特許第6033852号(P6033852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6033852モバイルオペレータ識別方法、モバイルコンピュータ装置及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033852
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】モバイルオペレータ識別方法、モバイルコンピュータ装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/18 20090101AFI20161121BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20161121BHJP
   H04M 1/675 20060101ALI20161121BHJP
   G06F 1/00 20060101ALI20161121BHJP
   H04W 92/08 20090101ALI20161121BHJP
【FI】
   H04W48/18
   H04M3/42 E
   H04M1/675
   G06F1/00 370E
   H04W92/08
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-512914(P2014-512914)
(86)(22)【出願日】2012年5月21日
(65)【公表番号】特表2014-523662(P2014-523662A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】US2012038793
(87)【国際公開番号】WO2012162224
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年5月8日
(31)【優先権主張番号】61/489,207
(32)【優先日】2011年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/308,392
(32)【優先日】2011年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シュライナー,ジェイ セイジ
(72)【発明者】
【氏名】コーリー,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ダール,ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】バーニヴ,オリ
(72)【発明者】
【氏名】ルンスマン,スティーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドブルーム,タル
(72)【発明者】
【氏名】タン,デリック
(72)【発明者】
【氏名】ノールベルグ,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ピスト,マット
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−544596(JP,A)
【文献】 特開2007−281861(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/118262(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/022568(WO,A1)
【文献】 特開2004−297187(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/129773(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
H04M 1/675
H04M 3/42
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルオペレータ確認方法であって、
モバイルオペレータ確認データを含むモバイルオペレータの確認要求をモバイルコンピュータ装置から受信するステップと、
複数のモバイルオペレータに関連する複数のモバイルオペレータルールのうち少なくとも1つを前記モバイルオペレータ確認データが満足していることを判定するステップと、
前記複数のモバイルオペレータルールのうち少なくとも1つが、ある確認されたモバイルオペレータに関連していた場合、該確認されたモバイルオペレータを特定するモバイルオペレータ確認データと該確認されたモバイルオペレータに関連するコンフィギュレーションデータとを前記モバイルコンピュータ装置に送信するステップであって、前記コンフィギュレーションデータは、モバイル装置プロバイダと前記確認されたモバイルオペレータとの間の取引関係を利用するために前記モバイルコンピュータ装置又は取引プロセスにより使用可能な情報を有する、ステップと
モバイルネットワークオペレータ(MNO)及び/又はモバイル仮想ネットワークオペレータ(MVNO)の追加又は修正が前記複数のモバイルオペレータに反映されるように、前記複数のモバイルオペレータルールを更新するステップと、
前記の更新に応じて、モバイルオペレータの第2の確認要求の送信を求めるリクエストを、前記モバイルコンピュータ装置に送信するステップと、
を有するモバイルオペレータ確認方法。
【請求項2】
前記モバイルオペレータ確認データは、モバイル加入者識別番号(MSIN)の値と、前記MSINの値が満足する条件を示す少なくとも1つのモバイルオペレータルールとを含む、請求項1に記載のモバイルオペレータ確認方法。
【請求項3】
前記モバイルオペレータ確認データが、モバイル国コード(MCC)の値と、モバイルネットワークコード(MNC)の値と、少なくとも1つの追加的な値と、前記MCCの値、前記MNCの値及び少なくとも1つの追加的な値が満足する条件を指定する少なくとも1つのモバイルオペレータルールとを有する、請求項1に記載のモバイルオペレータ確認方法。
【請求項4】
前記モバイルオペレータ確認データはエレメンタリファイルを有し、前記少なくとも1つのモバイルオペレータルールは前記エレメンタリファイルが満足する条件を指定する、請求項1に記載のモバイルオペレータ確認方法。
【請求項5】
モバイルオペレータ確認方法であって、
モバイルオペレータの確認要求をモバイルコンピュータ装置からモバイルオペレータ確認サーバへ送信するステップであって、前記モバイルオペレータの確認要求はモバイルオペレータ確認データを有する、ステップと、
モバイルオペレータを指定するモバイルオペレータ確認データと前記モバイルオペレータに関連するコンフィギュレーションデータとを前記モバイルオペレータ確認サーバから受信するステップであって、前記コンフィギュレーションデータは、モバイル装置プロバイダと前記モバイルオペレータとの間の取引関係を利用するために前記モバイルコンピュータ装置又は取引プロセスにより使用可能な情報を有する、ステップと
モバイルネットワークオペレータ(MNO)及び/又はモバイル仮想ネットワークオペレータ(MVNO)の追加又は修正が複数のモバイルオペレータに反映されるように、複数のモバイルオペレータルールが更新されたことに応答して、モバイルオペレータの第2の確認要求を前記モバイルオペレータ確認サーバへ送信することを求めるリクエストを、前記モバイルオペレータ確認サーバから受信するステップであって、前記複数のモバイルオペレータルールは、複数のモバイルオペレータのうち何れのモバイルオペレータが前記モバイルコンピュータ装置に関連するかを確認するために使用される、ステップと、
前記モバイルオペレータの第2の確認要求を前記モバイルオペレータ確認サーバへ送信するステップと、
を有する、モバイルオペレータ確認方法。
【請求項6】
記モバイルコンピュータ装置のスマートカードスロットに対するスマートカードの挿入を検出するステップを更に有し
記モバイルオペレータの第2の確認要求は前記スマートカードに保存されているモバイルオペレータ確認データを有する
請求項5に記載のモバイルオペレータ確認方法
【請求項7】
第1の加入者識別子及び第2の加入者識別子を表すデータを保存する1つ以上のスマートカードが前記モバイルコンピュータ装置に挿入され、前記モバイルオペレータ確認方法が、
前記第1の加入者識別子を利用することを前記第2の加入者識別子を利用することに切り替えるステップを更に有し、
記モバイルオペレータの第2の確認要求は前記第2の加入者識別子を表すデータの一部を有する、ステップと
を更に有する、請求項5に記載のモバイルオペレータ確認方法
【請求項8】
スマートカードデータを保存している1つ以上のスマートカードが前記モバイルコンピュータ装置に挿入され、前記モバイルコンピュータ装置はモバイルコンピュータ装置データを保存するメモリを有し、前記モバイルオペレータ確認データは、前記スマートカードデータの少なくとも一部分と前記モバイルコンピュータ装置データの少なくとも一部分とを有する、請求項5に記載のモバイルオペレータ確認方法
【請求項9】
前記モバイルオペレータが第1のモバイルオペレータであり、前記モバイルオペレータ確認方法が、
前記モバイルコンピュータ装置がローミングモードに入る又は出ることに応答して、モバイルオペレータの第2の確認要求を前記モバイルオペレータの確認サーバに送信するステップと、
第2のモバイルオペレータを識別するモバイルオペレータ確認データを受信するステップと
を有する、請求項5に記載のモバイルオペレータ確認方法
【請求項10】
請求項1ないし9のうち何れか1項に記載のモバイルオペレータ確認方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施の形態はモバイルオペレータ識別方法、モバイルコンピュータ装置及び記憶媒体等に関連する。
【背景技術】
【0002】
モバイルコンピュータ装置により使用されるネットワークサービスは様々なモバイルネトワークオペレータやモバイル仮想ネットワークオペレータ等により提供される。場合によっては、モバイルコンピュータ装置は1つのモバイルネットワークオペレータに拘束される可能性がある。或いは、モバイルコンピュータ装置にネットワークサービスを現在提供しているモバイルネットワークオペレータは、モバイル装置に挿入されている加入者識別モジュール(SIM)カードに保存されている情報やモバイル装置の場所等のような様々な要因に基づくことが可能である(例えば、装置がどこの国に存在しているか、装置が「家庭」のネットワークの外に存在しているか否か(すなわち、装置が「ローミング」しているか否か)等に基づくことが可能である)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2006-113834号
【特許文献2】米国特許出願公開第2010-0330986号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009-0275363号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009-0030757号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開示される実施の形態の課題は、モバイルネットワークオペレータを適切に確認(又は決定又は指定又は識別又は特定等)することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態によるモバイルオペレータ識別方法は、
モバイルオペレータ確認データを含むモバイルオペレータの確認要求をモバイルコンピュータ装置から受信するステップと、
複数のモバイルオペレータに関連する複数のモバイルオペレータルールのうち少なくとも1つを前記モバイルオペレータ確認データが満足していることを判定するステップと、
前記複数のモバイルオペレータルールのうち少なくとも1つが、ある確認されたモバイルオペレータに関連していた場合、該確認されたモバイルオペレータを特定するモバイルオペレータ確認データと該確認されたモバイルオペレータに関連するコンフィギュレーションデータとを前記モバイルコンピュータ装置に送信するステップであって、前記コンフィギュレーションデータは、モバイル装置プロバイダと前記確認されたモバイルオペレータとの間の取引関係を利用するために前記モバイルコンピュータ装置又は取引プロセスにより使用可能な情報を有する、ステップと
を有するモバイルオペレータ確認方法である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的なモバイルコンピュータ装置のシステムを示す図。
図2】説明される実施の形態、技法及び技術が利用されてよい適切な実施環境の一般的な例を示す図。
図3】モバイルコンピュータ装置のモバイルオペレータを確認するためのシステム例を示すブロック図。
図4】第1の例によるモバイルオペレータ確認方法を示すフローチャート。
図5】第2の例によるモバイルオペレータ確認方法を示すフローチャート。
図6】モバイル装置プロバイダとモバイルオペレータと間の取引関係をモバイルコンピュータ装置のユーザが活用できるようにするために、取引プロセス部と通信するモバイルコンピュータ装置による方法例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<実施の形態の概要>
この概要又はサマリーは以下の詳細な説明で更に説明される概念を簡易な形式で説明するために用意されている。この概要は、特許請求の範囲に記載された重要な特徴や本質的な特徴を指定するようには意図されておらず、特許請求の範囲に記載された事項の範囲を限定するために使用されることも意図されていない。
【0008】
一実施形態において、モバイルコンピュータ装置は、モバイルコンピュータ装置がモバイルネットワークにアクセスするのに使用するモバイルネットワークオペレータの確認(決定、指定、識別、特定等)を要求する。この要求又はリクエストは、遠隔的な又はリモートのモバイルオペレータ確認サーバに送信され、装置に挿入されたSIMカードのような何らかのスマートカードやモバイル装置から引き出される情報を含む。サーバが提供されたデータに基づいてモバイルオペレータを確認(決定、指定、識別、特定等)することができた場合、モバイル装置は、モバイルオペレータを指定する情報を関連するコンフィギュレーション情報(又は設定情報)と共に受信する。コンフィギュレーション情報はモバイル装置又はオンライン市場により使用可能な情報を含むことが可能であり、モバイル装置のユーザが、モバイル装置プロバイダと指定されたモバイルオペレータとの間の取引関係(例えば、商品やサービスについて特定の割引を提案すること等)を活用できるようにする。新たなSIMカード(又はR-UIMやUICCカード等のような他の何らかの種類のスマートカード)がモバイル装置に挿入された場合、或いは装置が加入者識別子を切り換えた場合に、確認の要求又はリクエストがなされてもよい。
【0009】
別の実施の形態において、モバイルオペレータ確認サーバはモバイルオペレータ確認要求をモバイル装置から受信する。要求はモバイル装置から抽出されたデータを含む。このサービス又はサービス処理部は、受信したデータと一群のモバイルオペレータのルールとを比較し、モバイルオペレータの身元又は識別子を確認しようとする。少なくとも1つのルールが満たされた場合であって、満たされた又は条件に合うルールがモバイルオペレータを一義的に確認できた場合、モバイルオペレータを指定する情報及び関連するコンフィギュレーションデータがモバイル装置に送信される。
【0010】
別の実施形態において、モバイル装置は、モバイル装置プロバイダにより運営されているオンライン市場に、モバイルオペレータを指定又は特定する情報を提供することが可能である。モバイル装置プロバイダが、モバイルオペレータとの間で取引関係又は業務提携関係を有するものであった場合、特定の割引、製品の提案、サービスの提案、その他の取引情報が、その取引関係に応じてモバイル装置のユーザに提示される。モバイルオペレータの確認(決定、指定、識別、特定等)は、モバイル装置に提示される指定されたモバイルオペレータに特化したブランド情報を提供するだけでなく、(例えば、課金メッセージや課金情報の配信形式等を含む)課金を適切に設定することにも資する。
【0011】
本発明に関する上記及びその他の課題、特徴及び利点は、添付図面を参照しながら進行する以下の詳細な説明により更に明らかになるであろう。
【0012】
<実施の形態の詳細な説明>
本願及び特許請求の範囲で使用されているように、「ある」、「或る」、「該」、「当該」等の用語は、文脈上明示的に別段の断りがない限り、複数の形態も含む。同様に、「又は」、「若しくは」等の用語は、文脈上明示的に別段の断りがない限り、「及び」を包含するように意図されている。「有する」という用語は「含む」を意味する場合があり、従って「A又はBを有する」は、A又はBを含むだけでなく、A及びBを共に含む場合もある。更に、「含む」という用語は「有する」を意味する場合もある。
【0013】
図1は本願で説明される方法を実行するのに使用可能なモバイルコンピュータ装置100の一例を示すシステム図である。モバイルコンピュータ装置100は様々な選択的なハードウェア及びソフトウェア要素105を有することが可能である。一般に、要素105は他の要素と通信できるが、図示の簡明化のため、全ての接続関係が図示されてはいるわけではない。(例えば、セルラ電話機、スマートフォン、携帯コンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレット装置、スレート装置(slate device)、メディアプレーヤ、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、カメラ、ビデオカメラ等のような)モバイルコンピュータ装置100は、様々な任意のモバイルコンピュータ装置100とすることが可能であり、Wi-Fi、地上セルラネットワーク又は衛星ネットワーク等のような1つ以上のネットワーク104と有線又は無線により通信できる。
【0014】
モバイルコンピュータ装置100はコントローラ又はプロセッサ110(例えば、信号プロセッサ、グラフィックス処理部(GPU)、マイクロプロセッサ、ASIC、その他の制御及び処理を行う論理回路又はソフトウェア等)を含むことが可能であり、コントローラ又はプロセッサ110は、信号の符号化、グラフィックス処理、データ処理、入力/出力処理、電力制御及び/又は他の機能を実行する。オペレーティングシステム112は、要素105の割り振り又は利用を制御し、1つ以上のアプリケーションプログラム114を支援する。アプリケーションプログラム114は、一般的なコンピュータアプリケーション(例えば、電子メールアプリケーション、カレンダ、連絡先管理アプリケーション、ウェブブラウザ、メッセージングアプリケーション等)だけでなく、他のコンピュータアプリケーションも含むことが可能であり、他のコンピュータアプリケーションは例えばモバイルオペレータ確認要求に含めるためにスマートカード124及び/又は取り外し可能でないメモリ122からデータを抽出するモバイルオペレータ確認アプリケーション115等である。スマートカード124は、典型的には、確認用に使用される回路(例えば、メモリ、マイクロプロセッサ等)を有する取り外し可能な任意のカードである。スマートカードは、認証、データの保存、アプリケーションの処理等に使用することも可能である。本願において特定のスマートカードが説明されているが、他のカードが使用されてもよい。
【0015】
モバイルコンピュータ装置100はメモリ120を含むことが可能である。メモリ120は取り外し可能でない(着脱不可能な)メモリ122や、取り外し可能な(着脱可能な)メモリ123を含むことが可能である。着脱可能でない又は内蔵メモリ122は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ又はその他の既存のメモリストレージ技術を含むことが可能である。着脱可能なメモリ123は、フラッシュメモリカード(例えば、SD(セキュアディジタル)カード等)、メモリスティック、又は「スマートカード」等のような既存の他のメモリストレージ技術を含むことが可能である。図1においては、着脱可能なメモリ123が1つ以上のスマートカード124を有している。スマートカード124は、SIMカード、着脱可能なユーザ識別モジュール(R-UIM)カード、ユニバーサル集積回路カード(UICC)カード又はその他の任意のタイプのスマートカードとすることが可能である。メモリ120は、装置100においてオペレーティングシステム112及びアプリケーションプログラム114を実行させるコンピュータ実行可能命令及び/又はデータを保存するために使用可能である。具体例としてデータはウェブページ、テキスト、文章、文字、画像、音楽ファイル、ビデオデータ又はその他のデータセットを含むことが可能であり、それらは1つ以上の有線又は無線のネットワークを介してモバイルコンピュータ装置100により1つ以上のネットワークサーバ又は他の装置へ送信され及び/又はそれらから受信される。コンピュータ装置100は外部ハードドライブのような(不図示の)外部メモリにアクセスすることも可能である。
【0016】
モバイルコンピュータ装置100(モバイル装置)は、タッチスクリーン(又は接触感知式画面)132、マイクロフォン134、カメラ136、物理キーボード138及び/又はトラックボール139等のような入力装置130や、スピーカ142及びディスプレイ144等のような1つ以上の出力装置140等を利用することができる。可能性のある他の出力装置(図示せず)は、圧電式又は触覚式の出力装置を含むことも可能である。任意の入力装置130及び出力装置140が、コンピュータ装置100の内部にあってもよいし(図示せず)、コンピュータ装置100の外的にあってもよいし、又はコンピュータ装置100に着脱可能であってもよい。例示的な入力及び出力装置130、140は有線又は無線の接続を介して通信装置100と通信することが可能である。ある装置は1つより多い数の入力/出力の機能を利用することが可能である。例えば、タッチスクリーン132及びディスプレイ144は1つの入力/出力装置で組み合わせられていてもよい。
【0017】
無線モデム160が、無線モデムアンテナ162に結合されもよく、当該技術分野で知られているように、モバイルコンピュータ装置100及び外部装置の間で双方向通信を行ってもよい。モデム160及びアンテナ162は、概略的に示されており、モバイルセルラ通信ネットワークと通信する無線セルラモデムとすることが可能である。無線モデム160は、Wi-Fiモデム163又はブルートゥースモデム164等のような他の方式のモデムを含んでもよく、それらの各々が自信のアンテナに結合されていてもよい(例えば、Wi-Fiアンテナ168、ブルートゥースアンテナ169等)。無線モデム160は、一般に、1つのセルラネットワークの中でデータ及び音声の通信を行うGSM(登録商標)ネットワークで、セルラネットワーク同士の間で、或いはモバイルコンピュータ装置と公衆交換電話網(PSTN)との間等において、1つ以上のセルラネットワークと通信するように形成されている。
【0018】
モバイルコンピュータ装置100は、物理コネクタ172を含む少なくとも1つの入力/出力ポート170と、電力供給部174と、GPS受信部175のような衛星ナビゲーションシステム受信部を更に含むことが可能である。GPS受信部175はGPSアンテナ176に結合する。
【0019】
モバイルコンピュータ装置100は、GSM装置(移動通信のためのグローバルシステム)、CDMA装置(すなわち、符号分割多重分割接続(CDMA)方式を利用する装置、CDMA2000のようなCDMAに基づく標準規格に準拠する装置)、デュアルモード装置(すなわち、GSM及びFDMAネットワークの双方に対応している装置)であってもよく、或いはLTE(3GPP(第三世代パートナーシッププロジェクト)によるロングタームエボリューション方式)及びSVLTE(同時音声ロングタームエボリューションデータ)等のような他の通信標準規格に準拠する装置或いは他の任意のチャネルアクセス方法(例えば、時間分割多重接続(TDMA)方式)を利用する装置であってもよい。
【0020】
モバイルコンピュータ装置100は、ネットワーク加入者識別データ及びスマートカード識別データが保存されている1つ以上のスマートカード(例えば、SIM、R-UIM、UICCカード)を受け入れるための1つ以上のスマートカードスロットを有することが可能である。例えば、GSM装置は加入者識別モジュール(SIM)スマートカード(SIMカード)を受け入れる1つ以上のスロットを有する。SIMカードは、モバイルオペレータの加入者を一意に識別、特定又は指定する国際モバイル加入者識別情報(International Mobile Subscriber Identity:IMSI)を保存している。一般に、IMSIの最初の3桁がモバイル国コード(CC)であり、次の2ないし3桁がモバイルネットワークコード(MNC)であり、残りの桁がモバイル加入者識別番号(MSIN)である。MSINは所与のモバイルオペレータの加入者を識別、特定又は指定する。また、SIMカードは、SIMカードのシリアル番号である集積回路識別子(Integrated Circuit Card Identifier:ICCID)も保存している。SIMカードは要素ファイル又はエレメンタリファイル(Elementary Files:EFs)に追加的なデータを保存しており、例えば、オペレータ名の文字列(EF_ONS)、サービスプロバイダ名(EF_SPN)、グループ識別子レベル(EF_GID1及びEF_GID2)の値、パブリックランドモバイルネットワーク(PLMNネットワーク)の名前(EF_PNN)、及びオペレータPLMNリスト(EF_OPL、EF_PNNのうち特定のオペレータ名とロケーションエリア情報(LAI)識別子とを関連付けるのに使用されるLAI識別子の優先順リスト)等を保存している。一実施形態において、スマートカードに保存されている情報又は機能は、モバイルコンピュータ装置100に組み込まれている。
【0021】
メモリ120は、GSMモバイル装置を一意に特定する国際モバイル装置識別情報(International Mobile Equipment Identifier:IMEI)や、CDMA電話機を一意に特定する電子シリアル番号(ESN)又はモバイル装置識別子(MEID)等のようなモバイルコンピュータ装置100の識別子を保存することが可能である。
【0022】
モバイル装置のスマートカードの別の具体例は、CDMA装置に使用されることが可能な取り外し可能なユーザ識別モジュール(Removable User Identify Module:R-UIM)である。R-UIMはIMSI及び追加的なデータを保存し、例えば、一時的なモバイル加入者識別子(TMSI)、ネットワークアクセス識別子(NAI)、ユーザ確認モジュール識別子(UIMID)、拡張UIMID(EUIMID)又はICCIDハードウェア識別子等に加えて、CDMAオペレータに関する追加的な情報等も保存してよい。R-UIMに保存することが可能なIMSIは、IMSI-M及びIMSI-Tを含む。IMSI-MはMIN方式に基づく(モバイル加入者識別子(MIN)、携帯電話を特定するために無線キャリアが利用する固有の番号)IMSIであり、IMSIの下位10桁を利用してMINを保存し、IMSI-TはMINに関連付けられていない「真の(true)」IMSIである。モバイル装置のスマートカードの第3の具体例は、GSM装置又はCDMA装置と共に利用可能なユニバーサル集積回路カード(Universal Integrated Circuit Card:UICC)である。モバイルコンピュータ装置100は、モバイルオペレータのサービスを介してモバイルネットワークにモバイルコンピュータ装置がアクセスできるようにする追加的なスマートカードを受け入れることが可能である。
【0023】
(例えば、装置に挿入された2枚のSIMカードの各々が1つの加入者識別子を保存している場合や、装置に挿入された1枚のSIMカードが2以上の加入者識別子を保存してた場合)モバイルコンピュータ装置100は、1つより多い数の加入者識別子にアクセスすることが可能であり、識別子を切り替えることも可能である。2つのスマートカードを収容しているモバイル装置は、スマートカード124(複数)を切り替えることが可能である或いは双方のカードを同時に処理することが可能である。
【0024】
IMSI及びICCID等のようなスマートカード124に保存されている加入者識別子及び装置識別子だけでなく、スマートカード124又はモバイルコンピュータ装置のメモリに保存されている他の任意の情報が、モバイルコンピュータ装置100のモバイルオペレータを確認するためのモバイルオペレータ確認要求の一部分として、モバイルオペレータ確認サーバに送信可能である。
【0025】
図示の要素105は、全てが必須ではなく或いは網羅的でもなく、任意の要素が省略されてよいし、他の要素が追加されてもよい。
【0026】
図2は、説明される実施の形態、技法及び技術が利用されてよい適切な実施環境の一般的な例を示す。実施環境200では、様々な種類のサービス(例えば、演算処理サービス)がクラウド210により提供される。例えば、クラウド201は集中又は分散したコンピュータ装置の集まりを含むことが可能であり、インターネット等のようなネットワークを介して接続された様々なタイプのユーザ及び装置にクラウド方式のサービスを提供する。実施環境200は演算処理タスクを達成するための様々な方法で利用可能である。例えば、或るタスク(例えば、ユーザ入力を処理することや、ユーザインタフェースを提示すること等)はローカルなコンピュータ装置(例えば接続されている装置230、240、250等)で実行できるが、他のタスク(例えば、モバイルオペレータの確認等)はクラウド210で実行できる。
【0027】
実施環境200の例において、クラウド210は、様々な画面表示機能を備えた接続されている装置230、240、250にサービスを提供する。接続されている装置230は、コンピュータの画面又はスクリーン(例えば、中型のサイズの画面235)を備えた装置を表現してる。例えば、接続されている装置230は、デスクトップ、ラップトップ、ノートブック、ネットブック又はタブレットコンピュータ等とすることが可能である。接続されている装置240は、モバイルコンピュータ装置の画面又はスクリーン245(例えば、小型の画面)を備えたモバイルコンピュータ装置を表現している。例えば、接続されている装置240は携帯電話、スマートフォン、パーソナルディジタルアシスタント等とすることが可能である。接続されている装置250は大型の画面又はスクリーン255を備えた装置を表現している。例えば、接続されている装置250は、インターネットに接続されたテレビジョン、クラウドに接続することが可能な他の装置(例えば、セットトップボックス、ゲームコンソール等)に接続されたテレビジョン等とすることが可能である。画面表示機能を備えていない装置を実施環境200で利用することも可能である。例えば、クラウド210はディスプレイを備えていない1つ以上のコンピュータ(例えば、サーバコンピュータ等)にサービスを提供することが可能である。
【0028】
サービスは、サービスプロバイダ220を通じて或いはオンラインサービスの他のプロバイダ(図示されていない)を通じてクラウド210により提供できる。例えば、クラウドサービスは、特定の接続された装置(例えば、接続されている装置230、240、250等)の画面サイズ、表示能力及び/又はタッチスクリーン性能に合わせてカスタム化されていてもよい。サービスプロバイダ220により提供されることが可能なサービスは、例えば、電子メール、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアサービス(MMS)、モバイルオペレータの確認、ソーシャルネットワークの処理及びウェブサイトホストの処理等を含む。サービスプロバイダは多種多様な商品又はサービスを提供するオンライン市場のホストとして機能し、商品又はサービスは、例えば、購入した又は購入していないユーザがクラウドからダウンロードできる又は郵送で配布できるソフトウェアのアプリケーションやアップグレード及びマルチメディアコンテンツ等である。
【0029】
実施環境200の例において、クラウド210は、本願で説明される技法及び手段を、少なくとも部分的にサービスプロバイダ220を利用して様々な接続されている装置230、240、250に提供する。例えば、サービスプロバイダ220は様々なクラウド方式のサービスに関するセントラル化された手段であってもよい。サービスプロバイダ220はユーザ及び装置のサービス加入状態(例えば、接続されている装置230、240、250及びそれら各々のユーザ)を管理することが可能である。
【0030】
本願において説明される技術、技法及び手段は、モバイルコンピュータ装置のモバイルオペレータを確認(決定、指定、識別、特定等)できるようにする。モバイルコンピュータ装置のモバイルオペレータ(混乱のおそれがない限り、「モバイルオペレータ」と言及する場合がある)は、モバイルネットワークサービスをモバイルコンピュータ装置に提供するエンティティ又は手段である。モバイルオペレータは独立したモバイルネットワークとして機能するインフラストラクチャ及び周波数割当を有するモバイルネットワークオペレータ(MNO)とすることが可能であり、例えば、ベライゾンワイヤレス(Verizon Wireless)、ティーモバイル(T-Mobile)、ボーダフォン(Vodaphone)、或いはMNOのネットワークの利用をリースしているモバイルバーチャルネットワークオペレータ(MVNO)等である。モバイルオペレータの確認は、モバイル装置の製造業者又はプロバイダ(モバイル装置プロバイダ)とモバイルオペレータとの間の取引関係又は商業関係をモバイル装置のユーザが活用できるようにし、必要に応じて、モバイルオペレータに固有のメッセージ及びブランド情報がモバイル装置に表示されることを保証し、モバイルオペレータに固有の方式及びフォーマットでブランド情報が提供されることを保証する。
【0031】
モバイルオペレータを確認する状況の第1の例では、複数のスマートカード又は複数の加入者識別子を保存している個々のスマートカードを受け入れることが可能なモバイル装置が、識別子を切り替える。一例として、2つのSIMカードを備えたGSM装置が、第1の地理的なカバレッジ領域でネットワークサービスを提供する第1のモバイルオペレータに関する第1の加入者識別子と、第2の地理的なカバレッジ領域でネットワークサービスを提供する第2のモバイルオペレータに関する第2の加入者識別子とにアクセスできる権限を有している。装置が第1の地理的なカバレッジ領域の外で使用される場合に、第2の加入者識別子は、第1のモバイルオペレータによる課金と比較して安価なサービス課金をモバイル装置のユーザにもたらす。すなわち、第2のモバイルオペレータは第1のオペレータのローミング課金よりも定額の手数料を課金してもよい。装置が一方の加入者識別子から別のものへ切り替える場合に、装置は、モバイルオペレータの確認要求をモバイルオペレータ確認サーバ又はサービスに送信し、有効な加入者識別子に関連するモバイルオペレータを適切に判別する。
【0032】
モバイルオペレータを確認する状況の第2の例では、モバイル仮想ネットワークオペレータ(MVNO)のプロバイダが、親のモバイルネットワークオペレータ(parent mobile operator)からリースされているモバイルネットワークのリソースにアクセスする。MVNOスマートカードは、親のモバイルオペレータのスマートカードに保存されているものに類似するデータを保存することができる。例えば、MVNOのSIMカードにおけるMCC/MNCの値は、親のMNOのSIMカードに保存されているものと同じにすることが可能である。この場合、モバイル確認サーバ(又はサービス)は、モバイルオペレータの確認要求の一部としてモバイルコンピュータ装置から提供された追加的なデータを参照し、モバイルオペレータを確認することができる。
【0033】
モバイルオペレータを確認する状況の第3の例では、モバイル装置が、特定のモバイルオペレータのブランドが付いていない或いは特定のモバイルオペレータにカスタマイズされていない自由市場電話機又はオープンマーケットフォン(open market phone)とすることが可能であり、モバイル装置のユーザはスマートカード(例えば、SIM、R-UIM、UICCカード)を交換することで彼又は彼女が選んだモバイルオペレータを選択できる。オープンマーケット移動体装置は、その装置がスマートカードの挿入を検出した場合にモバイルオペレータの確認要求を送信するように形成できる。例えば、GSM移動電話機はユーザがSIMカードを交換したことを検出した場合にモバイルオペレータの確認要求を送信することが可能であり、CDMA移動電話機はユーザがR-UIMカードを交換したことを検出した場合にモバイルオペレータの確認要求を送信することが可能である。
【0034】
第4の状況では、モバイル装置は、アメリカ合衆国ではモバイルオペレータAに拘束されたCDMA電話機として機能しかつそれ以外の場所ではGSMネットワークにアクセスすることが可能なデュアルモード装置とすることが可能である。例えば欧州を旅行している装置のユーザがモバイルオペレータBに関連するSIMカードを装置に挿入した場合、モバイルオペレータは依然としてモバイルオペレータAとして指定される(ただし、モバイルオペレータA及びBがその趣旨で業務提携をしていた場合である)。すなわち、そのような業務提携は、モバイルオペレータBがデュアルモード装置にGSMネットワークアクセスを提供していた場合でも、ユーザはモバイルオペレータAからの課金を受け、かつモバイルオペレータAのメッセージ及びブランド情報が引き続きモバイル装置で提示されることを取り決めておくことが可能である。或いは、モバイルオペレータA及びBの間に業務提携がなかった場合、たとえ装置がモバイルオペレータAに拘束されたCDMA電話機であったとしても、装置がGSMネットワークにアクセスしている間モバイルオペレータはモバイルオペレータBとして指定される。
【0035】
図3は、モバイルコンピュータ装置310のモバイルオペレータを確認するためのシステム例300を示すブロック図である。モバイルコンピュータ装置310は、1つ以上のスマートカード360及びメモリ370に保存されているモバイルオペレータ確認データ(識別情報データ)320を収集し、そのデータをモバイルオペレータ確認サーバ330に送信する。確認サーバ330は確認エンジン340を有し、確認エンジン340は、モバイルオペレータ確認データ320に基づいてモバイルオペレータを確認(決定、指定、識別、特定等)し、モバイルオペレータ確認データ350とコンフィギュレーションデータ355とをモバイルコンピュータ装置310に返す。
【0036】
モバイルコンピュータ装置310は、GSM装置、CDMA装置、デュアルモードGSM/CDMA電話機又は本願で説明される他の任意のモバイルコンピュータ装置とすることが可能である。モバイルコンピュータ装置310はモバイルオペレータ識別データ320を保存するメモリ370及び1つ以上のスマートカード360を有する。
【0037】
スマートカード360は本願で説明される任意のスマートカードとすることが可能であり、スマートカードに保存される任意のデータ(例えば、IMSI、ICCID)はモバイルオペレータ確認データ内にあってもよい。メモリ370はモバイルコンピュータ装置データ375とオペレーティングシステム(OS)コンフィギュレーションデータ380とを有する。モバイルコンピュータ装置データ375は、CDMA及びGSM無線機シリアル番号;IMEI、ESN、UIMD、EUIMID又はMEIDデータ;及びNAIデータのうちの1つ以上を含むことが可能である。オペレーティングシステムコンフィギュレーションデータ380はモバイルオペレータIDデータのようなモバイルオペレータ確認データを有することが可能である。モバイルコンピュータ装置データ375及びオペレーティングシステムコンフィギュレーションデータ380のうちの任意の部分が、モバイルオペレータの確認要求の一部としてモバイルオペレータ確認サーバ330に送信可能である。
【0038】
モバイルオペレータ確認データ320は、モバイルオペレータを確認する際にモバイルオペレータ確認サーバ330が使用できる任意のデータを有することが可能である。例えば、MNO又はMVNOが新たな地理的領域に登場し、消滅し、併合又は拡張されると、本願で上述した以外のデータ及び識別情報が、モバイルオペレータを特定するのに必要とされるかもしれない。或いは、モバイルオペレータはスマートカードに保存されているデータを修正又は追加することが可能であり、或いはモバイルコンピュータ装置のプロバイダは、モバイルプロバイダを特定する際に使用可能な追加的な装置識別子を追加することが可能である。更に、移動通信及びスマートカードの標準規格やプロトコルは発展する可能性があり、モバイルオペレータを確認する際に確認サーバ330にとって有用となり得る追加的なデータを規定する新たな標準規格及びプロトコルが登場する可能性がある。従って、モバイル確認データ320は拡張可能で動的なデータの集まりである。
【0039】
モバイルコンピュータ装置310は、モバイルオペレータの確認要求の一部分としてモバイルオペレータ確認データ320をモバイルオペレータ確認サーバ330に送信する。本装置は、事前にコード化されたAPIを利用して、スマートカード360及びメモリ370からモバイルオペレータ確認データ320を抽出又は「収集(scrape)」することが可能である。モバイルコンピュータ装置310は、確認サーバ330により使用されることが可能な複数のモバイルオペレータの確認フィールド又はパラメータ(例えば、MCC、MNC、MSIN等)を含むリスト(モバイルオペレータ識別リスト)を含め、特定のモバイルコンピューティング装置310で利用可能な情報(リストで指定されている情報)をできるだけ多く収集するように形成されることが可能である。モバイルオペレータ確認データ320はリスト中のフィールドに関する値を含むことが可能である。サーバ330に送信される確認データ320の特定の内容は、モバイルコンピューティング装置310のタイプに基づくことが可能である。例えば、モバイル装置310がシングルモードのGSM装置であった場合、MIED及びNAIデータのようなCDMA関連データはモバイルオペレータ確認データ320に含まれない。同様に、装置310がシングルモードのCDMA電話機であった場合、確認データ320は要素ファイル(例えば、EF_ONS、FF_SPN、FF_GID1)のようなGSM-SIMカードに保存されたデータを含まない。スマートカード360に保存されているデータが1つより多き数の加入者識別子を含んでいた場合、モバイルオペレータ確認データ320は、現在アクティブである識別子に関する情報、或いは1つより多い保存されている識別子に関する情報を含むことが可能である。確認要求に含まれている加入者確認情報の安全性を保証するために、確認データ320は安全なコネクションを介してサーバ330に送信されることが可能である。
【0040】
モバイルコンピューティング装置が初めてONにされた場合、装置がスマートカードの挿入を検出した場合、ユーザが加入者識別情報を切り替えたことをユーザが検出した場合、装置がローミングモードに切り替わった場合或いはローミングモードから移行した場合、或いはその他の様々なイベントに応答して、モバイルコンピューティング装置310はモバイルオペレータの確認要求をモバイルオペレータ確認サーバ330に提示することが可能である。確認要求は周期的な時間間隔又は任意の時点で作成されてよい。モバイルコンピューティング装置は、モバイル装置がそのような要求を作成すべき旨のコマンドを確認サーバ330から受信したことに応答して、確認要求を作成することも可能である。確認サーバ330は例えばモバイルオペレータルール(後述)が更新された後にそのような要求を作成することも可能である。
【0041】
モバイルオペレータ確認サーバ330は、モバイルコンピューティング装置のプロバイダ又は他の任意の者により運営されるリモート(クラウド方式の)サーバとすることが可能である。サーバ330は確認エンジン340を有し、確認エンジン340はモバイルコンピュータ装置310からサーバ330へ送信されたモバイルオペレータ確認データ320に基づいてモバイルオペレータを確認しようとする(モバイルオペレータを確認する)。
【0042】
確認エンジン340は、受信したモバイルオペレータ確認データ320と複数のモバイルオペレータルールとを比較することでモバイルオペレータを確認しようとする。モバイルオペレータルール又はモバイルオペレータ規則は、1つ以上のモバイルオペレータに関連している。一般に、モバイルオペレータルールの各々は1つのモバイルオペレータに関連し、各々のルールは、そのルールに関連するモバイルオペレータが、モバイルコンピュータ装置のモバイルオペレータとして確認されるために満足すべき一群の条件を指定している。モバイルオペレータルールは、確認データ中の任意の数のパラメータに関する条件を指定し、一般に、一群の確認データにより受信したパラメータの総数より少ない条件を指定する。例えば、モバイルオペレータルールの第1の条件はMCC=Xを指定し、第2の条件はMNC=Yを指定し、第3の条件はMSINが或る範囲内の値であることを指定してもよい。一実施形態において、確認サーバ330は、17個のパラメータの値を含む確認データ320を受信し、個々のモバイルオペレータルールは1ないし6個のパラメータに関する条件を指定する。従ってこの特定の例の場合において、モバイルオペレータルールの各々が個々のモバイルオペレータに関連付けられている場合、何れのモバイルオペレータも、特定のオペレータをモバイルオペレータとして確認する際に6つより多いパラメータ検査することを要しない。異なるモバイルオペレータを特定するために異なるルールが異なる一群のパラメータを指定してもよい。
【0043】
一実施形態において、確認エンジン340は、一度に1つのルールを一致が発見されるまで検査することでモバイルオペレータを確認する。例えば、現在或るモバイルオペレータルールが検査されていた場合に、確認エンジン340はそのルールで指定されている条件を1つずつモバイルオペレータ確認データ320に適用することを、全ての条件が満たされることを検出するまで或いは何れかの条件が満たされなくなるまで行う。その確認データによって少なくとも1つの条件が満たされなかった場合、確認エンジン340は次のモバイルオペレータルールに移る。あるルールに属する全ての条件が満たされた場合、確認エンジン340は、照合したルールに関連するモバイルオペレータを、確認されたモバイルオペレータとして特定し、ルールの検査工程が終了する。或いは、確認エンジン340は残りのモバイルオペレータルールを検査し、何らかの他のルールが満たされるか否かを確認してもよい。1つより多い数のルールが満たされ、照合又は合致したルールが同じモバイルオペレータに関連していた場合、そのモバイルオペレータは、確認データを提供してきたモバイル装置に対して確認されたモバイルオペレータとなる。合致したルールが異なるモバイルオペレータに関連していた場合、確認エンジン340は、モバイルオペレータを一義的に特定することはできず、モバイルオペレータを特定しないことを決定してもよい。合致するものがなかった場合、或いは合致するものがあったとしても不特定であった場合、サーバは、モバイルコンピューティング装置310からのモバイルオペレータの確認要求に回答することはできない、或いはサーバはモバイルオペレータを特定できなかったことの通知をモバイルコンピューティング装置310に送信してもよい。
【0044】
モバイルオペレータルールの一例として、同じ国で営業しているモバイルオペレータA及びBが、各自のMCC(モバイル国コード)及びMNC(モバイルネットワークコード)の値だけでは区別できないが、MSIN(モバイル加入者識別番号)の値に基づくならば区別できる場合が考えられる。すなわち、モバイルオペレータAのモバイルオペレータルールは、MCC=X、MNC=YでありかつMSINが第1の範囲内にあるという条件を指定し、モバイルオペレータBのモバイルオペレータルールは、MCC=X、MNC=YでありかつMSINが第2の範囲内にあるという条件を指定している場合が考えられる。他のモバイルオペレータに関する他のモバイルオペレータルール(或いは、別の国で営業しているモバイルオペレータA及びBの場合のルール)は、MCC/MNCの値に基づいて区別できるかもしれない。従ってそのようなモバイルオペレータルールは、モバイルオペレータを確認するためには(MCC及びMNCの値が所定値に合致するという)2つの条件しか指定する必要がない。更に別のモバイルオペレータルールは要素ファイルの値を指定する条件を含むことが可能である。例えば、モバイルオペレータルールは、EF_SPN、EF_ONS、EF_GID1、EF_GID2、EF_PNN又はEF_OPLデータが所定値に合致するという条件を含むことが可能である。例えば、R-UIMに関連するモバイルオペレータを指定するモバイルオペレータルールは、EF_PNN及び/又はEF_OPNデータが所定値に合致するという条件を含むことが可能である。
【0045】
一実施形態において、モバイルオペレータルールは、受信した確認データの値に応じてエンジン340が辿ってゆく判定ツリーにより集合的に(collectively)実現されている。或る判定ツリーに属するノードはモバイルオペレータ確認フィールド(例えば、MCC)に関連し、あるノードの分岐(ブランチ)はそのフィールドに関連する条件(例えば、MCC=X、MCC=Y、MCC=Z)を指定していてもよい。ルートノードから枝葉のノードに至る判定ツリー中の経路は、モバイルオペレータルールに関連付けることが可能である。確認エンジン340は、判定ツリーのルートから出発し、各判定の結果に応じて判定ノードのうちの適切な分岐に従う。エンジンはリーフノード(leaf node)に至るまで判定ツリーを辿る又は進行することができる。条件が満たされたリーフノードは、モバイルオペレータルールを満足していることを示す。
【0046】
モバイルオペレータ、モバイル仮想ネットワークオペレータ及びそれらの間の取引関係が多数存在する場合、確認エンジン340は多数のモバイルオペレータルールを含むことが可能である。新たなMNO又はMVNOの出現、他のMO又はMVNO の取得、MOと他のMO又はMVNOとの併合、MNO及びMVNOの消滅、新たな地理的領域へのモバイルオペレータの拡張等を反映するように、これらのルールは更新されることが可能である。モバイルオペレータの業務展望が変わる速度を考慮して、確認エンジン340がモバイル装置310にローカルに実現されていた場合に、セントラル化された確認サーバ又はサービスの確認エンジン340の更新が、(多数存在する)至る所にあるモバイルコンピュータ装置にソフトウェアの更新を頻繁に促してしまうことを回避できる。モバイルオペレータに関連するルールは、より多い又はより少ない数のパラメータに関する条件を指定するように更新できる。モバイルオペレータルールは、移動通信又はスマートカードのプロトコル又は標準規格の変更に応じて修正されてもよい。
【0047】
一実施形態において、確認エンジン340がモバイルオペレータを確認できなかったことを示していた場合、エンジン340は確認サーバ330を管理する責務を有する者又は部署に通知を行う。通知はエンジンがモバイルオペレータの確認に失敗の結果をもたらした確認データを含む。そのような者又は部署が、報告された確認データはモバイルオペレータを一意に特定していると判断した場合、その者又は部署は一群のモバイルオペレータルールに新たなオペレータルールを追加する或いは既存のルールを修正することが可能である。確認エンジン340がモバイルオペレータを確認するために判定ツリーを利用する場合、判定ツリーを更新することが可能である。モバイルオペレータルールや、移動通信又はスマートカードのプロトコル又は標準規格等の変更に応答して、更新されたモバイルオペレータの識別子リストがモバイルコンピューティング装置310により受信されてもよい。
【0048】
一実施形態において、有線又は無線の接続を介して又はWi-Fiネットワークのようなローカルネットワークを介してモバイル装置310に接続されたパーソナルコンピュータのようなコンピュータ装置にとってローカルに位置するコンピュータ装置(モバイル装置(移動端末)又はモバイルではない装置(固定端末))の場所に確認エンジン340が存在していてもよい。そのような実施形態の場合、モバイルオペレータの確認機能はモバイル装置から分離又はオフロードされてもよい。別の実施形態において、確認エンジン340はモバイルコンピュータ装置内に位置している。確認エンジン340が確認サーバ330の外部に存在する例の場合、確認エンジン340はモバイルオペレータ確認ルールの変更を反映するように遠隔的に更新されることが可能である。
【0049】
モバイルオペレータが確認されると、確認サーバ330は、そのモバイルオペレータに関連するコンフィギュレーションデータ355とモバイルオペレータ確認データ350とをモバイルコンピューティング装置310に送信する。モバイルオペレータ確認データ350は、モバイルオペレータを特定する文字列又は数字コードのような任意の情報を含むことが可能である。コンフィギュレーションデータ355は、モバイル装置プロバイダとモバイルオペレータとの間の取引関係を活用するためにモバイル装置310又は取引処理390により利用可能な任意の情報を含むことが可能である。コンフィギュレーションデータ355は、モバイルオペレータのアクセスポイント名(APN);ロゴ、商標その他のブランド図形要素を含む画像ファイル;確認されたモバイルオペレータに関連するオーディオファイル;等のようなモバイル装置で提示するためのものを更に含むことが可能である。コンフィギュレーションデータは、モバイル装置プロバイダと確認されたモバイルオペレータとの間の取引関係をモバイル装置のユーザが活用できる1つ以上のウェブサイトのウェブアドレスをも含むことが可能である。コンフィギュレーションデータ355は、確認されたモバイルオペレータ又はモバイル装置プロバイダのウェブサイトにユーザを案内するブックマーク(装置のウェブブラウザに付加されたブックマーク)と、装置の連絡先データベースに付加されるモバイルオペレータの連絡先情報とを含んでいてもよい。モバイルオペレータ確認データ350及びコンフィギュレーションデータ355は、モバイル装置310のメモリ370にモバイルオペレータデータ385として保存されることが可能であり、装置は受信したコンフィギュレーションデータ355に従って自ら設定を行うことが可能である。
【0050】
一実施形態において、取引プロセス390はコンピュータにより実行されることが可能な一群の命令(一群のコンピュータ実行可能命令)であり、その一群の命令は、モバイルコンピューティング装置310に保存されているコンフィギュレーションデータ355がモバイルプロバイダを特定できるか否かを確認することが可能であり、その取引プロセス390はモバイル装置プロバイダとモバイルオペレータとの間の取引関係をモバイル装置のユーザが活用できるようにする。取引プロセス390はモバイル装置プロバイダ又はその他の業者により運営されているオンライン市場システムの一部分とすることが可能である。すなわち、取引プロセス390はモバイル装置プロバイダのオンライン市場のホストとして機能するサーバで動作するソフトウェアとすることが可能である。一実施形態において、取引プロセス390はモバイルコンピュータ装置310で動作する一群のコンピュータ実行可能命令とすることが可能である。取引プロセス390は、モバイルオペレータ確認データ350及び/又はコンフィギュレーションデータ355をモバイルコンピュータ装置から受信することが可能である。
【0051】
モバイルオペレータの確認が妥当であると、モバイル装置のユーザは、モバイル装置の製造業者等とモバイルオペレータとの間の取引関係を活用できるようになる。例えば、店にアクセスしているモバイル装置がモバイル装置プロバイダにより提供されていたものであること、及び装置のモバイルオペレータはモバイル装置プロバイダが取引関係を有するものであることを市場が確認できた場合、モバイル装置プロバイダにより運営されているオンライン市場にアクセスしているモバイル装置のユーザに、固有の製品又はサービスの提案、割引、値引き、待遇、その他の取引内容が提示されてよい。例えば、モバイル装置プロバイダは、モバイル装置プロバイダの業務提携先を経由してモバイルネットワークにアクセスしているユーザに、ソフトウェアアプリケーション、周辺機器、アクセサリ又はその他のモバイルコンピュータ装置等に関する特殊な値引きを提案することができる。固有の製品又はサービスの提案、値引き又はその他の待遇等は、モバイル装置310のディスプレイに提示されるオンライン市場のインタフェースの一部として、モバイルコンピュータ装置のディスプレイで表示することが可能である。
【0052】
モバイルオペレータの確認が妥当であると、適切なモバイルオペレータのロゴ、商標又はその他のブランド情報(音声、文字、図形又は映像データを含むことが可能である)がモバイル装置で表示されるのを保証することにも有用である。例えば、モバイル装置が或るMVNOをモバイルオペレータとして使用している場合において、そのユーザが自身の月々の課金情報をオンラインで閲覧する画面に進んだ場合、その課金情報は親のMNOからではなくMVNOに由来しているものとして通知されるべきである。すなわち、モバイルオペレータに固有の課金情報に含まれている如何なる情報(例えば、ロゴ、商標、連絡先等)も、(ユーザが別の取り決めをしていない限り)親のMNOではなくMVNOのものであるべきである。(例えば、電子メール、SMS、MMS、印刷等である)配布方法等のような他の課金情報の選択肢は、モバイルオペレータのものに一致しているべきである。
【0053】
モバイルオペレータの識別情報を確認サーバから受信すると、モバイルコンピュータ装置310は装置のコンフィギュレーション(設定)を目下のそのモバイルオペレータに合わせる所定の処理を実行する。例えば、装置は、モバイル装置プロバイダのオンラインストアにアクセスし、装置の現在のモバイルオペレータに関連するアプリケーション(モバイル装置310にダウンロード及びインストールすることが可能であり、かつユーザの加入を管理し、手数料を閲覧して支払い、利用等を監視できるようにするアプリケーション)が存在することを確認し、そのアプリケーションをダウンロードする選択肢をユーザに提示することが可能である。同様に、装置310は、モバイル装置プロバイダのウェブサイトに至るためのブックマークをモバイル装置のウェブブラウザアプリケーションにユーザ(彼又は彼女)が追加することを希望するか否かを問い合わせることが可能である。
【0054】
モバイルコンピュータ装置310が複数の加入者識別情報を保存できる場合、モバイル装置310は、モバイルネットワークサービスを現在提供しているモバイルオペレータだけでなく、1つより多い数の加入に関するモバイルオペレータを保存することが可能である。こうして、モバイル装置のユーザは、モバイル装置プロバイダと複数の加入者識別情報に関連するモバイルオペレータとの間の任意の取引関係を活用することが可能である。例えば、特定のモバイルオペレータに関連する加入者識別子が最後に使用されたことを示す利用頻度情報が、モバイル装置310に保存されてもよい。この利用情報は、モバイル装置のユーザに特定の値引き及び提案が提示されるか否かを判断するためにモバイル装置プロバイダのオンライン市場により利用することが可能である。例えば、ユーザがそのモバイルオペレータを現在利用している場合、或いは装置310が過去のある日、週、月又はその他の時点でそのモバイルオペレータを利用していた場合に、店舗は特定の取引内容又は待遇等を提案してもよい。
【0055】
図4は第1の例によるモバイルオペレータ確認方法400を示すフローチャートである。本方法400はスマートフォンのプロバイダにより運営されているモバイルオペレータ確認サーバにより実行できる。410において、モバイルオペレータの確認要求がモバイルコンピュータ装置から受信される。モバイルオペレータ確認要求はモバイルオペレータ確認データを有する。一例として、確認サーバはGSM(登録商標)スマートフォンからモバイルオペレータ確認要求を受信する。この要求はスマートフォンに挿入されているスマートカードに保存されているモバイルオペレータ確認データを有する。420において、モバイルオペレータ確認データが複数のモバイルオペレータルールのうち少なくとも1つを満足するか否かが判断される。モバイルオペレータルールは複数のモバイルオペレータに関連している。一例として、サーバは、確認データがモバイルオペレータAに関す得るモバイルオペレータルールに合致することを判断する。
【0056】
430において、複数のモバイルオペレータルールのうちの少なくとも1つが確認対象のモバイルオペレータに関連していた場合、確認されたモバイルオペレータを指定するモバイルオペレータ確認データと確認されたモバイルオペレータに関するコンフィギュレーションデータとが、モバイルコンピュータ装置に送信される。コンフィギュレーションデータは、モバイル装置プロバイダと確認されたモバイルオペレータとの間の取引関係を活用するためにモバイルコンピュータ装置又は取引プロセス部により利用可能な情報を含む。例えば、第1のモバイルオペレータ確認データがモバイルコンピュータ装置に送信される。この例の場合、唯1つのモバイルオペレータルールがモバイルオペレータ確認データに合致し、モバイルオペレータAの確認データがGSMスマートフォンに送信される。モバイルオペレータAに関するコンフィギュレーションデータは、GSMスマートフォンに送信され、スマートフォンプロバイダがホストを務めるオンライン市場の一部で取引プロセス部により利用可能な情報を含み、オンライン市場における特定の商品及び役務について10%の割引を提案する。
【0057】
本方法例400において、本方法は少なくとも1つのモバイルオペレータルールを複数のモバイルオペレータルールに追加するステップ又は少なくとも1つのモバイルオペレータルールを修正するステップを更に有することが可能である。本方法400の更なる例において、本方法は、第2のモバイルオペレータ確認要求を送信するモバイルコンピュータ装置に要求を送信するステップを更に有することが可能である。
【0058】
図5は、第2の例によるモバイルオペレータ確認方法500を示すフローチャートである。本方法50は、例えば、2枚のSIMカードを保持しているGSMスマートフォンにより実行することが可能であり、第1のSIMカードはティーモバイル(T-Mobile)に関する加入者識別情報を表現する情報を保存しており、第2のSIMカードはAT&Tモビリティに関する加入者識別情報を表現する情報を保存している。510において、モバイルオペレータ確認要求がモバイルコンピュータ装置からモバイルオペレータ確認サーバに送信される。モバイルオペレータ確認要求はモバイルオペレータ確認データを有する。この例の場合、スマートフォンは、モバイルオペレータ確認要求を、スマートフォンプロバイダが運営している確認サーバに送信する。要求は第1のSIMカードに保存されているデータを含む。520において、モバイルオペレータを特定するモバイルオペレータ確認データとモバイルオペレータに関するコンフィギュレーションデータとが、モバイルオペレータ確認サーバから受信される。この例の場合、スマートフォンは、モバイルオペレータとしてティーモバイル(T-Mobile)を示すモバイルオペレータ確認データと、ティーモバイルがホストを務めるオンライン市場の一部を実行する取引プロセス部により使用可能な情報を含むティーモバイルに関するコンフィギュレーションとを受信し、モバイル装置プロバイダとティーモバイルとの間の関係を活用する。
【0059】
一実施形態において、コンピュータ装置は1つ以上のスマートカードスロットを有し、方法500は、1つ以上のスマートカードスロットのうちの何れかにスマートカードが挿入されたことを検出するステップと、第2のモバイルオペレータ確認要求をモバイルオペレータ確認サーバに送信するステップとを有し、第2のモバイルオペレータ確認要求はスマートカードに保存されているモバイルオペレータ確認データを含んでいる。上記の具体例を引き続き考察すると、GSMスマートフォンは、SIMカードスロットのうちの何れかに新たなSIMカードが挿入されたことを検出し、新たなSIMカードから抽出された情報を含む第2のモバイルオペレータ確認要求を確認サーバに送信する。一実施形態において、モバイルオペレータ確認データ及びコンフィギュレーションデータは、モバイルコンピュータ装置に保存されることが可能である。
【0060】
図6は、モバイル装置プロバイダとモバイルオペレータと間の取引関係をモバイルコンピュータ装置のユーザが活用できるようにするために、取引プロセス部と通信するモバイルコンピュータ装置による方法例600のフローチャートを示す。方法600は例えばモバイルコンピュータ装置プロバイダAにより提供されたスマートフォンにより実行され、スマートフォンは、そのスマートフォンのモバイルオペレータとしてモバイルオペレータBを指定しているモバイル確認データと、モバイルオペレータBのオンライン市場で利用可能な情報を含むモバイルオペレータBに関するコンフィギュレーションデータとを受信し、スマートフォンユーザに特殊な待遇又は取引が提案される。610において、モバイルオペレータ確認データ及び/又はコンフィギュレーションデータを取引プロセス部に送信される。この例の場合、スマートフォンは、モバイルオペレータBとモバイルコンピュータ装置プロバイダAとの間に取引関係が存在することを示すコンフィギュレーションデータを送信する。620において、取引関係から生じる恩恵を示す情報が、モバイルコンピュータ装置において取引プロセス部から受信される。この例の場合、スマートフォンは、オペレータBのオンライン市場で提案されている所定の製品について割引された価格の提示を、モバイルオペレータBのオンライン市場から受信する。一実施形態において、方法500は方法600の610及び620のステップを含むことが可能である。
【0061】
以上、開示されたいくつかの方法に関する動作例が説明の簡明化のため特定の一連の順序で説明されたが、特定の順序が以下に言及する具体的な言語で必要とされない限り、本説明は別の順序による動作例も包含していることが理解されるべきである。例えば、順番に説明された処理は場合によっては別の順序で実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。更に、説明の簡明化のため、添付図面は、開示される方法が他の方法と関連して使用できる様々な方法例を具体的には示していない点に留意を要する。
【0062】
開示される如何なる方法もコンピュータで実行可能な命令又はコンピュータプログラムプロダクト(「プログラム等」と言及する)として実行することが可能であり、プログラム等は、コンピュータで読み取ることが可能な1つ以上の有形の記憶媒体(例えば、DVDやCD等のような1つ以上の光媒体ディスク、揮発性メモリ要素(例えば、DRAM又やSRAM等)又は不揮発性メモリ要素(例えば、ハードドライブ等))に保存され、かつコンピュータ(例えば、スマートフォンを含む商業的に入手可能な任意のコンピュータ或いはコンピュータハードウェアを含むその他の携帯装置等)において実行される。コンピュータで読み取ることが可能な媒体は、伝搬される信号を含まない。開示される技法を実施するための任意のコンピュータ実行可能命令だけでなく開示される実施形態において作成又は使用される任意のデータも、コンピュータで読み取ることが可能な1つ以上の媒体(例えば、コンピュータで読み取ることが可能な有形の媒体)に保存することが可能である。コンピュータで実行することが可能な命令は、例えば、ウェブブラウザ又はその他のソフトウェアアプリケーション(例えば、リモートコンピュータアプリケーション等)を介してアクセス又はダウンロードされる個別ソフトウェアアプリケーション又はソフトウェアアプリケーションの一部とすることが可能である。そのようなソフトウェアは、例えば、単独のローカルコンピュータにおいて(例えば、商業的に入手可能な適切な任意のコンピュータ)、或いは1つ以上のネットワーク要素を用いたネットワーク環境(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、クライアントサーバネットワーク(例えば、クラウドコンピュータネットワーク等)又はその他のネットワークを介して接続された環境)において実行できる。
【0063】
簡明化のため、ソフトウェア方式による実施形態のうち選択された限られた形態しか説明されていない。既存の他の部分の詳細については省略されている。例えば、開示される技術は、特定の如何なるコンピュータ言語やプログラムに限定されないことが理解されるべきである。例えば、開示される技術は、C++、ジャバ(Java(登録商標))、パール(Perl)、ジャバスクリプト(JavaScript(登録商標))、アドビフラッシュ(Adobe Flash)又はその他の適切な如何なるコンピュータ言語で実現されてもよい。同様に、開示される技術は特定の如何なるコンピュータにも特定の如何なるハードウェアにも限定されない。適切なコンピュータやハードウェア自体に関する詳細は従来技術に属するので本願において詳細に説明する必要はない。
【0064】
更に、(例えば、開示される任意の方法をコンピュータに実行させるコンピュータ実行可能命令等のような)ソフトウェア方式に基づく如何なる実施の形態も、適切な通信手段を介して更新され、ダウンロードされ或いは遠隔的にアクセスされてよい。そのような適切な通信手段は、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ケーブル(光ファイバケーブルを含む)、磁気的な通信、電磁的な通信(RF、マイクロ波、赤外線等による通信を含む)、電子通信又は適切な他の通信手段を含む。
【0065】
開示される方法、装置及びシステムは如何なる方法によっても限定として解釈されるべきでない。むしろ本開示内容は単独で及び様々な組み合わせ(コンビネーション及びサブコンビネーションを含む)により開示された様々な実施の形態による新規かつ非自明な特徴の全てに対して意図されている。開示される方法、装置及びシステムは如何なる特定の形態、特定の特徴或いは特定の組み合わせにも限定されず、何らかの1つ以上の特定の利点が存在する或いは課題が解決される開示された特定の実施形態にも限定されない。本願による装置又は方法に関して本願で説明された動作説明、技術説明又はその他の内容説明は、本発明の理解を促すようになされているにすぎず、本発明を限定するように解釈してはならない。添付の特許請求の範囲に記載された装置及び/又は方法等はそのような動作説明等に従って機能する装置や方法には限定されない。開示される発明の原理を適用することが可能な多くの実施の形態に関し、説明された実施の形態は本発明の一例にすぎず本発明の範囲を限定するように解釈してはならないことが認められるべきである。むしろ本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。従って、そのようなものすべてが特許請求の範囲に属する。
図1
図3
図4
図5
図6
図2