特許第6033857号(P6033857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033857
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】ニードル・アセンブリ収納デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20161121BHJP
【FI】
   A61M5/32 500
   A61M5/32 510D
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-516309(P2014-516309)
(86)(22)【出願日】2012年6月19日
(65)【公表番号】特表2014-519934(P2014-519934A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】EP2012061719
(87)【国際公開番号】WO2012175502
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2015年6月5日
(31)【優先権主張番号】11170826.9
(32)【優先日】2011年6月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ダースバッハ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェレーナ・ホフマン
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05590774(US,A)
【文献】 特表2004−505683(JP,A)
【文献】 特開2011−062527(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0014430(US,A1)
【文献】 特表2008−501484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00− 5/32
B65D 83/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(3.1)と、開口部(3.1)の両側に配置されたレール(S1)と、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)にヒンジで連結され、開位置(O)、および少なくとも部分的に開口部(3.1)を覆う閉位置(C)を有するラッチ(8)とをそれぞれが含むニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)のアレイ(2)、ならびに
アレイ(2)上に可動式に配置され、注射デバイスを受けるように適合された開口部(4.2)と、レール(S1)と係合するように適合されたアームと、トレーラ(10)とを含む、スライダ(4)
を備え、
アレイ(2)に対し第1の方向にスライダ(4)を動かすことにより、トレーラ(10)は開位置(O)のラッチ(8)を閉位置(C)に移動させる、
ニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【請求項2】
レール(S1)の第1の端部は切込み(6)を含む、請求項1に記載のニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【請求項3】
スライダ(4)は、所与のニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)の開口部(3.1)をスライダ(4)の開口部(4.2)と位置合わせしたときに切込み(6)と係合するように適合されたフック(7)を含む、請求項2に記載のニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【請求項4】
フック(7)は、スライダ(4)が第1の方向に移動したときに切込み(6)上の斜面と係合するように適合された傾斜縁部と、切込み(6)と係合して、スライダ(4)が第1の方向と反対の第2の方向に移動することを阻止するように適合された当接面とを含む、請求項3に記載のニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【請求項5】
フック(7)が切込み(6)と係合したときに、可聴フィードバックおよび触覚フィードバックのうちの少なくとも1つを与える、請求項3に記載のニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【請求項6】
連続するニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)はヒンジ(5)によって連結される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【請求項7】
ラッチ(8)は、開口部(3.1)の周縁と係合するように適合された1つまたはそれ以上の突起を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【請求項8】
スライダ(4)は、注射デバイスをニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)の開口部(3.1)と位置合わせするように適合されたガイド(4.1)を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【請求項9】
開口部(3.1)をそれぞれが含むニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)のアレイ(2)と、
アレイ(2)上に回転可能に配置され、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)の開口部(3.1)を覆って配置された複数のカバー要素(12)を含む、カバー(11)と、
ニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)の開口部(3.1)と位置合わせするように適合された開口部(4.2)を含み、カバー(11)に結合されるスライダ(4)とを備えるニードル・アセンブリ収納デバイス(1)であって、
ここで、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)は、開口部(3.1)の両側に形成されたガイド・レール(15)を含み、
カバー要素(12)が、ガイド・レール(15)と係合するように適合されたスタビライザ(16)を含むことを特徴とするニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【請求項10】
ニードル・アセンブリ収納コンパートメント(3)のうちの所与の1つは、スライダ(4)またはカバー(11)の動きを阻止するためにスライダ(4)またはカバー(11)に当接するように適合された1つまたはそれ以上の突起(3.3)を含む、請求項9に記載のニードル・アセンブリ収納デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互連結されたニードル・アセンブリ収納コンパートメントのアレイを備えたニードル・アセンブリ収納デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病などの病気を患う患者は、頻繁に注射を自己投与しなければならない。自己投与注射をしやすくするために、自動注射器またはペン注射器のような注射デバイスが開発されてきた。通常、このような注射デバイスは再使用可能であり、感染の危険を最小限にするために、滅菌した注射ニードル・アセンブリが再装着される。しかし、このようなニードル・アセンブリは一般に、箱に包装されており、患者が輸送するには不便である。この問題を解決するために、ニードル・アセンブリ収納デバイスが開発された。従来のニードル・アセンブリ収納デバイスは、携帯容器内に配置された複数の注射ニードル・アセンブリを含む。このような従来のニードル・アセンブリ収納デバイスは、特許文献1、特許文献2、および特許文献3で論じられている。
【0003】
しかし、ニードル・アセンブリの携帯性を都合のよいように提供し、かつ使用済みニードル・アセンブリを廃棄できるようにするニードル・アセンブリ収納デバイスがなお必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7134550号
【特許文献2】米国特許第5873462号
【特許文献3】国際公開第2009/136193号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ニードル・アセンブリを収納および廃棄するためのニードル・アセンブリ収納デバイスを提供することである。
【0006】
この目的は、請求項1によるニードル・アセンブリ収納デバイスによって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に提示される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な一実施形態では、ニードル・アセンブリ収納デバイスが、ニードル・アセンブリ収納コンパートメントのアレイと、アレイ上に可動式に配置されたスライダとを備える。ニードル・アセンブリ収納コンパートメントのそれぞれは、開口部と、開口部の両側に配置されたレールと、ニードル・アセンブリ収納コンパートメントにヒンジで連結されたラッチとを含む。ラッチは、開位置と、少なくとも部分的に開口部を覆う閉位置とを有する。スライダは、注射デバイスを受けるように適合された開口部と、レールと係合するように適合されたアームと、トレーラとを含む。アレイに対し第1の方向にスライダを動かすことにより、トレーラは開位置のラッチを閉位置に移動させる。
【0008】
例示的な一実施形態では、レールの第1の端部は切込みを含む。スライダは、所与のニードル・アセンブリ収納コンパートメントの開口部をスライダの開口部と位置合わせしたときに切込みと係合するように適合されたフックを含むことができる。フックは、スライダが第1の方向に移動したときに切込み上の斜面と係合するように適合された傾斜縁部と、切込みと係合して、スライダが第1の方向と反対の第2の方向に移動することを阻止するように適合された当接面とを含むことができる。フックが切込みと係合したときに、可聴フィードバックおよび触覚フィードバックのうちの少なくとも1つが与えられてよい。
【0009】
例示的な一実施形態では、連続するニードル・アセンブリ収納コンパートメントはヒンジによって連結される。ラッチは、開口部の周縁と係合するように適合された1つまたはそれ以上の突起を含むことができる。スライダは、注射デバイスをニードル・アセンブリ収納コンパートメントの開口部と位置合わせするように適合されたガイドを含むことができる。
【0010】
別の例示的な実施形態では、ニードル・アセンブリ収納デバイスが、ニードル・アセンブリ収納コンパートメントのアレイと、アレイ上に回転可能に配置されるカバーと、カバーに結合されるスライダとを備える。それぞれのニードル・アセンブリ収納コンパートメントは開口部を含む。カバーは、ニードル・アセンブリ収納コンパートメントの開口部を覆って配置された複数のカバー要素を含む。スライダは、ニードル・アセンブリ収納コンパートメントの開口部と位置合わせするように適合された開口部を含む。
【0011】
例示的な一実施形態では、ニードル・アセンブリ収納コンパートメントは、開口部の両側に形成された、またはニードル・アセンブリ収納コンパートメントの側壁に形成されたガイド・レールを含む。カバー要素は、ガイド・レールと係合するように適合されたスタビライザを含む。ニードル・アセンブリ収納コンパートメントの所与の1つは、スライダまたはカバーの移動を阻止するためにスライダまたはカバーに当たるように適合された1つまたはそれ以上の突起を含む。
【0012】
本発明のさらなる適用可能範囲は、以下に示される詳細な説明から明らかになろう。しかし、詳細な説明および具体的な例は、本発明の好ましい実施形態を示すとはいえ、この詳細な説明から本発明の趣旨および範囲内の様々な変更形態および修正形態が当業者には明らかになるので、例示としてのみ提示されていることを理解されたい。
【0013】
本発明は、以下に提示される詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されよう。図面は、例示としてのみ提示されており、したがって本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の例示的一実施形態によるニードル・アセンブリ収納デバイスの等角図である。
図2】本発明の例示的一実施形態による、開位置でのニードル・アセンブリ収納コンパートメントの等角図である。
図3】本発明の例示的一実施形態による、フラップが閉位置にあるニードル・アセンブリ収納コンパートメントの等角図である。
図4】本発明の例示的一実施形態によるニードル・アセンブリ収納デバイスの断面図である。
図5】本発明の例示的一実施形態によるニードル・アセンブリ収納デバイスの断面図である。
図6】本発明の例示的一実施形態によるスライダの等角図である。
図7】本発明の例示的一実施形態によるニードル・アセンブリ収納デバイスの等角図である。
図8】本発明の例示的一実施形態によるニードル・アセンブリ収納コンパートメントのアレイの等角図である。
図9】本発明の例示的一実施形態によるニードル・アセンブリ収納コンパートメントの等角図である。
図10】本発明の例示的一実施形態によるスライダの等角図である。
図11】本発明の例示的一実施形態によるニードル・アセンブリ収納デバイスの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
すべての図で、対応する部分には同じ参照記号が付けられている。
【0016】
図1は、本発明によるニードル・アセンブリ収納デバイス1の例示的一実施形態を示す。例示的一実施形態では、ニードル・アセンブリ収納デバイス1は、連続するニードル・アセンブリ収納コンパートメント3が連結された形の、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3のアレイ2を備える。アレイ2は、可撓性プラスチック材料から射出成形法によって製造することができる。アレイ2は、細長い形状で使用することも、あるいはアレイ2を湾曲させ、終端部同士を(一時的または恒久的に)連結することによって、丸みのある形、円形、または楕円形に形成することもできる。アレイ2またはその一部分は、それらだけには限らないが、ポリアミド、ポリエチレンおよびポリプロピレンが含まれる、大きい変形に耐えることができる材料種から形成されてもよい。
【0017】
図2および図3に示される例示的な一実施形態では、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3は、滅菌した環境内にニードル・アセンブリ(図示せず)を含むように適合されている。ニードル・アセンブリは、概して、注射デバイスと係合するように適合されたニードル・ハブと、ニードル・ハブに配置された針(例えば、両頭針)とを備える。ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の例示的な実施形態は、ニードル・アセンブリの形に対応するように全体として適合された形態を有する。例えば、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3は、円錐形または円錐台形を有してもよい。注射デバイスがニードル・アセンブリ収納コンパートメント3内のニードル・アセンブリと係合しそれを取り出すこと、およびニードル・アセンブリを係合解除しそれを入れておくことができるようにするために、開口部3.1が、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の近位端部に形成されてもよい。例示的一実施形態では、開口部3.1は、剥離可能なフィルムで封止することができる。別の例示的実施形態では、テープをアレイ2の周囲に配置して、すべての開口部3.1を封止することができる。
【0018】
レールS1が開口部3.1に隣接して配置され得る。例示的な一実施形態では、2つのレールS1が開口部3.1の両側に平行に配置される。連続するニードル・アセンブリ収納コンパートメント3をそれぞれのレールS1によってつなぐことができる。例えば、連続するレールS1間にヒンジ5を形成して、少なくとも1つの平面内での相対運動(例えば、屈曲)を可能にすることができる。切込み6が、ヒンジ5の下の連続するニードル・アセンブリ収納コンパートメント3間に形成される。
【0019】
例示的な一実施形態では、ラッチ8がヒンジ9によってニードル・アセンブリ収納コンパートメント3に連結される。ラッチ8は、開位置(図2)と閉位置C(図3)の間で移動することができる。閉位置Cでは、ラッチ8は少なくとも部分的にニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の開口部3.1を覆い、それによって、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の中のニードル・アセンブリが取り出されることを防止できる。ラッチ8は、閉位置Cにあるときにニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の開口部3.1の周縁と係合する1つまたはそれ以上の突起を有してもよい。例えば、この突起は、摩擦で周縁と係合する、または周縁に形成されたスロットと係合することができる。例示的な一実施形態では、ラッチ8は閉位置Cでロックすることができる。
【0020】
図1に示された例示的な実施形態を再び参照すると、スライダ4がアレイ2上に可動式に配置されている。図6に示された例示的な一実施形態では、スライダ4は、例えばペン注射器、自動注射器、充填済みシリンジなどの注射デバイスを受けるように適合されたガイド4.1を含むことができる。例えば、ガイド4.1は、ニードル・アセンブリと係合/係合解除するときに注射デバイスがニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の中のニードル・アセンブリと適切に位置合わせされることを保証するために円筒形であっても、また注射デバイスの直径と実質的に等しい直径を有してもよい。ガイド4.1は、注射デバイスを受けるための開口部4.2を含んでもよい。
【0021】
例示的な一実施形態では、デバイス1は、アレイ2およびスライダ4の2つの部品から構成されてもよい。
【0022】
例示的な一実施形態では、スライダ4は、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3上のレールS1と係合する1対のアームをガイド4.1の両側に含む。アームとレールS1が係合することにより、スライダ4はアレイ2に沿って並進運動することができる。
【0023】
例示的な一実施形態では、スライダ4上の各アームは、連続するニードル・アセンブリ収納コンパートメント3間の切込み6と係合するフック7を含む。例示的な一実施形態では、フック7は、スライダ4のガイド4.1をニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の開口部3.1と位置合わせしたときに切込み6と係合する。フック7は、スライダ4が第1の方向R1に移動したときに切込み6と係合解除するようにする傾斜縁部と、スライダ4が第2の方向R2に移動したときに切込み6に当たるようにする当接面を含むことができる。切込み6は、フック7の傾斜縁部と係合する斜面を有してよい。
【0024】
例示的な一実施形態では、スライダ4はトレーラ10を含む。以下でさらに説明するように、トレーラ10は、スライダ4のベース上に配置され、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の外面に沿って載り、スライダ4がアレイ2に沿って移動するにつれてラッチ8と係合することができる。
【0025】
以下でさらに説明するように、それぞれのニードル・アセンブリ収納コンパートメント3内のニードル・アセンブリにアクセスすることは、スライダ4をアレイ2の外周Sのまわりに並進運動させることによって達成することができる。
【0026】
図4の例示的な一実施形態に示されるように、スライダ4はニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の上に、スライダ4のガイド4.1がニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の開口部と位置合わせされるように配置される。注射デバイスは、ガイド4.1の中に挿入して、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の中のニードル・アセンブリと係合することができる。フック7が切込み6と係合することによって、注射デバイスがニードル・アセンブリと係合している間(または係合解除している間)、スライダ4の移動を阻止することができる。
【0027】
使用済みニードル・アセンブリがニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の中に入れられた後、スライダ4は、そのニードル・アセンブリ収納コンパートメント3を覆うようにアレイ2に沿って進められて、ニードル・アセンブリの再使用を防止することができる。スライダ4がアレイ2に沿って第1の方向に移動するとき、トレーラ10は、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3上のラッチ8と係合する(図4に示される開位置Oで)。スライダが第1の方向にさらに移動することにより、トレーラ10が、図5に示されるように、ラッチ8を閉位置Cに移行させるようにする。フック7が次のアレイ2の切込み6と係合したとき、触覚フィードバックおよび/または可聴フィードバックが与えられる。
【0028】
例示的な一実施形態では、ニードル・アセンブリ収納デバイス1は、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3のアレイ2を取り囲む外側ハウジング(図示せず)を備えることができる。アレイ2を外側ハウジングの中に回転可能に支持することも、あるいは外側ハウジングを(それに結合された、またはそれと一体に形成されたスライダ4と共に)アレイ2に対して回転可能とすることもできる。
【0029】
図7から11は、本発明によるニードル・アセンブリ収納デバイス1の別の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態(図7に示す)では、ニードル・アセンブリ収納デバイス1は、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3のアレイ2の外面を覆うカバー11を含む。カバー11は、複数のカバー要素12によって形成されてもよい。連続するカバー要素12は、ヒンジによって連結することができる。アレイ2が円形または楕円形に作られる例示的な一実施形態では、カバー11の第1の終端部がスライダ4の第1の縁部に取り付けられ、カバー11の第2の終端部がスライダ4の第2の縁部に取り付けられてもよい。したがって、スライダ4がアレイ2の上を移動するにつれて、カバー11も同様にアレイ2の上を移動する。図10に示されるように、例示的な一実施形態では、スタビライザ16がカバー要素12のそれぞれの内面に形成されてもよい。スタビライザ16は互いに平行な、またカバー要素12の側方端部と平行な細長い突起とすることができる。
【0030】
図8および図9に示されるように、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の例示的な実施形態は、ニードル・アセンブリの形に対応するように全体として適合された形態を有する。例えば、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3は、円錐形または円錐台形を有してもよい。注射デバイスがニードル・アセンブリ収納コンパートメント3内のニードル・アセンブリと係合しそれを取り出すこと、およびニードル・アセンブリを係合解除しそれを入れておくことができるようにするために、開口部3.1が、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の近位端部に形成されてもよい。
【0031】
例示的な一実施形態では、開口部3.1に隣接してその両側にガイド・レール15が配置されてもよい。ガイド・レール15は、開口部3.1と同じ平面に配置されているものとして描かれているが、当業者には、ガイド・レール15がニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の側面から突出して(または側面に形成されて)いてもよいこと、また1つまたはそれ以上のガイド・レール15が存在し得ることが理解されよう。デバイス1が組み立てられるとき、カバー要素12のスタビライザ16がガイド・レール15に当たって(例えば、スタビライザ16はガイド・レール15に対して横方向でもよい)、例えば、アレイ2に対してカバー11が横方向に変位することを阻止することができる。
【0032】
図9は、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の例示的な一実施形態を示す。ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3は、その全長に沿って延びてニードル・アセンブリ収納コンパートメント3を覆う側壁3.2を含むことができる。例示的な一実施形態では、側壁3.2の外面は、スライダ4および/またはカバー11を回転させているときにデバイス1を把持しやすくするような触感にすることができる。
【0033】
図8を参照すると、例示的な一実施形態では、ニードル・アセンブリ収納コンパートメント3のうちの1つは、その上に1つまたはそれ以上の突起3.3が形成されていてよい。突起3.3は、その1つのニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の側方縁部から横方向に延在してもよい。図11に示されるように、例示的な一実施形態では、スライダ4は最初、1つまたはそれ以上の突起3.3を有する1つのニードル・アセンブリ収納コンパートメント3の上に位置する。スライダ4および/またはカバー11は、すべてのニードル・アセンブリ収納コンパートメント3にわたってスライダ4および/またはカバー11が回転され、すべてのニードル・アセンブリが使用されたときに突起3.3に当たる止め具を含むことができる。止め具の当接面および突起3.3により、使用済みニードル・アセンブリの再使用を防止することができる。例示的な一実施形態では、止め具が突起3.3と係合した後にスライダ4および/またはカバー11が回転することが阻止されるように、止め具は突起3.3とロックするように係合することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 ニードル・アセンブリ収納デバイス
2 アレイ
3 ニードル・アセンブリ収納コンパートメント
3.1 開口部
3.2 側壁
3.3 突起
4 スライダ
4.1 ガイド
4.2 開口部
5 ヒンジ
6 切込み
7 フック
8 ラッチ
9 ヒンジ
10 トレーラ
11 カバー
12 カバー要素
13 第3のヒンジ
14 外側ハウジング
15 ガイド・レール
16 スタビライザ
S 外周
S1 レール
O 開位置
C 閉位置
R1 第1の方向
R2 第2の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11