求項21】
水中環境の周囲の地勢を補整するために前記アレイを水平および垂直に関節状に連結することができるように、前記アレイの各水中構造体が関節状ジョイントと接続される、請求項17〜20のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項22】
水中構造体上に水中タービンを設置する方法であって、少なくとも一の浮力タワーを前記水中タービンと一体化させるステップと、前記水面とアンカリング位置との間で前記水中タービンを上昇および降下させるために、前記浮力タワーを選択的にバラストにより安定させるステップと、を備え、
使用中に前記水中タービンにより水の流れを導くように前記複数の浮力タワーを並べるステップを更に備える、方法。
【請求項23】
水中構造体であって、この水中構造体に前記アンカリング装置を取り付けるための基部を有する水中構造体を提供するステップと、
海底に近接する水流の境界層成分の進路を前記水中構造体の少なくとも一部上で変え、これにより前記水中構造体上の前記境界層の水流を加速させて前記水中構造体に流体力学的な力を生成するように構成された境界層フェアリングを提供するステップと、を備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記水中構造体が実質的に所望の設置位置の上方となるまで水面上で前記潜水可能なモジュールを操作するステップと、前記水中構造体を前記海底まで下降させるのを容易にするために水中で前記水中構造体をバラストにより安定させるステップと、を更に備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記水中構造体をバラストにより安定させる前記ステップは、前記水中構造体の一部分を部分的に冠水させ、前記水中構造体をワイヤーラインまたはこれに類似する係留構成を介して前記海底の所定の位置に前記水中構造体を案内するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記水中構造体をバラストにより安定させる前記ステップは、前記水中構造体の一部分を部分的に冠水させ、支持脚を介して前記海底の所定の位置に前記水中構造体を案内するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記海底に沿う前記水中構造体の水平移動に対する抵抗を提供するために前記支持脚を海底まで枢動させるステップを更に備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記水中構造体が設置されるときに安定力を与えるように前記境界層フェアリングを構成するステップと、前記海底への前記水中構造体の設置を容易にするために前記生成された安定力を利用するステップと、を更に備える、請求項23〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
安定力を与える前記ステップは、前記水中構造体が海底に向かって降下するときに安定させるフローパターンを作るために、前記水中構造体の一部を、持ち上げられた構成に一時的に駆動することによって提供される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
タービンモジュール解放システムを駆動することにより、設置、保守および退役のために海底の前記水中構造体と水面との間でタービンを上昇および下降させるステップを更に備える、請求項23〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記タービン構成を上昇および下降させる前記ステップは、前記タービン構成と一体化された浮力タワーを選択的に冠水させおよび空にすることにより行われ、前記浮力タワーも、前記水中構造体を海底に維持することができるように構成された解放システムを備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記水中構造体を通して排出される水の量および方向を制御するために、前記水中構造体における開口部を能動的に調整し、これにより、潜水または浮上の間に前記水中構造体の安定性を能動的に制御するステップを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
使用中に前記装置に与えられる流体力学的なダウンフォースを高めるために前記開口部を利用するステップを更に備える、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
複数の水中構造体を互いに接続して一のアレイを形成するステップと、設置の前に水面で前記複数の水中構造体からなる前記アレイを操作するステップと、を更に備え、あるいは、海底にてまたは海底に隣接して複数の水中構造体からなる一のアレイにおいていくつかの水中構造体を独立して互いに接続するために展開配置するステップと、を更に備える、請求項23〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記アレイの水中構造体に実質的に剛結合を提供するステップを更に備え、これにより前記アレイが移動中および設置前、そして設置中にこのアレイを予測される来たるべき水流に対面するように風向計の様に回転させることができる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
海底の深さの変化および周囲環境における輪郭の変化を補整するために、前記結合された水中構造体を垂直および/または水平に関節状に連結するステップを更に備える、請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は潜水可能な装置に関し、特に、海底に潮流タービン構造体をアンカリングする(固定する)ための潜水可能な装置に関する(但しこれに限定されない)。
【0002】
以下の説明において、用語「海底(seabed)」は、実質的に水の下にある静止した地面を意味すると理解すべきであり、例えば、海の下にある地面や、川の下にある地面や、これらの交差点の下にある地面を含む。用語「海洋(marine)」はその通りに理解すべきである。
【0003】
海洋の再生可能なエネルギーはそれらの陸上の装置と比較して設置費用および維持費用が非常に高いため、開発が遅い。これら2つの点は海洋再生可能エネルギーシステムの経済発展において重要なものである。より詳細には、この高額な費用は、設置を支持するのに必要なスペシャリストの船が必要となることで生じる。同様の船がオフショア・オイルおよびガス産業で必要とされる。従って、ディベロッパーが同じ資源に対して競合することがよくある。このことは船をチャーターするための一日あたりの料金を非常に高いものにし、かつ、開発の利益に疑問が生じる。一日あたりの料金における大きな変動によって、設置費用およびメンテナンス費用の金額が非常に予測困難なものになる。このことは、再生可能なエネルギーの開発・設置者が負うことができないほどの大きな経済的リスクを生じる。
【0004】
稼働中に操作およびメンテナンス(Operational & Maintenance(O&M))問題を解決する必要性が出てくることはほぼ避けられない。潮汐環境(これは高いエネルギーポテンシャルのために選択される)において、これは極めて困難なことである。数ノットで流れる潮流は非常に大きな動力を構造体に伝え、これは一部にこの構造体の周りの乱流流動によるものである。このことは、サポート船が、潮差の範囲が小さくかつ気象変化の範囲が小さいところでのみ動作することができることを意味する。多くの場合、潮だるみの期間が10分以下になり得る。従って、多くの水中作業がある場合、それらを完了するためにかかる時間は予想よりも遙かに長くなり得、なぜなら、安全な操業を行う時間が制限されているからである。これは費用面で多額の増額となる。
【0005】
開発されている潮流のタービンシステムの主なものは、一の単一のパイルが打たれた構造体を使用して固定されるように設計されており、ここで、直立の基礎が海底下に引き込まれ、アンカリングのこの形態はユニットごとに設置するために高額なだけではなく、複数のタービンからなるアレイが配置されたときは、装置同士の間隔が好適に開いてなければならないため、海底のユニット領域毎のパワーも比較的低い。
【0006】
動いている流体が固体境界と接触するときは常にこれら2つの媒体間の摩擦によって流体が局所的に遅くなり、その境界で論理的には止まる。これは境界層と呼ばれ、その水面での流速は海底での流速よりも著しく速く、かつ乱流が少ないことを意味する。このため、ほとんどの潮流エネルギー装置は水面または水面近くに配置される。しかしながら、潮流は波によって影響を受け、これは水面での潮流装置の効率を減少させ得る。更に、波は構造体に大きな変動力を与え、これは疲労荷重が高いことを意味し、これにより構造体の推定耐用寿命を減少させる。
【0007】
潮流領域において異物を設置するとき、その周りの領域は浸食性の高い環境に晒される。これは浸食作用として知られ、単一のパイルが打たれた構造体において使用される基礎を浸食する。
【0008】
英国特許公開公報第GB2467200号は、海底に置かれ、境界層と干渉する装置を記載する。この重力式基礎は、これを海底の適所に保持するために重いバラストで満たされる。
【0009】
本発明の第1の態様によると、海底の上を通過する水流に対して装置をアンカリングするように構成された潜水可能なモジュールであって、前記モジュールは、前記装置を取り付ける基部と、前記海底に隣接する水流の境界層成分の進路を前記モジュールの少なくとも一部上で変え、これにより前記モジュール上の前記境界層の水流を加速させて前記モジュールに流体力学的なアンカリング力を生成するように構成された境界層フェアリングと、を備える、潜水可能なモジュールが提供される。
【0010】
本発明の第2の態様によると、海底上を通過する水流に対してアンカリング装置を設置する方法であって、潜水可能なモジュールであって、この潜水可能なモジュールに前記アンカリング装置を取り付けるための基部を有する潜水可能なモジュールを提供するステップと、海底に近接する水流の境界層成分の進路を前記モジュールの少なくとも一部上で変え、これにより前記モジュール上の前記境界層の水流を加速させて前記モジュールに流体力学的なアンカリング力を生成するように構成された境界層フェアリングを提供するステップと、を備える方法が提供される。
【0011】
本発明の第3の態様によると、水中構造体上に水中タービンを設置する方法であって、少なくとも一の浮力タワーを前記水中タービンと一体化させるステップと、前記水面とアンカリング位置との間で前記水中タービンを上昇および降下させるために、前記浮力タワーを選択的にバラストにより安定させるステップと、を備える、方法が提供される。
【0012】
本発明の第1、第2および第3の態様の更なる特徴および利点は、特許請求の範囲および以下の説明から明らかになろう。
【0013】
本発明の実施形態は添付の図面を参照して例示のみを目的として以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の潜水可能なモジュールの実施形態の斜視図である。
【
図2】
図2は、下にある支持構造体のフレームワークを示す、
図1の潜水可能なモジュールの部分分解組立図である。
【
図3】
図3は、潜水可能なモジュールの断面図である。
【
図4】
図4は、アレイを構成するように互いに接続された複数のモジュールを示す平面図であり、ここで、アレイの電気的および機械的なレイアウトであって、かつバラストを除去するレイアウトが示されているものである。
【
図5A】
図5Aはモジュールを海底に展開配置する方法の概略図である。
【
図5B】
図5Bはモジュールを海底に展開配置する方法の概略図である。
【
図5C】
図5Cはモジュールを海底に展開配置する方法の概略図である。
【
図5D】
図5Dはモジュールを海底に展開配置する方法の概略図である。
【
図5E】
図5Eはモジュールを海底に展開配置する方法の概略図である。
【
図5F】
図5Fはモジュールを海底に展開配置する方法の概略図である。
【
図6】
図6は、モジュール上に典型的に入射する水のパターンの概略図である。
【
図7】
図7はモジュール上の速度プロファイルの変更のグラフである。
【
図8B】
図8Bは、岸礁の近くに配置されたモジュールの概略図である。
【
図9A】
図9Aは海底にモジュールを展開配置する別の方法の概略図である。
【
図9B】
図9Bは海底にモジュールを展開配置する別の方法の概略図である。
【
図9C】
図9Cは海底にモジュールを展開配置する別の方法の概略図である。
【
図9D】
図9Dは海底にモジュールを展開配置する別の方法の概略図である。
【
図10A】
図10Aは、一体化された浮力タワーおよびタービンモジュールの設置または解放を示す本発明の装置の別の実施形態の端面図である。
【
図10D】
図10Dは、
図10Cの装置の平面図であり、ここで、一のモジュールがメンテナンスまたは補修作業のために水面に配置されているものである。
【
図14A】
図14Aは、単一のカテナリーを使用して海底にモジュールを展開配置する更に別の方法の概略図である。
【
図14B】
図14Bは、2つのカテナリーを使用して海底にモジュールを展開配置する更に別の方法の概略図である。
【0015】
図1を参照すると、潜水可能な装置の各モジュール10は、一のアレイを形成するように接続されており、このアレイの両端部には船首部分12および船尾部分14が設けられている。各モジュール10はモジュールの両側に境界層フェアリングを備え、各境界層フェアリングは排出プレート18に至る洗掘プレート(scour plate)16を備える。更に、主船体プレート20が対向する2組の排出プレート18間に設けられる。
【0016】
各洗掘プレート16は、このアレイの長さに沿って海底の輪郭を参酌するようにその形状を変化させることができる適応性材からなる。更に、排出プレート18は、各洗掘プレート16からの水流のスムーズな遷移を提供するように形作られ、配置される。更に、排出プレート18はモジュール10にヒンジで連結されており、これにより、後述するようにこの装置の設置中に上方または下方に能動的に角度を付けることができるようにする。
【0017】
更に、この主船体プレート20は、モジュールの前縁から後縁まで連続して上方に流れる表面を提供するように形作られる。洗掘プレート16、排出プレート18および主船体プレート20の形状は、モジュール10上での流体状態を最適化する流体力学的な表面を提供するように連結される。
【0018】
第1の浮力タワー22が各モジュール10の一側部に搭載され、第2の浮力タワー24が各モジュール10の他方の側部に搭載される。各浮力タワー22、24は一側面に湾曲した面26と、対向する側面に平らな面28を有する。モジュール10同士が一のアレイとなるように結合されると、各セクションの第1および第2の浮力タワー22、24の平らな面は互いに当接し、このアレイの長さに沿って一連の連結された浮力タワーを提供する。この浮力タワー22、24は実質的に中空であり、後述するように各独立したモジュール10に可変の浮力を与える。この浮力タワー22、24はこの装置全体のために比較的高い浮力の中心を提供する。
【0019】
水中で取り外し可能なタービンモジュール30も提供される。このタービンモジュール30は各モジュール10への取り付けを容易にするためにユニバーサル接続を備える。各タービンモジュール30は浮力があり、これにより、それと関連付けられたモジュール10から解放されると、修理・保守、メンテナンス、交換等のために水面に上昇する。垂直軸のタービンが
図1に表されているが、これは水中用の再生可能なエネルギー装置の実質的に任意の形態のものと置き換えることができる。
【0020】
図2を参照し、今度は各モジュール10の支持フレームワークを説明する。図から分かるように、複数のセクションが連結されてオープンフレームワークを形成し、これによりタービンモジュール30を各モジュール10に差し込み接続することができ、安定して浮かぶことができ、あるいは海底において安定することができる。この目的のため、テーパーの付いたソケット32が各モジュール10の中央に沿って設けられる。これらのソケット32はタービンモジュール30を各モジュール10上の適所に案内し徐々に係止する。更に、インターフェースパネル33がこの係止を容易にするためにソケット32に設けられる。
【0021】
リブ34が主船体プレート20、排出プレート18および洗掘プレート16に対し構造的支持を提供するために各モジュール10の中央から延びる。更に、このリブ34は各モジュール10の主船体に対してヒンジで連結され、
図3の矢印Aで示される方向にヒンジで上げ下げすることができる一対の「翼」を作る。更に、このリブ34はその各端部に設けられたバラスト船体部分36を支持する。
【0022】
バラスト船体部分36の動作は後述する。
【0023】
特に
図3を参照すると、各モジュール10の下にある支持フレームワークはアレイの下に一対の保護されたゾーン38を作る。各保護されたゾーン38内において、「水路(hydroway)」構成40が提供され、専用のROV(Remotely Operated Vehicle(遠隔操作車両))がシステムサポートルート42およびインターフェースパネル33にアクセスすることを可能にする。本実施形態において、各水路構成40は、ROV44が本装置のモジュール10間に沿って移動できるようにするレール42を備える(しかしながら、別の構成も可能である)。
【0024】
図4を参照すると、本実施形態による装置の電気的および機械的なレイアウトであってかつバラスを除去するレイアウトが記載されている。バラストパイプ構成46および送電バス48が設けられており、中央に位置する耐圧殻モジュール50ならびに係留および牽引コンパートメント52も示されており、この係留および牽引コンパートメント52によりアレイが水面にある間または水中にある間に静止状態を保つことができる。ポンプルーム54は、バラストシステムを制御し、かつ空気抜き管を含むものであり、バラスト船体46が浮遊状態をなすために加圧することができ、潜水状態にするために減圧することができる。更に、ROV44が水面に復帰できるように船首部分12および船尾部分14の両方に配置されたROVガレージ56がある。
【0025】
今度は、海底に装置を設置する第1の方法を特に
図5A〜5Fを参照して説明する。以下の説明において、アレイの境界層フェアリングを上方および下方に動かすというヒンジが付けられたスパー(翼桁)24の性能により、一般に58に設計される一対の「翼」が作られると理解されよう。
【0026】
まず、潜水可能なモジュール10のアレイは展開配置のために適切な位置に牽引される。
図5Aに示されるように、移行モードにおいて、一対の翼58はバラスト船体部分36がモジュール10の主船体と同じ高さになるようにヒンジで位置決めされる。これにより水中でアレイが安定する。設置モードにおいて、海底62の適切な位置の上方の水面60に位置決めされると、翼58は
図5Bに示されるように弧を描いて上がるような構成(以下、スウェプトアップ構成という)に駆動され、これにより、モジュール10の主船体を水面60下に下げる。
【0027】
バラスト船体部分36は周囲の水で冠水され、アレイは海底62に向かって沈み始める。
図5Cに示されるように、潜水モードにおいて、アレイが海底62に向かって降下するにつれ、翼58のスウェプトアップ構成は、降下により流入する水が制御された態様で各モジュール10の周りに流れることを確実にする(点線64で示される例示的な流線パターンを参照)。従って流れ64の流線および粘性効果により、アレイが水中に降下するにつれて各モジュール10が安定する。
【0028】
翼58のスウェプトアップに加え、排出プレート18は、各モジュール10の下の「閉じ込められた」水を自身を通して排出するために、アレイの降下中に開けることもできる。これは、降下中に更なる安定性を提供することに加え、抵抗を減少させることによっておよび「パラシュート」効果によって降下の速度を高めることも可能とする。
【0029】
図5Dを参照すると、設置モードにおいて、アレイが海底62に到達または海底62の近くに到達すると、各モジュール10の翼58はアレイが海底62に落ち着くことができるように主船体と同じ高さにされる。(一般的に平らでない)海底62上で各モジュール10を水平にするために、各翼58は予想される水流および/または海底62に対して各モジュール10を水平にするように独立して回転することができ、これにより
図5Eに記載されるように動作モードに入る。
図5Fに示されるように、適応性の洗掘プレート16Aは海底62に対して吸引効果を生じさせるためにバラスト部分36に設けることができる。
【0030】
今度は、海底62に設置された際の本発明の潜水可能な装置の動作を説明する。
【0031】
図6を参照すると、本来の一般的な水の自由流は矢印Fで表されている。例示目的のため、各モジュール10上の水の流れは
図6において流線S1〜S5によって表されている。更に、純粋に参照目的のために、
図6においてこの流れはゾーンZ1、Z2およびZ3に分割される。流れFは領域Z1に入ると、モジュール10を越えるのに備えて成形し始める。
【0032】
流れFが領域Z1の端に到達すると、境界層領域(大凡、S4およびS5がある深さ)が前縁洗掘プレート16Lを通過し始め、前縁排出プレート18Lに到達し始める。T1に示される乱流の領域も作られる。従って流れの成分はモジュール10の前縁によって効果的に強制的に上方に向けられる。従って対抗する下方の力が
図6においてD1で表されるモジュール10の前縁に与えられる。加えて、この流れはモジュール10上で強制的に加速するように仕向けられ、これはタービンモジュールが捕獲することができるパワーを高める(パワーは速度の二乗関数で高まる)。
【0033】
乱流T1を越えた後、この流れは続けて前縁排出プレート18Lの残りをスムーズに越え、そして主船体プレート20、後縁排出プレート18T(ピストン19で持ち上げられる)に到達する。流れがゾーンZ2を去ると、排出プレート18Tの後縁を去り、これにより後縁排出プレート18Tのすぐ下流の第2の領域の乱流T2を作る。これは「スポイラ」効果を増加させ、これは流れの成分を効果的に強制的に上方に仕向ける。従って対抗する下方への力が
図6においてD2で表されるモジュール10の後縁に与えられる。
【0034】
海底にアレイを設置する効果は、その上の流速を高めることである。
図7を参照すると、自由流速度プロファイルAはこの流れがBで装置を越えるにつれ著しく高まることが分かる。
【0035】
ダウンフォース(下方への力)D1およびD2の成分は、海底でのアレイの安定性を著しく高める。更に、保護されたゾーン38は潮差全体を通して水中の動作を容易にするために強い水流からのシェルターを提供する。
【0036】
ダウンフォースD1、D2によって生じる高い安定性によって、係るシステムを海底に拘束するためのより高額かつ時間のかかる他の手段の必要性が無くなるか必要性を減少させる。
【0037】
加えて、記載したモジュール構成は、動作中にモジュールまたはタービンのうち1つに問題が生じた場合に、アレイ全体を再浮上させるのではなく、個々のタービンを水面に解放することができる。これは、(ROV44、あるいは自動液圧操作システムインターフェースパネル33を使用して)タービンモジュールからの全ての不可欠な電気および制御システムを解放することによってなすことができる。これにより、個々のタービンモジュールは主アレイに繋がれたまま水面に独立して浮上することができる。
【0038】
今度は、海底62にアレイを設置する別の方法を
図9A〜9Dを参照して説明する。
【0039】
潜水可能なモジュール10のアレイは、まず
図9Aに示されるように展開配置のために適切な位置に牽引される。そして綱66が海底62のアンカリング地点68に展開配置される。
【0040】
今度は排出プレート18がヒンジで開かれ、バラスト船体部分36が周囲の水で冠水される。従って各モジュール10は綱66によって案内されて海底62に向かって沈み始める。ここでも、開かれた排出プレート18は降下中に更なる安定性を提供し、抵抗を減少させることによっておよび「パラシュート」効果によって降下の速度を高める。
【0041】
図9Cを参照すると、一旦アレイが海底62に到達または海底62の近くに到達すると、排出プレート18が閉じ、モジュールが設置モードに入る。タービンモジュールメンテナンス綱70が水面60に延在し続けることができる。
図9Dを参照すると、タービンモジュール30はメンテナンスまたは補修が必要とされるときに、綱70に沿ってモジュール10から解放され得る。
【0042】
排出プレートおよび浮力タワーと組み合わせたこの装置の多胴船の構成により、このシステムを不安定にすることなく迅速に(数分以内に)、独立して、かつ遠隔操作によりバラストで安定性を与えることができ、これはそうでなければ(高価な)収益荷重を脅かすということを当業者は理解しよう。この装置は左舷および右舷バラスト船体内に水をポンプすることによって非常に迅速にバラストで安定化させるように設計される。これにより、主船体が海底に向かって迅速に沈むことができる。設置のために、排出プレートは水が船体を通過することができるように完全に開けられる。しかしながら、バラスト船体が満たされると、そのプラットフォームはもし浮力タワー(この中に取り込まれた空気により構造体の高いところで必要な浮力を提供するものである)がなかったらその安定性を失う。更に、この浮力タワーは海底に接地する直前に停止するように潜水を遅くする。その時点で、遠隔操作されるバルブが開かれ、浮力タワーから空気を解放して、これにより海底への制御された着地および必要な下部の重量を達成する。
【0043】
図10A〜10Dを参照し、今度は潜水可能な装置の別の実施形態を説明する。重複記載を最小限にするため、類似する特徴は共通する2桁の数字で番号が付けられており、2桁の共通する数字の前に付けられた3桁目によって区別される。係る特徴は、別段明記がない限りは同様に構成され、同様に動作し、および/または同様の機能を有する。
【0044】
潜水可能な装置の各モジュール110は典型的には一のアレイを形成するために一連の付加的なモジュールに接続される。各モジュール110はこのモジュール110の両側部に境界層フェアリングを備え、各境界層フェアリングは排出プレート118に至る洗掘プレート116を備える。更に、主船体プレート120が、対向する2組の排出プレート118間に設けられる。
【0045】
図10Dに示されるように、第1の浮力タワー122が各モジュール110の一側部に搭載され、第2の浮力タワー124が各モジュール110の他方の側部に搭載される。この浮力タワー122、124は実質的に中空であり、後述するように各モジュール110に可変の浮力を与える。
【0046】
水中で取り外し可能なタービンモジュール130も提供される。このタービンモジュール130は、先に記載したのと同様の態様でメインモジュール110と接続するユニバーサル接続72を備える。
図10Aおよび10Dに最もよく表されているように、タービンモジュール130は浮力タワー122、124と一体化されており、これにより、モジュール110から解放されると浮力タワー122、124がタービンモジュール130を水面に引き上げるようにする。水平軸タービンが
図10A〜10Dに示されているが、水中用の再生可能なエネルギー装置の実質的に任意の形態のものと置き換えることができる。
【0047】
従って、作動中に、メンテナンスまたは他の作業のためにモジュール110を水面に解放することが望ましいときは、ユニバーサル接続72およびインターフェースパネル133(
図10B)がモジュール110から遠隔操作で非係止状態となり、浮力タワー122、124がタービンモジュール130を水面に引き上げることを可能にする。綱132はタービンモジュール130に取り付けられたままでよく、修理等の後に直ぐに再配置および装置110との係合を可能にする。
【0048】
複数のモジュール110からなるアレイが比較的長いプラットフォームを実質的に形成するため、起伏のある堅い海底に平らに着座する見込みは少ない。従って所望であれば、モジュール110は、湾といった周囲の地物の輪郭をなぞるために異なる深さに対応するように関節状に連結することが可能である。従って本発明の第2の実施形態による潜水可能な装置モジュール110は、「関節状に連結された(articulated)」アレイで構成することができ、ここで各モジュール110は海底62において隣接するモジュールとは異なる位置を取ることができる。
図11Aに示されるように、これは関節状に連結されたアレイが平らでない海底62を考慮に入れることを可能にする。
図11Bに示されるように、この垂直方向の関節に加え、モジュール110は周囲環境における地物(湾等)を考慮するために水平方向に関節状に連結することができる。これにより、この装置が例えば大きな湾内への波の屈折を考慮に入れるようにこの装置の前面プロファイルを変更することができる。
【0049】
代替として、このモジュール110は前述の関節状の連結という性能無しに提供され得る。これにより比較的剛体の潜水プラットフォームを提供する。この構成において、
図12A〜12Dを参照すると、一対のセルフレベリング脚74がモジュール110のフレームに取り付けられ得る。モジュール110が移行モードにあるとき、脚74が伸張した構成にある。モジュール110が適切な展開配置位置の上方に来ると、脚74は海底62と接触するまで水中に下げられる(
図12B)。加えて、モジュール110を水の外にジャッキアップすることができ、これにより例えば大潮の全ての力を受ける間、完全に安定した状態に静止させることができる。
【0050】
図12Cに示されるように、モジュール110は海底62に接地するまで脚74に沿って下げられる。そして脚74は
図12Cの矢印Aで示される方向に枢動することによって海底62まで下げることができる。従って脚は海底面62に横たわり、これにより海底面62に対してアンカー固定具を取り付ける。平らにされた脚74と海底62との間の係合を向上させるためにピンまたは他の付加的な固定手段を設けることができる(これは海底62での摺動に対する付加的な抵抗を提供する)。
【0051】
更に、
図13Aおよび13Bに示されるように、脚74がタービンモジュール130のためのバラストを除去する構成と一体化され得る。この実施形態において、バラストパイプ86は水面と浮力タワー122、124との間に延びる。
【0052】
図14Aおよび14Bに示されるように、係留線(係船索)を用いる別の係留方法を用いることができる。
図14Aにおいて、単一のカテナリー76が、複数のモジュール110からなるアレイを海底62に対して「飛行させる」ために使用されることができる。代替として、一対のカテナリー78がモジュール110のアレイを海底62に向かって引き下げるために張力を掛けられ得る。カテナリーからより多くのアンカーチェーンを載せるにつれ、各モジュール110はより重くなり、これにより海底までの下降速度が増す。
【0053】
図15Aを参照すると、翼係止システム(ウィングロックシステム)は、アレイの船首部分のための位置ロックを提供する第1のパイル構成(pile arrangement)80と、アレイの船尾部分のための位置ロックを提供する第2のパイル構成82とを有する。船首パイル80によりモジュールのアレイは水面60に浮かんでいるときに風向計の様に回転することができ、あるいは360度旋回することが可能となる。船尾パイル82はアレイの船尾を適所に引っ張るための繋留または入れ子式構成により水中に沈められる。一旦アレイが潮だるみ時に適所に方向を変えられると、このアレイはこれらのパイル80、82により海底62に案内される。これは安定性を向上させ、海底62での正確な位置決めを提供し、保守等がこれらのパイルを通して行われることを可能にする。あるいは、これらのパイルは、重力に基づくものでよく、かつ船首および船尾モジュールの一部として構成されてもよく、これによりこれらのパイルがその場所(サイト)へ出発し、正確に位置決めされ、アレイから解放されて一時的係留システムを提供する。
【0054】
前述のこの装置および方法は、以下のものを含む利点を提供する(但しこれらに限定されない):
【0055】
効率の向上。その理由:
・境界層フェアリングが海底近くの流れを加速させることにより境界層の効果を減少させ、これによりタービンユニット内への流入状態を向上させるため;
・海底の単位面積当たりの非常に高い生産性または出力。なぜなら、潜水可能な装置、境界層フェアリングおよび浮力タワーは乱流の力を減少させ、多くのモジュールを互いに非常に近くに配置することを可能にするからである;
・このモジュールは、タービンによって生成された電力を全国高圧送電線網への送信および接続のために最も適した規格値に高めるために、大きな重いトランスフォーマーを搭載するため。
【0056】
設置費用の減少。その理由:
・複数の再生可能な装置を同時に接地できるという性能が莫大な金額を節約するため;
・試運転および試験が(桟橋に)横付けされてあるいはドックに入って行われ、衛生安全を向上させ、保守等の間に失敗の可能性を減少させるため;
・アレイは、廉価な一日当たりの料金で利用可能な引船によって造船所から非常に迅速に展開配置することができるため;
・アレイは、セルフインストール式であり、引船の最も限定的なサポートのみを必要とするため;
・アレイは、そのバラストシステムを用いて数分以内に非常に迅速に設置することができる。これにより設置のスケジュールにおいてより柔軟性および信頼性を高くすることができる。全システムの信頼性のある迅速な展開配置を確実にすることで、非常に高額となる海での時間を節約することができる;
・潜水可能な装置は水面にあるのと同等に海底において安定性がある自立構造体であり、係留または伝送線を前もって引いておく必要はない。従って高価な掘削船およびケーブル敷設船は必要ではない。
・潜水可能な装置モジュールは、互いに接続されるべきユニットの数に関し、この構造体を個々の場所に適合させることができ、規模の経済(スケールメリット)によりユニット額を減らすことができる。
【0057】
メンテナンス費用の低減。その理由:
・信頼性が向上し、なぜなら全ての主要な電気部品および機械部品が非腐食性の気密性環境内に包含されるからである;
・タービンモジュールの迅速な復帰を可能にすることによって、潜水可能な装置からこのタービンモジュールを外し、それら自体の浮力で水面に上昇する。そしてそれらは外され、メンテナンスを陸上のより安全な環境において行うことができる陸上(岸)に牽引することができる。
【0058】
環境への影響を低減する。その理由:
・潜水可能な装置の視覚的影響は無視でき、なぜなら、それは海底にあるからである。その存在の唯一の可視的様相は、プラットフォームの位置をマーキングするブイである;
・洗掘プレートは海底の洗掘を低減する;
・境界層フェアリングは、水生生物を繁栄させることができる保護された環境を作る;
・電磁信号は、腐食レベルを減少させるという利益を伴う特別な船体被覆を用いて制御される。これは、更に材料および船体被覆を厳選することによって向上し、緩和剤の要件または必要性を緩和する。
【0059】
該当領域の水生生物を改善する:
・モジュールによって設けられるシェルターは水生生物を繁栄させることができる;
・強い潮汐混合は水中食物連鎖全体のために必要とされる栄養状態を提供する;
・廃棄費用は最小限となり、なぜなら、この潜水可能な装置はこの装置を水面に移動させるために迅速にバラストで安定化することができ、配電網接続から切り離され、修理および再装備または解体のために港に牽引されて戻されるからである。
・この主船体は、最大積載量の柔軟性が与えられており、異なる種類の再生可能なエネルギー装置を支持する(ここでは、耐圧殻が非腐食環境を提供する)。
【0060】
衛生安全の向上が、以下によって達成される:
・主要な組み立ておよびメンテナンス作業の全ては、より安全な造船所の環境において岸辺で行われる;
・全ての操作は、沖の支援船から、または水路を用いるROVによって遠隔操作で行われる。設置を補助するためのダイバーの必要性が省かれる;
・設置サイトにおよび設置サイトの周囲に航行する船のリスクは遙かに減少し、なぜなら当該領域における全ての海上輸送のための喫水にクリアランスがあり、これにより海上輸送がこのシステムの上を安全に通過することができる。
【0061】
本発明の特定の実施形態を詳細に記載してきたが、これは例示目的および説明の目的のみでなされている。上記実施形態は添付の特許請求の範囲に関して制限するものであると意図しない。
【0062】
特許請求の範囲に定義された本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な代替および変更がなされ得ると発明者は考える。例えば、各浮力タワーに平らな面同士を当接する代わりに、一のモジュールの浮力タワーを別のモジュールの浮力タワーに配置するのに別の構成を提供することができる。これは、例えば相互連結または他の係合機構を含むことができる。
【0063】
上記実施形態は、主に潮汐タービン装置のための支持体を提供することに関するが、このモジュールおよびアレイは別の用途において使用され得る。例えば、
図8Aおよび8Bを参照すると、後退する汀線を保護するために人工リーフとして配置することができる。これに関し、深海波が振動運動を有するところで、波が汀線に届くと、それらの振動運動は楕円に押しつぶされ始め、これにより中央から水の粒子が移動するのを高め、波面速度を増加させ、波を急勾配にする。最終的に、波がアレイと接触すると、振動を更に押しつぶし、波面速度を増加させ、波がブレイクするのに十分な角度に波を急勾配にする。これにより最大横運度を与える。
【0064】
更に、本発明の装置は新しい橋といった他の構造物のための基礎の代わりに使用され得る。